JPH09187602A - フッ素樹脂製中空糸束を用いた脱気装置 - Google Patents

フッ素樹脂製中空糸束を用いた脱気装置

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JPH09187602A
JPH09187602A JP35437195A JP35437195A JPH09187602A JP H09187602 A JPH09187602 A JP H09187602A JP 35437195 A JP35437195 A JP 35437195A JP 35437195 A JP35437195 A JP 35437195A JP H09187602 A JPH09187602 A JP H09187602A
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fiber bundle
outer tube
connector
hollow
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Masayuki Kobayashi
正幸 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも一方の端部を接続端部として用い
るフッ素樹脂製の中空糸束を用いた脱気装置において、
脱気装置に対するその中空糸束接続端部の取付構造の簡
単な脱気装置を提供する。 【解決手段】 フッ素樹脂製中空糸束を、排気口及び中
空糸束接続用コネクターを有する密閉容器内に収容させ
た構造を有する液体中に溶存する気体の脱気装置であっ
て、該中空糸束の両端部は接続端部として用いられ、該
接続端部はフッ素樹脂製外套チューブ内に挿入され、該
外套チューブ内に挿入された中空糸束は、その外套チュ
ーブ内の任意の位置において、隣接する中空糸の外表面
間及び外套チューブ内表面とその外套チューブ内表面に
隣接する中空糸外表面との間において気密的に融着して
おり、該コネクターは、該外套チューブが挿通すること
の可能な内径を有する筒状構造を有し、該容器壁に形成
した透孔内を貫通し、かつ該透孔内に気密的に取付けら
れ、該外套チューブは、該コネクターに挿通され、かつ
該コネクターに気密的に取付けられていることを特徴と
する脱気装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素樹脂製中空
糸束を用いた脱気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】中空糸はその壁部を分離手段とした分離
膜である。このような中空糸は、その多数を集束した中
空糸束として利用される。この中空糸束の場合、その一
方又は両方の端部は、接続端部として使用されるが、そ
の接続端部は、立設した短筒内に挿入され、接着剤によ
り一体的に固着される(特公平6−71532号、特開
平7−80256号)。即ち、短筒内に中空糸束の端部
を挿入した後、液状接着剤を短筒内に注入し、中空糸相
互の間隙部及び中空糸と短筒内面との間の間隙部に接着
剤を含浸させ、その含浸接着剤を加熱硬化させる。
【0003】図11に、このようにして中空糸束の接続
端部が固着された中空糸束固着体の構造図を示す。図1
1(a)は中空糸束の固着体の横断面図を示し、図11
(b)は中空糸束固着体端面の正面図を示す。これらの
図において、51は中空糸を示し、52は接着剤を示
し、53は短筒を示し、54はネジ止め穴を示す。
【0004】前記のようにして固着された中空糸束の接
続端部の端面は、フランジ状に形成され、O−リングを
介してパイプやコネクターの開口面に接続される。前記
接着剤52としては、エポキシ樹脂接着剤等が一般的に
用いられている。ところで、図11に示した如きフラン
ジ構造の接続端にその端部を形成した中空糸束において
は、これをパイプ等の開口と接続させる場合には、O−
リングや、パッキン、ガスケット等のシール材が用いら
れるが、これらのシール材を用いる接続には多くの手間
を要する上、そのシール材にも、中空糸と同様の高価な
フッ素樹脂を用いることが必要となる。さらに、中空糸
束の接続端部の固着には接着剤を用いる必要があり、し
かも、従来の場合、この接着剤としてはエポキシ樹脂系
接着剤等が用いられている。従って、この中空糸束を溶
解性の大きい有機溶剤中に浸漬して用いる場合には、そ
