JPH09176759A - 耐浸食合金の製造方法 - Google Patents

耐浸食合金の製造方法

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JPH09176759A
JPH09176759A JP9024832A JP2483297A JPH09176759A JP H09176759 A JPH09176759 A JP H09176759A JP 9024832 A JP9024832 A JP 9024832A JP 2483297 A JP2483297 A JP 2483297A JP H09176759 A JPH09176759 A JP H09176759A
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JP
Japan
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titanium
alloy
titanium alloy
powder
erosion resistant
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JP9024832A
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English (en)
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Masaru Yamamoto
本 優 山
Kazuaki Ikeda
田 一 昭 池
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Co基合金以上の良好な耐浸食性を有し、か
つ羽根材、とくにチタン合金に被着可能な耐浸食合金の
製造方法を提供すること。 【解決手段】 高硬度のセラミック粉末を体積比で20
〜60%と、残部がチタン合金の粉末からなる混合物を
真空中又は不活性ガス中で焼成した後に、ホットアイソ
スタティックプレス(高温等方加圧)処理により成形す
ることを特徴とする耐浸食合金の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば蒸気ター
ビン羽根の前縁部に被着されるエロージョンシールド用
合金部材として好適な耐浸食合金の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、蒸気タービンには高出力化が求
められており、このため蒸気タービンの最終段に使用さ
れる羽根は必然的に長尺化する傾向にある。従来この種
の材質としては、通常12Cr鋼が適用されていたが、
長尺化するにつれて、羽根先端の周速が増加し、これに
対する対応が問題となる。また、蒸気タービンの最終段
付近では蒸気タービンが湿っており、これが水滴となっ
て羽根に衝突し、羽根前縁部が浸食するエロージョンが
生じる。この浸食は周速が増すほど量が増え、羽根の信
頼性を低下せしめる。このため、羽根前縁部には防浸食
のために高硬度のCo基合金をエロージョンシールドと
して被着していたが、長尺化による周速の増大により、
Co基合金といえども多大な浸食を受けるという問題が
生じている。
【0003】さらに、より一層羽根が長尺化すると、従
来から使用されていた12Cr鋼では遠心力が大となる
ため、軽量なチタン合金(例えばチタン−6%アルミニ
ウム−4%バナジウム)が適用されつつある。しかしな
がら、チタン合金製の羽根の場合にも上記と同様に、高
周速による浸食が問題であり、しかもチタン合金へはC
o基合金を被着しようにも合金の性質が異なるために、
被着させることは困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明はCo
基合金以上の良好な耐浸食性を有し、かつ羽根材、とく
にチタン合金に被着可能な耐浸食合金の製造方法を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、高硬度のセラミック粉末を体積比で20〜
60%と、残部がチタン合金の粉末からなる混合物を真
空中又は不活性ガス中で焼成した後に、ホットアイソス
タティックプレス(高温等方加圧)処理により成形する
ことを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明においては、高硬度のセラ
ミック粉末として、チタン炭化物、チタン窒化物、チタ
ンホウ化物、チタン酸化物などのチタン化合物が用いら
れ得る。
【0007】さらに、チタン合金の粉末としては、チタ
ン−6%アルミニウム−4%バナジウム(重量比)合金
などのα+β型チタン合金、あるいはチタン−15%モ
リブデン−5%ジルコニウム合金やチタン−15%モリ
ブデン−5%ジルコニウム−3%アルミニウム合金(重
量比)などのβ型チタン合金が好ましく用いられる。
