JPH09197397A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH09197397A
JPH09197397A JP8322321A JP32232196A JPH09197397A JP H09197397 A JPH09197397 A JP H09197397A JP 8322321 A JP8322321 A JP 8322321A JP 32232196 A JP32232196 A JP 32232196A JP H09197397 A JPH09197397 A JP H09197397A
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Hiroyuki Mori
裕行 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正面コントラストを低下させずに、表示コン
トラスト及び表示色の視角特性が改善され、高速表示に
優れたベンド配向セル又はHANモードセルを備えた液
晶表示装置を提供すること。 【解決手段】 ベンド配向液晶セル又はHANモード液
晶セルを有する液晶表示装置において、液晶セルと少な
くとも一方の偏光板との間に光学補償シートが備えられ
ており、かつ光学補償シートが、該光学補償シートの法
線方向から傾いた方向に、レターデーションの絶対値の
最小値を示すことを特徴とする液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベンド配向又はハ
イブリッド配列の形成が可能な液晶セルを有する液晶表
示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】日本語ワードプロセッサやディスクトッ
プパソコン等のOA機器の表示装置の主流であるCRT
は、薄型軽量、低消費電力という大きな利点をもった液
晶表示装置に置き換わってきている。現在普及している
液晶表示装置(以下LCDと称す)の多くは、ねじれネ
マティック液晶を用いている。このような液晶を用いた
表示方式としては、複屈折モードと旋光モードとの2つ
の方式に大別できる。
【0003】複屈折モードを用いたLCDは、液晶分子
配列がねじれ角90°を超えるねじれたもので、急崚な
電気光学特性をもつ為、能動素子(薄膜トランジスタや
ダイオード)が無くても単純なマトリクス状の電極構造
でも時分割駆動により大容量の表示が得られる。しか
し、応答速度が遅く(数百ミリ秒)、諧調表示が困難と
いう欠点を持ち、能動素子を用いた液晶表示装置(TF
T−LCDやMIM−LCDなど)の表示性能を越える
までにはいたらない。
【0004】TFT−LCDやMIM−LCDには、液
晶分子の配列状態が90°ねじれた旋光モードの表示方
式(TN型液晶表示装置)が用いられている。この表示
方式は、応答速度が数+ミリ秒程度であり、高い表示コ
ントラストを示すことから他の方式のLCDと比較して
最も有力な方式である。しかし、ねじれネマティック液
晶を用いている為に、表示方式の原理上、見る方向によ
って表示色や表示コントラストが変化するといった視角
特性上の問題があり、CRTの表示性能を越えるまでに
はいたらない。
【0005】図1に、TN型液晶表示装置用の液晶セル
の拡大断面図を示す。この液晶セルは、透明電極を有す
る基板14a、14bの間に形成された同一平面で非対
称のディレクタ領域(場)12(液晶層を構成する)を
有する。基板と接しているディレクタ(即ち配向ベクト
ル;液晶分子の配向方向を示す(一般に長軸方向の)単
位ベクトル)は、表面接触ディレクタ16と呼ぶ。他の
どのディレクタも、バルクディレクタ13と呼ぶ。液晶
セル11の各位置における複屈折と光透過の程度は、光
線と光線が進む付近のディレクタとの角度の関数であ
る。最小の複屈折は、光線が付近のディレクタに対して
平行に進む時に発生し、一方、最大の複屈折は、光線が
付近のディレクタに垂直に進む時に発生する。例えば、
液晶セル11を角度15で通過する光線18は、光線1
8の方向が大多数のディレクタ13及び16とある程度
平行の関係にあるので、最小の有効複屈折を示す。しか
しながら、液晶セル11を反対側の角度15で通過する
光線17は、光線17の方向が大多数のディレクタ13
及び16とほぼ非平行の関係にあるので、最大の有効複
屈折を示す。複屈折の増加は当然レターデーションの増
加を与えるので、液晶表示装置の視角に依存する表示画
像の色やコントラストの変化が、発生する。
【0006】上記視角特性を改善する(視角を拡大す
る)ため、位相差膜(光学補償シート)を偏光板とTN
−液晶セルとの間に設置することが提案され、これまで
種々の光学補償シートが提案されている。光学補償シー
トの設置は、ある程度視角の拡大をもたらしが、CRT
代替を検討するほどの広い視野角は実現困難である。
【0007】最近、本質的に視野角の拡大が可能な液晶
セルが、提案されている(例、特開平7−84254号
公報、フラットパネルディスプレー(150〜154
頁、1995)及び米国特許第5410422号明細
書)。上記液晶セルは、ベンド配向可能な液晶を有し、
対称のセルである。図2に、上記液晶セルの拡大断面図
を示す。この液晶セルは、透明電極を有する基板24
a、24bの間に形成された「自己補償」ディレクタ領
域(場)22a、22b(液晶層を構成する)を有す
る。この二つのディレクタ領域は、透明電極を有する基
板24a、24bの途中の中心線23に関して対称に配
置されている。ディレクタ領域(場)22a、22b
は、表面接触ディレクタ26a、26bと、バルクディ
レクタ28a、28bを、それぞれ有する。例えば、透
明電極を有する基板24a、24bが、自己補償ディレ
クタ領域22a、22bを維持する電圧を受けており、
この状態で、液晶セル21を角度29で通過する光線2
7は、ディレクタ領域22aでは、光線27の方向が大
多数のディレクタ26a及び28aとある程度平行の関
係にあるので、このディレクタ領域22aでは最小の有
効複屈折(即ち、最小のレターデーション)を示し、そ
して、光線27は、ディレクタ領域22bでは光線27
の方向が大多数のディレクタ26b及び28bとほぼ非
平行の関係にあるので、この領域22bでは最小の有効
複屈折(即ち、最小のレターデーション)を示す。従っ
て、液晶セル21を角度29で通過する光線27につい
ては、有効複屈折はディレクタ領域22aでは小さくな
っているが、ディレクタ領域22bでは大きくなってい
る。従って、全体の有効複屈折は、光の入射角度が変化
しても、その変化は少ない。また、液晶セル21を反対
側の角度29で通過する光線20についても、光線27
と同様な効果が得られる。
【0008】前述のように、ベンド配向を形成すること
ができる液晶を用いた液晶セル(以下、ベンド配向セル
とも言う)は、対称セルであり、本質的に拡大した視野
角を示す。しかしながら、上記複屈折は補償しなければ
ならず、前記のフラットパネルディスプレー(150〜
154頁、1995)及び米国特許第5410422号
明細書には、負の複屈折補償板あるいは二軸延伸ポリマ
ーフィルムの使用が記載されている。
【0009】更に、第42回春の応用物理学会(29a
−SZC−20、1995年)に見られるように、この
考え方を反射型LCDに応用したHANモード(Hybrid-
aligned-nematic mode) 液晶セルが提案されている。即
ち、このHANモード液晶セルは、上記ベンド配向セル
の上側(即ち、ディレクタ領域22a)を利用してい
る。図3に、上記HANモード液晶セルの拡大断面図を
示す。ディレクタ領域32は、透明電極を有する基板3
3a、33bの間に形成されている。ディレクタ領域3
2は、表面接触ディレクタ36とバルクディレクタ38
を有する。液晶セル31を角度35で通過する光線34
は、大多数のディレクタ36及び38とほぼ非平行の関
係にあるので、最大の有効複屈折を示し、そして、基板
33Bで反射した光線35は、大多数のディレクタ36
及び38とある程度平行の関係にあるのでより低い複屈
折を示す。光線34と反射した光線34により得られる
有効負屈折は、上記ベンド液晶セルにおけるのと同様な
ものである。このHANモード液晶セルにおいては二軸
延伸フィルムが光学補償シートとして使用すると、第4
2回春の応用物理学会に記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、ベンド配
向セル又はHANモードセルとを用い、光学補償シート
として負の複屈折補償板あるいは二軸延伸ポリマーフィ
ルムを使用した上記液晶表示装置の視野角特性について
検討を重ねてきた。その結果、本発明者は、上記光学補
償シートを備えた液晶表示装置は、表示面を見る傾斜角
を大きくした場合(特に上下方向)には、コントラスト
が低下することが明らかとなった。本発明は、正面コン
トラストを低下させずに、表示コントラスト及び表示色
の視角特性が改善され、高速表示に優れたベンド配向セ
ルを備えた液晶表示装置を提供するものである。また本
発明は、正面コントラストを低下させずに、表示コント
ラスト及び表示色の視角特性が改善され、高速表示に優
れたHANモードセルを備えた液晶表示装置を提供する
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対の表面に
配向膜を有する透明電極付き基板の間にネマチック液晶
の層が封入されてなる液晶セル、及び液晶セルの両側に
設けられた偏光板からなり、そしてネマチック液晶の層
がベンド配向を示すものであり、且つネマチック液晶の
