JPH091842A - 染料熱転写記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 昇華性染料層を有するインクシートを使用し
た染料熱転写装置に関するもので、装置の簡易化およ
び、通常の搬送ローラ対では、搬送困難な受像紙にも転
写可能な具体構成を提供する。 【構成】 転写時に、インクシート３とサーマルヘッド
１が収納されたユニット４を、固定された受像紙５の上
方を繰返し、同一方向に環状に回動移動せしめ、その移
動過程の一部において前記サーマルヘッド１をインクシ
ート３を介して前記受像紙５に圧接し、インクシート３
の色材層の一部を選択的に前記受像紙５に転写せしめ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数の色材層が繰返し
順次形成されたインクシートを介してサーマルヘッドを
受像紙に圧接し、前記サーマルヘッドによる選択的な加
熱により、各色材層の一部を選択的に受像紙に転写せし
めて受像紙上にカラー像を形成する染料熱転写記録装置
に関するもので、特に、転写時における受像紙とサーマ
ルヘッド間に相対的運動を与える構成に特徴を有するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、染料熱転写記録装置は、カラ
ー写真に匹敵する高画質な画像を提供できる記録装置と
して知られている。これは、薄いフィルム基材上に昇華
性染料を含む色材層を設けたインクシートと、合成紙な
どのフィルム基材上に染着層を設けた受像紙とを重ね合
わせ、サーマルヘッドを用いて昇華性染料を選択的に転
写し、染料分子の混色画像を記録する装置である。

【０００３】図３はその１例を示すもので、１はサーマ
ルヘッド、２はインクシート３を内蔵したインクカート
リッジである。このインクシート３には、イエロー
（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）の３色もしくは
ブラック（Ｂｋ）を加えた４色の色材層がその長手方向
に順次環状に形成されている。印刷手順は、受像紙５は
給紙ローラ対１１によって矢印方向に給紙され、その先
端が搬送ローラ対１２の位置まで送られた時、サーマル
ヘッド１がプラテンローラ１０に向けて下降され、イン
クシート３と受像紙５を密接せしめた状態でプラテンロ
ーラ１０に押し付ける。

【０００４】この状態でインクシート３と受像紙５とが
搬送ローラ対１２によって一体的に移動され、まず、Ｙ
の記録が行われる。このＹの記録が完了するとサーマル
ヘッド１はアップし、インクシート３および受像紙５の
搬送も停止される。その後、受像紙５のみ搬送ローラ対
１２の逆転によって元の記録開始位置まで戻される。そ
して、前述のＹの記録と同様にＭの記録がＹの記録部分
に重畳して記録され、以下同様にして、Ｃの記録が行わ
れる。Ｃの記録が完了すると、搬送ローラ対１２と給紙
ローラ対１１の逆転により受像紙５は、装置外に搬送さ
れ記録が完了する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
装置はサーマルヘッドのアップダウン、インクシートの
搬送、プラテンロールの回転、および受像紙の正逆搬送
と駆動対象物が多く、そのため装置構成が複雑、かつ高
価なものになっていた。また、受像紙５も給紙ローラ対
１１および搬送ローラ対１２により搬送可能な形状に限
られるものであった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の染料熱転写記録
装置は、インクシートとサーマルヘッドが収納されたユ
ニットを、転写時に、固定された受像紙の上方を環状に
繰返し、同一方向に回動移動せしめるように構成し、そ
の移動過程の一部においてサーマルヘッドをインクシー
トを介して受像紙に圧接し、各色材層の一部を選択的に
前記受像紙に転写せしめることを特徴とする。

【０００７】

【作用】この構成によれば、受像紙を固定し、サーマル
ヘッドとインクシートを一体化したユニットを同一方向
のみに移動せしめるよう構成しているため、プラテンロ
ールの回転、受像紙の正逆方向の搬送機構が不要にな
る。また、記録時に受像紙を搬送する必要がないため、
通常の搬送ローラ対では搬送困難な受像紙にも記録可能
なものである。

