JPH09201093A - 極数切替電動機の運転制御装置 - Google Patents

極数切替電動機の運転制御装置

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JPH09201093A
JPH09201093A JP8004682A JP468296A JPH09201093A JP H09201093 A JPH09201093 A JP H09201093A JP 8004682 A JP8004682 A JP 8004682A JP 468296 A JP468296 A JP 468296A JP H09201093 A JPH09201093 A JP H09201093A
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pole
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JP8004682A
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Masato Mori
真人 森
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
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    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘導電動機の極数切替時のトルク変動を抑制
すること。 【解決手段】 モータ回転数ωrに対してトルク指令最
大値が滑らかに変化し、且つ任意のモータ回転数でのト
ルク指令最大値が同モータ回転数に対応する誘導電動機
1の最大トルク以下であるか、あるいは極数切替期間中
に落ち込む誘導電動機1の最大トルクの底部を除いて任
意のモータ回転数でのトルク指令最大値が同モータ回転
数に対応する誘導電動機1の最大トルク以下であるとい
う関係(図2の曲線,参照)を予めデータテーブル
部10aに設定しておき、入力したトルク指令T* と、
その時のモータ回転数ωrに対応するトルク指令最大値
*'max をトルク指令読出部10bによりデータテーブ
ル部10aから読み出して比較し、小さい方を選択して
新たなトルク指令T*'としてベクトル制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導電動機をベク
トル制御に基づいてインバータを用いて可変速制御し且
つ極数切替により広範囲な定出力運転を可能とする運転
制御装置に関し、特に極数切替時のトルク変動を抑制す
るように工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機の可変速制御には、インバー
タを電源とする周波数制御が多く採用されている。この
時の最大トルク特性は図7に破線の特性T′で示すよう
に、速度(モータ回転数または周波数)の上昇に比例さ
せてインバータからの供給電圧を高めることができる範
囲では定トルク特性であるが、それ以上では電源電圧V
の制限により周波数fの2乗に反比例した1/f2 のカ
ーブでトルクが低下する。これに対し、誘導電動機を駆
動源とする電気自動車などでは、負荷の要求トルク特性
は図7の実線の特性Tで示すように、定トルク範囲の速
度を越えると定出力範囲となり、周波数fの増加に反比
例した1/fのカーブでトルクが低下する。そのため、
最大トルク特性T′と負荷の要求トルク特性Tとの交点
になる周波数afより高い回転数では、最大トルク特性
Tで出力トルクが制限されることになる。aは一般に2
より大きい任意の数であるが、1以上であれば成り立
つ。
【0003】誘導電動機を定出力範囲で運転するとき、
高速域になるほど負荷トルクが低下するが、前述の如く
誘導電動機の最大トルク特性でトルクが制限されるた
め、負荷によってはトルク不足を招くことがある。
【0004】このトルク不足を解消する技術として、下
記文献により誘導電動機における固定子巻線構造を3相
巻線をN個(Nは偶数)備えたのと等価な巻線構造と
し、ベクトル制御に基づいて各相巻線の電圧の位相と周
波数をインバータにより制御することにより、低速運転
領域では誘導電動機を2N極にして駆動し、高速運転領
域では誘導電動機をN極にして駆動する技術が公表され
ている。 文献:電気自動車用極数切換誘導電動機の六相絶対変換
回転dq軸による解析、水野等、電気学会回転機研究
会、平成6年10月3日発表。
【0005】例えばN=2とし、6相の固定子巻線構造
を有する誘導電動機に対しては、インバータにより供給
する電圧の位相と周波数を制御することにより、低速運
転領域では4極にして駆動し、高速運転領域では2極に
して駆動する。このとき、図8に示すように、2極運転
時の最大トルクは4極運転時の最大トルクの約2倍にな
る。このため、図8に示すような回転数ωnで極数切替
を行うと、負荷の要求トルクTに対して誘導電動機の最
大トルクT′に余裕ができ、4極のみで運転する場合に
比べて広範囲での定出力運転が可能になる。また、同一
回転数において運転する場合には、2極運転時の周波数
は4極運転時の周波数のほぼ1/2となるので、2極運
転に切り替えることにより、誘導電動機の損失低減やイ
ンバータの制御性向上が図れる。
【0006】誘導電動機の6相の固定子巻線構造の巻線
配置を例示すると図9のように表わすことができる。但
し、各巻線は、4極に対しては120°相帯でほぼ全節
巻、2極に対しては60°相帯で磁極ピッチのほぼ1/
2となる短節巻が施されているものとする。従って、2
極とするためには向い合う巻線が異極となる磁束を作る
ように電圧を加えれば良く、各相の電圧Va1 ,Vb1 ,V
c1 ,Vd1 ,Ve1 ,Vf1を次に示す[数1]のようにすれ
ば良い。また、4極とするためには向い合う巻線が同極
となる磁束を作るように電圧を加えれば良く、各相の電
圧Va2 ,Vb2 ,Vc2 ,Vd2 ,Ve2 ,Vf2を次に示す[数
2]のようにすれば良い。但し、式中で、V1m ,ω1,
φ1は2極運転時の相電圧最大値,電源角周波数,位相
角である。また、V2m ,ω2 ,φ2は4極運転時の相電
圧最大値,電源角周波数,位相角である。
【0007】
【数1】
【0008】
【数2】
【0009】図9に示す6相巻線にあっては、ベクトル
制御の観点から、2極の回転座標軸(d1−q1軸)と
4極の回転座標軸(二倍角d2−q2軸)とを用意し
て、これらのdq軸(二軸)による座標軸を検討する
と、次式[数3],[数4]が得られる。
【0010】
【数3】
【0011】
【数4】
【0012】[数3]と[数4]の式中、添え字1は2
極機を、添え字2は4極機を示す。また、添え字sは固
定子(stator)即ち電機子の巻線に関するdq軸を、添
え字rは回転子(rotor )の巻線に関するdq軸を表わ
す。また、式中、2極のモータ定数にあっては、Rs1:
一次抵抗、Ls1:一次自己インダクタンス、Msr1 :相
互インダクタンス、Rr1:二次抵抗、Lr1:二次自己イ
ンダクタンス、Rm1:鉄損抵抗である。4極のモータ定
