JPH09187939A - インクジェット記録装置の記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録装置の記録ヘッド

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JPH09187939A
JPH09187939A JP107796A JP107796A JPH09187939A JP H09187939 A JPH09187939 A JP H09187939A JP 107796 A JP107796 A JP 107796A JP 107796 A JP107796 A JP 107796A JP H09187939 A JPH09187939 A JP H09187939A
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ink
recording head
substrate
substrates
channel
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JP107796A
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Masahiko Kubota
雅彦 久保田
Teruo Ozaki
照夫 尾▲崎▼
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Canon Inc
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジエツト記録装置の側面噴射型記録ヘ
ッドにおいて、高解像度の記録を可能にするために多列
のインク液路を多段に配列した記録ヘッドを提供する。 【解決手段】 記録ヘッド10は、接合された複数の基
板11、12a、12b、12c、13の積層により構
成され、基板の裏面側には、複数の平行した溝31と、
溝にインクを供給する共通液室31aとが形成され、基
板の表面側には、所定の位置に配置された加熱用要素1
8、アドレス用電極19、共通リターン20と複数の保
護絶縁層17、21〜25とが形成され、基板を貫通し
て、下側基板の液路にインクを供給するインク通路34
が形成されており、接合により、基板の接合面には、溝
31と下側基板の表面側によって加熱用要素18を備え
たチャネルが形成され、チャネルの先端側のフロントフ
ェースには、複数列の液滴放射ノズル32a、32b、
32c、32dが複数段積層して形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置のインクジェット記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ドロッブ・オン・デマンド式のインクジ
エツト印刷用の記録ヘツドには、2つの一般的な構成が
ある。一方の構成においては、例えば、ホーキンズ(H
awkins)その他に対する米国再発行特許第32,
572号明細書において開示されている印刷ヘツド構造
のように、インク小滴は、インク流路内のインクの流れ
に対して平行で、記録ヘツドのバブル発生加熱要素の表
面に対しても平行な方向に向けてノズルから噴射され
る。この構成は、縁部又は側面噴射と呼ばれることもあ
る。他方のインクジエツトの構成は、例えば、アオキ
(Aoki)その他に対する米国特許第4,568,9
53号において開示された印刷ヘツドのように、バブル
発生加熱要素の表面に対して垂直な方向に向けてノズル
から小滴を発射する。この後者の構成は、屋上噴射と呼
ばれることもある。基本的な相違は、小滴噴射の方向に
あることが理解されるであろう。側面噴射の構成が、加
熱要素を有する基板の平面に沿って小滴を噴出するのに
対して、屋上噴射は、加熱要素を有する基板の平面から
逸脱してそれに対して垂直な方向に向けて、小滴を噴射
する。
【0003】従来、このような印刷用の記録ヘツドは、
キヤリツジ型のプリンタにおいて多く使用されている。
この場合、情報列を一列印刷し、続いて記録媒体を1列
の間隔だけ段送りして次の列の印刷を行ない、全ページ
の情報が印刷されるまで隣接する情報列を印刷し続ける
ことになる。また、このような印刷用の記録ヘツドは、
ページ幅型印刷ヘツドのサブエニツトとしても使用され
ている。この場合、ページ幅型印刷のための構造的な画
像棒材上に配列されることも可能である。ベージ幅型印
刷において、印刷ヘツドは、複数の記録ヘッド・サブエ
ニットを画像棒材上において端と端とを当接させること
