JPH09184932A - 光ファイバ、発光素子モジュール及び光ファイバの製造方法 - Google Patents

光ファイバ、発光素子モジュール及び光ファイバの製造方法

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JPH09184932A
JPH09184932A JP7343831A JP34383195A JPH09184932A JP H09184932 A JPH09184932 A JP H09184932A JP 7343831 A JP7343831 A JP 7343831A JP 34383195 A JP34383195 A JP 34383195A JP H09184932 A JPH09184932 A JP H09184932A
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optical fiber
light
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diffraction grating
expanded diameter
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Atsushi Hamakawa
篤志 濱川
Takashi Kato
隆志 加藤
Masaichi Mobara
政一 茂原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率良い光結合を可能とした光ファイバを提
供すること。 【解決手段】 軸方向に形成されたコア3に沿って光を
導光する光ファイバ1であって、光ファイバ1の端部に
おけるコア3に拡径部31が形成されると共に、そのコ
ア3に所定波長の光のみを反射する回折格子32が形成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ、発光
素子モジュール及び光ファイバの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の発光素子モジュールとして、図1
1に示すように、発光源となる半導体発光素子Aと導光
路となる光ファイバBを備えて構成されたものが知られ
ている。発光素子モジュールの半導体発光素子Aは、p
型半導体とn型半導体を接合したもので構成され、その
半導体発光素子Aの相対向する各側面に高反射率の光反
射面Cと低反射率の光射出面Dが設けられている。一
方、光ファイバBはコアEに複数の高屈折率の領域を所
定のピッチで形成してなる回折格子Fが設けられてお
り、この回折格子Fと光反射面Cとが共振器を構成して
いる。このような発光素子モジュールによれば、半導体
発光素子Aへの電流注入によりその内部で光を生じ、そ
の光が光反射面Cと光ファイバBの回折格子Fの間で反
射往復し増幅されることにより、回折格子Fのピッチで
決まる単一波長のレーザ光Hを光ファイバBを通じて出
力することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
発光素子モジュールにあっては、次のような問題点があ
る。半導体発光素子Aと光ファイバBが効率良く光結合
されず、レーザ光Hを効率良く出力することができな
い。すなわち、半導体発光素子Aで発生させた光を効率
良く増幅してレーザ光Hとして出力するには、半導体発
光素子Aと光ファイバBとの光結合効率が重要である
が、半導体発光素子A及び光ファイバBはともに微小な
ものであり、互いの光軸を合わせて正確に配置するのは
非常に困難である。このため、半導体発光素子Aに対し
光ファイバBが軸ズレしたりすると、半導体発光素子A
の光反射面Cと光ファイバBの回折格子Fとの間で往復
する光のエネルギー損失が大きく、効率良く光を増幅で
きない。従って、レーザ光Hを効率良く出力できず、そ
れに起因して量産した際の発光素子モジュールの出力特
性にばらつきを生ずることとなる。このような問題に対
処すべく、半導体発光素子Aと光ファイバBの光結合効
率の向上するための技術開発が切望されている。
【0004】そこで本発明は、以上のような問題点を解
決するためになされたものであって、効率良い光結合を
可能とした光ファイバを提供し、またレーザ光を効率良
く出力する発光素子モジュールを提供し、また効率良い
光結合を可能とした光ファイバの製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、コア
とクラッドよりなる光ファイバにおいて、そのコアの拡
径部を端部に備え、かつ、所定の箇所に特定の波長の光
のみを反射する回折格子を備えることを特徴とする光フ
ァイバである。また本発明は、前述の回折格子が拡径部
内に備えられていることを特徴とする光ファイバであ
