JPH09195185A - 刺しゅう用飾り片並びに飾り片を用いた布地及び衣類 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 見栄えを良くするだけでなく、血行を良くす
ること等の健康促進が期待されるスパンコール等の飾り
片並びにこれを用いた布地及び衣類を提供する。 【解決手段】 スパンコール（シークィン）、ビーズ等
の飾り片を磁性材料で構成し、これを布地に縫い込み、
衣類に刺しゅうする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スパンコール（シ
ークィン）やビーズ等の刺しゅう用飾り片並びにこれを
用いた布地及び衣類に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】スパンコールは、ボタン状の小さな飾り
片で、婦人服等につけられる。従来のスパンコールは、
光に反射する金属やプラスチック製のものであり、衣類
に縫い込んで刺しゅうを施すための装飾専用品として広
く用いられていた。

【０００３】一方、医学的には実証されていないが、磁
気作用による血行促進等の効果を期待して磁化された磁
性材料を用いた健康促進を図る製品が市場化されてい
る。このような製品は例えば、磁性片を絆創膏等の粘着
シートに接合し、これを人体に貼着して、血行を良くし
ようとするものである。

【０００４】前述のスパンコール等の飾り片は、衣類等
に刺しゅうして常に人の体の周囲部分に接して用いられ
る。従って、このような飾り片を近年の健康ブームを踏
まえて、健康促進にも利用することが望まれる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記要望に
鑑みなされたものであって、装飾品として見栄えを良く
するだけでなく、血行を良くすること等の健康促進に利
用することも可能なスパンコール等の飾り片並びにこれ
を用いた布地及び衣類を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る刺しゅう用飾り片は、磁性材料で構成
される。

【０００７】また、本発明に係る布地には、磁性材料か
らなる飾り片が縫い込んで刺しゅうを施してある。さら
に、本発明に係る衣類には、磁性材料からなる飾り片を
縫い込んで刺しゅうされている。

【０００８】以上の磁性材料からなる飾り片を磁化すれ
ば、その磁化された飾り片から磁力線が発生し、これが
例えば血液に作用して、血行を良くすることが期待でき
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明に係るスパンコールは、フ
ィルム状の基材をボタン状に成形したものである。図１
は、フィルム状の基材の種類を説明する断面図である。

【００１０】フィルム状の基材１としては、図１（Ａ）
のように、例えばプラスチック材料に磁性粉を混入し
て、フィルム状に形成したもの、図１（Ｂ）のように、
図１（Ａ）のフィルム１１の上に着色フィルム或いは着
色コーティング層１２を積層し色彩の多様化を図ったも
の、あるいは図１（Ｃ）のように、例えばプラスチック
フィルム１３の上に磁性材料からなるフィルムあるいは
磁性材料からなるコーティング層１４を積層したもの等
が用いられる。この磁性材料は予め磁化してもよいし、
又は後述のように刺しゅうした後に磁化してもよい。

【００１１】図２は、図１のフィルム状の基材１をボタ
ン状のスパンコールに成形するための加工機械の斜視図
である。

【００１２】この加工機械は、フィルム状の長尺の帯状
基材１を送り出す上下一対のローラ２と、送り出された
フィルム状の基材１をスパンコールの形状にスタンピン
グする上下一対の押型３と、スタンピングされた基材１
を巻取る複数のボビン４を備える。

【００１３】この加工機械によれば、ローラ２によりフ
ィルム状の基材１が連続的に送り出され、これが押型３
により多数のボタン状のスパンコール５が帯状につなが
った状態にスタンピング加工された後、各帯毎にボビン
４に巻取られる。

【００１４】図３は、図２のボビンに巻取られた帯状に
つながったスパンコール５を布地に縫い込むために用い
られる舟型シャットル式刺しゅう機の斜視図である。

【００１５】この刺しゅう機は、数値制御されるもの
で、ニードル６を適宜間隔で取付け、進退自在に構成さ
れたバー７と、駆動軸８に設けられ、帯状につながった
スパンコール５をその歯がスパンコール５の穴にはまっ
て送り出すスプロケット９と、送り出されたスパンコー
ル５を案内する一対の案内金具２０と、案内されたスパ
ンコール５を前記ニードル６の間隔に合致するように案
内する案内溝２１を有するプレート２２とを備える。