【0008】上記β型チタン合金粉末を用いる場合に
は、セラミック粉末との成形後に700〜850℃の範
囲の加熱による溶体化処理とその後に400〜600℃
の範囲で加熱する時効処理を施こすことが好ましい。
【0009】また、上記耐浸食合金を部材に被着するに
際しては、成形された耐浸食合金を、電子ビーム溶接や
TIG溶接などの溶接法又は、銀ローなどを使ったロー
付法や拡散接合法などにより接合するか、または、耐浸
食合金を部材上でレーザーや電子ビームなどの高エネル
ギービームにより溶融することにより被着する。
【0010】また、チタン合金粉末として上記β型チタ
ン合金を用いるに際しては、成形された耐浸食合金を上
記方法により部材に被着した後に、700〜850℃の
範囲の加熱による溶体化処理とその後に400〜600
℃の範囲で加熱する時効処理を施すことが好ましい。
【0011】本発明にかかる耐浸食合金の構成物のう
ち、セラミック粉末として、例えばシリコンカーバイド
(SiC)やシリコンナイトライド(Si)、ボ
ロンナイトライド(BN)、チタンカーバイド(Ti
C)、チタンナイトライド(TiN)、チタンボランド
(TiBなど)、酸化チタン(TiO)、酸化アル
ミニウム(Al)など、その個体が非常に高硬度
であり、これをチタン又はチタン合金粉末と混合一体化
することによりチタン又はチタン合金単独では得られな
い高硬度を得ることができ、また上記構成物を一体化す
るに際し、ホットアイソスタティックプレス処理を施こ
すことにより混合物間に生成されている気孔が圧着され
るので硬度・耐浸食性が一段と富むものとなる。
【0012】また、チタン合金粉末としてチタン−6%
バナジウム−4%アルミニウム(重量比)などのチタン
合金製羽根と同種のα+β型チタン合金を用いることに
より、羽根への被着を容易にすることができる。さら
に、チタン合金粉末としてチタン−15%モリブデン−
5%ジルコニウム−3%アルミニウム合金などのβ型チ
タン合金を用いると、本合金系は、熱処理、すなわち、
700〜850℃加熱による溶体化処理と400〜60
0℃加熱による時効処理、によりチタン合金自体も硬化
し、より硬度を増す。上記により製造した耐浸食合金
は、チタン合金製羽根と同種のチタン合金であるので同
羽根への溶接あるいはロー付拡散接合などにより高い被
着強度で被着させることができる。また、合金系の異な
る12Cr鋼製の羽根に対しても、ロー付あるいは拡散
接合法などにより被着させることができる。さらに、本
発明になる耐浸食合金を部材、例えば蒸気タービン羽根
に載置し、耐浸食合金自体をレーザー等の高エネルギビ
ームで溶融することによって被着させることにより、ど
のような部材の材料に対しても高い接着強度で被着させ
ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明にかかる耐食合金の製造方法お
よび当該耐食合金における各限定理由について説明する
とともに、その具体的実施手段について説明する。
【0014】まず、セラミック粉末は、チタン炭化物
(TiC)、チタン窒化物(TiN)、チタンホウ化物
(TiBなど)、酸化チタン(TiO)、シリコン
カーバイド(SiC)、シリコンナイトライド(Si
)、アルミナ(Al)などがあるから硬度は
例えばTiCでは、Hv2400,TiNがHv170
0など従来エロージョンシールドとして使用されている
Co基合金ステライトトの硬度Hv500に比べて非常
に高い硬度を有している。これを混合焼結体に均一に分
散させるには全体体積比で20%〜60%が最も好まし
い適用範囲である。これは全体体積比が20%未満では
Co基合金以上の硬度を得ることが難しく、それが60
%を超えると、脆くなり、焼結体として成形できなくな
るからである。このセラミックス粉末を焼結体とする
に、金属粉末としてチタン又はチタン合金をバインダー
として用いるが、その際、セラミックス粉末としては、
上記の各種セラミック粉末が使用可能であるが、とく
に、チタン系の炭・窒化物、ホウ化物、酸化物は、バイ
ンダーのチタン又はチタン合金との親和性が良好であ
り、緻密な焼結体が形成できる。
【0015】つぎに、セラミック粉末と混合するチタン
合金の粉末は、バインダーの役目をするとともに、混合
焼結体の基本的な強度特性を代表するもので、商用純チ
タンならびにチタン基の合金全てで混合焼結体を形成す
ることが可能であるが、強度(硬度)をより高く必要と
する際には、高強度のチタン−6%アルミニウム−4%
バナジウム合金をはじめとするα+β型合金が望まし
い。さらに、高強度を必要とする際には熱処理により硬
化する性質を有するチタン−15%モリブデン−5%ジ
ルコニウムやチタン−15%モリブデン−5%ジルコニ
ウム−3%アルミニウム合金などのβ型チタン合金が望
ましい。
【0016】これらβ型チタン合金粉末を用いるに際し
ては、セラミック粉末と混合・焼成後、部材に被着前あ
るいは被着後のいずれかにおいて、700〜850℃の