配向ベクトルの基板に対する角度が、液晶セルに付与さ
れる電圧の変化により変化する液晶表示装置において、
液晶セルと少なくとも一方の偏光板との間に光学補償シ
ートが備えられており、かつ光学補償シートが、該光学
補償シートの法線方向から傾いた方向に、レターデーシ
ョンの絶対値の最小値を示すことを特徴とする液晶表示
装置にある。尚、上記レターデーションの絶対値の最小
値はゼロではない。
【0012】上記本発明の液晶表示装置の好ましい態様
は下記のとおりである。 1)光学補償シートが、透明支持体およびその上に設け
られたディスコティック構造単位を有する化合物からな
る光学異方層からなる。 2)光学異方層のディスコティック構造単位の円盤面
が、透明支持体面に対して傾いており、且つ該ディスコ
ティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度
が、光学異方層の深さ方向において変化している。 3)透明支持体が、光学的に負の一軸性を有し、かつ該
透明支持体面の法線方向に光軸を有し、さらに下記の条
件: 20≦{(nx +ny )/2−nz }×d2 ≦400 (但し、nx 及びny は支持体の面内の主屈折率を表わ
し、nz は厚み方向の主屈折率を表わし、d2 は支持体
のnm換算の厚さを表わす)を満足する。 4)透明支持体と光学異方層との間に、配向膜が形成さ
れている。 5)光学補償シート全ての下記で表されるレターデショ
ンの合計の絶対値Re1 と、液晶層の下記で表されるレ
ターデションの絶対値Re2 とが、下記の関係: 0.2×Re2 ≦Re1 ≦2.0×Re2 [但し、上記光学補償シートのレターデーションは
{(n2 +n3 )/2−n1}×d(式中、n1 、n2
及びn3 は、上記シートの3軸方向屈折率を表わし、そ
れぞれこの順に小さい屈折率を有し、dは上記シートの
nm換算の厚さを表わす)により定義され、そして上記
液晶層のレターデーションは、{n3 −(n1+n2
/2}×d(式中、n1 、n2 及びn3 は、上記液晶層
の3軸方向屈折率を表わし、それぞれこの順に小さい屈
折率を有し、dは上記液晶層のnm換算の厚さを表わ
す)により定義される]を満足する。 6)液晶表示装置が、ノーマリーホワイトモードで使用
される。
【0013】また、本発明は、一対の表面に配向膜を有
する透明電極付き基板の間にネマチック液晶の層が封入
され且つ一方の配向膜がネマチック液晶をホメオトロピ
ック配向させることができる層である液晶セル、液晶セ
ルの一方の側に設けられた偏光板、及び液晶セルの他方
の側に配置された反射板からなり、且つネマチック液晶
の層はハイブリッド配列を示すものであり、且つネマチ
ック液晶の配向ベクトルの基板に対する角度が、液晶セ
ルに付与される電圧の変化により変化する液晶表示装置
において、液晶セルと偏光板との間に光学補償シートが
備えられており、かつ光学補償シートが、該光学補償シ
ートの法線方向から傾いた方向に、レターデーションの
絶対値の最小値を示すことを特徴とする液晶表示装置に
ある。尚、上記レターデーションの絶対値の最小値はゼ
ロではない。
【0014】上記本発明の液晶表示装置の好ましい態様
は下記のとおりである。 1)光学補償シートが、透明支持体およびその上に設け
られたディスコティック構造単位を有する化合物からな
る光学異方層からなる。 2)光学異方層のディスコティック構造単位の円盤面
が、透明支持体面に対して傾いており、且つ該ディスコ
ティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度
が、光学異方層の深さ方向において変化している。 3)透明支持体が、光学的に負の一軸性を有し、かつ該
透明支持体面の法線方向に光軸を有し、さらに下記の条
件: 20≦{(nx +ny )/2−nz }×d2 ≦400 (但し、nx 及びny は支持体の面内の主屈折率を表わ
し、nz は厚み方向の主屈折率を表わし、d2 は支持体
のnm換算の厚さを表わす)を満足する。 4)透明支持体と光学異方層との間に、配向膜が形成さ
れている。 5)光学補償シートの下記で表されるレターデションの
絶対値Re1 と、液晶層の下記で表されるレターデショ
ンの絶対値Re2 とが、下記の関係: 0.2×Re2 ≦Re1 ≦2.0×Re2 [但し、上記光学補償シートのレターデーションは
{(n2 +n3 )/2−n1}×d(式中、n1 、n2
及びn3 は、上記シートの3軸方向屈折率を表わし、そ
れぞれこの順に小さい屈折率を有し、dは上記シートの
nm換算の厚さを表わす)により定義され、そして上記
液晶層のレターデーションは、{n3 −(n1+n2
/2}×d(式中、n1 、n2 及びn3 は、上記液晶層
の3軸方向屈折率を表わし、それぞれこの順に小さい屈
折率を有し、dは上記液晶層のnm換算の厚さを表わ
す)により定義される]を満足する。 6)液晶表示装置が、ノーマリーホワイトモードで使用
される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、ベンド配向セル又はH
ANモードセルとを用いた液晶表示装置(LCD)の光
学補償シートとして、光学補償シートの法線方向から傾
いた方向に、レターデーションの絶対値の最小値を示す
シートを使用することに特徴を有する。前述したよう
に、ベンド配向をすることができる液晶を用いた液晶セ
ル(ベンド配向セル)は対称セルであり、このためこの
液晶セルを有する液晶表示装置は本質的に拡大した視野
角を示す。同様にHANモード反射型液晶表示装置も本
質的に拡大した視野角を示す。
【0016】液晶セルは、一般に一対の表面に配向膜が
形成された透明電極を有する基板と、その基板間に封入
されたネマチック液晶の層からなる。ベンド配向セルで
は、一般に電圧が付与された液晶セル内でベンド配向を
することができる液晶を使用する。そしてネマチック液
晶の配向ベクトルの基板に対する角度が、液晶セルに付
与される電圧の変化により変化する。通常、ネマチック
液晶の配向ベクトルの基板に対する角度が、液晶セルに
付与される電圧の増加により増加し、複屈折が低下す
る。この複屈折の変化により画像が与えられる。本発明
では、液晶のベンド配向とは、液晶層(図2の22a及
び22b)の液晶分子の配向ベクトル(即ち、ディレク
タまたは光軸)が液晶層の中心線(図2の23)に関し
て対称(線対称)であり、且つ少なくとも基板付近の領
域でベンド部分を持つことを意味する。ベンド部分と
は、基板付近の領域のディレクタにより形成される線が
曲がっている部分を言う。
【0017】即ち、液晶のベンド配向とは、図2に示す
ように、一般に、液晶セルに電圧印加した際に、セル内
の液晶分子のディレクタは、下側の基板(図2の24
b)付近では、下側の基板に対してほぼ平行であり、基
板からの距離の増加と共に、ディレクタと基板表面との
角度が増大し、さらにディレクタは、上側基板と下側基
板の距離が等しい領域(中心線領域)では、基板表面と
垂直又はほぼ垂直となり、それからディレクタは、下側
基板からの距離の増加と共に、ディレクタと基板表面と
の角度がさらに増大し、最終的にはディレクタは上側基
板(図2の24a)付近では上側基板とほぼ平行になる
ように、液晶分子が配向することを意味する。中心線付
近(中心線(図2の23)近傍領域)では、ディレクタ
は(一般にぼ180度で)ねじれ配向していても良い。
さらに、上下基板に近い領域あるいは接触領域のディレ
クタは、基板表面から傾いていても良い(即ち、チルト
角を有しても良い)。
【0018】本発明のHANモード反射型LCDに使用
されるネマチック液晶は、一般に、電圧付与によりハイ
ブリッド配列を形成することができる液晶である。HA
Nモードは、既に液晶表示装置の分野に於て良く知られ
ている。HANモードセルは、図3に示すように、下側
基板がベンド配向セルの中心線の位置に配置された構造
である。そして下側基板の配向膜は、ネマチック液晶を
ホメオトロピック配向させることができる層である。そ
のような配向膜の例としては、無機蒸着膜、界面活性剤
の層、有機シランの層等を挙げることができる。
【0019】ベンド配向セル又はHANモードセルを有
する液晶表示装置は、自己補償ディレクタ領域を有する
が、表示装置を大きく斜めから見た場合(特に上下方向
で)、黒表示部分の光透過率が増大し、コントラストの
低下をもたらす。上記セルに本発明の光学補償シートを
装着することにより、正面から見た場合のコントラスト
を低下させることなく、傾斜方向から見た場合のコント
ラストを大いに改善することができる。
【0020】図4に示すように、仮に、黒画像が表示さ
れている(電圧付与時)液晶セルの液晶層を正の一軸性
を有する光学異方体と考えると、負の一軸性を有する光
学異方体41(例、負の複屈折フィルム)で正の一軸性
を有する光学異方体44により発生したレターデーショ
ンを補償することができる。符号42は光学補償シート
であり、符号43は液晶セルの液晶層である。
【0021】本発明者は、負の一軸性を有する光学異方
体は、上記液晶層により発生するレターデーション(複
屈折)を充分に補償することはできないことを見出し
た。その後検討を重ね、本発明者は、光学補償シートと
して、光学補償シートの法線方向から傾いた方向に、レ
ターデーションの絶対値の最小値を示すシートを使用す
るとの発明に到達した。本発明の光学補償シートは、一
般に、透明支持体とその上に設けられた光学異方層から
なり、その光学異方層はディスコティック構造単位を有
する化合物からなる。そして、光学異方層のディスコテ
ィック構造単位の円盤面は、透明支持体面に対して傾い
ており、且つ該ディスコティック構造単位の円盤面と透
