JPH09181929A - 色再現域獲得方法およびその装置 - Google Patents

色再現域獲得方法およびその装置

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JPH09181929A
JPH09181929A JP7350939A JP35093995A JPH09181929A JP H09181929 A JPH09181929 A JP H09181929A JP 7350939 A JP7350939 A JP 7350939A JP 35093995 A JP35093995 A JP 35093995A JP H09181929 A JPH09181929 A JP H09181929A
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spectral
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spectral reflection
patch
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー画像記録装置で出力されたカラーパッ
チ原稿を色特性が既知であるカラー画像入力装置で読み
込むことにより、色再現域を獲得する。 【解決手段】 色信号読み取り手段3はカラー画像入力
手段1により入力されたカラーパッチ画像2の三原色信
号4を読み取り、観測方程式作成手段5は三原色信号
4,撮像系の分光感度特性50,照明の分光分布特性5
1および分光反射特性モデル化基底関数52から観測方
程式6を作成し、未知特性パラメータ解析手段7は観測
方程式6を解いて分光反射特性パラメータ8を求め、分
光反射特性復元手段9は分光反射特性パラメータ8およ
び分光反射特性モデル化基底関数52から分光反射特性
10を復元し、三刺激値計算手段11は分光反射特性1
0および基準照明の分光分布特性53から三刺激値12
を計算し、色再現域テーブルへの格納手段13は三刺激
値12を画像詳細情報38を参照して色再現域テーブル
54に格納して色再現域を獲得する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は色再現域獲得方法お
よびその装置に関し、特にカラースキャナ,カラーディ
スプレイ,カラープリンタ等の異なるカラー画像入出力
装置間におけるカラー画像の色再現を実現する色管理シ
ステムで用いられる、カラープリンタなどのカラー画像
記録装置の色再現域を獲得する色再現域獲得方法および
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カラースキャナ,カラーディスプレイ,
カラープリンタ等の異なるカラー画像入出力装置間にお
いて、カラー画像の色再現を実現するためには、それぞ
れのカラー画像入出力装置の詳細な色特性データが必要
となる。現在、カラー画像入出力装置の色特性を記述す
るプロファイルのフォーマットが標準化されつつあり、
カラー画像入出力装置の色特性プロファイルを利用した
色管理システムなどが開発され、パーソナルコンピュー
タのオペレーティングシステムに組み込まれつつある。
このような色管理システムに対応するために、各カラー
画像入出力装置のベンダーは、ハードウェアおよびドラ
イバソフトウェアに加え、新たにその色特性を記述した
カラープロファイルも同時に作成し、供給する必要性が
高まっている。
【0003】カラースキャナ,カラーディスプレイ等の
R(赤),G(緑),B(青)表色系を基本とするカラ
ー画像入力装置やカラー画像表示装置の場合、そのデバ
イス値R,G,Bが作り出す色と、その色の三刺激値
(CIE(国際照明委員会)が定める)X,Y,Zとの
関係を、数1で表わすことができる。
【0004】
【数1】
【0005】数1中の、3×3行列の要素aijは、R,
G,Bの三色蛍光体と白色との三刺激値X,Y,Zが与
えられれば、計算することができる。したがって、カラ
ー画像入出力装置に設定されているR,G,Bの三色蛍
光体と白色との合計4色のみの三刺激値X,Y,Zを、
分光光度計などで測定するだけで、そのカラー画像入出
力装置の色特性、すなわちカラー画像入出力装置が扱う
ことのできる色再現域を獲得することができる。
【0006】一方、カラープリンタのように、C(シア
ン),M(マジェンタ),Y(イエロ),K(ブラッ
ク)等の複数の色インクによる減法混色や併置混色によ
って色再現を行なうカラー画像記録装置の場合、再現さ
れる色特性は複雑になり、カラー画像表示装置のように
数色のカラーパッチの測色によって得られた色データの
みを利用した線形方程式では、その色再現域を正確に表
すことはできない。このようなカラー画像記録装置の正
確な色再現域を獲得するためには、数百から数千色もの
カラーパッチを実際に出力し、それらを分光光度計など
の測定器で測色して、インク濃度と、そのときの三刺激
値X,Y,Zとの対応関係を求めなければならない。
(文献”New Algorithm for UCR
UsingDirect Color Mappin
g”,M.Tsukada et.al.,SPIE,
Vol.2413(1995)参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の技術で
は、カラープリンタ等のC,M,Y,Kの複数色インク
により色を再現するカラー画像記録装置の色再現域の獲
得に関して、より正確な色再現域を得るためには、測定
するカラーパッチを増やさなければならず、その測色作
業は、多大な工数(労力),高度な測色技術および測定
環境を必要とすることが問題となっていた。さらに、イ
ンク,印刷方式,用紙などの仕様が変更されるたびに、
