JPH09176194A - 新規な蛋白・ペプチド、新規な糖蛋白ホルモンおよびそれらを有効成分とする甲状腺疾患の診断・治療薬 - Google Patents
新規な蛋白・ペプチド、新規な糖蛋白ホルモンおよびそれらを有効成分とする甲状腺疾患の診断・治療薬Info
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- JPH09176194A JPH09176194A JP7343556A JP34355695A JPH09176194A JP H09176194 A JPH09176194 A JP H09176194A JP 7343556 A JP7343556 A JP 7343556A JP 34355695 A JP34355695 A JP 34355695A JP H09176194 A JPH09176194 A JP H09176194A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 新規な蛋白・ペプチド、新規な糖蛋白ホルモ
ンを提供し、それらの有効成分を利用して甲状腺疾患の
診断薬または治療薬を提供することである。 【解決手段】 蛋白・ペプチドのアミノ酸配列 Cys-Met
-Gly-Cys-Cys領域のアミノ酸を一部置換させて得られた
新規な蛋白・ペプチドである。また、糖蛋白ホルモンの
α鎖のアミノ酸配列 Cys28- Met29- Gly30- Cys31- Cys32 領域のアミノ酸を一部置換させて得られる新規な糖蛋白
ホルモンまたはその一部である。更に、それらの有効成
分を利用した甲状腺疾患の診断薬または治療薬である。
ンを提供し、それらの有効成分を利用して甲状腺疾患の
診断薬または治療薬を提供することである。 【解決手段】 蛋白・ペプチドのアミノ酸配列 Cys-Met
-Gly-Cys-Cys領域のアミノ酸を一部置換させて得られた
新規な蛋白・ペプチドである。また、糖蛋白ホルモンの
α鎖のアミノ酸配列 Cys28- Met29- Gly30- Cys31- Cys32 領域のアミノ酸を一部置換させて得られる新規な糖蛋白
ホルモンまたはその一部である。更に、それらの有効成
分を利用した甲状腺疾患の診断薬または治療薬である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な蛋白・ペプチ
ド、新規な糖蛋白ホルモンおよびそれらを有効成分とす
る甲状腺診断・治療薬に関し、さらに詳しくは蛋白・ペ
プチドのアミノ酸配列 Cys-Met-Gly-Cys-Cys領域のアミ
ノ酸を一部変異させて得られる新規な蛋白・ペプチド、
新規な糖蛋白ホルモンおよびそれらを有効成分とする甲
状腺診断・治療薬に関する。
ド、新規な糖蛋白ホルモンおよびそれらを有効成分とす
る甲状腺診断・治療薬に関し、さらに詳しくは蛋白・ペ
プチドのアミノ酸配列 Cys-Met-Gly-Cys-Cys領域のアミ
ノ酸を一部変異させて得られる新規な蛋白・ペプチド、
新規な糖蛋白ホルモンおよびそれらを有効成分とする甲
状腺診断・治療薬に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒト甲状腺刺激ホルモン(hTSH)は92個の
アミノ酸からなるα鎖と 145個のアミノ酸からなるβ鎖
が非共有結合によって二量体を形成している糖蛋白ホル
モンである。このうち、α鎖のアミノ酸数および配列は
ヒト性腺刺激ホルモン(hGn) と共通であるが、β鎖はホ
ルモンにより異なる。hTSHは甲状腺上皮細胞膜にあるTS
H 受容体と結合し、G蛋白を通じてアデニ−ルシクラ−
ゼ−サイクリックAMP 系やホスファチジルイノシト−ル
系などセカンドメッセンジャ−を介して甲状腺ホルモン
生合成を促進する。甲状腺ホルモンは全身の代謝に関係
する重要なホルモンである。従って、下垂体障害でTSH
が減少すれば二次性甲状腺機能低下症となり、TSH が増
加すれば、二次性甲状腺機能亢進症となる。なおhGn の
場合については、それが低下すると性腺機能低下症、増
加すると性腺機能亢進症となる。
アミノ酸からなるα鎖と 145個のアミノ酸からなるβ鎖
が非共有結合によって二量体を形成している糖蛋白ホル
モンである。このうち、α鎖のアミノ酸数および配列は
ヒト性腺刺激ホルモン(hGn) と共通であるが、β鎖はホ
ルモンにより異なる。hTSHは甲状腺上皮細胞膜にあるTS
