JPH09176715A - 低窒素濃度の鉄の製造方法 - Google Patents

低窒素濃度の鉄の製造方法

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JPH09176715A
JPH09176715A JP34155795A JP34155795A JPH09176715A JP H09176715 A JPH09176715 A JP H09176715A JP 34155795 A JP34155795 A JP 34155795A JP 34155795 A JP34155795 A JP 34155795A JP H09176715 A JPH09176715 A JP H09176715A
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melting
oxygen
gas
iron
combustion
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JP34155795A
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Yoshiteru Kikuchi
良輝 菊地
Toshio Suwa
俊雄 諏訪
Nobuaki Kobayashi
伸明 小林
Atsushi Inoue
篤 井上
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)
  • Furnace Details (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 侵入空気等によって溶解炉内に侵入する
窒素量を制御することにより、低窒素濃度の鉄を容易に
製造する。 【解決手段】 酸素バーナーの燃焼火炎で鉄原料を溶解
するにあたり、バーナー燃焼用の支燃性ガスの流量を、
鉄の溶解重量1トンあたり毎時60Nm3 以上とし、侵
入空気や撹拌用ガス等によって溶解炉内に侵入する窒素
の量を、鉄の溶解重量1トンあたり毎時3Nm3 以下に
制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低窒素濃度の鉄の
製造方法に関し、詳しくは、スクラップや製造時のリタ
ーン材等の鉄原料(鋼を含む)を酸素を支燃性ガスとし
た酸素バーナーの燃焼火炎で溶解し、低窒素濃度の鉄及
び鋼素材を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】スクラ
ップやリターン材等の鉄(鋼を含む)原料を溶解する方
式として、主たるエネルギー源が電気であるアーク式電
気炉が多く用いられている。このような電気を利用した
溶解法は、昇温が容易で温度管理も容易であるなどの利
点を有するものの、別途に発生させた電気を使用するた
め、総合的な燃料の利用効率やエネルギーコストの面で
問題があった。
【0003】さらに、電気炉での溶解においては、高温
のアーキングを熱源として用いることや、アーキングの
ための電極の折損防止のため、炉開口部から原料の追装
入や炉内の装入物の均一化等が行われている。このた
め、炉内への侵入空気が多くなり炉内の雰囲気の制御が
困難となっている。さらに、電気炉は、炉内での発生ガ
ス量が少ないことも侵入空気が多くなる一因となってい
る。このようなことから、溶解中に侵入空気に起因する
窒素濃度の上昇や酸化等が発生し、窒素濃度50ppm
以下の低窒素鋼のような高い品質の素材を製造すること
は困難であった。
【0004】また、溶湯の偏熱対策として、炉底からの
ガス撹拌等も行われるが、雰囲気制御による低窒素化の
ためには、高価なアルゴン等を大量に使用しなければな
らない。さらに、撹拌を付加することで、裸湯面が露出
することになり、一層炉内の雰囲気制御が重要となって
くる。
【0005】一方、電気に代えて酸素あるいは酸素富化
空気を支燃性ガスとする酸素バーナーで化石燃料を燃焼
させ、その燃焼熱で鉄等のスクラップやリターン材等の
鉄原料を溶解させることが行われている。このような酸
素バーナーを利用した溶解炉は、エネルギーを、アーク
ではなくバーナーで導入するため、安定した溶解が可能
であり、炉開口部からの作業等を極力減らすことが可能
である。したがって、電気炉に比べて炉開口部からの侵
入空気量を少なくでき、また、大量に発生する燃焼排ガ