る。また本発明は、前述の回折格子の一部が拡径部内に
備えられていることを特徴とする光ファイバである。
【0006】これらの発明によれば、光を入射するコア
に拡径部が形成されているから、光結合対象に対しコア
が軸ズレ等を生じた場合であっても、光の入射及び出射
が確実に行われ光結合効率の低下が防止される。
【0007】また本発明は、前述の回折格子が導光方向
に沿って等光路長で周期的に設けられた高屈折率領域を
備えていることを特徴とする光ファイバである。このよ
うな発明によれば、回折格子が導光方向に沿って屈折率
の異なる拡径部に形成されている場合であっても、その
回折格子を形成する高屈折率領域の間隔が等しい光路長
となっているから、単一の波長の光のみが反射されるこ
ととなる。
【0008】また本発明は、前述の拡径部を備えた端部
が先球加工されていることを特徴とする光ファイバであ
る。このような発明によれば、光ファイバへ入射する光
がコアへ向けて集められるから、光結合効率の向上が図
れる。
【0009】また本発明は、前述の拡径部を備えた端面
に反射低減膜を備えていることを特徴とする光ファイバ
である。このような発明によれば、光ファイバへ入射す
る光がその光ファイバの端面で反射することなく導光さ
れるから、その反射による特性悪化が回避され光結合効
率が向上する。
【0010】また本発明は、前述の光ファイバを用いた
発光素子モジュールであって、活性領域を挟んで相対向
する光反射面と光射出面が形成された半導体発光素子を
備え、その光射出面と光ファイバの拡径部を備える端部
が光結合され、光反射面と回折格子とにより実質的に共
振器が形成されていることを特徴とする発光素子モジュ
ールである。このような発明によれば、半導体発光素子
と光ファイバとの光結合が効率良く行われるので、単一
波長のレーザ光を効率良く出力できる。
【0011】また本発明は、拡径部を有するファイバ原
線の一端側から基準光を入射させ、そのファイバ原線の
他端側に出射される光が所定の波長特性を有するように
ファイバ原線中に回折格子を形成し、拡径部の箇所でフ
ァイバ原線を切断する光ファイバの製造方法である。こ
のような発明によれば、端部におけるコアに拡径部を有
すると共に、そのコアの途中に所定波長の光のみを反射
する回折格子を有する光ファイバが確実に製造可能とな
る。
【0012】また本発明は、前述の拡径部の両側に光反
射特性の同等な回折格子を形成することを特徴とする光
ファイバの製造方法である。このような発明によれば、
同等な光反射特性の回折格子を形成した光ファイバが同
時に製造可能となる。
【0013】また本発明は、前述の拡径部の両側に光反
射特性の異なる回折格子を形成することを特徴とする光
ファイバの製造方法である。このような発明によれば、
異なる光反射特性の回折格子を形成した光ファイバがそ
れぞれ同時に製造可能となる。
【0014】また本発明は、端部に拡径部を有するファ
イバ原線の一端から基準光を入射させ、そのファイバ原
線中で反射され入射端より出射される光が所定の波長特
性を有するようにファイバ原線中に回折格子を形成する
光ファイバの製造方法である。このような発明によれ
ば、光ファイバの一端を光結合するだけで他端を開放し
た状態で回折格子を有する光ファイバを製造することが
可能となる。
【0015】また本発明は、前述のファイバ原線の拡径
部を備えた端面に反射低減膜を予め備えておくことを特
徴とする光ファイバの製造方法である。このような発明
によれば、拡径部を有する端面での光の反射が防止され
るから、回折格子における反射特性のみを正確に計測可
能となる。
【0016】また本発明は、前述のファイバ原線の拡径
部を備えた端部が予め先球加工されていることを特徴と
する光ファイバの製造方法である。このような発明によ
れば、端面が先球加工されることでその端面での光の反
射が防止されるから、回折格子における反射特性のみを
正確に計測可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、本発明
に係る実施形態の一例について説明する。なお、各図に
おいて同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
また、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致して
いない。
【0018】図1は光ファイバ1の概要図である。図1
において、光ファイバ1は、石英(SO2 )等からなる
クラッド2の内部にゲルマニア(GeO2 )等の屈折率
上昇材を添加してなるコア3が軸方向に沿って形成され
た細径の線材であって、高屈折率のコア3に沿って光を
導光する構造となっている。この光ファイバ1は、その
端部におけるコア3に拡径部31が形成されている。拡
