JPH09201655A - 移動鋳型式薄スラブ連鋳機の注湯ノズルおよび移動鋳型式薄スラブ連鋳機における注湯方法 - Google Patents

移動鋳型式薄スラブ連鋳機の注湯ノズルおよび移動鋳型式薄スラブ連鋳機における注湯方法

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JPH09201655A
JPH09201655A JP840296A JP840296A JPH09201655A JP H09201655 A JPH09201655 A JP H09201655A JP 840296 A JP840296 A JP 840296A JP 840296 A JP840296 A JP 840296A JP H09201655 A JPH09201655 A JP H09201655A
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pouring
molten metal
moving mold
pouring nozzle
thin slab
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JP840296A
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Kiyonobu Sakaguchi
清信 坂口
Hitoshi Matsuzaki
均 松崎
Katsuyuki Yoshikawa
克之 吉川
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動鋳型と注湯ノズルの間からの溶湯漏れを
阻止して、水蒸気爆発等の二次災害の発生をなくするこ
とにより移動鋳型式薄スラブ連鋳機の鋳造操業の安全性
を向上させる。 【解決手段】 移動鋳型4に挿入される注湯ノズル11
の先端摺動部材12よりもタンディッシュ10側寄りの
先端部の外周にノッチ14を周設し、ノッチ14よりも
1〜2mm先端側に測温接点15aが位置するように熱
電対15を埋設すると共に、この熱電対15によって測
定される温度が予め設定した温度以上になるとストッパ
10aが自動的に作動されて溶湯の注湯を停止させる構
成とする。さすれば、ノッチ14の底部から内側に連通
するクラックの発生が注湯ノズル11の破損開始時とし
て溶湯の侵入による温度上昇で検出され、注湯ノズル1
1の破断前に注湯を停止することにより溶湯漏れが阻止
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動鋳型式薄スラ
ブ連鋳機の注湯ノズルおよび移動鋳型式薄スラブ連鋳機
における注湯方法に係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】薄スラブを連続鋳造するのに、例えば移
動鋳型式薄スラブ連鋳機が用いられている。先ず、移動
鋳型式薄スラブ連鋳機を、その模式的側面構成説明図の
図3と図4とを参照しながら以下に説明する。なお、移
動鋳型式薄スラブ連鋳機には縦型と傾斜型とがあるが、
従来例1については図3(縦型)に基づいて、また従来
例2については図4(傾斜型)に基づいて説明する
【0003】以下、従来例1に係る移動鋳型式薄スラブ
連鋳機を、図3を参照しながら説明すると、これは、相
対する部分が平行になるように、上下方向の軸線に対し
て対称配設された3つずつのプーリ2に掛装されてなる
ベルト3,3と、最下部のプーリ2の下方に配設され、
前記ベルト3,3の平行な部分の間に形成される移動鋳
型4で連続鋳造されて排出される薄スラブsの両側面を
転接する一対のピンチロール6と、前記ベルト3,3の
平行部分の相反する側のそれぞれに配設される冷却装置
5,5と、前記ベルト3,3の幅方向の両側を塞ぐ図示
しない一対のサイドブロック装置とからなっている。そ
して、このような移動鋳型式薄スラブ連鋳機1の移動鋳
型4の上部開口部には、タンディッシュ10から、この
移動鋳型4内に溶湯を注湯する注湯ノズル11の先端部
分が挿入されている。従って、タンディッシュ10内の
溶湯が注湯ノズル11から注湯されると、溶湯は冷却装