の接続端部の固着に用いた接着剤には膨潤が生じ、有機
溶剤がその中空糸固着部から外部へ滲出する等の不都合
を生じる。実公昭62−27703号公報には、脱気装
置に用いる中空糸束において、隣接する中空糸壁を相互
に接合して蜂の巣状結合部に形成したものが示されてい
る。この中空糸束の場合、これを脱気装置に取付けるに
は、その中空糸束の結合部に、プラスチックスリーブを
嵌挿して気密端部構造とし、このスリーブを脱気用容器
に設けられたフランジより突出するように配置し、割り
リング、第一シールリング、第二シールリングを用い、
フランジ部分をボルト及びナットで締め付けて密封状態
を保持している。しかしながら、このような中空糸束の
取付けは、その取付け用装置が大がかりなものとなるだ
けでなく、脱気装置の生産性が極めて悪いものとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、少なくとも
一方の端部を接続端部として用いるフッ素樹脂製の中空
糸束を用いた脱気装置において、脱気装置に対するその
中空糸束接続端部の取付構造の簡単な脱気装置を提供す
ることをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、フッ素樹脂製中空糸
束を、排気口及び中空糸束接続用コネクターを有する密
閉容器内に収容させた構造を有する液体中に溶存する気
体の脱気装置であって、該中空糸束の両端部は接続端部
として用いられ、該接続端部はフッ素樹脂製外套チュー
ブ内に挿入され、該外套チューブ内に挿入された中空糸
束は、その外套チューブ内の任意の位置において、隣接
する中空糸の外表面間及び外套チューブ内表面とその外
套チューブ内表面に隣接する中空糸外表面との間におい
て気密的に融着しており、該コネクターは、該外套チュ
ーブが挿通することの可能な内径を有する筒状構造を有
し、該容器壁に形成した透孔内を貫通し、かつ該透孔内
に気密的に取付けられ、該外套チューブは、該コネクタ
ーに挿通され、かつ該コネクターに気密的に取付けられ
ていることを特徴とする脱気装置が提供される。また、
本発明によれば、フッ素樹脂製中空糸束を、液体供給口
と液体排出口と中空糸束接続用コネクターを有する密閉
容器内に収容させた構造を有する液体中に溶存する気体
の脱気装置であって、該中空糸束の一方の端部は接続端
部として用いられ、他方の端部は接続端部として用いら
れるか又は接続端部として用いられずに封止端部に形成
され、該接続端部はフッ素樹脂製外套チューブ内に挿入
され、該外套チューブ内に挿入された中空糸束は、その
外套チューブ内の任意の位置において、隣接する中空糸
の外表面間及び外套チューブ内表面とその外套チューブ
内表面に隣接する中空糸外表面との間において気密的に
融着しており、該コネクターは、該外套チューブが挿通
することの可能な内径を有する筒状構造を有し、該容器
壁に形成した透孔内を貫通し、かつ該透孔に気密的に取
付けられ、該外套チューブは、該コネクターに挿通さ
れ、かつ該コネクターに気密的に取付けられていること
を特徴とする脱気装置が提供される。
【発明の実施の形態】
【0007】本発明で用いる中空糸は、フッ素樹脂から
なり、従来公知のものである。このようなものには、例
えば、細径の押出しチューブ、紡糸法により得られた中
空糸、これらの中空糸を多孔質化したもの等が挙げられ
る。多孔質化中空糸の場合には、特公平4−34493
号公報に記載のように中空糸端部を充実化したもの等が
好ましく用いられる。また、多孔質化中空糸を有機溶剤
の脱気に用いる場合には、その表面に公知の撥油性ポリ
マーを被覆して、その耐溶剤性を高めることができる。
本発明で用いる中空糸において、その内径は、通常、5
0〜2000μm、好ましくは100〜1000μmで
あり、その肉厚は10〜1000μm、好ましくは20
〜200μmである。中空糸を構成するフッ素樹脂とし
ては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフ
ルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラ
フルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体(PFA)等が用いられるが、好ましくは、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)、、テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)
