JPH09197151A - 光学装置 - Google Patents

光学装置

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JPH09197151A
JPH09197151A JP8007516A JP751696A JPH09197151A JP H09197151 A JPH09197151 A JP H09197151A JP 8007516 A JP8007516 A JP 8007516A JP 751696 A JP751696 A JP 751696A JP H09197151 A JPH09197151 A JP H09197151A
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waveguide
grating
layer
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JP8007516A
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Atsushi Yamada
篤志 山田
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】焦点距離の設計値からのずれを補正する集光グ
レーティングカップラを有する光学装置を提供する。 【解決手段】基板10と、基板10上に構成される導波
路20と、導波路20に沿って設けられる集光グレーテ
ィング30と、少なくとも、導波路20の集光グレーテ
ィング30が設けられているグレーティング領域につい
て、導波路中の電場を変化させる手段とを備え、導波路
20は、少なくとも上記グレーティング領域が、電気光
学効果を有する物質で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集光グレーティン
グカップラを有する光学装置に係り、特に、焦点距離を
調整できる集光グレーティングカップラを有する光学装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の集光グレーティングカップラ(Fo
cusing Grating Coupler:以下FGCと略記する)の構
造を図5に示す(裏、栖原等、電子通信学会論文誌’85
/10-J-68C,803)。
【0003】このFGCの作用を図6(a)を用いて説
明する。図6(a)において、発散光源6(例えばレー
ザ)から出射された光5は、スラブ型導波路を伝搬し、
FGC領域2において基板の上面に出射される。発散光
に対するグレーティング形状は、スラブ型導波路を含む
面をxy平面とし、発散光源の光軸方向をy軸とする座
標系を選び、原点とFGC領域から出射された光の焦点
とを通る直線と、xy平面の法線とのなす角をθとする
と、原点においてm=0となる整数mに対して、
【0004】
【数1】
【0005】で表すことができる。ここで、fは焦点距
離、Nおよびλはそれぞれ、スラブ型導波路を伝搬する
光の等価屈折率および波長である。また、dは(x,
y)=(0,−d)におかれた光源発散点からの距離で
ある。(1)式において、左辺第一項は、導波路中の等
価光路長を表し、左辺第二項は、導波路を出てから、自
由空間で集光するまでの光路長を表している。このグレ
ーティングの形状を図6(b)に示す。
【0006】コリメートされた光に対するグレーティン
グ形状は、同様に、
【0007】
【数2】
【0008】と表される。(2)式において、左辺第一
項は、導波路中の等価光路長を表し、左辺第二項は、導
波路を出てから、自由空間で集光するまでの光路長を表
している。この、コリメートされた光に対するFGCの
構成を図7に示す。
【0009】(1)式または(2)式に示されるような
形状を電子線描画装置等で描画してグレーティングを形
成することで、所望の焦点距離のFGCを得る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(1)
式および(2)式がそれぞれ示すように、グレーティン
グの焦点距離fは、伝搬光の等価屈折率Nに依存して変
化し、発散光源に対するグレーティングの場合には、
(1)式が示すように、更に、光源発散点からグレーテ
ィングまでの距離dにも依存する。また、焦点距離fは
集光グレーティングの形状誤差に因っても変化する。
【0011】導波路の等価屈折率Nは、導波路を構成す
る、導波層、バッファ層およびクラッド層の、各層の屈
折率および層厚に大きく依存するため、各層の屈折率お
よび層厚を厳密に管理しなければならない。ところが、
これらを厳密に管理し、作製することは非常に困難であ