によって、あるいはそれらを2本の独立した画像棒材上
または同一画像棒材の対面側面上において千鳥配列する
ことによって組み立てることも可能である。
【0004】従来、このような印刷ヘッドを用いて、複
数のノズルを組み立てる方法としては、米国特許第4,
698,644号、4,477,823号、および特開
平5−24192号、特開平5−138885号等で提
案されている。また、電気熱変換素子から吐出ロまでの
オリフイス形状を変えたインクジエツト記録ヘッドとし
ては、米国特許第4,611,219号に提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】キヤリッジタイプのプ
リンタにおける記録ヘッドにおいて、上述したへッドを
高密度に配列するためには、ノズル間距離を短くする
か、インクタンクを含むカートリツジを組み立てるしか
方法がない。ところが、前者の方法では、ノズルおよび
加熱要素の配列ピッチを微細化しなければならないの
で、製造技術上の限界が発生する。また、後者の方法で
は、チップと呼ばれているものを枠の中で組み上げるタ
イプやチップ内を色毎に分割しているタイプがあるがイ
ンクタンクのスベースを取るため、プリンタのコンパク
ト化が困難である。
【0006】本発明は上述した従来の間題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、半導体デ
バイス製造技術を十二分に活用して、インクジェット記
録装置の典型的な側面噴射即ち、縁部噴射型記録ヘッド
において、高解像度の記録を可能にする多列のインク液
路を多段に配列した記録ヘッドを提供することにある。
このことにより更に、プリンタとして全体的なコンパク
ト化も容易となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録装置の記録ヘッドは、記録ヘッドの基板に形成され
たインク流路であるチャネル内の電気熱変換素子に熱エ
ネルギーを発生せしめることによって、チャネル内のイ
ンクをチャネル先端のノズルから記録媒体上にインク小
滴として吐出して記録を行なうインクジェット記録装置
の記録ヘッドにおいて、記録ヘッドは、接合された複数
の基板の積層により構成され、基板の裏面側には、チャ
ネルの一部を形成する一端が開放された複数の平行した
溝と、溝にインクを供給する液路とが形成され、基板の
表面側には、接合される基板の溝と対応した所定の位置
に配置された電気熱変換素子と、該電気熱変換素子を独
立して駆動するための機能素子と、各素子間並びに外部
信号入力部を接続する配線とが形成され、基板を貫通し
て、下側基板の液路にインクを供給する供給路が形成さ
れており、接合により、基板の接合面には、溝と下側基
板の表面側によって電気熱変換素子を備えたチャネルが
形成され、チャネルの先端側のフロントフェースには、
複数列のノズルが複数段積層して形成されている。
【0008】また、積層された基板の最上段の基板に
は、基板表面側に電気熱変換素子と、該電気熱変換素子
を独立して駆動するための機能素子と、各素子間並びに
外部信号入力部を接続する配線とが形成されておらず、
積層された基板の最下段の基板には、基板裏面側に溝と
該溝にインクを供給する液路とが形成されておらなくて
もよく、最上段と最下段以外の中間の基板が、表面側に
のみ電気熱変換素子と、該電気熱変換素子を独立して駆
動するための機能素子と、各素子間並びに外部信号入力
部を接続する配線とが形成されている基板と、裏面側に
のみ溝と該溝にインクを供給する液路とが形成されてい
る基板との2枚の基板で構成され、これらが交互に接合
されることにより、記録ヘッドが構成されていてもよ
い。
【0009】さらに、一層の複数のチャネルの位置が、
接する下側の層の複数のチャネルの中間位置になるよう
にずれて配置されていてもよい。
【0010】以上の構成によれば、インクジエツト記録
ヘッドを組み込んだインクカートリッジが、超小型で作
成でき、容易にカラー印刷が可能となる。さらに、一色
で使用すると、高密度印刷が可能となる。
【0011】さらに、チャネルの位置を一段ごとにずら
して配置することによって、倍密度の配列密度を持った
記録ヘッドとすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。以下の各図においては、同
一の部分には同一の参照番号を付している。図1は、本
発明の記録ヘッドにおけるフロントフエースの拡大斜視
図を示しており、液滴放出ノズルの配列が描かれてい
る。図2は図1の液滴放出ノズルに連接する溝部近傍を
