JPH09191285A - 移動無線システムにおける無線基地局アンテナ指向特 性の制御システム - Google Patents

移動無線システムにおける無線基地局アンテナ指向特 性の制御システム

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JPH09191285A
JPH09191285A JP8027220A JP2722096A JPH09191285A JP H09191285 A JPH09191285 A JP H09191285A JP 8027220 A JP8027220 A JP 8027220A JP 2722096 A JP2722096 A JP 2722096A JP H09191285 A JPH09191285 A JP H09191285A
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mobile
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Sadao Ito
貞男 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】無線基地局の通信用アンテナの指向性を移動無
線機から送られてきた無線信号レベルの大きい方向に向
くように制御する。 【解決手段】第一のアンテナシステムAでは移動無線機
100からの発着呼に対し、移動無線機の存在場所に応
じて使用すべき1つまたは複数の基本アンテナを決定
し、同時に各チルト角制御情報とを第二のアンテナシス
テムBへ教示する。第二のアンテナシステムではこの情
報により使用する1つまたは複数の基本アンテナを選択
し、これらにチルト角制御を行い移動無線機との通信を
行う。通話中においても、第一のアンテナシステムでは
移動無線機の移動にともない使用すべき基本アンテナの
変更の要否、選択した基本アンテナに対するチルト角制
御情報とを第二のアンテナシステムへの教示を続け、移
動無線機と無線基地局との交信は常に良好に保つ。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は小ゾーンを用いた移動通
信システムの無線基地局アンテナ指向特性の制御に関す
る。詳しくは複数のゾーンをそれぞれカバーしてサービ
スエリアを構成する各無線基地局と、無線基地局と交信
するため各移動無線機との間の通信を実行するための移
動通信制御局とこれと伝送路により結合されている電話
網に含まれている電話機とを有するシステムがあり、無
線基地局と移動無線機との間で行う無線通信において、
無線基地局に具備されているアンテナの指向特性を無線
基地局の管理するサービスエリヤ内の移動無線機の移動
にともなって追跡・制御する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来小ゾーンを用いた移動通信システム
の無線基地局に具備されているアンテナの指向特性を制
御する技術としては、移動無線に特有な多重波伝搬を少
なくする方法が知られている。これは、無線基地局に設
けられた指向性アンテナの指向性を移動無線機からの信
号にもとづき制御することにより、移動無線機から複数
の伝搬経路をへて無線基地局に到達する電波を主伝搬経
路のみに限定するものである(参考文献1:特開平3−
254228)。また、技術的には上記と同様である
が、無線基地局と移動無線機との交信中はパイロット信
号を相互に送受信して無線基地局の第二の指向性アンテ
ナの指向性を移動無線機へ向けるよう調整し、移動無線
通信方式の通信装置からの無線信号が送信アンテナから
360°全方位に発射され、電界強度が全方位にわたる
ため生じる不要電波の氾濫、電子機器類への妨害、第3
者による通信の傍受等を防止するための方法も知られて
いる(参考文献2:特開平5−206918)。さらに
無線基地局アンテナ主指向ビームの地表となす角度を下
方に向け(ビームチルト)、隣接サービスエリアへの電
波の漏洩を減少させ、電波干渉を軽減する方法も実用さ
れている(参考文献3:昭和59年度電子通信学会総合
全国大会No.2452)。さらに、このビームチルト
技術を自サービスエリアにおいて半径方向へ帯状にきめ
細かく使用し、周波数の有効利用度の向上を図る提案も
されている(参考文献4:電子情報通信学会信学技報A
・P92−85)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】一般に移動無線システ
ムの通信は、次のように伝送媒体として空間を使用する
ため多重波伝搬の影響を受ける。例えば、自動車電話の
場合、自動車に搭載された移動無線機から無線基地局あ
て送信されてきた電波が無線基地局のアンテナで受信さ
れるまでには、複数の伝搬経路をへて到達することにな
る。すなわち、移動無線機が無線基地局アンテナから見
通せる場合は少なく、一般には建物等地形・地物の影響
を受けこれらで反射・回折等の影響を受け伝搬経路が時
々刻々変化する。しかも、この伝搬経路は唯一ではな
く、複数存在するのが常である。これは多重波伝搬と言
われる現象でる。また、移動無線機が無線基地局アンテ
ナから見通せる場合でも反射・回折等の影響を受けた伝
搬経路が存在し、これらは上記と同様の多重波伝搬が発
生する。これらの電波は伝搬経路が異なるとその有する
位相が異なることになる。 【0004】したがって、上記のような多重波伝搬の影
響を受けた無線信号が無線基地局に到達し、無線基地局
のアンテナで受信され受信機へ導かれた場合、位相の異
なる信号が相加されることになるので、総合の信号の強
さは時々刻々変化することになる。また、移動無線シス
テムの通信で無線基地局の送信アンテナとして指向性を
有せず360゜全方位に発射された場合、電界強度は全
方位にわたるが、相手の移動無線機は特定の方向にしか
存在しないため、無線基地局からの電波は特定の方向に
発射された電波しか有効に使用されず、その他の方向の
電波は不要電波となり他の通信に対する妨害となるほ
か、第3者による通信の傍受等の可能性を増大させてい
た。さらに無線基地局アンテナ主指向ビームが地表とな
す角度が適切でないと、隣接する無線ゾーンへの電波漏
洩が大きくなり、電波干渉の増大の可能性があった。上
記の技術的諸問題に対しての従来の対処策は既にのべた
方策が行われて来たが、依然として以下のような技術的
問題があった。 【0005】第一の無線基地局に設けられた指向性アン
テナの主指向性を移動無線機へ向ける対処策であるが、
移動無線機が高速で移動した場合、無線基地局への電波
の伝搬経路が急速に変化し、したがって到来方向は急速
に変化し、アンテナの主指向性の追尾が不可能となる危
険がある。次に、二つの異なる伝搬経路を経て無線基地