新たに測定作業を始めからやり直さなければならないと
いった問題があった。また、カラー画像記録装置の個体
差(ばらつき)の問題があるため、基本的には1台1台
のカラー画像記録装置について、色特性を測定し、プロ
ファイルを作成することが望ましいが、全ての台数につ
いて、数百から数千色もの測色作業を行なうとすると、
膨大な工数を要するため、実質的に不可能となってい
た。
【0008】したがって、色特性が記述されたプロファ
イルが供給されていない場合や、標準的なプロファイル
が供給されているが個体差を吸収したいという場合に
は、色の測定作業は、一般ユーザーに任されることにな
る。しかし、一般ユーザーが、カラープリンタなどのカ
ラー画像記録装置の色特性を測定するためには、分光光
度計などの高価な測定装置を用意し、測色技術をマスタ
ーし、測定環境を整えなければならないなどの問題が大
きな支障となっており、事実上困難となっている。
【0009】本発明の目的は、カラースキャナ,カラー
ディスプレイ,カラープリンタ等が接続されたカラー画
像システムにおいて、これらの異なるカラー画像入出力
装置間で、カラー画像の色再現を実現するために必要と
なるカラー画像入出力装置の色特性データの内、最も測
定作業が複雑でかつ工数のかかるカラー画像記録装置の
色再現域を、カラー画像記録装置で出力されたカラーパ
ッチの三刺激値X,Y,Zを測定する高価な分光光度計
や色の測定技術がなくても、カラー画像システムに接続
されたカラー画像入力装置の撮像系の分光感度特性およ
び照明の分光分布特性さえ得られれば、カラー画像記録
装置で出力されたカラーパッチ原稿を、色特性が既知で
あるカラー画像入力装置で読み込むことにより、各カラ
ーパッチの分光反射特性を復元し、任意の基準照明下で
の三刺激値X,Y,Zを計算することによって、カラー
画像記録装置の色再現域を獲得することができる色再現
域獲得方法およびその装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の色再現域獲得方
法は、多色インクを利用したカラー画像記録装置の色再
現域を獲得する色再現域獲得方法において、前記カラー
画像記録装置が再現し得る色再現域を覆う複数のカラー
パッチを作成し、前記複数のカラーパッチから構成され
るカラーパッチ画像を作成し、前記カラーパッチ画像を
前記カラー画像記録装置で出力してカラーパッチ原稿を
得て、前記カラーパッチ原稿を、照明の分光分布特性お
よび撮像系の分光感度特性が与えられたカラー画像入力
装置で読み込みカラーパッチ画像を得て、前記カラーパ
ッチ原稿中の各カラーパッチの未知である分光反射特性
を有限個の既知の基底関数の加重和で表した未知分光反
射特性を作成し、前記カラーパッチ画像中の各カラーパ
ッチ領域から得られる三原色信号,前記照明の分光分布
特性,前記撮像系の分光感度特性および前記未知分光反
射特性から前記未知分光反射特性に関する観測方程式を
作成し、これを解いて前記カラーパッチ原稿中の全ての
カラーパッチの分光反射特性を復元し、前記全てのカラ
ーパッチの分光反射特性および任意の基準照明の分光分
布特性から全てのカラーパッチの三刺激値を計算するこ
とによって、前記カラー画像記録装置の色再現域を得る
ことを特徴とする。
【0011】また、本発明の色再現域獲得方法は、分光
分布特性の異なる複数個の照明を持つカラー画像入力装
置を用いることによって、カラーパッチの分光反射特性
をモデル化する基底関数の個数を増やすことを特徴とす
る。
【0012】さらに、本発明の色再現域獲得装置は、複
数色のカラーパッチで構成されるカラーパッチ原稿から
カラーパッチ画像を入力するカラー画像入力手段と、こ
のカラー画像入力手段により入力された前記カラーパッ
チ画像のカラーパッチ領域の三原色信号を読み取る色信
号読み取り手段と、この色信号読み取り手段により読み
取られた三原色信号,撮像系の分光感度特性,照明の分
光分布特性および分光反射特性モデル化基底関数から観
測方程式を作成する観測方程式作成手段と、この観測方
程式作成手段により作成された観測方程式を解いて分光
反射特性パラメータを求める未知特性パラメータ解析手
段と、この未知特性パラメータ解析手段により求められ
た分光反射特性パラメータおよび前記分光反射特性モデ
ル化基底関数から分光反射特性を復元する分光反射特性
復元手段と、この分光反射特性復元手段により復元され
た分光反射特性および基準照明の分光分布特性から三刺
激値を計算する三刺激値計算手段と、この三刺激値計算
手段により計算された三刺激値を画像詳細情報を参照し
て色再現域テーブルに格納して色再現域を獲得する色再
現域テーブルへの格納手段と、前記カラーパッチ画像中
に復元すべきカラーパッチが残っている場合に前記色信
号読み取り手段に制御を戻すループ制御手段とを有する
ことを特徴とする。
【0013】さらにまた、本発明の色再現域獲得装置
は、前記カラー画像入力手段が、分光分布特性が異なる
複数個の照明を持つことを特徴とする。
【0014】一方、本発明のカラー画像システムは、照
明の分光分布特性および撮像系の分光感度特性が与えら
れたカラー画像入力装置と、多色インクにより色再現を
行なうが色再現域が未知であるカラー画像記録装置と、
カラー画像表示装置と、前記カラー画像入力装置,前記
カラー画像記録装置および前記カラー画像表示装置に接
続されたコンピュータとを備えるカラー画像システムに
おいて、前記カラー画像記録装置が再現し得る色再現域
を覆う複数色のカラーパッチで構成されるカラーパッチ
画像を作成するカラーパッチ画像作成手段と、このカラ
ーパッチ画像作成手段により作成された前記カラーパッ
チ画像を前記カラー画像記録装置で出力してカラーパッ
チ原稿を得、このカラーパッチ原稿を前記カラー画像入