径部31は、光ファイバ1の端面11のモードフィール
ド径が拡大された部位であり、図1に示すように、光フ
ァイバ1のコア3の径を広げることにより形成され、例
えば、そのモードフィールド径が端面11へ向けて徐々
に拡大するような形状とされる。このような拡径部31
がコア3の端部に形成されることにより、光ファイバ1
の端面11へ向けて照射される光が軸ズレ等ていても、
コア3内へ確実に導光されることとなり、外部との光結
合効率の向上が図れる。
【0019】一方、コア3の途中には、所定の波長の光
のみを反射する回折格子32が形成されている。回折格
子32は、図1のように、光ファイバ1の軸方向、すな
わちコア3の導光方向に沿って形成された複数の高屈折
率領域33により構成され、これらの高屈折率領域33
の間が等しい光路長とされることにより、次式(1)の
λの波長を有する光のみを選択的に反射するようになっ
ている。
【0020】λ =2・n・Λ …… (1) n:コア3内における実効屈折率 Λ:高屈折率領域33の間隔(周期) 図1において、回折格子32は拡径部31内に形成され
ており、この拡径部31内では端面11へ向けて徐々に
屈折率が小さくなる傾向があるため、高屈折率領域33
の周期Λを端面11へ向けて徐々に広い距離で形成され
ている。この高屈折率領域33の形成は、紫外線照射に
よる干渉露光法を用いて行えばよい。すなわち、光ファ
イバ1の外部から紫外線を照射し、その照射によりゲル
マニウムが添加されているコア3の屈折率を上昇させる
ことにより、高屈折率領域33が形成される。紫外線は
コア3へ周期Λに相当する干渉縞を形成した状態で照射
されることにより、所定周期Λで高屈折率領域33が形
成されることとなる。このような回折格子32がコア3
に形成されることにより、光ファイバ1の端面11から
入射する光のうち所定波長のもののみが端面11側へ反
射されることとなる。
【0021】また、前述の回折格子32は、コア3の拡
径部31以外に形成されていてもよい。すなわち、図2
のように回折格子32が拡径部31とそれ以外の部分に
跨がって形成されている場合、また、図3のように回折
格子32が拡径部31以外のコア3に形成されている場
合であっても、高屈折率領域33の周期Λが等しい光路
長で形成されていれば、所定波長の光のみを反射可能で
ある。
【0022】また、光ファイバ1の端部は、先球加工さ
れる場合もある。例えば、図4に示すように、光ファイ
バ1aは、その端面11aが外側へ向けて凸面鏡状又は
半球状に突出した構造とされ、このような構造を有する
ことにより、その端面11aへ照射される光が軸心のコ
ア3へ集光されるから、外部との光結合効率が良好なも
のとなる。その先球加工は、例えば、端面11aにおけ
るモードフィールド径が35μmである場合、曲率半径
20μmに突出して形成される。
【0023】更に、光ファイバの端面に光反射率を低減
する反射低減膜が付設される場合もある。すなわち、図
5に示すように、光ファイバ1bは、その端面11に反
射低減膜である誘電体多層膜12が付設されることによ
り、端面11へ照射される光がその端面11で反射せず
にコア3内へ確実に入射されることとなる。この誘電体
多層膜12は、シリカ(SiO2 )やチタニア(TiO
2 )などの薄い膜を数層に積層して構成した膜体であ
り、その膜の材質の屈折率、厚さ及び層数を適宜変える
ことにより、特定波長における光反射率を任意に設定す
ることが可能となる。
【0024】次に前述の光ファイバ1又は1a、1bを
用いた発光素子モジュール6について説明する。
【0025】図6のように、発光素子モジュール6は、
前述の光ファイバ1又は1a、1b(以下、光ファイバ
1という。)と半導体発光素子4を備えて構成されてい
る。半導体発光素子4は、光の発生及び増幅を行う活性
領域41を有し、その活性領域41を挟んで相対向する
光反射率の高い光反射面42と光反射率の低い光射出面
43が設けられた構造とされており、その活性領域41
へ電流を注入することで光を発生し、その光を光反射面
42で反射して光射出面43から射出するようになって
いる。この半導体発光素子4としては、例えば、一般の
ファブリペロー型の半導体レーザと同様にInGaAs
P/InPのダブルヘテロ構造体が採用され、InPか
らなるクラッド層44、44の間にInGaAsPから
なる活性領域41が配設される。この活性領域41は混
晶が用いられることによりその屈折率がクラッド層44
のものより大きくなり、活性領域41に沿って光が導光
されるようになっている。
【0026】半導体発光素子4における電流の注入手段
としては、例えば、半導体発光素子4に電流注入用の駆
動回路(図示なし)を接続したものが採用され、クラッ
ド層44、44を通じて活性領域41へ電流を流せるよ
うに構成しておけばよい。このような駆動回路から半導