H 受容体と結合し、G蛋白を通じてアデニ−ルシクラ−
ゼ−サイクリックAMP 系やホスファチジルイノシト−ル
系などセカンドメッセンジャ−を介して甲状腺ホルモン
生合成を促進する。甲状腺ホルモンは全身の代謝に関係
する重要なホルモンである。従って、下垂体障害でTSH
が減少すれば二次性甲状腺機能低下症となり、TSH が増
加すれば、二次性甲状腺機能亢進症となる。なおhGn の
場合については、それが低下すると性腺機能低下症、増
加すると性腺機能亢進症となる。
【0003】一方、自己免疫性甲状腺疾患においてはTS
H 受容体に対する自己抗体が出現し、その抗体が刺激性
抗体(TSAb)の場合は、TSH 受容体に結合するとバセドウ
病(甲状腺機能亢進症)となり、障害性抗体(TSBAb) の
場合は橋本病(原発性甲状腺機能低下症)となる。いず
れの場合も心臓や体内の代謝異常をきたす。
H 受容体に対する自己抗体が出現し、その抗体が刺激性
抗体(TSAb)の場合は、TSH 受容体に結合するとバセドウ
病(甲状腺機能亢進症)となり、障害性抗体(TSBAb) の
場合は橋本病(原発性甲状腺機能低下症)となる。いず
れの場合も心臓や体内の代謝異常をきたす。
【0004】血中hTSHレベルの測定は、正常hTSHとこれ
に対する抗体(抗TSH 抗体)を用いたイムノアッセイで
行われている。通常の抗体はモノクロ−ナル抗体であっ
ても認識する部位すなわち免疫活性部位は生物活性部位
ではないことが多い。従って、ホルモンの生物活性を反
映していないので、生物活性に異常のあるTSH 測定する
にも難点がある。TSAbとTSBAb は培養甲状腺細胞を用い
たバイオアッセイで検出できるが、手技が煩雑で一般臨
床検査としては不適である。その代わりに放射性ヨ−ド
(125I) を標識したhTSHとTSH 受容体分画との結合を阻
害する程度をみるTBII法が一般化されているが、これで
はTSAbとTSBAb の区別ができない。
に対する抗体(抗TSH 抗体)を用いたイムノアッセイで
行われている。通常の抗体はモノクロ−ナル抗体であっ
ても認識する部位すなわち免疫活性部位は生物活性部位
ではないことが多い。従って、ホルモンの生物活性を反
映していないので、生物活性に異常のあるTSH 測定する
にも難点がある。TSAbとTSBAb は培養甲状腺細胞を用い
たバイオアッセイで検出できるが、手技が煩雑で一般臨
床検査としては不適である。その代わりに放射性ヨ−ド
(125I) を標識したhTSHとTSH 受容体分画との結合を阻
害する程度をみるTBII法が一般化されているが、これで
はTSAbとTSBAb の区別ができない。
【0005】甲状腺機能低下症の治療は甲状腺ホルモン
の経口投与で容易に改善できる。しかし、甲状腺機能亢
進症、特にバセドウ病に対しては次のような治療法が行
われているが、TSAbを直接抑制する根本療法でないた
め、それぞれ欠点がある。すなわち、手術による甲状腺
摘除は手術痕が残り、時には副損傷があり、放射性ヨ−
ド(131I) は後に機能低下となることがあり、抗甲状腺
剤は再発が多く、またいずれの療法も効果が出るまで日
時がかかる。
の経口投与で容易に改善できる。しかし、甲状腺機能亢
進症、特にバセドウ病に対しては次のような治療法が行
われているが、TSAbを直接抑制する根本療法でないた
め、それぞれ欠点がある。すなわち、手術による甲状腺
摘除は手術痕が残り、時には副損傷があり、放射性ヨ−
ド(131I) は後に機能低下となることがあり、抗甲状腺
剤は再発が多く、またいずれの療法も効果が出るまで日
時がかかる。
【0006】この研究のきっかけになったのは1971年に
本発明者の一人が発見した先天性TSH 欠損による甲状腺
機能低下症であった。遺伝子解析が進められた結果、そ
の原因は TSHβ鎖遺伝子の29番目のアミノ酸であるグリ
シンをコ−ドする塩基配列のGGA の最初のGがAに点突
然変異しAGA の塩基配列をもつアルギニンに変異してい
ることが明らかにされた。
本発明者の一人が発見した先天性TSH 欠損による甲状腺
機能低下症であった。遺伝子解析が進められた結果、そ
の原因は TSHβ鎖遺伝子の29番目のアミノ酸であるグリ
シンをコ−ドする塩基配列のGGA の最初のGがAに点突
然変異しAGA の塩基配列をもつアルギニンに変異してい
ることが明らかにされた。
【0007】
【発明が解決しょうとする課題】異常があった部位のア