置5,5で冷却され、次第に凝固しながらベルト3,3
の平行部分の下向き移動により下方に移動して、薄スラ
ブsとなる。
【0004】次に、従来例2に係る移動鋳型式薄スラブ
連鋳機を、図4を参照しながら説明すると、これは、移
動鋳型4の溶湯注湯側が鋳片sの排出側よりも若干高く
なるように傾斜配設されてなる傾斜型で、相対する部分
が平行になるように2つずつのプーリ2に掛装され、外
面に複数の鋳型ブロック3aが配設されてなるベルト
3,3と、このベルト3,3の平行な部分の複数の鋳型
ブロック3aの間に形成される移動鋳型4と、前記ベル
ト3,3の幅方向の両側を塞ぐ図示しない一対のサイド
ブロック装置とからなっている。そして、このような移
動鋳型式薄スラブ連鋳機1の移動鋳型4の溶湯注湯側に
はタンディッシュ10から、この移動鋳型4内に溶湯を
注湯する注湯ノズル11の先端部分が挿入されている。
従って、タンディッシュ10内の溶湯が注湯ノズル11
から注湯されると、溶湯は鋳型ブロック3aで冷却さ
れ、次第に凝固しながらベルト3,3の平行部分の移動
により排出側から排出されて薄スラブsとなる。
【0005】周知のとおり、上記のような移動鋳型式薄
スラブ連鋳機で2とおりの注湯方法(密閉注湯、オープ
ン注湯)が実施されている。上記図3,4に示されてい
る注湯ノズルは移動鋳型に挿入されており、これは密閉
注湯を実施する場合である。密閉注湯は、オープン注湯
のように溶湯への酸化膜の巻き込み等が起こりにくく、
良好な表面品質を有する薄スラブを鋳造するのに適した
注湯方法であると考えられている。しかしながら、移動
鋳型と注湯ノズルの表面との直接接触による注湯ノズル
11の破損が大きな問題となっている。つまり、注湯ノ
ズル11が破損すると、溶湯漏れや水蒸気爆発等の二次
災害を誘発する恐れがあるため、極めて危険性が高いと
いう安全上の問題がある。
【0006】上記のような移動鋳型と注湯ノズルとの直
接接触を防ぐことを可能ならしめるようにした注湯ノズ
ルが、例えば特公昭51−19810号公報に記載され
ている。以下、この注湯ノズルを、その斜視図の図5を
参照しながら説明すると、注湯ノズル11の先端に、連
続した摺動部材配設用溝が周設されている。この溝に
は、注湯ノズル11の外面から極く僅か突出する自己潤
滑性を有するグラフアイトあるいは窒化硼素からなる摺
動部材12(なお、前記公報においては、滑動挿入体3
2として記載されている。)が配設されている。この摺
動部材12により空気の巻き込みによる溶湯の酸化防止
や、移動鋳型と注湯ノズル11の表面の直接接触の阻止
により注湯ノズル11内における溶湯の凝固防止の点に
おいて優れているものの、注湯ノズル11の破損を確実
に回避することができない。
【0007】このような実情に鑑み、折損を防止し得る
ようにした種々の注湯ノズルが従来から提案されてい
る。以下、特開昭62−207539号公報で提案され
た注湯ノズルを、その模式的側面断面図の図6を参照し
ながら説明すると、移動鋳型式薄スラブ連鋳機1の移動
鋳型4にタンディッシュ10内の溶湯wを注湯する注湯
ノズル11は、耐熱性多孔質緩衝材10bを介してタン
ディッシュ10に接続されている。従って、注湯ノズル
11に作用する移動鋳型式薄スラブ連鋳機1に起因する
衝撃が耐熱性多孔質緩衝材10bにより吸収されるの
で、注湯ノズル11の破損が防止される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭62−20
7539号公報に開示されてなる注湯ノズルは、その折
損防止に対しては効果がある。しかしながら、注湯ノズ
ルがベルトあるいは鋳型ブロックに引張られる、いわゆ
るノズル取られ現象を起こすという解決すべき課題があ
る。つまり、このノズル取られ現象によりタンディッシ
ュへの取付け部に隙間が生じ、その隙間からの溶湯漏れ
の恐れや溶湯漏れに起因する水蒸気爆発等の二次災害が
誘発される恐れがある。
【0009】従って、本発明は、ノズル取られ現象によ
る事故を未然に防止することを可能ならしめる移動鋳型
式薄スラブ連鋳機の注湯ノズルおよび移動鋳型式薄スラ
ブ連鋳機における注湯方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者等は、注湯ノズル