る。また、素子作製時に生じてしまうグレーティング形
状のずれ、および、光源発散点からの距離の誤差も焦点
距離fに反映される。従って、所望の焦点距離fに設計
されていたとしても、素子を作製する段階において、設
計値からのずれが生じて、所望のFGCが得られない状
況が現れる。
【0012】本発明では、かかる状況を回避するため
に、作製上の誤差によって生じるFGCにおける焦点距
離のずれを調整し、所望の焦点距離をもつFGCを有す
る光学装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、基板と、上記基板上に形成される導波路と、上記導
波路に沿って設けられる集光グレーティングと、少なく
とも、上記導波路の上記集光グレーティングが設けられ
ているグレーティング領域について、導波路中の場の状
態を設定するための手段とを備え、上記導波路は、少な
くとも上記グレーティング領域が、上記場の状態の変化
により屈折率変化を生じる物質で構成されることを特徴
とする光学装置が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、説明する。
【0015】本発明に係るFGCの形態の概要を図1に
示す。同図に示す集光グレーティング(Focusing Grati
ng:以下FGと略記する)30は、基板10に支持され
る導波路20に沿って設けられ、導波路20中を伝搬す
る光と、空間伝搬光とを結合させる。
【0016】FG30は光源から出射される光を、導波
路20から、導波路20の外部の集光点に集光し、ま
た、集光点からFG30に向かって放たれる光を、導波
路20中に集光する。
【0017】基板10は、導波路20およびFG30を
機械的に支持するためのものである。好ましくは、少な
くとも上記FG30の設けられる領域において、導波路
20の場の状態を設定する手段の対象とする場を乱すこ
とがない材質で構成されるが、例えば、場の状態を設定
する手段が、基板と導波路層の間に設けられるか、また
は、基板を通しても、なお導波路20のグレーティング
領域に目的とする場をつくれるのならばこの限りではな
い。例えば、上記場の状態を設定する手段の発生する場
の一様性を、基板10の持つ、場の透過能や、誘導性の
分布によって補正する場合はこれにあたる。
【0018】また、基板10は、導波路20およびFG
30のいずれか、もしくは、これらの両方で、十分な機
械強度が得られる場合には省略できる。また、他の構成
と共に集積される場合には、それら他の構成と共用すれ
ばよいことは勿論である。
【0019】基板10上に構成される上記導波路20
は、一般的には、光を伝搬させる導波層22と、それを
挟むバッファ層21およびクラッド層23により構成さ
れる。ここでは、導波層22に対して、基板側をバッフ
ァ層21、自由空間側をクラッド層23と呼ぶが、これ
は、バッファ層21およびクラッド層23の屈折率を、
それぞれ導波層22の屈折率より小さく構成すればよ
く、この構成において、屈折率の比、および、導波層2
2の厚さを選択することにより、導波層22とバッファ
層21との境界面、および、導波層22とクラッド層2
3との境界面のそれぞれにおいて、対象とする開口から
入射された光を、全反射させることができる。
【0020】また、少なくとも上記FGの設けられる領
域において、上記場の状態の変化により屈折率変化を生
じる物質で構成されればよい。
【0021】また、クラッド層23は、その領域におけ
る屈折率が、導波層22より小さければよいので、特に
媒質を設けて構成してもよいし、真空、大気、導波層の
外側の環境にある気体または液体であってもよい。基板
10の反対側のクラッド層23は、空気で構成されるこ
とも多く、この場合、屈折率は1である。従って、上記
FGは、クラッド層23を介して設けれられる場合と、
導波層22上に設けられる場合とがある。
【0022】また、要求されるのは、導波路20を伝搬
する光についての等価屈折率変化であるから、導波路2
0を構成する導波層22、バッファ層21、クラッド層
23のすべてについて、屈折率変化を生じなくても、導
波路の伝搬光に対する等価屈折率が変化するなら、導波
路20を構成する各層の一部の層が屈折率変化するので
あっても構わない。
【0023】上記FG30は、導波路の少なくとも一部
の領域に、導波路20に沿って設けられ、導波路中の光
路長と、自由空間におけるFGから集光点までの光路と
の和が、(1)式または(2)式に示す干渉条件を満た
す形状に形成される。
【0024】代表的には、上記FG30は、透過面上に
設けられる格子状の遮蔽体で構成される。しかし、格子
状のパターンが、光を対象とする方向へ透過若しくは反
射する強度比がより大きい第1領域と、より小さい第2
