JPH0919505A - ガンの診断または治療装置用の光源装置 - Google Patents

ガンの診断または治療装置用の光源装置

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JPH0919505A
JPH0919505A JP7171098A JP17109895A JPH0919505A JP H0919505 A JPH0919505 A JP H0919505A JP 7171098 A JP7171098 A JP 7171098A JP 17109895 A JP17109895 A JP 17109895A JP H0919505 A JPH0919505 A JP H0919505A
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JP
Japan
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light
pulse
light source
cancer
source device
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JP7171098A
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English (en)
Inventor
Kinya Hakamata
欣也 袴田
Tatsu Hirano
達 平野
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パルス光の尖頭値を確保が容易であるととも
に、パルス間隔の制御が容易なガンの診断または治療装
置用の光源装置を提供する。 【構成】 照射対象の特性に応じて、発光タイミング指
示回路240が、半導体レーザ110i (i=1〜N)
の点灯/非点灯を指示する点灯指示信号SWi と、半導
体レーザ110i 相互の点灯タイミングを指示する遅延
指示信号DLi とを生成し、スイッチ回路220i およ
び遅延回路220i へ出力する。基本タイミング回路2
10から出力された基本タイミング信号は、こうして設
定されたスイッチ回路220i および遅延回路220i
を介して発光指示信号となり、光源部100の半導体レ
ーザ110i を発振させる。半導体レーザ110i から
出力された光は、光伝送部300に入力し、導波中に略
同一光路を進行する光パルス列とされた後、出力され、
照射対象物に照射される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガンの診断または
治療を行う装置に使用されるガンの診断または治療装置
用の光源装置に属する。
【0002】
【従来の技術】ガンの診断または治療装置として、ガン
に親和性をもち、かつ、所定の波長の光で励起されたと
きにガンを殺傷する効果を有する薬品を用い、この薬品
を含む細胞に所定の波長の光を照射して、ガンの診断ま
たは治療を行う装置に使用されるガンの診断または治療
装置が注目されている。
【0003】こうした方式を採用するガンの診断または
治療装置においては、所定の波長の光を出力する光源装
置が必須であり、こうした光源装置として、例えば、特
開昭63−23648号に開示されている光源装置があ
る。
【0004】この光源装置は、波長=308nmで強く
パルス発振するXeClレーザ光により2種類の色素を
照射して得られる色素レーザ光を利用するものである。
【0005】そして、ガン細胞に親和性をもちかつ光に
より励起された時に蛍光発光または細胞を殺傷する性質
を有する薬品としてヘマトポルフィリン誘導体(以下H
pDという)を用い、HpDが投与された細胞に光源装
置から出力される光を照射する。
【0006】HpDを光により励起し、ガン細胞を殺傷
させる過程において、XeClレーザ光で630nmに
発振波長のある色素レーザをHpDに照射すると、Hp
Dは励起されて、基底状態S0 から励起状態S1 に遷移
する。次の段階で、このS1状態のエネルギーはHpD
の他のエネルギー状態T1 を介して細胞中の酸素にエネ
ルギーを伝達する。酸素は、このエネルギーによって一
重項状態に励起されて活性化される。そして、活性化酸
素は組織に作用し、細胞を壊死させる。
【0007】上記過程において励起状態S1 に励起され
たHpDが下位のエネルギー状態である基底状態S0
