JPH0920004A - コード情報印刷装置 - Google Patents

コード情報印刷装置

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JPH0920004A
JPH0920004A JP17250495A JP17250495A JPH0920004A JP H0920004 A JPH0920004 A JP H0920004A JP 17250495 A JP17250495 A JP 17250495A JP 17250495 A JP17250495 A JP 17250495A JP H0920004 A JPH0920004 A JP H0920004A
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JP
Japan
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film
image
printing
drying
code information
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Application number
JP17250495A
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English (en)
Inventor
Teruhiko Uno
輝比古 宇野
Yoshikatsu Nakamura
好勝 中村
Satoshi Kinoshita
聡 木下
Shinji Tajima
真治 田島
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Toshiba Corp
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蛍光インクが印刷対象物上の文字、数字などの
記載情報あるいは下地色自体で消光または減光すること
を防止できるコード情報印刷装置を提供する。 【解決手段】画像入力部102は、搬送手段130で搬
送される郵便物101上の記載情報を含む画像を入力
し、この入力された画像はデジタル化されて画像記憶部
114に記憶される。認識部115は、画像記憶部11
4に記憶された画像から郵便物101上の記載情報を認
識し、コードデータに変換する。コーティング膜吐出部
105は、郵便物101上のあらかじめ定められた位置
に蛍光インクが染み込むのを阻止するためのコーティン
グ膜108を塗布形成し、この形成されたコーティング
膜108をコーティング膜乾燥部109で乾燥させる。
蛍光インク吐出部110は、認識部115からのコード
データに基づくバーコードを、乾燥されたコーティング
膜108の上に蛍光インクを用いて印刷する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、郵便物
処理装置において、高速搬送される郵便物上に宛名情報
に対応するバーコードなどの機械読取り可能なコード情
報を蛍光インクを用いて印刷するコード情報印刷装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】この種のコード情報印刷装置は、たとえ
ば、郵便物処理装置において、高速搬送される郵便物上
に記載されている宛名情報を読取り、この読取った宛名
情報をバーコードなどの機械読取り可能なコード情報に
変換し、このコード情報を蛍光インクを用いて対応する
郵便物上に印刷するようになっている。
【0003】なお、郵便物上に印刷されたコード情報
は、コード読取区分部において読取られ、郵便物の宛先
別の区分処理などに用いられる。このように、蛍光イン
クを用いてコード情報を印刷対象物(郵便物)上に印刷
するコード情報印刷装置では、印刷対象物上にあらかじ
め存在する文字、数字などの記載情報と蛍光インクとが
重なった場合、その部分の蛍光インクの発光量が低下す
るという不具合が発生する。特に、記載文字がカーボン
墨であったり、また、印刷対象物自体が染料で着色され
ている場合に、その減衰は著しく、コード情報の一部が
欠落し、コード情報を読取る際の認識率の低下を招いて
しまう。
【0004】そこで、このような不具合に対する対策の
一手段として、たとえば、米国特許第4,983,81
7号に開示されているように、蛍光発光波長域に感度を
持つセンサと、可視光波長域に感度を持つセンサで、そ
れぞれ印刷対象物から画像情報を読取り、それぞれのセ
ンサ出力信号の比率から、記載情報と蛍光インクとの重
なった部分を推測することにより、蛍光インクの発光量
の低下を補正するという技術が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、印刷対
象物上に文字、数字などを記載する筆記具の中には、蛍
光発光を完全に消光させてしまうもの(特にカーボン系
の筆記具)もあり、多少なりとも蛍光発光があることを
前提とした上記技術では補正が不可能である。
【0006】また、コード情報の印刷にインクジェット
プリンタを用いた場合、ノズル詰まりを防ぐため、蛍光
インクの粘度を下げる必要があり、印刷対象物が樹脂フ
ィルムなどの場合には、蛍光インクがはじかれて定着せ
ず、搬送路や印刷対象物にこすれて、印刷品質を著しく
損なう不具合が発生する。
【0007】そこで、本発明は、蛍光インクが印刷対象
物上の文字、数字などの記載情報あるいは下地色自体に
より消光または減光することを防止できるコード情報印
刷装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のコード情報印刷
装置は、搬送される印刷対象物上の記載情報を含む画像
を入力する画像入力手段と、この画像入力手段で入力さ
れた画像を記憶する画像記憶手段と、この画像記憶手段
に記憶された画像から前記記載情報を認識する認識手段
と、前記印刷対象物上のあらかじめ定められた位置に対
して蛍光インクが染み込むのを阻止するための膜を形成
する膜形成手段と、この膜形成手段で形成された前記印
刷対象物上の膜を乾燥させる乾燥手段と、この乾燥手段
で乾燥された前記膜の上に前記認識手段の認識結果に基
づくコード情報を前記蛍光インクを用いて印刷する印刷
手段とを具備している。
【0009】また、本発明のコード情報印刷装置は、搬
送される印刷対象物上の記載情報を含む画像を入力する
画像入力手段と、この画像入力手段で入力された画像を
記憶する画像記憶手段と、この画像記憶手段に記憶され
た画像から前記記載情報を認識する認識手段と、前記印
刷対象物上のあらかじめ定められた位置に対して蛍光イ
ンクが染み込むのを阻止するための膜を形成する膜形成
手段と、この膜形成手段で形成された前記印刷対象物上