局に到来した信号の有する電力がほとんど等しい場合、
このいずれかにアンテナの主指向性を向ける結果、有効
な信号電力が半減すると言う無駄が生じた。さらに無線
システムで使用される変調方式によっては、例えば最近
有力になってきたCDMAを用いたシステムでは、受信
波として、多重波伝搬した複数の信号は有害ではなく、
むしろ信号のエネルギーの有効活用のため有用である場
合がある。或いは、現用の移動通信システムで使用され
ている狭帯域時分割多重システムでも、受信後の信号処
理により多重波伝搬した複数の信号は必ずしも有害では
ないようになってきている。 【0006】第二の無線基地局と移動無線機との交信中
にパイロット信号を相互に送受信して無線基地局の通信
用指向性アンテナの指向性を移動無線機へ向けるよう調
整する技術は、その指向性を駆動モータにより移動させ
るものである。これは、通信対象が特定している場合に
は有効であるが、公衆移動無線システムのように1つの
無線基地局がその管理するサービスエリヤ内の多数の移
動無線機が存在し、発着呼している複数の移動無線機に
対し適用するにはコスト高となり実用困難である。ま
た、無線基地局の通信用指向性アンテナの指向性を移動
無線機へ向けると言っても移動無線機と無線基地局との
相対位置により変化するアンテナの主ビームのチルト角
まで制御することまでは明らかにされていない。 【0007】第三の無線基地局アンテナのビームチルト
技術であるが、これは基地局アンテナの垂直面内指向性
を俯角方向に電気的にまたは機械的に傾斜させる技術で
ある。傾斜させる方法としては、アンテナ本体を機械的
に傾斜させる方法、アンテナは直立させたまま各素子の
給電位相を位相器等を用いて調整することにより、ビー
ム波面を傾斜させる方法等がある。この技術は最近開発
されたものであり、適用対象がサービスエリア内の全移
動無線機に対し行われる場合、あるいはサービスエリア
を半径方向に対し帯状に複数個に分割し、そのエリア内
に存在する移動無線機に対し行われる場合であり、特定
の移動無線機に対して行うと言う木目の細かな方法は未
開発であった。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は小ゾーンを用い
た移動無線システムの無線基地局において、その管理す
るサービスエリヤ内の夫々の移動無線機と効率的な交信
をするため、2種類のアンテナシステムを設けた。これ
ら第一及び第二のアンテナシステムを構成するアンテナ
は、その総合特性として360°全方位に発射(もしく
は受信)される無指向性や、120°の方位に発射(も
しくは受信)される指向性を有するものがあるが、いず
れもその構成するアンテナの有する指向性を角度別に複
数個に分割可能とし、それぞれシャープな指向性を有す
る複数個の基本アンテナから構成した。また、第一のア
ンテナシステム及び第二のアンテナシステムは、共に無
線基地局に装備され通信を行う送受信無線機やその制御
を行う制御装置と制御信号の授受を行うインタフェース
部を有するように構成した。さらに無線基地局とインタ
フェースを有する移動通信制御局、これと伝送路により
結合されている電話網(40)に含まれている電話機と
で移動通信網を構成した。 【0009】 【作用】本発明によるシステムではアンテナ部として、
第一のアンテナシステムと第二のアンテナシステムとを
有する。これらのアンテナシステムはそのアンテナを複
数個の狭ビーム指向性を有する基本アンテナから構成
し、各基本アンテナは同一の水平面内指向性を有してお
り、これらを総合することで360度無指向アンテナや
120度内指向性を有するアンテナを構成可能とする。
また、基本アンテナはチルト角制御が可能となるよう構
成され、それぞれ無線機へ接続されている。そして、無
線機は無線基地局の管理するサービスエリア内に存在す
る各移動無線機に対し、制御信号を常時送受信可能であ
る。また、無線基地局の制御部は移動無線機に対し、無
線基地局からの無線制御信号をアンテナから送信するの
に、その基本アンテナのすべて、或いは1部を使用して
送信可能なように制御可能であり、逆に移動無線機から
送信されてきた制御信号の受信は基本アンテナのすべ
て、もしくは一部を使用して受信出来、かつその受信信
号レベルを常時比較可能なように構成されている。 【0010】その結果、複数の基本アンテナのそれぞれ
で受信した制御信号レベルが他に比べて高かった1つま
たは複数の基本アンテナの示す方向をその移動無線機の
存在する方向と定め、第二のアンテナシステムに対し、
使用すべき1つまたは複数の基本アンテナ、及び各チル
ト角制御量を指示する。第一のアンテナシステムとほぼ
同一の特性を有する第二のアンテナシステムでは、この
指示を受けて第二のアンテナシステムで使用すべき1つ
または複数の基本アンテナを選択し、選択した基本アン
テナに適応すべき各チルト角制御を実行し、移動無線機
と通信を行うとになる。さらに、移動無線機のサービス
エリヤ内移動にともない、無線基地局で使用に適する基
本アンテナは時々刻々変化することが予想されるが、こ
れに対しては移動無線機からの制御信号を常時受信して
いる前記第一のアンテナシステムにより、移動無線機の
現在位置が推定可能で、この情報を第二のアンテナシス
テムへ教示し、第二のアンテナシステムではこれを活用
するため常に移動無線機との交信が良好に実施可能とな
る。 【0011】第二に、以上の動作により本発明は次のよ
うな良好な作用をさせることが可能となった。まず、無
線基地局で移動無線機と通信を行うために使用する第二
のアンテナシステムはその有するアンテナの内、移動無
線機の存在する方向から飛来する信号を受信可能な基本
アンテナのみに限定することが出来るため、他の方向か
ら入来する妨害電波を遮断することが可能となる。ま
た、上記のようなアンテナの使用法では使用するアンテ
ナ数は通常2〜3となる。それは、複数の伝搬経路をへ
て無線基地局へ到達した到来角度の異なる無線信号の
内、電力の大きな信号は複数個に限られるからである。
これらの信号は無線基地局内の第一のアンテナシステム
の水平面内の指向性が各方向に向けられた各基本アンテ
ナのいずれかで受信され、無線基地局内の無線受信部へ
導くことが可能となる。この結果、前述の移動無線機が
高速で移動した場合、電波の到来方向が急速に変化し、
アンテナの主指向性の追尾が不可能となる危険性を大き
く減少させることが出来る。第三に無線基地局内の第二
のアンテナシステムの各基本アンテナの主指向ビームの
地表となす角度(チルト角)の制御をサービスエリア内
の各移動無線機に対し夫々下方へ向けて行うことによ
り、通信に要する無線信号電力は従来よりも小電力で交
信が良好に実行可能となった。また、自己のサービスエ
リア以外へ漏洩する無線信号が減少し、他通話者に対す
る電波干渉が減少させることが可能となった。第四に構