ミノ酸配列をみると、システィン、アラニン、グリシ
ン、チロシン、システィンからなり、これは“CAGYC"領
域と呼ばれる。この部位はTSHやGnのすべての糖蛋白ホ
ルモンにおいて種を問わずよく保存されており、この部
位の変異はホルモンの生物活性に大きな影響を与えるこ
とが推測される。そこでこれらの糖蛋白ホルモンに共通
なα鎖においてもhTSHの生物活性に重要な働きをするよ
うな部位はないものかと検索を進めた結果、β鎖のCAGY
C 配列とよく似たシスティン、メチオニン、グリシン、
システィン、システィンからなるCMGCC 配列が存在する
ことが分かった。。この配列は哺乳類の牛、羊、鼠等の
種によく保存されている。そこでこの配列に注目し、変
異α鎖と TSHβ鎖を用いて作製した変異hTSHの免疫活性
の検討を行った結果本発明に到達した。
ミノ酸配列をみると、システィン、アラニン、グリシ
ン、チロシン、システィンからなり、これは“CAGYC"領
域と呼ばれる。この部位はTSHやGnのすべての糖蛋白ホ
ルモンにおいて種を問わずよく保存されており、この部
位の変異はホルモンの生物活性に大きな影響を与えるこ
とが推測される。そこでこれらの糖蛋白ホルモンに共通
なα鎖においてもhTSHの生物活性に重要な働きをするよ
うな部位はないものかと検索を進めた結果、β鎖のCAGY
C 配列とよく似たシスティン、メチオニン、グリシン、
システィン、システィンからなるCMGCC 配列が存在する
ことが分かった。。この配列は哺乳類の牛、羊、鼠等の
種によく保存されている。そこでこの配列に注目し、変
異α鎖と TSHβ鎖を用いて作製した変異hTSHの免疫活性
の検討を行った結果本発明に到達した。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は蛋白
・ペプチドのアミノ酸配列 Cys-Met-Gly-Cys-Cys領域の
アミノ酸を一部置換させて得られる新規な蛋白・ペプチ
ドである。更に、本発明は糖蛋白ホルモンのα鎖のアミ
ノ酸配列 Cys28- Met29- Gly30- Cys31- Cys32 領域のアミノ酸を一部置換させて得られる新規な糖蛋白
ホルモンである。また、本発明は前記糖蛋白ホルモンに
おいて、糖蛋白ホルモンが甲状腺刺激ホルモンである新
規な糖蛋白ホルモンである。更に、本発明は前記糖蛋白
ホルモンにおいて、糖蛋白ホルモンが性腺刺激ホルモン
である新規な糖蛋白ホルモンである。また、本発明は前
記糖蛋白ホルモンにおいて、 Cys28(システィン28) を
Try(チロシン) に置換した新規な糖蛋白ホルモンであ
る。更に、本発明は前記糖蛋白ホルモンにおいて、Met
29(メチオニン29)をArg(アルギニン)に置換した新規
な糖蛋白ホルモンである。更にまた、本発明は前記糖蛋
白ホルモンにおいて、Gly30(グリシン30) をArg(アルギ
ニン) に置換した新規な糖蛋白ホルモンである。また、
本発明は前記糖蛋白ホルモンにおいて、Gly30(グリシン
30) をAla(アラニン) に置換した新規な糖蛋白ホルモン
である。更に、本発明は前記糖蛋白ホルモンにおいて、
Gly30(グリシン30) をAsp(アスパラギン酸) に置換した
新規な糖蛋白ホルモンである。また、本発明は前記糖蛋
白ホルモンを有効成分とする甲状腺疾患の診断薬であ
る。更に、本発明は前記糖蛋白ホルモンを有効成分とす
る甲状腺疾患の治療薬である。
・ペプチドのアミノ酸配列 Cys-Met-Gly-Cys-Cys領域の
アミノ酸を一部置換させて得られる新規な蛋白・ペプチ
ドである。更に、本発明は糖蛋白ホルモンのα鎖のアミ
ノ酸配列 Cys28- Met29- Gly30- Cys31- Cys32 領域のアミノ酸を一部置換させて得られる新規な糖蛋白
ホルモンである。また、本発明は前記糖蛋白ホルモンに
おいて、糖蛋白ホルモンが甲状腺刺激ホルモンである新
規な糖蛋白ホルモンである。更に、本発明は前記糖蛋白
ホルモンにおいて、糖蛋白ホルモンが性腺刺激ホルモン
である新規な糖蛋白ホルモンである。また、本発明は前
記糖蛋白ホルモンにおいて、 Cys28(システィン28) を
Try(チロシン) に置換した新規な糖蛋白ホルモンであ
る。更に、本発明は前記糖蛋白ホルモンにおいて、Met
29(メチオニン29)をArg(アルギニン)に置換した新規
な糖蛋白ホルモンである。更にまた、本発明は前記糖蛋