の膜を乾燥させる乾燥手段と、この乾燥手段で乾燥され
た前記膜の上に前記認識手段の認識結果に基づくコード
情報を前記蛍光インクを用いて印刷する印刷手段と、前
記画像記憶手段に記憶された画像に基づき前記膜形成手
段による膜形成処理の要、不要を判定する判定手段と、
この判定手段の判定結果に基づき前記膜形成手段の動作
を制御する制御手段とを具備している。
【0010】また、本発明のコード情報印刷装置は、搬
送される印刷対象物上の記載情報を含む画像を入力する
画像入力手段と、この画像入力手段で入力された画像を
記憶する画像記憶手段と、この画像記憶手段に記憶され
た画像から前記記載情報を認識する認識手段と、前記印
刷対象物上のあらかじめ定められた位置に対して蛍光イ
ンクが染み込むのを阻止するための第1の膜を形成する
第1の膜形成手段と、この第1の膜形成手段で形成され
た前記印刷対象物上の第1の膜を乾燥させる第1の乾燥
手段と、この第1の乾燥手段で乾燥された前記第1の膜
上に所定の第2の膜を形成する第2の膜形成手段と、こ
の第2の膜形成手段で形成された第2の膜を乾燥させる
第2の乾燥手段と、この第2の乾燥手段で乾燥された前
記第2の膜の上に前記認識手段の認識結果に基づくコー
ド情報を前記蛍光インクを用いて印刷する印刷手段とを
具備している。
【0011】さらに、本発明のコード情報印刷装置は、
印刷対象物上に所定のインクを用いてコード情報を印刷
するコード情報印刷装置であって、印刷対象物上にコー
ド情報を印刷する際、そのコード情報を印刷する部分に
前記インクが染み込むのを阻止するための膜を形成し、
この形成した膜の上にコード情報を印刷することを特徴
としている。
【0012】本発明によれば、蛍光インクによるコード
情報の印刷に先立ち、コード情報の印刷位置に蛍光イン
クが染み込むのを阻止するための膜を形成することによ
り、蛍光インクが印刷対象物上の文字、数字などの記載
情報あるいは下地色自体により消光または減光すること
が防止される。したがって、コード情報の読取りにおけ
る認識率が著しく向上するとともに、読取り性能を上げ
るためのコストアップも必要ないため、システム全体の
低コスト化も実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。なお、本実施の形態におけ
る印刷対象物は、たとえば、郵便番号、住所情報、氏名
などの宛名情報が記載された郵便物あるいは小包である
が、それ以外にも表面に記載情報を有する全ての印刷対
象物に適用可能である。
【0014】また、本実施の形態における蛍光と称する
物質は、紫外線照射で可視光を発光する物質であるが、
それ以外にも赤外線照射で可視光を発光する物質、可視
光照射で可視光を発光する物質、紫外線照射で赤外線を
発光する物質、可視光照射で赤外線を発光する物質、あ
るいは、赤外線照射で赤外線を発光する物質をも含むも
のとする。
【0015】図1は、本実施の形態に係るコード情報印
刷装置の構成を示すものである。図1において、郵便物
101はベルトコンベアあるいは搬送ベルトなどの搬送
手段130により、図面に対して左側から右側へと搬送
される。まず、画像入力手段としての画像入力部102
は、郵便物101の表面に記載された郵便番号および住
所情報を含む画像を光学的に読取り、これをデジタルデ
ータに変換した後、データバス123を介して画像記憶
手段としての画像記憶部114に記憶する。
【0016】画像入力部102は、郵便物101上の画
像を光電変換する光電変換手段としてのラインセンサ1
03、および、ラインセンサ103の出力信号(アナロ
グ信号)に所定の処理を加えた後、その出力信号をデジ
タル信号に変換する信号処理部104から構成されてい
る。
【0017】なお、図1において、太線矢印125はデ
ータ(画像データ、コードデータなど)を示し、細線矢
印126は制御信号を示す。また、それらをまとめて表
現したものがデータバス123および制御バス122で
ある。
【0018】また、郵便物101は、搬送手段130上
に複数配置された郵便物位置検知センサ113によっ
て、その位置が検知され、CPU(セントラル・プロセ
ッシング・ユニット)116によって画像読取りのタイ
ミングが決定されるようになっている。
【0019】画像入力部102を通過した郵便物101
は、コーティング膜吐出部105に搬送され、ここでコ
ード情報であるバーコードの印刷位置を含む所定領域に
対して、後述する蛍光インクが染み込むのを阻止するた
めの膜としてコーティング膜が塗布される。コーティン
グ膜の材料となるコーティング液は、コーティング装置
本体107から供給管124を介してコーティング膜吐
出部105に供給される。
【0020】コーティング装置制御部106は、郵便物
位置検知センサ113によって郵便物101がコーティ
ング膜吐出部105を通過中であることを検知し、コー
ティング膜吐出部105にコーティング膜を塗布するよ
うに指示する。ここで、108は郵便物101の表面に
塗布されたコーティング膜を示す。
【0021】ここに、コーティング装置本体107、コ
ーティング装置制御部106、コーティング膜吐出部1
05、および、供給管124は、郵便物101上のあら
かじめ定められた位置に対して、蛍光インクが染み込む
のを阻止するための膜を形成する膜形成手段を構成して
いる。
【0022】郵便物101は、続いて乾燥手段としての
コーティング膜乾燥部109に搬送され、塗布されたコ
ーティング膜108の乾燥を行なう。CPU116は、
コーティング膜乾燥部109の温度を検知し、適度な温
度を維持するようコーティング膜乾燥部109を制御す
る。
【0023】一方、この間、画像記憶部114に記憶さ
れた郵便物101上の画像は、CPU116の制御によ
り認識手段としての認識部115に転送される。認識部
115は、郵便物101上の画像から郵便物上に記載さ
れた文字および数字(記載情報)を認識するものであ
る。認識部115で認識された文字および数字は、デー
タ格納部119にあらかじめ登録(記憶)されている文
字・コード変換テーブルにしたがってコードデータに変
換され、CPU116により蛍光コード印刷部111に
転送される。
【0024】蛍光コード印刷部111は、CPU116
から受信したコードデータを例えばバーコードに変換
し、それに基づき蛍光インク吐出部110を駆動制御す
ることにより、郵便物101上のコーティング膜108
上に蛍光インクを用いてバーコード(以降、これを蛍光
コードと称す)を印刷する。ここに、蛍光コード印刷部
111および蛍光インク吐出部110は、蛍光インクを
用いてコード情報を印刷する印刷手段を構成している。
【0025】郵便物101上への蛍光インク塗布のタイ
ミングは、郵便物位置検知センサ113からの検知信号
