JPH0919603A - ヒドラジンの脱臭方法 - Google Patents

ヒドラジンの脱臭方法

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JPH0919603A
JPH0919603A JP16980295A JP16980295A JPH0919603A JP H0919603 A JPH0919603 A JP H0919603A JP 16980295 A JP16980295 A JP 16980295A JP 16980295 A JP16980295 A JP 16980295A JP H0919603 A JPH0919603 A JP H0919603A
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hydrazine
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hydrated
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Ikuhisa Kuriyama
育久 栗山
Shinsuke Nagata
信祐 永田
Kiyoshi Yoshida
浄 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水加ヒドラジン化合物の水溶液から、極微量
の臭気成分を選択的に除去する方法を提供する。 【構成】 水加ヒドラジン水溶液を平均細孔半径が25
nmより大きい多孔性粒子からなる吸着樹脂と接触させ
ることによるヒドラジンの脱臭方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水加ヒドラジン化合物
の水溶液から、極微量の臭気成分を選択的に除去する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水加ヒドラジンの製造方法として、アン
モニア水溶液を次亜塩素酸塩で酸化する方法や、ケトン
の存在下にアンモニアを過酸化水素で酸化してケタジン
を合成し、このケタジンを加水分解する方法がある。製
造された水加ヒドラジン中には、量的に多少はあるが、
原料に含まれる成分や製造プロセスで生成する反応中間
体、副生物などの低濃度の不純物が含有される。
【0003】これらの不純物の大部分は蒸留等の精製方
法により除去することが可能である。たとえば、特公平
5−55445号に記載のような水加ヒドラジン水溶液
を硫酸塩等の共存下で濃縮した後に濃縮液から水加ヒド
ラジンを蒸留する方法では、水加ヒドラジン中のTOC
濃度を工業的にも100ppm未満にまで減らすことが
できる。しかし、このような精製度の高い水加ヒドラジ
ン水溶液でも、水加ヒドラジン本来の臭いと異なる臭気
が残り、水加ヒドラジンの商品としてのイメージを著し
く損ねることがある。しかも、この臭気成分は、通常の
蒸留や液液抽出等の操作を行っても除去できない。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の問
題点を解決するためになされたものであり、その目的
は、水加ヒドラジン水溶液から、極微量の臭気成分を経
済的にかつ効率よく除去する方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の問題
を解決するべく鋭意検討し本発明を完成させた。すなわ
ち、本発明は、水加ヒドラジン水溶液を平均細孔半径が
25nmより大きい多孔性粒子からなる吸着樹脂と接触
させることを特徴とするヒドラジンの脱臭方法である。
【0006】本発明において対象とする水加ヒドラジン
水溶液は、アンモニアとケトンと酸化剤から得られるケ
タジンを加水分解して得られた粗水加ヒドラジン水溶
液、あるいは、粗水加ヒドラジン水溶液を蒸留等により
精製した精製水加ヒドラジン水溶液である。ただし、水
加ヒドラジン水溶液中の不純物量が多いと吸着樹脂の再
生を頻繁に行う必要があるため、経済性の面で、精製水
加ヒドラジン水溶液が好ましい。さらに、水加ヒドラジ
ン水溶液を塩酸塩、硫酸塩、りん酸塩あるいは炭酸塩の
共存下で濃縮した後に濃縮液から蒸留して得た精製度の
高い水加ヒドラジンが特に好ましい。
【0007】本発明において用いられる吸着樹脂は、平
均細孔半径が25nmより大きい多孔性粒子からなる吸
着樹脂である。吸着樹脂の平均細孔半径は、25nmよ
り大きく、1000nmより小さいことが特に好まし
い。平均細孔半径が25nm以下の吸着樹脂では、おそ
らく比較的小さい臭気成分分子が吸着されないために、
すべての臭気成分を除去することが難しい。また、平均
細孔半径が25nm以下の吸着樹脂では、吸着した成分
の溶離が比較的困難であり、溶離液を大量に必要とす
る。吸着樹脂の表面積は、100〜1000m2 /gで
あることが好ましい。吸着樹脂としては、分子中にベン
ゼン環を有する重合体、たとえば、スチレンとジビニル
ベンゼンの共重合体、スチレンとメタクリル酸の共重合
体などが好適に使用できる。
【0008】水加ヒドラジン水溶液と吸着樹脂との接触
はバッチ式でも連続式でも行えるが、予め樹脂を充填し