緩和する過程が存在する。このS1 →S0 という緩和過
程の緩和時間(数nSecと言われている)内により短
い時間間隔でレーザ光をHpDに照射すればより、深い
部位までレーザ光が到達できる。この原理を実現するた
め、この光源装置では、色素レーザの光を複数の半透鏡
と複数の全反射鏡または複数の半透鏡と複数の全反射プ
リズムからなる小間隔パルス発生部に導光し、小間隔パ
ルスを得ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のガンの診断また
は治療装置用の光源装置は上記のように構成されるの
で、以下のような問題点があった。
【0009】(1) パルスの尖頭値が小さくなる すなわち、小間隔パルス発生部に導入されたレーザ光は
一部を透過して出射し、残りを内部で反射し、またその
一部を取出しながら小間隔パルス光を発生させているた
め、元のレーザ光に較べ、パルスの尖頭値が小さくなる
欠点がある。
【0010】(2) 小間隔パルスの間隔の設定が難し
い すなわち、パルス間隔の設定は内部の反射鏡の距離によ
り決まるため、間隔の変更には機械的な反射鏡の移動、
調整が必要である。
【0011】本発明は、上記を鑑みてなされたものであ
り、パルス光の尖頭値を確保が容易であるとともに、パ
ルス間隔の制御が容易なガンの診断または治療装置用の
光源装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のガンの診断また
は治療装置用の光源装置は、ガンに親和性をもち、か
つ、所定の波長の光で励起されたときにガンを殺傷する
効果を有する薬品を用い、この薬品を含む細胞に所定の
波長の光を照射して、ガンの診断または治療を行う装置
に使用されるガンの診断または治療装置用の光源装置で
あって、(a)所定の波長を有する光を夫々発生する、
独立駆動可能な複数のパルス光源を備える光源部と、
(b)薬品が所定の波長の光で励起された後に下位のエ
ネルギ状態に遷移する緩和時間よりも短いパルス間隔で
の光源部としての光パルス列の発生を複数のパルス光源
に指示するパルス列制御部とを備えることを特徴とす
る。
【0013】ここで、光パルス列の夫々の光パルスの尖
頭光強度値は互いに略同一である、ことを特徴としても
よい。この場合、複数のパルス光源は互いに略同一の
尖頭光強度値の光パルスを夫々出力し、同時にパルス
光を出力するパルス光源の数は光パルス列の夫々の光パ
ルスに関して同一であることを特徴としてもよい。
【0014】また、時間的に後に出力される光パルス列
の光パルスほど尖頭光強度値が増加することを特徴とし
てもよい。この場合、複数のパルス光源は互いに略同
一の尖頭光強度値の光パルスを夫々出力し、同時にパ
ルス光を出力する前記パルス光源の数は時間的に後に出
力される光パルスほど増加することを特徴としてもよ
い。また、光パルス列における光パルスの尖頭光強度値
の時間的な増加は指数関数的増加であることを特徴とし
てもよい。
【0015】また、複数のパルス光源から夫々出力され
た光パルスを入力して、略同一の光路に出力する光伝送
部を更に備えることを特徴としてもよい。
【0016】また、光源部は、パルス列制御部の制御に
よらず連続光を発生する連続光光源を更に備える、こと
を特徴としてもよい。
【0017】ガンに親和性をもち、かつ、所定の波長の
光で励起されたときにガンを殺傷する効果を有する薬品
を用い、この薬品を含む細胞に所定の波長の光を照射し
て、ガンの診断または治療を行う装置に使用される、本
発明のガンの診断または治療装置用の光源装置では、ま
ず、光パルス列制御部が、光源部として発生する光パル
ス列のパルス間隔が薬品が所定の波長の光で励起された
後に下位のエネルギ状態に遷移する緩和時間よりも短く
なる態様で、光源部の各パルス光源ごとに、発光タイミ
ングを指示する駆動指示信号(発光指示信号)を通知す
る。
【0018】駆動指示信号を受けた光源部の各パルス光
源は、駆動指示信号に応じた発光タイミングで光パルス
を発生する。
【0019】ここで、同時に発光するパルス光源は1つ
とは限らず、都度、必要な尖頭光強度に応じて複数のパ
ルス光源の同時発光とすることが可能である。こうした
機能の実現にあたっては、複数のパルス光源は互いに略
同一の尖頭光強度値の光パルスを夫々出力することとす
ることが、同時に発光させるパルス光源の数のみの制御
で光パルス列の各光パルスの尖頭光強度値を制御できる
ので好適である。
【0020】こうして、光源部から出力された光パルス