力装置で読み込んだカラーパッチ画像のカラーパッチ領
域の三原色信号を読み取る色信号読み取り手段と、この
色信号読み取り手段により読み取られた三原色信号,前
記照明の分光分布特性および前記撮像系の分光感度特性
から前記カラーパッチ原稿中の各カラーパッチの分光反
射特性を復元する分光反射特性解析手段と、前記カラー
パッチ原稿中の各カラーパッチの分光反射特性から前記
各カラーパッチの三刺激値を計算する三刺激値計算手段
と、この三刺激値計算手段により計算された三刺激値を
画像詳細情報を参照して前記色再現域テーブルに格納し
て色再現域を獲得する色再現域テーブルへの格納手段
と、前記カラーパッチ画像中に復元すべきカラーパッチ
が残っている場合に色信号読み取り手段に制御を戻すル
ープ制御手段とを有することを特徴とする。
【0015】また、本発明のカラー画像システムは、前
記カラー画像入力装置が、分光分布特性が異なる複数個
の照明を持つことを特徴とする。
【0016】さらに、本発明のカラー画像システムは、
前記分光反射特性解析手段が、前記色信号読み取り手段
により読み取られた三原色信号,前記撮像系の分光感度
特性,前記照明の分光分布特性および分光反射特性モデ
ル化基底関数から観測方程式を作成する観測方程式作成
手段と、この観測方程式作成手段により作成された観測
方程式を解いて分光反射特性パラメータを求める未知特
性パラメータ解析手段と、この未知特性パラメータ解析
手段により求められた分光反射特性パラメータおよび前
記分光反射特性モデル化基底関数から分光反射特性を復
元する分光反射特性復元手段とを含むことを特徴とす
る。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して詳細に説明する。
【0018】まず、本発明の色再現域獲得方法およびそ
の装置の概要について説明する。なお、ここでは、カラ
ー画像入力装置はカラーパッチ原稿の三原色信号R,
G,Bを得るカラースキャナ、カラー画像表示装置は
R,G,Bの三色蛍光体を持ったカラーディスプレイ、
カラー画像記録装置は三色インクC,M,Yあるいは四
色インクC,M,Y,Kで印刷できるカラープリンタの
場合について説明する。
【0019】図4は、一般的なカラースキャナ40を用
いてカラーパッチ原稿58を読み込んだときの、カラー
パッチ原稿58の色情報、すなわち三原色信号R,G,
Bが得られるまでの入力過程を示す。まず、カラースキ
ャナ40の照明(ランプ)41から発散された照明光
は、カラースキャナ40のガラス42を透過し、カラー
パッチ原稿58の表面に当たり反射して反射光となる。
この反射光は、再びカラースキャナ40のガラス42お
よびレンズ43を透過し、カラースキャナ40に内蔵さ
れているミラー44で反射され、さらに三色分光フィル
タ45によって赤,緑,青の三原色光に分解される。そ
して、それぞれの三原色光は、CCD(Charge
Coupled Device)などの撮像素子46に
より電気信号に変換され、増幅されて三原色信号R,
G,Bとなる。
【0020】いま、照明41の分光分布特性がI
(λ)、ガラス42の分光透過特性がG(λ)、レンズ
43の分光透過特性がL(λ)、ミラー44の分光反射
特性がM(λ)、三色分光フィルタ45の分光特性がS
r(λ),Sg(λ),Sb(λ)、そして撮像素子4
6の分光感度特性がC(λ)であるとすると、このカラ
ースキャナ40を用いて分光反射特性がR(λ)である
カラーパッチ原稿58中のカラーパッチを読み込んだ場
合、このカラーパッチの三原色信号R,G,Bは、数2
のように表される。
【0021】
【数2】
【0022】ここで、λは波長を表し、積分範囲は可視
光領域とする。
【0023】いま、カラースキャナ40の色特性を、照
明の分光分布特性I(λ)と、撮像系の分光感度特性T
r(λ),Tg(λ),Tb(λ)とに分けて考える。
撮像系の分光感度特性Tr(λ),Tg(λ),Tb
(λ)は、ガラス42の分光透過特性G(λ)、レンズ
43の分光透過特性L(λ)、ミラー44の分光反射特
性M(λ)、三色分光フィルタ45の分光特性Sr
(λ),Sg(λ),Sb(λ)、そして撮像素子46
の分光感度特性C(λ)の積で表される。すると、撮像
系の分光感度特性Tr(λ),Tg(λ),Tb(λ)
は、数3のように、三原色信号R,G,Bごとに1つの
関数にまとめることができる。
【0024】
【数3】
【0025】数3から、数2は、数4のように表され
る。
【0026】
【数4】
【0027】数4における左辺の三原色信号R,G,B
は、カラースキャナ40から得られ、照明の分光分布特
性I(λ)と撮像系の分光感度特性Tr(λ),Tg
(λ),Tb(λ)とが既知であるので、数4は、カラ
ーパッチの分光反射特性R(λ)に関する観測方程式と
なる。数4において、分光反射特性R(λ)が得られれ
ば、任意の基準照明Is(λ)下でのカラーパッチの三
刺激値X,Y,Zは、数5で計算することができる。
【0028】
【数5】
【0029】ここで、
【外1】 (λ),
【外2】 (λ),
【外3】 (λ)は等色関数を表し、kは数6で計算される比例定
数で、すべて既知である。
【0030】
【数6】
【0031】波長λの未知関数であるカラーパッチの分
光反射特性R(λ)を、数4の観測方程式から解くため
に、分光反射特性R(λ)を有限個の分光反射特性モデ
ル化基底関数ri (λ)の加重和で、数7のようにモデ
ル化する。
【0032】
【数7】
【0033】ここで、ri (λ)は、カラーパッチの分
光反射特性R(λ)に関するn次元基底関数で、既知で
あるものとする。物体の分光反射特性に合う基底関数
(ベクトル)については、文献”Dependency
of the spectral reflecta
nce curves of the Munsell