にしたがって行なわれる。ここで、112はコーティン
グ膜108上に印刷された蛍光コードのイメージを示
す。
【0026】また、認識部115の認識の結果、蛍光コ
ードを印刷する領域に文字や数字などの記載情報が無
く、かつ、郵便物自体の色や明度が蛍光発光を阻止しな
いものであることが判明した場合、CPU116は、郵
便物101にコーティング膜の塗布を行なわないよう、
コーティング装置制御部106およびコーティング膜吐
出部105を制御するようになっている。
【0027】なお、ROM(リード・オンリ・メモリ)
などで構成されたプログラム格納部117には、本装置
全体を制御するための制御プログラムが格納され、RA
M(ランダム・アクセス・メモリ)などで構成された一
時記憶部118は、プログラム実行時の処理データの一
時記憶のために用いられる。また、データ入力部120
は、キーボードに代表される入力デバイス、データ出力
部121はCRTディスプレイに代表される出力デバイ
スで、主に本印刷装置の動作状態の設定やパラメータの
変更などに用いられる。
【0028】次に、各機能ブロックごとの詳細な説明を
行なう。まず、画像入力部102は、1次元ラインセン
サ103と信号処理部104とから構成されている。ラ
インセンサ103は、たとえば、図2に示すように構成
されている。すなわち、センサ中央部に光電変換素子列
であるフォトダイオードアレイ201が設けられてい
て、その両側にそれぞれ蓄積電極202a,202b、
その外側にシフトゲート203a,203b、さらに外
側にCCDアナログシフトレジスタ204a,204b
がそれぞれ配置されている。
【0029】シフトゲート203a,203bには、図
3に示すタイミングチャートにおける信号HSYNCが
供給されており、この信号HSYNCは、1ライン読取
り時間TINT 内にフォトダイオードアレイ201に蓄積
された電荷を、CCDアナログシフトレジスタ204a
(奇数画素)および204b(偶数画素)に転送する。
転送された電荷は、駆動クロックパルスφ1A,φ1B
およびφ2A,φ2Bによって2系統で出力ゲート20
5まで転送された後、リセットクロックパルスRSによ
って各画素ごとに電荷を初期化され、電荷・電圧変換を
ほどこされた後、出力端子OSから外部回路に出力され
る。
【0030】本ラインセンサ103の例では、有効画素
は1024画素で、有効画素の前にダミー画素が72画
素あり、そのうち中間の48画素はセンサ固有のオフセ
ット電圧をクランプするための光シールド画素となって
いる。なお、図3に示す信号CLMPは、後述する信号
処理部104においてセンサ出力信号をクランプするた
めの信号である。
【0031】図4は、信号処理部104の構成を詳細に
示すものである。ラインセンサ103の駆動クロックパ
ルスφ1A,φ1B、φ2A,φ2B,RSおよび信号
HSYNCは、クロック生成部402で生成される。ま
た、ラインセンサ103の出力端子OSからの出力信号
(画像信号)は、サンプル・ホールド回路401によっ
て信号レベルの安定化が行なわれた後、差動増幅器40
6の非反転入力端子、および、スイッチ回路403に印
加される。
【0032】スイッチ回路403は、ラインセンサ10
3の出力信号の光シールド画素部でのみオンし、その間
の電圧をコンデンサ404にチャージし、1ライン走査
の間この電圧を保持する。この電圧がバッファ405を
介して差動増幅器406の反転入力端子に印加される。
これにより、差動増幅器406の出力からは、画像信号
のオフセット電圧が除去された有効な交流成分のみが出
力される。
【0033】この有効信号は、次段のA/D変換部40
7でアナログ信号からデジタル信号に変換され、データ
バス123を介して画像記憶部114に送られる。ここ
に、デジタル信号のビット数はシステムにより異なる
が、光学式文字読取りを前提とした場合、通常は1ビッ
トから8ビット程度が用いられる。
【0034】このように、ラインセンサ103からの画
像信号は、常に画像記憶部114に転送されているが、
記憶する必要があるのは郵便物101の画像だけであ
る。そのため、本装置の各部に設置された郵便物位置検
知センサ113のうちの、画像入力部102の直前にあ
る郵便物位置検知センサ113を用いて郵便物101を
検知し、必要な画像のみを画像記憶部114に記憶す
る。
【0035】図4の郵便物位置検知センサ113におい
て、LED(発光ダイオード)411は、電流制限抵抗
410で制御された電流により点灯されている。412
はLED411からの光を受けて内蔵のトランジスタを
オン・オフさせる受光素子で、郵便物101がLED4
11と受光素子412との間を通過している間はオフ、
その他はオンの状態になる。信号処理部104では、こ
の郵便物位置検知センサ113から得られる郵便物検知
信号LSYNCを受信し、郵便物101の有無を判定す
る。
【0036】409はプルアップ抵抗、408は信号L
SYNCを遅延させるための遅延回路である。遅延回路
408は、郵便物位置検知センサ113とラインセンサ
103との物理的な位置ずれによる時間差を補正するた
めのもので、遅延時間(Tdly )は、郵便物101の搬
送速度Vと、郵便物位置検知センサ113とラインセン
サ103との位置ずれdを用いて、Tdly =d/Vで表
される。
【0037】上記信号VSYNC、1ライン内での有効
領域を表す信号HSEC、および、画像信号の書込みク
ロックパルスWCLKが画像記憶部114に印加され
る。ここに、各信号のタイミングを図6に示す。書込み
クロックパルスWCLKは、画像信号の1画素に同期し
た信号で、画像記憶部(RAM)114への書込み信号
である。ただし、この書込みクロックパルスWCLK
は、信号VSYNCおよびHSECがロウレベルのとき
のみ有効であり、そのときのみ画像記憶部114に画像
信号が書込まれる。たとえば、1ラインの有効画素がh
画素、郵便物101の長さがvラインの場合、画像記憶
部114へはh×v画素の画像が書込まれることにな
る。
【0038】図7は、画像記憶部114における画素の
構成例を示しており、D1 〜Dh ×vの画素で構成され
ている。ここで、hは1ラインの画素数、vはライン数
である。
【0039】次に、認識部115は、画像記憶部114
に記憶された1通の郵便物101の画像を基に、郵便物
101上に記載された文字および数字を認識する。画像
記憶部114から認識部115への画像の転送は、CP
U116の制御によって行なわれ、認識部115での処
理結果は、CPU116を介して一時記憶部118に保
存される。
【0040】図8に文字認識処理の1例を示す。まず、
検出すべき住所情報列を探すために、入力された2次元
画像に対して射影パターンを作成する(S1)。この場
合、郵便物101に記載された住所情報は、縦書き、横