白ホルモンにおいて、Gly30(グリシン30) をArg(アルギ
ニン) に置換した新規な糖蛋白ホルモンである。また、
本発明は前記糖蛋白ホルモンにおいて、Gly30(グリシン
30) をAla(アラニン) に置換した新規な糖蛋白ホルモン
である。更に、本発明は前記糖蛋白ホルモンにおいて、
Gly30(グリシン30) をAsp(アスパラギン酸) に置換した
新規な糖蛋白ホルモンである。また、本発明は前記糖蛋
白ホルモンを有効成分とする甲状腺疾患の診断薬であ
る。更に、本発明は前記糖蛋白ホルモンを有効成分とす
る甲状腺疾患の治療薬である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、蛋白・ペプチドのアミ
ノ酸配列 Cys-Met-Gly-Cys-Cys領域のアミノ酸を一部置
換させて得られた新規な蛋白・ペプチドである。また、
本発明は糖蛋白ホルモンのアミノ酸配列 Cys28- Met29- Gly30- Cys31- Cys32 領域のアミノ酸を一部置換させて得られる新規な糖蛋白
ホルモンまたはその一部である。糖蛋白ホルモンの3 ,
プライマ−配列に相当する28番残基TGC(Cys)、29番残基
ATG(Arg)、30番残基GCC(Gly)を夫々置換させた変異オリ
ゴヌクレチオドプライマ−を作製し、このプライマ−を
用いてhTSHαcDNAフラグメントをPCR 法により生成増幅
する。
ノ酸配列 Cys-Met-Gly-Cys-Cys領域のアミノ酸を一部置
換させて得られた新規な蛋白・ペプチドである。また、
本発明は糖蛋白ホルモンのアミノ酸配列 Cys28- Met29- Gly30- Cys31- Cys32 領域のアミノ酸を一部置換させて得られる新規な糖蛋白
ホルモンまたはその一部である。糖蛋白ホルモンの3 ,
プライマ−配列に相当する28番残基TGC(Cys)、29番残基
ATG(Arg)、30番残基GCC(Gly)を夫々置換させた変異オリ
ゴヌクレチオドプライマ−を作製し、このプライマ−を
用いてhTSHαcDNAフラグメントをPCR 法により生成増幅
する。
【0010】このヒト甲状腺刺激ホルモン(hTSH)α鎖の
28番残基のシスティンをチロシンに置換させた(Mutant-
1)cDNAおよび正常(Wild type) hTSHβ鎖cDNAをそれぞれ
SV40プロモ−タ−を含むベクタ−にサブクロ−ニングす
る。その後、サブクロ−ニングした Mutant-1 hTSHα c
DNA および Wild type hTSHβ cDNA をアフリカミドリ
ザル腎細胞(COS-1) にエレクトロポレ−ション法でトラ
ンスフエクションし、28番目残基のシステインをチロシ
ンに置換させる。
28番残基のシスティンをチロシンに置換させた(Mutant-
1)cDNAおよび正常(Wild type) hTSHβ鎖cDNAをそれぞれ
SV40プロモ−タ−を含むベクタ−にサブクロ−ニングす
る。その後、サブクロ−ニングした Mutant-1 hTSHα c
DNA および Wild type hTSHβ cDNA をアフリカミドリ
ザル腎細胞(COS-1) にエレクトロポレ−ション法でトラ
ンスフエクションし、28番目残基のシステインをチロシ
ンに置換させる。
【0011】次に、ヒト甲状腺刺激ホルモン(hTSH)α鎖
の29番残基のメチオニンをアルギニンに置換させるに
は、ヒト甲状腺刺激ホルモン(hTSH)α鎖の29番目残基の
メチオニンをアルギニンに変位させた(Mutant-2)cDNAお
よびWild type hTSHβ鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−タ
−を含むベクタ−にサブクロ−ニングした。サブクロ−
ニングしたMutant-2 hTSHα cDNA およびWild type hT
SHβ cDNA をアフリカミドリザル腎細胞(COS-1) にエレ
クトロポレ−ション法でトランスフエクションし、29番
残基のメチオニンをアルギニンに置換させる。
の29番残基のメチオニンをアルギニンに置換させるに
は、ヒト甲状腺刺激ホルモン(hTSH)α鎖の29番目残基の
メチオニンをアルギニンに変位させた(Mutant-2)cDNAお
よびWild type hTSHβ鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−タ