明支持体面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向にお
いて変化していることが好ましい。
【0022】本発明の光学補償シートがベンド配向セル
又はHANモードセルのレターデーションを補償する原
理を図5〜図7を参照しながら説明する。即ち、上記レ
ターデーションは、ベンド配向セル又はHANモードセ
ルにおける配向状態と同様な配向を有する光学異方体を
用いることにより補償することができる。図5に、ベン
ド配向セルにより発生したレターデーションを補償する
機構の一例を模式的に示す。ベンド配向セルの液晶層5
2は、正の一軸性を有する光学異方体54(例、ネマチ
ック液晶分子)からなり、光学補償シート51は負の一
軸性を有する光学異方体53(例、ディコティック液晶
性化合物)からなる。光学補償シート51において、負
の一軸性を有する光学異方体53の光軸(ディレクタ)
は、ベンド配向セルの液晶層52の近傍の領域では、法
線から大きな角度で傾いており、シートの厚さ方向の中
心付近ではその傾斜角度はほぼ0度であり、そして液晶
層から遠ざかるに従い傾斜角度は更に増加する。光学補
償シート51は、一般にディスコティック構造単位を有
する化合物(例、ディスコティック液晶性化合物)の塗
布液を、透明支持体上に設けられた配向膜の上に塗布
し、上記化合物を加熱して配向させ、そして冷却して光
学異方層を形成することにより得られる。ディスコティ
ック液晶性化合物の代わりに、ねじれ構造を有したコレ
ステリック液晶やカイラルネマティック液晶を使用して
も良い。更に、コレステリック相などを形成する液晶性
ポリマーを使用しても良い。光学補償シート51は、一
層の光学異方層からなるものでも、二層の光学異方層
(例、下記の層61及び63)からなるものでも良い。
【0023】図6に、ベンド配向セルにより発生したレ
ターデーションを補償する機構の別の例を模式的に示す
(即ち、光学補償シートを二枚使用した場合)。ベンド
配向セルの液晶層62は、正の一軸性を有する光学異方
体65(例、ネマチック液晶分子)からなり、光学補償
シート61は負の一軸性を有する光学異方体64(例、
ディコティック液晶性化合物)からなり、そして光学補
償シート63も負の一軸性を有する光学異方体66から
なる。光学補償シート61及び63において、負の一軸
性を有する光学異方体64又は66の光軸(ディレク
タ)は、ベンド配向セルの液晶層62の近傍の領域で
は、法線から大きな角度で傾いており、そして液晶層か
ら遠ざかるに従い傾斜角度は減少する。光学補償シート
61及び63は、液晶セルの一方の側に重ねて配置して
も良い。
【0024】図7に、HANモードセルにより発生した
レターデーションを補償する機構の例を模式的に示す。
HANモードの液晶層72は、正の一軸性を有する光学
異方体74(例、ネマチック液晶分子)からなり、光学
補償シート71は負の一軸性を有する光学異方体73
(例、ディコティック液晶性化合物)からなる。光学補
償シート71において、負の一軸性を有する光学異方体
73の光軸(ディレクタ)は、ベンド配向セルの液晶層
72の近傍領域では、法線から大きな角度で傾いてお
り、そして液晶層から遠ざかるに従い傾斜角度は減少す
る。本発明のHANモード反射型LCDに使用されるネ
マチック液晶は、一般に、電圧付与によりハイブリッド
配列を形成することができる液晶である。そしてネマチ
ック液晶の配向ベクトルの基板に対する角度が、液晶セ
ルに付与される電圧の変化により変化する。通常、ネマ
チック液晶の配向ベクトルの基板に対する角度が、液晶
セルに付与される電圧の増加により増加し、複屈折が低
下する。この複屈折の変化により画像を与えられる。
【0025】ベンド配向セルを用いる液晶表示装置にお
いては、光学補償シート全てのレターデションの合計の
絶対値Re1 と、液晶層のレターデションの絶対値Re
2 とが、下記の関係: 0.2×Re2 ≦Re1 ≦2.0×Re2 [但し、上記光学補償シートのレターデーションは
{(n2 +n3 )/2−n1}×d(式中、n1 、n2
及びn3 は、上記シートの3軸方向屈折率を表わし、そ
れぞれこの順に小さい屈折率を有し、dは上記シートの
nm換算の厚さを表わす)により定義され、そして上記
液晶層のレターデーションは、{n3 −(n1+n2
/2}×d(式中、n1 、n2 及びn3 は、上記液晶層
の3軸方向屈折率を表わし、それぞれこの順に小さい屈
折率を有し、dは上記液晶層のnm換算の厚さを表わ
す)により定義される]を満足することが一般的であ
り、好ましくは、下記の条件: 0.2×Re2 ≦Re1 ≦1.5×Re2 を満足することであり、特に、下記の条件: 0.4×Re2 ≦Re1 ≦1.5×Re2 を満足することが好ましい。
【0026】HANモードセルを用いる液晶表示装置に
おいては、光学補償シートのレターデションの絶対値R
1 と、液晶層のレターデションの絶対値Re2 とが、
下記の関係: 0.2×Re2 ≦Re1 ≦2.0×Re2 {但し、上記光学補償シートのレターデーションは
{(n2 +n3 )/2−n1}×d(式中、n1 、n2
及びn3 は、上記シートの3軸方向屈折率を表わし、そ
れぞれこの順に小さい屈折率を有し、dは上記シートの
nm換算の厚さを表わす)により定義され、そして上記
液晶層のレターデーションは、{n3 −(n1+n2
/2}×d(式中、n1 、n2 及びn3 は、上記液晶層
の3軸方向屈折率を表わし、それぞれこの順に小さい屈
折率を有し、dは上記液晶層のnm換算の厚さを表わ
す)により定義される}を満足することが一般的であ
り、好ましくは、下記の条件: 0.2×Re2 ≦Re1 ≦1.5×Re2 を満足することであり、特に、下記の条件: 0.4×Re2 ≦Re1 ≦1.5×Re2 尚、後述する|Δn3 ×d3 |で表わされるレターデー
ションは、上記{(n2 +n3 )/2−n1 }×dで表
わされるものと同義であり、また後述する|Δn1 ×d
1 |で表わされるレターデーションは、上記{n3
(n1 +n2 )/2}×dで表わされるものと同義であ
る。また前記透明支持体のレターデーション{(nx
y )/2−nz }×d2は、上記液晶層のレターデー
ションの{(n2 +n3 )/2−n1 }×dに対応する
ものである。
【0027】本発明の液晶表示装置は、ノーマリーホワ
イトモード(以下、NWモード)とノーマリーブラック
モード(以下、NBモード)で用いることができる。N
Bモードにおいては、視角が大きくなるにしたがって、
色味変化が大きくなることから、NWモードで用いるこ
とが好ましい。
【0028】本発明の液晶表示装置に使用される光学補
償シートは、ディスクティック構造単位を有する化合物
からなる光学異方層からなる。ディスクティック構造単
位を有する化合物の例としては、モノマー等の低分子量
のディスコティック液晶性化合物または重合性ディスコ
ティック液晶性化合物の重合により得られるポリマーを
挙げることができる。上記光学補償シートは、一般に、
透明支持体及びその上に設けられたディスクティック構
造単位を有する化合物からなる光学異方層からなり、さ
らに配向膜を透明支持体と光学異方層を設けることが好
ましい。
【0029】上記透明支持体の材料としては、透明であ
るかぎりどのような材料でも使用することができる。光
透過率が80%以上を有する材料が好ましく、特に正面
から見た時に光学的等方性を有するものが好ましい。従
って、透明支持体は、小さい固有複屈折を有する材料か
ら製造することが好ましい。このような材料としては、
ゼオネックス(日本ゼオン(株)製)、ARTON(日
本合成ゴム(株)製)及びフジタック(富士写真フイル
ム(株)製)などの市販品を使用することができる。さ
らに、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフ
ォン及びポリエーテルスルホンなどの固有複屈折率の大
きい素材であっても、溶液流延、溶融押し出し等の条
件、さらには縦、横方向に延伸状検討を適宜設定するこ
とにより、得ることができる。
【0030】上記透明支持体は、該透明支持体面の法線
方向に光軸を有し、さらに下記の条件: 20≦{(nx +ny )/2−nz }×d2 ≦1000 (但し、nx 及びny は支持体の面内の主屈折率を表わ
し、nz は厚み方向の主屈折率を表わし、d2 は支持体
のnm換算の厚さを表わす)を一般に満足し、更に下記
の条件: 20≦{(nx +ny )/2−nz }×d2 ≦400 を満足することが好ましく、そして特に下記の条件: 50≦{(nx +ny )/2−nz }×d2 ≦400 を満足することが好ましい。上記透明支持体は、負の一
軸性であることが好ましい。また上記透明支持体(フィ
ルム)の|nx −ny |×d2 で表される正面レターデ
ーションは、0〜200nmの範囲であることが好まし
く、さらに0〜150nmの範囲が好ましく、特に0〜
100nmの範囲が好ましい。
【0031】上記透明支持体においては、下記の波長分
散の値(α)が、一般に1.0以上であり、特に1.0
〜1.3の範囲にあることが好ましい。 α=Δn2 (450nm)/Δn2 (600nm) (但し、Δn2 (450nm)は、波長450nmの光
に対する支持体の複屈折を表わし、そしてΔn2 (60
0nm)は、波長600nmの光に対する支持体の複屈
折を表わす。) 上記波長分散を有する支持体は、固有複屈折の大きい材
料を用いることにより製造することができる。
【0032】下塗層を、透明支持体上に、透明支持体と
配向膜との接着強度を増大させるためいに設けることが