断面A−Aで切断した模式的断面図であり、図3は図1
に示したインクジェットヘッドを組み込んだインクジェ
ットカートリッジの模式的斜視図である。
【0013】図中符号10で表されるものは記録ヘッド
であり、11は最下層のボトムプレート、12a、12
b、12cは中間層のチャネルプレート、13は最上層
のトッププレート、14はヘッドのベースとなるベース
プレート、15は各プレートのフロントフェース、16
は基板であるシリコンウエハの研磨面、17はボトムプ
レート11およびチャネルプレート12a、12b、1
2cの表面側の最下層のアンダーグレース層、18は抵
抗群からなる電気熱変換素子である加熱用要素、19は
電気熱変換素子を独立して駆動する機能素子の一部であ
るアドレス用電極、20は共通リターン、21はシリコ
ン酸化物層、22は第1のパッシベーション層、23は
第2のパッシベーション層、24は第3のパッシベーシ
ョン層、25は厚膜絶縁層、26はTa保護層、27は
インク加熱用のピット、31はチャネルプレート12
a、12b、12cの裏面側に並列して設けられた複数
の溝、31aは複数の溝31を横断して設けられた液路
である共通液室、32a、32b、32c、32dは溝
31と下側のプレートの表面で形成されるチャネルの先
端部の液滴放射ノズル、33は記録ヘッド10の各層へ
インクを供給するための充填穴、34は充填穴33と共
通液室31aを結ぶ供給路であるインク通路、35は溝
31で形成されるチャンネルの後端の傾斜壁、41は加
熱用要素22とアドレス用電極23に電源と信号を接続
するためのコンタクトパッド、42はコンタクトパッド
41に電源と信号を供給するための端子、43はコンタ
クトパッド41と端子42を結ぶリード線、50は記録
ヘッド10が搭載されるインクジェットカートリッジ、
51はシアン、マゼンタ、イエロー、黒のインクを収納
したインクタンク、52はインクタンク51から記録ヘ
ッド10へのインク供給路である。
【0014】本発明の記録ヘッド10は、ベースプレー
ト14上にボトムプレート11と複数のチャネルプレー
ト12a、12b、12cとトッププレート13とを多
層に接合して形成される。
【0015】チャネルプレート12a、12b、12c
の裏面側には、インク流路となる複数の平行した溝31
と、溝31の終端となる傾斜壁35と、溝31の列を横
断して傾斜壁35にそって設けられた共通液室31aと
が形成されている。傾斜壁35の位置は、各層毎に独立
してインクが供給可能なように上層に行くに従ってフロ
ントフェース側に近付けられている。表面側には、接合
されるプレートの溝31と対応した位置に、インクを発
泡させるための抵抗群である複数の加熱用要素18と、
加熱用要素18を駆動するためのアドレス用電極19お
よび共通リターン20と、インクを局部的に発泡させる
ためのピット28とが複数の保護絶縁層と共に形成され
ている。またトッププレート13、チャネルプレート1
2a、12b、12cを貫通して、トッププレート13
の上面に設けられた各層毎のインクの充填穴33と共通
液室31aとを連接するインク通路34が穿孔されてい
る。
【0016】ボトムプレート11には上述したチャネル
プレートの表面側の構造のみが形成されており、トップ
プレート13には裏面側の構造のみが形成されている。
これらの各プレートの表面と裏面は溝31と溝31に対
応する表面部を除き接合のために仕上げられている。
【0017】ボトムプレート11の加熱用要素18の位
置にチャネルプレート12aの溝31の位置を合わせて
接着剤で接合すると接合面に溝31と下面のプレートの
表面とによってインクの流路となる1段目の並列の複数
のチャネルが形成される。次にチャネルプレート12a
の加熱用要素18の位置にチャネルプレート12bの溝
31の位置を合わせて接合すると接合面に溝31と下面
のプレートの表面とによってインクの流路となる2段目
の並列の複数のチャネルが形成される。
【0018】この時、1段目の液滴放射ノズル32aと
2段目の液滴放射ノズル32bとの位置を半ピッチずら
すように形成することで、1段のチャネルの配列密度の
倍密度をもつ記録ヘッド10を作ることができる。この
場合にはチャネルプレートの表裏に形成される加熱用要
素18と溝31の位置を半ピッチずらしておく必要があ
る。
【0019】このようにしてボトムプレート11とトッ
ププレート13の間に複数のチャネルプレート12a、
12b、12cを挟んで接合させることにより、各チャ
ネルの先端が各プレートのフロントフェース15に多列