書きいずれか不明のため、水平方向(H)および垂直方
向(V)の両方の射影パターンをそれぞれ作成する。各
方向の射影パターンの例を図9に示す。ここで、901
は郵便物101の2次元画像、902は領域外の画像
(通常黒画像)、903は水平方向の射影パターン、9
04は垂直方向の射影パターンを示す。
【0041】垂直方向の射影パターン904において、
2値化の閾値Vt以下の射影データを抽出すると、90
5,906,907の3箇所に文字列を示すレベルの落
ち込みがあることがわかる。同様に、水平方向にも90
8,909のような文字列が抽出されるが、これら90
8,909の位置は郵便物101の端に近いため、住所
情報列である可能性が低いと判断し、この例では90
5,906,907を住所情報列の候補とする(S
2)。
【0042】次に、上記住所情報列の候補のみを取出
し、それぞれの列ごとに同様に射影パターン作成処理を
施し、今度は文字単位の切り出しを行ない、総文字数
(N)を求める(S3)。文字認識の方法には、色々な
手法が提案されているが、本例では辞書パターンとのテ
ンプレートマッチングを調べる方法を用いる。辞書パタ
ーンは、データ格納部119内にあらかじめ登録されて
おり、1文字ごとに全ての辞書パターン(P1 〜Pm )
をロードして比較する(S4)。第1番目の文字C1 と
最も差の少ない辞書パターン(Pc1)を見つけ、一時記
憶部118に記憶する(S5)。
【0043】同様に、次の文字のパターンマッチングを
行ない、全ての文字の認識が終了した後(S6)、デー
タ格納部119にあらかじめ登録された文字・コード変
換テーブルにしたがって文字情報をコードデータに変換
し、一時記憶部118に記憶する(S7)。この変換さ
れたコードデータは、後に蛍光コード印刷部111に転
送され、郵便物101上に蛍光コードとして印刷され
る。なお、辞書パターンおよび文字・コード変換テーブ
ルは、必要に応じてデータ入力部120で更新すること
も可能である。
【0044】なお、認識部115は、図1の構成図のよ
うにハードウェアで実現するのが一般的であるが、処理
時間などに制約が少ないシステムにおいては、プログラ
ム格納部117に記述されたソフトウェアで実現するこ
とも可能である。
【0045】認識部115は、文字の認識と同時に、郵
便物101上の蛍光コードを印刷する領域の画像を調べ
ることにより、蛍光コードの印刷前にコーティング膜の
塗布形成が必要か否かを判定する機能をも有している。
具体的には、蛍光コードの印刷領域において、蛍光コー
ドの発光を抑制すると思われる反射率の低い画素を計数
し、その画素があらかじめ決められた基準値を越えた場
合のみ、コーティング膜の塗布形成処理を行なう。
【0046】図10に蛍光コードを印刷する部分の画像
領域を示す。本装置においては、蛍光コードの印刷領域
があらかじめ定められているため、図7に示した全体画
像のある決められた領域が蛍光コードの印刷領域とな
る。この領域の画素をあらためてS1 ×Sw ×lとす
る。ここで、wは1ラインの画素数、l(エル)はライ
ン数である。
【0047】次に、コーティング膜の塗布形成の有無を
決定する処理について、図11に示すフローチャートを
参照して説明する。まず、画素番号を示すnを「1」
に、また、反射率の低い画素を数えるカウンタDCNT を
「0」に、それぞれ初期化する(S11)。次に、第1
番目の画素(S1 )の反射率を反射率基準値STHと比較
し(S12)、これが基準値以下の場合、カウンタDCN
T を1つ増やす(S13)。
【0048】同様の処理を全ての画素で行なった後(S
14,S15)、カウンタDCNT を基準値DTHと比較し
(S16)、[DCNT ≧DTH]ならばコーティング膜の
塗布形成が必要と判定し(S17)、[DCNT <DTH]
ならばコーティング膜の塗布形成が不要と判定する(S
18)。
【0049】ここで、基準値STH,DTHは、蛍光インク
の濃度や成分、蛍光コード読取装置の性能などによって
最適な値が決定される。蛍光インクが郵便物101の下
地色の影響を受けずらい場合や、蛍光コード読取装置の
性能が高い場合には、基準値STHはより小さく、また、
基準値DTHはより大きく設定することができる。なお、
本例で用いられる基準値STH,DTHは、あらかじめデー
タ格納部119に記憶されており、必要に応じてデータ
入力部120を用いて更新することが可能となってい
る。
【0050】次に、膜形成手段について説明する。膜形
成手段は、前述したように、郵便物101上の所定部位
にコーティング液を吹き付けるコーティング膜吐出部1
05、コーティング液を蓄えるためのタンクや液を循環
させるためのポンプで構成されるコーティング装置本体
107、コーティング液の吐出タイミングを制御するコ
ーティング装置制御部106、および、コーティング装
置本体107からコーティング膜吐出部105へコーテ
ィング液を供給する供給管124から構成されている。
コーティング膜形成方法の一例としてスプレーコート方
式がある。スプレーコート方式は、ポンプ圧によりコー
ティング液を狭口ノズルから吐出させて、吐出速度を変
えることにより膜厚を調整できる。
【0051】このコーティング膜は、蛍光コードを印刷
する蛍光インクが郵便物に染み込むことにより、印刷さ
れた蛍光コードが記載文字のインクと重複もしくは混合
することを阻止するために塗布形成するもので、少なく
とも1層の薄膜をコーティングする。また、このコーテ
ィング膜により、郵便物101の背景色が蛍光色を吸収
する場合の蛍光発光強度の減衰も緩和することができ
る。
【0052】コーティングされる塗工層として透明の樹
脂もしくは紫外線吸収性の樹脂を用い、透明層もしくは
紫外線吸収層を形成する。透明樹脂層とは、380nm
〜700nmまでの視感度領域において吸収の無い層で
ある。
【0053】紫外線吸収層における紫外線吸収剤は、紫
外線吸収層中に実質的に固定されている。さらに、この
紫外線吸収層は、可視光線に対して実質的に透明であ
る。紫外線吸収剤の紫外線吸収層への固定とは、紫外線
吸収層の上に直接、蛍光印刷層が形成されても、紫外線
吸収剤が蛍光印刷層に実質的に移動しないことを意味す
る。たとえば、紫外線吸収層は、少なくとも紫外線吸収
層と樹脂とからなることができ、そして、紫外線吸収剤
を紫外線吸収能を有する粒子状物または紫外線吸収官能
基を有する樹脂からなる群から選ぶことで、紫外線吸収
剤が実質的に固定された紫外線吸収層を形成することが
できる。
【0054】紫外線吸収能を有する粒子状物とは、たと
えば、紫外線吸収性無機顔料であり、紫外線吸収性無機
顔料としては、たとえば、酸化亜鉛、酸化チタンなどを
あげることができる。これらの粒子状物は、可視光線に
対して実質的に透明であり、かつ、蛍光印刷層に実質的