の破損や注湯ノズルのノズル取られ現象という問題を確
実に防止することが困難であるという認識のもとに、敢
えて注湯ノズルに破損し易い部位を設けて破損位置を特
定し得るようにし、この破損し易い部位の破損を破損開
始初期段階で検知する手段と、溶湯漏れを防止し得る手
段とを講じれば上記課題を解決し得ると考えて、本発明
をなしたものである。
【0011】従って、上記課題を解決するために、本発
明の請求項1に係る移動鋳型式薄スラブ連鋳機の注湯ノ
ズルが採用した手段の特徴とするところは、薄スラブを
連続鋳造する移動鋳型に溶湯を注湯する移動鋳型式薄ス
ラブ連鋳機の注湯ノズルにおいて、前記移動鋳型内に差
し込まれる部分の外周部に連続したノッチを周設すると
共に、測温接点が前記ノッチ位置よりも1〜2mm先端
側に位置する熱電対を埋設したところにある。
【0012】また、本発明の請求項2に係る移動鋳型式
薄スラブ連鋳機の注湯ノズルが採用した手段の特徴とす
るところは、請求項1に記載の移動鋳型式薄スラブ連鋳
機の注湯ノズルにおいて、前記移動鋳型外の外周部に溝
を周設し、該溝に前記注湯ノズルの外面から僅か突出す
る自己潤滑性を有する材質からなる摺動部材を配設した
ところにある。
【0013】また、本発明の請求項3に係る移動鋳型式
薄スラブ連鋳機における注湯方法の要旨は、請求項1に
記載の注湯ノズルから溶湯を移動鋳型に注湯して薄スラ
ブを連続鋳造するに際して、前記熱電対で温度を測定し
続けると共に、該熱電対による測定温度が予め設定した
温度以上になったときに、溶湯の注湯を停止させること
を特徴とするものである。
【0014】また、本発明の請求項4に係る移動鋳型式
薄スラブ連鋳機における注湯方法の要旨は、請求項2に
記載の注湯ノズルから溶湯を移動鋳型に注湯して薄スラ
ブを連続鋳造するに際して、前記熱電対で温度を測定し
続けると共に、該熱電対による測定温度が予め設定した
温度以上になったときに、前記摺動部材が移動鋳型内に
突入するまで注湯ノズルを移動鋳型に押込むことを特徴
とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】ノズル取られによる事故を未然に
防止するためには、注湯ノズルの先端に破損誘発部を設
けてクラック等の破損箇所を特定し得るようにし、そし
てこの部位の破損開始時を確実に検知すると共に、その
検知結果に基づいて溶湯漏れを防止する手段を講じれ
ば、溶湯漏れや溶湯漏れに起因する水蒸気爆発等の二次
災害を防止することができる。より具体的には、注湯ノ
ズルの破損開始時と同時に溶湯の移動鋳型への注湯を停
止するか、あるいは通常注湯時には移動鋳型外にある注
湯ノズルのタンディッシュ側に、特公昭51−1981
0号公報に示されているような摺動部材を配設し、注湯
ノズルの破損開始時にこの注湯ノズルを移動鋳型内にさ
らに押込むという手段を採用することとする。従って、
発明者等は、溶湯の注湯が停止されたり、例え溶湯が注
湯され続けていても摺動部材により注湯ノズルとベルト
あるいは鋳型ブロック間への溶湯の侵入が阻止されるの
で、溶湯漏れを防ぐことができると考えたものである。
【0016】以下、本発明の請求項1と請求項3とに対
応する実施の形態1を、移動鋳型式薄スラブ連鋳機の溶
湯注湯側と注湯ノズルとタンディッシュとの模式的側面
断面図の図1(a)と、注湯ノズルの斜視図の図1
(b)とをしながら、従来と同一のものを同一符号を付
して説明する。なお、移動鋳型式薄スラブ連鋳機の構成
は従来例と同構成であるから、移動鋳型式薄スラブ連鋳
機の構成に係る説明についてはその概要に止める。
【0017】即ち、図1(a)に示す符号1は、傾斜型
の移動鋳型式薄スラブ連鋳機(以下、連鋳機という。)
で、この連鋳機1の、ベルト3,3と、これらベルト
3,3の幅方向の端部を塞ぐ図示しない一対のサイドダ
ム装置との間に形成される移動鋳型4には、タンディッ
シュ10内の溶湯wを移動鋳型4に注湯する、後述する
構成になる注湯ノズル11が挿入されている。なお、ベ
ルトの外表面に複数の鋳型ブロックが配設されている場
合には、移動鋳型4はベルト3,3の複数のサイドブロ