が用いられる。
【0008】本発明で用いる中空糸束は、複数の中空糸
からなり、その少なくとも一方の端部は接続端部として
用いられる。この接続端部は、フッ素樹脂製外套チュー
ブ内に挿入され、その外套チューブ内に挿入された中空
糸束は、その外套チューブ内の任意の位置において、隣
接する中空糸相互の外表面間及び外套チューブ内表面と
その外套チューブ内表面に隣接する中空糸の外表面との
間において気密的に融着したものである。中空糸束の長
さは、通常、1m以上、特に、10〜20m程度であ
る。
【0009】中空糸束の端部を挿入させるフッ素樹脂製
外套チューブにおいて、その外套チューブの内径は特に
制約されないが、通常、1〜10mm、好ましくは4〜
8mmである。また、その肉厚は0.5〜5mm、好ま
しくは1〜2mmである。外套チューブを構成するフッ
素樹脂としては、前記した各種のもの、好ましくはFE
Pが用いられる。
【0010】次に、図1に本発明で用いる中空糸束の接
続端部を外套チューブ内に挿入し、融着させて形成した
中空糸束融着体の構造説明図を示し、そのA−A断面図
を図2に示し、B−B断面図を図3に示す。これらの図
において、1は中空糸、3は外套チューブ、aは中空糸
の中空孔、bは空間部及びcは樹脂部を示す。また、F
は中空糸束、Dは融着部を示す。
【0011】図1に示した中空糸束融着体の融着部Dに
おいては、中空糸束を構成する各中空糸1は、そのB−
B断面を示す図3からわかるように、隣接する中空糸1
とその外表面において直接的に融着しているため、中空
糸相互の間にはA−A断面を示す図2に見られるような
空間部bが存在せず、中空糸の外表面同志の直接融着よ
り形成された樹脂部c(図3)が存在する。また、同様
に、外套チューブ3の内表面と、その内表面に隣接する
中空糸1の外表面との間も直接的に融着しているため、
外套チューブ内表面とその外套チューブ内表面に隣接す
る中空糸外表面との間には空間部が存在せず、外套チュ
ーブ内表面と中空糸外表面との直接融着により形成され
た樹脂部cが存在する。
【0012】図1に示した中空糸融着体において、中空
糸束Fはその外套チューブ内に挿入された部分の中間部
が融着部Dに形成されているが、この融着部は、その中
間部に限られるものではなく、中間糸束の先端部等外套
チューブ内の任意の位置の中空糸束に対して形成させる
ことができる。
【0013】本発明で用いる図1に示した中空糸束融着
体の形成は各種の方法で行うことが可能であるが、その
1例を以下に示す。先ず、中空糸束を構成する各中空糸
の中空孔内に、その中空糸の内径よりやや細い外径を有
する線状体を、部分的に挿入する。中空糸の中空孔内へ
の線状体の挿入部長さは特に制約されないが、通常、1
0mm以上、好ましくは20〜100mm程度である。
また、線状体の非挿入部長さは、その線状体を挿入した
中空糸束の先端部を、その線状体とともに外套チューブ
の先端開口から外套チューブ内に挿入したときに、その
線状体の後端がその外套チューブの後端から突出する程
度の長さにするのがよい。この線状体は、耐熱性のもの
であればよく、ステンレススチール等の金属ワイヤや金
属パイプ等であることができる。この線状体は、後続の
融着工程において、その中空糸が偏平融着して、中空孔
が閉塞するのを防止するためのものである。次に、前記
のようにして、各中空糸の中空孔内に線状体が部分的に
挿入された中空糸束は、これをその線状体とともに、外
套チューブ内に挿入し、この外套チューブを、その外套
チューブ外径よりやや小さい内径を有する2つ割りの管
状加熱金型の間に入れて挾み付けるとともに、加熱し、
その外套チューブ及びその外套チューブ内に挿入した中
空糸束を溶融させた後、冷却し、冷却後、中空糸内に挿
入した線状体を引抜く。このようにして、隣接する中空
糸の外表面相互が直接融着し、その横断面が図3に示し
た状態の融着部Dを有する中空糸束融着体を形成させる
ことができる。
【0014】本発明で用いる中空糸束の融着体の形成
は、前記の方法に限らず、従来公知の方法で行うことが
できる。このような方法としては、例えば、中空糸端部
の外周面に、熱溶融性フッ素樹脂からなるフィルムを巻
付けるかあるいは熱溶融性フッ素樹脂からなるチューブ
