JPH0918902A - ディスプレイモデルを用いた視覚的キャラクタリゼーション - Google Patents

ディスプレイモデルを用いた視覚的キャラクタリゼーション

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JPH0918902A
JPH0918902A JP15455096A JP15455096A JPH0918902A JP H0918902 A JPH0918902 A JP H0918902A JP 15455096 A JP15455096 A JP 15455096A JP 15455096 A JP15455096 A JP 15455096A JP H0918902 A JPH0918902 A JP H0918902A
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Scott J Daly
スコット・ジェイ・デイリー
Hsien Che Lee
シェン・チェ・リー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスプレイに対して完全なキャラクタリゼ
ーション(特性試験)を行うための視覚的なディスプレ
イ較正方法を提供すること。 【解決手段】 ディスプレイの特性を検知するための方
法であって、ディスプレイを形成するための入力信号に
対して、ディスプレイの物理的出力を関連付ける複数の
パラメータを有するディスプレイモデルを生成する工程
と、オブザーバーに視覚的選択基準を与えることを可能
とするパターンをディスプレイに表示するための複数の
制御信号を生成するように、人間の視覚システムのモデ
ルを取り入れる工程と、パターンを形成するために、デ
ィスプレイに複数の制御信号を送る工程と、ディスプレ
イから特定のパターンを選択する工程と、選択されたパ
ターンからパラメータ値を決定する工程と、モデルに対
してパラメータ値を適用することで、ディスプレイの特
性を決定する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイの視
覚的キャラクタリゼーション(characterization)(特性
試験)に係り、特に較正用ハードウエア機器を用いない
ディスプレイの視覚的キャラクタリゼーションに関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】専用
の機器を用いずに人間の視覚システムを用いて、ディス
プレイのキャラクタリゼーション(特性試験)を実施す
ることを視覚的キャラクタリゼーションと称する。専用
機器を用いずに、オブザーバーによりキャラクタリゼー
ションを実施する利点としては、コストおよび訓練にお
ける節減効果が上げられる。また、視覚的キャラクタリ
ゼーションの不利な点としては、専用機器に基づいた方
法よりも精度が劣ることが上げられる。結果として、そ
れぞれの仕様に応じて最適である種々の適用方法が存在
することになる。この際、キーポイントとなるのが、コ
ストと画質との間のトレードオフ関係である。キャラク
タリゼーションの適用対象としては、ソフトコピー較
正、デスクトップパブリッシング(デスクトップ出
版)、テレビ会議あるいは通常の画像交換におけるディ
スプレイの階調較正、および、科学的ビジュアライゼー
ションのための画像較正等がある。
【0003】ディスプレイの視覚的キャラクタリゼーシ
ョンのための幾つかの従来的技術が、既に報告されてい
る。1994年3月29日にEdgar氏等に付与されたアメリカ合
衆国特許5,298,993号の”ディスプレイ較正(Display Ca
libration)”では、中実(ベタ塗り)のグレイレベル領
域に対して高い周波数のバイナリパターンを整合(マッ
チング)させる方法が開示されている。この方法は、高
い周波数のパターンを平均化させる目の光学的特性に基
づいている。Edgar氏等の記載によれば、ディスプレイ
の階調スケールを較正するために、例えばコントラスト
に関するハードウエア・ノブ(hardware knob)の設定を
行うために、上記の方法が用いられる。この特許では、
液晶表示装置(LCD)、ラスタ走査ディスプレイ、プ
リンタ、および複写機等の多数のディスプレイに対する
適用が記載されている。Edgar氏等は、この特許におい
て、専用機器を用いない最初の客観的なディスプレイ較
正システムあるいはディスプレイ較正方法を提供するこ
とを意図していた。また、Edgar氏等は、ディスプレイ
の階調スケール特性の計測に対しても、本発明による方
法が適用可能であると指摘している。このような計測
は、ディスプレイのキャラクタリゼーションと称されて
いる。Edgar氏等により開示された方法に基づいてディ
スプレイの階調スケールに対するキャラクタリゼーショ
ンを実施するためには、グレイスケール範囲にわたっ
て、ディスプレイ装置に関する多数の出力値を測定する
必要がある。この手法は、煩雑で、遅く、さらに誤差を
導くという欠点を有している。
【0004】また、1993年5月18日にArazi氏等に付与さ
れたアメリカ合衆国特許5,212,546号の”基準画像を用
いたカラー修正システム(Color Correction System Emp
loy-ing Reference Pictures)”には、ソフトコピーの
較正を適用対象とした基準画像の使用に関して記載され
ている。これらの基準画像は、(テストターゲット(tes
t target)ではなく、)実際の画像であることが意図さ
れている。この手法では、幾つかの基準画像をプリント
する較正システムが用いられている。そして、対象とな
るCRTディスプレイ上に較正された基準画像が表示さ
れる。このCRTディスプレイ上の画像は、(通常で
は、ゲインおよびオフセット値等のオブザーバーが制御
可能である要因に関して、)対応するプリント形態の画
像にできる限り近接するように、手動により調整され
る。しかし、このような目的を達するためのディスプレ
イの実際の較正(調整)方法に関する指針が示されては
いない。マッチングが完了すると、システムにより、オ
ブザーバーが取り扱う実際の画像に伴って、基準画像が
表示される。この発明の概念は、基準画像に対してオブ
ザーバーがプリント画像とCRT画像とを比較すること
が可能であり、そして、CRTディスプレイ上に表示さ
れた実際の画像が、同じシステムでプリント出力された
場合に、どのような表示が得られるかを推定可能なこと
である。Arazi氏の特許では、オブザーバーにより観察
される画像が使用されてはいるが、オブザーバーにより
観察された画像をディスプレイを実際に較正するために
用いるのではなく、この特許では、オブザーバーにより
観察された画像が、作業画像を修正する意志決定過程に
おいてオブザーバーに指針を与えるために用いられてい
る。それゆえ、この特許は、専用機器を用いないでディ
スプレイの較正の実施というよりも、CRT画像からプ
リント画像への精神的変換においてオブザーバーを支援
する方法に関して記載がなされている。この結果、オブ
ザーバーがCRT画像を変更した際に、この画像がハー
ドコピーとして表示された際の画像をオブザーバーが想
像することが可能となる。この方法の問題点は、精神的
な変換を可能とするために、オブザーバーが比較的高い
レベルの訓練を受ける必要があることである。さらに、
オブザーバーによって、あるいは同じオブザーバーでも
それぞれの観察時において、結果が異なるという問題点
を有している。
【0005】1988年7月26日にKoka氏等に付与されたア
メリカ合衆国特許4,760,447号の”ビデオモニターとビ
デオカメラとの特性を整合させるための較正パターンお
よび較正方法(Calibration Pattern and Method for Ma
tching Characteristics of Video Monitors and Camer
as)”では、画像を取り込むとともにプリントする画像
処理システムの較正のための較正ターゲットに関して記
載されている。較正ターゲットは、コントラスト詳細
(CD(contrast detail))図と、種々の空間周波数を
有する幾つかのパッチとを有して構成されている。通
常、CD図は、医学的画像処理分野において用いられ、
異なるサイズおよびコントラストの連続的なディスクか
ら構成されている。捕らえられた同じ画像のハードコピ
ーに対する整合を行うために、CRTディスプレイのア
ナログゲインおよびオフセットノブ(offset knob)の調
整を実施する際に、指針としてこの較正ターゲットが用
いられている。プリントされたターゲットとCRT上に
表示されたターゲットとの間において、コントラスト詳
細図内の複数の可視ディスクを比較することで、較正が
実施される。較正ターゲットの比較は、ハードコピーお
よびCRTが同様の空間的画像コントラストを得るよう
に、CRTの較正を支援することを意図している。しか
し、これらの階調および/あるいは空間的パラメータに