−を含むベクタ−にサブクロ−ニングした。サブクロ−
ニングしたMutant-2 hTSHα cDNA およびWild type hT
SHβ cDNA をアフリカミドリザル腎細胞(COS-1) にエレ
クトロポレ−ション法でトランスフエクションし、29番
残基のメチオニンをアルギニンに置換させる。
【0012】更に、ヒト甲状腺刺激ホルモン(hTSH)α鎖
の30番残基のグリシンをアルギニンに置換させるには、
ヒト甲状腺刺激ホルモン(hTSH)α鎖の30番残基のグリシ
ンをアルギニンに変異させた(Mutant-3)cDNA、およびWi
ld type hTSHβ鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−タ−を含
むベクタ−にサブクロ−ニングする。サブクロ−ニング
したMutant-3 hTSHα cDNA 、およびWild type hTSHβ
cDNA をアフリカミドリザル腎細胞(COS-1) にエレクト
ロポレ−ション法でトランスフエクションし、30番残基
のグリシンをアルギニンに置換させる。
の30番残基のグリシンをアルギニンに置換させるには、
ヒト甲状腺刺激ホルモン(hTSH)α鎖の30番残基のグリシ
ンをアルギニンに変異させた(Mutant-3)cDNA、およびWi
ld type hTSHβ鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−タ−を含
むベクタ−にサブクロ−ニングする。サブクロ−ニング
したMutant-3 hTSHα cDNA 、およびWild type hTSHβ
cDNA をアフリカミドリザル腎細胞(COS-1) にエレクト
ロポレ−ション法でトランスフエクションし、30番残基
のグリシンをアルギニンに置換させる。
【0013】また、ヒト甲状腺刺激ホルモン(hTSH)α鎖
の30番残基のグリシンをアラニンに置換させるには、ヒ
ト甲状腺刺激ホルモン(hTSH)α鎖の30番残基のグリシン
をアラニンに変異させた(Mutant-4)cDNA、およびWild t
ype hTSHβ鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−タ−を含むベ
クタ−にサブクロ−ニングする。サブクロ−ニングした
Mutant-4 hTSHα cDNA 、およびWild type hTSHβ cDN
A をアフリカミドリザル腎細胞(COS-1) にエレクトロポ
レ−ション法でトランスフエクションし、30番残基のグ
リシンをアラニンに置換させる。
の30番残基のグリシンをアラニンに置換させるには、ヒ
ト甲状腺刺激ホルモン(hTSH)α鎖の30番残基のグリシン
をアラニンに変異させた(Mutant-4)cDNA、およびWild t
ype hTSHβ鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−タ−を含むベ
クタ−にサブクロ−ニングする。サブクロ−ニングした
Mutant-4 hTSHα cDNA 、およびWild type hTSHβ cDN
A をアフリカミドリザル腎細胞(COS-1) にエレクトロポ
レ−ション法でトランスフエクションし、30番残基のグ
リシンをアラニンに置換させる。
【0014】更に、ヒト甲状腺刺激ホルモン(hTSH)α鎖
の30番残基のグリシンをアスパラギン酸に置換させるに
は、ヒト甲状腺刺激ホルモン(hTSH)α鎖の30番残基のグ
リシンをアスパラギン酸に変異させた(Mutant-5)cDNA、
およびWild type hTSHβ鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−
タ−を含むベクタ−にサブクロ−ニングする。サブクロ
−ニングしたMutant-5 hTSHα cDNA 、およびWild typ
e hTSHβ cDNA をアフリカミドリザル腎細胞(COS-1) に
エレクトロポレ−ション法でトランスフエクションし、
30番残基のグリシンをアスパラギン酸に置換させる。
の30番残基のグリシンをアスパラギン酸に置換させるに
は、ヒト甲状腺刺激ホルモン(hTSH)α鎖の30番残基のグ
リシンをアスパラギン酸に変異させた(Mutant-5)cDNA、
およびWild type hTSHβ鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−