数にあっては、Rs2:一次抵抗、Ls2:一次自己インダ
クタンス、Msr2 :相互インダクタンス、Rr2:二次抵
抗、Lr2:二次自己インダクタンス、Rm2:鉄損抵抗で
ある。
【0013】上記「数3」にあって2極運転での電機子
巻線側電圧Vds1 ,Vqs1 の式中において、ベクトル制
御が行われている時を考えると、 Idr1 =0、Iqr1 =(−Msr1 /Lr1)・Iqs1 が成立する。
【0014】更に、鉄損抵抗をRm1=Rm2=0として無
視すると、上述の電圧Vds1 ,Vqs1 は次式[数5]と
なる。[数4]における4極運転での電機子巻線側電圧
Vds2 ,Vqs2 の式中でも、ベクトル制御が行われてい
る場合は同様に、Idr2 =0、Iqr2 =((−Msr2 /
Lr2)・Iqs2 が成立するので、これらの電圧Vds2,
Vqs2 も次式[数5]となる。
【0015】
【数5】
【0016】結果的に電機子巻線側電圧を、2極運転時
には次式[数6]のVds1 ,Vqs1の如く制御し、4極
運転時には次式[数7]のVds2 ,Vqs2 の如く制御す
れば良い。
【0017】
【数6】
【0018】
【数7】
【0019】結局、ベクトル制御演算において、速度指
令等からトルク指令を求め、このトルク指令から[数
3]に示した励磁電流指令Ids1 ,トルク電流指令Iqs
1 を求め、このd軸,q軸の電流指令Ids1 ,Iqs1 か
ら[数6]に示したd軸,q軸の電圧指令Vds1 ,Vqs
1 を求め、この電圧指令から[数1]に示した各相交流
電圧Va1 ,Vb1 ,Vc1 ,Vd1 ,Ve1 ,Vf1を求めて、こ
の各相交流電圧をインバータにより誘導電動機に供給す
ることにより2極運転を行うことができる。同様に、ベ
クトル制御演算において、速度指令等からトルク指令を
求め、このトルク指令から[数4]に示したd軸,q軸
の電流指令Ids2 ,Iqs2 を求め、この電流指令から
[数7]に示したd軸,q軸の電圧指令Vds2 ,Vqs2
を求め、この電圧指令から[数2]に示した各相交流電
圧Va2 ,Vb2 ,Vc2 ,Vd2 ,Ve2 ,Vf2を求めて、この
各相交流電圧をインバータにより誘導電動機に供給する
ことにより4極運転を行うことができる。
【0020】上述したような誘導電動機の各相巻線の電
圧の位相と周波数を切り替えることにより極数切替を行
う技術を、電気自動車に適用した場合の極性切替電動機
の運転制御装置の構成例を、図10を参照して説明す
る。
【0021】図10において、誘導電動機1は6相の固
定子巻線構造、または2組の3相巻線構造を組み合せた
固定子巻線構造を有している。インバータ装置2は1台
の6相インバータ、または2台の3相インバータにより
構成されている。バッテリー3は直流コンデンサ4を介
してインバータ装置2に直流電圧を供給し、インバータ
装置2は位相と周波数を制御した交流電圧を、誘導電動
機1の各相巻線に供給する。これにより、誘導電動機1
が回転する。
【0022】回転数センサ5は誘導電動機1の回転子に
結合されており、誘導電動機1の回転数(回転速度)に
応じたモータ回転数信号aを出力する。電流検出器6は
インバータ装置2から誘導電動機1へ供給する各相の電
流を検出し、検出した電流値に対応したモータ電流信号
bを出力する。
【0023】システム制御装置7には、前述のモータ回
転数信号a及びモータ電流信号bの他に、アクセル開度
信号cが入力され、ベクトル制御をする。そして、シス
テム制御装置7は、アクセル開度信号cの値に応じて、
次の(イ)〜(ニ)の動作をインバータ装置2に行わせ
るように、インバータ装置2にインバータ駆動信号dを
送る。
【0024】(イ)図11に示すように、低速運転領域
では誘導電動機1を4極運転するように、インバータ装
置2により誘導電動機1に供給する各相電圧の位相及び
周波数を制御する。しかも、4極運転中においては、ア
クセル開度信号cの増減に応じて供給電圧の周波数を増
減させて、誘導電動機1の回転数を増減させる。
【0025】(ロ)図11に示すように、高速運転領域
では誘導電動機1を2極運転するように、インバータ装
置2により誘導電動機1に供給する各相電圧の位相及び
周波数を制御する。しかも、2極運転中においては、ア
クセル開度信号cの増減に応じて供給電圧の周波数を増
減させて、誘導電動機1の回転数を増減させる。
【0026】(ハ)また、図11に示すように、モータ
回転数が低速運転領域から上昇して或る極数切替回転数
ωnに達したら、4極運転から2極運転に切り替える。
極数切替期間は0.7〜1秒程度であり、この期間では4
極運転用電圧を徐々に立下げ、2極運転用電圧を徐々に
立上げることにより、誘導電動機1に供給する電圧を、
4極運転用電圧から2極運転用電圧に徐々に切り替え
る。
【0027】(ニ)また、図11に示すように、モータ
回転数が高速運転領域から下降して或る極数切替回転数
ωnに達したら、2極運転から4極運転に切り替える。
この極数切替期間では2極運転用電圧を徐々に立下げ、
4極運転用電圧を徐々に立上げることにより、誘導電動
機1に供給する電圧を、2極運転用電圧から4極運転用
電圧に徐々に切り替える。
【0028】結局、図11に示した極数切替電動機の運
転制御装置では、低速運転領域では4極として、また高
速運転領域では2極として誘導電動機1を運転し、アク
セル開度信号cに応じて誘導電動機1の回転を制御(速
度制御)している。また、極数切替期間ではトルクが喪
失することがないように、インバータ装置2から4極運
転用電圧と2極運転用電圧の両方を出力している。その
ため、極数切替期間中においては、インバータ装置2の
出力電圧値は、インバータ出力電圧上限値を上限とし
て、大きくなる傾向にある。なお、インバータ出力電圧
上限値は、バッテリー3の電圧とインバータ装置2の性
能によって規定される。
【0029】極数切替期間中のインバータ装置2の出力
電圧は、軽負荷時(インバータ装置2の出力パワーが小
さい時)においては、極数切替期間前後の時の出力電圧
値より大きくはなっても、インバータ出力電圧上限値に
達することはない。このため、軽負荷であれば、極数切
替期間においてトルク変動(モータ軸トルクの低減)は
殆どない。つまり、トルク変動が生じないように4極運
転用電圧と2極運転用電圧を大きくして出力しても、そ
の合成出力電圧値はインバータ出力電圧上限値よりも小
さい。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】しかし重負荷時(イン
バータ装置の出力パワーが大きい時)には、極数切替期
間以外の時であってもインバータ装置2の出力電圧がイ
ンバータ出力電圧上限値に近くなっている。そのため、
極数切替期間では、トルク不足にならないように出力電
圧を上昇させようとしても、インバータ出力電圧上限値
で規制されてしまい、出力電圧を十分大きくすることが
できない。つまり、インバータ装置2の出力電圧はイン
バータ出力電圧上限値以上になることはできないから、
極数切替期間中には4極運転用電圧も2極運転用電圧も
制限されてしまい、重負荷に対してトルク不足となって
しまう。このため、図11の領域Zに示すように、重負
荷の極数切替期間においては、誘導電動機1の最大トル