領域との繰り返しとなるように構成されるならば、他の
形態でもよい。
【0025】また、FGCは、導波路20と、集光点の
ある空間との間に、透過型グレーティングを設けること
だけでなく、集光点のある方向と反対側の他の空間と、
導波路20との境界面に、反射型グレーティングを設
け、該グレーティングで、全反射条件を破る角度で、光
を反射し、該グレーティングと対向する面において、導
波路中を伝搬する光と、自由空間の光とを結合させるこ
とによっても実現される。
【0026】上記FG30の設けられる領域の、導波路
中の場の変化をもたらす手段は、少なくとも、上記FG
30の設けれられる領域の導波路について、その導波路
中の場を変化させられればよい。
【0027】また、上記場の変化をもたらす手段によっ
て変化する場は、スカラー量の場に限らない。変化させ
る対象の物理量は、静電場もしくは静磁場であることが
一般的であるが、これ以外の場を変化させるものであっ
ても構わない。
【0028】例えば、屈折率変化を生じさせる場の変化
として、静電場を選択した場合、導波路20を挟んで、
2電極を設け、それらに電位差を与えることによって、
静電場をつくることが挙げれられる。電極を設ける位置
は、導波路20を挟んでいればよいが、目的とする屈折
率変化を生じさせる電場を、より小さな電位差で与える
には、2電極を近接して置くことが望ましい。
【0029】例えば、FG30を導体で構成し、グレー
ティング各部に、同電位を与えることが挙げられる。ま
た、グレーティングを一体的に導体で構成し、例えば、
図1に示すように全体として櫛形に形成する例によれ
ば、配線数を省略できる。また、ITOに代表される透
明導体を用いることで、光の透過率を向上させることが
できる。
【0030】もう一方の電極の代表例として、基板10
の裏面にFG30と対向して分布する分布導体40を設
けることが挙げられる。分布導体40は、導波路を挟ん
で設けられればよく、可能であれば、基板と導波路20
の間に設けても構わない。分布導体40の分布する領域
は、導波路20のグレーティング領域に電場を形成でき
ればよいのであるから、少なくともグレーティング領域
に分布して存在すればよく、更に広い範囲に分布しても
構わない。
【0031】また、この屈折率変化を生じさせる場の変
化として、静電場を選択した場合には、導波路20の、
少なくともグレーティング領域は、電場の変化に応じ
て、屈折率が変化する物質で構成するが、この領域以外
も同じ物質による構成の導波路としてもよい。
【0032】電場の変化に応答して、屈折率変化を示す
物質としては、電気光学効果を有する物質が挙げられ
る。例えば、一次の電気光学効果を示す物質としては、
AlxGa1-xAs(0≦x≦1)系が良く知られる。な
お、二次の電気光学効果を示す物質でもよい。
【0033】FGCの構成としては、例えば、基板10
をGaAsで、導波路20をAlGaAsで構成し、導
波路20のバッファ層21、導波層22およびクラッド
層23とでGaAsの成分比を変える構成とすることが
挙げられる。導波路20は、それぞれの層において結晶
面(001)を上面にして積層される。また、ここでは
図示しないコヒーレント光源は、上記(001)面を基
準として、光波の伝搬方向を<−110>(電子出願の
制限により数の前に負号をつけて負数を示す)として設
けられ、導波路に光波を導入する。
【0034】上記分布導体40と、上記FG30との間
に、電位差を与えて、基板に垂直な向きの電場Eを印加
すると、導波路のそれぞれの層Lにおける屈折率nL0
電場Eによって、電気光学効果により屈折率変化ΔnL
【0035】
【数3】
【0036】を生じ、導波路を伝播する光波の等価屈折
率の変化Δneffは近似的に、導波層の電気光学定数に
よって、
【0037】
【数4】
【0038】と表せる。
【0039】ここで、光源発散点とグレーティング形状
の原点との距離dが設計値d0とずれている場合を考え
る。dのずれをΔdとするとd=d0+Δdと、表せ
る。これを(1)式に代入すると、
【0040】
【数5】
【0041】となる。
【0042】Δd=0のときの等価屈折率NをN0と書
くと、
【0043】
【数6】
【0044】となり、Δd≠0では、等価屈折率のずれ
ΔNによって
【0045】
【数7】
【0046】と書ける。
【0047】このとき電場の大きさを適当に選択するこ
とにより、導波路の等価屈折率Nや光源発散点からの距
離dの値に設計値からのずれが生じても、焦点距離の値
を設計値と同等にすることができる。
【0048】すなわち、ΔNに相当する等価屈折率の変
化を電気光学効果によって導入する。ここでは、ちょう
ど(7)式が成り立つような電場の大きさを選択する。