関して、実際にディスプレイをどのように較正するかに
関する教示がなされてはいない。この方法においては、
ターゲットの比較に応じてCRTを調整するために、経
験を積んだ技術者が必要であるという問題点がある。
【0006】1994年3月22日にH.Bower氏に付与されたア
メリカ合衆国特許5,296,947号の”カラー再生に関する
ソフト較正を行うシステム(System for Softproofing a
Co-lor Reproduction)”は、ソフト較正(すなわち、
カラー印刷におけるハーフトーンオフセット処理の形態
をシミュレーションするためのコンピュータモニターの
使用)に関するものである。この特許では、色材の混色
(RGB)および紙のホワイト値に基づく加法混色の原
色と同様に、3色あるいは4色の色材(CMYK)から
なる減法混色の原色を用いたカラーパッチの使用に関し
て記載されている。Bowers氏の特許に記載される方法で
は、CRTからハードコピーに対して、これら8つのカ
ラーが整合するように、ディスプレイの設定が実施され
る。好適な実施の形態では色彩計が用いられているが、
同時に、オブザーバーにより視覚的整合を行うことによ
り実施される正確性に欠ける方法も可能であることが述
べられている。しかし、この特許には、ディスプレイの
キャラクタリゼーションに関する実際的な記載がない。
この方法の問題点は、訓練されていないオブザーバーに
とっては、制限された数のカラーを用いて正確な視覚的
整合を実現することが、困難であり、かつ再現性がない
ことである。さらに、代表的なカラーが整合した場合で
も、カラー空間の残余部分が、正確に較正されていない
場合がある。
【0007】それゆえ、ディスプレイに対して完全なキ
ャラクタリゼーションを実施するために、視覚的なディ
スプレイ較正方法における改善が必要となっている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の1つあ
るいは複数の問題点を解決するために提供されるもので
ある。本発明によれば、ディスプレイの特性を検知する
方法は、ディスプレイを形成するための入力信号に対し
て、ディスプレイの物理的出力を関連付ける複数のパラ
メータを備えたディスプレイモデルを生成する工程と、
特定のパラメータ値に応じた特定のパターンを識別する
ように、オブザーバーに視覚的選択基準を与えることを
可能とする、ディスプレイに表示されるパターンを形成
するための複数の制御信号を生成するように、人間の視
覚システムのモデルを取り入れる工程と、パターンを形
成するために、ディスプレイに複数の制御信号を送る工
程と、ディスプレイから特定のパターンを選択する工程
と、選択されたパターンからパラメータ値を決定する工
程と、モデルに対してパラメータ値を適用することで、
ディスプレイの特性を決定する工程とを有する。
【0009】本発明によるディスプレイキャラクタリゼ
ーション方法に共通する固有の特性は、視覚モデルに関
連付けてディスプレイモデルを使用することである。こ
の方法では、特別に発生された視覚パターンに対するオ
ブザーバーの反応を決定するために、精神物理的な工程
が用いられている。そして、装置の特性は、オブザーバ
ーの反応の解析に基づいて決定される。本発明の基本と
なる学術的要素は、視覚的精神物理学、視覚モデリン
グ、およびディスプレイモデリングである。また、本発
明の基本技術としては、本発明の適用によりその必要性
が最小化されてはいるが、対話的コンピュータウィンド
ウシステムが採用されている。
【0010】本発明による方法の従来技術に対する利点
の1つは、本発明による方法が、従来技術の方法よりも
柔軟性を有する(フレキシブルである)ことである。オ
ブザーバーにより、ディスプレイが任意の好ましい形態
に設定され、そして、本発明の方法によりディスプレイ
に対するキャラクタリゼーションが実施される。従来技
術による方法は、既存のディスプレイに対して完全なキ
ャラクタリゼーションを実施するものではなく、どちら
かと言えば、視覚的較正を用いて、(再調整を経て、)
ディスプレイを特定の動作を示すように強制的に設定す
るものであった。Edgar氏等の従来技術が、ディスプレ
イのグレイスケールに対するキャラクタリゼーションの
問題に対して適用されてはいるが、これらの方法では、
異なるグレイレベルにおいて多くの実験が必要とされて
いた。本発明の他の利点は、ディスプレイモデルを用い
ることにより、最小化された数のテストで、ディスプレ
イのグレイスケール全体に対する動作を決定する方法が
提供されることである。従来技術においては、要求され
る多数のテストに必要とされる時間に加えて、テスト段
階で発生する誤差が、例えば非単調性のようなより重大
な誤差を導くことがあった。しかし、このような誤差
は、本発明によるディスプレイモデルを有する方法を用
いることで防止される。
【0011】本発明に関する上記および他の構成、目
的、特徴、および利点は、付随する図面を参照した好適
な実施の形態に関する以下の詳細な記載および請求の範
囲から、より明確にされるであろう。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明によりキャラクタ
リゼーションが可能であるディスプレイを有する画像処
理システムを示すブロック図である。図2は、本発明に
よりディスプレイを較正する工程を示すフローチャート
である。図3は、オフセットパラメータを視覚的に推定
するために、本発明の方法において用いられるディスプ
レイパターンを示す図である。図4は、ディスプレイモ
デルのオフセットパラメータを推定するための工程を示
すフローチャートである。図5は、ディスプレイモデル
のガンマパラメータを視覚的に推定するためのディスプ
レイパターンを示す図である。図6は、図5のディスプ
レイパターンが連続して構成されたディスプレイパター
ンを示す図である。このディスプレイパターンにおいて
は、単一のそれぞれのディスプレイパターンのパラメー
タはそれぞれ異なっている。図7は、透明紙を用いたガ
ンマ較正のための別の方法において使用されるディスプ
レイパターンを示す図である。図8は、ディスプレイパ
ターンに重ねられた図7の透明紙を示す図である。図9
(a)および図9(b)は、閾値視覚モデルを用いたガ
ンマ較正に関する他の方法を説明する際に有用である、
輝度と視覚的応答との間の関係を示す図、およびディス
プレイのコード値と輝度との間の関係を示す図である。
図10は、閾値視覚モデルを用いてガンマ較正を行う他
の方法において用いられるディスプレイパターンを示す
図である。図11は、視覚明度モデルを用いてガンマ較
正を行う他の方法において用いられるディスプレイパタ
ーンを示す図である。図12は、色温度を視覚的に推定
するためのディスプレイパターンを示す図である。図1
3は、本発明によるディスプレイの較正工程を示す詳細
なフローチャートである。この図には、較正環境、およ
びカラー再生工程における較正情報の使用が示されてい
る。
【0013】まず、図1には、本発明によりキャラクタ
リゼーションが可能であるディスプレイを有する画像処
理システムが示されている。画像処理システムは、例え
ばPhotoCD(商標)のような光ディスク記憶装置、デジ
タルカメラ、スキャナ等のデジタル画像源10を有して
構成されている。デジタル画像は、パーソナルコンピュ
ータあるいはセットトップボックス(set-top box)等の
コンピュータ12に送られ、そして、CRT14あるい
はハードコピープリンタ等のデジタルディスプレイ上に
表示される。CRT14は、パーソナルコンピュータに
接続されたコンピュータモニターである場合もあれば、
セットトップボックスに接続されたテレビモニターであ
る場合もある。また、コンピュータあるいはセットトッ
プボックスに対するオブザーバーの対話的処理を可能と
するように、コンピュータあるいはセットトップボック
スには、キーボード16、マウス18、あるいはテレビ
のリモートコントロール装置のようなオブザーバー用イ
ンタフェース機器が接続されている。
【0014】図1に示されるシステムにより、ディスプ
レイのキャラクタリゼーションが実施されるのが好適で
ある。この際、キャラクタリゼーションが実施されれ
ば、システムのディスプレイ装置に視覚的に整合する画
像を生成する他のディスプレイ装置の使用が可能とな
る。例えばハードコピー出力装置により生成されるプリ
ントにおける視覚的効果をシミュレーションする(ソフ
ト較正)ためにCRTを用いる場合等に、このような視
覚的整合が望まれる。また、他の例においては、消費者
の所持するテレビを用いたホームショッピングにおい
て、購入する服の色に関して、ディスプレイ装置に表示
された色が実際の対象物に整合することが望まれるよう
な場合もある。
【0015】1つのディスプレイ装置上の画像を、他の
ディスプレイ装置上の画像あるいは実際の対象物に整合
させる工程を含む画像処理タスクを実施するためには、
階調スケールのキャラクタリゼーションが必要とされ
