JPH09189403A - 中間管寄せ - Google Patents

中間管寄せ

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JPH09189403A
JPH09189403A JP143996A JP143996A JPH09189403A JP H09189403 A JPH09189403 A JP H09189403A JP 143996 A JP143996 A JP 143996A JP 143996 A JP143996 A JP 143996A JP H09189403 A JPH09189403 A JP H09189403A
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JP
Japan
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cylindrical body
fluid
outlet pipe
central axis
weir
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Withdrawn
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JP143996A
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English (en)
Inventor
Yuichi Kanamaki
裕一 金巻
Yasushi Mori
康 森
Atsuji Matsuo
篤二 松尾
Koji Iwao
光次 岩尾
Masashi Hishida
正志 菱田
Yoshinori Kobayashi
由則 小林
Takayuki Sudo
隆之 須藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 出口管から流出する流体の性状が均一化され
る、貫流ボイラの水冷壁中間部に設置される中間管寄せ
を提供する。 【解決手段】 中心軸を水平にして設置された円筒体5
1の両側から対向して接続され、円筒体への植込み角度
を中心軸の高さ方向より下方に向け、中心軸方向に多数
配設された入口管52、入口管の接続部より上方で円筒
体の上部に両側から対向して接続され、隣接した配設さ
れた入口管の間に設けられた出口管53、入口管の接続
部より上方で、かつ、出口管の接続部より下方の円筒体
の両側内壁から上部の間隔が狭くなるようにして立設さ
れ、出口管の接続部より上方に開口を設け、中心軸方向
に並行に配設した仕切板状の堰61からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸収冷凍機、空調
機等、フロン等の冷媒を用いた熱交換器・ヒートポンプ
等の管寄せに適用でき、また、貫流ボイラへの適用が特
に好適な中間管寄せ関する。
【0002】
【従来の技術】図13、図14は、水冷壁を垂直管構造
にした貫流ボイラの水冷壁中間部に設置される、従来の
中間管寄せを示す図で、図13(a)は、俯瞰図、図1
3(b)は、図13(a)における矢視A−A平面図、
図13(c)は、図13(b)における矢視B−B断面
図、図13(d)は、図13(b)における矢視C−C
断面図、図14(a)は、図13(c)に示す断面にお
ける流れの様子を示す図、図14(b)は、同じく流れ
の様子を上方から見た図である。
【0003】図13に示すように、中間管寄せ10は、
中心軸を水平にして配置された円筒体1の上部に、多数
の入口管2が中心軸方向に所定の間隔で取り付けられ、
また、多数の出口管3が、円筒体1の上部に中心軸方向
に所定の間隔で取り付けられて構成されている。そし
て、入口管2、出口管3の円筒体1への接続は、円筒体
1の同一横断面内に入口管2と出口管3とを向かい合わ
せて配置し、しかも円筒体1の中心軸方向には、入口管
2および出口管3が交互になるように接続されている。
【0004】このように形成された中間管寄せ10で
は、火炉を形成する水冷壁の蒸発管に接続されている多
数の入口管2より水4・蒸気5からなる二相流体、ある
いは蒸気5単相流体が、円筒体1内に流入し、円筒体1
内の保有水9と混合され、再び分配されて、出口管3よ
り火炉上部の水冷壁に設けた蒸発管へ流出する。このた
め、中間管寄せ10へ流入する水4・蒸気5二相流体
は、入口管2ごとに流量や気液の割合が異なっており、
また、貫流ボイラの運転状態によっては、流入する流体
としては、温度の異なる過熱蒸気が流入することもあ
る。中間管寄せ10は、このように流量、気液の割合、
あるいは温度の異なる流体を一旦混合し、均一な温度に
して、再び出口管3へ均等に分配するために設置され
る。
【0005】しかしながら、上述した従来の中間管寄せ
10は、以下のように、温度の均一化と流量および気液
の割合を均等にして出口管3へ分配する点で、改善の余
地があった。
【0006】(1)円筒体1内の液面6は、図示される
ように、出口管3の円筒体1からの出口部7付近のレベ
ルにできるため、従来の中間管寄せ10では、入口管2
が出口管3の円筒体1への取付け部より上部に取り付け
られている関係上、円筒体1への入口管2の開口部8
は、液面6より上部の液が存在しない領域に露出するこ
ととなる。したがって、円筒体1へ流入する流体は、液
面6よりも上方から液面6へ向かって打ち込まれるよう
にして円筒体1内へと流入する。
【0007】この円筒体1内へ流入する流体が、特に水
4・蒸気5二相流体である場合には、液面6への打ち込
みの慣性力が強いため、液面6を突き破るようにして円
筒体1内の保有水9中へ侵入し、円筒体1の下部壁面に
衝突し、図14(a)に示すように、出口管3へ直接向
かう流れAと、流体を流入させた入口管2側の方向へ向
かう流れBとに分岐し、それぞれ円筒体1内壁面に沿っ
て上昇する。
【0008】上述したように、従来の中間管寄せ10
は、入口管2と出口管3が向かい合わせに配置され、円
筒体1に接続されているため、流入流体Aが上昇した直
上には、円筒体1に取り付けられた出口管3の開口部7
があり、そこから流入流体Aの大部分が流出する。他
方、流入流体Bが上昇した液面6上には、円筒体1の中
心軸方向に、流入流体A,Bを円筒体1内に流入させた
入口管3に隣接して、出口管3の開口部7が設けられて
おり、そこから大部分が流出する。このため、出口管3
から流出する流体は、円筒体1の中心軸方向に近接し
て、又は、対向して配置された入口管2での流量分布の
影響を強く受けることとなり、均等の流量、および性状
の流体を流出させる必要のある出口管3への均等分配上
に改善の余地があった。
【0009】(2)円筒体1に取り付けられる出口管3
の開口部7の下部は水没し、上部は水の存在しない領域
に露出した状態にある。従って、開口部7の面積のう
ち、水没した面積とそうでない面積の割合によって、出
口管3から流出する蒸気・水(気液)の流出割合は決ま
る。また、従来の中間管寄せ10では、(1)項で述べ
た流入流体A,Bの上昇に伴い、液面6が押し上げら
れ、その押し上げられた液面6は、不規則に、かつ非定
常に乱れる。このため、出口管3の開口部面積の水没割
合が、円筒体1の中心軸方向に不規則に非定常的に変化
することとなり、円筒体1の中心軸方向に配設させた流
出管3の全てから、一定の蒸気・水の割合、かつ均等な
流量の出口管3への分配に改善の余地があった。
【0010】(3)円筒体1に取り付けられる入口管2
同士が、対向して配置されていないため、流入する流体
同士の干渉(衝突)は少なく、入口管2から対向した出
口管3への管寄せ1断面内の流れが発生する反面、円筒
体1の中心軸方向の流れは、ほとんど発生しない。この
ために、円筒体1内での流体の混合は、円筒体1中心軸
方向(長手方向)の狭い領域に限られており、広範囲に
渡る混合は生じにくく、中間管寄せ10としての機能上
改善の余地があった。
【0011】(4)また、円筒体1内に流入する流入流
体が、蒸気5単相流である場合には、液面6への打ち込
みの慣性力が小さく液面6を突き破るようなことはな
く、図14に示すように、液面6に沿って出口管3の開
口部7へ向かう流れCとなり、出口管3から流出する。
このため、円筒体1内に流入した過熱蒸気と円筒体1内
の保有水との熱交換量は小さく、従って、流入する、過
熱蒸気はほとんど減温されないこととなり、この点の改
善の余地があった。
【0012】(5)円筒体1の中心軸方向に配設された