多段の液滴放射ノズル32a、32b、32c、32d
を形成する。
【0020】接合された各プレートのフェースプレート
と反対側の表面には上のプレートに接合されない面が残
されており、その面にアドレス用電極19と加熱用要素
18に電源と信号を送るコンタクトパッド41が設けら
れ、ベースプレート14に設けられた電極42とリード
線43で接続されている。
【0021】図2の鎖線の矢印はインクの流れと流路を
示す。図3のインクタンク51からインク供給路52を
経由して供給されたインクは、充填穴33からインク通
路34を経て溝31を横断する共通液室31aに達し、
共通液室31aから各溝31で形成されるチャネルに分
配され、チャネルあるいは厚膜絶縁層25に形成された
細長い凹部(不図示)に毛細管現象によって流れ込み、
表面張力によってフロントフェース15の液滴放射ノズ
ル32から排除されることなく保持される。この状態で
制御部からの信号によってピット27内のインクが加熱
されると、膜沸騰によりインク液滴が液滴放射ノズル3
2a、32b、32c、32dから記録媒体に放射され
記録が行なわれる。
【0022】次に、記録ヘッド10を構成する各要素に
ついて詳細に説明する。
【0023】本発明には半導体デバイス製造技術が十二
分に活用されており、両面が研磨された(100)シリ
コンウエハが化学的に洗浄された後に、熱分解CODシ
リコン窒化物層(不図示)が両面に形成される。基板表
面側では、その研磨面16がシリコンの二酸化物などの
アンダーグレーズ層17によつて厚さ約2μm被覆され
ている。ポリシリコン製の抵抗群である加熱用要素18
を使用して、亜燐酸をドープした薄い熱成長酸化物を被
着させ、アドレス用電極19および共通リターン20と
して、アルミニューム、銅、銀、タングステン、金等の
金属を、蒸着法またはCVD法で堆積させ、フォトリソ
グラフィ法等でパターン形成し、次にシリコン酸化物層
21を形成する。酸化層の典型的な厚さは0.5〜1.
0μmとされ、伝導性のインクから加熱用要素18を保
護するとともに隔絶する。酸化物が加熱用要素18の中
央部分から除去され、次に、シリコン窒化物およびスパ
ッタしたタンタル(Ta)の複合層が配置され、加熱用
の加熱用要素18の中央部分の上にパターニングされ
る。タンタル層は、加熱用要素18の直上のシリコン酸
化物層21を除き、例えばCF4 /02 プラズマエッチ
ング法を用いて、全て除去される。ジルコニウム硼化物
などの抵抗材料を加熱用要素として使用する場合には、
その上の保護層として、別の公知の絶縁材料を使用する
ことができる。図2を参照して説明すると、単一結晶上
に形成したアドレス用電極19および共通リターン20
を有する電子回路は、厚さが500オングストローム〜
1.0μmまでのシリコンの二酸化物からなる第1のパ
ッシベーション層22を配置することによってインクか
ら保護される。この層の厚さは、1000オングストロ
ームが好ましい。次に、プラズマ(シリコン)窒化物の
第2のパッシベーション層23を厚さ2500オングス
トローム〜2.0μmに配置する。この厚さは、1.0
μmが好ましい。加熱用要素18(すなわち、Ta保護
層26)と電極ターミナルであるコンタクトパッド41
から酸化物および窒化物が除去される。最初に、プラズ
マ窒化層をドライエッチしてシリコンの二酸化物からな
る層を露出させ、次のこの層をウエットエッチして、こ
の層をTa保護層26およびコンタクトパッドのコンタ
クトパッド41から除去する。Ta保護層26の表面を
粗面とすると加熱用要素18の寿命が短くなるというこ
とが実験的に確認されているので、この表面の平滑度
を、Ta保護層26に損傷を与えることのないウエット
エッチを用いることにより保持する必要がある。
【0024】厚膜フォトパターニングが可能な厚膜絶縁
層25を、二つのイオンパッシベーション層、即ち第1
のパッシベーション層22と第2のパッシベーション層
23の上に形成して、さらに電子回路パッシベーション
を形成し、ピット27および共通液室31aから溝31
で形成されるチャネルに向うインク通路を形成すること
もできる。ポリイミド樹脂は、イオン貫通に対する抵抗
性を有しているとともにシリコン窒化物に対して優れた
接着性を備えているので、最終のパッシベーション層で
ある厚膜絶縁層25として適している。
【0025】鎖線の矢印で示すインク流通路を形成する
ための別の方法としては、米国再発行特許第32,57
2号に開示されているようにダイシングあるいは等方性
エッチングによる方法、あるいはチヤネルとリザーパが
連続して接続している場合には、米国特許第4,77