タ−を含むベクタ−にサブクロ−ニングする。サブクロ
−ニングしたMutant-5 hTSHα cDNA 、およびWild typ
e hTSHβ cDNA をアフリカミドリザル腎細胞(COS-1) に
エレクトロポレ−ション法でトランスフエクションし、
30番残基のグリシンをアスパラギン酸に置換させる。
【0015】新規糖蛋白ホルモンのうち、免疫活性と生
物活性に差のある物質を用いることで、より生物活性を
反映する糖蛋白ホルモン測定が可能になる。図1はその
一例を示す説明図であって、従来のイムノアッセイ系で
は抗正常TSH は通常生物活性部位を認識せず、免疫活性
部位のみを認識することが多いから、正常TSH と異常TS
Hを区別することができない。すなわち、正常TSH-抗正
常TSH イムノアッセイ系に正常TSH(図1a) または生物活
性を欠く異常TSH(図1b) を加えた場合いずれも同じよう
に標識正常TSH と競合して標識正常TSH が抗体に結合す
るのを阻害するので区別できない。しかし、免疫活性の
低い新規 TSHに対する抗体を作成することにより生物活
性部位に結合しやすくなることから生物活性を反映する
イムノアッセイ系を構築することができ生物活性を欠く
異常 TSHを区別できる。図2はその説明図であって、新
規TSH(A)−抗新規TSH(A)抗体のイムノアッセイ系では図
2aのように正常TSH を加えた場合、よく競合して標識新
規TSH(A)が抗体と結合するのを阻害するが、図2bのよう
に生物活性を欠く異常TSH を加えても競合しにくい。
物活性に差のある物質を用いることで、より生物活性を
反映する糖蛋白ホルモン測定が可能になる。図1はその
一例を示す説明図であって、従来のイムノアッセイ系で
は抗正常TSH は通常生物活性部位を認識せず、免疫活性
部位のみを認識することが多いから、正常TSH と異常TS
Hを区別することができない。すなわち、正常TSH-抗正
常TSH イムノアッセイ系に正常TSH(図1a) または生物活
性を欠く異常TSH(図1b) を加えた場合いずれも同じよう
に標識正常TSH と競合して標識正常TSH が抗体に結合す
るのを阻害するので区別できない。しかし、免疫活性の
低い新規 TSHに対する抗体を作成することにより生物活
性部位に結合しやすくなることから生物活性を反映する
イムノアッセイ系を構築することができ生物活性を欠く
異常 TSHを区別できる。図2はその説明図であって、新
規TSH(A)−抗新規TSH(A)抗体のイムノアッセイ系では図
2aのように正常TSH を加えた場合、よく競合して標識新
規TSH(A)が抗体と結合するのを阻害するが、図2bのよう
に生物活性を欠く異常TSH を加えても競合しにくい。
【0016】TBII法では区別できなかった刺激性TSH レ
セプタ−自己抗体(TSAb)と阻害性TSH レセプタ−自己抗
体(TSBAb) を新規TSH を用いた方法で区別できる。すな
わち、従来は標識TSH とTSH レセプタ−の結合に対して
刺激性自己抗体(TSAb)または阻害性自己抗体(TSBAb) を
加えた場合、いずれも標識TSH と競合して区別できなか
った。図3はその説明図であって、標識正常TSH を用い
たレセプタ−アッセイでは抗TSH レセプタ−自己抗体の
うち、図3aの刺激性自己抗体(TSAb)でも、図3bの阻害性
自己抗体(TSBAb) でも競合が起こるので区別できない。
一方、生物活性を反映する新規TSH(A)−抗新規TSH(A)の
イムノアッセイ系を用いれば、刺激性自己抗体(TSAb)は
競合するが、阻害性自己抗体(TSBAb) は競合しないから
区別できる。図4はその説明図であって、新規TSH(A)−
抗新規TSH(A)抗体のイムノアッセイ系では、図4aの刺激
性自己抗体(TSAb)では競合するが、図4bの阻害性自己抗
体(TSBAb) では競合しないので区別できる。
セプタ−自己抗体(TSAb)と阻害性TSH レセプタ−自己抗
体(TSBAb) を新規TSH を用いた方法で区別できる。すな
わち、従来は標識TSH とTSH レセプタ−の結合に対して
刺激性自己抗体(TSAb)または阻害性自己抗体(TSBAb) を
加えた場合、いずれも標識TSH と競合して区別できなか
った。図3はその説明図であって、標識正常TSH を用い
たレセプタ−アッセイでは抗TSH レセプタ−自己抗体の
うち、図3aの刺激性自己抗体(TSAb)でも、図3bの阻害性