ックの相対する面と一対のサイドダム装置との間に形成
される。
【0018】注湯ノズル11の先端付近の外周には、長
方形断面をした連続する摺動部材嵌着用先端部溝11a
が周設され、この溝11aに注湯ノズル11の外面から
僅か突出する自己潤滑性を有する材質、例えばグラファ
イトまたは窒化硼素からなる先端摺動部材12が配設さ
れている。また、注湯ノズル11の先端摺動部材12の
配設位置よりもタンディッシュ10側寄りには深さが1
〜2mmのV型断面をしたノッチ14が周設されてい
る。なお、ノッチ14の深さが深過ぎると、頻繁に連鋳
機1の操業が停止され、薄スラブの鋳造能率の低下を余
儀無くされるので、ノッチ14の深さは実用上十分の耐
久寿命を確保し得るように設定される。
【0019】さらに、この注湯ノズル11には、測温接
点15aが前記ノッチ14よりも1〜2mm先端側に位
置する熱電対15が埋設されている。移動鋳型4に注湯
される溶湯が鋼である場合、例えば白金−白金・レニウ
ム、白金−白金ロジウム等の高融点金属線からなる熱電
対が用いられ、そして、アルミナ等の耐火物からなる図
示しない2芯の絶縁碍子管にとおされて埋設される。と
ころで、熱電対15の測温接点15aをノッチ14より
も1〜2mm先端側に位置させるようにしたのは、例え
ばノッチ14の底部から内部まで貫通するクラックが発
生すると、このクラックに侵入する溶湯の温度を確実に
検出し得るからである。なお、移動鋳型4に注湯される
溶湯がアルミニウムである場合には、例えばクロメル−
アルメル熱電対で十分である。
【0020】そして、この熱電対15の熱起電力は、リ
ード線15bを介してストッパ制御装置16に入力され
るようになっている。このストッパ制御装置16は、熱
電対15から入力される熱起電力を予め設定され熱起電
力と比較して、入力された熱起電力が設定温度以上であ
ると判断したときに、ストッパ作動装置17に対して、
タンディッシュ10内に設けられたストッパ10aを作
動(下降)させ、前記注湯ノズル11の溶湯流入口を遮
断するようにというストッパ遮断指令信号を発するもの
である。なお、ストッパ作動装置17としては、例えば
油圧・空圧を利用したものや電動モータ等が用いられ
る。
【0021】以下、上記構成になる注湯ノズル11によ
り移動鋳型4に溶湯を注湯して薄スラブを鋳造する場合
を説明すると、溶湯注湯中において、連鋳機1の衝撃に
起因する作用力により注湯ノズル11のノッチ14の底
部から内部に貫通するクラックが発生すると、注湯中の
溶湯がこのクラックに溶湯が侵入する。さすれば、熱電
対15の測温接点15aが溶湯に触れて高温になるの
で、この温度検出によって注湯ノズル11にクラックが
発生したという破損開始時が検出される。
【0022】前記ストッパ制御装置16は、熱電対15
から入力される熱起電力に対応する温度を予め設定され
ている温度と比較して注湯ノズル11の破損開始時であ
ることを判断し、ストッパ作動装置17に対してストッ
パ10aで注湯ノズル11の溶湯流入口を遮断するよう
にストッパ遮断指令信号を発信する。これにより、スト
ッパ10aで注湯ノズル11の溶湯流入口を遮断され、
注湯ノズル11からの移動鋳型4への溶湯の注湯が停止
される。
【0023】つまり、クラック内へ溶湯が侵入した時点
で注湯ノズル11からの溶湯の注湯が停止され、溶湯漏
れが阻止されるので、溶湯漏れに起因する水蒸気爆発等
の二次災害の発生が防止され、薄スラブの鋳造操業時の
安全性の向上に大いに寄与することができる。
【0024】なお、この熱電対15で測定される測定温
度が定常温度よりも50℃以上高くなった時点を以て注
湯ノズル11の破損開始時とすれば、例え注湯ノズル1
1の内側から外側にクラックが貫通していたとしても、
この注湯ノズル11のノッチ14位置よりも先端部分が
完全破断しておらず、注湯停止により溶湯漏れが発生す
るに至らないことを確認した。さらに、切断した注湯ノ
ズル11のノッチ14位置よりも先端部分が鋳込まれて
しまう(薄スラブの品質に悪影響を及ぼす。)というよ
うな不具合もなくなるという効果もある。
【0025】次に、本発明の請求項2と請求項4とに対
応する実施の形態2を、連鋳機の溶湯注湯側と注湯ノズ