る。モノクロディスプレイに関しては、キャラクタリゼ
ーションを実施する際に、グレイレベルの関数として輝
度、透過率、あるいは反射率を計測する工程が含まれ
る。また、カラーディスプレイに関しては、主要カラー
の階調スケールが計測される必要がある。カラー技術に
基づいて本発明を理解できるように、以下に、ディスプ
レイモデリング、視覚モデリング、およびディスプレイ
モデルのパラメータに関連する精神物理学に関して説明
がなされる。
【0016】図2には、本発明によるディスプレイキャ
ラクタリゼーション方法が示されている。第1に、工程
20で生成されるディスプレイモデルは、複数のパラメ
ータを有している。次に、工程22において、ディスプ
レイパラメータ値を決定するためのオブザーバーのテス
ト用に、人間の視覚モデルを用いてそれぞれのパラメー
タに対してテストパターンが生成される。そして、工程
24において、ディスプレイにテストパターンが表示さ
れ、工程26において、特定の視覚的基準に合致したパ
ターンを選択するように、オブザーバーに指示が出され
る。そして、工程28において、オブザーバーの応答情
報を用いて、ディスプレイのパラメータ値が決定され
る。最終的に、工程30において、ディスプレイのキャ
ラクタリゼーションを実施するために、ディスプレイモ
デルに対して、上記のディスプレイパラメータ値が関連
付けられる。
【0017】[ディスプレイモデリング]上記の第1の
工程20において、ディスプレイ装置のモデルが生成さ
れている。CRTディスプレイは、以下のようにモデル
化される。
【0018】
【数3】
【0019】ここで、Lはコード値V(8ビットシステ
ムに関しては、Vは0から255の間の値をとる)に対
応してCRTディスプレイから発せられる輝度値を示
す。α、βは、それぞれゲインおよびオフセット値を示
し、通常βは負の値をとる。また、CRTガラス面内で
生じる外部光線によるフレアは、項φで表される。CR
Tが完全な暗室で使用される場合には、φはゼロになる
と推定される。CRTから発せられる光線量はゼロより
小さくなることはないので、(αV+β)<0となる場
合には、この式において、(αV+β)にはゼロが設定
される。
【0020】1989年8月29日にBartow氏等に付与された
アメリカ合衆国特許4,862,265号には、CRTの出力を
測定するための光量計測装置を用いたCRT較正装置が
開示されている。この装置で計測できないようなCRT
の低い輝度範囲においては、上記と同様のCRTモデル
(フレア要素φは有さない)が用いられ、計測データか
らCRT動作が外挿により導かれる。
【0021】連続的階調を有するハードコピーのような
他のディスプレイに関しては、ディスプレイの物理形態
に応じてモデルが変化する。これらすべてのモデルは、
逐次的に評価可能である複数のパラメータを有して構成
されるという共通の特徴を有している。本発明では、デ
ィスプレイとしてCRTを仮定して説明がなされている
が、任意のディスプレイ(表示手段)に対してキャラク
タリゼーションを実施するために、本発明を適用可能で
あることが理解されよう。本発明による視覚的キャラク
タリゼーションの目的は、特殊な光量計測機器を用いる
ことなく、オブザーバーの視覚システムのみを用いて、
ディスプレイモデルのパラメータ値(CRTの場合に
は、α、β、γ、およびφ)を決定することである。こ
のパラメータ値の決定は、オブザーバーにテストパター
ンを観察させ、観察による認知に基づいた選択を実施さ
せることで行われる。オブザーバーによる選択に関する
情報は、ディスプレイモデルのパラメータ値を決定する
ために用いられ、そして、このパラメータ値を用いて、
ディスプレイのキャラクタリゼーションが実施される。
【0022】[視覚モデリング]ディスプレイ装置の視
覚的キャラクタリゼーションを実施する際には、視覚シ
ステムの動作を考慮に入れる必要がある。視覚システム
は、複数のレベルごとに詳細にモデル化することが可能
である。本発明では、精密さが増すように分類された4
つのレベルが考慮されている。第1レベルのモデルで
は、人間であるオブザーバーには、知覚された明るさに
対して種々の数値レベルを割り当てるのは困難である
が、(例えば、与えられた2つのパッチのいずれが明る
いかを判断する場合のように)比較を実施することに関
しては、キャラクタリゼーションに必要とされるだけの
精度をオブザーバーの視覚システムが有している、との
仮定が設定される。そして、第1レベルのモデルは、比
較される光量レベルがおおよそ等しい際に幾分かのノイ
ズ誤差を生じる単純な比較器として与えられる。
【0023】第2レベルのモデルは、オブザーバーの目
の光学機構に基づいたぼけを考慮に入れている。また、
このモデルは、輝度に関して線形的にぼけが生じる(す
なわち、ぼけは、輝度信号に作用するフィルタリング動
作としてシミュレーションすることが可能である)現象
を利用している。そして、視覚システムの残りの部分
は、第1レベルのモデルで説明されたように、完全な比
較器として仮定される。
【0024】第3レベルのモデルは、網膜と皮質(corte
x)の神経機構に生じる効果をモデル化しようと試みてい
る。精神物理的な閾値データから、視覚システムの閾値
モデルを構築することが可能である。このモデルでは、
視覚システムが光線を神経応答に非線形に変換する現象
が用いられている。また、このモデルでは、グレイスケ
ール内の位置に関係なしに、所定の大きさの神経応答に
応じた閾値応答が示されると仮定する。しかし、この閾
値応答は非常に小さいので、このモデルは、非線形の神
経応答の局所的傾斜に主に対応するものとなる。
【0025】本発明が関連する第4レベルの視覚モデリ
ングは、非線形閾値モデル(第3レベルのモデル)と同
様の視覚モデルを利用しており、第4のモデルでは、閾
値に対する視覚的応答に関する制限がないことのみが異
なっている。第4のモデルは、閾値を越えた反応となる
知覚された明度を輝度の関数としてモデル化しようと試
みている。オブザーバーに課せられたタスクは、一貫性
を有する明度の差異を判定することである。
【0026】[精神物理的技術]オブザーバーからの応
答を得るために、複数の精神物理的な方法が用いられ
る。本発明で用いられる4つの主要な精神物理的な方法
は、調整法(MOA(method of adjustment))、二者択
一的選択法(2AFC(two-alternativeforced choic
e))、複数択一的選択法(MAFC(multiple-alternat
ive forcedchoice))、および定常刺激法(MCS(meth
od of constant stimula))である。
【0027】調整法(MOA)では、オブザーバーは、
望ましい視覚的結果が得られるまで、(例えば、ウィン
ドウスライダを調整するためのマウス等の)コンピュー
タ入力装置を用いて、単にパラメータの調整を行う。本
発明では、望ましい結果は、2つの刺激間の整合として
与えられる。
【0028】二者択一的選択法(2AFC)では、オブ
ザーバーが、自己の判断基準に基づいて、2つの刺激の
なかからいずれか一方を選択する。通常、この判断基準
としては、いずれか一方の刺激のみに含まれる信号の存
在が基本となる。通常、選択の繰り返しにおけるオブザ
ーバーの応答に基づいて、信号は徐々に低減される。そ
して、オブザーバーの閾値(推定のための修正後に、信
号を検出する可能性が50%となる状態)を見つけ出す
ために、精神物理的工程がプログラム化可能となってい
る。
【0029】複数択一的選択法(MAFC)は、2AF
C法の変形であり、選択数が3つ以上に増加される。通
常、この方法により、最適データを得ることはできない
が、この方法は精神物理的方法のなかで最も迅速な方法
となっている。この方法の迅速であるという利点は、正
確性に欠けるという短所を補って余りあるものであるの
で、本発明の幾つかの実施の形態においてこの方法が使
用されている。
【0030】最後に、定常刺激法(MCS)は、任意の
数の択一的選択法とともに使用可能な方法である。この
方法では、選択的タスクにおけるオブザーバーの応答に
基づいてオブザーバーの閾値を見つけ出すように刺激を
プログラム化するというよりも、複数のレベルの特定の
刺激が表示されてテストが実施される。オブザーバー
は、視覚的判断基準に最も合致するテストパターンを選
択するように指示される。そして、このようなレベルが
適切に選択された場合には、閾値における視覚的応答を
決定するために、テストパターンに対するオブザーバー
の応答情報が用いられる。この方法では、閾値自体を見
つけ出すことはできないが、本発明による方法の適用に
おいて必要とされる精度の閾値が導かれる。
【0031】4つのモデルパラメータα、β、γ、およ
びφを決定するためには、個別の技術が必要とされるの
で、以下の4つのサブセクションにおいて、各パラメー
タの決定方法が個別に説明される。
【0032】[パラメータ推定]カラーCRTディスプ
レイモデルに関しては、以下の3つの式が設定される。