【０００８】

【実施例】本発明の染料熱転写記録装置の一実施例を、
図１および図２を参照して説明する。装置本体は、図１
に示すように上側本体部分８と下側本体部分９とに上下
に二分されており、その一端部において支軸７によって
回動可能に連結され、上側本体部分８を開閉できるよう
に構成されている。受像紙５は上側本体部８を開いた状
態で、下側本体部９に固定された受像紙固定部６上に載
置される。この受像紙固定部６は、従来のプラテンロー
ルと同様に硬度が約４０〜５０度のゴムで構成されてい
る。そして、上側本体部８には、サーマルヘッド１とイ
ンクカートリッジ２が取外し可能に一体化されたユニッ
ト４が、前記受像紙固定部６上に載置され受像紙５の上
方を後述の構成により環状に一定方向に回動可能に配置
されている。

【０００９】印刷手順としては、まず、上側本体部８を
開けて、受像紙５を受像紙固定部６上に載置する。然る
後に、上側本体部８を閉める。この状態で、初期位置で
ある４ａに位置しているユニットを、４ｂの位置に向け
て受像紙５の表面に沿って移動せしめてＹの記録を行
う。このときは、サーマルヘッド１はインクシート３を
介して受像紙５に圧接されている。そして、インクシー
ト３はユニットの移動に応じて、そのユニットの移動速
度と同速度で巻取られ、サーマルヘッド１はインクシー
ト３の常に新たな部分を介して受像紙５に接している。

【００１０】このＹの記録が完了すると、ユニットは受
像紙５と離れた上方の４ｃの位置に移動される。そして
サーマルヘッド１が受像紙５と離れた状態で、記録開始
の初期位置４ａまで移動する。この移動時に、インクシ
ート３は若干巻き取られ次のＭの色材層がサーマルヘッ
ド１と対向するようにセットされる。そして、Ｍの記録
をＹと同様に行う。同様にしてＣの記録を行ってカラー
像の記録を完了する。

【００１１】図２は前記ユニット４の移動機構の概要を
示すもので、前述のユニット４の移動軌跡に略々沿うよ
うに、案内レール１３と１４が配置されている。ユニッ
ト４には、前記案内レール１３と１４に沿って回転駆動
される移動ローラ１６が設けられている。前記初期位置
４ａにおいては移動ローラ１６は、案内レール１３の右
端に位置しており、この状態より移動ローラ１６が駆動
されると、ユニット４は案内レール１３に沿って直線的
に移動し、記録動作が行われる。

【００１２】記録が完了した状態で移動ローラ１６は、
案内レール１３の傾斜部に沿って移動し、シャッター１
５を自力で点線で示すよう開いて通過した位置まで移動
する。この移動に伴ってユニット４は受像紙５より順次
離れる方向に移動して、４ｃの位置に至る。この時シャ
ッター１５は実線で示すように元の位置に復帰する。こ
の４ｃの位置から移動ローラ１６を逆転せしめると、ユ
ニット４は、前記シャッターにより案内レール１４側に
移行され、案内レール１４に沿って４ａの初期位置に移
動される。

【００１３】

【発明の効果】以上のように本発明の染料熱転写装置
は、受像紙を固定し、サーマルヘッドとインクシートを
含むユニットを、受像紙上を同一方向のみに環状に移動
せしめるよう構成したため、プラテンロールの回転、受
像紙の正逆方向の搬送機構が不要になる。また、記録時
に受像紙を搬送する必要がないため、通常の搬送ローラ
対では搬送困難な受像紙にも記録可能なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の染料熱転写装置の一実施例の概要を示
す側面図

【図２】同実施例の要部を示す側面図

【図３】染料熱転写装置の概要を示す側面図

【符号の説明】

１ サーマルヘッド ３ インクシート ４ ユニット ５ 受像紙 １３，１４ 案内レール １５ シャッター １６ 移動ローラ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の色材層が繰返し順次形成されたイン
   クシートを介してサーマルヘッドを受像紙に圧接し、前
   記サーマルヘッドによる選択的な加熱により、各色材層
   の一部を選択的に受像紙に転写せしめて受像紙上にカラ
   ー像を形成する染料熱転写記録装置において、転写時
   に、前記インクシートとサーマルヘッドが収納されたユ
   ニットを、固定された受像紙の上方を環状に繰返し、同
   一方向に回動移動せしめ、その移動過程の一部において
   前記サーマルヘッドをインクシートを介してサーマルヘ
   ッドを受像紙に圧接し、各色材層の一部を選択的に前記
   受像紙に転写せしめることを特徴とする染料熱転写記録
   装置。