クT′が一時的に急低下してしまう。
【0031】このような急なトルク変動が生じると、電
気自動車の搭乗者は極数切替時に不快感を覚える。
【0032】本発明の目的は、極数切替を行っても急な
トルク変動を生じることがない極数切替電動機の運転制
御装置を提供することである。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、モータ回転数に対しトルク指令最大値が滑らかに
変化する予め設定した関係に基づいて、入力したトルク
指令をモータ回転数の検出値に対応するトルク指令最大
値で制限して出力するトルク指令制限部と、モータ回転
数の検出値とトルク指令制限部から出力されるトルク指
令とに基づいて、トルク電流(q軸)指令と励磁電流
(d軸)指令と電源角周波数指令とを求めて出力するル
ートを2N極とN極(Nは偶数)との2系統有し、極数
切替期間ではトルク電流指令と励磁電流指令を一方の系
統では次第に立上げると共に他方の系統では次第に立下
げる指令演算部と、この指令演算部の出力から2系統の
d軸,q軸各電圧指令を生成して出力する電流制御部
と、この電流制御部の出力から6相の交流電圧指令を生
成して出力する座標変換部と、この座標変換部の出力に
より駆動され、3相巻線をN個備えたのと等価な固定子
巻線構造を持つ誘導電動機に電圧を供給する6相のイン
バータとを具備し、前記モータ回転数とトルク指令最大
値との関係において、任意のモータ回転数でのトルク指
令最大値は同モータ回転数に対応する誘導電動機の最大
トルク以下であること、あるいは、極数切替期間中に落
ち込む誘導電動機の最大トルクの底部を除き、任意のモ
ータ回転数でのトルク指令最大値が同モータ回転数に対
応する誘導電動機の最大トルク以下であることを特徴と
する極数切替電動機の運転制御装置である。
【0034】また、他の発明は、モータ回転数の検出値
とトルク指令とに基づいて、ベクトル制御の演算により
トルク電流(q軸)指令と励磁電流(d軸)指令と電源
角周波数指令とを求めるルートを2N極とN極(Nは偶
数)との2系統有し、低速運転領域では2N極系統の指
令を出力し、高速運転領域ではN極系統の指令を出力す
る通常時用指令演算部と、インバータ出力電圧がその上
限値を越えず、インバータ出力電流がその上限値を越え
ず、励磁電流がその下限値より低下せず、且つ、トルク
指令になるべく近いトルクが得られることを条件に予め
設定した極数切替回転数でのトルク指令とトルク電流
(q軸)指令及び励磁電流(d軸)指令との関係を2N
極とN極(Nは偶数)との2系統有し、極数切替期間
に、一方の系統の関係に基づいてトルク指令に対応する
トルク電流指令と励磁電流指令を求め且つ次第に立上げ
て出力すると共に、これら求めた指令から電源角周波数
指令を求めて出力し、他方の系統の関係に基づいてトル
ク指令に対応するトルク電流指令と励磁電流指令を求め
且つ次第に立下げて出力すると共に、これら求めた指令
から電源角周波数指令を求めて出力する極数切換時用指
令演算部と、これら両指令演算部の出力から2系統のd
軸,q軸各電圧指令を生成して出力する電流制御部と、
この電流制御部の出力から6相の交流電圧指令を生成し
て出力する座標変換部と、この座標変換部の出力により
駆動され、3相巻線をN個備えたのと等価な固定子巻線
構造を持つ誘導電動機に電圧を供給する6相のインバー
タと、を具備することを特徴とする極数切替電動機の運
転制御装置である。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0036】図1は本発明の実施の一形態に係る極数切
替電動機の運転制御装置の構成を示す。誘導電動機1は
図9に例示した6相の固定子巻線構造を有する極数切替
誘導電動機(PCIM:ポールチェンジ・インダクショ
ンモータ)であり、3相の固定子巻線を2個(N=2)
備えたのと等価であって、4極と2極との間で極数切替
を行うことができる。この誘導電動機1の回転子には回
転数センサ5が結合されており、誘導電動機1の実速度
(実際のモータ回転数)ωrを検出する。また、誘導電
動機1の各相に流れる電流Ia,Ib,Ic,Id,I
e,Ifを検出するように電流検出器6が設けられてい
る。本例では、電気自動車を想定し、バッテリ−3を電
源に用いている。
【0037】図1に例示した運転制御装置は、トルク指
令制限部10と、指令演算部11と、電流制御部12
と、インバータ駆動用の座標変換部13と、6相のイン
バータ14と、電流フィードバック用の座標変換部15
とを有している。図中の符号で右肩に*印を付したもの
は各種指令であることを示す。
【0038】トルク指令制限部10は、モータ回転数に
対しトルク指令最大値が滑らかに変化する予め設定した
関係に基づいて、入力したトルク指令T* を、その時の
モータ回転数の検出値(実速度)ωrに対応するトルク
指令最大値で制限して、新たなトルク指令T*'として指
令演算部11へ出力する。ここで、入力されるトルク指
令T* は、例えば、電気自動車の速度制御系から与えら
れるアクセル開度に応じたトルク指令などである。
【0039】モータ回転数とトルク指令最大値との関係
は、図2に破線で示す曲線あるいは、実線で示す曲線
のような関係である。曲線の場合は、極数切替期間
中の最大トルクT′の急落領域Zを全て含め、任意のモ
ータ回転数において、その時の最大トルクT′以下とな
るようにトルク指令最大値が設定されている。曲線の
場合は、極数切替期間中の最大トルクT′の急落領域Z
の底部を除き、任意のモータ回転数において、その最大
トルクT′以下となるようにトルク指令最大値が設定さ
れている。
【0040】いずれの関係の場合も、トルク指令T*
入力すると、その時のモータ回転数に対応するトルク指
令最大値T*'max と比較し、T*≦T*'max であれば
*'=T* としてトルク指令T*'を出力し、T*>T*'m
ax であればT*'=T*'max としてトルク指令T*'を出
力する。あるいは、T*<T*'max であればT*' =T*
としてトルク指令T*'を出力し、T*≧T*'max であれ
ばT*'=T*max としてトルク指令T*'を出力する。つ
まり、T*とT*'max のうち小さいか等しいものを選択
してT*'とする。
【0041】本例ではトルク指令制限部10はデータテ
ーブル部10aとトルク指令読出部10bからなる。デ
ータテーブル部10aには図2の曲線またはで示す
ようなモータ回転数をパラメータとしたトルク指令最大
値のデータが予め設定されている。トルク指令読出部1
0bは実速度ωrのときにトルク指令T* が入力した場
合、実速度ωrに対応するトルク指令最大値T*'max を
データテーブル部10aから読み出して両者を比べ、T
*≦T*'max であればT* を選択し(T*'=T* )、T*
>T*'maxであればT*'max を選択し(T*'=T*'ma
x)、新たなトルク指令T*'として出力する。
【0042】指令演算部11は新たなトルク指令T*'と
誘導電動機1の実速度ωrを入力して、ベクトル制御に
必要なトルク電流指令(q軸)と励磁電流指令(d軸)
と電源角周波数指令とを求めて出力するルートを2極用
と4極用の2系統有し、極数切替期間ではトルク電流指