に移動しないという観点から、粒子径が0.1〜1μm
の範囲であることが適当である。
【0055】塗工層を形成するビヒクル成分となる樹脂
としては、可視光線に対して実質的に透明である樹脂を
用いる。そのような樹脂としては、たとえば、ポリエチ
レン系[ポリエチレン(PE)、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体]、ポリプロピレン(PP)、ビニル系[ポリ塩化ビ
ニル(PVC)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポ
リビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン
(PVdC)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリビニ
ルホルマール(PVF)]、ポリスチレン系[ポリスチ
レン(PS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体
(AS)、ABS]、アクリル系[ポリメチルメタクリ
レート(PMMA)、MMA−スチレン共重合体]、ポ
リカーボネイト(PC)、セルロース系[エチルセルロ
ース(EC)、酢酸セルロース(CA)、プロピルセル
ロース(CP)、酢酸・酢酸セルロース(CAB)、硝
酸セルロース(CN)]、フッ素系[ポリクロロフルオ
ロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフル
オロエチレン共重合体(FEP)、ポリビニリデンフル
オライド(PVdF)]、ウレタン系(PU)、ナイロ
ン系[タイプ6、タイプ66、タイプ610、タイプ1
1]、ポリエステル系[ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)]などの
熱可逆性樹脂をあげることができる。
【0056】さらに、これらの樹脂は、水性塗料用のエ
マルジョンであることができる。水性塗料用のエマルジ
ョンとしては、たとえば、酢酸ビニル(ホモ)エマルジ
ョン、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合エマルジ
ョン、酢酸ビニル−エチレン共重合樹脂エマルジョン
(EVAエマルジョン)、酢酸ビニル−ビニルバーサテ
ート共重合樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−ポリビニル
アルコール共重合樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−塩化
ビニル共重合樹脂エマルジョン、アクリルエマルジョ
ン、アクリルシリコンエマルジョン、スチレン−アクリ
ル共重合樹脂エマルジョン、ポリスチレンエマルジョ
ン、ウレタンエマルジョン、塩化ポリオレフィンエマル
ジョン、エポキシ−アクリルディスパージョン、SBR
ラテックスなどをあげることができる。
【0057】紫外線吸収官能基を有する樹脂とは、たと
えば、チヌビンのような紫外線吸収剤を樹脂に科学的に
結合した樹脂であることができる。そのような樹脂の例
としては、たとえば、エマルジョンチヌビン(チバガイ
ギー社製)などをあげることができる。塗工層の厚み
は、下地に塗布された染料またはインクと蛍光染料との
移動混合を有効に防止できるという観点を考慮して決定
することが適当である。たとえば、0.2〜5μmの範
囲であることが適当である。
【0058】また、紫外線吸収層の厚みは、紫外線吸収
層からの反射率が実質的に「0」になるように選択する
ことが適当である。たとえば、紫外線吸収剤がエマルジ
ョンチヌビンであって、光源の波長が254nmの場
合、紫外線吸収層の厚みは1μm以下で充分であり、た
とえば、0.1〜1μmの範囲であることが適当であ
る。
【0059】紫外線吸収剤としては、たとえば、ベンゾ
フェノン系、ベンゾトリアゾール系、アクリルレート
系、サリチレート系などの紫外線吸収剤をあげることが
できる。さらに、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として
は、たとえば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェ
ノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、レゾルシ
ノールモノベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾ
エート、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルベンゾフェ
ノンなどをあげることができる。
【0060】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は、たとえば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル
フェニル)ベンゾトリアゾール(チヌビンP、チバガイ
ギー社製)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチ
ル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール(チヌビン326、チバガイギー社製)、2−
[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベ
ンジル)]フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(チ
ヌビン234、チバガイギー社製)などをあげることが
できる。
【0061】アクリレート系紫外線吸収剤としては、た
とえば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3、3−ジ
フェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3、3−
ジフェニルアクリレートなどをあげることができる。
【0062】サリチール系紫外線吸収剤としては、たと
えば、フェニルサリチレート、4−t−ブチルフェニル
サリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートなど
をあげることができる。
【0063】次に、コーティング膜乾燥部109は、た
とえば、郵便物101に連続的に温風を吹き付けるダク
ト状の乾燥機であり、図12に示すように、郵便物10
1の搬送方向とは逆方向に温風を吹き付ける構造になっ
ている。この乾燥方法の特徴は、コーティング直後は低