【0033】
【数4】
【0034】LR、LG、およびLBは、それぞれレッ
ド、グリーン、およびブルー蛍光体の出力輝度を示して
いる。αR、αG、およびαBは、それぞれレッド、グリ
ーン、およびブルーチャネルのゲインを示している。V
R、VG、およびVBは、それぞれレッド、グリーン、お
よびブルーチャネルのコード値を示している。βR
βG、およびβBは、それぞれレッド、グリーン、および
ブルーチャネルのオフセット値を示している。γR
γG、およびγBは、それぞれCRTのレッド、グリー
ン、およびブルーチャネルのガンマを示している。βR
/αR、βG/αG、およびβB/αBは、標準化されたオ
フセット値を示している。φR、φG、およびφBは、そ
れぞれ外部光線によって生じるフレアのレッド、グリー
ン、およびブルー成分を示している。勿論、モノクロC
RTに関しては、モデルに対して、上記の式のなかの1
つの式のみが必要となる。
【0035】一連のパラメータ推定により、標準化され
たオフセット値βR/αR、βG/αG、およびβB/αB
推定される。次に、この推定された標準化オフセット値
と、幾つかの視覚的テストパターンを用いて、ガンマγ
R、γG、およびγBが推定される。そして、これらの推
定されたパラメータと、付加的な視覚的パターンを用い
て、ゲインパラメータαR、αG、およびαBが推定され
る。そして、最後に、フレア成分φR、φG、およびφB
が推定される。本発明によるこれらのパラメータの推定
を実施する際の詳細な工程は、次のセクションに記載さ
れている。カラーCRTに関しては、それぞれのチャネ
ルに対して、同一の工程が3度繰り返される。モノクロ
CRTに関しては、推定工程は一度実施されるだけでよ
い。
【0036】[標準化されたオフセット値β/αの設
定]推定が必要となる第1のパラメータは、標準化され
たオフセットパラメータβ/αである。そして、この結
果に基づいて、他の推定工程が実施される。一連の予備
的な研究により、刺激の形態が特定の判断基準に合致す
る場合には、(8ビットディスプレイの場合には、25
6レベルのコード値範囲から)1のコード値変化を識別
可能であるとの結論が得られている。それゆえ、このパ
ラメータを推定するために使用される視覚モデルは、比
較器(上記の第1レベルのモデル)として与えられる。
そして、このモデルの不正確さあるいはノイズレベル
は、1コード値のオーダーであると推定される。
【0037】
【数5】
【0038】上記のCRTに関する式から、V+β/α
=0、すなわちV=−β/αである際に、L=0とな
る。β/αの値は、通常、負であり、これはディスプレ
イから発散される最小輝度が制限を受けることを示して
いる。これにより、Vmin(=−β/α)より小さいコ
ード値におけるいかなる変調も防止される(ここで、V
minは、最小輝度を与えるコード値として与えられてい
る)。そして、結果として得られたグレイコード値か
ら、パラメータ値β/αが、β/α=−Vminとして導
かれる。
【0039】ゼロ近傍のコード値を有する一連の円形
(ディスク状)刺激を表示することで、比β/αが決定
される。これらのディスクのグレイ値は、ゼロからこの
パラメータに関して予想される最大グレイ値までの値を
とる。図3に示されるように、これらのディスク32
は、コード値がゼロの黒い背景34上に表示されてい
る。ディスク32は、低いコード値から高いコード値へ
増加する方向に連続的に配置されている。この場合、デ
ィスクが、一般的な読み取り形態(左から右へ、上から
下へ)に従って配置されるのが好適である。そして、オ
ブザーバーは、最初の可視ディスク(最も暗い可視ディ
スク)を選択するように指示される。可視ディスクの識
別を実施する1つの方法としては、ディスク列のなかの
最初の可視ディスクをマウスを用いてクリックするよう
にオブザーバーに指示を与える方法が上げられる。ここ
で、刺激に関しては、必ずしもディスク形状を使用する
必要のないことに留意する必要がある。すなわち、他の
幾何形状を用いることが可能である。ノイズの多いディ
スプレイあるいは8ビットより大きいビットでコード値
を表現するディスプレイに対しては、一定形状のディス
クに代えて、周波数パターン(すなわち、視覚角度あた
り、おおよそ4サイクルで表示)を用いることも可能で
ある。
【0040】一定のパターンで複数のディスクが配置さ
れている場合には、幾人かのオブザーバーに関しては、
可視ディスクのパターンを実際に見えるよりも低い光量
レベルの方向に外挿してシフトさせる傾向のあること
が、発明者により報告されている。この結果として、オ
フセットパラメータが実際よりも低く推定されることが
ある。この問題を解決するために、コード値がゼロのデ
ィスク(ヌルディスク(null disk))32が、連続する
ディスクのなかにランダム的に挿入される。この技術に
より、上記のパターン外挿が低減され、オブザーバーが
ヌルディスクを選択していないことを確認することによ
り、オブザーバーの応答のチェックが可能となる。ヌル
ディスクが選択された場合には、これにより、実際の視
覚応答ではなく、パターン外挿に基づいて、オブザーバ
ーの選択が実施されていることが明示される。そして、
システムにより、実際に見える最初のディスクのみを選
択するようにオブザーバーに指示が与えられるか、およ
び/あるいは、ヌルディスクが異なる位置に挿入され
て、同様の観察を繰り返すようにオブザーバーに指示が
与えられる。ところで、(Vmin=64の場合、)64
個のディスクにヌルディスクを加えたパターンによりス
クリーン領域の主要部分が占められるから、それぞれの
ディスクには小さなサイズしか割り当てられないので、
図4に示されるように、このテストを段階的形態で実施
することが可能である。第1の工程36では、コード値
の増分値k(例えば、k=4)で離間されたコード値を
とるディスクのパターンが生成される。この手法によ
り、少ない数のディスクを用いて観察が実施される。次
に、工程38において、発生されたパターンがオブザー
バーに対して表示される。そして、工程40において、
表示されたパターンのなかで、最初の可視ディスクを選
択するようにオブザーバーに指示が与えられる。次に、
オブザーバーのこのパターンに対する応答に基づいて、
工程42において、kが定義された最小値(kmin)で
あるか否かがチェックされ、最小値でない場合には、工
程44において、kが、例えば係数2で低減される。そ
して、新しいパターンが、生成されるとともにオブザー
バーに表示される。この場合、新しいパターンでは、コ
ード値の増分値(k)の大きさが半分になり、前工程で
選択されたディスクのコード値を中心としたコード値を
有するディスクの列からこの新しいパターンが構成され
ている。このような工程は、ディスク間の増分値がk
min(例えば、kmin=1)に等しくなるまで継続され
る。最後に、工程46において、式β/α=−Vmin
基づいて、オブザーバーの最後の選択から、標準化され
たオフセットパラメータβ/αが算出される。これによ
り、kminで設定された精度を有して、オフセット値が
決定される。そして、このような工程が、ディスプレイ
内のそれぞれの主要カラー(例えば、CRTに対するレ
ッド、グリーン、およびブルー蛍光体)に対して繰り返
される。
【0041】ディスプレイモデルおよび視覚モデルを用
いての計算において、標準化されたオフセットパラメー
タβ/αは他のパラメータに対して大きな影響を与えな
いので、このオフセットパラメータを1のコード値レベ
ルの最も近いコード値まで算出する必要性は必ずしもな
い。したがって、オプション的な方法として、オブザー
バーが画質に対して満足するレベルまで、連続したディ
スク刺激パターンを用いて選択を実施する段階的選択方
法が上げられる。図4の点線で示されるように、第1の
選択が行われた後の任意の時点で、工程48において、
オブザーバーによるテストの打ち切りの決定が可能とな
る。このような手法は、本明細書に記載される他の技術
に対しても適用可能である。
【0042】本発明においては、γパラメータを決定す
るために、4つの方法が開発されている。好適な方法で
は、人間の目の光学機構によって生じるぼけを考慮に入
れた視覚モデルが利用されている。また、この方法で
は、このぼけが、輝度に関して線形的に生じる(すなわ
ち、ぼけは、輝度信号に作用するフィルタリング動作と
してシミュレーション可能である)という現象が利用さ
れている。そして、視覚システムの残りの部分は、整合
をみる比較器であると仮定される。図5に示されるよう
に、調整可能なグレイレベルコード値VAのパッチ52
に隣接して、2つのコード値V1、V2からなる高い周波
数パターン50が表示されている。高い周波数パターン
50は、目の光学機構のぼけにより、均一な領域として
知覚される。コード値V1、V2、およびVAに対応する
輝度を示す符号として、L1、L2、およびLAを設定す
ると、次の式が得られる。
【0043】
【数6】
【0044】この関係は、視覚システムの網膜において