好ましい。下塗層の形成は、一般に表面処理した透明支
持体の表面に塗布により形成する。表面処理としては、
化学処理、機械処理、コロナ放電処理、火焔処理、UV
処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処
理、及びオゾン酸化処理を挙げることができる。グロー
放電処理が好ましい。下塗層の構成としても種々の工夫
が行われており、第1層として高分子フィルムによく密
着する層(以下、下塗第1層と略す)を設け、その上に
第2層として配向膜とよく密着するゼラチン等の親水性
の樹脂層(以下、下塗第2層と略す)を塗布する所謂重
層法と、疎水性基と親水性基との両方を含有するゼラチ
ン等の樹脂層を一層のみ塗布する単層法とがある。
【0033】配向膜は、一般に透明支持体上又は上記下
塗層上に設けられる。配向膜は、その上に設けられる液
晶性ディスコティック化合物の配向方向を規定するよう
に機能する。そしてこの配向が、光学補償シートのRe
の最小値の方向をシートから傾いた方向にすることがで
きる。配向膜は、光学異方層に配向性を付与できるもの
であれば、どのような層でも良い。配向膜の好ましい例
としては、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビン
グ処理された層、無機化合物の斜方蒸着層、及びマイク
ログルーブを有する層、さらにω−トリコサン酸、ジオ
クタデシルメチルアンモニウムクロライド及びステアリ
ル酸メチル等のラングミュア・ブロジェット法(LB
膜)により形成される累積膜、あるいは電場あるいは磁
場の付与により誘電体を配向させた層を挙げることがで
きる。
【0034】配向膜用の有機化合物の例としては、ポリ
メチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重
合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニル
アルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、
スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化
ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩
素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸
ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共
重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、
ポリプロピレン及びポリカーボネート等のポリマー及び
シランカップリング剤等の化合物を挙げることができ
る。好ましいポリマーの例としては、ポリイミド、ポリ
スチレン、スチレン誘導体のポリマー、ゼラチン、ポリ
ビルアルコール及びアルキル基(炭素原子数6以上が好
ましい)を有するアルキル変性ポリビルアルコールを挙
げることができる。これらのポリマーの層を配向処理す
ることにより得られる配向膜は、液晶性ディスコティッ
ク化合物を斜めに配向させることができる。
【0035】中でもアルキル変性のポリビニルアルコー
ルは特に好ましく、液晶性ディスコティック化合物を均
一に配向させる能力に優れている。これは配向膜表面の
アルキル鎖とディスコティック液晶のアルキル側鎖との
強い相互作用のためと推察される。また、アルキル基
は、炭素原子数6〜14が好ましく、更に、−S−、-
(CH3)C(CN)-または-(C2H5)N-CS-S-を介してポリビニル
アルコールに結合していることが好ましい。上記アルキ
ル変性ポリビニルアルコールは、未端にアルキル基を有
するものであり、けん化度80%以上、重合度200以
上が好ましい。また、上記側鎖にアルキル基を有するポ
リビニルアルコールは、クラレ(株)製のMP103、
MP203、R1130などの市販品を利用することが
できる。
【0036】また、LCDの配向膜として広く用いられ
ているポリイミド膜(好ましくはフッ素原子含有ポリイ
ミド)も有機配向膜として好ましい。これはポリアミッ
ク酸(例えば、日立化成(株)製のLQ/LXシリー
ズ、日産化学(株)製のSEシリーズ等)を支持体面に
塗布し、100〜300℃で0.5〜1時間焼成した
後、ラビングすることにより得られる。更に、本発明の
配向膜は、上記ポリマーにアクリロイル基等の反応性基
を導入することにより、あるいは上記ポリマーをイソシ
アネート化合物及びエポキシ化合物などの架橋剤と共に
使用して、これらのポリマーを硬化させることにより得
られる硬化膜であることが好ましい。
【0037】また、前記ラビング処理は、LCDの液晶
配向処理工程として広く採用されている処理方法を利用
することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガー
ゼ、フェルト、ゴムのシートあるいはナイロン、ポリエ
ステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより配向
を得る方法を用いることができる。一般的には、長さ及
び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて
数回程度ラビングを行うことにより実施される。
【0038】また、無機斜方蒸着膜の蒸着物質として
は、SiOを代表とし、TiO2 、ZnO2 等の金属酸
化物、あるいやMgF2 等のフッ化物、さらにAu、A
l、等の金属が挙げられる。尚、金属酸化物は、高誘電
率のものであれば斜方蒸着物質として用いることがで
き、上記に限定されるものではない。無機斜方蒸着膜
は、蒸着装置を用いて形成することができる。フィルム
(支持体)を固定して蒸着するか、あるいは長尺フィル
ムを移動させて連続的に蒸着することにより無機斜方蒸
着膜を形成することができる。
【0039】光学異方層を配向膜を使用せずに配向させ
る方法として、支持体上の光学異方層をディスコティッ
ク液晶層を形成し得る温度に加熱しながら、電場あるい
は磁場を付与する方法を挙げることができる。
【0040】本発明の光学異方層は、透明支持体または
配向膜上に形成される。本発明の光学異方層は、一般に
ディスクティック構造単位を有する化合物である。即
ち、光学異方層は、通常モノマー等の低分子量の液晶性
ディスコティック化合物(モノマー等)の層または重合
性の液晶性ディスコティック化合物の重合(硬化)によ
り得られるポリマーの層である。
【0041】上記ディスコティック(円盤状)液晶性化
合物は、一般的にディスコティック構造をこれらを分子
中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置
換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置
換された構造であり、液晶性を示し、一般的にディスコ
ティック液晶とよばれるものが含まれる。側鎖部を除い
た母核部分の円盤状の形態的特徴は、例えば、その原形
化合物である水素置換体について、以下のように表現さ
れ得る。まず、母核の分子の大きさを以下のようにして
求める。 1)分子(母核の分子)について、できる限り平面に近
い、好ましくは平面分子構造を設計する。この場合、結
合距離、結合角としては、軌道の混成に応じた標準値を
用いることが好ましく、例えば日本化学会編、化学便覧
改訂4版基礎編、第II分冊15章(1993年刊 丸
善)を参照することができる。 2)前記1)で得られた構造を初期値として、分子軌道
法や分子力場法にて構造最適化を行なう。方法として
は、例えば、Gaussian92、MOPAC93、
CHARMm/QUANTA、MM3が挙げられ、好ま
しくはGaussian92である。 3)構造最適化された各原子にファンデルワールス半径
で定義される球を付与し、これによって分子の形状を記
述する。 4)前記3)で形状の得られた分子部分が入り得る最少
の直方体の3個の稜をa、b、cとする。任意性をより
少なくするためには、上記3)以降を以下のように行う
ことが好ましい 3’)構造最適化によって得られた構造の重心を原点に
移動させ、座標軸を慣性主軸(慣性テンソル楕円体の主
軸)にとる。 4’)各原子にファンデルワールス半径で定義される球
を付与し、これによって分子の形状を記述する。 5’)ファンデルワールス表面上で各座標軸方向の長さ
を計測し、それらそれぞれをa、b、cとする。 以上の手順により求められたa、b、cをもちいて円盤
状化合物の母核の形態は、a≧b>cかつa≧b≧a/
2を満足する構造と定義することができる。好ましくは
a≧b>cかつa≧b≧0.7aを満足する構造であ
る。また、b/2>cであることが、さらに好ましい。
【0042】本発明のディスコティック(円盤状)化合
物の例としては、C.Destradeらの研究報告、
Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)
に記載されているベンゼン誘導体、C.Destrad
eらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、14
1頁(1985年)、Physics lett,A,
78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセ
ン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.