体発光素子4に所定の作動電流が流されることで活性領
域41が励起されて自然放出光が発生し、この自然放出
光が誘導放出を引き起こしながら活性領域を進行し、誘
導放出光とともに光射出面43から射出されることとな
る。なお、半導体発光素子4は、前述のInGaAsP
/InPのダブルヘテロ構造体のものに限られるもので
なく、光を発生し増幅し、かつ、前述の光反射面42及
び光射出面43を有するものであれば、その他の半導体
等により形成されたものであってもよい。
【0027】一方、図6のように、その半導体発光素子
4の光射出面43側には、その光射出面43と相互に光
の入射及び出射を可能に光結合された状態で、前述の光
ファイバ1が配置されている。例えば、光ファイバ1
は、その端面11が半導体発光素子4の光射出面43と
相対向するように配置され、光射出面43から射出され
た光を入射可能とされ、またその端面11から光射出面
43へ向けて光を出射できるようになっている。また、
光ファイバ1は、コア3に形成した回折格子32が半導
体発光素子4の光反射面42と共にレーザ共振器を構成
している。すなわち、半導体発光素子4内で発生した光
を光反射面42と回折格子32の間で反射往復させなが
ら増幅させ、光ファイバ1を通じてレーザ光5として出
力するようになっている。更に、回折格子32が光ファ
イバ1の端部付近、すなわちコア3の拡径部31に形成
されていれば、その回折格子32が半導体発光素子4を
収容するパッケージ内に位置し、回折格子32への外部
からの影響(光ファイバ1に加わる外力や熱等)が低減
するので、発光素子モジュール6のレーザ光出力特性が
安定化される。
【0028】図示されていないが、半導体発光素子4と
光ファイバ1の間には、それらの間で進行する光の結合
を行うレンズ系が設けられていてもよい。例えば、半導
体発光素子4及び光ファイバ1と別個のロッドレンズ又
は円柱レンズなどを配設して、半導体発光素子4の光射
出面43又は光ファイバ1のコア3から出射される光の
広がりを集束して、コア3と光射出面43とを光結合さ
せる。このレンズ系の配設により、半導体発光素子4の
光反射面42と光ファイバ1の回折格子32との間で光
が往復する際に、半導体発光素子4と光ファイバ1の間
での光結合効率を向上させることが可能となる。
【0029】次に、発光素子モジュール6の作動につい
て説明する。
【0030】図6において、半導体発光素子4のクラッ
ド層44、44間に所定の電圧を印加して、各クラッド
層44及び活性領域41へ電流を注入する。すると、活
性領域41が励起されて自然放出光を発する。この自然
放出光は、活性領域41内で誘導放出を引き起こして誘
導放出光とともに進行して、反射率の高い光反射面42
で反射されて反射率の低い光射出面43から射出されて
いく。光射出面43から光ファイバ1側へ射出された光
は、光ファイバ1の端面11へ向けて進行するが、半導
体発光素子4及び光ファイバ1はマイクロオーダーの微
小なものであるから、半導体発光素子4から射出される
光の光軸と光ファイバ1のコア3の光軸が微妙に軸ズレ
して配設されるおそれがある。しかし、仮にそのような
場合であっても、光ファイバ1のモードフィールド径は
その端部で拡径部31の形成により拡大されているか
ら、半導体発光素子4から射出された光は確実に光ファ
イバ1のコア3内へ入射されることとなる。その際、光
ファイバ1の端面11が光ファイバ1aの端面11aの
ように先球加工されていれば、コア3へ入射した光をコ
ア3の中心へ集光させることができる。また、光ファイ
バ1の端面11が光ファイバ1bのように反射低減膜で
ある誘電体多層膜12を付設していれば、端面11へ照
射された光を反射させずに確実にコア3内へ入射させる
ことが可能となる。
【0031】そして、その光は、コア3の途中に配設さ
れた回折格子32により所定波長のもののみが反射され
る。すなわち、等しい光路長Λに隔てられた複数の高屈
折率領域33に光が到達すると、そのΛに対応する波長
λ(前述の式(1)を満たす波長λ)のみが選択的に光
ファイバ1の端部11側へ反射されることとなる。その
特定波長の光は光ファイバ1の端面11から射出され、
半導体発光素子4の活性領域41内へ入射されて、活性
領域41内を進行し、再び増幅されながら光反射面42
で反射される。このように、光は光反射面42と光ファ
イバ1の回折格子32との間での往復を繰り返し増幅さ
れた後、回折格子32を透過して所望のレーザ光5とし
て光ファイバ1を通じて出力されていく。
【0032】このような発光素子モジュール6によれ
ば、光ファイバ1に回折格子32が形成されているから
単一波長のレーザ光を出力できると共に、光ファイバ1
に拡径部31が形成されているから、半導体発光素子4
と光ファイバ1との光結合が効率良く行われ、レーザ光
を効率良く出力することができる。