co1or chips”,J.Cohen,Psyc
honomicalScience,Vol.1,p
p.369−370(1964)で紹介されているが、
図5に示すような余弦波の基本波形など、他の基底関数
も利用することができる。数7中の加重係数ai は、カ
ラーパッチの分光反射特性R(λ)の色情報を表す分光
反射特性パラメータである。
【0034】数7のように、n次元の分光反射特性モデ
ル化基底関数ri (λ)の加重和でモデル化されたカラ
ーパッチの分光反射特性R(λ)を、数4に代入するこ
とにより、カラーパッチの分光反射特性R(λ)を表す
分光反射特性パラメータaiに関するn元連立一次方程
式が、数8のように得られる。
【0035】
【数8】
【0036】数8において、分光反射特性モデル化基底
関数ri (λ)と、カラースキャナ40の照明の分光分
布特性I(λ)および撮像系の分光感度特性Tr
(λ),Tg(λ),Tb(λ)とは既知で、かつ不変
なので、あらかじめ積の項を積分することができる。つ
まり、∫ri (λ)I(λ)Tr(λ)dλ,∫r
i (λ)I(λ)Tg(λ)dλ,∫ri (λ)I
(λ)Tb(λ)dλは定数係数になり、それらをKr
i ,Kgi ,Kbi とすると、数8は、未知の分光反射
特性パラメータai に関する数9の観測方程式となる。
【0037】
【数9】
【0038】数9の観測方程式の未知の分光反射特性パ
ラメータai を解く問題において、(未知数の数)≦
(方程式の数)の関係から、必然的に、カラーパッチの
分光反射特性R(λ)のモデル化で利用できる分光反射
特性モデル化基底関数ri (λ)の次元数nが決定す
る。数9の観測方程式の場合、3個が最大となる。した
がって、数9の観測方程式は、数10の三元一次連立方
程式となり、未知の分光反射特性パラメータa1
2 ,a3 について解くことができる。
【0039】
【数10】
【0040】カラーパッチの分光反射特性R(λ)の復
元精度を向上させるために、分光反射特性R(λ)のモ
デル化に利用する分光反射特性モデル化基底関数r
i (λ)の次元数nを4個以上にする場合には、分光分
布特性I(λ)の異なる複数の照明41を有するカラー
スキャナ40を用意し、同一カラーパッチを異なる照明
41でスキャンニングして、複数セットの三原色信号
R,G,Bを得る。
【0041】ここで、2つの異なる分光分布特性R
(λ)を示す照明41を持ったカラースキャナ40を用
いて、分光反射特性R(λ)のモデル化に利用する分光
反射特性モデル化基底関数ri (λ)の次元数nを4個
にした場合について説明する。この場合、数10の観測
方程式におけるカラースキャナ40の照明41の分光分
布特性I(λ),撮像系の分光感度特性Tr(λ),T
g(λ),Tb(λ)および分光反射特性モデル化基底
関数ri (λ)の積の積分の項を計算して求めた定数係
数Kri ,Kgi ,Kbi は、それぞれの照明41の分
光分布特性I(λ)につき、1組ずつ存在することにな
る。これらを(Kri ,Kgi ,Kbi )と(KRi
KGi ,KBi )とすると、数11の観測方程式を得
る。ただし、カラーパッチを、2つの照明41で読み込
んだときの三原色信号をR,G,BとR’,G’,B’
とする。
【0042】
【数11】
【0043】数11の6個の観測方程式を得て、4個の
未知の分光反射特性パラメータai(i=1〜4)を解
くことができる。
【0044】数10の観測方程式あるいは数11の観測
方程式より得た分光反射特性パラメータai を数7に代
入することにより、カラーパッチの分光反射特性R
(λ)を復元することができる。さらに、復元された分
光反射特性R(λ)を数5に代入することにより、カラ
ーパッチの三刺激値X,Y,Zを計算することができ
る。
【0045】カラー画像記録装置の色再現域を獲得する
ためには、図6に示すように、カラーパッチ原稿58上
に色インク量を制御しながら複数色のカラーパッチを印
刷し、それら全てのカラーパッチについて分光反射特性
R(λ)を復元し、その三刺激値X,Y,Zを計算する
ことで、カラー画像記録装置が表現できる色再現域を獲
得することができる。
【0046】
【実施例】図1は、本発明の第1の実施例に係るカラー
画像記録装置の色再現域を獲得する色再現域獲得装置2
00の構成を示すブロック図である。本実施例の色再現
域獲得装置200は、カラー画像入力手段1と、色信号
読み取り手段3と、観測方程式作成手段5と、未知特性
パラメータ解析手段7と、分光反射特性復元手段9と、
三刺激値計算手段11と、色再現域テーブルへの格納手
段13と、ループ制御手段14とから、その主要部が構
成されている。なお、図1中、符号2は三原色信号R,
G,Bによって構成されるカラーパッチ画像、4は平均
三原色信号R,G,B(三原色信号と同一記号で表す。
以下同様)、6は数10の観測方程式、8は分光反射特
性パラメータai 、10は分光反射特性R(λ)、12
は三刺激値X,Y,Z、38は画像詳細情報、50は撮
像系の分光感度特性Tr(λ),Tg(λ),Tb
(λ)、51は照明の分光分布特性I(λ)、52は分
光反射特性モデル化基底関数ri (λ)、53は複数の
基準照明の分光分布特性Is(λ)を格納する基準照明
の分光分布特性メモリ、54は色再現域テーブル、58
はカラーパッチ原稿をそれぞれ示す。
【0047】図6は、カラーパッチ原稿58の一例を示
す図である。このカラーパッチ原稿58は、1枚にCを
横方向に、Mを縦方向に少しずつ異ならしめた複数のカ
ラーパッチがタイル状に並置されて記録されており、さ
らに各枚ごとにYおよびKが異なるように設定されてい
る。
【0048】図7は、色再現域テーブル54の一例を示
す図である。この色再現域テーブル54には、C,M,
Y,Kのインク量とX,Y,Zの三原色信号とがカラー