列が当該薬品が投与された細胞に照射される。この場
合、複数のパルス光源から夫々出力された光パルスを入
力して、当該薬品が投与された細胞へ向かう略同一の光
路に出力する光伝送部を備えることにより、光を照射し
たい細胞への照射効率が向上して好適である。
【0021】早期ガンにおいては腫瘍深さが3〜4mm
と浅いため、その腫瘍深さに到達する光パルスの光頭値
になるようパルス光源を単一または複数個を同時に発光
させ、上記緩和時間内に同一尖頭値の光を順次発光させ
る。
【0022】また、進行ガンにおいては、腫瘍が大きく
深いため、特に深さ方向に対し、上記ガン親和性物質の
滞留が指数関数的に減少する。この現象を補い、光パル
スの深達性を高めるため光源からのパルス光の第1番目
は早期ガンでの場合の尖頭値と同様の値になる様単一ま
たは複数個を同時に発光させ、第2番目以後は上記緩和
時間内に第1番目の尖頭値から指数関数的に増加する様
複数個の発光数を増加させる。
【0023】なお、連続光光源を別途用意し、光パルス
列を連続光に重畳して照射することが可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の説明に先立
って、本発明の光源装置を利用したガンの診断または治
療の概要を説明する。
【0025】光パルス列の発生に先立って、ガンに親和
性をもち、特定波長の光で励起されたときガンを殺傷す
る効果を有する薬品をガン細胞に投与する。こうした薬
品として、例えばATX−S10(東洋薄荷工業(株)
製)がある。以後、薬品としてATX−S10を使用し
たとして説明する。なお、ATX−S10における特定
波長は略670nmである。
【0026】ATX−S10がガン細胞に投与された
後、本発明の装置によって照射対象物であるガン細胞に
光照射が行われる。図1は、本実施例の装置でのガン治
療の機序の説明図である。図1に示すように、ATX−
S10は、波長=670nmの光の照射により励起され
て、エネルギ状態S0 からエネルギ状態S1 遷移する。
エネルギ状態S1 では、他のエネルギー状態T1 を介し
て細胞中の酸素(O2 )にエネルギが伝達される。酸素
は、伝達されたエネルギにより励起されて、一重項酸素
に遷移し、活性化される。この活性化酸素は組織に作用
し、細胞を壊死させる。これによりガンの治療が可能と
なる。
【0027】ところで、本発明者らは実験の結果、以下
の知見を得た。上述の過程においては、光の組織深達度
は組織の表面に近い部位に限られる。実験によればAT
X−S10は波長=670nmの光により、組織の表面
近いに部位が励起され、エネルギ状態S0 (基底状態)
からエネルギ状態S1 に遷移後、ガン殺傷過程T1 への
遷移と、元の基底状態S0 への緩和過程に分れる。この
基底状態S0 への緩和時間は、生体中で10nsec前
後であり、この時間内に次のレーザパルスを照射すれば
第1のパルスによる組織の表面に近い部位は透明状態と
なり、第2、第3のレーザ光はより奥の組織に到達でき
る。
【0028】本発明は、上記実験で確かめられた知見を
具現化するものである。
【0029】以下、添付図面を参照して本発明のガンの
診断または治療装置用の光源装置の実施の形態を説明す
る。なお、図面の説明にあたって同一の要素には同一の
符号を付し、重複する説明を省略する。
【0030】(第1実施形態)図2は、本発明に係るガ
ンの治療装置用の光源装置の第1実施形態の構成図であ
る。図2に示すように、この装置は、(a)出力強度=
500mWで波長=670nmの光を夫々発生するN個
の半導体レーザ1101 〜110N と、半導体レーザ1
101 〜110N の夫々に個別に電流を供給する、電流
の供給/非供給が夫々制御可能な電源1201 〜120
N とを備えるパルス光源部100と、(b)光源部10
0へ半導体レーザ1101 〜110N の発光タイミング
を通知する光パルス列制御部200と、(c)光源部1
00から出力された光を合成して、光パルス列を出力す
る光伝送部300とを備える。
【0031】パルス列制御部200は、半導体レーザ
1101 〜110N の点灯/非点灯を指示する点灯指示
信号SW1 〜SWN と、半導体レーザ1101 〜110
N 相互の点灯タイミングを指示する遅延指示信号DL1
〜DLN を出力する発光タイミング指示回路240と、
半導体レーザ1101 〜110N への点灯指示にあた
っての周期=Tのパルス列信号である基本タイミング信