をかぶせるとともに、それらの多数の中空糸の端部を収
束させてフッ素樹脂の外套チューブ内に挿入し、一体に
熱融着させる方法(特公平4−34493号、実開昭6
4−21712号)等を挙げることができる。図4に、
前記のようにして得られる中空糸束融着体の構造図を示
す。この図4に示した中空糸束融着体の融着部Dは、図
3と同様の横断図を示す。但し、この場合、外套チュー
ブ内に挿入された中空糸束において、その隣接する中空
糸相互の外表面間及び外側チューブの内表面とそのチュ
ーブ内表面に隣接する中空糸の外表面との間は、各中空
糸外表面にあらかじめテープとして巻付けるか又はチュ
ーブとしてかぶせた熱溶融性フッ素樹脂の溶融物5を介
して気密的に融着されている。
【0015】本発明で用いる中空糸束において、その一
方の端部のみを接続端として用いるときは、その他方の
端部は封止端部に形成されている。この封止端部の形成
は、各中空糸の先端部を加圧加熱し、その内表面におい
て融着させることにより行うことができる他、その中空
糸束の先端部をフッ素樹脂製外套チューブ内に挿入させ
るとともに、その外套チューブを加圧加熱し、全体を一
体に融着させる方法等により行うことができる。
【0016】中空糸束は、その中間部の中空糸束の周囲
に線状体や、紐状体等を巻成したり、中空糸束を環状リ
ング内に挿通させたり、さらに、中空糸束の中間部を粘
着テープ等の支持体に支持させることができる。このよ
うな固定化された中空糸束は、中空糸束を構成する各中
空糸の大きな乱れがなくなり、取扱いの容易な紐状体又
は帯状体に形成されるので、密閉容器内への配設が容易
になる。
【0017】また、中空糸束は、図5に示すようにコイ
ル状(ラセン状)に巻成して用いるのが好ましい。この
ようなコイル状の中空糸束は、単位体積当りの表面積が
大きくなるため、単位体積当りの分離効率を向上させる
ことができる。このようなコイル状に形成された中空糸
束は、中空糸束を、棒体に巻成し、この状態でいったん
加熱した後冷却し、次いで棒体を除去することによって
形成することができる。
【0018】本発明においては、中空糸束融着体は、そ
の外套チューブを介して、容器壁に形成した透孔内を貫
通し、かつその透孔に気密的に取付けられたコネクター
に気密的に取付けられる。本発明で用いるコネクター
は、中空糸束の接続部の外套チューブを挿通することが
可能な内径を有する筒状構造を有し、その外套チューブ
をコネクターの中空孔内周面に気密的に連結させ得るも
のであれば任意のものが用いられる。コネクターの容器
壁透孔内への気密的取付けは慣用の方法により行うこと
ができる。
【0019】図6に、中空糸束融着体の外套チューブを
コネクターに取付けた1例についての状態図を示す。図
6において、21は容器壁、22はコネクター本体、2
3はコネクターのキャップ、3は中空糸束融着体の外套
チューブ、24は中空糸束融着体に接続すべき別のチュ
ーブ又はパイプ、Eは中空糸束の接続端部を示す。この
図6に示したコネクターを用いて中空糸束の接続端部を
他のチューブ又はパイプに接続するには、中空糸束の接
続端部Eの外套チューブ3をコネクター本体22の中空
孔内に挿入させるとともに、接続すべきチューブ又はパ
イプ24の接続端の挿通されているキャップ23をコネ
クター本体の上部に螺合させ、このキャップを回転させ
る。即ち、キャップ23を回転させてキャップを下方に
押下げると、キャップ23とともに、チューブ又はパイ
プ24の接続端も下方に押下げられる。チューブ又はパ
イプ24の接続端は、内側へ向うテーパ形状に形成され
ており、これを押下げると、そのテーパー形状の接続端
は、コネクターの先端面に形成されたテーパに沿って下
降し、中空糸束の接続端部の外套チューブ3の先端開口
の内側に入り、外套チューブ3の中空内を下方に押下げ
られるとともに、その外套チューブ内壁を外方に拡大さ
せるとともに、その外套チューブの先端は、チューブ又
はパイプ24のテーパ状端面とコネクター22のテーパ
状端面との間で圧縮される。このようにして、外套チュ
ーブ3の外周面はコネクターの中空孔の内面に気密的に
連結されるとともに、チューブ又はパイプ24の接続端
の外面と外套チューブ3の内面とが密接触し、気密的に
連結される。
【0020】図7に、中空糸束融着体の外側チューブ
を、容器壁に形成した透孔に配設されたコネクターに連
結させた他の例について状態図を示す。図7において、