各入口管2での流入量に差が生じた場合、上述(3)項
で述べたように、円筒体1の中心軸方向の流れがほとん
ど発生しないため、流入量が大きい入口管2近傍の円筒
体1内の液面を上昇させ、出口管3から流出する流体の
円筒体1の中心軸方向の流量分布に差が生じ、出口管3
に流出する流量の均等分配上改善の余地がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の中間管寄せの不具合を解消するため、中間管寄せの
中心軸方向に配設された流入管のそれぞれから円筒体内
に流入した流体を、均等な、流量、温度、および蒸気・
水の割合の流体にして、円筒体の中心軸方向に配設され
た流出管の全てから流出させることができるとともに、
円筒体内に流入した流体と円筒体内の保有水との熱交換
が促進できる中間管寄せを提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の中間
管寄せは、次の手段とした。
【0015】(1)水平に配置された中間管寄せを構成
する円筒体の中心軸より下方向に向けた植込み角度にさ
れ、両側から対向させて円筒体の下部に接続され、円筒
体の中心軸方向に所定の間隔で配置された入口管を設け
た。
【0016】(2)両側から対向させて円筒体の入口管
接続部よりも上部に接続され、円筒体の中心軸方向に配
設された隣接する入口管の双方の間に出口管を配置して
設けた。従って、出口管も円筒体の中心軸方向に所定の
間隔で配設されることとなる。
【0017】(3)円筒体の下部に接続された入口管の
円筒体内部への開口部より上方で、しかも円筒体の上部
に接続された出口管の円筒体内部への開口部より下方
の、両側内壁から双方の間隔が狭くなるようにして起立
され、出口管の開口部よりも上方の、円筒体の上部に、
開口を形成するとともに、中心軸方向に向かう仕切り板
状の堰を設けた。なお、円筒体の上方の両側内壁から上
昇させて設ける堰は、横断面形状を、八形若しくはL字
と逆L字を対向して配設した形状にすることが望まし
い。
【0018】本発明の中間管寄せは、上述(1)〜
(3)の手段により、 (1′)入口管を出口管より下部に取り付けることによ
り、流入する蒸気・水二相流体は、必ず円筒体内の保有
水中を通過する。また、一部の入口管より蒸気単相流体
が流入した場合でも、流入した蒸気単相流は、小さな蒸
気泡となり必ず保有水中を通過する。また、入口管を円
筒体の中心軸向きから下方に傾けて取り付ける事によ
り、流入から流出までの流入流体の保有水中通過距離お
よび滞留時間を長くとれる。
【0019】(2′)さらに入口管同士を対向させて配
置させることにより、流入流体同士の衝突が起こり、混
合が促進される。
【0020】(3′)出口管を入口管の円筒体への取り
付け位置より上部に取り付け、仕切り板状の堰によっ
て、出口管の円筒体内への開口部と入口管の開口部を隔
離したことにより、円筒体内に入口管から流入した流体
が、最短距離を通って出口管から流出することが防止さ
れ、流入から流出までの保有水中通過距離、滞留時間が
長くなる。また、円筒体内に流入した流体が堰の上部に
設けた開口で一旦分離され、出口で再分配されるため、
出口管から流出する流体の蒸気・水の割合、および流量
が均一になる。
【0021】(4′)円筒体内に上方が狭くなる仕切り
板状の堰を設置することにより、出口管開口部付近の液
面が安定するとともに、円筒体内の流れが整流されるた
め、出口での流量が均一化される。
【0022】また、請求項2に示す本発明の中間管寄せ
は、次の手段とした。
【0023】(4)水平に配置された中間管寄せを構成
する円筒体の中心軸より下方向を向く植込み角度にさ
れ、円筒体の下部に接続されて、円筒体の中心軸方向に
千鳥状に配置した入口管を設けた。
【0024】(5)入口管が接続された円筒体の同一側
の同一横断面内で、しかも同筒体への入口管接続部より
上方に、出口管を接続して設けた。従って、出口管の円
筒体の中心軸方向への配置も入口管と同様に千鳥状にな
る。
【0025】(6)前記(3)と同等の堰を設けた。
【0026】本発明の中間管寄せは、上述(4)〜
(6)の手段により、上述した(1′),(3′),
(4′)に加え、(b)入口管および出口管を千鳥配置
とし、円筒体の同一横断面で入口管および出口管を向か
い合わせとせずに、同一側の円筒体の上、下に配置する
ことにより、流入管から流入した流入流体が、向かい合
った出口管から直ちには流出せず、円筒体内で大きな渦
を形成し、円筒体の中心軸方向(長手方向)に流動して
円筒体内における混合が促進される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の中間管寄せの実施
の一形態を、図面にもとづき説明する。図1ないし図3
は、本発明の中間管寄せの実施の第1形態を示す図で、
図1(a)は俯瞰図、図1(b)は図1(a)に示す矢
視A−Aにおける平面図、図2(a)は図1(b)に示
す矢視B−Bにおける断面図、図2(b)は図1(b)
に示す矢視C−Cにおける断面図、図3(a)は図2
(a)に示す断面における流れの様子を示す図、図3
(b)は流れの様子を中間管寄せの上方から見た図であ
る。
【0028】図に示すように、中間管寄せ50は、中心
軸を水平にして配置された円筒体51、円筒体51の下
部に、円筒体51の中心軸を向く方向より下向きに傾け
た植込み角度にされ、円筒体51の両側から対向させて
円筒体51に接続された入口管52、入口管52の接続
部より上方の円筒体51の上部に対向させて円筒体51
に接続された出口管53、および円筒体51内の上方に
中央部分を一定幅で開口させ、円筒体51の中心軸方向
(長手方向)に配設した、断面形状が円筒体51の両側
内壁面から中心部に向けて底面を形成するとともに、中
心部の底面端部から上方に起立させ、双方の間隔を上方
で狭くしたL字型の堰54からなる。なお、L字型の堰
54の底面は、堰54の下部に蒸気溜まりが発生しない
ように、円筒体51の中央部に向けて若干高くなるよう
にした傾斜を設けるようにしている。
【0029】また、堰54の円筒体51への取り付け位
置は、堰54底面より上の領域にも水60を保有させ、
さらに、出口管53の円筒体51への開口部57付近の
液領域を安定化させ、出口管53から水60を安定させ
て流出させるために、堰54の底面が出口管53の開口
部57内面下側より、出口管53内径の2〜3倍下方に
なるように、しかも、入口管52から円筒体51内へ流
入する蒸気55・水56の二相流体、あるいは蒸気55
単相流体を必ず堰54の内部を通過するように、堰54
の底面が入口管52の開口部58内面上側より上方にな
るようにして、円筒体51の両側内壁面に固着してい
る。
【0030】さらに、堰54の高さは、堰54を越える
流体が直接出口管53開口部57付近の液面59を乱す
ことのないように、開口部57の内側上面より若干高く
した開口が形成されるようにしている。L字型の堰54
の頂端に形成される開口の幅は、流入流体が堰54を越
える際の流速が過大にならないようにし、さらに中間管
寄せ50の適用流量で、適切な流体の通過抵抗が確保で
き、円筒体51の長手方向に流体を混合できるように設
定する。また、堰54の底面の幅は、開口部57付近の
液面の安定のために、出口管53の内径のおよそ2倍程
度は確保するようにしている。
【0031】本実施の形態の中間管寄せ50では、 (1)入口管52を出口管53より下部に取り付けるこ
とにより、図3(a)に示すごとく、流入する流体が水
56・蒸気55二相流体、蒸気55単相流体にかかわら
ず、必ず円筒体51内の保有水60中を通過するため、
流入流体と円筒体51内の保有水60との間で熱交換が
行われ、円筒体51から流出する流体の温度が均一化さ
れる。
【0032】(2)また、入口管52をその軸心が円筒
体51の中心軸に向く方向から下方に傾けて円筒体51
に取り付けたことにより、円筒体51内への流入から流
出までの保有水60中の通過距離、および滞留時間を十
分に長くでき、流入する流体が水56・蒸気55二相流
体、蒸気55単相流体にかかわらず、流入流体と保有水
60との熱交換が十分に行われ、円筒体51より流出す
る流体の温度が均一化される。
【0033】(3)また、円筒体51内にL字型の堰5
4を設置したことにより、円筒体51から保有水60が
流出する出口管53の開口部58付近の液面59が安定
するため、開口部58面積の水没割合の円筒体51長手
方向での変化、および時間的変化が小さくなるため、出
口管53から流出する流体の各出口管53への流量分配
が均一化される。