4,530号に示されているように、これらのチャネル
と共通液室との間の隣接壁内のプレート上面を異方性エ
ッチングする方法がある。
【0026】イオンに対する最大限の保護を確保するた
めに、ポリイミド樹脂からなる第3のパッシベーション
層24をプラズマ窒化物である第2のパッシベーション
層23の上に、厚さ1.5〜12μmに配置する。この
層の厚さが薄い場合には、加熱用要素18のピット27
を省略するか、あるいは本実施例のように厚膜絶縁層2
5をさらに配置する必要がある。しかし、この層を8μ
mあるいはそれ以上の厚さにすると、このポリイミド樹
脂の第3のパッシベーション層24それ自体をフォトパ
ターニングして、ピット27を形成することが可能であ
る。このポリイミド樹脂層によって、イオン汚染に対す
る保護が強化される。この理由は、この層がイオン貫通
に対する適度な抵抗力を有しているからである。また、
厚膜ポリイミド層には低い電場が存在している。プラズ
マ窒化物の層(第2のパッシベーション層23)は、イ
オンマイグレーションに対して強い抵抗力を示すが、シ
リコンの二酸化物(第1のパッシベヨン層22)はTa
保護層26に対して、非常に高いエッチ選択性がある。
このTa保護層26は、液滴放出用のバブルの成長およ
び破壊によって発生するキヤビテーシヨンによる圧力か
ら加熱用要素18を保護している。プラズマ窒化物(第
2のパッシベーション層23)とポリイミド樹脂との間
の接着性が最良なので、酸化物、窒化物およびポリイミ
ド樹脂の三層がこの順序で配置された構成のパシベーシ
ヨン層により、インクによるイオン汚染に対して、記録
ヘッドの電子回路を最大限に保護することができる。さ
らに、ポリイミド樹脂(第3のパッシベーション層2
4)の厚さが少なくとも8μmである場合には、それを
フォトパターニングすることにより、別個の厚膜絶縁層
25を配置することなく、ピット27を好適に形成で
き、また共通液室31aと溝31により構成されるチヤ
ネル間の連通部分を費用効率良く形成することができ
る。
【0027】裏面側には、シリコン窒化物層が形成され
たシリコンウェハ研磨面上にフォトリソグラフィ法を用
いて、アラインメント開口用の少なくとも2つの通路部
分(不図示)を、予め設定した位置にプリントする。ア
ライメント開口部であるパターン付けされた通路部分か
らシリコン窒化物をプラズマエッチングによって除去す
る。水酸化カリゥム(KOH)異方性エッチングにより
アライメント開口をエッチングしてもよい。この場合に
おいては、(100)シリコンウエハの(111)面
が、シリコンウエハの表面に対して54.7°の角度を
形成する。アライメント開口は約60ないし80平方ミ
ルになる。次にアライメント開口を基準として溝31と
共通液室31aをフォトリソグラフィ法によりパターニ
ングし、ウエットエッチングにより、溝31と共通液室
31aが形成される。
【0028】加工の順としては裏面部の加工を行なって
から表面部の加工を行なってもよく、あるいは表面部の
加工を行ない両面をエッチング保護用の樹脂で覆ってか
ら裏面部の加工を行なってもよい。
【0029】図3には、上述の記録ヘッド10を形成
後、インクを貯蔵するインクタンク51および記録ヘッ
ド10にインクを供給するインク供給路52を組み込ん
だインクジェットカートリッジ50を示している。
【0030】本実施の形態では、トッププレートとチャ
ネルプレートとボトムプレートとの構成による記録ヘッ
ドについて説明したが、当然チャネルプレートのみの構
成でもよく、またトッププレートやボトムプレートのよ
うに片面にのみ機能構造を有するプレートを交互に積層
して記録ヘッドを構成してもよい。
【0031】本発明の各種修正例および変形例は、上記
の説明から明らかになる。これらの各例は全て本発明の
範囲内に包合される。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、表面部に
複数の加熱用要素を含む電子回路が形成され、裏面部に
インク液路となる複数の溝が形成されたシリコンウェフ
ァからなるプレートを多段に接合することにより、多列
のインク液路と液滴放射ノズルを多段に配列することが
できるので、カラー印刷や高解像度の記録を可能にする
インクジエツト記録装置用の記録ヘッドを経済的に提供
することができるという効果がある。
【0033】このことにより更に、プリンタとして全体
的なコンパクト化も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録ヘッドにおけるフロントフエース