この様にして、dが設計値とずれた際にも設計値に等し
い焦点距離fを得られる。
【0049】次に、導波路20の各層の屈折率および層
厚が、設計値からずれることによって、導波路20の等
価屈折率Nが、設計値N0からδNだけずれ
【0050】
【数8】
【0051】と表される場合には、−δNを打ち消すδ
Nを電気光学効果によって導入する。このように、等価
屈折率Nが設計値からずれた場合にも同様に設計値と等
しい焦点距離fを得ることができる。
【0052】同様にして、グレーティングの形状誤差に
ついても、形状誤差のもたらす焦点距離誤差を、電気光
学効果による屈折率変化を生じさせることにより、補正
することが可能である。
【0053】本実施形態では、電場の変化により屈折率
変化をもたらす構成を説明したが、場の変化の形態は、
電場変化に限らない。例えば、温度場の変化により屈折
率変化をもたらす、熱光学効果を持つ構成とし、熱を発
生する手段を備えることによって、同等の効果をもたら
す。
【0054】対象領域の温度は、例えば、熱源により熱
を与えると、温度設定する対象の系の熱容量に応じた期
間は、そこに熱が蓄えられ、その後、設定対象の系と外
部との熱収支が定常になることにより、一定の温度場の
状態を設定できる。これには高熱源により、系に流入す
る熱を操作することと、低熱源により、系から流出する
熱を操作することとが考えられる。好ましくは、これら
の組み合わせにより、熱流を安定に制御することが挙げ
られる。また、環境温度よりも高い温度を設計温度と
し、その温度における屈折率に基づき、FG形状および
導波路を設計すると、高熱源から供給する熱量を操作し
て、温度場の状態を設定し、製作誤差を補正することが
できる。勿論、この逆に、環境温度よりも低い温度を設
計温度とすると、低熱源の操作により製作誤差を補正す
ることが可能となる。
【0055】例えば、高熱源として、FGを発熱体で構
成し導波路を加熱してもよいし、また、ペルチェ素子の
ような冷却手段を、基板の一部、例えば裏面に設け、こ
れにより導波路を冷却してもよい。また、これらを組み
合わせて、導波路の温度を制御してもよい。
【0056】また、本実施形態では、光源を別に設ける
例を示したが、同一基板に一体に構成し、集積化するこ
ともできる。例えば、図2に上面図を示す集光グレーテ
ィングカップラレーザ一体素子が挙げられる。同図に示
すように、レーザ部分100を更に有して、FGCを有
する光学装置が構成される。
【0057】図2でのAA断面を図3に示し、レーザ部
分について、図2でのBB断面を図4に示す。
【0058】GaAsで構成される基板10上に、MB
E(分子線成長)技術により、予め層ごとに定められた
所定の組成にAlGaAsを積層して、バッファ層2
1、導波層22、クラッド層23、n+GaAs101
層、活性層102、活性層に対する上部クラッド層10
3、ガイド層104、上部クラッド層105、および、
+GaAs層106を構成する。レーザ部分100と
すべき部分以外については、クラッド層23を所定の層
厚とするまで、上面よりエッチングする。このレーザと
導波路の集積構造は、(K.Okamoto et al.,Jpn.J.Appl.P
hys.34(1995)396.)により報じられている。
【0059】次に、エッチングにより現れるクラッド層
23の表面に、スパッタリング手法によりITOを成膜
し、その後、フォトリソグラフィ技術により、所望のグ
レーティング形状に形成し、FG30を設ける。このと
き、FG30を電極として利用する際の配線の便とし
て、一方の端を接続し、FG30全体で、櫛状に形成す
る。このようにすることで、FG30の全体にわたって
等電位とし、かつ、配線を省力化できる。もう一方の電
極として、FG30を設ける領域について、基板に、A
lによるショットキー電極を設け、これらに電位差を与
えることで、電気光学効果をもたらす電場を構成する。
【0060】更に、レーザ部分100において、レーザ
用電極として、p+GaAs層106上にAuZn電極
110を設け、AuZn電極110の頭部を残してレー
ザ部分100を覆う絶縁膜107を配する。また、もう
一方の電極として、クラッド層23上にAuGe電極1
20を設ける。こうすることによって、AuZn電極1
10およびAuGe電極120により、レーザ部分に電
力を供給できる。
【0061】このようにして、レーザを同一基板に集積
し、FGCを有する光学装置が提供される。
【0062】
【実施例】本発明の第一の実施例を図8を参照して説明
する。本実施例では、光源に、波長880nmのコヒーレ
ント光源を選び、レーザ装置200を用いる。基板10
をGaAsで構成し、導波路20の各層は、AlxGa