成立する(すなわち、目の光学機構によるぼけが生じた
後に成立する)。2つの輝度レベルL1およびL2に関し
て、完全なぼけは、算術的に式(3)で示される平均処
理で表される。これら3つの関連するコード値V1
2、およびVAの関数としてのCRT輝度Lに対して式
(1)を代入すると、以下の式が得られる。
【0045】
【数7】
【0046】そして、算術的技術を用いることで、この
式をγに関して解法することが可能である。しかし、好
適な実施の形態では、γに関する値を推定することで、
コード値V1、V2、およびVAを予め算出することがで
きる。
【0047】
【数8】
【0048】この技術を用いることで、図6に示すよう
に、連続的なパッチ54が生成される。このパッチは、
一定のコード値V1およびV2と、γに関する種々の値を
推定して式(5)から算出され、V1およびV2に隣接す
る種々のコード値であるVAとから構成されている。そ
して、オブザーバーにより、(推定された種々のγ値に
対応する)パッチの比較が実施され、隣接するパッチが
最も等しく見えるパッチが選択される(この方法では、
精神物理的技術であるMCSとMAFCとが組み合わさ
れていることに留意する必要がある)。この選択は、多
くの場合、パッチを区画するエッジの消失により判断さ
れる。この際、高い周波数パターンがぼけて均一の領域
として認識されるように、オブザーバーはパッチを充分
に離れた位置から観察する必要がある。そして、選択さ
れたパッチをもとに決定されたγは、連続したパッチを
生成するために用いられたγ値の離散間隔の半分の精度
を有している。γの範囲に関しては、キャラクタリゼー
ションの対象となるすべてのディスプレイに関して、
1.5から3.2の範囲を有していれば充分である。そ
して、0.1の増分値を設定することで、5%の誤差範
囲内においてγを決定することが可能となる。この方法
により、(特定分野における)最も厳しいオブザーバー
を除いて、ほとんどすべてのオブザーバーに対して、カ
ラー再現を実施するのに充分な精度のγ値を導くことが
できる。γ値の算出は、図4に示されるオフセット値の
算出のための連続的な工程と同様の工程を用いて実施さ
れる。そして、この際には、それぞれの主要カラーに対
して既に算出されたオフセットパラメータを入力とし
て、工程36において、図6に示されるようなパターン
が生成される。
【0049】γを決定するための第1の別の方法によれ
ば、知覚された種々の明度に対して、オブザーバーが絶
対値を割り当てることは困難であるが、この問題におい
て必要とされる精度を有する比較をオブザーバーが実施
することは可能であることが仮定されている。この仮定
の結果として、視覚システムは、デフォルトにより整合
を検知する能力を備えた比較器としてモデル化される。
すなわち、視覚システムが差異を検知する精度よりも、
刺激間の差異が小さいことで比較判定ができない際に整
合が生じる。この方法は、周知の濃度を有する透明紙5
5を用いて実施される(あるいは、図7に示されるよう
に、周知の濃度の2つの透明部分56,58を有する透
明紙を用いて実施される)。この方法では、図8に示さ
れるように、異なるコード値を有する2つのパッチ6
0,62が、(例えば、CRTのような)対話的ディス
プレイに表示される。そして、パッチ上に透明紙55が
保持され、透明紙を通してのパッチ60およびパッチ6
2から送られる光線の明度が整合するまで、他のパッチ
のコード値がオブザーバーにより調整される(すなわ
ち、MOAが用いられる)。整合が生じた場合には、オ
ブザーバーにより整合が生じたことが指示され、調整側
パッチのコード値が記録される。2つのパッチ60,6
2のコード値とともに、透明パッチ56,58の濃度は
周知のものであり、さらに、目に到達する光線の輝度は
等しいと仮定される。比較を行ううえでの視覚システム
にはノイズが生じるために、通常、目に到達する光線は
等しくはない。しかし、このようなノイズによって生じ
る誤差は、定量化可能であり、γパラメータを5%以内
の誤差で決定できるように充分に小さく抑えられてい
る。そして、この5%の誤差は、キャラクタリゼーショ
ンを行ううえで充分な精度を与えるものである。γ項を
決定するための方程式は、2つのパッチから目へ伝えら
れる光線が、以下の式を満たすときに等しくなることか
ら導き出される。
【0050】
【数9】
【0051】ここで、L1およびL2は、透明紙55によ
るフィルタリングが実施される前のパッチ60およびパ
ッチ62から発せられる輝度を示す。そして、ΔDは、
パッチ60およびパッチ62上に保持された透明紙55
のそれぞれの半分領域の濃度差異を示している。輝度値
1、L2に対応するコード値V1、 V2の関数として、
輝度Lを表す式を代入することで、次の式が得られる。
【0052】
【数10】
【0053】ここで、γは、式(1)におけるCRTパ
ラメータである。この段階において、標準化されたオフ
セット値β/αが既に決定されている必要があることに
留意する必要がある。
【0054】γを算出するための第2の別の方法におい
ては、視覚システムのより詳細なモデルが使用される。
この方法では、上記の好適な方法のように視覚システム
の空間的属性を検査するのではなく、網膜および皮質の
神経機構に生じる現象をモデル化することが試みられて
いる。精神物理的な閾値データから、視覚システムの閾
値モデルを構築することが可能である。視覚システム
は、非線形的に、光線を神経応答に変換する。閾値(実
質的には、信号が検知可能となる際のコントラスト)
は、グレイスケール全体にわたって一定の大きさの神経
応答を生じさせるものであると仮定される。閾値となる
コントラストは、グレイスケール全体にわたって大きく
変化するが、この現象は神経応答の均一性に関して影響
を与えるものではない。輝度に対する視覚応答が、図9
(a)に示されている。ここで、Rは視覚応答であり、
Lはディスプレイから発せられる輝度である。R+およ
びR−は、視覚応答における許容差となる閾値を示し、
L+およびL−は、それぞれR+およびR−を生じさせ
る輝度に対応する。図9(a)に示されるように、視覚
応答の最も単純なモデルは、輝度の関数として、以下の
ように与えられる。
【0055】
【数11】
【0056】ここで、Rは、輝度Lに対する視覚応答を
示す。そして、pは、通常、1/2あるいは1/3近傍
の値をとり、Cは、視覚的閾値を表す定数である。式
(8)の右辺が負になる際には、Rはゼロに設定され
る。図9(b)は、式(1)のCRTモデルに関して
の、ディスプレイのコード値と、その結果として得られ
る輝度との関係を示す図である。図9(b)において、
輝度L+およびL−に対応するコード値V+およびV−
により、図9(a)に示されるように、閾値R+および
R−が発生する。そして、オブザーバーに対する閾値が
2つの異なるグレイレベルV1、V2で計測され、これら
の閾値に関連するコード値がV1+、V2+(プラス側あ
るいはマイナス側のいずれも使用可能であり、γを算出
するためには、いずれか一方のみが必要である)である
場合には、異なる閾値による増分値(R1+、R2+)に
対して、輝度方程式にコード値を代入した後に、以下の
式を算術的に解法することで、γ値が決定可能となる。
【0057】
【数12】
【0058】式(1)のディスプレイモデルに種々の改
良が加えられるのと同様に、(応答値と輝度との関係を
示す)式(8)に関して、視覚モデルに種々の改良を加
えることが可能である。この技術は、多くの視覚パター
ンに対して適用可能であり、その例が図10に示されて
いる。この図では、背景66上にテスト領域64が表示
される。オブザーバーは、テスト領域64が背景66に
整合するまで、テスト領域64のレベルを調整するよう
に指示される。しかし、グレイスケール範囲全体にわた
って、視覚的閾値は、コード値となる単位よりも大きい
必要がある。先に述べたように、この判断基準は、8ビ
ットのディスプレイに対しては合致しない。結果的に、
この技術の適用は、9ビット以上のディスプレイに制限
される。
【0059】最後に、γを決定するための他の実施の形
態によれば、視覚システムは、輝度の関数として知覚さ
れる明度に関してモデル化される。ここで、明度は閾値
を越える応答として与えられる。そして、オブザーバー
は、明度の差異の一貫性を判定するように指示される。
この方法では、知覚される明度は、物理的な輝度の関数
として以下の式のように仮定される。
【0060】
【数13】
【0061】ここで、Bは知覚される明度を示し、Lは
輝度を示し、pは1/3と1/2との間の値をとり、a
はスケーリング係数を示し、cは視覚的明度閾値を示
す。
【0062】上記の方法を用いて、図11に示されるよ
うに、γ値に関する種々の推定値に基づいてパッチ68
の連続的な列が生成される。それぞれのパッチは、明度
iを有する明るい上半部と明度Bi+1を有する暗い下半
部とからなる円形部分と、この円形部分を囲む明度B
i,i+1を有する背景とから構成されている。明度Bi,i+1