自己抗体(TSBAb) でも競合が起こるので区別できない。
一方、生物活性を反映する新規TSH(A)−抗新規TSH(A)の
イムノアッセイ系を用いれば、刺激性自己抗体(TSAb)は
競合するが、阻害性自己抗体(TSBAb) は競合しないから
区別できる。図4はその説明図であって、新規TSH(A)−
抗新規TSH(A)抗体のイムノアッセイ系では、図4aの刺激
性自己抗体(TSAb)では競合するが、図4bの阻害性自己抗
体(TSBAb) では競合しないので区別できる。
【0017】TSHレセプタ−に結合するが、生物活性を
欠く新規TSH(B)を用いれば、TSAbの刺激によって起こる
バセドウ病を治療できる。すなわち、新規TSH(B)を投与
することにより、TSAbがレセプタ−と結合するのをブロ
ックしてこれを効かなくすることができる。この作用は
甲状腺に直接的に働くから効果の発現も早いと推定され
る。同様にして下垂体TSH 産生腫瘍などによるTSH 過剰
に起因する甲状腺機能亢進症も新規TSH でブロックして
治療できる。図5はバセドウ病治療の説明図であって、
図5aのように刺激性自己抗体(TSAb)が甲状腺のTSH レセ
プタ−に結合した後、細胞内情報伝達機構を介して甲状
腺ホルモンの過剰分泌が起こる。この箇所に図5bのよう
にTSH レセプタ−には結合するが、細胞内情報伝達機構
に働かない新規TSH(B)を与えると、刺激性自己抗体(TSA
b)がTSH レセプタ−に結合するのを阻害して甲状腺過剰
分泌が抑制される。同様にして性腺刺激ホルモン(Gn)を
TSH に置き換えることによりGnの作用をブロックして避
妊等に利用できる。
欠く新規TSH(B)を用いれば、TSAbの刺激によって起こる
バセドウ病を治療できる。すなわち、新規TSH(B)を投与
することにより、TSAbがレセプタ−と結合するのをブロ
ックしてこれを効かなくすることができる。この作用は
甲状腺に直接的に働くから効果の発現も早いと推定され
る。同様にして下垂体TSH 産生腫瘍などによるTSH 過剰
に起因する甲状腺機能亢進症も新規TSH でブロックして
治療できる。図5はバセドウ病治療の説明図であって、
図5aのように刺激性自己抗体(TSAb)が甲状腺のTSH レセ
プタ−に結合した後、細胞内情報伝達機構を介して甲状
腺ホルモンの過剰分泌が起こる。この箇所に図5bのよう
にTSH レセプタ−には結合するが、細胞内情報伝達機構
に働かない新規TSH(B)を与えると、刺激性自己抗体(TSA
b)がTSH レセプタ−に結合するのを阻害して甲状腺過剰
分泌が抑制される。同様にして性腺刺激ホルモン(Gn)を
TSH に置き換えることによりGnの作用をブロックして避
妊等に利用できる。
【0018】以下実施例で本発明の一例を説明する。
【実施例1】3, プライマ−配列に相当する28番残基TG
C(Cys)からTAC(Tyr) 、29番残基ATG(Met)からAGG(Ar
g)、30番残基をGCC(Gly)からCGC(Arg)、GCG(Ala)、GAC
(Asp)に替えた変異オリゴヌクレチオドプライマ−及び
正常5, −オリゴヌクレオチドプライマ−を作製した。
このプライマ−を用いてhTSHαcDNAフラグメントを, PC
R 法により生成、増幅した。
C(Cys)からTAC(Tyr) 、29番残基ATG(Met)からAGG(Ar
g)、30番残基をGCC(Gly)からCGC(Arg)、GCG(Ala)、GAC
(Asp)に替えた変異オリゴヌクレチオドプライマ−及び
正常5, −オリゴヌクレオチドプライマ−を作製した。
このプライマ−を用いてhTSHαcDNAフラグメントを, PC
R 法により生成、増幅した。
【0019】
【実施例2】実施例1により作製したヒト甲状腺刺激ホ
ルモン(hTSH)α鎖の28番目残基のシステインを、チロシ
ンに変異させた(Mutant-1)cDNAおよび正常(Wild type)
hTSHβ鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−タ−を含むベクタ
−にサブクロ−ニングした。サブクロ−ニングしたMuta
nt-1 hTSHα cDNA およびWildtype hTSHβ cDNA をア
フリカミドリザル腎細胞(COS-1) にエレクトロポレ−シ
ョン法でトランスフエクションし、培養液中のhTSHの免
疫学的活性を測定した。結果は0.1mU/リットル以下であ