1-xAsのAlの組成比xの値を、層ごとに変えて構成
する。FG30は、(1)式に示される形状に構成す
る。
【0063】図8(a)のyz面における断面を図8
(b)に示す。本図に示されるように、積層構造の各層
の厚さを、基板を500μm、バッファ層を3.0μm、導波
層を0.6μm、クラッド層を0.1μmとしてスラブ型導波
路を構成する。導波路20における各層のAlの組成比
は、バッファ層では0.165、導波層では0.0、クラッド層
では0.165とする。これによって、導波層22の屈折率
は、n=3.620、バッファ層21およびクラッド層23
の屈折率は、n=3.550となる。
【0064】FG30は、透明導体ITO(In23
SnO2)を用い、上述した、光を対象とする方向へ透
過若しくは反射する強度比がより大きい第1領域と第一
領域、および、そうでない第二領域において、パターン
幅の比を一対一にとり、厚さを0.5μmとして、図8
(a)に示すように、1000μm×1000μmの範囲に、
(1)式を満たす形状に構成する。光源発散点からグレ
ーティング原点までの距離dは8000μm、上方出射角度
は、0.08384πradとする。
【0065】また、このFG30を設ける領域を含む基
板10の裏面に、Alで構成する分布導体40設け、シ
ョットキー電極とする。
【0066】透明導体ITOで構成するFG30、およ
び、Alで構成する分布導体40を二つの電極とし、こ
れら2電極間に電位差を与える手段を備え、電場の状態
を設定する手段とする。
【0067】また、基板10および導波路20は、(0
01)の結晶面が上になるように構成し、光波の伝搬方
向が<−110>(電子出願の制限により数の前に負号
をつけて負数を示す)となるように、光源位置を選択
し、レーザ装置200を配する。
【0068】次に、上記のように構成する、集光グレー
ティングカップラを有する光学装置の作用を説明する。
【0069】レーザ装置200から出射した光は、スラ
ブ型導波路20を伝搬し、FG30の下方の領域に到達
する。また、二つの電極の一方を接地し、他方の電極を
高電位にすることにより、電極間に静電場を構成し、電
場に応じた電気光学効果を生じさせる。
【0070】ここで、導波路20の各層の屈折率および
層厚の誤差により、等価屈折率が誤差δN=1.0×10-3
を有する場合を想定する。上記(4)式が成り立つよう
に、導波路20のFG30の下方の領域電場の大きさを
選択する。上記等価屈折率の誤差を、(4)式に代入
し、補正電場Eは、E=3.51×107〔V/m〕の大きさ
で与えればよいことが分かる。このように、上記二つの
電極間の電位差を与えることによって、導波路20の等
価屈折率誤差ΔNを補正することができる。
【0071】また、レーザ装置200の光源発散点から
の距離dに設計値とずれが生じた際には、上記(5)か
ら(7)式によって、相当する等価屈折率の誤差ΔNを
知ることにより、同様の補正を行える。
【0072】本発明の第二の実施例を図9を参照して説
明する。本実施例は、熱光学効果による屈折率変化を用
いるものである。図9に示すように、基板10をSiで
構成し、その上に、SiO2のバッファ層50を介し
て、ガラスにより形成した導波層60を設け、さらに、
TiによりFG30を構成する。各層の層厚は、バッフ
ァ層1.00μm、導波層0.6μm、FG0.05μ
mとする。
【0073】次に、温度場を設定する熱源について、図
10を参照して説明する。導波路の温度を設定するため
の熱源を、Tiで構成したFGに流れる電流を操作する
ことで実現する。図中に太線で示めしたFGの各部は、
図10(a)に示すように並列に接続してもいいし、図
10(b)に示すように直列に接続してもよい。
【0074】このように構成したFGに、例えば電源7
0により電流を流し、その電気抵抗による発熱により、
ガラスで形成した導波層60を加熱する。これにより熱
が流入し、各部分の熱容量と、外界との熱収支とに応じ
て温度が分布し、この熱収支が各部分において定常にな
ると、一定の温度で平衡状態となる。この平衡するとき
の温度を、流入および流出させる熱量によって操作す
る。
【0075】また、本実施例においては、温度場の状態
を設定する手段として、発熱体を備え、予め使用温度
を、外部雰囲気よりも高い状態に設定して、FG形状お
よび導波路を設計する。これにより発熱体の発熱量を増
減することにより、FGを設けた領域の導波層60の温
度を操作し、導波路の等価屈折率を変更することができ
る。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、集光グレーティングの
設けられる導波路の屈折率を、電気光学効果に代表され