21は容器壁、22はコネクター本体、23はコネクタ
ーのキャップ、3は中空糸束融着体の外套チューブ、2
5はスリーブ、Eは中空糸束の接続端部を示す。この図
7に示したコネクターに中空糸束接続端部の外套チュー
ブを気密的に連結させるためには、中空糸束の接続端E
の外套チューブ3を、コネクター本体22の透孔及びそ
のキャップ23の透孔を挿通させる。キャップ23の内
部には、スリーブ25が配設されており、外套チューブ
3はこのスリーブ25の透孔を挿通する。スリーブ25
は、短筒部26とその端部に形成された隆起部27から
なり、短筒部26はキャップ23の透孔を挿通し、その
隆起部27はキャップ内に位置する。隆起部27の外周
面は、その下端が内側へ向うテーパー形状に形成され、
一方、コネクター22の透孔の上端内周面は逆にその上
方が外側に拡大するテーパー形状に形成されている。従
って、コネクター本体22に螺合するキャップ23を回
転させると、スリーブ25の下端隆起部27は、コネク
ター22の透孔の上端内周面に沿って下降する。従っ
て、外套チューブ3には、そのスリーブの隆起部を介し
てしめ付け応力が作用し、これにより、外套チューブ3
はコネクターに気密的に連結される。スリーブ25の材
質としては、硬質プラスチックや金属等を用いることが
でき、硬質の材料であれば特に制限されない。
【0021】また、図7において、外套チューブ3内の
中空糸束の接続端部Eの位置は、外套チューブ3内の任
意の位置にあることができ、コネクター本体22内に位
置することもできるが、中空糸束の効率的利用を考える
と、図7に示すように、コネクター本体22の下端より
下方、即ち、容器内に位置させるのがよい。また、コネ
クターのキャップ23の透孔から突出した外套チューブ
3は、必要に応じ、慣用のコネクターにより他のチュー
ブやパイプに連結させることができる。
【0022】図8〜図10に、中空糸束を用いた本発明
の脱気装置の模式図を示す。これらの図において、3は
中空糸束融着体の外套チューブ、31は密閉容器、32
はその蓋体、36は真空ライン、Fは中空糸束を示し、
Tはコネクターを示す。図8に示した装置において、そ
の密閉容器31は排気孔を有し、この排気孔には排気管
33が連結されている。また、この排気管33は真空ラ
イン36に接続されている。容器内部は、その排気管3
3を介して排気され、減圧又は真空状態に保持される。
【0023】図8の装置を用いて有機溶剤中に溶存する
気体を除去するには、容器内部を減圧又は真空に保持し
た状態で、中空糸束融着体の一方の外套チューブ3から
有機溶剤を供給し、中空糸束を形成する各中空糸内を流
通させて、他方の中空糸束融着体の外套チューブ3から
排出させる。有機溶剤中に溶存する気体は、有機溶剤が
中空糸内を流通する間に、その中空糸の外部は減圧又は
真空状態に保持されていることから、中空糸壁面(分離
膜)を通して中空糸外部へ蒸散し、有機溶剤から分離除
去される。
【0024】図9に示した装置において、中空糸束Fの
接続端部側とは反対の端部は封止されて封止体Gに形成
されている。図9に示す装置を用いて有機溶剤L中の溶
存気体を除去するには、中空糸束を有機溶剤中に浸漬さ
せ、この状態において、中空糸束融着体の外套チューブ
3を真空ライン36に接続し、各中空糸内を減圧又は真
空状態に保持する。有機溶剤中の溶存気体は、各中空糸
内が減圧又は真空状態に保持されていることから、有機
溶剤中から中空糸内に蒸散し、真空ライン36内を通っ
て外部(大気)へ放出される。なお、図9に示したライ
ン34は有機溶剤供給ラインを示し、ライン35は有機
溶剤排出ラインを示す。図9に示した装置は、バッチ方
式又は流通方式で運転することができ、流通方式で運転
する場合には、ライン34から有機溶剤を供給し、ライ
ン35から有機溶剤を排出する。
【0025】図10に示した装置は、中空糸束Fの両端
部を接続端部として用いる以外は、図9に示した装置と
同様の装置である。この装置を用いることにより、有機
溶剤中に溶存する気体を中空糸内に蒸散させ、真空ライ
ン36を介して大気へ放出させることができる。
【0026】図8〜図10に示した脱気装置は、有機溶
剤中に溶存する気体を除去するために好適のものである
が、もちろん、水、水溶液等の各種の液体中に溶存する
気体を除去するために適用することができる。また、液
体中に溶存する気体は、酸素、炭酸ガス、窒素ガス、炭