号を発生する発振器を備える基本タイミング回路210
と、基本タイミング回路210から出力された基本タ
イミング信号を夫々入力するとともに、点灯指示信号S
1 〜SWN を夫々入力し、点灯指示信号SW1 〜SW
N に応じて基本タイミング信号の通過/非通過を制御す
るスイッチ回路2201 〜220N と、スイッチ回路
2201〜220N を通過した基本タイミング信号を夫
々入力するとともに、遅延指示信号DL1 〜DLN を入
力し、遅延指示信号DL1 〜DLN で指示された遅延時
間だけ基本タイミング信号を遅延させて遅延信号を出力
する遅延回路2301 〜230N とを備える。
【0032】光伝送部300は、半導体レーザ110
1 〜110N ごとに設置され、半導体レーザ1101
110N の夫々から出射されたパルス光を集光する光学
系3101 〜310N と、光学系3101 〜310N
で集光されたパルス光を入力し、パルス光を時間的に合
成して光パルス列とするとともに、光パルス列を照射対
象物付近まで導波する光ファイバ320とを備える。
【0033】光学系3101 〜310N は、半導体レー
ザ1101 〜110N の夫々から出射された広がり角度
が大きなレーザ光を効率良く光ファイバ320に集光す
るレンズを備え、こうしたレンズとしてセルフォックマ
イクロレンズや球面レンズを用いて構成される。また、
光ファイバ320は、多分岐ファイバーで半導体レーザ
の個数(N個)だけ入力側が分岐され、出力側は1本に
まとめられた光ファイバを用いて構成される。
【0034】本実施形態の装置は、以下のようにして、
ATX−S10が投与されたガン細胞に波長=670n
mの光パルス列を照射する。
【0035】本実施形態の装置では、まず、照射対象の
特性(主に、ガンの進行度に伴うガン腫瘍の深さ)に応
じて、発光タイミング指示回路240が半導体1101
〜110N の点灯/非点灯を指示する点灯指示信号SW
1 〜SWN と、半導体レーザ1101 〜110N 相互の
点灯タイミングを指示する遅延指示信号DL1 〜DLN
とを生成し出力する。
【0036】例えば、早期ガンにおいては腫瘍深さが3
〜4mmと浅いため、尖頭出力が500mWの半導体レ
ーザ1101 〜110N の3〜4mmの組織深達性があ
るため、半導体レーザ1101 〜110N をそれぞれ遅
延して発光させるべく、点灯指示信号SW1 〜SWN
遅延指示信号DL1 〜DLN とを生成し出力する。すな
わち、基本タイミング回路210が発生する基本タイミ
ング信号の1周期中に点灯する数の分だけスイッチ回路
2201 〜220N を通過状態に設定する点灯指示信号
SW1 〜SWN を出力するとともに、点灯する半導体レ
ーザの発光タイミングを、ATX−S10の基底状態S
0 への緩和時間は、生体中で10nsec前後であるこ
とを鑑みて、1nsecづつずらす設定を指示する遅延
指示信号DL1 〜DLN を出力する。
【0037】また、進行ガンの場合には、腫瘍が大きく
深いため、深部までレーザ光が到達させる設定を行う。
ところで、光ファイバ320から出射されたレーザ光は
光ファイバ320の開口数により決定される出射角をも
って拡散し照射される。したがって、照射面から深さ3
〜4mmまでは早期ガンと同様で同じレーザのパワー密
度を照射すればよいが、深さ3〜4mmを超えその倍の
6〜8mmに光が到達するためには3〜4mmの時の照
射密度の4倍の光エネルギがないと6〜8mmの点での
パワー密度が早期の時の深さ3〜4mmの点でのパワー
密度と同じにならない。同様に9〜12mmで到達する
ためには9倍の光エネルギが必要となる。
【0038】また、ATX−S10が投与されたガン組
織では、ATX−S10の励起状態S1 から基底状態S
0 への緩和時間内に、次のレーザパルスを照射すれば第
1のパルスによる組織の表面に近い部位が透明状態とな
り、第2、第3のレーザ光はより奥の組織に到達でき
る。
【0039】したがって、進行ガンの治療において9〜
12mmの深部にまで治療効果を及ぼすにあたっては、
例えば、深さ3〜4mmまでの治療用に1個の半導体レ
ーザを発振させ、約1nS後に6〜8mmの深度用に4
個の半導体レーザを同時に発振させ、更に約1nS後に
9〜12mmの深度用に9個の半導体レーザを発振させ
る設定を行う。
【0040】この設定を行うためには、スイッチ回路2
201 〜220N の内から14個のスイッチ回路を点灯