スが空気の侵入を抑制するため、炉内雰囲気は、電気炉
に比べて安定した状態になり、雰囲気の制御も比較的容
易だった。
【0006】そこで本発明は、酸素バーナーを利用した
溶解炉では、炉内への侵入空気量を少なくでき、炉内雰
囲気が侵入空気により乱されることがほとんどないこと
に着目し、侵入空気等によって溶解炉内に侵入する窒素
量を制御することにより、低窒素濃度の鉄を容易に製造
することができる方法を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の低窒素濃度の鉄の製造方法は、酸素バーナ
ーの燃焼火炎で鉄原料を溶解するにあたり、バーナー燃
焼用の支燃性ガスの流量を、鉄の溶解重量1トンあたり
毎時60Nm3 以上とし、侵入空気や撹拌用ガス等によ
って溶解炉内に侵入する窒素の量を、鉄の溶解重量1ト
ンあたり毎時3Nm3 以下に制限することを特徴とする
もので、特に、前記酸素バーナーを備えた溶解部の上方
に、原料を予熱する予熱部を連設するとともに、溶解部
と予熱部との間に、溶解部及び予熱部の内径よりも小さ
な内径の絞り部を設けた溶解炉を使用することを特徴と
している。
【0008】また、前記窒素の侵入量の制限を、酸素バ
ーナーの燃焼開始から溶解終了までの間の、燃焼開始か
ら溶融スラグが形成されるまでの時期に行うことを特徴
とし、撹拌用ガスには、アルゴンあるいは酸素を主体と
したガスを単独又は複合して用いることを特徴としてい
る。さらに、前記鉄原料の溶解時に、造滓材として石
灰,ドロマイト,硅砂を単独又は複合して添加し、その
添加重量を、鉄の溶解重量1トンあたり20kg以上と
することを特徴とし、前記支燃性ガスは、窒素含有量4
%以下、好ましくは窒素含有量0.5%以下の酸素ガス
で、望ましくは、酸素PSAで製造した酸素ガスを用い
ることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面を参照して
さらに詳細に説明する。図1は、鉄原料を溶解するため
の溶解炉の一例を示すもので、この溶解炉は、酸素を支
燃性ガスとした酸素バーナー1の燃焼熱のみで、鉄(鋼
を含む)のスクラップやリターン材等の鉄原料を溶解再
生するためのものであって、下部に溶解部2を、上部に
予熱部3を一体的に連設するとともに、溶解部2と予熱
部3との間に絞り部4を設けたものである。
【0010】上記溶解部2は、通常の溶解炉、例えば電
気炉等と略同様の内部形状を有しており、その一側に
は、出湯口5が設けられている。また、前記予熱部3は
略円筒状に形成されており、予熱部3の上部開口には、
ダクトに接続される排気口6aを有する蓋体6が着脱可
能に装着されている。
【0011】上記絞り部4は、予熱部3から溶解部2に
落下する鉄原料の落下速度を制御するために設けられる
もので、溶解部2及び予熱部3の各内径よりも小さな内
径で形成されている。この絞り部4と大径の溶解部2あ
るいは予熱部3との間は、図に示すように斜辺2a,3
aで接続してコーン状にすることが好ましい。この部分
を曲面で接続することも可能であるが、耐火物を内張り
して形成する炉の場合は、耐火物の内張り作業が面倒に
なる。このとき斜辺2a,3aが垂直に近くなると炉の
高さが高くなり、水平に近くなるとデッドスペースを生
じて熱効率や操業性に悪影響を及ぼすことがある。この
ため、通常は、水平線に対して溶解部2の天井部は20
〜60度程度、予熱部3の底部は20〜70度程度に設
定することが好ましい。
【0012】前記酸素バーナー1は、必要な溶解能力に
応じて1本乃至複数本が溶解部2の周壁に設けられた挿
入孔2bに挿入されて設置されるもので、その取付け位
置は、溶解部2の大きさなどに応じて炉壁の垂直部ある
いは前記天井部(斜辺2a部分)の適当な位置に設定す
ることができる。また、酸素バーナー1は、溶解部2内
に投入された鉄原料を溶解部2の底部側から溶解させる
ことができるように、火炎噴出方向が溶解部2の底部に
向くように設けられており、図示しない経路から重油や
微粉炭等の燃料と支燃性ガスとがそれぞれ導入される。
また、溶解部2の底部あるいは周壁の下部には、溶湯を
撹拌するためのノズル7を必要に応じて設けることがで
きる。
【0013】このように、溶解部2の上方に絞り部4を
介して予熱部3を連設することにより、予熱部3から溶
解部2に落下する原料の量を最適な速度に制御すること
ができるので、従来の鉄格子のような原料投入量を制御
する機器を設ける必要がなく、簡単な構造の溶解炉でス