パッチごとに格納されるようになっている。
【0049】図8は、画像詳細情報38の一例を示す図
である。この画像詳細情報38には、カラーパッチ番号
と、カラーパッチの開始位置と、カラーパッチ原稿ペー
ジ数と、C,M,Y,Kのインク量とが、カラーパッチ
ごとに格納されている。なお、カラーパッチ1個分のサ
イズも格納されている。
【0050】次に、このように構成された第1の実施例
の色再現域獲得装置200の動作について、その色再現
域獲得方法とともに説明する。
【0051】まず、撮像系の分光感度特性Tr(λ),
Tg(λ),Tb(λ)と照明の分光分布特性I(λ)
とが与えられたカラー画像入力手段1は、図6で示した
ようなカラーパッチ原稿58を読み込み、三原色信号
R,G,Bによって構成されるカラーパッチ画像2を作
成する。
【0052】次に、色信号読み取り手段3は、カラーパ
ッチ画像2中の分光反射特性R(λ)を復元するカラー
パッチ領域における三原色信号R,G,Bの平均値をカ
ラーパッチ原稿58の各カラーパッチの位置情報と各カ
ラーパッチを構成するインク量が記述された図8で示し
たような画像詳細情報38に従って求め、カラーパッチ
画像58中の分光反射特性R(λ)を復元するカラーパ
ッチ(以下、対象カラーパッチという)の平均三原色信
号R,G,Bを得る。
【0053】続いて、観測方程式作成手段5は、カラー
画像入力手段1の撮像系の分光感度特性Tr(λ),T
g(λ),Tb(λ)と、照明の分光分布特性I(λ)
と、カラーパッチ原稿58のカラーパッチ領域の分光反
射特性R(λ)をモデル化するために用いる分光反射特
性モデル化基底関数ri (λ)と、平均三原色信号R,
G,Bとから、数10の分光反射特性パラメータai
関する観測方程式6を作成する。
【0054】次に、未知特性パラメータ解析手段7は、
数10の分光反射特性パラメータai に関する観測方程
式6を解いて、分光反射特性パラメータai (i=1〜
3)を得る。
【0055】続いて、分光反射特性復元手段9は、分光
反射特性パラメータai (i=1〜3)を数7に代入す
ることにより、カラーパッチ原稿58中の対象カラーパ
ッチにおける分光反射特性R(λ)を復元する。
【0056】次に、三刺激値計算手段11は、復元され
た分光反射特性R(λ)と、基準照明の分光分布特性メ
モリ53中のユーザーが希望する基準照明の分光分布特
性Is(λ)とから、数5に従ってカラーパッチ原稿5
8中の対象カラーパッチにおける三刺激値X,Y,Zを
計算する。
【0057】続いて、色再現域テーブルへの格納手段1
3は、対象としているカラーパッチを構成しているイン
ク量を画像詳細情報38から得て、カラーパッチのイン
ク量と三刺激値X,Y,Zとを図7で表したようなフォ
ーマットの色再現域テーブル54に格納する。ここで、
色再現域テーブル54は、図7以外のフォーマットでも
よい。
【0058】最後に、ループ制御手段14は、カラーパ
ッチ画像2中に分光反射特性R(λ)を復元すべきカラ
ーパッチ領域が残っている場合には、色信号読み取り手
段3に制御を戻して処理を繰り返し、分光反射特性R
(λ)を復元すべきカラーパッチ領域が残っていない場
合には処理を終了する。
【0059】図2は、本発明の第2の実施例に係るカラ
ー画像記録装置の色再現域を獲得する2つの照明A,B
を有する色再現域獲得装置201の構成を示すブロック
図である。本実施例の2つの照明A,Bを有する色再現
域獲得装置201は、カラー画像入力手段1と、色信号
読み取り手段3と、観測方程式作成手段5と、未知特性
パラメータ解析手段7と、分光反射特性復元手段9と、
三刺激値計算手段11と、色再現域テーブルへの格納手
段13と、ループ制御手段14と、照明切替え手段15
とから、その主要部が構成されている。なお、図2中、
符号2a,2bは三原色信号R,G,Bによって構成さ
れるカラーパッチ画像、4は平均三原色信号R,G,
B、6は数11の観測方程式、8は分光反射特性パラメ
ータai 、10は分光反射特性R(λ)、12は三刺激
値X,Y,Z、38は画像詳細情報、50は撮像系の分
光感度特性Tr(λ),Tg(λ),Tb(λ)、52
は分光反射特性モデル化基底関数ri (λ)、53は複
数の基準照明の分光分布特性Is(λ)を格納する基準
照明の分光分布特性メモリ、54は色再現域テーブル、
55は照明Aの分光分布特性Ia(λ)、56は照明B
の分光分布特性Ib(λ)、58はカラーパッチ原稿を
それぞれ示す。
【0060】次に、このように構成された第2の実施例
の色再現域獲得装置201の動作について、その色再現
域獲得方法とともに説明する。
【0061】まず、撮像系の分光感度特性Tr(λ),
Tg(λ),Tb(λ)と照明切替え手段15によって
切り替えられる分光分布特性Ia(λ),Ib(λ)の
異なる2種類の照明A,Bとを持ったカラー画像入力手
段1は、カラーパッチ原稿58の照明Aの分光分布特性
Ia(λ)下で入力したカラーパッチ画像2aと、照明
Bの分光分布特性Ib(λ)下で入力したカラーパッチ
画像2bとを得る。
【0062】次に、色信号読み取り手段3は、カラーパ
ッチ原稿58の各カラーパッチの位置情報と各カラーパ
ッチを構成するインク量とが記述された図8で示したよ
うな画像詳細情報38を参照して2枚のカラーパッチ画
像2a,2bのそれぞれから同一のカラーパッチ領域に
おける三原色信号R,G,BおよびR’,G’,B’の
平均値を求め、対象カラーパッチにおける平均三原色信
号R,G,BおよびR’,G’,B’を得る。
【0063】続いて、観測方程式作成手段5は、カラー
画像入力手段1の撮像系の分光感度特性Tr(λ),T
g(λ),Tb(λ)と、照明Aの分光分布特性Ia
(λ)と、照明Bの分光分布特性Ib(λ)と、分光反