成するアンテナを機械的に可動させる基本を除去したか
ら制御が簡単容易となった。 【0012】 【実施例】以下本発明を時分割デジタル多重移動通信シ
ステムに適応した実施例を用いて説明する。アナログシ
ステムについては簡略化した形で適応が可能である。図
1はシステム構成を示す。図1において左方に多数の移
動無線機100−1100−2、・・・及び移動無線機
100−p(以下特に混乱を生じない場合は移動無線機
100で代表させる)が存在し、その右隣に破線で囲ま
れた無線基地局1が描かれている。移動無線機100と
無線基地局1とは無線により結合されている。無線基地
局1もシステム内には数多く存在する(図8参照)が、
特に必要がないので1局だけ描き、あとは省略してい
る。無線基地局1の右隣に移動通信制御局30、さらに
その右隣に電話網40があり、これら3者間は通常有線
で結合されている。 【0013】次に無線基地局1の構成を説明する。ま
ず、移動無線機100と信号の送受信を行う検索用アン
テナ群10は基本アンテナA、A、・・・、A
(以下特に混乱を生じない場合は基本アンテナAで代
表させる)等から成り立っており、基本アンテナAは夫
々シャープな指向特性(送受信される電波は垂直の偏波
面)を有する。そのためには、例えばコーナ・リフレク
タアンテナ等が使用されており、これらを総合したアン
テナの有する指向特性は無指向性を有するものとする
(後述の図2参照)。検索用アンテナ群10は交信すべ
き移動無線機の所在を検索する機能を有しており、構成
する各基本アンテナA、A、・・・、Aはチルト
角制御回路16を経由して、夫々検索用無線機13−
1、検索用無線機13−2、・・・、検索用無線機13
−N(以下特に混乱を生じない場合は単に検索用無線機
13で代表させる)と結合されている。検索用無線機1
3の入出力部は夫々、検索用制御部11、及び基地局変
復調装置25と結合されており信号の授受を行う機能を
有する。また、チルト角制御回路16の動作は検索用制
御部11の制御信号により動作する。 【0014】検索用制御部11は移動無線機100から
の送信信号を受信した各検索用無線機13からの信号受
信レベルを吟味し、一定の受信品質を得て送信してきた
検索用無線機13に対し、チルト角制御回路16を動作
させ、受信アンテナのビームチルト角を変化させ、移動
無線機100からの無線信号を一層良好に受信出来るよ
うに調整させる機能を有する。その受信結果を各検索用
無線機13から連絡させ、これら受信した信号の品質を
比較し、例えば上位3位以上の高い受信レベルを得た検
索用無線機13の情報を採用する。すなわち、これらの
検索用無線機を13−1、13−2、及び13−3とす
ると、信号を送信した移動無線機100の現在位置を検
索用無線機13−1〜13−3が結合されている検索用
アンテナ群のそれぞれの基本アンテナA、A、及び
の有する主ビームの方向と判断する。ただしこの判
断は移動無線機100の現実的な位置が基本アンテナA
、A、及びAの有する主ビーム方向にあるという
のではなく、移動無線機100と無線基地局1との間に
ある建物や地形・地物の影響による電波の反射や回折の
ため電波伝搬経路が無線基地局1から移動無線機100
を直視した場合の経路と異なる経路が存在すると言うこ
とであり、無線基地局1で受信した場合、基本アンテナ
、A、及びAでの受信が他の基本アンテナに比
べて高いという意味である。 【0015】上記は移動無線機100の現在位置から無
線基地局1への電波到来方向の厳密な説明であるが、以
下では単に「移動無線機100の現在位置は基本アンテ
ナA、A、及びAの方向、或いはさらに簡単にA
の方向」として移動無線機100と無線基地局1との
位置関係を説明する。移動通信システムでは移動無線機
或いは携帯無線機の位置は通信中においても当然移動す
る。したがって、移動無線機と無線基地局との相対位置
は変化し、これにつれて移動無線機から無線基地局へ到
達する電波伝搬経路も変化することになる。そこで本発
明においても、移動無線機100の移動にともない無線
基地局1の具備する検索用アンテナ群10の内、最適の
受信を示す基本アンテナAを常に検索すると共にチルト
角の制御も行う必要がある。さて、移動無線機100の
現在位置を検索用アンテナ群の基本アンテナA
、及びAの有する主ビームの方向と判断する情報
を得た検索用制御部11は基地局変復調装置25と協力
して、スイッチ回路12を動作させる。また、基地局変
復調装置25に対し、発呼移動無線機100の所在(方
向)を連絡し、使用すべき通信用アンテナ群20の内、
各基本アンテナB、B、・・・、Bの選択情報を
伝える。 【0016】また、移動無線機100と無線基地局1が
通信状態に移行した後においても、前述の様に移動無線
機100の移動にそなえて常に移動無線機100の所在
(方向)を監視し、チルト角制御を含め検索用アンテナ
群10の各基本アンテナAの移動無線機100からの信
号受信状態に変化を生じた場合には、直ちにその情報を
基地局変復調装置25へ連絡する機能を有する。基地局
変復調装置25は移動通信制御局30とインタフェース
を有し、通信信号の授受を行う外、検索用無線機13か
らの制御信号を授受し、移動無線機100からの発着呼
動作を移動通信制御局30へ伝達する機能、さらに、検
索用制御部11の指示に従いスイッチ回路12を動作さ
せ、通信用アンテナ群20のうち、移動無線機100と
の通信に適する基本アンテナB、B、・・・、B
の組合わせを選択し、同時にこれらとスイッチオン(結
合)するに適する通信用無線機15を選択・動作させる
機能を有する。 【0017】次に通信用アンテナ群20とそれにインタ
フェースを有する分部を説明する。まず、通信用アンテ
ナ群20は移動無線機100と通信を行うのが主務であ
り、通信用アンテナ群20は基本アンテナB、B
・・・、B(以下特に混乱を生じない場合は基本アン
テナBで代表させる)等から成り立っている。基本アン
テナBは基本アンテナAと同様にシャープな指向特性を
有するが、これらを総合したアンテナの有する指向特性
は無指向性を有するものとする。通信用アンテナ群20
の各基本アンテナB、B、・・・、Bはチルト角
制御回路17を経由して、スイッチ回路12と結合され
ており、ここで通信用無線機15−1、通信用無線機1
5−2、・・・、通信用無線機15−M(以下特に混乱
を生じない場合は単に通信用無線機15で代表させる)
と任意の組み合わせで結合が可能となるように構成され
ている。なお、検索用アンテナ群10の各基本アンテナ
Aと、通信用アンテナ群20の基本アンテナBとは夫々
対応する番号のアンテナが地理的に同一方向を向けられ
ているものとし、電気的特性は実用上全く同一とする。
さらに、本発明の特徴の1つであるが、これらの基本ア
ンテナAもしくはBの主ビームの地表面とのなす角度は