指示信号SW1 〜SWN によって通過設定とし、スイッ
チ回路2201 〜220N を通過した14の発光指示信
号を1、4、9個の3グループとして、遅延指示信号D
1 〜DLN によって、1nsecづつ各グループの発
光指示信号の出力をずらす設定とする。
【0041】スイッチ回路2201 〜220N の設定お
よび遅延回路2301 〜230N の設定の後、基本タイ
ミング回路210から出力された基本タイミング信号が
スイッチ回路2201 〜220N に入力し、通過設定が
されたスイッチ回路を介して信号が出力される。スイッ
チ回路2201 〜220N を介して出力された信号は遅
延回路2301 〜230N に入力し、各信号ごとに設定
された遅延時間だけ遅延が施された後、発光指示信号と
して出力される。
【0042】パルス列制御部200から出力された発光
指示信号は、光源部100に入力すする。光源部100
では、発光指示信号を電源1201 〜120N に入力
し、電源1201 〜120N が発光指示信号に応じて半
導体レーザ1101 〜110Nに電流を供給する。電流
が供給された半導体レーザ1101 〜110N は発振
し、波長=670nmの光を出射する。
【0043】半導体レーザ1101 〜110N から出射
された光は、光伝送部300に入力する。光伝送部30
0では、光学系3101 〜310N で半導体レーザ11
1〜110N から出射された光を夫々入力し、光学系
3101 〜310N で光ファイバ320の入射側端面に
集光する。光ファイバ320は入力した光を導波し、1
本にまとめられた出力側端面から光パルス列を出射し、
照射対象物に光パルス列を照射する。
【0044】図3は、本実施形態の装置の出射する光パ
ルス列の説明図である。図3(a)は早期ガンのように
腫瘍深さが3〜4mmと浅いガンの治療の場合の光パル
ス列の説明図であり、図3(b)は進行ガンのように腫
瘍深さが9〜12mmと深いガンの治療の場合の光パル
ス列の説明図である。図3(a)に示すように、腫瘍深
さが3〜4mmと浅い場合には、同一強度のパルス光が
1nsecごとに所定数(図3(a)では4個)だけ並
んだ光パルス列を照射する。この結果、治療時間の短縮
が計られる。
【0045】また、図3(b)に示すように、腫瘍深さ
が9〜12mmと深い場合には、基準値、基準値の4
倍、基準値の9倍の強度のパルス光が1nsecごとに
並んだ光パルス列を照射する。この結果、腫瘍深部まで
光が効率的に到達し、治療効果の向上が図られる。
【0046】(第2実施形態)図4は、本発明に係るガ
ンの治療装置用の光源装置の第2実施形態の構成図であ
る。本実施形態の装置は、早期ガンの治療を連続光照射
で行い、進行ガンの治療を連続光照射に加えてパルス光
を照射して行う装置である。
【0047】図4に示すように、本実施形態の装置は、
第1実施形態の装置の光源部100に替えて、更に、
連続的に電流を供給する電源160と、電源160か
ら電流の供給を受ける半導体レーザ110N+1 とを備え
る光源部150を使用する点と、第1実施形態の装置の
光伝送部300に替えて、半導体レーザ110N+1
ら出射された光を集光する光学系310N+1 を更に備え
るとともに、光学系3101 〜310N+1 で集光され
たパルス光を入力し、パルス光を時間的に合成して光パ
ルス列とするとともに、光パルス列を照射対象物付近ま
で導波する光ファイバ360とを備える光伝送部350
を採用する点が異なる。
【0048】本実施形態の装置は、以下のようにして、
ATX−S10が投与されたガン細胞に波長=670n
mの光パルス列を照射する。
【0049】早期ガンのように腫瘍深さが3〜4mmと
浅い場合には、半導体レーザ110N+1 のみが光を出射
する。すなわち、パルス列制御部200は動作せず、半
導体レーザ1101 〜110N は光を出射しない。
【0050】この場合、半導体レーザ110N+1 から出
射された連続光は、光伝送部350に入力する。光伝送
部350では、光学系310N+1 で半導体レーザ110
N+1から出射された光を夫々入力し、光学系310N+1
で光ファイバ360の入射側端面に集光する。光ファイ
バ360は入力した光を導波し、出力側端面から光パル
ス列を出射し、照射対象物に光パルス列を照射する。
【0051】進行ガンのように腫瘍深さが深い場合に
は、半導体レーザ110N+1 が連続光を出射するのに加
えて、半導体レーザ1101 〜110N の内の選択され
た半導体レーザがパルス光を出射する。