【0033】次に、前述の光ファイバ1の製造方法につ
いて説明する。
【0034】図7において、コア3の途中部分に拡径部
30を形成したファイバ原線10を用意し、そのファイ
バ原線10の一端側から基準光7を入射し、他端側に透
過してくる透過光8の波長−光強度特性を測定できるよ
うに、ファイバ原線10をセットする。このファイバ原
線10は製造すべき光ファイバ1の母体となるものであ
り、そのコア3の拡径部30は、ファイバ原線10の途
中をバーナなどにより加熱し、コア3に添加されたゲル
マニウムなどの屈折率上昇材を周囲に拡散させることに
より形成される。基準光7の入射手段としては公知の発
光源装置等を用い、透過光8の受光手段としては公知の
受光装置等を用いればよい。ファイバ原線10の拡径部
30は、前述の拡径部31と同様にモードフィールド径
を拡大したものである。また、基準光7としては、所定
の波長帯において各波長成分をほぼ均等に有する光を用
いるのが好ましく、例えば、白色光が採用される。
【0035】そして、基準光7をファイバ原線10の一
端側から入射し、他端側へ透過してくる透過光8の特性
を計測しながら、ファイバ原線10に紫外線91を照射
する。紫外線91の照射は、ファイバ原線10へ向けて
二方向から行い、コア3の軸方向へ紫外線91により所
定間隔で干渉縞ができるようにする。干渉縞の間隔は、
前述した所望の高屈折率領域33の周期Λとなるように
設定しておく。その紫外線91の照射により、ファイバ
原線10のコア3では、紫外線の強度に応じて屈折率が
上昇し、複数の高屈折率領域33、すなわち回折格子3
2が形成されていく。その際、図7のように、透過光8
の波長−光強度特性を計測しながら回折格子32を形成
できるので、その回折格子32の光反射特性を微妙に調
整しながら所定波長のみを反射するものとすることがで
きる。
【0036】そして、拡径部30の両側に、前述の如く
回折格子32、32をそれぞれ設ける。その際、二つ目
の回折格子32は、初めの回折格子32の反射特性によ
る部分を差し引いて、透過光8の波長−光強度特性を計
測しながら形成すればよい。また、拡径部30の両側に
形成する回折格子32、32の光反射特性は、同等なも
のでよいし、紫外線の照射状態を変えることにより異な
る特性とすることも可能である。また、回折格子32の
一部又は全部を拡径部30に形成する場合もある。この
場合、ファイバ原線10から図1又は図2に示すような
光ファイバ1が得られることとなる。
【0037】回折格子32を形成後、図8のように、フ
ァイバ原線10を拡径部30のほぼ中心位置で切断す
る。その切断はへき開により行えばよい。その切断によ
り、ファイバ原線10から二本の光ファイバ1が得られ
ることとなる。更に、得られた光ファイバ1の拡径部3
0側の端面を先球加工し、また反射低減膜である誘電体
多層膜12を付設する場合もある。
【0038】このような光ファイバ1の製造方法によれ
ば、予め拡径部30を有するファイバ原線10に回折格
子32を形成するので、拡径部30の形成時の熱により
回折格子32の特性が劣化するなどの問題を生じない。
また、回折格子32の光反射特性を計測しながら回折格
子32を形成するから、その回折格子32の光反射特性
を所望のものとして確実に形成できる。更に、回折格子
32を形成したファイバ原線10を切断して光ファイバ
1とするので、最端部に回折格子32を有する光ファイ
バ1を容易に、かつ、確実に製造できる。
【0039】ところで、光ファイバ1、1a又は1b
は、前述の製造方法と異なる方法により製造してもよ
い。すなわち、ファイバ原線10の端部にコア3の拡径
部31が形成されているときは、拡径部31側の端部を
受光装置等と効率良く光結合するのが困難である。この
ため、図9に示すように、波長−光強度特性を計測しな
がら基準光7をファイバ原線10の一端から入射し、フ
ァイバ原線10のコア3に所望の回折格子32を形成す
ると同時に、その内部(形成される回折格子32)で反
射する反射光71の波長−光強度特性を計測すること
で、所望の回折格子32を有する光ファイバ1(1a又
は1bを含む)が製造できる。
【0040】その光ファイバ1の具体的な製造方法は、
まず、ファイバ原線10における拡径部31と反対側の
端部に導光体92、光分岐器93を介して基準光7の光
源を接続して、ファイバ原線10の端部へ基準となる光
を入射できるようにしておく。例えば、光分岐器93と
して、4つの端子P1、P2、P3、P4を有し、端子P1
へ入射された光が所定の割合で分岐されて端子P3、P4
から出射され、端子P3へ入射された光が所定の割合で
端子P1、P2から出射される構造のものを用い、その端
子P1と基準光7の光源を接続し、端子P3とファイバ原
線10を接続すると共に、端子P4に分光器94を接続