検索用制御部11からの制御信号によりチルト角制御回
路17が動作し、夫々任意に変化可能なように構成され
ている。 【0018】各通信用無線機15は時分割デジタル多重
移動通信システムの場合、1つの搬送波で多数の移動無
線機100と時分割による交信が可能な様に構成されて
おり、これら移動無線機100との通信信号の授受を行
うと共に、同時に基地局変復調装置25と信号の授受を
行い、かくて移動無線機100は基地局変復調装置25
との通信、更には、移動通信制御局を径由して電話網4
0との通信が可能となる。 【0019】以下本発明の主要部を構成する検索用アン
テナ群10、もしくは通信用アンテナ群20に関し詳細
に説明する。検索用アンテナ群10は基本アンテナ
、A、・・・、Aより構成されている。これら
の具体的構成を図2に示す。図2は検索用アンテナ群1
0の平面図で、N=12の場合である。図では12個の
基本アンテナAをコーナアンテナ群を用いて作成された
場合で、コーナアンテナ群を各6個ずつ、上下2段構成
となっている。実際の使用に際しては上下2段のアンテ
ナを垂直に設置されることになるが、同図の場合、これ
を1段ずつ切り離した場合を示している。また、使用す
る電波の偏波面は垂直偏波であり、電界は紙面に垂直で
アンテナの主ビーム方向はビームチルトのない場合は紙
面と並行となる。 【0020】図2(a)または(b)で60度の角度を
なす6本の太線はコーナアンテナの金属反射板を示す。
また、○印は励振素子を、コーナアンテナの中央で大き
く外部へ広がり、金属反射板付近で内部へ収束(金属反
射板で利得は0となる)している点線は各コーナアンテ
ナ群の指向特性を示す。コーナアンテナ群を構成するコ
ーナアンテナの数は4〜8個等が使用される。そして各
コーナアンテナには検索用無線機13からの入出力が加
わるが、この中間にあるチルト角制御回路の制御を受け
るためにこれら4〜8個の各コーナアンテナには別々の
位相制御を受けた検索用無線機13からの入出力が加へ
られる。この結果、基本アンテナA、A、・・・、
を形成する各コーナアンテナ群はそれぞれ他と独立
したチルト角制御が可能となる。実際の上下2段の垂直
設置に際しては、上段と下段のコーナアンテナ構成の相
対位置を30度ずらせて設置させているため、これら房
状のコーナアンテナの指向特性は、上下2段の総合アン
テナとして見たとき、各コーナアンテナのヌル点(利得
0の点)は除去され、良好なオムニ特性が得られること
になる。 【0021】次に検索用アンテナ群10とチルト角制御
回路16との接続方法について図3により説明する。図
の上方に検索用アンテナ群10、下方にチルト角制御回
路16が書かれている。検索用アンテナ群10は破線で
囲まれているが、右方から順に基本アンテナA
、・・・、Aを示している。各基本アンテナはさ
らに複数のコーナアンテナ群から形成されており、図の
場合各々W個のコーナアンテナ群から成り立っている。
例えば、基本アンテナAはコーナアンテナ群a11
12、・・・aW1から成り立っている。また、チル
ト角制御回路16も破線で囲まれているが、右下方から
順に検索用無線機13−1、13−2、・・・13−N
と接続されている。この内無線機13−1と接続されて
いる回路はチルト角制御回路16内でそれぞれW個に分
割され、可変位相器φ11,φ12、・・・φW1(以
下可変位相器φと略称する場合がある)と接続されてい
る。上方の検索用アンテナ群10の各基本アンテナは同
図の場合、W個のコーナアンテナから形成されており、
それぞれがチルト角制御回路16の可変移相器φと図の
様に接続されている。例えば基本アンテナAの各コー
ナアンテナ群a11,a12、・・・aW1の各励振素
子はチルト角制御回路16の可変位相器φ11
φ12、・・・φW1とそれぞれ接続される。そして、
右方から入力される検索用制御部11よりの制御信号に
より可変位相器φへの給電位相が制御され、各コーナア
ンテナ群a11,a12、・・・aW1のそれぞれのア
ンテナ特性が変化する。その結果分割アンテナAとし
てのチルト角の制御が可能となる。上記と同様な事が他
のコーナアンテナ群a21、a22、・・・、a2W
においても行われるので、各基本アンテナA、A
・・・、Aにおけるチルト角が互いに他と独立に所望
の値に制御されることになる。以上の説明は検索用アン
テナ群10とチルト角制御回路16との接続方法につい
てであったが、通信用アンテナ群20とチルト角制御回
路17との接続方法について同様である。ただし、この
場合はチルト角制御回路17の出力は通信用無線機15
と直接接続されず、スイッチ回路12を介することにな
る。スイッチ回路12の動作については後述する。 【0022】以上は検索用アンテナ群10に関する説明
であったが、通信用アンテナ群20に関してもこれと同
様の特性を有している。次に検索用無線機13に関し図
4により説明する。左上方より検索用アンテナ群10か
らの信号がチルト角制御回路16を介して入来し、分波
器56により所要の周波数を有する信号のみが無線受信
回路50へ印加される。無線受信回路50へは信号送受
信回路53からの局部発振周波数電力が加えられ、信号
は中間周波数に変換され、所要のレベルを有する信号に
変換される。その出力は信号送受信回路53へ送られ
る。信号送受信回路53は基地局変復調装置25、及び
検索用制御部11とインタフェースを有しており、信号
送受信回路53からの受信信号の一部は検索用制御部1
1へ送られ、他の検索用無線機13から送られてきた受
信信号とレベル比較のために使用され、他の一部は基地
局変復調装置25へ送られる。一方、信号送受信回路5
3あてに基地局変復調装置25から送られてきた信号に
は制御信号やタイミング信号等が含まれており、制御部
51と協力して次の動作を無線送信回路55及び、無線
受信回路50に行わさせる。すなわち、前者は無線送信
回路55に印加され、同回路の動作タイミングの決定に
使用され、後者は無線受信回路50の動作タイミングの
決定に使用され、両者共必要・十分な時間のみ動作させ
る事が可能となる。 【0023】次に検索用制御部11に関し図5により説
明する。左方より発呼用制御信号を受信した検索用無線
機13からの信号が信号送受信部80へ入来した場合
は、その信号は信号レベル比較回路81に送られ、他の
検索用無線機13から送られてきた信号レベルと比較さ
れる。この結果は制御部82へ報告され、これを受けた
制御部82ではアンテナ・チルト角の制御を行うための
信号をアンテナ・チルト角制御回路16へ信号を送信
し、使用に適する基本アンテナAと、各アンテナ・チル
ト角を決定する。また、通話中の移動無線機100に対
しては、送信されて来た移動無線機100の識別情報等
の制御信号を継続受信し、信号レベル比較回路81を動
作させ、使用に適する基本アンテナAの種類、及びアン