は、明度Biと明度Bi+1との平均値に等しくなってい
る。Biは、以下の式のように導かれる。
【0063】
【数14】
【0064】ここで、Viは、明度Biを有していると知
覚される輝度Liを発生させるためのCRTに対する入
力コード値である。オブザーバーは、列を通しての明度
差異が最も均一である列を選択するように指示される。
特定のγ値に対するそれぞれの列におけるコード値は、
列72におけるパッチi(70)に対して、以下の式を
用いて決定される。
【0065】
【数15】
【0066】ここで、V0は列内の連続するパッチの最
初のコード値を示し、Vnはn個のパッチから構成され
るパッチ列の最後のパッチのコード値を示し、Viはn
ステップ内の第iステップのパッチに対して算出される
コード値を示す。オブザーバーは、明度の差異に関して
(それぞれのパッチ70の2つの半分領域に対する判断
により)最も一貫性がある列を選択するように指示され
る。この方法においても、MAFCとMCSとを組み合
わせた精神物理的手法が用いられている。
【0067】[φの推定]標準化されたオフセットパラ
メータβ/αを推定する際には、フレア光線φが結果に
影響を与えることから、完全な暗室で推定を実施する必
要がある。この現象を実際に利用して、オブザーバーに
実験を2回実行させることで、通常の作業環境において
CRT上に生じるフレア光線φを推定することができ
る。この際、暗室におけるβ/αを決定するために暗室
で実験が1回行われ、通常の作業環境におけるβ/αを
決定するために通常の作業環境において実験が1回行わ
れる。これらの結果から、以下の式が得られる。
【0068】
【数16】
【0069】ここで、cは、オブザーバーの視覚システ
ムのコントラスト閾値を示し、おおよそ0.1の値をと
る。オブザーバーのなかには、このテストを省略するよ
うに選択するものもある。フレア光線により、テスト結
果から推定に誤差が導入されることがあるが、実際に、
オブザーバーが暗室内でディスプレイを使用する場合に
は、このようなテストは必要ではない。
【0070】[色温度の推定]CRTカラーディスプレ
イでは、レッド、グリーン、およびブルーの3つの主要
カラーを生成する3つの蛍光体が使用されている。3つ
の主要カラーを混合することで、色相、彩度、および明
度の異なる多数のカラーが生成可能となる。カラー再生
における物理的規格は、通常、CIE1931(x,y,z)の3刺激
値を用いて与えられる。αパラメータの相対的大きさは
カラーバランスに関連し、ディスプレイ蛍光体の与えら
れた色度は色温度に関連する。視覚的キャラクタリゼー
ションによる方法では色度情報を得ることは非常に困難
であるので、視覚的キャラクタリゼーションにおけるα
値推定工程においては、ディスプレイ蛍光体の色度に関
して他の必要な情報を得る必要がある。オブザーバー
が、自らが使用しているディスプレイの構造を知ってい
る場合には、この情報を視覚的キャラクタリゼーション
プログラムに入力することができるので、上記の問題は
重要なものではない。視覚的キャラクタリゼーションプ
ログラムは、キャラクタリゼーションの対象となるすべ
てのCRTに関する色度座標データを有するように設定
されている。そして、オブザーバーのタスクは、メニュ
ーから対象となる特定のディスプレイを選択することに
単純化される。オブザーバーの目の前にはディスプレイ
が設定されているから、オブザーバーにとって上記のタ
スクを実行することは困難なことではない。最後に付け
加えると、このキャラクタリゼーションに関して合理的
であると思われる範囲を逸脱する手間のかかる精神物理
的な技術を用いることなしに、カラーシステムおよびモ
ノクロシステムに対して、αの絶対値を推定することは
不可能である。しかし、αR、αG、およびαBの比を推
定することは可能である。
【0071】CRTの蛍光体励起(R,G,B)と色彩計によ
る3刺激値(X,Y,Z)との間の変換は、以下に示す3*3
のマトリクスにより実施される。
【0072】
【数17】
【0073】ここで、(XR,YR,ZR)は、レッド蛍光体のみ
が完全に励起された際、すなわち(R,G,B)=(1,0,0)の際
のレッド蛍光体に関するCIE表色系3刺激値を示して
いる。そして、(XG,YG,ZG)および(XB,YB,ZB)は、それぞ
れグリーン蛍光体およびブルー蛍光体に関する同様の値
を示している。カラー再生のためにCRTディスプレイ
に対して完全なキャラクタリゼーションを実施するため
には、マトリックスAを決定する必要がある。
【0074】通常、カラー変換マトリクスAは、(R,G,
B)カラー空間と(X,Y,Z)カラー空間との間で対応する色
度の4つの組み合わせを見出すことで規定される。例え
ば、マトリクスAにより、(r1,g1,b1)が(x1,y1,z1)に、
(r2,g2,b2)が(x2,y2,z2)に、(r3,g3,b3)が(x3,y3,z3)
に、(r4,g4,b4)が(x4,y4,z4)に写像される場合を考え
る。定数cを用いてAが決定可能となるから、αR
αG、およびαBの絶対値の推定は妨げられる。マトリク
スAは、A=cVDU-1によりもとめられる。
【0075】
【数18】
【0076】対応する色度の4つの組み合わせは、通
常、蛍光体の色度とホワイトポイント(white point)の
色度として選択される。例えば、蛍光体の主要値とCI
EのXYZ表色系の主要値との間のN.T.S.C色度変換
は、表1のように表される。
【0077】
【表1】
【0078】そして、N.T.S.Cカラー変換マトリクスA
は、以下の式のように決定される。
【0079】
【数19】
【0080】CRTディスプレイ製造者は、通常、彼ら
が用いる蛍光体の色度座標を規定しているので、唯一不
明であるのがホワイトポイントの色度である。CRTデ
ィスプレイ製造者により、最も頻繁に用いられるのは、
3つのホワイトポイントである。これらのホワイトポイ
ントは、関連するCIE昼光定義の色温度5000K、6500
K、9300Kで規定され、これらのCIE1931(x,y)色度は、
(0.3457, 0.3587)、 (0.3128, 0.3292)、および(0.28
31, 0.2971)である。周知の蛍光体を備えた周知のCR
Tディスプレイが与えられている場合には、(オブザー
バーから与えられる入力に対して、)それぞれの可能な
ホワイトポイントに関して、マトリクスAが算出可能と
なる。
【0081】CRTディスプレイの視覚的なカラーキャ
ラクタリゼーションを実施するためには、人間のカラー
知覚に関して仮定をたてる必要がある。種々の実験を通
して、40cd/m2と90cd/m2との間の最大輝度を有するディ
スプレイに関しては、暗い背景に対する色度(0,3101,
0,3162)のCIE表色系の標準の光Cは、ほとんどのオ
ブザーバーに対して良好な中性感を有して見られること
が分かっている。MAFCとMCSとを組み合わせた方
法を用いることで、上記のような発見をCRTディスプ
レイの視覚的カラーキャラクタリゼーションに用いるこ
とが可能となる。ディスプレイスクリーン上では、複数
のグレイスケールが表示され、オブザーバーはそのなか
で最も中性的なグレイを選択するように指示される。
【0082】図12には、色温度の視覚的推定のための
(一部図示された)5列のグレイスケール80から構成
された色温度テストパターンが示されている。それぞれ
のグレイスケール80は、グレイ背景84上に表示され
た12個のディスク82から構成されている。それぞれ
のグレイスケールの左側の5つのディスクは、マンセル
表色系の5つの主要な色相のカラーである、5R5/14、5Y
7/12、5G5/12、5B7/8、および5P7/8を有している。グレ
イディスクG1−G7に対する完全な色順応を防止するた
めに、グレイスケールパターンに、これら5つの主要色
相が含まれている。表2には、これらのマンセル表色系
の主要カラー値に関するCIE1931(x,y)値が示されてい
る。
【0083】
【表2】
【0084】グレイスケールの他の7つのディスクは、
異なるマンセル値を有するグレイ列として与えられる。
これらのマンセル値は、(左から右へ)8,7,6,5,4,3,2
と設定される。ディスプレイの最大輝度が1.0である場
合には、これらのマンセル値は、0.9, 0.7866, 0.591
0, 0.4306, 0.3005, 0.1977, 0.1200となる。そして、
グレイ背景84は、0.16となる。
【0085】ディスプレイは特定の色度、例えばCIE
表色系における5000K、6500K、および9300Kの昼光に関
してホワイトバランスがとられているという仮定を基に
して、CIE表色系の標準の光Cの色度と同じとなるよ
うに、それぞれのグレイスケールが算出される。ディス
プレイ蛍光体の色度が周知であり、推定されたホワイト
バランスが正しい場合には、カラー変換マトリクスAも
正しくなり、グレイスケールが、オブザーバーに対して
良好な中性的グレイとして見られるようになる。推定さ