することにより、端子P1へ入射した基準光7を光分岐
器93内で基準光7aと基準光7bに分岐させ、基準光
7aを端子P3から出射してファイバ原線10へ入射さ
せ、基準光7bを端子P4から出射して分光器94へ入
射させ基準光7aの波長−光強度特性を計測できるよう
にしておく。また、光分岐器93の端子P2にも分光器
95を接続することにより、ファイバ原線10で反射さ
れる基準光7aの反射光71を端子P3へ入射させ光分
岐器93内で分岐させて反射光71aとして、その反射
光71aを端子P2を通じて分光器95へ入射させて反
射光71の波長−光強度特性を計測できるようにしてお
く。
【0041】このように、ファイバ原線10へ入射され
る基準光7aとその反射光71の波長−光強度特性を計
測可能な状態とし、ファイバ原線10への基準光7の入
射を行う。その基準光7としては、前述同様に白色光を
用いればよい。一方、前述同様に、ファイバ原線10へ
紫外線を照射し、コア3に回折格子32を形成する。回
折格子32が形成されていくと、それに伴って、ファイ
バ原線10へ入射された基準光7が光分岐器93側へ反
射されていく。その反射光71の特性は、図10に示す
ように、分光器95により随時計測することが可能であ
る。例えば、分光器94における基準光7の光強度が波
長1300nmにおいて0dBmであり、光分岐器93
の端子P3から端子P2、端子P1への分岐比が1:1で
あり、分光器95に示される光強度が波長1300nm
で−6dBで示される場合、回折格子32の波長130
0nmにおける反射率が50%になっていることが容易
に確認できる。従って、分光器95の反射光71の光強
度を計測しながら、ファイバ原線10へ紫外線を照射す
ることにより、回折格子32の光の反射特性を容易に所
望のものとすることができる。
【0042】その際、ファイバ原線10の拡径部31側
の端面に予め反射低減膜である誘電体多層膜12を付設
しておけば、その端面での反射が防止されるから、回折
格子32の反射特性のみを分光器95により計測でき、
回折格子32における所望の反射特性が確実に得られ
る。また、その拡径部31側の端面に先球加工を予め施
しておけば、同様に、その端面での反射が防止され、回
折格子32の反射特性のみを分光器95により計測で
き、回折格子32における所望の反射特性が確実に得ら
れることとなる。そして、ファイバ原線10に所望の回
折格子32を形成し終えたら製造を完了する。
【0043】このような光ファイバ1の製造方法によれ
ば、コア3の拡径部31がファイバ原線10の端部に形
成されていた場合であっても、そのコア3に所望特性の
回折格子32を確実に形成することが可能である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような効果を得ることができる。すなわち、本発明に
係る光ファイバにあっては、光を入射するコアに拡径部
が形成されることにより、光結合対象に対しコアが軸ズ
レ等を生じた場合であっても、光の入射及び出射が確実
に行われるから、光結合効率の低下を防止することがで
き、光結合性に優れている。また、回折格子がコアの導
光方向に向けて複数設けられた高屈折率領域からなり、
それらの高屈折率領域の間隔が等しい光路長とされるこ
とにより、回折格子が導光方向に沿って屈折率の異なる
拡径部に形成されている場合であっても、単一の波長の
光のみを反射することができる。また、光ファイバの端
部が先球加工されることにより、光ファイバへ入射する
光がコアへ向けて集められるから、光結合効率の向上を
図ることができる。また、光ファイバの端面に反射低減
膜が付設されることにより、光ファイバへ入射する光が
その光ファイバの端面で反射することなく導光されるか
ら、光結合効率の向上を図ることができる。
【0045】また本発明に係る発光素子モジュールにあ
っては、半導体発光素子と光ファイバとの光結合が効率
良く行われるので、単一波長のレーザ光を効率良く出力
することができる。
【0046】また本発明に係る光ファイバの製造方法に
あっては、光ファイバのコア端部に拡径部を有すると共
に、そのコアの途中に所定波長の光のみを反射する回折
格子を有する光ファイバが確実に製造できる。また、光
ファイバの一端を光結合するだけで他端を開放した状態
でコアに拡径部及び回折格子を有する光ファイバを確
実、かつ、容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る光ファイバの模式図である。
【図2】実施形態に係る光ファイバの模式図である。
【図3】実施形態に係る光ファイバの模式図である。
【図4】実施形態に係る光ファイバの模式図である。
【図5】実施形態に係る光ファイバの模式図である。
【図6】実施形態に係る発光素子モジュールの概略図で
ある。
【図7】実施形態に係る光ファイバの製造方法の説明図