テナ・チルト角の変更の要否を調査する。以上前者の場
合は当然であるが後者の場合でも、必要となれば基地局
変復調装置25へ連絡し、基地局変復調装置25及び移
動通信制御局30(移動通信制御局30の役割は無線基
地局1等で使用すべき無線チャネルの決定、通信の管理
等があるが、以下特に誤解を生じない場合は基地局変復
調装置25で代表させる)と協力して通信用アンテナ群
20の各基本アンテナB、B、・・・、Bのいず
れかと、チルト角制御回路17を介して通信に使用する
通信用無線機15とを接続すべくスイッチ回路12を動
作させる。 【0024】次に通信用アンテナ群20とチルト角制御
回路17を介して使用する通信用無線機15とを選択・
接続するスイッチ回路12の動作について図6により説
明する。同図はスイッチ回路12の主要基本であるマト
リックス・スイッチ部を示している。図で通信用アンテ
ナ群20の各基本アンテナB、B、・・・、B
らの受信信号がチルト角制御回路17を介して、マトリ
ックス・スイッチ部に入力される場合を説明する。この
場合、受信信号は同図の上方の端子B、B、・・
・、Bからマトリックス・スイッチ部S11〜SMN
へ印加されることになる。一方マトリックス・スイッチ
部S11〜SMNからの出力は端子15−1、15−
2、・・・、15−Mのいずれかへ出力され、さらに通
信用無線機15−1、通信用無線機15−2、・・・、
通信用無線機15−Mのいずれかへ送信される。例え
ば、マトリックス・スイッチ部S11がオン(図2で黒
三角で表される)の時はBの出力は端子15−1へ伝
えられ、通信用無線機15−1へ送られる。図6ではマ
トリックス・スイッチ部S11、S21及びS31がオ
ンで、他はオフ(図6で白三角で表される)となってい
るから、B、B、及びBの出力が端子15−1へ
伝えられ、通信用無線機15−1へ送られる事を意味す
る。以上は通信用アンテナ群20からの受信信号が通信
用無線機へ送られる説明であったが、逆に通信用無線機
からの送信信号が通信用アンテナ群20へも同様にスイ
ッチ回路12を通過した後、チルト角制御回路17を通
り、通信用アンテナ群20へ送られる事になる。この場
合も、マトリックス・スイッチ部S11〜SMNのオン
・オフは制御用検索部11からの制御信号により制御さ
れる事は当然である。 【0025】最後に基地局変復調装置25に関し図7に
より説明する。図7の右方には検索用無線機13や、通
信用無線機15とインタフェースを有する無線系信号送
受信部78があり、信号の授受を行う。前者の検索用無
線機13とは制御信号の授受を行い、基地局制御部75
と協力して移動無線機100の現在位置の方角の情報を
得て、使用すべき通信用無線機15の決定等を行う。ま
た、後者の通信用無線機15とは制御・通信信号の授受
を行い、移動通信制御局30と協力して通信が終了する
まで良好な通信を可能とするための一連の信号処理動作
を行う。まず、無線基地局1の各回路動作はクロック発
生器71から発生されたクロック信号を受けたタイミン
グ発生回路70からのタイミング信号により時間的なず
れを生じない様に調整を受ける。なお、システム内に多
数の無線基地局が存在する場合のタイミングの決定は移
動通信制御局30に内臓された(図示せず)タイミング
発生回路で行われるが、本発明の動作説明に関係しない
のでここでは省略する。 【0026】さて、無線系信号送受信部78で受信した
信号は上記のタイミング発生回路70からのタイミング
信号によりタイミングが調整されて動作する復合化回路
63で復調される。さらに、デコーダ61でデコードさ
れた後、有線系信号送受信部60へ送られる。有線系信
号送受信部60は移動通信制御局30とインタフェース
を有しており、上記のデコードされた信号は移動通信制
御局30へ送られる。一方有線系信号送受信部60へ入
来した移動通信制御局30からの信号はコーダ62へ入
力されコード化される。その後、符号化回路64で変調
されるが、これらの動作はタイミング発生回路70から
のタイミング信号により動作を調整される。その後、無
線系信号送受信部78へ送られ、さらに通信用無線機1
5へ送られる。なお、通信用無線機15の詳細は、すで
に図6で説明した検索用無線機13とほぼ同様であるの
で説明は省略する。 【0027】以下本発明によるシステム動作を図8、図
9及び図10により説明する。同図は移動無線機100
からの発呼動作の流れ図を示している。まず、図8に示
す様にシステム内に具備されている移動無線機100、
検索用制御部11、基地局変復調装置25、通信用無線
機15−1、移動通信制御局30を含む図1のすべての
機器群が動作開始中とする。移動無線機100では発呼
用の制御チャネルの自移動無線機100に与えられたタ
イムスロットを用いて発呼用制御信号を無線基地局1あ
て送信する(ステップS101)。この信号は無線基地
局1の検索用アンテナ群10で受信されるがこの時の受
信信号は移動無線機の所在する方向別に基本アンテナA
、A、・・・、Aで分割受信される。これら分割
受信信号は夫々、検索用無線機1、検索用無線機2、・
・・、検索用無線機Nへ伝えられる(ステップS10
2)。各検索用無線機では受信信号の内容、及び受信レ
ベルを調査し検索用制御部11、及び基地局変復調装置
25へ送信する。検索用制御部11ではこれらの信号を
分析し、信号レベルが基本アンテナAからの信号が最
も高く、ついでアンテナA、さらにアンテナAであ
る場合、一応この3個の基本アンテナの主ビーム方向に
発呼してきた移動無線機100が存在するものとし、基
本アンテナA〜Aのビームチルト角を夫々変化さ
せ、移動無線機100からの無線信号を一層良好に受信
出来るように調整する(ステップS103)。 【0028】以上の調整の結果でも、信号レベルが基本
アンテナAからの信号が最も高く、ついでアンテナA
、さらにアンテナAであることが判明した場合は、
移動無線機100はこれら3つのアンテナの主ビーム方
向に存在するものと見なし基地局変復調装置25へ連絡
する(ステップS104)。基地局変復調装置25では
この信号を受信し、自無線基地局内で使用可能な通信用
無線機15を調べたところ、通信用無線機15−1があ
いている(新しく通信可能)状態であることを認識する
(正確には移動通信制御局30で使用すべき無線チャネ
ルの決定を行う事になるが本発明の動作説明に影響しな
いのでここでは基地局変復調装置25で代表させる)の
で、15−1を使用することにし、検索用制御部11へ
連絡する(ステップS105)。この信号を受信した検
索用制御部11ではスイッチ回路12に対し、通信用ア
ンテナ群20の各基本アンテナB、B、及びB
通信用無線機15−1との結線をオンにして、通信用無
線機15−1の出力が基本アンテナB、B、及びB
へ導かれる様に接続する(ステップS106)。これ