化水素ガス等の常温常圧でガス状を示す各種の気体であ
ることができる。
【0027】
【発明の効果】本発明の脱気装置は、脱気装置の容器壁
の透孔に気密的に配設されたコネクターに対し、中空糸
束の接続端部は、その中空糸束融着体の外套チューブを
介して気密的に連結した構造のものであるため、中空糸
束接続端部の容器壁への固定化と容器外への連絡が非常
に容易であるという利点がある。本発明の脱気装置は、
有機溶剤や界面活性剤を含み、表面張力が低い液体や、
腐食性の強い液体中に含まれる溶存気体の脱気装置とし
て好適のものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるの中空糸束融着体の1例につい
ての構造説明図を示す。
【図2】図1におけるA−A断面図を示す。
【図3】図1におけるB−B断面図を示す。
【図4】本発明で用いる中空糸束融着体の他の例につい
ての構造説明図を示す。
【図5】本発明で用いる中空糸束において、その中間部
がカール状に形成されたものの斜視図を示す。
【図6】中空糸束融着体の外套チューブを容器壁の透孔
に配設したコネクターに連結させた1例についての状態
図を示す。
【図7】中空糸束融着体の外套チューブを容器壁の透孔
に配設したコネクターに連結させた他の例についての状
態図を示す。
【図8】本発明の脱気装置の1例についての模式図を示
す。
【図9】本発明の脱気装置の他の例についての模式図を
示す。
【図10】本発明の脱気装置のさらに他の例についての
模式図を示す。
【図11】従来の中空糸束の接続端部の構造説明図を示
す。 a:断面図、b:正面図
【符合の説明】
1 中空糸 3 外側チューブ 21 容器壁 22 コネクター本体 24 キャップ 25 スリーブ 26 短筒部 27 隆起部 31 密閉容器 32 蓋体 33 排気管 34 有機溶剤供給ライン 35 有機溶剤排出ライン 36 真空ライン a 中空糸の中空孔 b 空間部 c 樹脂部 D 融着部 E 中空糸束の接続端部 F 中空糸束 G 中空糸束の封止端部 L 液体 T コネクター

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂製中空糸束を、排気口及び中
    空糸束接続用コネクターを有する密閉容器内に収容させ
    た構造を有する液体中に溶存する気体の脱気装置であっ
    て、該中空糸束の両端部は接続端部として用いられ、該
    接続端部はフッ素樹脂製外套チューブ内に挿入され、該
    外套チューブ内に挿入された中空糸束は、その外套チュ
    ーブ内の任意の位置において、隣接する中空糸の外表面
    間及び外套チューブ内表面とその外套チューブ内表面に
    隣接する中空糸外表面との間において気密的に融着して
    おり、該コネクターは、該外套チューブが挿通すること
    の可能な内径を有する筒状構造を有し、該容器壁に形成
    した透孔内を貫通し、かつ該透孔内に気密的に取付けら
    れ、該外套チューブは、該コネクターに挿通され、かつ
    該コネクターに気密的に取付けられていることを特徴と
    する脱気装置。
  2. 【請求項2】 フッ素樹脂製中空糸束を、液体供給口と
    液体排出口と中空糸束接続用コネクターを有する密閉容
    器内に収容させた構造を有する液体中に溶存する気体の
    脱気装置であって、該中空糸束の一方の端部は接続端部
    として用いられ、他方の端部は接続端部として用いられ
    るか又は接続端部として用いられずに封止端部に形成さ
    れ、該接続端部はフッ素樹脂製外套チューブ内に挿入さ
    れ、該外套チューブ内に挿入された中空糸束は、その外
    套チューブ内の任意の位置において、隣接する中空糸の
    外表面間及び外套チューブ内表面とその外套チューブ内
    表面に隣接する中空糸外表面との間において気密的に融
    着しており、該コネクターは、該外套チューブが挿通す
    ることの可能な内径を有する筒状構造を有し、該容器壁
    に形成した透孔内を貫通し、かつ該透孔に気密的に取付
    けられ、該外套チューブは、該コネクターに挿通され、
    かつ該コネクターに気密的に取付けられていることを特
    徴とする脱気装置。
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