Chem.96巻、70頁(1984年)に記載された
シクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報
告、J.Chem.Commun.,1794頁(19
85年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.C
hem.Soc.116巻、2655頁(1994年)
に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン
系マクロサイクルなどを挙げることができる。上記ディ
スコティック(円盤状)化合物は、一般的にこれらを分
子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、
置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に
置換された構造であり、液晶性を示し、一般的にディス
コティック液晶とよばれるものが含まれる。ただし、分
子自身が負の一軸性を有し、一定の配向を付与できるも
のであれば上記記載に限定されるものではない。また、
本発明において、円盤状化合物から形成したとは、最終
的にできた物が前記化合物である必要はなく、例えば、
前記低分子ディスコティツク液晶が熱、光等で反応する
基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合ま
たは架橋し、高分子量化し液晶性を失ったものも含まれ
る。
【0043】上記ディスコティック化合物の好ましい例
を下記に示す。
【0044】
【化1】
【0045】
【化2】
【0046】
【化3】
【0047】
【化4】
【0048】
【化5】
【0049】
【化6】
【0050】
【化7】
【0051】
【化8】
【0052】
【化9】
【0053】
【化10】
【0054】
【化11】
【0055】本発明の液晶表示装置に使用される光学補
償シートは、前述のように、透明支持体上に配向膜を設
け、次いで配向膜上に光学異方層を形成することにより
作製されることが好ましい。
【0056】光学異方層は、一般にディスコティック構
造単位を有する化合物からなる層である。そして、ディ
スコティック構造単位の面が、透明支持体面に対して傾
き、且つ該ディスコティック構造単位の面と透明支持体
面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向に変化してい
ることが好ましい。
【0057】上記ディスコティック構造単位の面の角度
(傾斜角)は、一般に、光学異方層の深さ方向でかつ光
学異方層の底面からの距離の増加と共に増加または減少
している。上記傾斜角は、距離の増加と共に増加するこ
とが好ましい。更に、傾斜角の変化としては、連続的増
加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加
と連続的減少を含む変化、及び増加及び減少を含む間欠
的変化等を挙げることができる。間欠的変化は、厚さ方
向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。傾斜
角は、変化しない領域を含んでいても、全体として増加
または減少していることが好ましい。更に、傾斜角は全
体として増加していることが好ましく、特に連続的に変
化することが好ましい。
【0058】光学異方層の断面の代表的な例を、模式的
に図8に示す。光学異方層83は、透明支持体86上に
形成された配向膜82上に設けられている。光学異方層
83を構成する液晶性ディスコティック化合物83a、
83b、83cは、ディスコティック構造単位Pa、P
b、Pcが透明支持体86の面に平行な面81a、81
b、81cから傾斜し、そしてそれらの傾斜角θa、θ
b、θc(ディスコティック構造単位の面と透明支持体
の面とのなす角)が、光学異方層の底面からの深さ(厚
さ)方向の距離の増加と共に、順に増加している。符号
84は透明支持体の法線を表わす。符号85は、光学異
方層のReの最小値を示す方向を透明支持体に投影した
時の方向を示す矢印である。上記液晶性ディスコティッ
ク化合物は平面分子であり、それ故分子中にはただ一個
の平面、即ち円盤面(例、81a、81b、81c)を
持つ。しかしながら、液晶性ディスコティック化合物が
重合してポリマーとなっている場合は、そのポリマーは
複数の円盤面を有する。
【0059】上記傾斜角(角度)は、5〜85度の範囲
(特に10〜80度の範囲)で変化していることが好ま
しい。上記傾斜角の最小値は、0〜85度の範囲(特に
5〜40度)にあり、またその最大値が5〜90度の範
囲(特に30〜85度)にあることが好ましい。図8に
おいて、支持体側のディスコティック構造単位の傾斜角
(例、θa)が、ほぼ最小値に対応し、そしてディスコ
ティック構造単位の傾斜角(例、θc)が、ほぼ最大値
に対応している。さらに、傾斜角の最小値と最大値との
差が、5〜70度の範囲(特に10〜60度)にあるこ
とが好ましい。
【0060】上記光学異方層は、一般にディスコティッ
ク化合物及び他の化合物を溶剤に溶解した溶液を配向膜
上に塗布し、乾燥し、次いでディスコティックネマチッ
ク相形成温度まで加熱し、その後配向状態(ディスコテ
ィックネマチック相)を維持して冷却することにより得
られる。あるいは、上記光学異方層は、ディスコティッ
ク化合物及び他の化合物(更に、例えば重合性モノマ
ー、光重合開始剤)を溶剤に溶解した溶液を配向膜上に
塗布し、乾燥し、次いでディスコティックネマチック相
形成温度まで加熱したのち重合させ(UV光の照射等に
より)、さらに冷却することにより得られる。本発明に
用いるディスコティック液晶性化合物のディスコティッ
クネマティック液晶相−固相転移温度としては、70〜
300℃が好ましく、特に70〜170℃が好ましい。
【0061】例えば、支持体側のディスコティック単位
の傾斜角は、一般にディスコティック化合物あるいは配
向膜の材料を選択することにより、またはラビング処理
方法の選択することにより、調整することができる。ま
た、表面側(空気側)のディスコティック単位の傾斜角
は、一般にディスコティック化合物あるいはディスコテ
ィック化合物とともに使用する他の化合物(例、可塑
剤、界面活性剤、重合性モノマー及びポリマー)を選択
することにより調整することができる。更に、傾斜角の
変化の程度も上記選択により調整することができる。
【0062】上記可塑剤、界面活性剤及び重合性モノマ
ーとしては、ディスコティック化合物と相溶性を有し、
液晶性ディスコティック化合物の傾斜角の変化を与えら
れるか、あるいは配向を阻害しない限り、どのような化
合物も使用することができる。これらの中で、重合性モ
ノマー(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル
基及びメタクリロイル基を有する化合物)が好ましい。
上記化合物は、ディスコティック化合物に対して一般に
1〜50重量%(好ましくは5〜30重量%)の量にて
使用される。
【0063】上記ポリマーとしては、ディスコティック
化合物と相溶性を有し、液晶性ディスコティック化合物
に傾斜角の変化を与えられる限り、どのようなポリマー
でも使用することができる。ポリマー例としては、セル
ロースエステルを挙げることができる。セルロースエス
テルの好ましい例としては、セルロースアセテート、セ
ルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピ
ルセルロース及びセルロースアセテートブチレートを挙
げることができる。上記ポリマーは、液晶性ディスコテ
ィック化合物の配向を阻害しないように、ディスコティ
ック化合物に対して一般に0.1〜10重量%(好まし
くは0.1〜8重量%、特に0.1〜5重量%)の量に
て使用される。セルロースアセテートブチレート(酢酸
酪酸セルロース)のブチリル化度は、30%以上、特に
30〜80%の範囲が好ましい。またアセチル化度は3
0%以上、特に30〜80%の範囲が好ましい。セルロ
ースアセテートブチレートの粘度(ASTM D−81
7−72に従う測定により得られる値)は、0.01〜
20秒の範囲が好ましい。
【0064】上記図8に示される変化する傾斜角を有す
る光学異方層(光学補償シート)を備えた液晶表示装置
は、極めて拡大された視野角を有し、そして白黒画像の
反転、あるいは表示画像の諧調あるいは着色の発生がほ
とんどないものである。
【0065】上記光学異方層のヘイズは、一般に5.0
%以下である。従って、上記光学異方層を有する光学補
償シートも、透明支持体のヘイズが低いことから、一般
に5.0%以下を有する。上記ヘイズは、ASTN−D
1003−52に従って測定される。光学異方層のヘイ
ズが高いと、黒表示部において散乱によると思われる光
洩れが起こり、結果としてコントラストが低下する。こ
の傾向は、入射光が法線方向および画像の上方向に傾い
た場合に顕著である。したがって、これを防ぐために
は、上記ヘイズは5%以下が好ましく、さらに3%以下
が好ましく、特に1%以下であることが好ましい。
【0066】光学異方層を形成するための溶液は、ディ
スコティック化合物及び前述の他の化合物を溶剤に溶解
することにより作製することができる。上記溶剤の例と
しては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジ
メチルスルフォキシド(DMSO)及びピリジン等の極
性溶剤;ベンゼン及びヘキサン等の無極性溶剤;クロロ
ホルム及びジクロロメタン等のアルキルハライド類;酢
酸メチル及び酢酸ブチル等のエステル類;アセトン及び