温で、郵便物101が乾燥路を進むにつれて徐々に温度
が上昇し、乾燥路の出口で最高温度に達することであ
る。
【0064】これは、急激に温度をかけた場合、コーテ
ィング膜108の表面のみが乾燥し、不均一な膜とな
り、ブロッキング(他のものとくっつき離れなくなる現
象)を引き起こしたり、材破することを避けるためであ
る。不均一膜の例を図13に示す。図13(a)は、コ
ーティング膜108の一部に色濃度が不均一なクラスタ
が形成された例を示し、図13(b)は、コーティング
膜108のエッジ部が中心部に比べ厚くなった例を示し
ている。
【0065】次に、印刷手段について説明する。印刷手
段は、前述したように、郵便物101上の所定位置に蛍
光インクを塗布するための蛍光インク吐出部110、お
よび、CPU116からのコードデータおよび郵便物位
置検知センサ113からの検知信号を基に、蛍光コード
の印刷を制御する蛍光コード印刷部111から構成され
ている。
【0066】郵便物処理装置の場合、一般的に郵便物の
搬送速度が高速(3〜4m/秒)であり、かつ、対象物
の種類が多種多様であるため、高速な非接触印刷機が用
いられる。既存の装置では、コンティニュアス型のイン
クジェットプリンタが主流である。コンティニュアス型
とは、ノズルからインク液を常に発生させ、液に対する
荷電量を変化させることでインク液を1次元的に振ら
せ、対象物上に印刷する方式である。
【0067】この方式は、常にインク液が循環している
ため、ノズル詰まりが少なく、また、高速印字に適して
いる。蛍光コード印刷部111は、CPU116から受
信した郵便番号および住所情報のコードデータを、印刷
のためのコード情報、たとえば、機械読取り可能なバー
コードに変換し、蛍光インク吐出部110を制御するこ
とにより、コーティング膜吐出部105で塗布形成され
たコーティング膜108の上に蛍光インクを用いてバー
コードを印刷する。
【0068】バーコード印刷用の蛍光インクとしては、
以下に説明するような蛍光染料を含む蛍光インクを用い
ることが考えられる。蛍光染料とは、励起光を照射する
ことにより蛍光を発生する染料であればよく、有色でも
無色でもよい。無色の蛍光染料としては、EB−501
(三井東圧染料社製、発光色:青色)、EG−302
(三井東圧染料社製、発光色:黄緑色)、EG−307
(三井東圧染料社製、発光色:緑色)、ER−120
(三井東圧染料社製、発光色:赤色)、ER−122
(三井東圧染料社製、発光色:赤色)や蛍光増白剤と呼
ばれるユビテックOB(チバガイギー社製、発光色:青
色)などをあげることができる。
【0069】また、有色蛍光染料は、着色と同じ色に発
光する特性を持ち、その例としては、塩基性染料のカチ
オンブリリアントフラビン(黄)、カチオンブリリアン
トレッド(赤)、カチオンブリリアントピンク(桃)、
スパイロンイエロー(黄)、スパイロンレッド(赤)、
ソットピンク(桃)(保土ヶ谷化学社製)やダイレクト
イエロー8G(浜本染料製)、ベーシックイエロー、ロ
ーダミンBなどをあげることができる。
【0070】蛍光染料を含むインクジェットインクは、
上記蛍光染料、ビヒクル、水および水溶性有機溶媒を含
有するものであることができる。ビヒクルとしては、た
とえば、紫外線吸収層を構成するビヒクル成分となる樹
脂として例示した樹脂を用いることができる。水はイオ
ン交換水以上の純度があればよい。
【0071】水溶性有機溶媒は、インクの乾燥防止およ
び浸透性付与を目的とし、たとえば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
グリセリンの如き多価アルコール類:N−アルキルピロ
リドン類:酢酸エチル、酢酸アミルの如きエステル類:
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールの
如き低級アルコール類:メタノール、ブタノール、フェ
ノールのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイ
ド付加物の如きグリコールエーテル類などがあげられ
る。
【0072】これらの水溶性有機溶媒は、上記溶媒類に
限定されるものではなく、溶媒の吸湿性、保湿性、染料
溶解性や浸透性、インクの粘土や氷点などを考慮して、
適宜、単独もしくは複数で使用される。これらの水溶性
有機溶媒の使用量は、インクの0.1〜70重量%の範
囲が好ましい。
【0073】インクジェットプリンタのシステムに要求
される諸条件を満たすために、必要に応じて、インクの
成分として従来から知られている添加物を添加すること
も可能である。これらの添加物としては、pH調整剤と
してのアルコールアミン類、アンモニウム塩類、金属水
酸化物:比抵抗調整剤としての有機塩類、無機塩類:酸
化防止剤:防腐剤:防カビ剤:金属封鎖剤としてのキレ
ート剤などがあげられる。
【0074】上記組成に加えて噴射ノズル部の閉塞やイ
ンク吐出方向の変化などが生じない程度に、ポリビニル
アルコール、ポリビニルビロリドン、カルボキシメチル
セルロース、スチレンアクリル酸樹脂、スチレンマレイ
ン酸樹脂などの水溶性樹脂を添加することもできる。
【0075】次に、コーティング処理の効果について実
測データを基に説明する。測定の条件は以下の通りであ
る。 [測定条件] 1.対象物;7色の封筒(白、橙、黄、茶、灰、緑、
青)および墨を塗布した白色封筒 2.蛍光インク;インクジェットプリンタ用オレンジ蛍
光インク(スペクトルピーク波長;595nm) 3.コーティング膜;紫外線吸収層+アンカー層 4.蛍光励起用光源;紫外線ランプ(スペクトルピーク
波長;365nm) 5.撮像装置;高感度ライン型CCDカメラ それぞれの対象物上の蛍光コードの発光量をコーティン
グ有り/無しの場合に分けて測定した結果が下記表1で
ある。
【0076】
【表1】
【0077】表1は、最も発光量の大きかった「白色封
筒/コーティング無し」のときのカメラ出力値を「10
0」とした場合の相対値を示している。出力比は、「コ
ーティング無し」に対する「コーティング有り」の出力
値の比率を示し、また、ダイナミックレンジは、8種類
のサンプルのうち、最大発光のサンプルと最少発光のサ
ンプルの出力値の比率を示す。図14は、蛍光コード発
光量をグラフ化したもので、横軸が下地色、縦軸が相対
出力値を示す。斜線のない棒グラフがコーティング無
し、斜線のある棒グラフがコーティング有りを示してい
る。
【0078】表1および図14から以下のことがわか
る。 (1)コーティング有りの場合は、無しの場合に比べ、
下地色の影響を受けずらい。具体的には、表1のダイナ
ミックレンジに記された通り、コーティング無しの場合
は、下地色の違いにより発光量比率が10.0であるの
に対し、コーティング有りの場合は、発光量比率が3.