【0034】(4)また、円筒体51内にL字型の堰5
4を設置したことにより、流入流体が最短距離を通って
流出することが防止され、つまり、流入から流出までの
保有水中通過経路、滞留時間が短くなることを防止で
き、流体の温度が十分に均一化されずに流出することを
防止できる。
【0035】(5)円筒体51内にL字型の堰54を設
置したことにより、円筒体51内の流路面積が縮小され
ることとなり、それが流体が通過する際の抵抗となり、
円筒体51内を上昇する流体が整流され、かつ、その抵
抗によって、円筒体51内部を上昇する流量が均一化さ
れるため、出口での流量分配が均一化される。
【0036】(6)円筒体51内にL字型の堰54を設
置したことにより、水56・蒸気55二相流体が、堰5
4を越えた時に、一旦分離され、開口部57に液面59
が形成され、液面59の上方から蒸気が、液面59の下
方から保有水60が出口管53へ流出する。一般的に単
相流の分配は、二相流の分配よりも均一に分配されるた
め、結果として、円筒体51の開口部57から流出する
流体の流量分配が均一化される。
【0037】(7)また、入口管52同士を対向させて
配置させたことにより、図3(a)、図3(b)に示す
ごとく、流入流体同士の衝突が起こる(干渉が大きくな
る)ため、円筒体51内に設置した堰54の底面レベル
よりも下の領域で乱れが大きくなり、円筒体51長手方
向の広範囲にわたる、流入流体同士、あるいは流入流体
と円筒体51内の保有水の物理的な混合が実現できる。
なお、発生した乱れは、L字型の堰54を通過する際に
整流され、かつ、堰54によって、堰54底面より下部
の混合領域(大きく乱れた領域)と円筒体51から流出
する流体の出口付近、すなわち、開口部57付近の領域
は隔離され、出口付近の液面に乱れが生じないため、出
口での流量分配は均一に保たれる。
【0038】上述した(1)〜(7)により、円筒体5
1から出口管53へ流出する流体の各出口管53への流
出流体の蒸気・水の割合を含めた流量分配、および流出
流体温度を均一化できる。
【0039】次に、図4ないし図6は、本発明の中間管
寄せの実施の第2形態を示す図で、図4(a)は俯瞰
図、図4(b)は図4(a)に示す矢視A−Aにおける
平面図、図5(a)は図4(b)に示す矢視B−Bにお
ける断面図、図5(b)は図4(b)に示す矢視C−C
における断面図、図6(a)は図5(a)断面における
流れの様子を示す図、図6(b)は流れの様子を中間管
寄せの上方から見た図である。
【0040】本実施の形態においては、円筒体51の下
部に、円筒体51中心軸に向けた方向より下向きに傾け
て入口管52を接続し、円筒体51の長手方向に千鳥配
置に設置した。また、出口管53を円筒体51の上部に
接続し、同様に長手方向千鳥配置となるように、円筒体
51の同一横断面で入口管52と同じ側に出口管53を
配置するようにしている。また、円筒体51内の中央部
分に、実施の第1形態で示したものと同一構造の、一定
幅で開口させたL字型の堰54を、実施の第1形態と同
様にして設置している。
【0041】本実施の形態の中間管寄せ50aでは、上
述した実施の第1形態における(1)〜(6)に加え、 (8)入口管52を円筒体51の長手方向に千鳥配置と
することにより、円筒体51内に設置した、中央部のみ
一定幅で開口したL字型の堰54の底面レベルよりも下
の領域で、図6(b)に示すごとく、入口管52から円
筒体51内に流入した流入流体が、大きな渦を形成する
ため、円筒体51長手方向の広範囲にわたる流入流体5
5,56と円筒体51内保有水60との物理的な混合が
実現でき、円筒体51から流出する流体の性状を均一化
できる。なお、発生した渦は、堰54を通過する際に整
理をされ、かつ、堰54によって、堰54下部の混合領
域と円筒体51内に開口する出口管53の開口部57付
近(出口付近)の領域が隔離され、出口付近の液面の乱
れは生じないため、各出口管53への流量分配は均一に
保たれる。
【0042】(9)入口管52、出口管53を向かい合
わせとせず、両方とも円筒体51の同じ側に配置するこ
とにより、従来の中間管寄せ10での課題となってい
た、流入流体が流入した入口管2と向かい合った出口管
3から、流入流体が混合不十分のまま流出することが防
止できる。この流出経路の短絡防止は、図6(a)に示
すごとく、円筒体51内に堰54を設置することによっ
て、さらに確実なものとなる。このように、本実施の形
態の中間管寄せ50aでも、円筒体51から出口管53
へ流出する流体の各出口管への流出流体の分配、および
流出流体温度を均一化できる。
【0043】次に、図7ないし図9は、本発明の中間管
寄せの実施の第3形態を示す図で、図7(a)は俯瞰
図、図7(b)は図7(a)に示す矢視A−Aにおける
平面図、図8(a)は図7(b)に示す矢視B−Bにお
ける断面図、図8(b)は図7(b)に示す矢視C−C
における断面図、図9(a)は図8(a)断面における
流れの様子を示す図、図9(b)は流れの様子を中間管
寄せの上方から見た図である。
【0044】本実施の形態では、実施の第1形態と同様
に、円筒体51の下部に、円筒体51の中心軸向きより
下向きに傾けて、入口管52同士を対向させて設置し、
出口管53を円筒体51の上部に対向させて設置してい
る。また、本実施の形態では、実施の第1形態における
L字型の堰54に代えて、円筒体51内に中央部を一定
幅で開口させた八字型の堰61を設置している。また、
堰61の円筒体51への取り付け位置は、八字型の堰6
1と円筒体51内壁に挟まれた出口管53付近の領域に
も水60を保有させ、さらにその出口管53下部の液領
域を安定化させ、出口管53から水60を安定させて流
出させるために、八字型の堰61の下端は、出口管53
の内面下側より出口管53内径の2〜3倍下方になるよ
うに、しかも、入口管52から円筒体51内へ流入する
蒸気55・水56の二相流体、あるいは蒸気55単相流
体を必ず堰61の内部を通過させるために、堰61の底
部が入口管52の開口部58内面上側より上方になるよ
うにしている。
【0045】さらに、堰61の高さは、堰61を越える
流体が直接出口管53開口部57付近の液面59を乱す
ことのないように、開口部57の内側上面より若干高く
した高さに、開口が形成されるようにしている。堰61
の頂端に形成される開口の幅は、流入流体が堰61を越
える際の流速が過大にならないようにし、さらに、中間
管寄せ50の適用流量で適切な流体の通過抵抗が確保で
き、円筒体51の長手方向に流体を混合できるように設
定する。また、八字型の堰61の角度は、円筒体51の
内径、堰61の高さ、堰61の開口幅、および堰61の
取り付け位置により、おのずと決まるが、八字型の堰6
1を越える流体が、堰61の壁面に沿って静かに流れる
ように傾けている。
【0046】(10)本実施の形態の中間管寄せ50b
は、上述したように、入口管52を出口管53より下部
に取り付けることにより、図3(a)に示すごとく、流
入する流体が水56・蒸気55二相流体、蒸気55単相
流体にかかわらず、必ず円筒体51内の保有水60中を
通過するため、流入流体と円筒体51内の保有水60と
の間で熱交換が行われ円筒体51から流出する流体の温
度が均一化される。
【0047】(11)また、入口管52を円筒体51の
中心軸に向けたから下方に傾けて円筒体51に取り付け
たことにより、流入から流出までの円筒体51内の保有
水60中通過距離および滞留時間を十分に長くでき、流
入する流体が水56・蒸気55二相流体、蒸気55単相
流体にかかわらず、流入流体と保有水60との熱交換が
十分に行われ、円筒体51より流出する流体の温度が均
一化される。
【0048】(12)また、円筒体51内に八字型の堰
61を設置したことにより、円筒体51から保有水60
が流出する出口管53開口部58付近の液面59が安定
するため、開口部58面積の水没割合の円筒体51長手
方向での変化、および時間的変化が小さくなるため、出
口管53から流出する流体の各出口管53への流量分配
が均一化される。
【0049】(13)また円筒体51内に八字型の堰6
1を設置したことにより、流入流体が最短距離を通って
流出することを防止でき、つまり、流入から流出までの
保有水中通過経路、滞留時間が短くなることを防止で
き、流体の温度が十分に均一化されずに流出することを
防止できる。
【0050】(14)円筒体51内に八字型の堰8を設
置したことにより、円筒体51内の流路面積が縮小さ
れ、それが流体が通過する際の抵抗となり、円筒体51
内を上昇する流体が整流され、かつ、その抵抗によっ