クラップ等を効率よく溶解処理することができ、炉の構
造の簡略化により製造コストや保守コストの低減が図れ
るとともに、熱効率の向上や溶解時間の短縮も図れる。
【0014】そして、このような溶解炉で酸素バーナー
1の燃焼火炎により鉄原料を溶解するにあたり、炉内の
雰囲気ガス中の窒素濃度を制御することにより、低窒素
濃度の鉄を得ることができる。炉内の雰囲気ガス中の窒
素濃度は、酸素バーナーの燃料中に含まれる窒素分の
他、支燃性ガスとして用いる酸素ガスの純度や、炉の開
口部から炉内に侵入する空気量、撹拌ガスの種類等の影
響を受ける。
【0015】この中で、燃料については、燃料の種類に
よって混入する窒素量が決まり、石炭等の固体燃料の場
合は、液体燃料に比べて窒素量が高くなる傾向である
が、それでも燃焼ガス中の窒素濃度に影響する値は、
0.5%以下であり比較的少ない。
【0016】酸素の純度については、酸素の製造法によ
るところが大きく、雰囲気ガス中の窒素濃度に大きく影
響する。一般的な酸素の製造法としては、深冷分離法と
圧力変動吸着法(PSA法)とが広く知られており、前
者の深冷分離法は高純度の酸素を製造することができる
が比較的高コストである。後者のPSA法は、比較的低
純度の酸素を効率的に製造することができるが、このP
SA法で製造した酸素を用いる場合、含有窒素濃度が数
%にもなるので、炉内の雰囲気ガス中の窒素濃度を制御
するためには、酸素ガス製造時の純度を規定する必要が
ある。例えば、酸素の収率を犠牲にしても、酸素純度を
上げるようにすることが好ましい。
【0017】炉内への侵入空気に関しては、溶解炉の開
口部の大きさの他に、炉内発生ガス量とガス排気量との
バランスによって変化する。例えば、炉内での酸素バー
ナーの燃焼による溶解では、大量に発生する燃焼ガス
が、炉内への空気の侵入を抑制する方向に作用するた
め、電気炉に比べて侵入空気量は、一般的に極めて少な
い。また、上記構造の溶解炉では、基本的に原料の炉内
への装入から溶解終了まで、特別な操作を行う必要がな
いため、炉の開口部を最小限にすることができ、空気の
侵入を更に抑制することができる。しかも、溶解初期に
は、原料が溶解部2のみならず、絞り部4、予熱部3に
も充填されており、燃焼溶解部から最上部の炉口まで排
気抵抗があるため、炉口での通常のダンパー制御と組合
わせることにより、ガスの排気量を制御することができ
る。このように、上記構造の溶解炉は、開口部がほとん
どなく基本的に侵入空気量を少なくできることに加え
て、排気量も制御できることから、炉内圧を高めて外気
の吸い込みを略完全に防止することも可能である。
【0018】撹拌ガスに関しては、量的に問題のない範
囲であれば、窒素ガスも使えるが、基本的には、窒素を
含まないアルゴン等を用いるほうが好ましい。一般的
に、前記溶解炉の溶湯の撹拌には、溶銑を処理する複合
吹錬転炉のような、鉄溶解重量1トンあたり毎分0.3
Nm3 にもなる大量の撹拌ガスを必要とはしない。ま
た、侵入空気がほとんどない状態では、撹拌ガスとして
鉄溶解重量1トンあたり毎分0.03Nm3 の窒素ガス
を用いても、窒素が燃焼ガスに希釈されるため、雰囲気
ガス中の窒素濃度は1%程度となり、溶湯の最終加熱温
度付近における平衡窒素濃度を約50ppm以下にする
ことができる。
【0019】ここで、雰囲気ガス中の窒素による溶湯の
窒素濃度への影響は、種々の機構が考えられる。一般
に、吸窒素・脱窒素反応は、ガス中の窒素分圧の他に、
反応界面積や溶湯成分に影響される。溶湯成分では、酸
素が低い脱酸状態で前記反応が進行しやすくなる。ま
た、溶湯上に溶滓(溶融スラグ)が存在し、溶融金属面
を完全に被覆するような場合は、反応界面積が小さくな
り、反応は、見掛上ほとんど進行しない。
【0020】このような状況において、鉄原料が溶融が
進む溶解初期と、溶解した溶融金属の表面に溶融スラグ
が形成され、溶湯が完全に覆われる溶解中期以降とを較
べると、雰囲気に影響されるのは、ほとんどが溶解初期
である。溶解後期においても、スラグがガス撹拌等で大
きく乱されて溶湯表面が露出するような場合は、雰囲気
の影響を受けるが、スラグ量や撹拌ガス量を適正にすれ
ば、雰囲気の影響を少なくすることができる。このよう
なことから、溶解初期の雰囲気を制御し、雰囲気ガス中
の窒素濃度を低くすることが、低窒素濃度の鉄を製造す
る上で重要であり、溶融金属とスラグとの形成時期を考
慮すると、溶解開始から、全溶解時間の30〜80%の