射特性R(λ)をモデル化するために用いる分光反射特
性モデル化基底関数ri (λ)と、平均三原色信号R,
G,BおよびR’,G’,B’とから、数11の分光反
射特性パラメータai に関する観測方程式6を作成す
る。
【0064】次に、未知特性パラメータ解析手段7は、
数11の分光反射特性パラメータai に関する観測方程
式6を解いて、分光反射特性パラメータai (i=1〜
4)を得る。
【0065】続いて、分光反射特性復元手段9は、分光
反射特性パラメータai を数7に代入することにより、
カラーパッチ原稿58中の対象カラーパッチにおける分
光反射特性R(λ)を復元する。
【0066】次に、三刺激値計算手段11は、復元され
た分光反射特性R(λ)と、基準照明の分光分布特性メ
モリ53中のユーザーが希望する基準照明の分光分布特
性Is(λ)とから、数5に従ってカラーパッチ原稿5
8中の対象カラーパッチにおける三刺数値X,Y,Zを
計算する。
【0067】続いて、色再現域テーブルへの格納手段1
3は、対象カラーパッチを構成しているインク量を画像
詳細情報38から得て、カラーパッチのインク量と三刺
激値X,Y,Zとを図7で表したようなフォーマットの
色再現域テーブル54に格納する。ここで、色再現域テ
ーブル54は、図7以外のフォーマットでもよい。
【0068】最後に、ループ制御手段14は、2枚のカ
ラーパッチ画像2a,2b中に復元すべき分光反射特性
R(λ)のカラーパッチ領域が残っている場合には、色
信号読み取り手段3に制御を戻して処理を繰り返し、復
元すべき分光反射特性R(λ)のカラーパッチ領域が残
っていない場合には処理を終了する。
【0069】図3は、本発明の第3の実施例に係るカラ
ー画像記録装置の色再現域を獲得するカラー画像システ
ム202の構成を示すブロック図である。本実施例のカ
ラー画像システム202は、カラー画像入力装置30
と、カラー画像表示装置31と、カラー画像記録装置3
2と、メモリ33を搭載したコンピュータ34とから構
成されている。
【0070】メモリ33上には、カラー画像記録装置3
2の色再現域を測定するのに利用するカラーパッチ原稿
58を作成するカラーパッチ原稿作成手段39と、カラ
ーパッチ原稿58を読み込んでカラー画像記録装置32
の色再現域を計算する色再現域推定手段40と、色再現
域テーブル54が設けられている。
【0071】カラーパッチ原稿作成手段39は、インク
量発生手段35と、カラーパッチ画像作成手段36と、
画像詳細情報38と、プリンタ情報57とを含んで構成
されている。
【0072】図9は、プリンタ情報57の一例を示す図
である。このプリンタ情報57には、プリンタ名,解像
度情報,表色系,印字方式および有効階調数が含まれて
いる。
【0073】色再現域推定手段40は、色信号読み取り
手段3と、分光反射特性解析手段60と、三刺激値計算
手段11と、色再現域テーブルへの格納手段13と、ル
ープ制御手段14と、撮像系の分光感度特性Tr
(λ),Tg(λ),Tb(λ)50と、照明の分光分
布特性I(λ)51と、分光反射特性モデル化基底関数
i(λ)52と、複数の基準照明の分光分布特性Is
(λ)を格納する基準照明の分光分布特性メモリ53と
を含んで構成されている。
【0074】分光反射特性解析手段60は、図1に示し
た第1の実施例に係る色再現域獲得装置200における
観測方程式作成手段5,未知特性パラメータ解析手段7
および分光反射特性復元手段9を含むものである。
【0075】なお、図3中、符号2はカラーパッチ画
像、4は平均三原色信号R,G,B、10は分光反射特
性R(λ)、12は三刺激値X,Y,Z、37はカラー
パッチ画像をそれぞれ示す。
【0076】次に、このように構成された第3の実施例
のカラー画像記録装置の色再現域を獲得するカラー画像
システム202の動作について、その色再現域獲得方法
とともに説明する。
【0077】まず、カラーパッチ原稿作成手段39にお
いて、インク量発生手段35は、図9で表したようなプ
リンタ情報57に記述されているカラー画像記録装置3
2の表色系と有効階調数とに応じてカラーパッチの数と
各カラーパッチを構成する色インク量とを決定する。
【0078】次に、カラーパッチ画像作成手段36は、
プリンタ情報57に記述されたカラー画像記録装置32
の解像度情報から、複数のカラーパッチをどのようにカ
ラーパッチ原稿58上に配列するかを決定して、カラー
パッチ画像37と、カラーパッチ画像37のカラーパッ
チの位置情報と、インク量が記述された図8で示される
ような画像詳細情報38とを作成する。そして、作成さ
れたカラーパッチ画像37は、カラー画像記録装置32
で出力され、カラーパッチ原稿58となる。
【0079】このようにして作成されたカラーパッチ原
稿58をカラー画像入力装置30で入力すると、色再現
域推定手段40において、色信号読み取り手段3は、カ
ラーパッチ原稿58をカラー画像入力装置30で取り込
んで得たカラーパッチ画像2から画像詳細情報38を参
照してカラーパッチ画像2中の対象カラーパッチ領域に
おける平均三原色信号R,G,Bを得る。
【0080】次に、分光反射特性解析手段60は、得ら
れた平均三原色信号R,G,Bと、カラー画像入力装置
30の撮像系の分光感度特性Tr(λ),Tg(λ),
Tb(λ)と、照明の分光分布特性I(λ)と、分光反
射特性モデル化基底関数ri(λ)とから、数10の観
測方程式を作成し、この観測方程式からカラーパッチの
分光反射特性パラメータai を導き出して対象カラーパ
ッチの分光反射特性R(λ)を復元する。
【0081】続いて、三刺数値計算手段11は、復元さ
れた分光反射特性R(λ)を基準照明の分光分布特性メ
モリ53中のユーザーが希望する基準照明の分光分布特
性Is(λ)を用いて三刺激値X,Y,Zに変換する。