メチルエチルケトン等のケトン類;及びテトラヒドロフ
ラン及び1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類を挙
げることができる。アルキルハライド類及びケトン類が
好ましい。溶剤は単独でも、組合わせて使用しても良
い。
【0067】上記溶液の塗布方法としては、カーテンコ
ーティング、押出コーティング、ロールコーティング、
ディップコーティング、スピンコーティング、印刷コー
ティング、スプレーコーティング及びスライドコーティ
ングを挙げることができる。本発明では、ディスコティ
ック化合物のみの混合物の場合は蒸着法も使用すること
ができる。本発明では、連続塗布が好ましい。従ってカ
ーテンコーティング、押出コーティング、ロールコーテ
ィング及びスライドコーティングが好ましい。上記光学
異方層は、前述したように、上記塗布溶液を配向膜上に
塗布し、乾燥し、次いでガラス転移温度以上に加熱し
(その後所望により硬化させ)、冷却することにより得
られる。
【0068】本発明で使用される光学補償シートは、光
学補償シートの法線方向から傾いた方向に、レターデー
ションの絶対値の最小値を示す。光学異方層が、法線方
向から傾いた方向に、レターデーションの絶対値の最小
値を示すことが好ましい。この最小値を示す方向は、一
般に法線から5〜80度傾いており、10〜70度が好
ましく、特に20〜60度が好ましい。|Δn3 ×d3
|(Δn3 は光学異方層の複屈折を表わし、d3 はその
厚さを表わす)で表わされる光学異方層のレターデーシ
ョン(Re)は、一般に50〜1000nmであり、1
00〜500nmが好ましい。
【0069】本発明のベンド配向セルを有する液晶表示
装置の例を図9に示す。一対の表面に配向膜を有する透
明電極付き基板と、その間に封入されたネマチック液晶
の層からなる液晶セルPIC、液晶セルの両側に設けら
れた一対の偏光板A、B、液晶セルと偏光板との間に配
置された光学補償シートOC1、OC2、及びバックラ
イトBLが、組み合わされて液晶表示装置を構成してい
る。光学補償シートは一方のみ配置しても良い(即ち、
OC1又はOC2)。符号R1及びR2は、それぞれラ
ビング方向を示す矢印で、図8の矢印85の方向に対応
する。また光学補償シートOC1、OC2の光学異方層
は、液晶セルに向かい合うように配置されている。しか
しながら光学異方層は偏光板と向かい合って配置しても
良いが、その場合、矢印R1、R2は上記方向と反対に
される。液晶セルPICの実線の矢印RP2は、液晶セ
ルの偏光板B側のラビング方向を示し、液晶セルPIC
の点線の矢印RP1は、液晶セルの偏光板A側のラビン
グ方向を示す。PA、PBは、それぞれ偏光板A、Bの
透過軸を示す。
【0070】光学補償シートOC1、OC2の光学異方
層は、上記のように液晶セルに向かい合って配置される
ことが好ましい。この場合、矢印R1とPR1との角度
は、一般に−45〜45度の範囲にあり、−20〜20
度の範囲が好ましく、特に−10〜10度の範が好まし
い。矢印R2とPR2との角度も上記と同様である。光
学補償シートは液晶セルの両側に設置されることが好ま
しい。透過軸PAとPBは互いに垂直、あるいは平行で
あることが好ましいが、その許容範囲は通常10度以内
である。矢印PR1と透過軸PAとの角度は一般に10
〜80度の範囲であり、20〜70度の範囲が好まし
く、特に35〜55度の範囲が好ましい。
【0071】本発明のHANモードセルを有する液晶表
示装置の例を図10に示す。一対の表面に配向膜を有す
る透明電極付き基板と、その間に封入されたネマチック
液晶の層からなる液晶セル103、液晶セルの一方の側
に設けられた偏光板101、液晶セルと偏光板との間に
配置された光学補償シート102、及び反射板104
が、組み合わされて液晶表示装置を構成している。上記
基板の一方の配向膜は、ネマチック液晶をホメオトロピ
ック配向させることができる層である必要がある。これ
によりネマチック液晶層をハイブリッド配向にすること
ができる。即ち、符号108は垂直配向層である。セル
の上に更に拡散板を設けても良い。符号106は、光学
補償シートのラビング方向を示す矢印で、図8の矢印8
5の方向に対応する。液晶セル103の実線の矢印10
7は、液晶セルの上側のラビング方向を示す。
【0072】光学補償シート102の光学異方層は、上
記のように液晶セルに向かい合って配置されることが好
ましい。この場合、矢印106と107との角度は、一
般に−45〜45度の範囲にあり、−20〜20度の範
囲が好ましく、特に−10〜10度の範囲が好ましい。
矢印107と透過軸105との角度は一般に10〜80
度の範囲であり、20〜70度の範囲が好ましく、特に
35〜55度の範囲が好ましい。
【0073】|Δn1 ×d1 |(Δn1 は液晶セルの液
晶層の複屈折を表わし、d1 はその厚さを表わす)で表
わされる液晶セルの液晶層のレターデーション(Re)
は、一般に300〜31000nmである。ベンド配向
セルにおいては、レターデーションは、一般に700〜
2000nmであり、800〜1800nmが好まし
い。HANモードセルにおいては、レターデーション
は、一般に350〜1000nmであり、400〜90
0nmが好ましい。
【0074】
【実施例】
【0075】(1)ベンド配向液晶セルの作製 ITO電極付きのガラス基板にポリイミド膜を配向膜と
して設け、ラビング処理を行った。このような配向膜を
有する2枚のガラス基板をラビング方向が平行となるよ
うに向き合わせ、セルギャップ10μmで接合し、メル
ク社製液晶ZLI1132(Δn1 =0.1396)を
注入し、ベンド配向液晶セルを作製した。得られた液晶
セルの液晶層のレターデーション(Re2 )は、139
6nmである。
【0076】(2)HAN型液晶セルの作製 ITO電極付きのガラス基板にポリイミド膜を配向膜と
して設け、ラビング処理を行った。ITO電極付きのガ
ラス基板をもう一枚用意し、SiO蒸着膜を配向膜とし
て設けた。この2枚のガラス基板を配向膜同士が対向す
るように配置し、セルギャップ5μmで接合し、メルク
社製液晶ZLI1132(Δn=0.1396)を注入
し、HAN型液晶セルを作製した。得られた液晶セルの
液晶層のレターデーション(Re2 )は、698nmで
ある。
【0077】(3)光学補償シートAの作製 ゼラチン薄膜(0.1μm)を塗設した100μm厚さ
を有するトリアセチルセルロースのフィルム(富士写真
フイルム(株)製)上にアクリレート変性末端アルキル
含有ポリビニルアルコール(下記の化合物(1))を含
む塗布液を塗布し、80℃温風にて乾燥させた後、ラビ
ング処理を行い、配向膜を形成した。
【0078】
【化12】
【0079】面内の主屈折率をnx 、ny 、厚さ方向の
屈折率nz 、厚さをd2 とした時、トリアセチルセルロ
ースフィルムの|nx −ny |×d、{(nx +ny
/2−nz }×dを決定した。厚さを、マイクロメータ
を用いて測定し、そして種々の方向からのReを、エリ
プソメータ(AEP−100、(株)島津製作所製)に
より測定し、上記|nx −ny |×d2 、{(nx +n
y )/2−nz }×d2 を決定した。上記トリアセチル
セルロースフィルムの|nx −ny |×d2 は5nm
で、{(nx +ny )/2−nz }×d2 は40nmで
あった。従って、上記トリアセチルセルロースフィルム
はほぼ負に一軸性であり、その光軸がほぼフイルム方線
方向にあった。
【0080】この配向膜上に、前述した液晶性ディスコ
ティック化合物TE−8(8、m=4)(前記化合物例
番号)1.8g、エチレングリコール変性トリメチロー
ルプロパントリアクリレート(V#360;大阪有機化
学工業(株)製)0.2g、セルロースアセテートブチ
レート(CAB551−0.2;イーストマンケミカル
社製)0.04g、光重合開始剤(イルガキュア−90
7;チバ・ガイギー社製)0.06g及び増感剤(カヤ
キュアーDETX、日本化薬(株)製)0.02gを、
3.43gのメチルエチルケトンに溶解して得られた塗
布液を、ワイヤーバーで塗布(#3バー)し、金属の枠
に貼りつけて固定して120℃の高温槽中で3分間加熱
し、デイスコティック化合物を配向させた後、120℃
のまま高圧水銀灯(120W/cm)を用いて1分間U
V照射し、室温まで放冷して、厚さ1.0μmのディス
コティック化合物を含む層(光学異方層)を有する本発
明の光学補償シートAを作製した。
【0081】このようにして得られた光学補償シートA
のレターデーション値を、ラビング方向に沿って、島津
製作所製エリプソメーター(AEP−100)で測定し
たところ、図11に示すような結果(レターデーション
と視野角(見る方向を法線から傾けた角度)との関係)
が得られた。図11からわかるように、この光学補償シ
ートにはレターデーションがゼロとなる方向が存在しな
いことがわかる。この値を基にシミュレーションしたと
ころ、Re最小値の方向の平均傾斜角は21゜であっ
た。
【0082】また、光学異方層(ディスコティック液晶
層)のみのレターデーション値をラビング軸に沿って測
定したところ、図12に示すような結果(レターデーシ
ョンと視野角(見る方向を法線から傾けた角度)との関
係)が得られた。ディスコティック液晶層のみでもレタ
ーデーションが0となる方向は存在しなかった。シミュ
レーションしたところ、Re最小値の方向が厚さ方向に
シートの法線方向に対して4゜から68゜連続的に変化
したハイブリッド配向を示し、|Δn3 ・d3|のレタ
ーデーションは117nmであることがわかった。光学
補償シートAのレターデーション(Re1 )は、ベンド