令と励磁電流指令とを一方の系統では徐々に立上げて出
力し、他方の系統では徐々に立下げて出力する。
【0043】指令演算部11の具体的例の構成をあげる
と図3に示すものがあり、2極用系統は電流指令演算部
11a1と、割算部11b1と、係数部11c1と、実角周波
数算出部11d1と、加算部11e1からなり、4極用系統
は電流指令演算部11a2と、割算部11b2と、係数部1
1c2と、実角周波数算出部11d2と、加算部11e2から
なる。
【0044】まず、2極系統について説明すると、モー
タ軸トルクはトルク電流と励磁電流の積に比例すること
から、電流指令演算部11a1は基本的には、トルク指令
*'とモータ実速度ωrと2極運転時のモータ定数(R
s1 ,Ls1 ,Msr1 ,Rr1 ,Lr1 ,Rm1)を用いて、前述
の[数3]よりトルク指令T*'に対応する2極運転用の
トルク電流指令Iqs1*と、励磁電流指令Ids1*を求め
る。このトルク電流指令Iqs1*を割算部11b1にて励磁
電流指令Ids1*で割り、その商に係数部11c1にてRr1
/Lr1を掛けることにより、トルク指令T*'を満たす2
極運転時のすべり角周波数指令ωs1* を求める。一方、
実角周波数算出部11d1により、モータ実速度ωrに極
対数P1 (=1)を加味して2極運転時の実角周波数を
求める。そして、加算部11e1により、実角周波数にす
べり角周波数指令ωs1* を加えて、2極運転時の電源角
周波数指令ω1* を求める。
【0045】次に、4極系統について説明すると、電流
指令演算部11a2は基本的には、トルク指令T*'とモー
タ実速度ωrと4極運転時のモータ定数(Rs2 ,Ls2 ,
Msr2 ,Rr2 ,Lr2 ,Rm2)を用いて、前述の[数4]
よりトルク指令T*'に対応する4極運転用のトルク電流
指令Iqs2*と、励磁電流指令Ids2*を求める。このトル
ク電流指令Iqs2*を割算部11b2にて励磁電流指令Ids
2*で割り、その商に係数部11c2にてRr2/Lr2を掛け
ることにより、トルク指令T*'を満たす4極運転時のす
べり角周波数指令ωs2* を求める。一方、実角周波数算
出部11d2により、モータ実速度ωrに極対数P2 (=
2)を加味して4極運転時の実角周波数を求める。そし
て、加算部11e2により、実角周波数にすべり角周波数
指令ωs2 * を加えて、4極運転時の電源角周波数指令ω
* を求める。
【0046】更に、2極系統の電流指令演算部11a1と
4極系統の電流指令演算部11a2では、極数切替期間中
は、モータ軸トルクをトルク指令T*'通りに保つよう
に、極数切替方向に応じて一方が電流指令を徐々に立上
げ、他方が電流指令を徐々に立下げる。具体的には、誘
導電動機1の2極運転時の二次時定数Tr1を用いて、回
転数上昇時に4極から2極に切替える場合は、[数8]
に示す関係で2極運転用のトルク電流指令Iqs1*と励磁
電流指令Ids1*を徐々に立上げ、4極運転用のトルク電
流指令Iqs2*と励磁電流指令Iqs2*は徐々に立下げる。
[数8]中の記号tは時間を表わす。また、回転数下降
時に2極から4極に切替える場合は、[数9]に示す関
係で4極運転用のトルク電流指令Iqs2*と励磁電流指令
Ids2*を徐々に立上げ、2極運転用のトルク電流指令I
qs1*と励磁電流指令Ids1*は徐々に立下げる。[数9]
中の記号tも時間を表わす。
【0047】
【数8】
【0048】
【数9】
【0049】以下に、前式[数8]、[数9]について
説明する。一般に、同一の誘導電動機をN極と2N極
(Nは偶数)との間で切替える場合、N極時の二次時定
数Tr1は2N極時の二次時定数Tr2に比べて4倍近く長
い。今、回転数上昇時に2N極からN極に極数を切替え
るとして、N極用励磁電流指令Ids1*をその定格値にス
テップ状に変化させると、この励磁電流指令に基づく磁
束Φr1は次式のようにN極時の二次時定数Tr1にて一次
遅れの立上りとなる。 Φr1=Φr1*(1−e(-t/Tr1)) 従って、切替初期時には磁束が略ゼロとなるため、トル
ク電流をステップ状に立上げるとトルクに振動が生じ
る。そこで、トルク電流指令Iqs1*も磁束Φr1の応答と
同様に、N極時の二次時定数Tr1により次式のように一
次遅れの立上りとする。 Iqs1*∝1−e(-t/Tr1) この結果、N極運転で発生するモータ軸トルクT1は、
トルク指令T*' に対し、次式で示すような二次遅れの
立上りとなる。 T1=T*'(1−e(-t/Tr1))2 この時のトルク不足分を2N極運転で補償するには、2
N極運転で発生すべきモータ軸トルクT2を、次式で示
すように次第に下げる必要がある。 T2=T*'−T1 =T*'(2e−(-t/Tr1)−e(-2t/Tr1)) そこで、このトルクT2を発生させる2N極運転用のト
ルク電流指令Iqs2*と励磁電流指令Ids2*を、トルク電
流と励磁電流の比が一定となることを条件に求めれば良
い。つまり、[数8]に示すような関係でこれらの電流
指令Ids2*,Iqs2*をそれぞれ極数切替時の定格値から
次第に立下げる。この場合、2N極運転での二次時定数
はTr1に比べて小さいから、何の問題はない。なお、N
極側のトルクが十分立上ったら、2N極側の電流制御を
停止する。また、励磁電流の最小値は制御の安定性を考
慮して定格値の20%程度とする。
【0050】他方、回転数下降時にN極から2N極に極
数を切替える場合に、N極運転用の励磁電流指令を切替
瞬時にゼロにすると、この時の磁束Φr1の応答もN極時
の二次時定数Tr1により一次遅れの立下りとなる。 Φr1=Φr1*・e(-t/Tr1) そこで、N極運転用のトルク電流指令Iqs1*もN極時の
二次時定数Tr1により一次遅れで立下げる。これによ
り、2極運転によるモータ軸トルクT1は次式で示すよ
うな二次遅れの立下りとなる。 T1=T*'・e(-2t/Tr1) この時のトルク不足分を、4極運転のトルクT2で補償
するには、次式で示すように立上げる必要がある。 T2=T*'−T1 =T*'(1−e(-2t/Tr1)) そこで、このトルクT2を発生させる2N極運転用のト
ルク電流指令Iqs2*と励磁電流指令Ids2*を、トルク電
流と励磁電流の比が一定となることを条件に求めれば良
い。つまり、[数9]に示すような関係でこれらの電流
指令Ids2* ,Iqs2*をそれぞれ極数切替時の定格値か
ら次第に立上げる。この場合も、2N極運転での二次時
定数はTr1に比べて小さいから、何の問題はない。な
お、2N極側のトルクが十分立上ったら、N極側の電流
制御を停止する。また、励磁電流の最小値は制御の安定
性を考慮して定格値の20%程度とする。
【0051】電流制御部12は2極用電流制御系121
と4極用電流制御系122からなり、指令演算部11が
出力する2系統の指令から各系統のd軸及びq軸の電圧
指令を生成し、インバータ駆動用の座標変換部13に与
える。
【0052】2極用電流制御系121は、指令演算部1
1から与えられる2極運転用のd軸電流指令(励磁電流
指令)Ids1*、q軸電流指令(トルク電流指令)Iqs1*
及び電源角周波数指令ω1* 、並びに座標変換部15か
らフィードバックされる2極運転でのd軸電流(励磁電
流)検出値Ids1 及びq軸電流(トルク電流)検出値I