て、円筒体51内部を上昇する流量が均一化されるた
め、出口での流量分配が均一化される。
【0051】(15)円筒体51内に八字型の堰8を設
置することにより、八字型堰8を越えた流体が、八字型
堰8の壁面に沿って流れるため、出口付近の液面が乱さ
れにくくなり、出口での流量分配が均一化される。
【0052】(16)円筒体51内に八字型の堰61を
設置したことにより、水56・蒸気55二相流体が、八
字型の堰61を越えた時に一旦分離され、開口部57に
液面59が形成され、液面59の上方から蒸気が、液面
59の下方から保有水60が出口管53へ流出する。一
般的に単相流の分配は二相流の分配よりも均一に分配で
きるため、結果として、円筒体51の開口部57から流
出する流体流量分配が均一化される。
【0053】(17)また、入口管52同士を対向させ
て配置させたことにより、図9(a),図9(b)に示
すごとく、流入流体同士の衝突が起こる(干渉が大きく
なる)ため、円筒体51内に設置した八字型堰8よりも
下の領域で乱れが大きくなり、円筒体51長手方向の広
範囲にわたる、流入流体同士、あるいは流入流体と円筒
体51内の保有水の物理的な混合が実現できる。
【0054】なお、発生した乱れは八字型の堰61を通
過する際に整流され、かつ、堰61によって、堰61よ
り下部の混合領域(大きく乱れた領域)と出口付近の領
域は隔離され、出口付近の液面に乱れが生じないため、
出口での流量分配均一に保たれる。このように、本実施
の形態の中間管寄せでも、円筒体51から出口管53へ
流出する流体の各出口管への流体の蒸気55、水(保有
水60)の割合を含めた流量分配、および流出流体温度
を均一化できる。
【0055】次に、図10ないし図12は、本発明の中
間管寄せの実施の第4形態を示す図で、図10(a)は
俯瞰図、図10(b)は図10(a)に示す矢視A−A
における平面図、図11(a)は図10(b)に示す矢
視B−Bにおける断面図、図11(b)は図10(b)
に示す矢視C−Cにおける断面図、図12(a)は図1
1(a)断面における流れの様子を示す図、図12
(b)は流れの様子を中間管寄せの上方から見た図であ
る。
【0056】本実施の形態においては、円筒体51の下
部に、円筒体51中心軸向きより下向きに傾けて入口管
52を接続し、円筒体51の長手方向に千鳥配置に設置
し、また出口管51を円筒体51の上部に接続し、同様
に長手方向千鳥配置とし、円筒体51の同一横断面内
で、入口管52と同じ側に、出口管53を配置するよう
にしている。また、円筒体51内の中央部分に、実施の
第3形態で示したものと同一構造の、一定幅で開口させ
た八字型の堰54を、実施の第3形態と同様にして設置
している。
【0057】本実施の形態の中間管寄せ50cでは、上
述した実施の第3形態における(10)〜(16)の作
用、効果に加え、 (18)入口管52を円筒体51の長手方向に千鳥配置
とすることにより、円筒体51内に設置した一定幅で開
口した八字型の堰61よりも下の領域で、図12(b)
に示すごとく、流入流体が大きな渦を形成するため、円
筒体51長手方向の広範囲にわたる流入流体55,56
と円筒体51内保有水60との物理的な混合が実現でき
る。なお、発生した渦は八字型の堰61を通過する際に
整流され、かつ、八字型の堰61によって、堰61下部
の混合領域と円筒体51内に開口する出口管53の開口
部57付近の領域が隔離され、出口付近の液面の乱れは
生じないため、各出口管53への流量分配は均一に保た
れる。
【0058】(19)入口管52、出口管53を向かい
合わせとせず、円筒体51の同じ側に配置することによ
り、従来の中間管寄せ10での課題となっていた、流入
流体が入口管2と向かい合った出口管3から混合不十分
のまま流出することを防止できる。この流出経路の短絡
防止は、図12(a)に示すごとく円筒体51内に堰6
1を設置することによってさらに確実なものとなる。
【0059】本実施の形態でも、円筒体51から出口管
53へ流出する流体の各出口管への流体の分配、および
流出流体温度を均一化できる。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の中間管寄せ
によれば、特許請求の範囲に示す構成により、次の効果
が得られる。 (1)円筒体内へ流入する流体と円筒体内の保有水との
混合が促進され、両者の熱交換量が増加し、流出流体温
度を均一化できる。 (2)一部の入口管から過熱蒸気単相流体が流入した場
合でも、確実に円筒体内の保有水中を通過するため、出
口管から流出する蒸気過熱度を十分低減でき、流出流体
温度を均一化できる。 (3)円筒体から流出する流体の出口付近の液面が安定
し均一分配が実現できる。 (4)円筒体内を上昇する流体の流量を円筒体内の広範
囲で均一化できるため、各出口管から流出する流体の分
配も均一化できる。 (5)堰を越えた際に、蒸気と水が一旦分離され、それ
ぞれが単相流の状態で分配されるため、各出口管への流
量分配を均一化できる。 (6)流入流体が円筒体内の保有水中を通過する距離、
滞留時間を長くとることができ、流入流体同士、あるい
は流入流体と円筒体保有水との熱交換が十分に行え、出
口管から流出する流体の温度を均一化できる。 (7)流入流体が最短距離を通って流出することが防止
されるため、上述した(1),(2),(3)の効果が
確実に保証される。 以上により、従来の中間管寄せの課題であった、円筒体
から流出する流量分配性能、混合性能が改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中間管寄せの実施の第1形態を示す図
で、図1(a)は俯瞰図、図1(b)は図1(a)に示
す矢視A−Aにおける平面図、
【図2】図1に示す中間管寄せの横断面を示す図で、図
2(a)は図1(b)に示す矢視B−Bにおける断面
図、図2(b)は図1に示す矢視C−Cにおける断面
図、
【図3】図1に示す中間管寄せ内の流れの様子を示す図
で、図3(a)は図2(a)に示す断面における流れの
様子を示す図、図3(b)は流れの様子を中間管寄せの
上方から見た図、
【図4】本発明の中間管寄せの実施の第2形態を示す図
で、図4(a)は俯瞰図、図4(b)は図4(a)に示
す矢視A−Aにおける平面図、
【図5】図4に示す中間管寄せの横断面を示す図で、図
5(a)は図4(b)に示す矢視B−Bにおける断面
図、図5(b)は図4(b)に示す矢視C−Cにおける
断面図、
【図6】図4に示す中間管寄せ内の流れの様子を示す図
で、図6(a)は図5(a)断面における流れの様子を
示す図、図6(b)は流れの様子を中間管寄せの上方か
ら見た図、
【図7】本発明の中間管寄せの実施の第3形態を示す図
で、図7(a)は俯瞰図、図7(b)は図7(a)に示
す矢視A−Aにおける平面図、
【図8】図7に示す中間管寄せの横断面を示す図で、図
8(a)は図7(b)に示す矢視B−Bにおける断面
図、図8(b)は図7(b)に示す矢視C−Cにおける
断面図,
【図9】図7に示す中間管寄せ内の流れの様子を示す図
で、図9(a)は図8(a)断面における流れの様子を
示す図、図9(b)は流れの様子を中間管寄せの上方か
ら見た図、
【図10】本発明の中間管寄せの実施の第4形態を示す
図で、図10(a)は俯瞰図、図10(b)は図10
(a)に示す矢視A−Aにおける平面図、
【図11】図10に示す中間管寄せの横断面を示す図
で、図11(a)は図10(b)に示す矢視B−Bにお
ける断面図、図11(b)は図10(b)に示す矢視C
−Cにおける断面図、
【図12】図10に示す中間管寄せ内の流れの様子を示
す図で、図12(a)は図11(a)断面における流れ
の様子を示す図、図12(b)は流れの様子を中間管寄
せの上方から見た図、
【図13】従来の中間管寄せを示す図で、図13(a)
は俯瞰図、図13(b)は、図13(a)における矢視
A−A平面図、図13(c)は図13(b)における矢
視B−B断面図、図13(d)は図13(b)における
矢視C−C断面図、
【図14】図13に示す中間管寄せ内の流れの様子を示
す図で、図14(a)は図13(c)に示す断面におけ
る流れの様子を示す図、図14(b)は、同じく流れの
様子を上方から見た図である。
【符号の説明】
50 中間管寄せ 51 円筒体 52 入口管 53 出口管 54 (L字型)堰 55 蒸気 56 水 57 (出口管)開口部 58 (入口管)開口部 59 液面 60 保有水 61 (八字型)堰