5であり、下地色の影響が3倍弱改善されている。
【0079】(2)明度の高い封筒色(白、橙、黄)の
場合、コーティングにより蛍光発光量は低下する。一
方、明度の低い封筒色(緑、青、墨)の場合、コーティ
ングの作用で蛍光発光量が増加する。高明度時の低下率
(0.86)に比べ、低明度時の増加率(2.9以上)
が非常に高いので、効果は絶大である。
【0080】次に、緑色封筒に蛍光コードを印刷した場
合を例にとり、コーティングの効果について説明する。
図15(a)は、緑色封筒にコーティングを施した上に
印刷した蛍光コードの画像を示し、図15(b)は、コ
ーティング無しの蛍光コードの画像を示す。図16
(a)は、図15(a)の画像の中心部(破線部)の断
面の発光強度を示す図で、横軸が位置、縦軸が発光振幅
(最大値256、最小値0)を示す。同様に、図16
(b)は、図15(b)の画像の中心部(破線部)の断
面の発光強度を表す。この図から、コーティングにより
約2倍の発光量が得られることが確認できる。
【0081】以上説明したように、上記実施の形態によ
れば、蛍光インクによるバーコード(蛍光コード)の印
刷に先立ち、蛍光コードの印刷位置を含む領域に被膜処
理(コーティング)を施すため、蛍光インクが郵便物に
染み込むことにより、印刷された蛍光コードが記載文字
のインクと重複もしくは混合することを阻止でき、蛍光
インクが郵便物上の文字、数字などの記載情報、あるい
は、下地色自体により消光または減光することが防止さ
れる。したがって、蛍光コードの読取りにおける認識率
が向上するとともに、読取り性能を上げるためのコスト
アップも必要ないため、システム全体の低コスト化も実
現できる。
【0082】なお、前記実施の形態では、塗工層(コー
ティング膜)として透明の樹脂もしくは紫外線吸収性の
樹脂のいずれか1層を形成する場合について説明した
が、上記塗工層の上にさらに中間透明薄膜層を塗工する
ことにより、樹脂フィルム表面へ一様なアンカー層(接
着補助層)を形成する構成としてもよい。このアンカー
層により蛍光インクが紫外線吸収層と融解することが防
止される。さらに、対象物の材質が樹脂フィルムであっ
ても、中間透明薄膜層に充分な接着性のある樹脂を選ぶ
ことにより、蛍光インクの定着性をよくすることができ
る。こうした中間透明薄膜層には水性エマルジョンを用
いることにより、溶剤成分の多い蛍光インクの溶媒を吸
収し、乾燥性を向上して定着性を高めることができる。
【0083】具体的に説明すると、たとえば、図17に
示すように、搬送手段130に沿って2つの膜形成手段
を直列的に設ける。すなわち、第1のコーティング膜吐
出部105a、第1のコーティング装置本体107a、
第1のコーティング装置制御部106a、第1の供給管
124a、および、第1のコーティング膜乾燥部109
aを設けるとともに、これらと同様に構成された第2の
コーティング膜吐出部105b、第2のコーティング装
置本体107b、第2のコーティング装置制御部106
b、第2の供給管124b、および、第2のコーティン
グ膜乾燥部109bを設ける。
【0084】そして、第1のコーティング膜吐出部10
5aによって、第1のコーティング膜108aとして可
視光領域における透明層あるいは紫外線吸収層を塗布形
成し、その後、第1のコーティング膜乾燥部109aに
よって乾燥させるとともに、第2のコーティング膜吐出
部105bによって、第2のコーティング膜108bと
して蛍光インクとの接着性に優れた接着補助層を第1の
コーティング膜108aの上に重ねて塗布形成し、その
後、第2のコーティング膜乾燥部109bによって乾燥
させる。
【0085】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、蛍
光インクが印刷対象物上の文字、数字などの記載情報あ
るいは下地色自体により消光または減光することを防止
できるコード情報印刷装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るコード情報印刷装置
の構成を概略的に示すブロック図。
【図2】ラインセンサの構成を概略的に示す構成図。
【図3】ラインセンサの駆動タイミングを示すタイミン
グチャート。
【図4】信号処理部の構成を概略的に示すブロック図。
【図5】郵便物の検知信号例を示す波形図。
【図6】画像信号の書込みタイミングを示すタイミング
チャート。
【図7】画像記憶部の画素構成を示す概略図。
【図8】文字認識処理を説明するフローチャート。
【図9】郵便物の2次元画像およびそれに対する射影パ
ターンを示す図。
【図10】蛍光コードを印刷する部分の画像領域を示す
図。
【図11】コーティング塗布の要、不要を判定する処理
を説明するフローチャート。
【図12】コーティング膜乾燥部の構成例を示す概略
図。
【図13】不均一膜の例を説明する図。
【図14】郵便物の下地色と蛍光発光量との関係を示す
グラフ。
【図15】郵便物上に印刷した蛍光コードの画像例を示
す図。
【図16】図15の画像の中心部の断面の発光強度を示
す図。
【図17】本発明の他の実施の形態に係るコード情報印
刷装置の要部の構成を概略的に示すブロック図。
【符号の説明】
101……郵便物(印刷対象物)、102……画像入力
部(画像入力手段)、103……ラインセンサ(光電変
換手段)、104……信号処理部、105……コーティ
ング膜吐出部、106……コーティング装置制御部、1
07……コーティング装置本体、108……コーティン
グ膜、109……コーティング膜乾燥部(乾燥手段)、
110……蛍光インク吐出部、111……蛍光コード印
刷部、112……蛍光コード(コード情報)、114…
…画像記憶部(画像記憶手段)、115……認識部(認
識手段)、116……CPU、117……プログラム格
納部、118……一時記憶部、119……データ格納
部、124a……第1の供給管、105a……第1のコ
ーティング膜吐出部、106a……第1のコーティング
装置制御部、107a……第1のコーティング装置本
体、108a……第1のコーティング膜、109a……
第1のコーティング膜乾燥部(第1の乾燥手段)、12
4b……第2の供給管124b、105b……第2のコ
ーティング膜吐出部、106b……第2のコーティング
装置制御部、107b……第2のコーティング装置本
体、108b……第2のコーティング膜、109b……
第2のコーティング膜乾燥部(第2の乾燥手段)。
フロントページの続き (72)発明者 木下 聡 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 田島 真治 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送される印刷対象物上の記載情報を含