れたホワイトバランスが正しくない場合には、算出され
たAも正しくなくなり、ディスプレイのグレイスケール
も中性的なグレイに見えなくなる(通常、ディスプレイ
のグレイスケールは、黄色あるいは青色を帯びて見え
る)。それゆえ、表示された複数のグレイスケールのな
かの1つが、良好なグレイとして見られ、このグレイス
ケールが、ディスプレイの実際のホワイトポイントを基
にしている(すなわち、グレイスケールを算出する際に
用いられる推定されたマトリクスAは、テストされるカ
ラーCRTの調整の現在状態における固有のマトリクス
Aに整合する)。
【0086】好適な実施の形態においては、ディスプレ
イ上に5つの(暗いディスクから明るいディスクまでの
ディスク列から構成される)グレイスケールが表示され
る。これらのグレイスケールは、5つのホワイトポイン
ト4062K、5000K、6500K、9300K、および18000Kを基にし
て、標準の光Cと同じになるように算出される。図12
には、これが白黒で示されている。例えば、ディスプレ
イの調整の現在状態が5000Kのカラーバランスを与える
場合には、第2のグレイスケール(すなわち、5000Kに
基づいたグレイスケール)が、5つのグレイスケールの
なかで最も中性的に見える。結果的に、オブザーバーは
このグレイスケールを選ぶようになる。この選択に基づ
いて、視覚的キャラクタリゼーションシステムにより、
カラー変換マトリクスとして、予め算出されたマトリク
スAが出力される。そして、この情報が、キャラクタリ
ゼーションシステムに連結されているカラー再現システ
ムへ送られる。ディスプレイの実際のカラーバランス
が、テストされるこれらの色温度の中間に存在する場合
には、このカラーバランスは、5つの色温度間の差異の
半分以下の誤差を有して推定される。本発明に関連する
適用対象に関しては、この程度の精度で充分である。
(8ビットのシステムに関して、)VR=VG=VB=255の場合
には、これがディスプレイに対するホワイトポイントで
あるので、マトリクスAから、LR、LG、およびLBの比を
決定することが可能となる。αに関して式(1)を解法
することで、LR、LG、およびLBの比から、αR
αG、およびαBの実際の比を決定することが可能とな
る。
【0087】[カラー再現システム全体における実施の
形態]図13を参照することにより、カラー再現システ
ム全体において、視覚的キャラクタリゼーション方法が
如何にして導入されているかが理解される。カラー再生
システムの幾つかの構成要素が視覚的キャラクタリゼー
ション方法に採用されているが、カラー画像を再現する
際に、これらの構成要素は、異なる方法および異なる目
的を有して用いられる。工程92において、画像90を
得るための機能を有するカラー再現システムは、通常、
A/Dあるいはデジタル変換器、伸長(解凍)器、フォ
ーマット変換器、および入力較正器を有して構成されて
いる。次に、工程94において、ディスプレイ装置96
上に表示するための画像を生成するために、カラー再現
変換器を用いて、画像90が変換される。この際、オブ
ザーバー98に対して、画像90が望ましい画像となる
ように、変換が実施される。上記の工程は、図13の水
平方向破線上部に示されている。望ましいカラー再現を
実現するためには、ディスプレイ96の動作をモデル化
するパラメータあるいはデータが、カラー再現変換器9
4に備えられている必要がある。本発明は、これらのパ
ラメータ(あるいは参照テーブル内の数値)の決定に関
するものであり、カラー再現システム114内の水平方
向破線99の下部に示されている。本発明の第1の工程
100では、キャラクタリゼーション工程の初期化が実
施される。次の工程102では、パラメータ集合のなか
のパラメータiに関して、ディスプレイモデルを基にし
てテストパターンが生成される。そして、オブザーバー
98が観察できるように、ディスプレイ96にこのテス
トパターンが表示される。そして、オブザーバーによる
選択入力工程104において、オブザーバー98によ
り、指示された判断基準に基づいて選択応答がなされ、
この応答情報が視覚的キャラクタリゼーションシステム
に入力される。次に、工程106において、視覚的キャ
ラクタリゼーションシステムに入力された情報を基にし
て、ディスプレイパラメータiが算出される。そして、
工程108において、ディスプレイモデルに関してパラ
メータ係数が増分され、次のパラメータに処理が移され
る。次の工程110では、ディスプレイモデルに関し
て、先のパラメータがパラメータ集合のなかの最後のパ
ラメータであったか否かがチェックされる。最後のパラ
メータでない場合には、次のディスプレイパラメータに
関して処理が継続され、工程112で次のディスプレイ
パラメータが決定された後に、新しいパラメータに対し
てテストパターンが生成され(工程102)、これがデ
ィスプレイ96上に表示される。工程110において、
先のパラメータが最後のパラメータであった場合には、
視覚的キャラクタリゼーションシステムからカラー再現
変換器94へパラメータリストが送られ、キャラクタリ
ゼーション処理が完了する。
【0088】好適な実施の形態を参照して、本発明に関
する説明がなされた。しかし、当業者であれば、本発明
の範囲から離れることなく、種々の変形および修正が可
能であることを解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によりキャラクタリゼーションが可能で
あるディスプレイを有する画像処理システムを示すブロ
ック図である。
【図2】本発明によりディスプレイを較正する工程を示
すフローチャートである。
【図3】オフセットパラメータを視覚的に推定するため
に、本発明の方法において用いられるディスプレイパタ
ーンを示す図である。
【図4】ディスプレイモデルのオフセットパラメータを
推定するための工程を示すフローチャートである。
【図5】ディスプレイモデルのガンマパラメータを視覚
的に推定するためのディスプレイパターンを示す図であ
る。
【図6】図5のディスプレイパターンが連続して構成さ
れたディスプレイパターンを示す図である。
【図7】透明紙を用いたガンマ較正のための別の方法に
おいて使用されるディスプレイパターンを示す図であ
る。
【図8】ディスプレイパターンに重ねられた図7の透明
紙を示す図である。
【図9】閾値視覚モデルを用いたガンマ較正に関する他
の方法を説明する際に有用である、輝度と視覚的応答と
の間の関係を示す図、およびディスプレイのコード値と
輝度との間の関係を示す図である。
【図10】閾値視覚モデルを用いてガンマ較正を行う他
の方法において用いられるディスプレイパターンを示す
図である。
【図11】視覚明度モデルを用いてガンマ較正を行う他
の方法において用いられるディスプレイパターンを示す
図である。
【図12】色温度を視覚的に推定するためのディスプレ
イパターンを示す図である。
【図13】本発明によるディスプレイの較正工程を示す
詳細なフローチャートである。
【符号の説明】
10 デジタル画像源 12 コンピュータ 14 CRT 16 キーボード 18 マウス 20 ディスプレイモデル生成工程 22 テストパターン生成工程 24 ディスプレイへのパターン表示工程 26 パターン選択工程 28 ディスプレイパラメータ値決定工程 30 ディスプレイ特性決定工程 32 ディスク 34 黒い背景 36 パターン生成工程 38 パターン表示工程 40 パターン選択工程 42 終了決定工程 44 サンプリング増分値減少工程 46 パラメータ算出工程 48 キャラクタリゼーション継続決定工程 50 高い周波数パターン 52 調整可能なコード値パターン 54 パッチ列 55 透明紙 56,58 透明紙における周知濃度領域 60,62 CRT上に表示されるパッチ 64 CRT上に表示されたテスト領域 66 CRT上の背景 68 背景上のパッチ 70 パッチ 72 パッチ列 80 グレイスケール 82 ディスク 84 グレイ背景 90 画像 92 入力およびフォーマット化工程 94 変換工程 96 ディスプレイ装置 98 オブザーバー 99 視覚的キャラクタリゼーション工程からカラー再
生工程を分離する破線 100 第1の工程 102 テストパターン生成工程 104 選択情報入力工程 106 ディスプレイパラメータ決定工程 108 ディスプレイパラメータ増分工程 110 最終パラメータチェック工程 112 次のディスプレイパラメータ決定工程

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスプレイの特性を検知するための方
    法であって、 (a)ディスプレイを形成するための入力信号に対し
    て、ディスプレイの物理的出力を関連付ける複数のパラ
    メータを有するディスプレイモデルを生成する工程と、 (b)特定のパラメータ値に応じた特定のパターンを識
    別するように、オブザーバーに視覚的選択基準を与える
    ことを可能とする、ディスプレイに表示されるパターン