る、場の状態によって屈折率の変化する物質、および、
その場の状態の操作手段とにより変化させることによ
り、集光グレーティングカップラの焦点距離の設計値か
らのずれを補正可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される集光グレーティングカッ
プラの構造図。
【図2】 本発明が適用される集光グレーティングカッ
プラレーザ一体素子の上面図。
【図3】 本発明が適用される集光グレーティングカッ
プラレーザ一体素子の断面図。
【図4】 本発明が適用される集光グレーティングカッ
プラレーザ一体素子のレーザ部分の断面図。
【図5】 発散光に対する集光グレーティングカップラ
の説明図。
【図6】 (a)発散光に対する集光グレーティングを
横から見た説明図、および、(b)発散光に対する集光
グレーティングカップラを上から見た説明図。
【図7】 平行光に対する集光グレーティングカップラ
の説明図。
【図8】 (a)レーザ一体に集積する実施例の集光グ
レーティングカップラを有する光学装置の上面図、およ
び、(b)レーザ一体に集積する実施例の集光グレーテ
ィングカップラを有する光学装置の断面図。
【図9】 熱光学効果を用いる集光グレーティングカッ
プラを有する光学装置断面の層構造を模式的に示す説明
図。
【図10】 (a)並列に接続される電気抵抗体により
構成したグレーティングにより温度場を設定する回折格
子部分の説明図、および、(b)直列に接続される電気
抵抗体により温度を設定する回折格子部分の説明図。
【符号の説明】
1…導波路に案内される光波、2…回折波、3…集光
点、10…基板、20…スラブ型導波路、21…バッフ
ァ層、22…導波層、23…クラッド層、30…集光グ
レーティング、40…分布導体、50…バッファ層、6
0…導波層、70…電源、100…FGCに集積された
レーザ部分、101…n+GaAs層、102…活性
層、103…活性層に対する上部クラッド層、104…
ガイド層、105…上部クラッド層、106…p+Ga
As層、107…絶縁膜、110…AuZn電極、12
0…AuGe電極、200…レーザ装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 上記基板上に形成される導波路と、 上記導波路に沿って設けられる集光グレーティングと、 少なくとも、上記導波路の上記集光グレーティングが設
    けられているグレーティング領域について、導波路中の
    場の状態を設定するための手段とを備え、 上記導波路は、少なくとも上記グレーティング領域が、
    上記場の状態の変化により屈折率変化を生じる物質で構
    成されることを特徴とする光学装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記状態を設定される場は、電場であり、 上記導波路は、少なくとも上記グレーティング領域が、
    電場の状態の変化により屈折率変化を生ずる物質で構成
    されることを特徴とする光学装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記電場の状態を設定するための手段は、一対の電極を
    有し、上記電極は、上記グレーティング領域を挟んで設
    けられることを特徴とする光学装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 上記集光グレーティングは、導体により形成され、上記
    一対の電極のうちいずれかとしても用いられることを特
    徴とする光学装置。
  5. 【請求項5】 請求項3もしくは4において、 上記導波路を挟んで、上記集光グレーティングと対向し
    て分布する分布導体を備え、上記一対の電極のいずれか
    としても用いられることを特徴とする光学装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 上記状態を設定される場は、温度場であり、 上記導波路は、少なくとも上記グレーティング領域が、
    温度場の状態の変化により屈折率変化を生ずる物質で構
    成されることを特徴とする光学装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 上記集光グレーティングは、発熱体により形成されるこ
    とを特徴とする光学装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 上記発熱体は、電気抵抗体であり、電極対を備えること
    を特徴とする光学装置。
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