と同時に検索用制御部11では、上述のビームチルト角
の調整情報を用いてチルト角制御回路17へ制御信号を
送り、通信用アンテナ群20の各基本アンテナB、B
、及びBのビームチルト角の調整を完了する。 【0029】以上の動作により通信用無線機15−1は
移動無線機100よりの発呼用制御信号を受信し、移動
無線機100宛て応答信号を送信する(ステップS10
7)。この信号は移動無線機100により受信され、ダ
イヤル信号が送信される(ステップS108)。このダ
イヤル信号は通信用無線機15−1により受信され、基
地局変復調装置25へ転送される(ステップS10
9)。基地局変復調装置25ではこの信号を受信し(ス
テップS110)、移動通信制御局30へダイヤル信号
を転送する(ステップS111)。移動通信制御局30
ではこの信号を受信して、電話網40へダイヤル信号を
転送し、網内の着呼先電話機へ呼出し信号を送信すると
共に、呼出し信号を基地局変復調装置25へ送信する
(ステップS112)。基地局変復調装置25ではこれ
を通信用無線機15−1へ転送し(ステップS11
3)、通信用無線機15−1ではこれを移動無線機10
0宛て応答信号を送信する(ステップS114)。移動
無線機100ではこの信号をうけると呼出し音が鳴動す
るので、受話器をハングアップする(ステップS11
5)。移動無線機100と着呼先電話機との双方共受話
器をハングアップすると通話が開始される(ステップS
116)。 【0030】さて、移動無線機100と着呼先電話機と
が通話継続中であり、基地局変復調装置25と通信用無
線機15−1とは双方の信号の中継動作中であるとき
も、検索用無線機1、検索用無線機2、・・・、検索用
無線機Nは移動無線機100からの信号レベルを測定中
であり、これらの測定られた信号レベルは検索用制御部
11へ送信される(ステップS117)。その結果、信
号レベルの順位に変更がなければ従来の状態が継続され
るが、順位に変更が発生した場合、例えば基本アンテナ
からの信号が最も高く、ついでアンテナA、には
変化はないがアンテナAよりもAからの受信レベル
が高い事が判明した場合は、ただちにその旨基地局変復
調装置25へ連絡する(ステップS118)と共に、基
地局変復調装置25と協力して、通信用アンテナ群20
の内使用すべき各基本アンテナをB、B、及びB
に変更すべくスイッチ回路12に対し制御信号を送信す
る。この結果通信用アンテナ群20の各基本アンテナB
、B、及びBと通信用無線機15−1とが接続さ
れる(ステップS119)。なお、この場合も前述のビ
ームチルト角制御は当然実行される。上記と同様の監視
は移動無線機100と無線基地局1とが通信を終了する
まで継続することになる。 【0031】終話は移動無線機100が受話器をハング
オンする事により行われる。この時移動無線機100か
ら終話信号が送信される(ステップS120)。この信
号は無線機15−1により受信され、基地局変復調装置
25へ送られる(ステップS121)。基地局変復調装
置25ではこれを移動通信制御局30へ転送し(ステッ
プS122)、移動通信制御局30では信号を受信する
が(ステップS123)、さらに電話網40へ再転送
し、網内の着呼先電話機を収容している交換機の着呼先
電話機との結線を開放する。以上で移動無線機100よ
りの発呼動作は終了する。 【0032】次に移動無線機100着呼の場合を説明す
る。電話網40に収容されている電話機からの発呼信号
は移動通信制御局30へ送られ、移動通信制御局30で
相手先の移動無線機100の現在位置を確認し、通信さ
せる無線基地局1を特定し、さらに、使用可能な無線チ
ャネル番号、タイムスロットの情報を含め、無線基地局
1の基地局変復調装置25へ発呼制御信号を送信する。
この信号を受信した基地局変復調装置25では検索用制
御部11、及びすべての検索用無線機1〜Nを動作させ
て、移動無線機100あて着呼制御信号を送出する。こ
の際はチルト角制御回路は特に動作させず標準状態に固
定させておく。この着呼制御信号を受信した移動無線機
100では自移動無線機100に与えられたタイムスロ
ットを用いて、着呼応答用の制御信号を送信する。この
着呼応答制御信号は無線基地局1の検索用アンテナ群1
0で受信される。これらの受信信号は前述の様に移動無
線機100の所在する方向別に基本アンテナA
、・・・、Aで分割受信され、夫々、検索用無線
機1、検索用無線機2、・・・、検索用無線機Nへ伝え
られる。各検索用無線機では受信信号の内容、及び受信
レベルを調査し検索用制御部11、及び基地局変復調装
置25へ送信する。検索用制御部11ではこれらの信号
を分析し、信号レベルが基本アンテナAからのものが
最も高く、ついでアンテナA、さらにアンテナA
ある場合、発呼してきた移動動無線機100は、一応こ
の3個の基本アンテナの主ビーム方向に存在するものと
し、基本アンテナA〜Aのビームチルト角を夫々変
化させ、移動無線機100からの無線信号を一層良好に
受信出来るように調整する。 【0033】以上の調整の結果でも、信号レベルが基本
アンテナAからの信号が最も高く、ついでアンテナA
、さらにアンテナAであることが判明した場合は、
移動無線機100はアンテナAの主ビーム方向に存在
するものと見なし以下の動作に移行する。検索用制御部
11では基地局変復調装置25からの連絡により、通信
用無線機13−2があいている(新しく通信可能)状態
であることを認識するので、スイッチ回路12に対し、
送受信アンテナ群20の各基本アンテナB、B、及
びBと通信用無線機13−2との結線をオンにして、
通信用無線機13−2の出力が基本アンテナB
、及びBへ導かれる様にする。それ以後の動作は
移動無線機100からの発呼の場合のステップS107
(図8参照)同様に継続され、移動無線機100と無線
基地局との通信が終了すると共に動作が停止される。な
お、上記のシステム例では通信用アンテナ群20の内、
使用する基本アンテナ数を3個とした場合であったが、
3以外の数、例えば2でも4でも可能であることは当然
である。 【0034】上記のシステム動作は1つの無線搬送波に
1つの通話(電話)信号しかのせられていない場合(S
CPCシステム)、或いは1つの無線搬送波に多数の通
話(電話)信号が時分割多重にのせられている場合(T
DMAシステム)のいずれの場合でも動作可能である
が、以下後者の場合についてさらに具体的に本発明の動
作を説明する。 【0035】システム例として1つの無線搬送波に4個
の通話信号が時分割多重可能な場合をとる。図11はP
DCシステム(デジタルセルラーシステム)の無線チャ
ネル(チャネル番号1)内の信号フレーム構成の1例を
示す。図11の1フレーム(20ms)には通信に使用
する4個のタイムスロット(S〜S)と制御信号に
使用する1個のタイムスロット(C)を含んでおり、