【0052】以後、腫瘍深さが9〜12mmの場合につ
いて説明する。この場合、発光タイミング指示回路24
0が、スイッチ回路2201 〜220N の内から13個
のスイッチ回路を点灯指示信号SW1 〜SWN によって
通過設定とし、スイッチ回路2201 〜220N を通過
した13の発光指示信号を4、9個の2グループとし
て、遅延指示信号DL1 〜DLN によって、1nsec
だけ各グループの発光指示信号の出力をずらす設定とす
る。
【0053】スイッチ回路2201 〜220N の設定お
よび遅延回路2301 〜230N の設定の後、基本タイ
ミング回路210から出力された基本タイミング信号が
スイッチ回路2201 〜220N に入力し、通過設定が
されたスイッチ回路を介して信号が出力される。スイッ
チ回路2201 〜220N を介して出力された信号は遅
延回路2301 〜230N に入力し、各信号ごとに設定
された遅延時間だけ遅延が施された後、発光指示信号と
して出力される。
【0054】パルス列制御部200から出力された発光
指示信号は、光源部100に入力すする。光源部100
では、発光指示信号を電源1201 〜120N に入力
し、電源1201 〜120N が発光指示信号に応じて半
導体レーザ1101 〜110Nに電流を供給する。電流
が供給された半導体レーザ1101 〜110N は発振
し、波長=670nmの光を出射する。
【0055】半導体レーザ1101 〜110N+1 から出
射された光は、光伝送部350に入力する。光伝送部3
50では、光学系3101 〜310N+1 で半導体レーザ
1101 〜110N+1 から出射された光を夫々入力し、
光学系3101 〜310N+1で光ファイバ360の入射
側端面に集光する。光ファイバ360は入力した光を導
波し、1本にまとめられた出力側端面から光パルス列を
出射し、照射対象物に光パルス列を照射する。
【0056】図5は、本実施形態の装置の出射する照射
光の説明図である。図5(a)は早期ガンのように腫瘍
深さが3〜4mmと浅いガンの治療の場合の照射光の説
明図であり、図5(b)は進行ガンのように腫瘍深さが
9〜12mmと深いガンの治療の場合の照射光の説明図
である。図5(a)に示すように、腫瘍深さが3〜4m
mと浅い場合には、同一強度の連続光が照射対象物に照
射される。この結果、比較的浅い部位のガンの治療が行
われる。
【0057】また、図5(b)に示すように、腫瘍深さ
が9〜12mmと深い場合には、基準値強度の連続光に
加えて、基準値のパルス光換算値の4倍、基準値のパル
ス光換算値の9倍の強度のパルス光が1nsecごとに
並んだ照射光を照射する。この結果、腫瘍深部まで光が
効率的に到達し、治療効果の向上が図られる。
【0058】本発明は、上記の実施形態に限定されるも
のではなく変形が可能である。例えば、上記の実施形態
では物質ATX−S10と670nmの波長の光の組合
わせを採用したが、物質PHEと630nmの波長の光
の組合わせ、物質NPe6と664nmの波長の光との
組合わせ、物質BPDと690nmの波長の光との組合
わせ等とすることができる。
【0059】また、上記の実施形態では治療用光源を説
明したが、この光源を組織に照射して得られる蛍光を利
用する蛍光診断のためにも用いることができる。こうし
た場合には、投与するする薬品として、ガン細胞に親和
性をもち、かつ光により励起された時に蛍光を発生する
薬品を使用する必要がある。
【0060】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明のガ
ンの診断または治療装置用の光源装置によれば、ガン細
胞に親和性をもち、かつ光により励起された時に細胞を
殺傷する性質を有する物質を用い、この物質を含む細胞
を光源装置により照射してガンの治療をする光源装置に
おいて、前記物質を含んだ部位に向かうレーザ光を前記
物質を含んだ生体組織がレーザ照射によりエネルギー励
起された後に、下位のエネルギー状態に緩和する緩和時
間より短い時間間隔でパルス光を発生するので、従来よ
り深い部位でのガン治療が可能となる。
【0061】また、ガン細胞に親和性をもち、かつ光に
より励起された時に蛍光などを発生する物質を用いるこ
とにより、表面だけではなく深い部位からの蛍光も得る
ことができるので、より正確な診断情報が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の装置でのガン治療の機序の