範囲で加熱後急冷する溶体化処理とその後に400〜6
00℃の範囲で加熱することにより時効硬化して、より
高硬度の耐浸食合金が達成される。溶体化処理、として
は、700℃以下の加熱保持では焼結後の合金が均一に
固溶体とはならず、また850℃以上になると焼結後の
合金が粗大化して、脆くなるので、この範囲とする。ま
た、時効処理としては、400℃以下の加熱では、硬化
に数百時間を要し、工業的ではなく、また600℃以上
になると硬化の程度が小さく、実際上有効な効果が得ら
れないので、この範囲とする。この溶体化−時効処理
は、部材への被着前でも後でも有効で、接合方法との関
連で選択出来る。また、銀ロー付などの接合方法をとる
場合においては、接合時の加熱温度が、あるいは接合方
法が電子ビーム溶接などの溶接や、レーザーなどの溶融
接合の場合にはその後に応力除去焼鈍などの後熱処理の
加熱温度が、上記溶体化処理と時効処理の温度範囲に一
致しているときは、それを兼ね合わせることができる。
【0017】つぎに、本発明にかかる耐食合金の具体的
な製造例について説明する。
【0018】第1表は、本発明の実施例の硬度と耐浸食
性を示したものである。実施例の各耐浸食合金は、Ti
e,TiN,TiB,SiCなどの炭・ホウ化物の粉
末と、チタン合金の粉末を所定の割合で機械的に混合し
た後、20mm角×300mm長さの矩形容器に混合粉末を
充てんし、プレスにより成形し、固体とした。その後、
矩形の固体を、周囲をBN粉末で充てんし、別の円筒容
器に入れ、円筒容器を溶接で封印した後、1000〜1
100℃に加熱して、圧力1500気圧でホットアイソ
スタティックプレス、成形して、焼結一体化した。その
後、硬度測定とエロージョン試験を実施した。エロージ
ョン試験としては、水温24℃、6.5KHz、振巾1
00μmのキャビテーションエロージョン試験を行い、
エロージョン減量を求めた。
【0019】実施例1から実施例9は本発明による耐浸
食合金であり、比較例1はCo基合金のステライトで、
これと実施例を比較すると、いずれも硬さは高く、エロ
ージョン減量も比較例1より小さく、優れた耐エロージ
ョン性を有していることがわかる。実施例7と9は、チ
タン合金粉末としてβ合金を使用した例で、液体化−時
効処理を施こすことにより、熱処理なしに比べ、飛躍的
に耐エロージョン性が向上している。また比較例2と3
は、セラミック粉末の体積%が、本発明の範囲外にある
例で、いずれも高い硬度は得られず、耐エロージョン性
も比較例1より劣っている。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による耐浸食
合金は、耐エロージョン性に優れており、特に蒸気ター
ビン羽根の信頼性向上を図る上において優れた効果を有
している。本発明になる耐浸食合金は、蒸気タービン羽
根を例にとって説明したが、その他のエロージョンによ
る損傷を受けるガスタービンやポンプなどの羽根やノズ
ルなどにも適用することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】体積比で20〜60%のセラミック粉末と
    残部が実質的にチタン−6%アルミニウム−4%バナジ
    ウム合金からなるα+β型チタン合金の粉末とからなる
    混合物を調製した後、この混合物を真空中又は不活性ガ
    ス中で焼成し、ホットアイソスタティックプレス処理に
    より成形することを特徴とする、耐浸食合金の製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記セラミック粉末として、チタン炭化
    物、チタン窒化物、チタンホウ化物またはチタン酸化物
    を用いたことを特徴とする、請求項1に記載の耐浸食合
    金の製造方法。
  3. 【請求項3】体積比で20〜60%のセラミック粉末と
    残部が実質的にチタン−15%モリブデン−5%ジルコ
    ニウム合金またはチタン−15%モリブデン−5%ジル
    コニウム−3%アルミニウム合金からなるβ型チタン合
    金の粉末とからなる混合物を調製した後、この混合物を
    真空中又は不活性ガス中で焼成し、ホットアイソスタテ
    ィックプレス処理により成形することを特徴とする、耐
    浸食合金の製造方法。
  4. 【請求項4】前記セラミック粉末として、チタン炭化
    物、チタン窒化物、チタンホウ化物またはチタン酸化物
    を用いたことを特徴とする、請求項3に記載の耐浸食合
    金の製造方法。
  5. 【請求項5】ホットアイソスタティックプレス処理によ
    る成形の後に、更に700〜850℃の範囲で溶体化処
    理し、次いで400〜600℃の範囲で時効処理を施す
    ことを特徴とする、請求項3に記載の耐浸食合金の製造
    方法。
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