    を形成するための複数の制御信号を生成するように、人
    間の視覚システムのモデルを取り入れる工程と、 (c)パターンを形成するために、ディスプレイに複数
    の制御信号を送る工程と、 (d)ディスプレイから特定のパターンを選択する工程
    と、 (e)選択されたパターンからパラメータ値を決定する
    工程と、 (f)モデルに対してパラメータ値を適用することで、
    ディスプレイの特性を決定する工程とを有することを特
    徴とするディスプレイの特性検知方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のディスプレイの特性検知
    方法において、 ディスプレイがモノクロCRTの場合に、CRTのモデ
    ルが以下の式で表され、 【数1】 ここで、Lは出力輝度を示し、αはゲインを示し、Vは
    コード値を示し、βはオフセット値を示し、γはCRT
    のガンマを示し、φは外部光線によるフレアを示すこと
    を特徴とするディスプレイの特性検知方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のディスプレイの特性検知
    方法において、 ディスプレイがカラーCRTの場合に、CRTのモデル
    が以下の式で表され、 【数2】 ここで、LR、LG、およびLBは、それぞれレッド、グ
    リーン、およびブルー蛍光体の出力輝度を示し、 αR、αG、およびαBは、それぞれレッド、グリーン、
    およびブルーチャネルのゲインを示し、 VR、VG、およびVBは、それぞれレッド、グリーン、
    およびブルーチャネルのコード値を示し、 βR、βG、およびβBは、それぞれレッド、グリーン、
    およびブルーチャネルのオフセット値を示し、 γR、γG、およびγBは、それぞれCRTにおけるレッ
    ド、グリーン、およびブルーチャネルのガンマを示し、 φR、φG、およびφBは、それぞれ外部光線によるフレ
    アのレッド、グリーン、およびブルー成分を示すことを
    特徴とするディスプレイの特性検知方法。
  4. 【請求項4】 ディスプレイの特性を検知するための装
    置であって、 (a)ディスプレイを形成するための入力信号に対し
    て、ディスプレイの物理的出力を関連付ける複数のパラ
    メータを有するディスプレイモデルに関して、特定のパ
    ラメータ値に応じた特定のパターンを識別するように、
    オブザーバーに視覚的選択基準を与えることを可能とす
    るパターンを表示するための手段と、 (b)オブザーバーがディスプレイから特定のパターン
    を選択できるようにする手段と、 (c)選択されたパターンからパラメータ値を決定する
    ための手段と、 (d)モデルに対してパラメータ値を適用することで、
    ディスプレイの特性を決定するための手段とを有して構
    成されていることを特徴とするディスプレイの特性検知
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載のディスプレイの特性検知
    方法において、 前記パターンのなかの1つのパターンが、オフセット値
    βを計測するための、黒い背景上に表示された均一なグ
    レイレベルのディスクの列を有して構成されていること
    を特徴とするディスプレイの特性検知方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のディスプレイの特性検知
    方法において、 パターン外挿を防止するために、黒い背景と等しいグレ
    イレベルのディスクが、ランダム的にパターン内に散在
    されていることを特徴とするディスプレイの特性検知方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項2記載のディスプレイの特性検知
    方法において、 前記パターンのなかの1つのパターンが、オフセット値
    βを計測するための、黒い背景上に表示された周波数パ
    ターンの列を有して構成されていることを特徴とするデ
    ィスプレイの特性検知方法。
  8. 【請求項8】 請求項3記載のディスプレイの特性検知
    方法において、 前記パターンのなかの1つのパターンが、ゲインαR
    αG、およびαBを計測するための、グレイの背景上に表
    示された均一なグレイレベルのディスクの列を有して構
    成されていることを特徴とするディスプレイの特性検知
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のディスプレイの特性検知
    方法において、 グレイレベルのパッチに対する完全な色順応を防止する
    ために、前記均一なグレイレベルのディスクの列には、
    カラーのディスクの列が付随されていることを特徴とす
    るディスプレイの特性検知方法。
  10. 【請求項10】 請求項3記載のディスプレイの特性検
    知方法において、 前記パターンのなかの1つのパターンが、γを計測する
    ための、高い周波数パターンに隣接する均一な領域を有
    して構成されるパターンの列を有して構成されているこ
    とを特徴とするディスプレイの特性検知方法。
  11. 【請求項11】 請求項3記載のディスプレイの特性検
    知方法において、 前記パターンのなかの1つのパターンが、γを計測する
    ための、周知の濃度の透明紙を伴った一対の長方形のC
    RT主要カラーパッチを有して構成されていることを特
    徴とするディスプレイの特性検知方法。
  12. 【請求項12】 請求項3記載のディスプレイの特性検
    知方法において、 前記パターンのなかの1つのパターンが、γを計測する
    ための、同様のカラーの背景に囲まれたCRT主要カラ
    ーの長方形を有して構成されていることを特徴とするデ
    ィスプレイの特性検知方法。
  13. 【請求項13】 請求項2記載のディスプレイの特性検
    知方法において、 前記パターンのなかの1つのパターンが、フレアパラメ
    ータφを計測するための、黒い背景上に表示された均一
    なグレイレベルのディスクの列を有して構成されている
    ことを特徴とするディスプレイの特性検知方法。
  14. 【請求項14】 請求項13記載のディスプレイの特性
    検知方法において、 パターン外挿を防止するために、黒い背景と等しいグレ
    イレベルのディスクが、ランダム的にパターン内に散在
    されていることを特徴とするディスプレイの特性検知方
    法。
  15. 【請求項15】 請求項2記載のディスプレイの特性検
    知方法において、 前記パターンのなかの1つのパターンが、フレアパラメ
    ータφを計測するための、黒い背景上に表示された周波
    数パターンの列を有して構成されていることを特徴とす
    るディスプレイの特性検知方法。
  16. 【請求項16】 請求項1記載のディスプレイの特性検
    知方法において、 与えられた任意のパラメータに対して、オブザーバーが
    望ましい画質においてディスプレイのキャラクタリゼー
    ションを終了できるように、パターンが段階的形態で表
    示されることを特徴とするディスプレイの特性検知方
    法。
JP15455096A 1995-06-21 1996-06-14 ディスプレイモデルを用いた視覚的キャラクタリゼーション Withdrawn JPH0918902A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
US68995P 1995-06-21 1995-06-21
US000,689 1996-03-08
US08/612,530 US5754222A (en) 1996-03-08 1996-03-08 Visual characterization using display model
US612,530 1996-03-08

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JP15455096A Withdrawn JPH0918902A (ja) 1995-06-21 1996-06-14 ディスプレイモデルを用いた視覚的キャラクタリゼーション

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2774498B1 (fr) * 1998-02-05 2001-04-27 Ge Medical Syst Sa Procede de controle de l'etalonnage d'un systeme d'affichage, en particulier d'une imprimante
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