説明図である。
【図2】本発明に係るガンの治療装置用の光源装置の第
1実施形態の構成図である。
【図3】第1実施形態の光源装置による照射光の説明図
である。
【図4】本発明に係るガンの治療装置用の光源装置の第
2実施形態の構成図である。
【図5】第2実施形態の光源装置による照射光の説明図
である。
【符号の説明】
100,150…光源部、110…半導体レーザ、12
0,160…電源、200…パルス列制御部、210…
基本タイミング回路、220…スイッチ回路、230…
遅延回路、240…発光タイミング指示回路、300,
350…光伝送部、310…光学系、320,360…
光ファイバ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガンに親和性をもち、かつ、所定の波長
    の光で励起されたときにガンを殺傷する効果を有する薬
    品を用い、この薬品を含む細胞に前記所定の波長の光を
    照射して、ガンの診断または治療を行う装置に使用され
    るガンの診断または治療装置用の光源装置であって、 前記所定の波長を有する光を夫々発生する、独立駆動可
    能な複数のパルス光源を備える光源部と、 前記薬品が前記所定の波長の光で励起された後に下位の
    エネルギ状態に遷移する緩和時間よりも短いパルス間隔
    での前記光源部としての光パルス列の発生を前記複数の
    パルス光源に指示するパルス列制御部と、 を備えることを特徴とするガンの診断または治療装置用
    の光源装置。
  2. 【請求項2】 前記光パルス列の夫々の光パルスの尖頭
    光強度値は互いに略同一である、ことを特徴とする請求
    項1記載のガンの診断または治療装置用の光源装置。
  3. 【請求項3】 前記複数のパルス光源は互いに略同一の
    尖頭光強度値の光パルスを夫々出力し、同時にパルス光
    を出力する前記パルス光源の数は前記光パルス列の夫々
    の光パルスに関して同一である、ことを特徴とする請求
    項2記載のガンの診断または治療装置用の光源装置。
  4. 【請求項4】 時間的に後に出力される前記光パルス列
    の光パルスほど尖頭光強度値が増加する、ことを特徴と
    する請求項1記載のガンの診断または治療装置用の光源
    装置。
  5. 【請求項5】 前記複数のパルス光源は互いに略同一の
    尖頭光強度値の光パルスを夫々出力し、同時にパルス光
    を出力する前記パルス光源の数は時間的に後に出力され
    る光パルスほど増加する、ことを特徴とする請求項4記
    載のガンの診断または治療装置用の光源装置。
  6. 【請求項6】 前記光パルス列における光パルスの尖頭
    光強度値の時間的な増加は指数関数的増加である、こと
    を特徴とする請求項4記載のガンの診断または治療装置
    用の光源装置。
  7. 【請求項7】 前記複数のパルス光源から夫々出力され
    た光パルスを入力して、略同一の光路に出力する光伝送
    部を更に備える、ことを特徴とする請求項1記載のガン
    の診断または治療装置用の光源装置。
  8. 【請求項8】 前記光源部は、前記パルス列制御部の制
    御によらず連続光を発生する連続光光源を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1記載のガンの診断または治療
    装置用の光源装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6616815B2 (en) 1998-06-22 2003-09-09 Canon Kabushiki Kaisha Method of decomposing halogenated aliphatic hydrocarbon compounds or aromatic compounds and apparatus to be used for the same as well as method of clarifying exhaust gas and apparatus to be used for the same
JP2006071596A (ja) * 2004-09-06 2006-03-16 Toshiba Corp 光波妨害装置

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