の拡大斜視図である。
【図2】図1の液滴放出ノズルに連接する溝部近傍を断
面A−Aで切断した模式的断面図である。
【図3】図1に示したインクジェットヘッドを組み込ん
だインクジェットカートリッジの模式的斜視図である。
【符号の説明】
10 記録ヘッド 11 ボトムプレート 12a、12b、12c チャネルプレート 13 トッププレート 14 ベースプレート 15 フロントフェース 16 シリコンウエハの研磨面 17 アンダーグレース層 18 加熱用要素 19 アドレス用電極 20 共通リターン 21 シリコン酸化物層 22 第1のパッシベーション層 23 第2のパッシベーション層 24 第3のパッシベーション層 25 厚膜絶縁層 26 Ta保護層 27 ピット 31 溝 31a 共通液室 32a、32b、32c、32d 液滴放射ノズル 33 充填穴 34 インク通路 35 傾斜壁 41 コンタクトパッド 42 端子 43 リード線 50 インクジェットカートリッジ 51 インクタンク 52 インク供給路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録ヘッドの基板に形成されたインク流
    路であるチャネル内の電気熱変換素子に熱エネルギーを
    発生せしめることによって、前記チャネル内のインクを
    チャネル先端のノズルから記録媒体上にインク小滴とし
    て吐出して記録を行なうインクジェット記録装置の記録
    ヘッドにおいて、 前記記録ヘッドは、接合された複数の前記基板の積層に
    より構成され、 前記基板の裏面側には、前記チャネルの一部を形成する
    一端が開放された複数の平行した溝と、前記溝にインク
    を供給する液路とが形成され、 前記基板の表面側には、接合される基板の前記溝と対応
    した所定の位置に配置された前記電気熱変換素子と、該
    電気熱変換素子を独立して駆動するための機能素子と、
    各素子間並びに外部信号入力部を接続する配線とが形成
    され、 前記基板を貫通して、下側基板の前記液路にインクを供
    給する供給路が形成されており、 接合により、前記基板の接合面には、前記溝と下側基板
    の表面側によって電気熱変換素子を備えた前記チャネル
    が形成され、前記チャネルの先端側のフロントフェース
    には、複数列の前記ノズルが複数段積層して形成されて
    いることを特徴とする記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の記録ヘッドにおいて、 積層された前記基板の最上段の基板には、基板表面側に
    前記電気熱変換素子と、該電気熱変換素子を独立して駆
    動するための機能素子と、各素子間並びに外部信号入力
    部を接続する配線とが形成されておらず、 積層された前記基板の最下段の基板には、基板裏面側に
    前記溝と該溝にインクを供給する液路とが形成されてお
    らないことを特徴とする記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の記録ヘッドにおいて、 最上段と最下段以外の中間の基板が、表面側にのみ前記
    電気熱変換素子と、該電気熱変換素子を独立して駆動す
    るための機能素子と、各素子間並びに外部信号入力部を
    接続する配線とが形成されている基板と、裏面側にのみ
    前記溝と該溝にインクを供給する液路とが形成されてい
    る基板との2枚の基板で構成され、これらが交互に接合
    されることにより、記録ヘッドが構成されていることを
    特徴とする記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれか1項に
    記載の記録ヘッドにおいて、 一層の複数の前記チャネルの位置が、接する下側の層の
    複数のチャネルの中間位置になるようにずれて配置され
    ていることを特徴とする記録ヘッド。
JP107796A 1996-01-09 1996-01-09 インクジェット記録装置の記録ヘッド Pending JPH09187939A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009274328A (ja) * 2008-05-14 2009-11-26 Konica Minolta Ij Technologies Inc インクジェットヘッド

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