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年6月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 中間管寄せ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸収冷凍機、空調
機等、フロン等の冷媒を用いた熱交換器・ヒートポンプ
等の管寄せに適用でき、また、貫流ボイラへの適用が特
に好適な中間管寄せ関する。
【0002】
【従来の技術】図13、図14は、水冷壁を垂直管構造
にした貫流ボイラの水冷壁中間部に設置される、従来の
中間管寄せを示す図で、図13(a)は、俯瞰図、図1
3(b)は、図13(a)における矢視A−A平面図、
図13(c)は、図13(b)における矢視B−B断面
図、図13(d)は、図13(b)における矢視C−C
断面図、図14(a)は、図13(c)に示す断面にお
ける流れの様子を示す図、図14(b)は、同じく流れ
の様子を上方から見た図である。
【0003】図13に示すように、中間管寄せ10は、
中心軸を水平にして配置された円筒体1の上部に、多数
の入口管2が中心軸方向に所定の間隔で取り付けられ、
また、多数の出口管3が、円筒体1の上部に中心軸方向
に所定の間隔で取り付けられて構成されている。そし
て、入口管2、出口管3の円筒体1への接続は、円筒体
1の同一横断面内に入口管2と出口管3とを向かい合わ
せて配置し、しかも円筒体1の中心軸方向には、入口管
2および出口管3が交互になるように接続されている。
【0004】このように形成された中間管寄せ10で
は、火炉を形成する水冷壁の蒸発管に接続されている多
数の入口管2より水4・蒸気5からなる二相流体、ある
いは蒸気5単相流体が、円筒体1内に流入し、円筒体1
内の保有水9と混合され、再び分配されて、出口管3よ
り火炉上部の水冷壁に設けた蒸発管へ流出する。このた
め、中間管寄せ10へ流入する水4・蒸気5二相流体
は、入口管2ごとに流量や気液の割合が異なっており、
また、貫流ボイラの運転状態によっては、流入する流体
としては、温度の異なる過熱蒸気が流入することもあ
る。中間管寄せ10は、このように流量、気液の割合、
あるいは温度の異なる流体を一旦混合し、均一な温度に
して、再び出口管3へ均等に分配するために設置され
る。
【0005】しかしながら、上述した従来の中間管寄せ
10は、以下のように、温度の均一化と流量および気液
の割合を均等にして出口管3へ分配する点で、改善の余
地があった。
【0006】(1)円筒体1内の液面6は、図示される
ように、出口管3の円筒体1からの出口部7付近のレベ
ルにできるため、従来の中間管寄せ10では、入口管2
が出口管3の円筒体1への取付け部より上部に取り付け
られている関係上、円筒体1への入口管2の開口部8
は、液面6より上部の液が存在しない領域に露出するこ
ととなる。したがって、円筒体1へ流入する流体は、液
面6よりも上方から液面6へ向かって打ち込まれるよう
にして円筒体1内へと流入する。
【0007】この円筒体1内へ流入する流体が、特に水
4・蒸気5二相流体である場合には、液面6への打ち込
みの慣性力が強いため、液面6を突き破るようにして円
筒体1内の保有水9中へ侵入し、円筒体1の下部壁面に
衝突し、図14(a)に示すように、出口管3へ直接向
かう流れAと、流体を流入させた入口管2側の方向へ向
かう流れBとに分岐し、それぞれ円筒体1内壁面に沿っ
て上昇する。
【0008】上述したように、従来の中間管寄せ10
は、入口管2と出口管3が向かい合わせに配置され、円
筒体1に接続されているため、流入流体Aが上昇した直
上には、円筒体1に取り付けられた出口管3の開口部7
があり、そこから流入流体Aの大部分が流出する。他
方、流入流体Bが上昇した液面6上には、円筒体1の中
心軸方向に、流入流体A,Bを円筒体1内に流入させた
入口管に隣接して、出口管3の開口部7が設けられて
おり、そこから大部分が流出する。このため、出口管3
から流出する流体は、円筒体1の中心軸方向に近接し
て、又は、対向して配置された入口管2での流量分布の
影響を強く受けることとなり、均等の流量、および性状
の流体を流出させる必要のある出口管3への均等分配上
に改善の余地があった。
【0009】(2)円筒体1に取り付けられる出口管3
の開口部7の下部は水没し、上部は水の存在しない領域
に露出した状態にある。従って、開口部7の面積のう
ち、水没した面積とそうでない面積の割合によって、出
口管3から流出する蒸気・水(気液)の流出割合は決ま
る。また、従来の中間管寄せ10では、(1)項で述べ
た流入流体A,Bの上昇に伴い、液面6が押し上げら
れ、その押し上げられた液面6は、不規則に、かつ非定
常に乱れる。このため、出口管3の開口部面積の水没割
合が、円筒体1の中心軸方向に不規則に非定常的に変化
することとなり、円筒体1の中心軸方向に配設させた流
出管3の全てから、一定の蒸気・水の割合、かつ均等な
流量の出口管3への分配に改善の余地があった。
【0010】(3)円筒体1に取り付けられる入口管2
同士が、対向して配置されていないため、流入する流体
同士の干渉(衝突)は少なく、入口管2から対向した出
口管3への管寄せ1断面内の流れが発生する反面、円筒
体1の中心軸方向の流れは、ほとんど発生しない。この
ために、円筒体1内での流体の混合は、円筒体1中心軸
方向(長手方向)の狭い領域に限られており、広範囲に
渡る混合は生じにくく、中間管寄せ10としての機能上
改善の余地があった。
【0011】(4)また、円筒体1内に流入する流入流
体が、蒸気5単相流である場合には、液面6への打ち込
みの慣性力が小さく液面6を突き破るようなことはな
く、図14に示すように、液面6に沿って出口管3の開
口部7へ向かう流れCとなり、出口管3から流出する。
このため、円筒体1内に流入した蒸気5が過熱状態であ
る場合は、過熱蒸気と円筒体1内の保有水との熱交換量
は小さく、従って、流入する過熱蒸気はほとんど減温さ
れないこととなり、この点の改善の余地があった。
【0012】(5)円筒体1の中心軸方向に配設された
各入口管2での流入量に差が生じた場合、上述(3)項
で述べたように、円筒体1の中心軸方向の流れがほとん
ど発生しないため、流入量が大きい入口管2近傍の円筒
体1内の液面を上昇させ、出口管3から流出する流体の
円筒体1の中心軸方向の流量分布に差が生じ、出口管3
に流出する流量の均等分配上改善の余地がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の中間管寄せの不具合を解消するため、中間管寄せの
中心軸方向に配設された流入管のそれぞれから円筒体内
に流入した流体を、均等な、流量、温度、および蒸気・
水の割合の流体にして、円筒体の中心軸方向に配設され
た流出管の全てから流出させることができるとともに、
円筒体内に流入した流体と円筒体内の保有水との熱交換
が促進できる中間管寄せを提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の中間
管寄せは、次の手段とした。
【0015】(1)水平に配置された中間管寄せを構成
する円筒体の中心軸より下方向に向けた植込み角度にさ
れ、両側から対向させて円筒体の下部に接続され、円筒
体の中心軸方向に所定の間隔で配置された入口管を設け
た。
【0016】(2)両側から対向させて円筒体の入口管
接続部よりも上部に接続され、しかも円筒体の中心軸方
向に配設された隣接する入口管の双方の間に出口管を
配置して設けた。従って、出口管も円筒体の中心軸方向
に所定の間隔で配設されることとなる。
【0017】(3)円筒体の下部に接続された入口管の
円筒体内部への開口部より上方で、しかも円筒体の上部
に接続された出口管の円筒体内部への開口部より下方
の、両側内壁から双方の間隔が狭くなるようにして起立
され、出口管の開口部よりも上方の、円筒体の上部に、
開口を形成するとともに、中心軸を挟んで向い合った
切り板状の堰を設けた。なお、円筒体の上方の両側内壁
から上昇させて設ける堰は、横断面形状を、八形若しく
はL字と逆L字を対向して配設した形状にすることが望
ましい。
【0018】本発明の中間管寄せは、上述(1)〜
(3)の手段により、 (1′)入口管を出口管より下部に取り付けることによ
り、流入する蒸気・水二相流体は、必ず円筒体内の保有
水中を通過する。また、一部の入口管より蒸気単相流体
が流入した場合でも、流入した蒸気単相流は、小さな蒸
気泡となり必ず保有水中を通過する。また、入口管を円
筒体の中心軸向きから下方に傾けて取り付ける事によ
り、流入から流出までの流入流体の保有水中通過距離お