    む画像を入力する画像入力手段と、 この画像入力手段で入力された画像を記憶する画像記憶
    手段と、 この画像記憶手段に記憶された画像から前記記載情報を
    認識する認識手段と、 前記印刷対象物上のあらかじめ定められた位置に対して
    蛍光インクが染み込むのを阻止するための膜を形成する
    膜形成手段と、 この膜形成手段で形成された前記印刷対象物上の膜を乾
    燥させる乾燥手段と、 この乾燥手段で乾燥された前記膜の上に前記認識手段の
    認識結果に基づくコード情報を前記蛍光インクを用いて
    印刷する印刷手段と、 を具備したことを特徴とするコード情報印刷装置。
  2. 【請求項2】 前記画像入力手段で画像を入力された印
    刷対象物を前記印刷手段へ搬送する搬送手段を有し、こ
    の搬送手段に前記膜形成手段および前記乾燥手段が設け
    られていることを特徴とする請求項1記載のコード情報
    印刷装置。
  3. 【請求項3】 前記膜は、可視光領域における透明膜あ
    るいは紫外線吸収膜であることを特徴とする請求項1記
    載のコード情報印刷装置。
  4. 【請求項4】 前記乾燥手段は、乾燥開始時は低温で、
    印刷対象物が乾燥路を進むうちに徐々に温度が上昇する
    ように構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    コード情報印刷装置。
  5. 【請求項5】 搬送される印刷対象物上の記載情報を含
    む画像を入力する画像入力手段と、 この画像入力手段で入力された画像を記憶する画像記憶
    手段と、 この画像記憶手段に記憶された画像から前記記載情報を
    認識する認識手段と、 前記印刷対象物上のあらかじめ定められた位置に対して
    蛍光インクが染み込むのを阻止するための膜を形成する
    膜形成手段と、 この膜形成手段で形成された前記印刷対象物上の膜を乾
    燥させる乾燥手段と、 この乾燥手段で乾燥された前記膜の上に前記認識手段の
    認識結果に基づくコード情報を前記蛍光インクを用いて
    印刷する印刷手段と、 前記画像記憶手段に記憶された画像に基づき前記膜形成
    手段による膜形成処理の要、不要を判定する判定手段
    と、 この判定手段の判定結果に基づき前記膜形成手段の動作
    を制御する制御手段と、 を具備したことを特徴とするコード情報印刷装置。
  6. 【請求項6】 前記画像入力手段で画像を入力された印
    刷対象物を前記印刷手段へ搬送する搬送手段を有し、こ
    の搬送手段に前記膜形成手段および前記乾燥手段が設け
    られていることを特徴とする請求項5記載のコード情報
    印刷装置。
  7. 【請求項7】 前記膜は、可視光領域における透明膜あ
    るいは紫外線吸収膜であることを特徴とする請求項5記
    載のコード情報印刷装置。
  8. 【請求項8】 前記乾燥手段は、乾燥開始時は低温で、
    印刷対象物が乾燥路を進むうちに徐々に温度が上昇する
    ように構成されてることを特徴とする請求項5記載のコ
    ード情報印刷装置。
  9. 【請求項9】 前記判定手段は、前記膜を形成する領域
    内の画像の濃淡情報およびその分布情報に基づき前記膜
    形成手段による膜形成処理の要、不要を判定することを
    特徴とする請求項5記載のコード情報印刷装置。
  10. 【請求項10】 搬送される印刷対象物上の記載情報を
    含む画像を入力する画像入力手段と、 この画像入力手段で入力された画像を記憶する画像記憶
    手段と、 この画像記憶手段に記憶された画像から前記記載情報を
    認識する認識手段と、 前記印刷対象物上のあらかじめ定められた位置に対して
    蛍光インクが染み込むのを阻止するための第1の膜を形
    成する第1の膜形成手段と、 この第1の膜形成手段で形成された前記印刷対象物上の
    第1の膜を乾燥させる第1の乾燥手段と、 この第1の乾燥手段で乾燥された前記第1の膜上に所定
    の第2の膜を形成する第2の膜形成手段と、 この第2の膜形成手段で形成された第2の膜を乾燥させ
    る第2の乾燥手段と、 この第2の乾燥手段で乾燥された前記第2の膜の上に前
    記認識手段の認識結果に基づくコード情報を前記蛍光イ
    ンクを用いて印刷する印刷手段と、 を具備したことを特徴とするコード情報印刷装置。
  11. 【請求項11】 前記画像入力手段で画像を入力された
    印刷対象物を前記印刷手段へ搬送する搬送手段を有し、
    この搬送手段に前記第1の膜形成手段、前記第1の乾燥
    手段、前記第2の膜形成手段、および、前記第2の乾燥
    手段が順次設けられていることを特徴とする請求項10
    記載のコード情報印刷装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の膜は、可視光領域における
    透明膜あるいは紫外線吸収膜であり、前記第2の膜は、
    蛍光インクとの接着性に優れた接着補助膜であることを
    特徴とする請求項10記載のコード情報印刷装置。
  13. 【請求項13】 前記第1の乾燥手段および第2の乾燥
    手段は、乾燥開始時は低温で、印刷対象物が乾燥路を進
    むうちに徐々に温度が上昇するように構成されているこ
    とを特徴とする請求項10記載のコード情報印刷装置。
  14. 【請求項14】 印刷対象物上に所定のインクを用いて
    コード情報を印刷するコード情報印刷装置であって、 印刷対象物上にコード情報を印刷する際、そのコード情
    報を印刷する部分に前記インクが染み込むのを阻止する
    ための膜を形成し、この形成した膜の上にコード情報を
    印刷することを特徴とするコード情報印刷装置。
JP17250495A 1995-07-07 1995-07-07 コード情報印刷装置 Pending JPH0920004A (ja)

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JP17250495A Pending JPH0920004A (ja) 1995-07-07 1995-07-07 コード情報印刷装置

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JP (1) JPH0920004A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009023270A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成プログラム

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