配向セルでは314nm((40nm+117nm)×
2)であり、HANモードセルでは157nm(40n
m+117nm)である。
【0083】(4)光学補償シートBの作製 上記光学補償シートAの作製において、透明支持体とし
てTACフィルムの代わりに下記のポリカーボネートフ
ィルムを使用し、光学異方層の厚さを1μmから5μm
を変えた以外は、光学補償シートAの作製と同様にして
光学補償シートBを作製した。 (ポリカーボネートフィルム)ホスゲンとビスフェノー
ルAの縮合により得られた分子量12万のポリカーボネ
ートを二塩化メチレンに溶解し、18%溶液とした。こ
れをスチールドラム上に流延し、連続的にはぎ取り、二
軸延伸しながら乾燥し、厚さ60μmのフィルムを得
た。このフィルムをエリプソメーターAEP−100に
よってレターデーション値を測定し、屈折率に換算した
ところ、nx =1.540、ny =1.540、nz
1.536であった。nx 、ny は面内にあり、nz
法線方向であった。|nx −ny |×d2 は0nmで、
{(nx +ny )/2−nz }×d2 は240nmであ
った。Δn2 (450nm)/Δn2 (600nm)
は、1.1であった。
【0084】このようにして得られた光学補償シートB
の光学異方層のレターデーション値を、ラビング方向に
沿って、島津製作所製エリプソメーター(AEP−10
0)で測定したところ、レターデーションがゼロとなる
方向が存在しないことがわかった。これらのデータを基
にシミュレーションしたところ、Re最小値の方向の平
均傾斜角は36゜、|Δn3 ・d3 |のレターデーショ
ンは160nmであった。光学補償シートBのレターデ
ーション(Re1 )は、ベンド配向セルでは800nm
((240nm+160nm)×2)である。
【0085】得られた本発明の光学補償シート(B)を
ミクロトームを用いてラビング方向で深さに沿って切断
し、極めて薄いフィルム(サンプル)を作製した。この
サンプルをOsO4 の雰囲気中に48時間放置して、染
色した。得られた染色フィルムを、透過型電子顕微鏡
(TEM)によって観察し、その顕微鏡写真を得た。染
色フィルムでは、ディスコティック化合物TE−8
(8、m=4)のアクリロイル基が染色され、写真の像
として認められた。この写真から、光学異方層のディス
コティック化合物は透明支持体の表面から傾いており、
かつその傾斜角が、光学異方層の底部から深さ方向の距
離の増加と共に、連続的増加していることが、認められ
た。
【0086】(5)光学補償シートCの作製 ホスゲンとビスフェノールAの縮合により得られた分子
量12万のポリカーボネートを二塩化メチレンに溶解
し、18%溶液とした。これをスチールドラム上に流延
し、連続的にはぎ取り、アンバランス二軸延伸しながら
乾燥し、厚さ60μmのフィルムを得た。このフィルム
をエリプソメーターAEP−100によってレターデー
ション値を測定し、屈折率に換算したところ、nx
1.546、ny =1.540、nz =1.533であ
った。nx 、ny は面内にあり、nzは法線方向であっ
た。
【0087】(6)光学補償シートDの作製 光学補償シートCの作製と同様にして、ポリカーボネー
トをアンバランス二軸延伸することによって、厚さ50
μmのフィルムを得た。光学補償シートCとは延伸比率
を変化させた。このフィルムをエリプソメーターAEP
−100によってレターデーション値を測定し、屈折率
に換算したところ、nx =1.544、ny =1.54
0、nz =1.536であった。nx 、ny は面内にあ
り、nzは法線方向であった。
【0088】[実施例1]上記(1)で作製したベンド
配向液晶セルに、光学補償シートAをセルを挟むように
2枚、ディスコティック液晶層側がセルに対向するよう
に配置した。ベンド配向液晶セルのラビング方向と光学
補償シートAのラビング方向は反平行になるように配置
した。その外側、光学補償シートの上に偏光板をクロス
ニコルに配置した。このようにして液晶表示装置を作製
した。得られた液晶表示装置は、図9に示された構造を
有する。
【0089】この液晶表示装置に対して、55Hz矩形
波で電圧を印加した。白表示2.5V、黒表示6VのN
Wモードにて、透過率の比(白表示)/(黒表示)をコ
ントラスト比として、上下、左右からのコントラスト比
の測定を大塚電子(株)製のLCD−5000にて行っ
た。コントラスト10以上となる上/下および左/右の
視野角を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0090】[実施例2]実施例1において、光学補償
シートAの代わりに光学補償シートBを使用した以外実
施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。液晶表示
装置の評価も実施例と同様に行なった。得られた結果を
表1に示す。
【0091】[比較例1]上記(1)で作製したベンド
配向液晶セルに、光学補償シートCを手前側(見る側)
に1枚、ベンド配向液晶セルのラビング方向と光学補償
シートCのny の方向とが一致するように配置した。そ
の外側に全体を挟むように偏光板をクロスニコルに配置
した。このようにして液晶表示装置を作製した。この液
晶表示装置に対して、55Hz矩形波で電圧を印加し
た。白表示6V、黒表示2.5VのNBモードとし、透
過率の比(白表示)/(黒表示)をコントラスト比とし
て、上下、左右からのコントラスト比測定を大塚電子
(株)製のLCD−5000にて行った。コントラスト
10以上となる上/下および左/右の視野角を求めた。
得られた結果を表1に示す。
【0092】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── シート 正面コントラスト 視 野 角(度) No. 上下 左右 ──────────────────────────────────── 実施例1 (A) 100以上 120以上 120以上 実施例2 (B) 100以上 120以上 120 ──────────────────────────────────── 比較例1 (C) 100以上 68 76 ──────────────────────────────────── 本発明の実施例1〜2で得られた液晶表示装置は、比較
例1の液晶表示装置に比べて、大幅に視野角特性が改善
されていることがわかる。
【0093】[実施例3](2)で作製したHAN型液
晶セルに、光学補償シートAを手前側(見る側)に1
枚、ディスコティック液晶層側がセルに近くなるように
配置した。HAN型液晶セルのラビング方向と光学補償
シートAのラビング方向は反平行になるように配置し
た。手前側には偏光板を透過軸と液晶セルのラビング方
向とのなす角が45゜となるように配置し、偏光板の更
に手前側には拡散板を配置した。その反対の面には、ガ
ラス基板の外側にミラーを配置し、反射型液晶表示装置
を作製した。得られた液晶表示装置は、図10に示され
た構造に更に拡散板を備えた構造を有する。
【0094】この反射型液晶表示装置に法線方向から2
0゜傾けた方向に光源を置き、光を照射した。液晶セル
には55Hz矩形波で電圧を印加した。白表示2.5
V、黒表示6VのNWモードにて、透過率の比(白表
示)/(黒表示)をコントラスト比として、上下、左右
からのコントラスト比測定をTOPCON(株)製のb
m−7にて行った。コントラスト10以上となる上/下
および左/右の視野角を求めた。得られた結果を表2に
示す。
【0095】[比較例2](2)で作製したHAN型液
晶セルに、光学補償シートDを手前側(見る側)に1
枚、HAN型液晶セルのラビング方向と光学補償シート
Dのny の方向とが一致するように配置した。手前側に
は偏光板を、透過軸と液晶セルのラビング方向とのなす
角が45゜となるように配置し、更に偏光板の上にはT
iO2粉末を含む白色板の拡散板を設置し、液晶セルの
反対側(奥側)には反射板を設置して反射型液晶表示素
子を作製した。この液晶セルに55Hz矩形波で電圧を
印加し、白表示6V、黒表示2.5VのNBモードとし
た以外は、実施例2と同様にコントラスト比の測定を行
った。コントラスト10以上となる上/下および左/右
の視野角を求めた。得られた結果を表2に示す。
【0096】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── シート 正面コントラスト 視 野 角(度) No. 上下 左右 ──────────────────────────────────── 実施例3 (A) 30 64 73 ──────────────────────────────────── 比較例2 (D) 25 45 52 ──────────────────────────────────── 本発明の実施例3で得られた液晶表示装置は、比較例2
の液晶表示装置に比べて、大幅に視野角特性が改善され
ていることがわかる。
【0097】
【発明の効果】本発明のベンド配向液晶セル又はHAN
モード液晶セルを用いた液晶表示装置は、特定の光学補
償シートを備えている。この光学補償シートは、その法
線方向から傾いた方向に、レターデーションの絶対値の
最小値を示すものである。このような液晶表示装置は、
視野角が大きく拡大しており、視野角の増加に伴う黒表
示部の反転、諧調の反転、画像の着色等の発生が大きく
低減されており、優れた視野角特性を示す。また、本発
明の光学補償シートをMIMなどの3端子素子、TFD
などの2端子素子を用いたアクティブマトリクス液晶表
示素子に適用しても優れた効果が得られることは言うま
でもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】TN型液晶表示装置用の液晶セルの拡大断面図
である。
【図2】ベンド配向液晶セルの拡大断面図である。
【図3】HANモード液晶セルの拡大断面図である。
【図4】正の一軸性であると仮定した場合の液晶セル
が、負の一軸性の光学異方体によって視角特性が改善さ
れるとの原理を示した模式図である。
【図5】本発明のベンド配向セルを有する液晶表示装置
におけるレターデーション補償の原理を説明するための
一例の図である。
【図6】本発明のベンド配向セルを有する液晶表示装置
におけるレターデーション補償の原理を説明するための
別の例の図である。
【図7】本発明のHANモードセルを有する液晶表示装
置におけるレターデーション補償の原理を説明するため
の一例の図である。
【図8】本発明の液晶表示装置に使用される光学補償シ
ートの光学異方層の代表的構造を示す図である。
【図9】本発明のベンド液晶セルを用いた液晶表示装置
の代表的構造を示す図である。
【図10】本発明のHANモード液晶セルを用いた液晶
表示装置の代表的構造を示す図である。
【図11】実施例1で用いられる光学補償シートのレタ
ーデーション値の角度依存性を示す図である。
【図12】実施例1で用いられる光学補償シートの光学
異方層のレターデーション値の角度依存性を示す図であ
る。
【符号の説明】
11、21 液晶セル 14a、14b、24a、24b、33a、33b 透
明電極を有する基板 12、22a、22b、32 ディレクタ領域(場) 16、26a、26b、36 表面接触ディレクタ 13、28a、28b、38 バルクディレクタ 15、29 角度 17、18、20、27、34 光線 23 中心線 41、53、64、66、73 負の一軸性を有する光
学異方体 42、51、61、63、71 光学補償シート 43 液晶セルの液晶層 44、54、65、74 正の一軸性を有する光学異方
体 52、62 ベンド配向セルの液晶層 72 HANモードの液晶層 86 透明支持体 82 配向膜 83 光学異方層 83a、83b、83c 液晶性ディスコティック化合
物 Pa、Pb、Pc ディスコティック構造単位の面 81a、81b、81c 透明支持体81の面に平行な
面 θa、θb、θc 傾斜角 84 透明支持体の法線 85 光学異方層のReの最小値を示す方向を透明支持
体に投影した時の方向を示す矢印 PIC 液晶セル A、B 偏光板 OC1、OC2 光学補償シート BL バックライト R1、R2 光学補償シートのラビング方向 RP1 液晶セルの偏光板A側のラビング方向 RP2 液晶セルの偏光板B側のラビング方向 PA 偏光板Aの透過軸を示す。 PB 偏光板Bの透過軸 103 液晶セル 101 偏光板 102 光学補償シート 103 反射板 106 光学補償シートのラビング方向 107 液晶セルの上側ラビング方向 108 垂直配向層

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の表面に配向膜を有する透明電極付
    き基板の間にネマチック液晶の層が封入されてなる液晶
    セル、及び液晶セルの両側に設けられた偏光板からな
    り、そしてネマチック液晶の層がベンド配向を示すもの
    であり、且つネマチック液晶の配向ベクトルの基板に対
    する角度が、液晶セルに付与される電圧の変化により変
    化する液晶表示装置において、 液晶セルと少なくとも一方の偏光板との間に光学補償シ
    ートが備えられており、かつ光学補償シートが、該光学
    補償シートの法線方向から傾いた方向に、レターデーシ
    ョンの絶対値の最小値を示すことを特徴とする液晶表示
    装置。
  2. 【請求項2】 光学補償シートが、透明支持体およびそ
    の上に設けられたディスコティック構造単位を有する化
    合物からなる光学異方層からなる請求項1に記載の液晶
    表示装置。
  3. 【請求項3】 光学異方層のディスコティック構造単位
    の円盤面が、透明支持体面に対して傾いており、且つ該
    ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面との
    なす角度が、光学異方層の深さ方向において変化してい
    る請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 透明支持体が、該透明支持体面の法線方
    向に光軸を有し、さらに下記の条件: 20≦{(nx +ny )/2−nz }×d2 ≦400 (但し、nx 及びny は支持体の面内の主屈折率を表わ
    し、nz は厚み方向の主屈折率を表わし、d2 は支持体
    のnm換算の厚さを表わす)を満足する請求項2に記載
    の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 透明支持体と光学異方層との間に、配向
    膜が形成されている請求項2に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 光学補償シート全ての下記で表されるレ
    ターデションの合計の絶対値Re1 と、液晶層の下記で
    表されるレターデションの絶対値Re2 とが、下記の関
    係: 0.2×Re2 ≦Re1 ≦2.0×Re2 [但し、上記光学補償シートのレターデーションは
    {(n2 +n3 )/2−n1}×d(式中、n1 、n2
    及びn3 は、上記シートの3軸方向屈折率を表わし、そ
    れぞれこの順に小さい屈折率を有し、dは上記シートの
    nm換算の厚さを表わす)により定義され、そして上記
    液晶層のレターデーションは、{n3 −(n1+n2
    /2}×d(式中、n1 、n2 及びn3 は、上記液晶層
    の3軸方向屈折率を表わし、それぞれこの順に小さい屈
    折率を有し、dは上記液晶層のnm換算の厚さを表わ
    す)により定義される]を満足することを特徴とする請
    求項1記載の液晶表示素子。
  7. 【請求項7】 液晶表示装置が、ノーマリーホワイトモ
    ードで使用される請求項1に記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 一対の表面に配向膜を有する透明電極付
    き基板の間にネマチック液晶の層が封入され且つ一方の
    配向膜がネマチック液晶をホメオトロピック配向させる
    ことができる層である液晶セル、液晶セルの一方の側に
    設けられた偏光板、及び液晶セルの他方の側に配置され
    た反射板からなり、且つネマチック液晶の層はハイブリ
    ッド配列を示すものであり、且つネマチック液晶の配向
    ベクトルの基板に対する角度が、液晶セルに付与される
    電圧の変化により変化する液晶表示装置において、 液晶セルと偏光板との間に光学補償シートが備えられて
    おり、かつ光学補償シートが、該光学補償シートの法線
    方向から傾いた方向に、レターデーションの絶対値の最
    小値を示すことを特徴とする液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 光学補償シートが、透明支持体およびそ
    の上に設けられたディスコティック構造単位を有する化
    合物からなる光学異方層からなる請求項8に記載の液晶
    表示装置。
  10. 【請求項10】 光学異方層のディスコティック構造単
    位の円盤面が、透明支持体面に対して傾いており、且つ
    該ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面と
    のなす角度が、光学異方層の深さ方向において変化して
    いる請求項9に記載の液晶表示装置。
  11. 【請求項11】 透明支持体が、該透明支持体面の法線
    方向に光軸を有し、さらに下記の条件: 20≦{(nx +ny )/2−nz }×d2 ≦400 (但し、nx 及びny は支持体の面内の主屈折率を表わ
    し、nz は厚み方向の主屈折率を表わし、d2 は支持体
    のnm換算の厚さを表わす)を満足する請求項9に記載
    の液晶表示装置。
  12. 【請求項12】 透明支持体と光学異方層との間に、配
    向膜が形成されている請求項9に記載の液晶表示装置。
  13. 【請求項13】 光学補償シートの下記で表されるレタ
    ーデションの絶対値Re1 と、液晶層の下記で表される
    レターデションの絶対値Re2 とが、下記の関係: 0.2×Re2 ≦Re1 ≦2.0×Re2 [但し、上記光学補償シートのレターデーションは
    {(n2 +n3 )/2−n1}×d(式中、n1 、n2
    及びn3 は、上記シートの3軸方向屈折率を表わし、そ
    れぞれこの順に小さい屈折率を有し、dは上記シートの
    nm換算の厚さを表わす)により定義され、そして上記
    液晶層のレターデーションは、{n3 −(n1+n2
    /2}×d(式中、n1 、n2 及びn3 は、上記液晶層
    の3軸方向屈折率を表わし、それぞれこの順に小さい屈
    折率を有し、dは上記液晶層のnm換算の厚さを表わ
    す)により定義される]を満足する請求項8に記載の液
    晶表示素子。
  14. 【請求項14】 液晶表示装置が、ノーマリーホワイト
    モードで使用される請求項8に記載の液晶表示装置。
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