よび滞留時間を長くとれる。
【0019】(2′)さらに入口管同士を対向させて配
置させることにより、流入流体同士の衝突が起こり、混
合が促進される。
【0020】(3′)出口管を入口管の円筒体への取り
付け位置より上部に取り付け、仕切り板状の堰によっ
て、出口管の円筒体内への開口部と入口管の開口部を隔
離したことにより、円筒体内に入口管から流入した流体
が、最短距離を通って出口管から流出することが防止さ
れ、流入から流出までの保有水中通過距離、滞留時間が
長くなる。また、円筒体内に流入した流体が堰の上部に
設けた開口で一旦分離され、出口で再分配されるため、
出口管から流出する流体の蒸気・水の割合、および流量
が均一になる。
【0021】(4′)円筒体内に上方が狭くなる仕切り
板状の堰を設置することにより、出口管開口部付近の液
面が安定するとともに、円筒体内の流れが整流されるた
め、出口での流量が均一化される。
【0022】また、請求項2に示す本発明の中間管寄せ
は、次の手段とした。
【0023】(4)水平に配置された中間管寄せを構成
する円筒体の中心軸より下方向を向く植込み角度にさ
れ、円筒体の下部に接続されて、円筒体の中心軸方向に
千鳥状に配置した入口管を設けた。
【0024】(5)入口管が接続された円筒体の同一側
の同一横断面内で、しかも同筒体への入口管接続部より
上方に、出口管を接続して設けた。従って、出口管の円
筒体の中心軸方向への配置も入口管と同様に千鳥状にな
る。
【0025】(6)前記(3)と同等の堰を設けた。
【0026】本発明の中間管寄せは、上述(4)〜
(6)の手段により、上述した(1′),(3′),
(4′)に加え、(b)入口管および出口管を千鳥配置
とし、円筒体の同一横断面で入口管および出口管を向か
い合わせとせずに、同一側の円筒体の上、下に配置する
ことにより、流入管から流入した流入流体が、向かい合
った出口管から直ちには流出せず、円筒体内で大きな渦
を形成し、円筒体の中心軸方向(長手方向)に流動して
円筒体内における混合が促進される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の中間管寄せの実施
の一形態を、図面にもとづき説明する。図1ないし図3
は、本発明の中間管寄せの実施の第1形態を示す図で、
図1(a)は俯瞰図、図1(b)は図1(a)に示す矢
視A−Aにおける平面図、図2(a)は図1(b)に示
す矢視B−Bにおける断面図、図2(b)は図1(b)
に示す矢視C−Cにおける断面図、図3(a)は図2
(a)に示す断面における流れの様子を示す図、図3
(b)は流れの様子を中間管寄せの上方から見た図であ
る。
【0028】図に示すように、中間管寄せ50は、中心
軸を水平にして配置された円筒体51、円筒体51の下
部に、円筒体51の中心軸を向く方向より下向きに傾け
た植込み角度にされ、円筒体51の両側から対向させて
円筒体51に接続された入口管52、入口管52の接続
部より上方の円筒体51の上部に対向させて円筒体51
に接続された出口管53、および円筒体51内の上方に
中央部分を一定幅で開口させ、円筒体51の中心軸方向
(長手方向)に配設した、断面形状が円筒体51の両側
内壁面から中心部に向けて底面を形成するとともに、中
心部の底面端部から上方に起立させ、双方の間隔を上方
で狭くしたL字型の堰54からなる。なお、L字型の堰
54の底面は、堰54の下部に蒸気溜まりが発生しない
ように、円筒体51の中央部に向けて若干高くなるよう
にした傾斜を設けるようにしている。
【0029】また、堰54の円筒体51への取り付け位
置は、堰54底面より上の領域にも水60を保有させ、
さらに、出口管53の円筒体51への開口部57付近の
液領域を安定化させ、出口管53から水60を安定させ
て流出させるために、堰54の底面が出口管53の開口
部57内面下側より、出口管53内径の2〜3倍下方に
なるように、しかも、入口管52から円筒体51内へ流
入する蒸気55・水56の二相流体、あるいは蒸気55
単相流体を必ず堰54の内部を通過するように、堰54
の底面が入口管52の開口部58内面上側より上方にな
るようにして、円筒体51の両側内壁面に固着してい
る。
【0030】さらに、堰54の高さは、堰54を越える
流体が直接出口管53開口部57付近の液面59を乱
すことのないように、開口部57の内側上面より若干高
くした開口が形成されるようにしている。L字型の堰5
4の頂端に形成される開口の幅は、流入流体が堰54を
越える際の流速が過大にならないようにし、さらに中間
管寄せ50の適用流量で、適切な流体の通過抵抗が確保
でき、円筒体51の長手方向に流体を混合できるように
設定する。また、堰54の底面の幅は、開口部57付近
の液面の安定のために、出口管53の内径のおよそ2倍
程度は確保するようにしている。
【0031】本実施の形態の中間管寄せ50では、 (1)入口管52を出口管53より下部に取り付けるこ
とにより、図3(a)に示すごとく、流入する流体が水
56・蒸気55二相流体、蒸気55単相流体にかかわら
ず、必ず円筒体51内の保有水60中を通過するため、
流入流体と円筒体51内の保有水60との間で熱交換が
行われ、円筒体51から流出する流体の温度が均一化さ
れる。
【0032】(2)また、入口管52をその軸心が円筒
体51の中心軸に向く方向から下方に傾けて円筒体51
に取り付けたことにより、円筒体51内への流入から流
出までの保有水60中の通過距離、および滞留時間を十
分に長くでき、流入する流体が水56・蒸気55二相流
体、蒸気55単相流体にかかわらず、流入流体と保有水
60との熱交換が十分に行われ、円筒体51より流出す
る流体の温度が均一化される。
【0033】(3)また、円筒体51内にL字型の堰5
4を設置したことにより、円筒体51から保有水60が
流出する出口管53の開口部57付近の液面59が安定
するため、開口部57の面積の水没割合の円筒体51長
手方向での変化、および時間的変化が小さくなるため、
出口管53から流出する流体の各出口管53ごとの流
量分配が均一化される。
【0034】(4)また、円筒体51内にL字型の堰5
4を設置したことにより、流入流体が最短距離を通って
流出することが防止され、つまり、流入から流出までの
保有水中通過経路、滞留時間が短くなることを防止で
き、流体の温度が十分に均一化されずに流出することを
防止できる。
【0035】(5)円筒体51内にL字型の堰54を設
置したことにより、円筒体51内の流路面積が縮小され
ることとなり、それが流体が通過する際の抵抗となり、
円筒体51内を上昇する流体が整流され、かつ、その抵
抗によって、円筒体51内部を上昇する流量が均一化さ
れるため、出口での流量分配が均一化される。
【0036】(6)円筒体51内にL字型の堰54を設
置したことにより、水56・蒸気55二相流体が、堰5
4を越えた時に、一旦分離され、開口部57に液面59
が形成され、液面59の上方から蒸気が、液面59の下
方から保有水60が出口管53へ流出する。一般的に単
相流の分配は、二相流の分配よりも均一に分配されるた
め、結果として、円筒体51の開口部57から流出する
流体の流量分配が均一化される。
【0037】(7)また、入口管52同士を対向させて
配置させたことにより、図3(a)、図3(b)に示す
ごとく、流入流体同士の衝突が起こる(干渉が大きくな
る)ため、円筒体51内に設置した堰54の底面レベル
よりも下の領域で乱れが大きくなり、円筒体51長手方
向の広範囲にわたる、流入流体同士、あるいは流入流体
と円筒体51内の保有水の物理的な混合が実現できる。
なお、発生した乱れは、L字型の堰54を通過する際に
整流され、かつ、堰54によって、堰54底面より下部
の混合領域(大きく乱れた領域)と円筒体51から流出
する流体の出口付近、すなわち、開口部57付近の領域
は隔離され、出口付近の液面に乱れが生じないため、出
口での流量分配は均一に保たれる。
【0038】上述した(1)〜(7)により、円筒体5
1から出口管53へ流出する流体の各出口管53ごと
流出流体の蒸気・水の割合を含めた流量分配、および流
出流体温度を均一化できる。
【0039】次に、図4ないし図6は、本発明の中間管
寄せの実施の第2形態を示す図で、図4(a)は俯瞰
図、図4(b)は図4(a)に示す矢視A−Aにおける
平面図、図5(a)は図4(b)に示す矢視B−Bにお
ける断面図、図5(b)は図4(b)に示す矢視C−C
における断面図、図6(a)は図5(a)断面における
流れの様子を示す図、図6(b)は流れの様子を中間管
寄せの上方から見た図である。