時間に相当する前半を主体とした時期に雰囲気の制御を
行うことが好ましい。このとき、鉄の溶解重量1トンあ
たり20kg以上の石灰,ドロマイト,硅砂を造滓材と
して単独又は複合して添加することにより、スラグの形
成時期を早めたり、スラグ量を多くして溶湯表面を確実
に覆うことができ、雰囲気ガス中の窒素の影響をより少
なくすることができる。
【0021】また、雰囲気ガス中の窒素濃度の上限につ
いては、素材に要求される窒素レベルや前述の吸窒素・
脱窒素反応の機構から一律には規定できないが、一般的
には、雰囲気ガス中の窒素濃度を4.5%以下、好まし
くは1.5%以下とすることにより、従来のアーク電気
炉では製造困難だった低窒素濃度の素材を得ることがで
きる。
【0022】雰囲気ガス中の窒素濃度を制御するには、
前述のように支燃性ガス中の窒素濃度、撹拌用ガスの種
類及び炉内への侵入空気の量を制御することが必要であ
る。支燃性ガスの酸素ガスについては、含有窒素のほと
んどが燃焼ガスに移行し、燃焼時の酸素と燃焼ガスとの
体積変化は少ないので、所望する炉内雰囲気と同等以下
の窒素濃度、少なくとも窒素含有量4%以下の酸素ガ
ス、特に、窒素含有量0.5%以下の酸素ガスを用いる
ことが好ましい。
【0023】撹拌ガスについては、量的に雰囲気ガスの
窒素濃度を増加させる影響は少ないが、窒素が高濃度の
ガスを溶湯中に添加すると、溶湯が直接的に加窒素され
るため、窒素濃度を定位にすることが困難になり易い。
一般には、窒素をほとんど含まないアルゴンガス等を用
いることが好ましい。
【0024】また、炉内への侵入空気による雰囲気ガス
の窒素濃度の上昇についても、酸素ガスと同様に、含有
窒素ガスがほとんど形態変化を起こさずに雰囲気ガスに
取り込まれるため、量的な上限が決まる。このとき、上
記構造の溶解炉では、基本的に原料の炉内への装入から
溶解終了まで、特別な操作を行う必要がないため、炉の
開口部を最小限とし、シールをタイトにすることによ
り、空気の侵入を更に抑制することができる。しかも、
溶解初期には、原料が溶解部2のみならず、絞り部4、
予熱部3にも充填されており、燃焼溶解部から最上部の
炉口まで排気抵抗があることや、炉口での通常のダンパ
ー制御と組合わせることにより、ガスの排気量を制御し
て炉内圧を高めることで空気の吸入をほとんど無くすこ
とができる。
【0025】このように、開口部がほとんどなく基本的
に侵入空気量を少なくできることに加えて、排気量も制
御できることから、侵入空気量を炉内燃焼ガス量の数十
分の一程度に制御することができ、燃焼ガス、即ち支燃
性ガスの流量を、鉄の溶解重量1トンあたり毎時60N
3 以上とすることにより、侵入空気量を最大でも毎時
約4Nm3 以下にすることができる。この場合の侵入窒
素量は、毎時約3Nm3 以下に相当する。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を説明す
る。図1に示す構造の溶解炉であって、全高70cm、
内径90cmで、水平面に対して30度の傾斜角度の天
井面を有する溶解部に、重油を燃料とし、純酸素を支燃
性ガスとする酸素バーナーを水平面に対して40度の傾
斜角で3本配置し、鉄屑(ヘビー屑)1トンを溶解し
た。なお、溶解炉の予熱部と溶解部の実質的な容積の比
は1:1であり、1トンのヘビー屑を予熱部の上部開口
から投入したとき、予熱部と溶解部の内部には、それぞ
れ約500kgが存在することになる。
【0027】さらに、酸素バーナーには、3本合計で重
油を毎時20〜90リットルの範囲で変化させ、酸素は
重油の量に対応させて酸素比が1となるように酸素純分
として毎時40〜180Nm3 に変化させて供給して燃
焼させた。また、炉底部近傍の側壁3箇所に設置したノ
ズルから浴中に高純度アルゴンガスを合計で毎時約2N
3 の流量で吹き込み、溶湯を撹拌した。また、溶解部
の出湯口を耐火材でシールするとともに、予熱部の上部
開口(排気口)面積を標準の0.13m2 とした。予熱
部内の原料が溶解部に全て落下してスラグが形成され、
溶湯が出湯温度の約1630℃に達するまでの時間(全
溶解時間)は約65分であった。出湯時の溶湯は、炭素
含有量0.03〜0.09%の低炭素溶鋼の成分であっ
た。
【0028】侵入空気量は、排ガスの流量と組成、燃料
及び酸素ガスの含有窒素量を考慮して評価した。酸素ガ
ス中の窒素量は、純酸素ガスと純窒素ガスとを混合し、