【0082】次に、色再現域テーブルへの格納手段13
は、対象カラーパッチを構成しているインク量を画像詳
細情報38から得て、カラーパッチのインク量と三刺激
値X,Y,Zを図7で表したようなフォーマットの色再
現域テーブル54に格納する。ここで、色再現域テーブ
ル54は、図7以外のフォーマットでもよい。
【0083】最後に、ループ制御手段14は、カラーパ
ッチ画像2中に復元すべきカラーパッチ領域が残ってい
る場合には、色信号読み取り手段3に制御を戻して処理
を繰り返し、復元すべきカラーパッチ領域が残っていな
い場合には処理を終了する。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の色再現域
獲得方法およびその装置によれば、撮像系の分光感度特
性と照明の分光分布特性とが既知であるカラー画像入力
装置さえあれば、カラー画像記録装置で出力した複数色
のカラーパッチから構成されるカラーパッチ原稿を読み
込み、全てのカラーパッチの分光反射特性を自動的に復
元して、カラー画像記録装置の色再現域を獲得できるの
で、従来、多大な工数,高度な測定技術および高価な色
測定機器を必要としたカラー画像記録装置の色再現域の
測定が一般ユーザーでも行なえるようになるという効果
がある。
【0085】さらに、本発明の色再現域獲得方法および
その装置によれば、個々のカラー画像記録装置について
色再現域が測定できるため、個体ごとの正確な色再現域
が得られ、より正確なカラー印刷が実現できるという効
果がある。
【0086】また、本発明のカラー画像システムによれ
ば、撮像系の分光感度特性と照明の分光分布特性とが既
知であるカラー画像入力装置さえあれば、カラーパッチ
原稿作成手段で作成したカラーパッチ画像をカラー画像
記録装置で出力した複数色のカラーパッチから構成され
るカラーパッチ原稿を読み込み、全てのカラーパッチの
分光反射特性を自動的に復元して、カラー画像記録装置
の色再現域を獲得できるので、従来、多大な工数,高度
な測定技術および高価な色測定機器を必要としたカラー
画像記録装置の色再現域の測定が一般ユーザーでも行な
えるようになるという効果がある。
【0087】さらに、本発明のカラー画像システムによ
れば、個々のカラー画像記録装置について色再現域が測
定できるため、個体ごとの正確な色再現域が得られ、よ
り正確なカラー印刷が実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る色再現域獲得装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る2つの照明を有す
る色再現域獲得装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施例に係るカラー画像記録装
置の色再現域獲得を実現するカラー画像システムの構成
を示すブロック図である。
【図4】カラー画像入力装置におけるカラーパッチ原稿
の入力過程を表した説明図である。
【図5】カラーパッチ原稿の分光反射特性をモデル化す
るための分光反射特性モデル化基底関数を例示する図で
ある。
【図6】カラー画像記録装置の色再現域を覆うように色
インク量を制御して作成されたカラーパッチ画像のカラ
ーパッチ原稿を例示する図である。
【図7】図1中の色再現域テーブルの一例を示す図であ
る。
【図8】図1中の画像詳細情報をの一例を示す図であ
る。
【図9】図3中のプリンタ情報の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 カラー画像入力手段 2 カラーパッチ画像 3 色信号読み取り手段 4 平均三原色信号 5 観測方程式作成手段 6 観測方程式 7 未知特性パラメータ解析手段 8 分光反射特性パラメータ 9 分光反射特性復元手投 10 分光反射特性 11 三刺激値計算手段 12 三刺激値 13 色再現域テーブルへの格納手段 14 ループ制御手段 15 照明切替え手段 30 カラー画像入力装置 31 カラー画像表示装置 32 カラー画像記録装置 33 メモリ 34 コンピュータ 35 インク量発生手段 36 カラーパッチ画像作成手段 37 カラーパッチ画像 38 画像詳細情報 40 カラースキャナ 41 照明 42 ガラス 43 レンズ 44 ミラー 45 三色分光フィルタ 46 撮像素子 50 撮像系の分光感度特性 51 照明の分光分布特性 52 分光反射特性モデル化基底関数 53 基準照明の分光分布特性メモリ 54 色再現域テーブル 55 照明Aの分光分布特性 56 照明Bの分光分布特性 57 プリンタ情報 58 カラーパッチ原稿 60 分光反射特性解析手段 200 色再現域獲得装置 201 2つの照明を有する色再現域獲得装置 202 カラー画像記録装置の色再現域を獲得するカラ
ー画像システム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多色インクを利用したカラー画像記録装
    置の色再現域を獲得する色再現域獲得方法において、 前記カラー画像記録装置が再現し得る色再現域を覆う複
    数のカラーパッチを作成し、前記複数のカラーパッチか
    ら構成されるカラーパッチ画像を作成し、前記カラーパ
    ッチ画像を前記カラー画像記録装置で出力してカラーパ
    ッチ原稿を得て、前記カラーパッチ原稿を、照明の分光
    分布特性および撮像系の分光感度特性が与えられたカラ
    ー画像入力装置で読み込みカラーパッチ画像を得て、前
    記カラーパッチ原稿中の各カラーパッチの未知である分
    光反射特性を有限個の既知の基底関数の加重和で表した
    未知分光反射特性を作成し、前記カラーパッチ画像中の
    各カラーパッチ領域から得られる三原色信号,前記照明