【0040】本実施の形態においては、円筒体51の下
部に、円筒体51中心軸に向けた方向より下向きに傾け
て入口管52を接続し、円筒体51の長手方向に千鳥配
置に設置した。また、出口管53を円筒体51の上部に
接続し、同様に長手方向千鳥配置となるように、円筒体
51の同一横断面で入口管52と同じ側に出口管53を
配置するようにしている。また、円筒体51内の中央部
分に、実施の第1形態で示したものと同一構造の、一定
幅で開口させたL字型の堰54を、実施の第1形態と同
様にして設置している。
【0041】本実施の形態の中間管寄せ50aでは、上
述した実施の第1形態における(1)〜(6)に加え、 (8)入口管52を円筒体51の長手方向に千鳥配置と
することにより、円筒体51内に設置した、中央部のみ
一定幅で開口したL字型の堰54の底面レベルよりも下
の領域で、図6(b)に示すごとく、入口管52から円
筒体51内に流入した流入流体が、大きな渦を形成する
ため、円筒体51長手方向の広範囲にわたる流入流体5
5,56と円筒体51内保有水60との物理的な混合が
実現でき、円筒体51から流出する流体の性状を均一化
できる。なお、発生した渦は、堰54を通過する際に整
をされ、かつ、堰54によって、堰54下部の混合領
域と円筒体51内に開口する出口管53の開口部57付
近(出口付近)の領域が隔離され、出口付近の液面の乱
れは生じないため、各出口管53への流量分配は均一に
保たれる。
【0042】(9)入口管52、出口管53を向かい合
わせとせず、両方とも円筒体51の同じ側に配置するこ
とにより、従来の中間管寄せ10での課題となってい
た、流入流体が流入した入口管2と向かい合った出口管
3から、流入流体が混合不十分のまま流出することが防
止できる。この流出経路の短絡防止は、図6(a)に示
すごとく、円筒体51内に堰54を設置することによっ
て、さらに確実なものとなる。このように、本実施の形
態の中間管寄せ50aでも、円筒体51から出口管53
へ流出する流体の各出口管への流出流体の分配、および
流出流体温度を均一化できる。
【0043】次に、図7ないし図9は、本発明の中間管
寄せの実施の第3形態を示す図で、図7(a)は俯瞰
図、図7(b)は図7(a)に示す矢視A−Aにおける
平面図、図8(a)は図7(b)に示す矢視B−Bにお
ける断面図、図8(b)は図7(b)に示す矢視C−C
における断面図、図9(a)は図8(a)断面における
流れの様子を示す図、図9(b)は流れの様子を中間管
寄せの上方から見た図である。
【0044】本実施の形態では、実施の第1形態と同様
に、円筒体51の下部に、円筒体51の中心軸向きより
下向きに傾けて、入口管52同士を対向させて設置し、
出口管53を円筒体51の上部に対向させて設置してい
る。また、本実施の形態では、実施の第1形態における
L字型の堰54に代えて、円筒体51内に中央部を一定
幅で開口させた八字型の堰61を設置している。また、
堰61の円筒体51への取り付け位置は、八字型の堰6
1と円筒体51内壁に挟まれた出口管53付近の領域に
も水60を保有させ、さらにその出口管53下部の液領
域を安定化させ、出口管53から水60を安定させて流
出させるために、八字型の堰61の下端は、出口管53
の内面下側より出口管53内径の2〜3倍下方になるよ
うに、しかも、入口管52から円筒体51内へ流入する
蒸気55・水56の二相流体、あるいは蒸気55単相流
体を必ず堰61の内部を通過させるために、堰61の底
部が入口管52の開口部58内面上側より上方になるよ
うにしている。
【0045】さらに、堰61の高さは、堰61を越える
流体が直接出口管53開口部57付近の液面59を乱
すことのないように、開口部57の内側上面より若干高
くした高さに、開口が形成されるようにしている。堰6
1の頂端に形成される開口の幅は、流入流体が堰61を
越える際の流速が過大にならないようにし、さらに、中
間管寄せ50の適用流量で適切な流体の通過抵抗が確保
でき、円筒体51の長手方向に流体を混合できるように
設定する。また、八字型の堰61の角度は、円筒体51
の内径、堰61の高さ、堰61の開口幅、および堰61
の取り付け位置により、おのずと決まるが、八字型の堰
61を越える流体が、堰61の壁面に沿って静かに流れ
るように傾けている。
【0046】(10)本実施の形態の中間管寄せ50b
は、上述したように、入口管52を出口管53より下部
に取り付けることにより、図(a)に示すごとく、流
入する流体が水56・蒸気55二相流体、蒸気55単相
流体にかかわらず、必ず円筒体51内の保有水60中を
通過するため、流入流体と円筒体51内の保有水60と
の間で熱交換が行われ円筒体51から流出する流体の温
度が均一化される。
【0047】(11)また、入口管52を円筒体51の
中心軸に向けた方向より下方に傾けて円筒体51に取り
付けたことにより、流入から流出までの円筒体51内の
保有水60中通過距離および滞留時間を十分に長くで
き、流入する流体が水56・蒸気55二相流体、蒸気5
5単相流体にかかわらず、流入流体と保有水60との熱
交換が十分に行われ、円筒体51より流出する流体の温
度が均一化される。
【0048】(12)また、円筒体51内に八字型の堰
61を設置したことにより、円筒体51から保有水60
が流出する出口管53開口部57付近の液面59が安
定するため、開口部57の面積の水没割合の円筒体51
長手方向での変化、および時間的変化が小さくなるた
め、出口管53から流出する流体の各出口管53ごと
流量分配が均一化される。
【0049】(13)また円筒体51内に八字型の堰6
1を設置したことにより、流入流体が最短距離を通って
流出することを防止でき、つまり、流入から流出までの
保有水中通過経路、滞留時間が短くなることを防止で
き、流体の温度が十分に均一化されずに流出することを
防止できる。
【0050】(14)円筒体51内に八字型の堰61
設置したことにより、円筒体51内の流路面積が縮小さ
れ、それが流体が通過する際の抵抗となり、円筒体51
内を上昇する流体が整流され、かつ、その抵抗によっ
て、円筒体51内部を上昇する流量が均一化されるた
め、出口での流量分配が均一化される。
【0051】(15)円筒体51内に八字型の堰61
設置することにより、八字型堰61を越えた流体が、八
字型堰61の壁面に沿って流れるため、出口付近の液面
が乱されにくくなり、出口での流量分配が均一化され
る。
【0052】(16)円筒体51内に八字型の堰61を
設置したことにより、水56・蒸気55二相流体が、八
字型の堰61を越えた時に一旦分離され、開口部57に
液面59が形成され、液面59の上方から蒸気が、液面
59の下方から保有水60が出口管53へ流出する。一
般的に単相流の分配は二相流の分配よりも均一に分配で
きるため、結果として、円筒体51の開口部57から流
出する流体流量分配が均一化される。
【0053】(17)また、入口管52同士を対向させ
て配置させたことにより、図9(a),図9(b)に示
すごとく、流入流体同士の衝突が起こる(干渉が大きく
なる)ため、円筒体51内に設置した八字型堰61より
も下の領域で乱れが大きくなり、円筒体51長手方向の
広範囲にわたる、流入流体同士、あるいは流入流体と円
筒体51内の保有水の物理的な混合が実現できる。
【0054】なお、発生した乱れは八字型の堰61を通
過する際に整流され、かつ、堰61によって、堰61よ
り下部の混合領域(大きく乱れた領域)と出口付近の領
域は隔離され、出口付近の液面に乱れが生じないため、
出口での流量分配均一に保たれる。このように、本実
施の形態の中間管寄せでも、円筒体51から出口管53
へ流出する流体の各出口管への流体の蒸気55、水(保
有水60)の割合を含めた流量分配、および流出流体温
度を均一化できる。
【0055】次に、図10ないし図12は、本発明の中
間管寄せの実施の第4形態を示す図で、図10(a)は
俯瞰図、図10(b)は図10(a)に示す矢視A−A
における平面図、図11(a)は図10(b)に示す矢
視B−Bにおける断面図、図11(b)は図10(b)
に示す矢視C−Cにおける断面図、図12(a)は図1
1(a)断面における流れの様子を示す図、図12
(b)は流れの様子を中間管寄せの上方から見た図であ
る。
【0056】本実施の形態においては、円筒体51の下
部に、円筒体51中心軸向きより下向きに傾けて入口管
52を接続し、円筒体51の長手方向に千鳥配置に設置
し、また出口管53を円筒体51の上部に接続し、同様
に長手方向千鳥配置とし、円筒体51の同一横断面内