qs1 を入力して、これらからIds1 =Ids1*、Iqs1 =
Iqs1*とするに必要なd軸及びq軸の電圧指令Vds1*
Vqs1*をPI制御、非干渉PI制御、IP制御、非干渉
IP制御などにより生成し、インバータ駆動用の座標変
換部13に与える。
【0053】同様に、4極用電流制御系122は、指令
演算部11から与えられる4極運転用のd軸電流指令
(励磁電流指令)Ids2*、q軸電流指令(トルク電流指
令)Iqs2*及び電源角周波数指令ω2* 、並びに座標変
換部15からフィードバックされる4極運転でのd軸電
流(励磁電流)検出値Ids2 及びq軸電流(トルク電
流)検出値Iqs2 を入力して、これらからIds2 =Ids
2*,Iqs2 =Iqs2*とするに必要なd軸及びq軸の電圧
指令Vds2*,Vqs2*をPI制御、非干渉PI制御、IP
制御、非干渉IP制御などにより生成し、インバータ駆
動用の座標変換部13に与える。
【0054】ここで、電流フィードバック用の座標変換
部15は、電流検出器6で検出された誘導電動機1の6
相の各電流値Ia〜Ifを、2極運転での回転子位置角
θ1に基づいて2極運転での励磁電流Ids1 とトルク電
流Iqs1 に変換し、また、4極運転での回転子位置角θ
2に基づいて4極運転での励磁電流Ids2 とトルク電流
Iqs2 に変換することにより、これらIds1 ,Iqs1 ,
Ids2 及びIqs2 をフィードバック用電流検出値とす
る。
【0055】回転子位置角θ1,θ2を検出する部分1
6には2極用として積分部16a1と加算部16b1と実角
周波数算出部16c1があり、4極用に積分部16a2と加
算部16b2と実角周波数算出部16c2がある。そして、
各極数毎に、モータ実速度ωrに極対数(2極ではP1
=1、4極ではP2=2)を加味して誘導電動機1の実
角周波数を求め、これにすべり角周波数(ωs1,ωs2)
を加えたものを積分することにより、θ1及びθ2を求
める。なお、指令演算部11が生成した電源角周波数指
令ω1* ,ω2* を直接積分しても良い。
【0056】インバータ駆動用の座標変換部13は、2
極運転用のd軸電圧指令Vds1*とq軸電圧指令Vqs1*
電源角周波数指令ω1* と回転子位置角θ1とを用い
て、これらの電圧指令Vds1*,Vqs1*を2極運転用の6
相の交流電圧指令に変換し、また4極運転用のd軸電圧
指令Vds2*とq軸電圧指令Vqs2*と電源角周波数指令ω
* と回転子位置角θ2とを用いて、これらの電圧指令
Vds2*,Vqs2*を4極運転用の6相の交流電圧指令に変
換する。
【0057】但し、座標変換部13がインバータ14に
与える6相の交流電圧指令Va* ,Vb* ,Vc* ,V
* ,Ve* ,Vf* は、2極のみの運転時には2極運
転用の変換で得た6相の交流電圧指令に等しく、4極の
みの運転時には4極運転用の変換で得た6相の交流電圧
指令に等しいが、極数切替期間中はこれら2極用と4極
用の各6相の交流電圧指令が合成されたものとなる。
【0058】インバータ14は1台の6相インバータ、
または2台の3相インバータで構成されており、座標変
換部13から与えられる6相の交流電圧指令Va* 〜V
*に応じた相電圧最大値と位相と周波数を持つ6相交
流電圧を出力し、誘導電動機1を駆動する。
【0059】以上の構成により、モータ回転数が極数切
替回転数(基底回転数の2倍程度)以下の低速運転領域
では、誘導電動機1を4極にして駆動し、極数切替回転
数以上の高速運転領域では、誘導電動機1を2極にして
駆動し、極数切替期間では4極駆動と2極駆動を併用し
極数切替方向に応じて一方から他方へ徐々に切替えるこ
とになる。
【0060】この極数切替期間では前式[数8][数
9]に示したように、2極運転用の電流指令Ids1*,I
qs1*と4極運転用の電流指令Ids2*,Iqs2*との間で、
一方を次第に立上げ他方を次第に立下げて、モータ軸ト
ルクを一定に維持しようとしている。そのため、インバ
ータ14の出力電圧は図4に示すように2極側電圧成分
と4極側電圧成分との合成波形になるので、極数切替期
間以外例えば前後の値よりも大きくなる。
【0061】インバータ14にはその仕様によって出力
電圧に上限値がある。そのため、[従来の技術]の項に
て説明したように、軽負荷時であれば極数切替期間中に
インバータ出力電圧が増大してもインバータ出力電圧上
限値より小さいので、モータ軸トルクを一定に保つこと
ができる。一方、従来は、重負荷時であると極数切替期
間中にインバータ出力電圧が増大しようとしてもインバ
ータ出力電圧上限値で規制されるために増大できず、結
局トルク指令通りには励磁電流及びトルク電流を流すこ
とができなくなり、図11に示した領域Zの如くモータ
回転数の変化に対して一時的に最大トルクT′が急落
し、このトルク変動により極数切替時に不快感が生じて
いた。
【0062】これに対して、トルク指令制限部10によ
り、図2の曲線またはで示すモータ回転数とトルク
指令最大値との滑らかな関係に基づいて、入力したトル
ク指令T* をその時の実速度ωrに対応するトルク指令
最大値T*'max で制限して新たなトルク指令T*'とした
ので、仮にトルク指令T* が重負荷を表わすものであっ
ても、極数切替期間中にモータ軸トルクが急落すること
がない。つまり、不快感が減る。
【0063】特に、曲線の場合はトルク指令最大値T
*'max が全てのモータ回転数において最大トルクT′以
下であるから、極数切替期間中のトルク変動はない。曲
線の場合は、極数切替期間中の最大トルク急落領域Z
の底部でのみ最大トルクT′以上となるので、少しトル
ク変動は残るが、滑らかな変化であるから不快感が少な
いだけでなく、トルク指令最大値を曲線よりも全体に
大きく設定できるので極数切替期間以外でも曲線より
もモータ軸トルクを大きくすることができるという利点
がある。
【0064】以上の説明では4極と2極の極数切替であ
るが、8極と4極など、2N極とN極との極数切替全て
適用することができる。
【0065】次に、本発明の実施の別の形態を説明す
る。図5は本実施の形態に係る極数切替電動機の運転制
御装置の構成を示す。この運転制御装置は入力切替部2
0と、通常時用指令演算部21と、極数切替時用指令演
算部22と、電流制御部12と、インバータ駆動用の座
標変換部13と、6相のインバータ14と、電流フィー
ドバック用の座標変換部15と、回転子位置角検出部1
6とを有しており、電気自動車への搭載を想定してい
る。図中、右肩に*印を付した各種記号は指令である。
【0066】誘導電動機1は4極と2極の間で極数切替
を行うことができる極数切替誘導電動機であり、図1ま
たは図9を参照して先に説明したものと同じである。バ
ッテリー3、回転数センサ5及び電流検出器6も図1を
参照して先に説明したものと同じである。
【0067】入力切替部20は電気自動車の速度制御系
等から与えられるトルク指令T* と、回転数センサ5か
ら与えられるモータ回転数の検出値(実速度)ωrと
を、同実速度ωrに応じて、極数切替期間以外は通常時
用指令演算部21にのみ与え、極数切替期間にのみ極数
切替時用指令演算部22に与える。
【0068】ここで、言う極数切替期間とは、極数切替