現在通話タイムスロット番号1〜3の各スロット(S
〜S)はすでに説明した発呼、もしくは着呼動作が完
了し、移動無線機100−1〜100−3と電話網40
内の電話機とそれぞれ通話状態にあるとする。 【0036】図12は本発明を適用したシステムの動作
を説明するための図で中央の○印が無線基地局1を示
し、正6角形が各無線基地局の占めるサービスエリアを
示す。無線基地局1から外部へ向けて描かれている長い
楕円は無線チャネル1の電波を用いて、通信用アンテナ
20の一部から放射される電波の主ビームを表してお
り、この内3つのビームが3台の自動車に向けられその
中に搭載されている移動無線機100−1、100−2
及び100−3と交信中であることを示している。他の
2つのビームは別の番号の無線チャネルを用いて他の移
動無線機100と交信中であるが、移動無線機100は
図では省略されている。また、同図では無線基地局1を
取り巻く他の無線基地局がそれぞれ、移動無線機と交信
している様子も描かれている。この時、無線基地局1の
サービスエリア内に存在する移動無線機100−4から
新たに発呼制御信号が無線チャネル1の制御信号用タイ
ムスロットを使用して無線基地局1へ送られて来たとす
る。無線基地局1では、この信号を移動通信制御局30
へ転送し、無線チャネルの使用法について指示を仰いだ
ところ、空いている無線チャネル1のは通話タイムスロ
ット番号4(S)を指示されたとする。そこで、これ
を使用してこの発呼を受け付たとする。 【0037】本発明における上記の動作を以下説明す
る。まず移動無線機100−4からの発呼制御信号の送
信は無線チャネル1の制御信号用タイムスロット
(C)を使用して行われるが、この制御信号用タイム
スロットが他の通信に使用されている時には送信されな
いから、他の通信と干渉を引き起こす事はない。移動無
線機100−4からの発呼制御信号の受信は検索用アン
テナ群10で受信され、検索用無線機へ送られるが、こ
れらのタイミングはすべて図11の制御信号用タイムス
ロット内でのみ行われ、他の時間には全く行われないか
ら、これまた、他の通信と干渉を引き起こす事はない。
以下、検索用アンテナ群10に対する送受信電波ビーム
の検索・追尾は各タイムスロットS及びCごとに行
われ、また、スイッチ回路12、基地局変復調装置2
5、通信用無線機15、移動通信制御局30等の各動作
もタイムスロットS及びCに同期して実行されるか
ら他の通信と干渉を引き起こす事はない。 【0038】一方現在通信中の移動無線機100−1〜
100−3と無線基地局1との通信にかかわる諸動作は
すべて無線チャネル1の各タイムスロット(S
)、と空きを確認して行われる制御信号用のタイム
スロット(C)を使用して実行されるから、これま
た、移動無線機100−4と無線基地局1との通信にか
かわる諸動作に影響を与える事は全くない。また、無線
基地局1の他の無線チャネル(番号1以外の2、3、・
・・、等)を用いて他の移動無線機100−5、100
−6、・・・等と通信中のものには、使用する周波数が
異なるから無線干渉を起こす事はない。なお、SCPC
システムの場合は上記の無線チャネル1の各タイムスロ
ット(S〜C)を夫々別の無線チャネルに乗せられ
た信号と考えれば良い。以上により、本発明によるシス
テム動作はSCPC、或いはTDMAいずれでも良好に
動作する事が明らかになった。 【0039】最後に本発明の適用により移動通信システ
ム内で場所を違えて繰返し使用する同一無線チャネルの
協調距離を減少させることにより、周波数有効利用度の
向上が可能であることを説明する。それはすでに説明し
たように無線基地局で移動無線機向けに使用する電波が
従来システムと異なり、移動無線機の存在する方向のみ
に限定使用すること、及び無線基地局で具備されている
アンテナを使用するときはその主指向性が下方に向けら
れ、その下方に向けられる角度が従来以上に大きいこ
と、無線基地局から移動無線機宛てに送信される無線信
号の有する電力が従来システムに比較して逓減されてい
ること、等により、同一無線チャネルを使用する距離
(協調距離)を減少させても干渉の発生確率が増加しな
いためである。その結果、同一無線チャネルの使用頻度
を増加させた分だけ周波数の有効利用度が増大する。 【0040】 【発明の効果】本発明を適用した移動通信システムで
は、次のような効果を実現させることが可能となった。
まず、無線基地局で移動無線機と通信を行うために使用
電波が有効に使用可能となった点である。無線基地局の
有するアンテナシステムの内、移動無線機の存在する方
向から有効に飛来する信号を受信可能なアンテナ(基本
アンテナ)のみに使用を限定することが出来、他の方向
から入来する妨害電波を遮断することが可能となるの
で、移動無線機からの送信電力は従来必要としていた値
よりも少ない電力でも同一品質を維持する事が可能とな
った。同様に無線基地局からの送信電力についても、移
動無線機の存在する方向へ有効に伝搬可能なアンテナ
(基本アンテナ)のみに使用を限定することができるの
で、従来必要としていた値よりも少ない電力でも同一品
質を維持する事が可能となった。また、上記のようなア
ンテナの使用では使用するアンテナ数は通常2〜3とな
るから、複数の伝搬経路をへて無線基地局へ到達した無
線信号の内、電力の大きな複数個の信号をすべて基本ア
ンテナで選択受信し、無線基地局内の無線受信部へ導く
ことが可能であり、この結果、前述の移動無線機が高速
で移動した場合、電波の到来方向が急速に変化し、アン
テナの主指向性の追尾が不可能となる危険性を大きく減
少させることが出来る。第三に同一システム内の他の通
信に及ぼす電波干渉を少なくした点である。これは第一
に説明したように、無線基地局から送信する電波を無駄
な方向へ発射するのを防止可能となり、さらに自己のサ
ービスエリア以外へ漏洩する無線信号が減少し、他通話
者に対する電波干渉が減少させることが可能となった。
以上の結果、同一無線チャネルを使用する距離(協調距
離)を減少させても干渉の発生確率が増加せず、同一無
線チャネルの使用頻度の増加が可能となり周波数の有効
利用度が大きく向上するのを期待できるゆえ、本発明の
効果はきわめて大きいと思われる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明によるシステム構成の一実施例を示す図
である。 【図2】本発明のアンテナの特性を示す図である。 【図3】図1のシステム構成の一部を示す図である。 【図4】図1のシステム構成の一部を示す他の図であ
る。 【図5】図1のシステム構成の一部を示す他の図であ
る。 【図6】図1のシステム構成の一部を示す他の図であ
る。 【図7】図1のシステム構成の一部を示す他の図であ
る。 【図8】本発明によるシステムの動作の流れを示すフロ