である。
【図8】実施形態に係る光ファイバの製造方法の説明図
である。
【図9】実施形態に係る光ファイバの製造方法の説明図
である。
【図10】実施形態に係る光ファイバの製造方法の説明
図である。
【図11】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ、2…クラッド、3…コア、31…拡径
部、32…回折格子 33…高屈折率領域

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアとクラッドよりなる光ファイバにお
    いて、 前記コアの拡径部を端部に備え、かつ、所定の箇所に特
    定の波長の光のみを反射する回折格子を備えることを特
    徴とする光ファイバ。
  2. 【請求項2】 前記回折格子が前記拡径部内に備えられ
    ていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
  3. 【請求項3】 前記回折格子の一部が前記拡径部内に備
    えられていることを特徴とする請求項1に記載の光ファ
    イバ。
  4. 【請求項4】 前記回折格子は、導光方向に沿って等光
    路長で周期的に設けられた高屈折率領域を備えているこ
    とを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の
    光ファイバ。
  5. 【請求項5】 前記拡径部を備えた端部が先球加工され
    ていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか
    に記載の光ファイバ。
  6. 【請求項6】 前記拡径部を備えた端面に反射低減膜を
    備えていることを特徴とする請求項1から5までのいず
    れかに記載の光ファイバ。
  7. 【請求項7】 請求項1から6までのいずれかに記載の
    光ファイバを用いた発光素子モジュールであって、 活性領域を挟んで相対向する光反射面と光射出面が形成
    された半導体発光素子を備え、その光射出面と前記光フ
    ァイバの前記拡径部を備える端部が光結合され、前記光
    反射面と前記回折格子とにより実質的に共振器が形成さ
    れていることを特徴とする発光素子モジュール。
  8. 【請求項8】 拡径部を有するファイバ原線の一端側か
    ら基準光を入射させ、 そのファイバ原線の他端側へ出射される光が所定の波長
    特性を有するように前記ファイバ原線中に回折格子を形
    成し、 前記拡径部の箇所で前記ファイバ原線を切断する光ファ
    イバの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記拡径部の両側に光反射特性の同等な
    回折格子を形成することを特徴とする請求項8に記載の
    光ファイバの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記拡径部の両側に光反射特性の異な
    る回折格子を形成することを特徴とする請求項8に記載
    の光ファイバの製造方法。
  11. 【請求項11】 端部に拡径部を有するファイバ原線の
    一端から基準光を入射させ、 そのファイバ原線中で反射され入射端より出射される光
    が所定の波長特性を有するように前記ファイバ原線中に
    回折格子を形成する光ファイバの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記ファイバ原線の前記拡径部を備え
    た端面に反射低減膜を予め備えていることを特徴とする
    請求項11に記載の光ファイバの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記ファイバ原線の前記拡径部を備え
    た端部が予め先球加工されていることを特徴とする請求
    項11又は12に記載の光ファイバの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004333851A (ja) * 2003-05-07 2004-11-25 Sumitomo Electric Ind Ltd 光結合デバイス
JP2010197459A (ja) * 2009-02-23 2010-09-09 Sumitomo Electric Ind Ltd 光合波器および光源装置
JP2017539083A (ja) * 2014-12-10 2017-12-28 テラダイオード, インコーポレーテッド 波長ビーム結合レーザシステムのための光学相互結合軽減システム

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