    の分光分布特性,前記撮像系の分光感度特性および前記
    未知分光反射特性から前記未知分光反射特性に関する観
    測方程式を作成し、これを解いて前記カラーパッチ原稿
    中の全てのカラーパッチの分光反射特性を復元し、前記
    全てのカラーパッチの分光反射特性および任意の基準照
    明の分光分布特性から全てのカラーパッチの三刺激値を
    計算することによって、前記カラー画像記録装置の色再
    現域を得ることを特徴とする色再現域獲得方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の色再現域獲得方法におい
    て、分光分布特性の異なる複数個の照明を持つカラー画
    像入力装置を用いることによって、カラーパッチの分光
    反射特性をモデル化する基底関数の個数を増やすことを
    特徴とする色再現域獲得方法。
  3. 【請求項3】 複数色のカラーパッチで構成されるカラ
    ーパッチ原稿からカラーパッチ画像を入力するカラー画
    像入力手段と、 このカラー画像入力手段により入力された前記カラーパ
    ッチ画像のカラーパッチ領域の三原色信号を読み取る色
    信号読み取り手段と、 この色信号読み取り手段により読み取られた三原色信
    号,撮像系の分光感度特性,照明の分光分布特性および
    分光反射特性モデル化基底関数から観測方程式を作成す
    る観測方程式作成手段と、 この観測方程式作成手段により作成された観測方程式を
    解いて分光反射特性パラメータを求める未知特性パラメ
    ータ解析手段と、 この未知特性パラメータ解析手段により求められた分光
    反射特性パラメータおよび前記分光反射特性モデル化基
    底関数から分光反射特性を復元する分光反射特性復元手
    段と、 この分光反射特性復元手段により復元された分光反射特
    性および基準照明の分光分布特性から三刺激値を計算す
    る三刺激値計算手段と、 この三刺激値計算手段により計算された三刺激値を画像
    詳細情報を参照して色再現域テーブルに格納して色再現
    域を獲得する色再現域テーブルへの格納手段と、 前記カラーパッチ画像中に復元すべきカラーパッチが残
    っている場合に前記色信号読み取り手段に制御を戻すル
    ープ制御手段とを有することを特徴とする色再現域獲得
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の色再現域獲得装置におい
    て、前記カラー画像入力手段が、分光分布特性が異なる
    複数個の照明を持つことを特徴とする色再現域獲得装
    置。
  5. 【請求項5】 照明の分光分布特性および撮像系の分光
    感度特性が与えられたカラー画像入力装置と、多色イン
    クにより色再現を行なうが色再現域が未知であるカラー
    画像記録装置と、カラー画像表示装置と、前記カラー画
    像入力装置,前記カラー画像記録装置および前記カラー
    画像表示装置に接続されたコンピュータとを備えるカラ
    ー画像システムにおいて、 前記カラー画像記録装置が再現し得る色再現域を覆う複
    数色のカラーパッチで構成されるカラーパッチ画像を作
    成するカラーパッチ画像作成手段と、 このカラーパッチ画像作成手段により作成された前記カ
    ラーパッチ画像を前記カラー画像記録装置で出力してカ
    ラーパッチ原稿を得、このカラーパッチ原稿を前記カラ
    ー画像入力装置で読み込んだカラーパッチ画像のカラー
    パッチ領域の三原色信号を読み取る色信号読み取り手段
    と、 この色信号読み取り手段により読み取られた三原色信
    号,前記照明の分光分布特性および前記撮像系の分光感
    度特性から前記カラーパッチ原稿中の各カラーパッチの
    分光反射特性を復元する分光反射特性解析手段と、 前記カラーパッチ原稿中の各カラーパッチの分光反射特
    性から前記各カラーパッチの三刺激値を計算する三刺激
    値計算手段と、 この三刺激値計算手段により計算された三刺激値を画像
    詳細情報を参照して前記色再現域テーブルに格納して色
    再現域を獲得する色再現域テーブルへの格納手段と、 前記カラーパッチ画像中に復元すべきカラーパッチが残
    っている場合に前記色信号読み取り手段に制御を戻すル
    ープ制御手段とを有することを特徴とするカラー画像シ
    ステム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のカラー画像システムにお
    いて、前記カラー画像入力装置が、分光分布特性が異な
    る複数個の照明を持つことを特徴とするカラー画像シス
    テム。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のカラー画像システムにお
    いて、前記分光反射特性解析手段が、前記色信号読み取
    り手段により読み取られた三原色信号,前記撮像系の分
    光感度特性,前記照明の分光分布特性および分光反射特
    性モデル化基底関数から観測方程式を作成する観測方程
    式作成手段と、この観測方程式作成手段により作成され
    た観測方程式を解いて分光反射特性パラメータを求める
    未知特性パラメータ解析手段と、この未知特性パラメー
    タ解析手段により求められた分光反射特性パラメータお
    よび前記分光反射特性モデル化基底関数から分光反射特
    性を復元する分光反射特性復元手段とを含むことを特徴
    とするカラー画像システム。
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