JPH09187854A - 多孔性ホースの製造方法 - Google Patents

多孔性ホースの製造方法

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JPH09187854A
JPH09187854A JP8019473A JP1947396A JPH09187854A JP H09187854 A JPH09187854 A JP H09187854A JP 8019473 A JP8019473 A JP 8019473A JP 1947396 A JP1947396 A JP 1947396A JP H09187854 A JPH09187854 A JP H09187854A
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porous hose
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Toshiyuki Yoshimura
寿之 吉村
Seiji Okaya
誠治 岡谷
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Nishikawa Rubber Co Ltd
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Nishikawa Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 特に煩雑な作業を行う必要がなく、発泡度合
いの調節も容易に行え、しかも取り扱い上の安全性にも
優れた多孔性ホースの製造方法を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性エラストマー5が充填された押
出機のシリンダーに所定の圧力下で発泡剤として使用さ
れる水を注入しながら熱可塑性エラストマー5を押し出
して、液体及び/又は気体が透過可能な連通部(連続気
泡構造)4を周壁に形成する。また、熱可塑性エラスト
マーのショア硬度を50A〜80Dとし、水の注入量
を、熱可塑性エラストマー100重量部に対して0.0
5〜5重量部として、熱可塑性エラストマーの温度を1
50℃以上として発泡押出成形することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔性ホースの製
造方法に関する。詳細には、農業,園芸,緑化施設の地
中埋設型灌水,散水,施肥,施薬,送気,排水用に使用
される、周壁に多数の小孔が空けられた多孔性ホースを
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地中埋設型灌水や散水などに使用される
小孔が空けられた多孔性ホースには材質により軟質ホー
スと硬質ホースとがある。軟質ホースの場合には、形状
保持性が弱く、ねじれやよじれが生じ易く、これにとも
ないホース内部に残液が接着作用によって貼り付き目詰
まりの原因になるなどの欠点がある。一方、硬質ホース
の場合には、形状保持性が強いため軟質ホースの場合と
同様な欠点はないが収納性,運搬性及び施工性に悪いと
いう欠点がある。
【0003】これらの欠点を改良するために、機械的処
理により細分化したゴムパウダー,オレフィン系樹脂パ
ウダー及び発泡剤パウダーを混合した粉末剤を押出成形
法により発泡成形して、ゴムパウダー間の気泡を連通さ
せて、その連通部から水を滲み出させる方法が知られて
いる(例えば、特公平7−53406号公報など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
7−53406号公報に記載の方法では、ゴムや樹脂を
20〜80メッシュに粉砕し、しかも均一に混合する必
要があるので非常に手間がかかるという問題がある。ま
た、予め発泡剤を混合した粉末剤を使用するため成形途
中の段階で連通度合い(発泡度合い)の調節には引き取
り速度を変化させるしかないのでその調節幅は小さく、
更に発泡剤は化学系のものであるため取り扱いに注意を
必要とし、それに加えて高価であるといった製造上の問
題がある。
【0005】そこで本発明の目的は、特に煩雑な作業を
行う必要がなく、発泡度合いの調節も容易に行え、しか
も取り扱い上の安全性にも優れた多孔性ホースの製造方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の多孔性ホースの製造方法は、熱可塑性エ
ラストマーを発泡押出成形することによって多孔性ホー
スを製造する方法であって、熱可塑性エラストマーが充
填された押出機のシリンダーに所定の圧力下で発泡剤と
して使用される水を注入しながら熱可塑性エラストマー
を押し出して、液体及び/又は気体が透過可能な連続気
泡構造を周壁に形成するものである(請求項1)。
【0007】また、熱可塑性エラストマーの温度を15
0℃以上として発泡押出成形することが好ましい(請求
項2)。
【0008】更に、水の注入量は、熱可塑性エラストマ
ー100重量部に対して0.05〜5重量部であること
が好ましい(請求項3)。
【0009】熱可塑性エラストマーのショア硬度は、5
0A〜80Dであることが好ましい(請求項4)。
【0010】本発明によれば、原材料のパウダー化や混
合を行う必要がないので作業が簡単で、しかも化学発泡
剤を使用するのではなく水を発泡剤として使用するので
安全性にも優れる。また、その水を押出機のシリンダー
に注入しながら水発泡押出成形するので、注水量を変更
することにより発泡度合いの調節を容易に行える。
【0011】
【発明の実施の形態】本実施形態の多孔性ホースの製造
方法について説明する。 (1)まず、熱可塑性エラストマーを押出機のシリンダ
ーに充填する。押出機はスクリュー付きの押出機であ
り、高圧液体注入装置が接続されている。高圧液体注入
装置は、一般に市販されているポンプ、開閉弁、圧力計
などで構成されている。
【0012】ここでいう熱可塑性エラストマーとして
は、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル
系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、
1,2ボリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、
フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系、動的架橋系など
の熱可塑性エラストマー全般が含まれる。なお、熱可塑
性エラストマーのショア硬度は50A〜80D(AST
M D2240)であることが好ましい。ショア硬度が
50Aより小さいと押し出された成型品である多孔性ホ
ースの自己形状保持力が弱くなり、逆に80Dより大き
いとホースが硬くなり過ぎて収納性,運搬性及び施工性
が悪くなるからである。
【0013】(2)そして、高圧液体注入装置を介して
押出機のシリンダーに所定の圧力下で発泡剤として使用
される水を注入して押出機内でスクリューの回転によっ
て熱可塑性エラストマーと水とを混合しながら、熱可塑
性エラストマーを発泡押出成形する。このとき、熱可塑
性エラストマーの温度を150℃〜220℃として発泡
押出成形することが好ましい。温度が150℃より低い
と熱可塑性エラストマーの粘度が高くなり、発泡剤
(水)の膨張度合いが小さくなる。このため、発泡度が
低くなりホースの周壁に十分な連続気泡構造が得られ
ず、液体及び/又は気体が透過し難くなるからである。
また、温度が220℃より高いと押出された熱可塑性エ
ラストマーが引きのばされやすくなり、その結果、気泡
がつぶれやすくなり液体及び/又は気体が透過し難くな
るからである。
【0014】また、水の注入量は、熱可塑性エラストマ
ー100重量部に対して0.05〜5重量部であること
が好ましい。水の注入量が0.05重量部より少ないと
気泡が十分でなく、ホースの内側から外側に対して液体
及び/又は気体は透過しにくく、逆に5重量部より多い
と水発泡し過ぎて成形が困難になるからである。なお、
水の注入量を熱可塑性エラストマー100重量部に対し
て0.1〜2重量部にすることが最も好ましい。また注
水する液体は水以外、例えば尿素水などを使用してもよ
い。
【0015】以上のようにして水発泡押出成形したホー
スの部分断面は、図1に示すように、液体及び/又は気
体が透過可能な連続気泡構造、すなわち気泡部3が連な
った連通部4が、熱可塑性エラストマー5で成型された
ホースの周壁に形成されたものとなる。これを、従来例
で示した混合粉末剤を押出成形したホースの部分断面を
示す図2と比較すると本実施形態に係る水発泡押出成形
したホースの方が連通部4、すなわち周壁内に占める連
続気泡度合いが多く、水の滲み出し量が大きいことが分
かる。なお図2において、符号1はゴムパウダー,2は
オレフィン系樹脂パウダー,3は気泡部,4は連通部を
示す。
【0016】また本実施形態に係る水発泡押出成形した
ホース(注水量0.5重量%の場合と注水量1.0重量
%の場合)と従来例で示した混合粉末剤を押出成形した
ホースからなる試験体8を各50m地上に水平に施設し
て、図3に示すような、滲み出し量の測定装置に接続し
て、入口側圧力計7が1.0kgf/cm2になるように水道の蛇
口6から水を流したところ、測定距離(m)と滲み出し
量(ml/分/m)との関係は図4に示すようになった。な
お、符号9は末端圧力計を示す。これからも、本実施形
態に係る水発泡押出成形したホースの方が水の滲み出し
量が大きいことが分かる。
【0017】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、原材料
のパウダー化や混合を行う必要がないので作業が簡単
で、しかも化学発泡剤を使用するのではなく水を発泡剤
として使用するので安全性にも優れ、その上安価であ
る。また、その水を押出機のシリンダーに注入しながら
水発泡押出成形するので、注水量を変更することにより
発泡度合いの調節を容易に行え、調節幅が大きい。これ
により成型されたホースは熱可塑性エラストマーの単体
であるので、リサイクルが容易であり、また工程が短く
なることから安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る、熱可塑性エラスト
マー5を水発泡押出成形したホースの部分断面図であ
る。
【図2】従来例に係る、混合粉末剤を押出成形したホー
スの部分断面図である。
【図3】滲み出し量の測定装置を示す外観図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る、熱可塑性エラスト
マー5を水発泡押出成形したホース(注水量0.5重量
%の場合と注水量1.0重量%の場合)と従来例に係
る、混合粉末剤を押出成形したホースについての、測定
距離(m)と滲み出し量(ml/分/m)との関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 ゴムパウダー 2 オレフィン系樹脂パウダー 3 気泡部 4 連通部 5 熱可塑性エラストマー 6 水道の蛇口 7 入口側圧力計 8 試験体 9 末端圧力計

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性エラストマーを発泡押出成形する
    ことによって多孔性ホースを製造する方法であって、熱
    可塑性エラストマーが充填された押出機のシリンダーに
    所定の圧力下で発泡剤として使用される水を注入しなが
    ら熱可塑性エラストマーを押し出して、液体及び/又は
    気体が透過可能な連続気泡構造を周壁に形成することを
    特徴とする多孔性ホースの製造方法。
  2. 【請求項2】前記熱可塑性エラストマーの温度を150
    ℃以上として発泡押出成形することを特徴とする請求項
    1に記載の多孔性ホースの製造方法。
  3. 【請求項3】前記水の注入量は、熱可塑性エラストマー
    100重量部に対して0.05〜5重量部であることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多孔性ホース
    の製造方法。
  4. 【請求項4】前記熱可塑性エラストマーのショア硬度
    は、50A〜80Dであることを特徴とする請求項1乃
    至請求項3のうちいずれか一つに記載の多孔性ホースの
    製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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