0.3%以下(純酸素のみ),0.5%,1%,3%及
び4.5%の窒素濃度としたものを用いた。燃料の重油
中の窒素濃度は、0.03%であり、無視できる量であ
る。
【0029】1時間当たりの酸素ガスの流量[Nm3
hr],酸素ガス中の窒素濃度[%]及び鉄1トン当た
りの侵入空気量[Nm3 /hrT]に対する雰囲気ガス
の窒素濃度[%]及び得られた溶鋼の窒素濃度[pp
m]を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の低窒素濃
度の鉄の製造方法によれば、従来のアーク式電気炉では
困難だった溶湯中の窒素濃度を制御することが可能とな
り、窒素濃度が50ppm以下の低窒素濃度の高品質素
材を安定して溶製することができる。さらに、製造条件
を限定することにより、従来は困難であった冷延鋼板用
のような高品質の素材を、スクラップや製造時のリター
ン材等の鉄原料,鋼原料から製造することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 溶解炉の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…酸素バーナー、2…溶解部、3…予熱部、4…絞り
部、5…出湯口、6…蓋体、7…ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 篤 神奈川県川崎市幸区塚越4−320 日本酸 素株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素バーナーの燃焼火炎で鉄原料を溶解
    するにあたり、バーナー燃焼用の支燃性ガスの流量を、
    鉄の溶解重量1トンあたり毎時60Nm3 以上とし、侵
    入空気や撹拌用ガス等によって溶解炉内に侵入する窒素
    の量を、鉄の溶解重量1トンあたり毎時3Nm3 以下に
    制限することを特徴とする低窒素濃度の鉄の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記鉄原料の溶解は、前記酸素バーナー
    を備えた溶解部の上方に、原料を予熱する予熱部を連設
    するとともに、溶解部と予熱部との間に、溶解部及び予
    熱部の内径よりも小さな内径の絞り部を設けた溶解炉で
    行うことを特徴とする請求項1記載の低窒素濃度の鉄の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記窒素の侵入量の制限は、酸素バーナ
    ーの燃焼開始から溶解終了までの間の、燃焼開始から溶
    融スラグが形成されるまでの時期に行うことを特徴とす
    る請求項1記載の低窒素濃度の鉄の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記撹拌用ガスは、アルゴンあるいは酸
    素を主体としたガスを単独又は複合して用いることを特
    徴とする請求項1記載の低窒素濃度の鉄の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記鉄原料の溶解時に、造滓材として石
    灰,ドロマイト,硅砂を単独又は複合して添加し、その
    添加重量を、鉄の溶解重量1トンあたり20kg以上と
    することを特徴とする請求項1記載の低窒素濃度の鉄の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記支燃性ガスは、窒素含有量4%以下
    の酸素ガスを用いることを特徴とする請求項1記載の低
    窒素濃度の鉄の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記支燃性ガスは、窒素含有量0.5%
    以下の酸素ガスを用いることを特徴とする請求項1記載
    の低窒素濃度の鉄の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記支燃性ガスは、酸素PSAで製造し
    た酸素ガスであることを特徴とする請求項6又は7記載
    の低窒素濃度の鉄の製造方法。
JP34155795A 1995-12-27 1995-12-27 低窒素濃度の鉄の製造方法 Pending JPH09176715A (ja)

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