ーチャートである。 【図9】図8と共に本発明によるシステムの動作の流れ
を示すフローチャートである。 【図10】図8と共に本発明によるシステムの動作の流
れを示すフローチャートである。 【図11】本発明によるシステムに適用されるフレーム
構成の1例を示す図である。 【図12】本発明によるシステムの動作を説明するため
の図である。 【符号の説明】 1 : 無線基地局 10 検索用アンテナ群 11 検索用制御部 12 スイッチ回路 13 検索用無線機 15 通信用無線機 16 チルト角制御回路 17 チルト角制御回路 20 通信用アンテナ群 25 基地局変復調装置 30 移動通信制御局 40 電話網 50 無線受信回路 51 制御部 53 信号送受信回路 55 無線送信回路 56 分波器 60 有線系信号送受信部 61 デコーダ 62 コーダ 63 復合化回路 64 符号化回路 70 タイミング発生回路 71 クロック発生器 75 基地局制御部 78 無線系信号送受信部 80 信号送受信部 81 信号レベル比較回路 82 制御部 83 スイッチ回路駆動発生部 100 移動無線機

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数のゾーンをそれぞれカバーしてサー
    ビスエリアを構成する各無線基地局(1)と、ゾーンを
    横切って前記無線基地局と交信するための無線チャネル
    を用いた各移動無線機(100)との間の通信を管理す
    るめの移動通信制御局(30)と、前記移動通信制御局
    と伝送路により結合されている電話網(40)に含まれ
    ている電話機とがあり、前記無線基地局と前記移動無線
    機との間で行う無線移動通信のために前記無線基地局に
    具備されている2つのアンテナシステムにおいて、 前記2つのアンテナシステムのアンテナは共に水平面内
    指向特性として狭ビーム特性を有し、任意の組合わせで
    使用が可能であり、かつ前記無線基地局に具備されてい
    る制御部の制御によりそれぞれチルト角制御が可能であ
    る複数の基本アンテナから構成されているとき、 前記第一のアンテナシステムにおいては移動無線機から
    の発着呼に対し、その存在場所に応じて使用すべき1つ
    または複数の基本アンテナと、チルト角制御情報とを前
    記第二のアンテナシステムへ教示し、前記第二のアンテ
    ナシステムではこの情報により使用する1つまたは複数
    の基本アンテナを決定し、前記各基本アンテナのチルト
    角制御を行い、前記各基本アンテナと接続された前記無
    線基地局に具備された無線機により前記移動無線機との
    通信を行うことを可能とする移動通信システムにおける
    無線基地局アンテナ指向特性の制御システム。 【請求項2】 前記 【請求項1】の前記無線基地局と前記移動無線機との交
    信中において、前記移動無線機のサービスエリヤ内移動
    にともない、使用中の基本アンテナの変更、チルト角の
    変更をする必要が生じたことを前記第一のアンテナシス
    テムで見出した場合、この情報を前記第二のアンテナシ
    ステムへ通知し、第二のアンテナシステムではこの情報
    にもとづき使用すべき1つまたは複数の基本アンテナを
    時々刻々切替え可能とする移動通信システムにおける無
    線基地局アンテナ指向特性の制御システム。 【請求項3】 前記 【請求項1】の前記無線基地局と前記移動無線機との交
    信中において、前記移動無線機のサービスエリヤ内移動
    にともない、前記移動無線機と前記無線基地局の相対距
    離の変化により、前記無線基地局で使用に適する1つま
    たは複数の基本アンテナの各主指向性のチルト角情報を
    検出し、この情報を第二のアンテナシステムへ通知し、
    第二のアンテナシステムではこの情報にもとづき使用す
    べき1つまたは複数の基本アンテナの各チルト角を時々
    刻々変化可能とする移動通信システムにおける無線基地
    局アンテナ指向特性の制御システム。 【請求項4】 前記 【請求項1】による前記無線基地局で使用する第二のア
    ンテナ群システムの基本アンテナのみの使用により、移
    動無線機の存在する方向のみに限定可能なこと、及び前
    記 【請求項3】の前記第二のアンテナ群システムの内の使
    用する基本アンテナのチルト角制御により無線基地局ア
    ンテナの主指向性が平均的に下方に向けられること、等
    により、 送信に必要な無線電力の低減を可能とする移動通信シス
    テムにおける無線基地局アンテナ指向特性の制御システ
    ム。 【請求項5】 前記 【請求項1】による前記無線基地局で使用する第一のア
    ンテナシステムの1つまたは複数の基本アンテナのみの
    使用により、移動無線機の存在する方向のみに限定可能
    なこと、及び前記 【請求項3】の前記第二のアンテナシステムの内の使用
    する基本アンテナがチルト角制御により無線基地局アン
    テナの主指向性として平均的に下方に向けられること、
    等により、 前記無線基地局の有するサービスエリア外に存在する隣
    接サービスエリアへの電波の漏洩を減少させ、電波干渉
    の軽減を可能とする移動通信システムにおける無線基地
    局アンテナ指向特性の制御システム。 【請求項6】 前記 【請求項1】による前記無線基地局で使用する第一のア
    ンテナシステムの1つまたは複数の基本アンテナのみの
    使用により、移動無線機の存在する方向のみに限定可能
    なこと、及び前記 【請求項3】の前記第一のアンテナ群システムの内の使
    用する基本アンテナがチルト角制御により無線基地局ア
    ンテナの主指向性が平均的に下方に向けられること、等
    により、 システムの有する周波数有効利用度の向上を可能とする
    移動通信システムにおける無線基地局アンテナ指向特性
    の制御システム。 【請求項7】 前記 【請求項1】による前記無線基地局で使用する第一のア
    ンテナシステムの基本アンテナのみの使用により、移動
    無線機の存在する方向のみに限定可能なこと、及び前記 【請求項3】の前記第一のアンテナシステムの内の使用
    する基本アンテナのチルト角制御により無線基地局の具
    備するアンテナの主指向性が平均的に下方に向けられる
    こと、等により、 システム内で繰返し使用する同一無線チャネルの協調距
    離を減少させ、周波数有効利用度の向上を可能とする移
    動通信システムにおける無線基地局アンテナ指向特性の
    制御システム。
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