【００１６】前記ニードル６の根元には、帯状につなが
ったスパンコール５を１個ずつに切り分けるカッター２
３が設けられる。

【００１７】前記駆動軸８は、帯状に連なったスパンコ
ール５を送り出すために制御された速度で回転し、その
駆動に同期して前記バー７に取付けたニードル６が所定
のストロークおよび時間サイクルで進退する。この駆動
軸８を取付けたプレート２２およびニードル６を取付け
たバー７は相互に連結され、数値制御によるＸＹ駆動機
構により刺しゅうすべき柄に応じて一体的に動作して布
地２４に対しＸＹ方向に位置決めされ所望の刺しゅうを
縫い付ける。

【００１８】この刺しゅう機によれば、図２のボビン４
に巻取られた帯状につながったスパンコール５は、駆動
軸８の駆動によるスプロケット９の回転により送り出さ
れ、一対の案内金具２０と案内溝２１とで案内されて、
ニードル６の位置に導かれる。

【００１９】上糸のついたニードル６は前進し、スパン
コール５の穴を貫通し、さらに布地２４を貫通し、その
根元のカッター２３でスパンコール５の１個を切り離
し、この切り離したスパンコール５を上糸と布地２４の
裏側にある下糸をからませて布地２４に縫い付けた後、
後退して布地２４から離れる。

【００２０】以上の動作が繰り返されることにより、多
数のスパンコール５が数値制御の前記プログラムカード
のパターン通りに布地２４に縫い込まれる。

【００２１】図４（Ａ）（Ｂ）は、このような刺しゅう
機によりスパンコールを刺しゅうした布地の例を示す。
各種模様が予め染色あるいは印刷等により形成された布
地２４に対し数値制御によりスパンコール５（（Ａ）で
は白丸、（Ｂ）では黒丸で表わす）が自動的に縫い込ま
れて所望の柄の刺しゅうが施される。

【００２２】尚、布地は、通常の布地でも良いが、特に
婦人の下着等に用いられる場合には、伸縮性の大きい布
地やレースの布地を用いるとよい。

【００２３】上記のように、多数のスパンコール４が縫
い込まれた布地２４は、裁断、縫製されて、例えば婦人
用の下着やその他各種衣服に仕立て上げられる。さらに
肩掛けやひざ掛けあるいはネッカチーフ等の衣類として
形成してもよい。

【００２４】尚、上記実施例において、スパンコール５
のフィルム状の基材１は、スパンコール５を刺しゅう機
で布地２４に縫い付ける前に磁化してもよく、また縫い
付けた後に磁化してもよい。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、飾り片を磁化した磁性材料で構成したため、この飾
り片を刺しゅうした衣類を身につければ、その飾り片は
単なる装飾効果を有するだけでなく、血液循環を良くす
る等の効果が期待され健康促進のためにも利用すること
ができる。

【００２６】また、飾り片は布地に縫い込めばよく、粘
着剤等を用いて付ける必要がないため、特に下着に刺し
ゅうしたとき、粘着剤等のように肌がかぶれたりするこ
とがなく、衛生上にも好ましい。

【００２７】また、衣類に刺しゅうした飾り片の上に、
さらに磁化された飾り片を吸着させて、柄を変化させる
こともできる。

【００２８】さらに、飾り片が磁性材料なので、バラバ
ラになった飾り片を磁石で吸着させて収集することがで
きる等、取扱性が向上する。

【００２９】また、ビルの警備員に磁化された飾り片を
刺しゅうした服を着用させ、ビルの出入口には飾り片の
磁気を検出して出入口の開閉指令を出すための磁気セン
サを設けておけば、警備員のみが出入口を通ることがで
き、ビルの安全管理に利用することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る飾り片の基材の種類を説明する
断面図である。

【図２】 図１の基材を飾り片に成形する加工機械の斜
視図である。

【図３】 図２の加工機械で成形された飾り片を布地に
縫い込むために用いられる刺しゅう機の斜視図である。

【図４】 刺しゅう機によりスパンコールの刺しゅうを
施した布地の例を示す。

【符号の説明】

１：基材、２：ローラ、３：押型、４：ボビン、５：ス
パンコール（飾り片）、６：ニードル、７：バー、８：
駆動軸、９：スプロケット、２０：案内金具、２１：案
内溝、２２：プレート、２３：カッター、２４：布地。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁性材料からなる刺しゅう用飾り片。
2. 【請求項２】 請求項１の飾り片を縫い込んで刺しゅう
   を施した布地。
3. 【請求項３】 請求項１の飾り片を縫い込んで刺しゅう
   を施した衣類。