で、入口管52と同じ側に、出口管53を配置するよう
にしている。また、円筒体51内の中央部分に、実施の
第3形態で示したものと同一構造の、一定幅で開口させ
た八字型の堰61を、実施の第3形態と同様にして設置
している。
【0057】本実施の形態の中間管寄せ50cでは、上
述した実施の第3形態における(10)〜(16)の作
用、効果に加え、 (18)入口管52を円筒体51の長手方向に千鳥配置
とすることにより、円筒体51内に設置した一定幅で開
口した八字型の堰61よりも下の領域で、図12(b)
に示すごとく、流入流体が大きな渦を形成するため、円
筒体51長手方向の広範囲にわたる流入流体55,56
と円筒体51内保有水60との物理的な混合が実現でき
る。なお、発生した渦は八字型の堰61を通過する際に
整流され、かつ、八字型の堰61によって、堰61下部
の混合領域と円筒体51内に開口する出口管53の開口
部57付近の領域が隔離され、出口付近の液面の乱れは
生じないため、各出口管53への流量分配は均一に保た
れる。
【0058】(19)入口管52、出口管53を向かい
合わせとせず、円筒体51の同じ側に配置することによ
り、従来の中間管寄せ10での課題となっていた、流入
流体が入口管2と向かい合った出口管3から混合不十分
のまま流出することを防止できる。この流出経路の短絡
防止は、図12(a)に示すごとく円筒体51内に堰6
1を設置することによってさらに確実なものとなる。
【0059】本実施の形態でも、円筒体51から出口管
53へ流出する流体の各出口管への流体の分配、および
流出流体温度を均一化できる。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の中間管寄せ
によれば、特許請求の範囲に示す構成により、次の効果
が得られる。 (1)円筒体内へ流入する流体同士、あるいは、流入す
る流体と円筒体内の保有水との混合が促進され、両者の
熱交換量が増加し、流出流体温度を均一化できる。 (2)一部の入口管から過熱蒸気単相流体が流入した場
合でも、確実に円筒体内の保有水中を通過するため、出
口管から流出する蒸気過熱度を十分低減でき、流出流
体温度を均一化できる。 (3)円筒体から流出する流体の出口付近の液面が安定
し均一分配が実現できる。 (4)円筒体内を上昇する流体の流量を円筒体内の広範
囲で均一化できるため、各出口管から流出する流体の分
配も均一化できる。 (5)堰を越えた際に、蒸気と水が一旦分離され、それ
ぞれが単相流の状態で分配されるため、各出口管への流
量分配を均一化できる。 (6)流入流体が円筒体内の保有水中を通過する距離、
滞留時間を長くとることができ、流入流体同士、あるい
は流入流体と円筒体保有水との熱交換が十分に行え、出
口管から流出する流体の温度を均一化できる。 (7)流入流体が最短距離を通って流出することが防止
されるため、上述した(1),(2),(3)の効果が
確実に保証される。 以上により、従来の中間管寄せの課題であった、円筒体
から流出する流量分配性能、混合性能が改善できる。
【発明の詳細な説明】
【図1】本発明の中間管寄せの実施の第1形態を示す図
で、図1(a)は俯瞰図、図1(b)は図1(a)に示
す矢視A−Aにおける平面図、
【図2】図1に示す中間管寄せの横断面を示す図で、図
2(a)は図1(b)に示す矢視B−Bにおける断面
図、図2(b)は図1に示す矢視C−Cにおける断面
図、
【図3】図1に示す中間管寄せ内の流れの様子を示す図
で、図3(a)は図2(a)に示す断面における流れの
様子を示す図、図3(b)は流れの様子を中間管寄せの
上方から見た図、
【図4】本発明の中間管寄せの実施の第2形態を示す図
で、図4(a)は俯瞰図、図4(b)は図4(a)に示
す矢視A−Aにおける平面図、
【図5】図4に示す中間管寄せの横断面を示す図で、図
5(a)は図4(b)に示す矢視B−Bにおける断面
図、図5(b)は図4(b)に示す矢視C−Cにおける
断面図、
【図6】図4に示す中間管寄せ内の流れの様子を示す図
で、図6(a)は図5(a)断面における流れの様子を
示す図、図6(b)は流れの様子を中間管寄せの上方か
ら見た図、
【図7】本発明の中間管寄せの実施の第3形態を示す図
で、図7(a)は俯瞰図、図7(b)は図7(a)に示
す矢視A−Aにおける平面図、
【図8】図7に示す中間管寄せの横断面を示す図で、図
8(a)は図7(b)に示す矢視B−Bにおける断面
図、
【図9】図7に示す中間管寄せ内の流れの様子を示す図
で、図9(a)は図8(a)断面における流れの様子を
示す図、図9(b)は流れの様子を中間管寄せの上方か
ら見た図、
【図10】本発明の中間管寄せの実施の第4形態を示す
図で、図10(a)は俯瞰図、図10(b)は図10
(a)に示す矢視A−Aにおける平面図、
【図11】図10に示す中間管寄せの横断面を示す図
で、図11(a)は図10(b)に示す矢視B−Bにお
ける断面図、図11(b)は図10(b)に示す矢視C
−Cにおける断面図、
【図12】図10に示す中間管寄せ内の流れの様子を示
す図で、図12(a)は図11(a)断面における流れ
の様子を示す図、図12(b)は流れの様子を中間管寄
せの上方から見た図、
【図13】従来の中間管寄せを示す図で、図13(a)
は俯瞰図、図13(b)は、図13(a)における矢視
A−A平面図、図13(c)は図13(b)における矢
視B−B断面図、図13(d)は図13(b)における
矢視C−C断面図、
【図14】図13に示す中間管寄せ内の流れの様子を示
す図で、図14(a)は図13(c)に示す断面におけ
る流れの様子を示す図、図14(b)は、同じく流れの
様子を上方から見た図である。
【符号の説明】10, 50 中間管寄せ1, 51 円筒体2, 52 入口管3, 53 出口管5, 54 (L字型)堰 55 蒸気4, 56 水7, 57 (出口管)開口部8, 58 (入口管)開口部6, 59 液面9, 60 保有水 61 (八字型)堰
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩尾 光次 長崎市深堀町5丁目717番1号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 菱田 正志 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 小林 由則 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株式 会社長崎造船所内 (72)発明者 須藤 隆之 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株式 会社長崎造船所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心軸を水平にして設置された円筒体で
    形成され、外周に入口管および出口管が前記円筒体の中
    心軸方向に多数接続された中間管寄せにおいて、前記中
    心軸より下方向を向く植込み角度にされ、前記円筒体の
    下部に両側から対向させて接続され、前記円筒体の中心
    軸方向に所定の間隔で配設された前記入口管と、前記円
    筒体の上部に両側から対向させて接続され、前記円筒体
    の中心軸方向に配設された前記入口管の間に配設された
    前記出口管と、前記円筒体内への前記入口管の開口部上
    方の両側内壁から、相方の間隔が狭くなるように起立さ
    れ、前記出口管の開口部より上方に開口を設け、前記円
    筒体の中心軸方向に配設された堰とを設けたことを特徴
    とする中間管寄せ。
  2. 【請求項2】 中心軸が水平にして設置された円筒体で
    形成され、外周に入口管および出口管が前記円筒体の中
    心軸方向に多数に接続された中間管寄せにおいて、前記
    中心軸より下方向を向く植込み角度にされ、前記円筒体
    の下部に接続され、前記円筒体の軸方向に千鳥状に配設
    された前記入口管と、前記入口管が接続された前記円筒
    体の同一側の同一横断面の前記入口管上部に接続され、
    前記円筒体の中心軸方向に配設された前記出口管と、前
    記円筒体への前記入口管の開口部上方の両側内壁から相
    方の間隔が狭くなるように起立され、前記出口管の開口
    部より上方に開口を設け、前記円筒体の中心軸方向に配
    設された堰とを設けたことを特徴とする中間管寄せ。
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