ルとタンディッシュとの模式的側面断面図の図2(a)
と、注湯ノズルの斜視図の図2(b)とをしながら、上
記実施の形態1と同一のものを同一符号を付して、その
相違する点についてだけ以下に説明する。
【0026】即ち、タンディッシュ10内の溶湯wを移
動鋳型4に注湯する注湯ノズル11の外周であって、か
つ通常の注湯状態では移動鋳型外に位置している部分に
は、先端付近の外周に周設されている摺動部材嵌着用先
端部溝11aと同様の摺動部材嵌着用基端部溝11bが
周設され、この摺動部材嵌着用基端部溝11bには、注
湯ノズル11の外面から僅か突出する自己潤滑性を有す
るグラファイトまたは窒化硼素からなる基端摺動部材1
3が配設されている。図から良く理解されるように、こ
れ以外は全く従来例1に係る注湯ノズルと同構成になる
ものである。
【0027】そして、測温接点15aがノッチ14より
も1〜2mm先端側に位置するように埋設されている熱
電対15の熱起電力は、リード線15bを介してタンデ
ィッシュ制御装置18に入力されるようになっている。
このタンディッシュ制御装置16は、従来例1に係るス
トッパ制御装置と同様に、熱電対15から入力される熱
起電力を予め設定され熱起電力と比較して、入力された
熱起電力が設定温度以上であると判断したときに、タン
ディッシュ作動装置19に対して、タンディッシュ10
を連鋳機1の方向に移動させ、前記注湯ノズル11の基
端摺動部材13が移動鋳型内に突入させるものである。
なお、タンディッシュ作動装置19としては、従来例1
で用いたストッパ作動装置17を大型にしたものが用い
られる。
【0028】以下、上記構成になる注湯ノズル11によ
り移動鋳型4に溶湯を注湯する場合を説明すると、溶湯
注湯中において、連鋳機1の衝撃に起因する作用力で注
湯ノズル11のノッチ14の底部から内部に貫通するク
ラックが発生すると、注湯中の溶湯がこのクラックに溶
湯が侵入し、これにより熱電対15の測温接点15aが
溶湯に触れて高温になるので、この温度検出によって注
湯ノズル11にクラックが発生したという破損開始時が
検出される。
【0029】前記タンディッシュ制御装置18は、熱電
対15から入力される熱起電力により温度を検出し、こ
の温度レベルにより注湯ノズル11の破損開始時である
ことを判断し、前記タンディッシュ作動装置19に対し
て、タンディッシュ10を連鋳機1の方向に移動させ、
前記注湯ノズル11の基端摺動部材13が移動鋳型内に
突入させる。従って、基端摺動部材13により、例え注
湯が継続されていても溶湯漏れが阻止されるので、本実
施の形態2は上記実施の形態1と同効である。
【0030】なお、以上では、傾斜型構成になる連鋳機
1に対して本発明に係る注湯ノズルを適用した例を説明
したが、本発明に係る技術的思想を、従来例1において
説明した縦型の連鋳機に対しても適用することができる
ので、連鋳機の形式そのものに限定されるものではな
い。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1ま
たは3によれば、注湯ノズルのノッチ部位におけるクラ
ック発生という破損開始時に連鋳機の移動鋳型への溶湯
の注湯が停止され、また本発明の請求項2または4によ
れば、注湯ノズルのノッチ部位におけるクラック発生と
いう破損開始時に、通常状態では注湯ノズルの移動鋳型
外にある部分に設けた摺動部材が連鋳機の移動鋳型内に
突入するまで注湯ノズルが押込まれるので、移動鋳型と
注湯ノズルとの間の隙間を通って溶湯が漏れ出すことが
ないので、特公昭51−19810号公報や特開昭62
−207539号公報に開示されてなる従来例のよう
に、溶湯漏れの恐れがなく、溶湯漏れに起因する水蒸気
爆発等の二次災害が確実に防止されるという鋳造操業時
の安全性の向上効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係り、図1(a)は連
鋳機の溶湯注湯側と注湯ノズルとタンディッシュとの模
式的側面断面図であり、図1(b)は注湯ノズルの斜視
図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係り、図2(a)は連