を開始してから完了するまでの時間であり、4極と2極
の間の極数切替を例にあげると、4極から2極に極数切
替を行う場合は、実速度ωrが上昇して所定の極数切替
用回転数ωn1になった時(切替開始)から2極運転のト
ルクが十分立上がった時(切替完了)までの間であり、
また、2極から4極に極数切替を行う場合は、実速度ω
rが下降して所定の極数切替用回転数ωn2になった時
(切替開始)から4極運転のトルクが十分立上がった時
(切替完了)までの間である。なお、トルクが十分立上
がった時とは、例えば、モータ軸トルクがトルク指令に
対して実験等により予め定めた割合まで立上がった時の
ことである。また、ωn1とωn2は基底回転数の2倍程度
であるが、互いに等しくても良く、あるいはヒステリシ
スをもたせてチャタリングを防ぐためにωn1>ωn2とし
ても良い。以下の説明では、簡単のためωn1=ωn2とす
る。
【0069】通常時用指令演算部21は、図1に示した
指令演算部11と比較すると、トルク指令としてT*'で
はなくT* を入力すること、並びに、極数切替期間中は
2極運転用の指令Ids1*,Iqs1*,ω1* ,ωs1*も、
4極運転用の指令Ids2*,Iqs2*,ω2*,ωs2* も一
切出力しないことを除き、指令演算部11と同じ機能と
構成を有している。
【0070】即ち、通常時用指令演算部21は、極数切
替期間以外で通常のベクトル制御を行うために、モータ
実速度ωrとトルク指令T* に基づいて2極運転のベク
トル制御に必要な励磁電流指令Ids1*、トルク電流指令
Iqs1*、電源角周波数指令ω1* 及びすべり角周波数指
令ωs1* を求め、且つ、4極運転のベクトル制御に必要
な励磁電流指令Ids2*、トルク電流指令Iqs2*、電源角
周波数指令ω2* 及びすべり角周波数指令ωs2* を求め
るが、これらの指令の出力は以下のように行う。 (1)4極から2極への極数切替の場合:この場合は、
モータ回転数が上昇して極数切替回転数ωn1に達する以
前の低速運転領域では4極運転用の指令Ids2*,Iqs
2*,ω2*,ωs2*のみを出力して2極運転用の指令は出
力せず、モータ回転数がωn1に達した極数切替開始時点
で4極運転用の指令をステップ状に立下げて止め、極数
切替完了時点で2極運転用の指令Ids1*,Iqs1*,ω1
*,ωs1*をステップ状に立上げて出力する。 (2)2極から4極への極数切替の場合:この場合は、
モータ回転数が下降して極数切替回転数ωn1に達する以
前の高速運転領域では2極運転用の指令Ids1*,Iqs
1*,ω1*,ωs1*のみを出力して4極運転用の指令は出
力せず、モータ回転数がωn1に達した極数切替開始時点
で2極運転用の指令をステップ状に立下げて止め、極数
切替完了時点で4極運転用の指令Ids2*,Iqs2*,ω2
*,ωs2*をステップ状に立上げて出力する。
【0071】極数切替時用指令演算部22は極数切替期
間中にのみ、予め設定したトルク指令と電流指令との関
係に基づいて、入力したトルク指令T* に対応する2極
運転用の励磁電流指令Ids1*'及びトルク電流指令Iqs1
*'を求めると共に同トルク指令T* に対応する4極運転
用の励磁電流指令Ids2*'及びトルク電流指令Iqs2*'を
求め、極数切替開始と同時に一方の極側の指令を次第に
立上げて出力すると共に他方の極側の指令を次第に立下
げて出力する。また、これらの電流指令からすべり角周
波数指令ωs1*',ωs2*'及び電源角周波数指令ω1*',
ω2*'を求めて出力する。
【0072】ここで、トルク指令と励磁電流指令及びト
ルク電流指令との関係は次のような考え方により設定さ
れる。
【0073】まず、誘導電動機1の一次電圧(電機子巻
線側電圧)V1を、電源角周波数ωで回転するdq軸上
の電圧Vds,Vqsで表わすと、次式[数10]で表わさ
れる。但し、Idsは励磁電流(A)、Iqsはトルク電流
(A)、Rsは一次抵抗(Ω)、Lsは一次自己インダ
クタンス(H)、Lσは洩れインダクタンス(H)であ
る。Lσは一次自己インダクタンスLsと二次自己イン
ダクタンスLrと相互インダクタンスMsrから、Lσ=
(LsLr−Msr2)/Lrとして与えられる。
【0074】
【数10】
【0075】また、誘導電動機1のモータ軸トルクTは
励磁電流Idsとトルク電流Iqsとの積に比例し、次式
[数11]で表わされる。
【0076】
【数11】
【0077】更に、誘導電動機1の一次電流(電機子巻
線側電流)I1は励磁電流Idsとトルク電流Iqsで表わ
すと、次式[数12]で表わされる。
【0078】
【数12】
【0079】ここで、極数切替を行う時は、一般に基底
回転数の2倍程度と高速回転のため電源角周波数が相当
高い。そのため、極数切替時には前式[数10]中のd
軸電圧Vds、q軸電圧Vqsの各式における右辺第1項は
右辺第2項に比べて十分小さいので、これらの電圧Vd
s,Vqsは次式[数13]で表されることになる。
【0080】
【数13】
【0081】この[数13]と前式[数10]から、一
般に誘導電動機1ではLσ≪Lsであることを考慮する
と、励磁電流Idsの大きさを変えることにより一次電圧
Vsの値を比較的大きく変化させることができることが
判る。
【0082】従って、ベルトル制御を行うと一次電圧V
sがインバータ出力電圧上限値を越えるような場合に
は、モータ軸トルクTを一定に保つように、即ち励磁電
流Idsとトルク電流Iqsの積を一定に保つように、励磁
電流Idsを減らしその分トルク電流Iqsを増やすことに
より、一次電圧VsをこれらIdsとIqsの値を変える前
に比較して低く、例えばインバータ出力電圧上限値以下
に抑えることができ、同時に、トルク変動を解消もしく
は小さく抑えることができる。
【0083】なお、制御の安定性を考えると励磁電流I
dsには下限値を設けてリミッタ処理する。また、一次電
流I1がインバータ出力電流上限値を越えない範囲で、
トルク電流Iqsと励磁電流Idsを増減する。
【0084】以上のことから、予め、極数切替回転数ω
n1の時のトルク指令T* をパラメータとした2極運転用
の励磁電流指令Ids1*'とトルク電流指令Iqs1*'のテー
ブルと、同じく極数切替回転数ωn1の時のトルク指令T
* をパラメータとした4極運転用の励磁電流指令Ids
2*'とトルク電流指令Iqs2*'のテーブルとを、下記の要
領で作成しておく。
【0085】<テーブル作成要領:2極用>極数切替回
転数ωn1の時の任意のトルク指令T* に対応するベクト
ル制御の演算で求まる2極運転用の励磁電流指令Ids1*
とトルク電流指令Iqs1*に対し、励磁電流指令はなるべ
く減少させ、トルク電流指令はなるべく増加させる操作
を行うことにより、モータ軸トルクをなるべくトルク指
令から減少させず且つ次式[数14]の連立不等式を満
足させる電流指令Ids1*',Iqs1*'を求めて、テーブル
を作成する。
【0086】
【数14】
【0087】<テーブル作成要領:4極用>極数切替回
転数ωn1の時の任意のトルク指令T* に対応するベクト
ル制御の演算で求まる4極運転用の励磁電流指令Ids2*
とトルク電流指令Iqs2*に対し、励磁電流指令はなるべ