たカラムに水加ヒドラジン水溶液を連続的に通液する方
法がもっとも効率が良く好ましい。また、吸着操作は室
温で行ってもよく、樹脂の耐用温度の範囲内であれば加
温下で行ってもよい。
【0009】臭気成分で飽和された吸着樹脂は、溶離液
で処理することにより再生され、再び水加ヒドラジン水
溶液の臭気成分の除去に用いることができる。溶離液と
しては、水、酸やアルカリの水溶液、及び、アルコール
やケトン等の有機溶媒を使用することができる。これら
のうち、溶離能力が高いこと及び親水性が高いことか
ら、メタノールやエタノール等のアルコールが特に好適
に使用できる。
【0010】水以外の溶離液で再生を行った吸着樹脂
は、さらに水洗して酸、アルカリまたは有機溶媒が吸着
樹脂表面から十分に除去された後、水加ヒドラジン水溶
液との接触に用いることが好ましい。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 実施例 1 アンモニアをメチルエチルケトンの存在下に過酸化水素
で酸化する方法によって得られた水加ヒドラジン水溶液
を硫酸塩等の共存下で濃縮した後に、濃縮液を蒸留して
TOC52ppmの70%精製水加ヒドラジン水溶液を
得た。内径18mmのガラスカラム内に平均細孔半径3
1nmのスチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着樹脂ダ
イヤイオンHP10(三菱化学製)10mlを充填して
45℃に加温し、上部より上記の精製水加ヒドラジン水
溶液(以下、フィード液と称す)を100ml/hの流
速で200時間フィードした。フィード199〜200
時間目にカラム下部より流出した水加ヒドラジン水溶液
(以下、通過液と称す)を臭気官能試験に供した。
【0012】臭気官能試験は、水加ヒドラジン臭以外の
臭気について、通過液とフィード液を比較して下記の5
段階で評価することにより行った。 1:全く臭わない 2:わずかに臭う 3:フィード液よりやや弱く臭う 4:フィード液と同等に臭う 5:フィード液より強く臭う 官能試験を5人の試験者で行い、各人の感じた段階数を
平均すると1.6であった。
【0013】上記の200時間の通液を終えた吸着樹脂
カラムの上部からメタノール20mlを1時間かけてフ
ィードして吸着樹脂を再生した。さらに、カラムの上部
から水300mlを3時間かけてフィードし、カラム内
のメタノールを押出した。この再生操作を行った吸着樹
脂に上記と同様の方法でフィード液を再び100ml/
hで200時間通液した。臭気官能試験の結果、段階数
の平均は1.8であった。
【0014】実施例 2 実施例1と同様の操作を、平均細孔半径31nmのスチ
レン−ジビニルベンゼン系合成吸着樹脂ダイヤイオンH
P10に代えて、平均細孔半径82nmのスチレン−ジ
ビニルベンゼン系合成吸着樹脂ダイヤイオンHP50
(三菱化学製)を使用して実施した。臭気官能試験の結
果、最初の200時間通液時の段階数の平均は1.4で
あり、メタノール再生後の200時間通液時の段階数の
平均は1.4であった。
【0015】比較例 1 実施例1と同様の操作を、平均細孔半径31nmのスチ
レン−ジビニルベンゼン系合成吸着樹脂ダイヤイオンH
P10に代えて、平均細孔半径5nmのスチレン−ジビ
ニルベンゼン系合成吸着樹脂セパビーズSP800(三
菱化学製)を使用して実施した。臭気官能試験の結果、
最初の200時間通液時の段階数の平均は2.2であ
り、メタノール再生後の200時間通液時の段階数の平
均は3.0であった。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、精製された水加ヒドラ
ジン水溶液から臭気成分を効率よく除去することができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水加ヒドラジン水溶液を平均細孔半径が
    25nmより大きい多孔性粒子からなる吸着樹脂と接触
    させることを特徴とするヒドラジンの脱臭方法。
  2. 【請求項2】 吸着樹脂が分子中にベンゼン環を有する
    重合体からなることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 水加ヒドラジン水溶液が、粗水加ヒドラ
    ジン水溶液を塩酸塩、硫酸塩、りん酸塩あるいは炭酸塩
    の共存下で濃縮した後、濃縮液から蒸留して得られたT
    OC濃度の低減された精製水加ヒドラジンであることを
    特徴とする請求項1または請求項2記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009035467A (ja) * 2007-08-06 2009-02-19 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 金属微粉末製造に用いる水加ヒドラジンの製造方法
CN103043636A (zh) * 2013-01-06 2013-04-17 杭州海虹精细化工有限公司 一种提高水合肼浓度的方法

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