鋳機の溶湯注湯側と注湯ノズルとタンディッシュとの模
式的側面断面図であり、図2(b)は注湯ノズルの斜視
図である。
【図3】従来例1に係る連鋳機の模式的側面構成説明図
である。
【図4】従来例2に係る連鋳機の模式的側面構成説明図
である。
【図5】従来例(特公昭51−19810号公報)に係
る注湯ノズルの斜視図である。
【図6】従来例(特開昭62−207539号公報)に
係る注湯ノズルの模式的側面断面図である。
【符号の説明】
1…連鋳機 2…プーリ 3…ベルト,3a…鋳型ブロック 4…移動鋳型 5…冷却装置 10…タンディッシュ,10a…ストッパ 11…注湯ノズル,11a…摺動部材嵌着用先端部溝,
11b…摺動部材嵌着用基端部溝 12…先端摺動部材 13…基端摺動部材 14…ノッチ 15…熱電対,15a…測温接点,15b…リード線 16…ストッパ制御装置 17…ストッパ作動装置 18…タンディッシュ制御装置 19…タンディッシュ作動装置w…溶湯

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄スラブを連続鋳造する移動鋳型に溶湯
    を注湯する移動鋳型式薄スラブ連鋳機の注湯ノズルにお
    いて、前記移動鋳型内に差し込まれる部分の外周部に連
    続したノッチを周設すると共に、測温接点が前記ノッチ
    位置よりも1〜2mm先端側に位置する熱電対を埋設し
    たことを特徴とする移動鋳型式薄スラブ連鋳機の注湯ノ
    ズル。
  2. 【請求項2】 前記移動鋳型外の外周部に溝を周設し、
    該溝に前記注湯ノズルの外面から僅か突出する自己潤滑
    性を有する材質からなる摺動部材を配設したことを特徴
    とする請求項1に記載の移動鋳型式薄スラブ連鋳機の注
    湯ノズル。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の注湯ノズルから溶湯を
    移動鋳型に注湯して薄スラブを連続鋳造するに際して、
    前記熱電対で温度を測定し続けると共に、該熱電対によ
    る測定温度が予め設定した温度以上になったときに、溶
    湯の注湯を停止させることを特徴とする移動鋳型式薄ス
    ラブ連鋳機における注湯方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の注湯ノズルから溶湯を
    移動鋳型に注湯して薄スラブを連続鋳造するに際して、
    前記熱電対で温度を測定し続けると共に、該熱電対によ
    る測定温度が予め設定した温度以上になったときに、前
    記摺動部材が移動鋳型内に突入するまで注湯ノズルを移
    動鋳型に押込むことを特徴とする移動鋳型式薄スラブ連
    鋳機における注湯方法。
JP840296A 1996-01-22 1996-01-22 移動鋳型式薄スラブ連鋳機の注湯ノズルおよび移動鋳型式薄スラブ連鋳機における注湯方法 Pending JPH09201655A (ja)

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JP840296A Pending JPH09201655A (ja) 1996-01-22 1996-01-22 移動鋳型式薄スラブ連鋳機の注湯ノズルおよび移動鋳型式薄スラブ連鋳機における注湯方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20110126135A (ko) * 2009-03-12 2011-11-22 잘쯔기터 플래시슈탈 게엠베하 수평 연속 주조 시스템용 주조 노즐

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JP2012519595A (ja) * 2009-03-12 2012-08-30 ザルツギッター・フラッハシュタール・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 水平型帯板鋳造設備用の鋳込ノズル

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