く減少させ、トルク電流指令はなるべく増加させる操作
を行うことにより、モータ軸トルクをなるべくトルク指
令から減少させず且つ次式[数15]の連立不等式を満
足させる電流指令Ids2*',Iqs2*'を求めて、テーブル
を作成する。
【0088】
【数15】
【0089】このような極数切替時用指令演算部22の
具体的な構成例をあげると図6に示すものがあり、2極
系統はテーブル部22a1と、電流指令読出部22b1と、
割算部22c1と、係数部22d1と、実角周波数算出部2
2e1と、加算部22f1からなり、4極系統はテーブル部
22a2と、電流指令読出部22b2と、割算部22c2と、
係数部22d2と、実角周波数算出部22e2と、加算部2
2f2からなる。
【0090】まず、2極系統について説明すると、テー
ブル部22a1には上述した2極用のテーブル作成要領に
より作成されたテーブルが格納されており、極数切替開
始時に電流指令読出部22b1が同テーブル部22a1から
トルク指令T* に応じた2極運転用の励磁電流指令Ids
1*'と、トルク電流指令Iqs1*'を読み出し、4極から2
極への極数切替の場合は前式[数8]に示したと同様に
電流指令の比Iqs1*'/Ids1*'は変えずに徐々に立上げ
て出力し、2極から4極への極数切替の場合は前式[数
9]で示したと同様に電流指令の比Iqs1*'/Ids1*'は
変えずに徐々に立下げて出力する。その理由は[数8]
[数9]について説明した通りである。
【0091】このトルク電流指令Iqs1*'を割算部22c
1にて励磁電流指令Ids1*'で割り、その商に係数部22
d1にてモータ定数で定まる係数Rr1/Lr1を掛けること
により、トルク指令T* を満たす2極運転時のすべり角
周波数指令ωs1*'を求める。一方、実角周波数算出部2
2e1によりモータ実速度ωrに極対数P1 (=1)を加
味して2極運転時の実角周波数を求め、これに加算部2
2f1にてすべり角周波数指令ωs1*'を加算することによ
り、2極運転用の電源角周波数ω1*'を求める。
【0092】次に、4極系統について説明すると、テー
ブル部22a2には上述した4極用のテーブル作成要領に
より作成されたテーブルが格納されており、極数切替開
始時に電流指令読出部22b2が同テーブル部22a2から
トルク指令T* に応じた4極運転用の励磁電流指令Ids
2*'と、トルク電流指令Iqs2*'を読み出し、2極から4
極への極数切替の場合は前式[数9]に示したと同様に
徐々に立上げて出力し、4極から2極への極数切替の場
合は前式[数8]で示したと同様に徐々に立下げて出力
する。
【0093】このトルク電流指令Iqs2*'を割算部22c
2にて励磁電流指令Ids2*'で割り、その商に係数部22
d2にてモータ定数で定まる係数Rr2/Lr2を掛けること
により、トルク指令T* を満たす4極運転時のすべり角
周波数指令ωs2*'を求める。一方、実角周波数算出部2
2e2によりモータ実速度ωrに極対数P2 (=2)を加
味して4極運転時の実角周波数を求め、これに加算部2
2f2にてすべり角周波数指令ωs2*'を加算することによ
り、4極運転用の電源角周波数ω2*'を求める。
【0094】電流制御部12は図1に示した同符号のも
のと基本的には同じ機能を持ち、通常時用指令演算部2
1から出力されるベクトル制御の演算に基づいた2極運
転用の電流指令Ids1*,Iqs1* または、4極運転用の
電流指令Ids2*,Iqs2* または、極数切替時用指令演
算部22から出力されるテーブルに基づいた2極運転用
の電流指令Ids1*',Iqs1*'及び4極運転用の電流指令
Ids2*',Iqs2*'を入力する。そして、入力した電流指
令に等しい励磁電流及びトルク電流を誘導電動機1に流
すに必要な2極用dq軸電圧指令Vds1*,Vqs1*及び/
または4極用dq軸電圧指令Vds2*,Vqs2*を生成し
て、インバータ駆動用座標変換部13に与える。この
際、電源角周波数指令ω1* ,ω2* ,ω1*',ω2*'
と座標変換部15からフィードバックされる2極運転で
のd軸q軸各電流検出値Ids1 ,Iqs1及び4極運転で
のd軸q軸各電流検出値Ids2 ,Iqs2 とがdq軸電圧
指令の生成に用いられる。
【0095】ここで、座標変換部15は図1に示した同
符号のものと同じである。回転子位置角検出部16は、
回転子位置角θ1,θ2の検出のために、すべり角周波
数指令として極数切替期間以外ではωs1* ,ωs2* を用
い、極数切替期間ではωs1*',ωs2*'を用いる点を除
き、図1に示した同符号のものと同じである。
【0096】インバータ駆動用の座標変換部13は、図
1に示した同符号のものと基本的には同じ機能を持ち、
2極運転用のd軸電圧指令Vds1*とq軸電圧指令Vqs1*
と電源角周波数指令ω1* またはω1*'と回転子位置角
θ1とを用いて、これらの電圧指令Vds1*,Vqs1*を2
極運転用の6相の交流電圧指令に変換し、また4極運転
用のd軸電圧指令Vds2*とq軸電圧指令Vqs2*と電源角
周波数指令ω2* またはω2*'と回転子位置角θ2とを
用いて、これらの電圧指令Vds2*,Vqs2*を4極運転用
の6相の交流電圧指令に変換する。
【0097】但し、座標変換部13がインバータ14に
与える6相の交流電圧指令Va* ,Vb* ,Vc* ,V
* ,Ve* ,Vf* は、2極のみの運転時には2極運
転用の変換で得た6相の交流電圧指令に等しく、4極の
みの運転時には4極運転用の変換で得た6相の交流電圧
指令に等しいが、極数切替期間中はこれら2極用と4極
用の各6相の交流電圧指令が合成されたものとなる。
【0098】インバータ14は図1に示した同符号のも
のと同じであり、座標変換部13から与えられる6相の
交流電圧指令Va* 〜Vf* に応じた相電圧最大値と位
相と周波数を持つ6相交流電圧を出力し、誘導電動機1
を駆動する。
【0099】以上の構成により、極数切替期間以外では
通常のベクトル制御を行い、極数切替回転数以下の低速
運転領域では誘導電動機1を4極のみにして駆動し、極
数切替回転数以上の高速運転領域では誘導電動機1を2
極のみにして駆動することになる。また、極数切替期間
では通常のベクトル制御の代りに、極数切替回転数にお
けるトルク指令T* と電流指令Ids1*',Iqs1*',Ids
2*',Iqs2*'との予め定めた関係に基づく制御を行い、
4極駆動と2極駆動を併用し且つ極数切替の方向に応じ
て一方から他方へ徐々に切替えることになる。
【0100】この場合、極数切替回転数におけるトルク
指令T* と電流指令Ids1*',Iqs1 *',Ids2*',Iqs2
*'との関係は、前述の如く、極数切替期間中にインバー
タ14から誘導電動機1に供給すべき一次電圧がインバ
ータ出力電圧の上限値を越えないこと、並びにモータ軸
トルクがトルク指令T* からなるべく減少しないことを
条件に設定してある。従って、トルク指令T* が重負荷
である場合に極数切替を行っても、モータ軸トルクの変
動が全くないか極めて少なく、電気自動車の運転中など
での不快感が低減する。
【0101】以上の説明では4極と2極の極数切替であ
るが、8極と4極など、2N極とN極との極数切替全て
適用することができる。
【0102】
【発明の効果】本発明は誘導電動機をインバータを用い
てベクトル制御により可変速制御し且つ極数切替により
広範囲な定出力運転を可能とする運転制御装置におい
て、トルク指令を制限することにより、あるいは、極数
切替回転数におけるトルク指令と電流指令との関係を予
め設定しておくことにより、極数切替時のトルク変動を
解消あるいは小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る極数切替電動機の
運転制御装置の構成を示す図。
【図2】トルク指令制限特性の例を示す図。
【図3】指令演算部の構成例を示す図。
【図4】インバータ出力電圧の波形例を示す図。
【図5】本発明の実施の別の形態に係る極数切替電動機
の運転制御装置の構成を示す図。
【図6】極数切替時用指令演算部の構成例を示す図。
【図7】モータ回転数とトルクとの関係を示す図。
【図8】極数切替により定出力範囲が拡大されたモータ
回転数とトルクとの関係を示す図。
【図9】6相巻線の構造を示す図。
【図10】極数切替の原理的な装置構成を示す図。
【図11】重負荷でのモータ回転数とトルクとの関係を
示す図。
【符号の説明】
1 誘導電動機 3 バッテリー 5 回転数センサ 6 電流検出器 10 トルク指令制限部 11 指令演算部 12 電流制御部 13 インバータ駆動用座標変換部 14 インバータ 15 電流フィードバック用座標変換部 16 回転子位置角検出部 20 入力切替部 21 通常時用指令演算部 22 極数切替時用指令演算部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ回転数に対しトルク指令最大値が
    滑らかに変化する予め設定した関係に基づいて、入力し
    たトルク指令をモータ回転数の検出値に対応するトルク
    指令最大値で制限して出力するトルク指令制限部と、 モータ回転数の検出値とトルク指令制限部から出力され
    るトルク指令とに基づいて、トルク電流(q軸)指令と
    励磁電流(d軸)指令と電源角周波数指令とを求めて出
    力するルートを2N極とN極(Nは偶数)との2系統有
    し、極数切替期間ではトルク電流指令と励磁電流指令を
    一方の系統では次第に立上げると共に他方の系統では次
    第に立下げる指令演算部と、 この指令演算部の出力から2系統のd軸,q軸各電圧指
    令を生成して出力する電流制御部と、 この電流制御部の出力から6相の交流電圧指令を生成し
    て出力する座標変換部と、 この座標変換部の出力により駆動され、3相巻線をN個
    備えたのと等価な固定子巻線構造を持つ誘導電動機に電
    圧を供給する6相のインバータとを具備し、 前記モータ回転数とトルク指令最大値との関係におい
    て、任意のモータ回転数でのトルク指令最大値は同モー
    タ回転数に対応する誘導電動機の最大トルク以下である
    ことを特徴とする極数切替電動機の運転制御装置。
  2. 【請求項2】 モータ回転数に対しトルク指令最大値が
    滑らかに変化する予め設定した関係に基づいて、入力し
    たトルク指令をモータ回転数の検出値に対応するトルク
    指令最大値で制限して出力するトルク指令制限部と、 モータ回転数の検出値とトルク指令制限部から出力され
    るトルク指令とに基づいて、トルク電流(q軸)指令と
    励磁電流(d軸)指令と電源角周波数指令とを求めて出
    力するルートを2N極とN極(Nは偶数)との2系統有
    し、極数切替期間ではトルク電流指令と励磁電流指令を
    一方の系統では次第に立上げると共に他方の系統では次
    第に立下げる指令演算部と、 この指令演算部の出力から2系統のd軸,q軸各電圧指
    令を生成して出力する電流制御部と、 この電流制御部の出力から6相の交流電圧指令を生成し
    て出力する座標変換部と、 この座標変換部の出力により駆動され、3相巻線をN個
    備えたのと等価な固定子巻線構造を持つ誘導電動機に電
    圧を供給する6相のインバータとを具備し、 前記モータ回転数とトルク指令最大値との関係におい
    て、極数切替期間中に落ち込む誘導電動機の最大トルク
    の底部を除き、任意のモータ回転数でのトルク指令最大
    値が同モータ回転数に対応する誘導電動機の最大トルク
    以下であることを特徴とする極数切替電動機の運転制御
    装置。
  3. 【請求項3】 モータ回転数の検出値とトルク指令とに
    基づいてベクトル制御の演算によりトルク電流(q軸)
    指令と励磁電流(d軸)指令と電源角周波数指令とを求
    めるルートを2N極とN極(Nは偶数)との2系統有
    し、低速運転領域では2N極系統の指令を出力し、高速
    運転領域ではN極系統の指令を出力する通常時用指令演
    算部と、 インバータ出力電圧がその上限値を越えず、インバータ
    出力電流がその上限値を越えず、励磁電流がその下限値
    より低下せず、且つ、トルク指令になるべく近いトルク
    が得られることを条件に予め設定した極数切替回転数で
    のトルク指令とトルク電流(q軸)指令及び励磁電流
    (d軸)指令との関係を2N極とN極(Nは偶数)との
    2系統有し、極数切替期間に、一方の系統の関係に基づ
    いてトルク指令に対応するトルク電流指令と励磁電流指
    令を求め且つ次第に立上げて出力すると共に、これら求
    めた指令から電源角周波数指令を求めて出力し、他方の
    系統の関係に基づいてトルク指令に対応するトルク電流
    指令と励磁電流指令を求め且つ次第に立下げて出力する
    と共に、これら求めた指令から電源角周波数指令を求め
    て出力する極数切換時用指令演算部と、 これら両指令演算部の出力から2系統のd軸,q軸各電
    圧指令を生成して出力する電流制御部と、 この電流制御部の出力から6相の交流電圧指令を生成し
    て出力する座標変換部と、 この座標変換部の出力により駆動され、3相巻線をN個
    備えたのと等価な固定子巻線構造を持つ誘導電動機に電
    圧を供給する6相のインバータと、を具備することを特
    徴とする極数切替電動機の運転制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015226425A (ja) * 2014-05-29 2015-12-14 三菱電機株式会社 極数切替型誘導機の駆動方法および極数切替型誘導機
JP2016208678A (ja) * 2015-04-23 2016-12-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 モータ駆動装置およびこれを用いた洗濯機又は洗濯乾燥機
JP2018125958A (ja) * 2017-01-31 2018-08-09 株式会社デンソー 極数切替電動機の制御装置
CN111801887A (zh) * 2018-03-02 2020-10-20 株式会社日立制作所 旋转机驱动系统

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