った。
ルモン(hTSH)α鎖の28番目残基のシステインを、チロシ
ンに変異させた(Mutant-1)cDNAおよび正常(Wild type)
hTSHβ鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−タ−を含むベクタ
−にサブクロ−ニングした。サブクロ−ニングしたMuta
nt-1 hTSHα cDNA およびWildtype hTSHβ cDNA をア
フリカミドリザル腎細胞(COS-1) にエレクトロポレ−シ
ョン法でトランスフエクションし、培養液中のhTSHの免
疫学的活性を測定した。結果は0.1mU/リットル以下であ
った。
【0020】
【実施例3】実施例1により作製したヒト甲状腺刺激ホ
ルモン(hTSH)α鎖の29番目残基のメチオニンをアルギニ
ンに変異させた(Mutant-2)cDNAおよびWild type hTSHβ
鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−タ−を含むベクタ−にサ
ブクロ−ニングした。サブクロ−ニングしたMutant-2
hTSHα cDNA およびWild type hTSHβ cDNA をアフリカ
ミドリザル腎細胞(COS-1) にエレクトロポレ−ション法
でトランスフエクションし、培養液中のhTSHの免疫学的
活性を測定した。結果は3.5mU/リットルであった。
ルモン(hTSH)α鎖の29番目残基のメチオニンをアルギニ
ンに変異させた(Mutant-2)cDNAおよびWild type hTSHβ
鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−タ−を含むベクタ−にサ
ブクロ−ニングした。サブクロ−ニングしたMutant-2
hTSHα cDNA およびWild type hTSHβ cDNA をアフリカ
ミドリザル腎細胞(COS-1) にエレクトロポレ−ション法
でトランスフエクションし、培養液中のhTSHの免疫学的
活性を測定した。結果は3.5mU/リットルであった。
【0021】
【実施例4】実施例1により作製したヒト甲状腺刺激ホ
ルモン(hTSH)α鎖の30番目残基のグリシンをアルギニン
に変異させた(Mutant-3)cDNA、およびWild type hTSHβ
鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−タ−を含むベクタ−にサ
ブクロ−ニングした。サブクロ−ニングしたMutant-3 h
TSH α cDNA 、およびWild type hTSHβ cDNA をアフリ
カミドリザル腎細胞(COS-1) にエレクトロポレ−ション
法でトランスフエクションし、培養液中のhTSHの免疫学
的活性を測定した。結果は0.1mU/リットル以下であっ
た。
ルモン(hTSH)α鎖の30番目残基のグリシンをアルギニン
に変異させた(Mutant-3)cDNA、およびWild type hTSHβ
鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−タ−を含むベクタ−にサ
ブクロ−ニングした。サブクロ−ニングしたMutant-3 h
TSH α cDNA 、およびWild type hTSHβ cDNA をアフリ
カミドリザル腎細胞(COS-1) にエレクトロポレ−ション
法でトランスフエクションし、培養液中のhTSHの免疫学
的活性を測定した。結果は0.1mU/リットル以下であっ
た。
【0022】
【実施例5】実施例1により作製したヒト甲状腺刺激ホ
ルモン(hTSH)αサブユニットの30番目残基のグリシンを
アラニンに変異させた(Mutant-3)cDNAおよびWild type
hTSHβ鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−タ−を含むベクタ
−にサブクロ−ニングした。サブクロ−ニングしたMuta
nt-4 hTSHα cDNA およびWild type hTSHβ cDNA をア
フリカミドリザル腎細胞(COS-1) にエレクトロポレ−シ
ョン法でトランスフエクションし、培養液中のhTSHの免
疫学的活性を測定した。結果は0.1mU/リットル以下であ
った。
ルモン(hTSH)αサブユニットの30番目残基のグリシンを
アラニンに変異させた(Mutant-3)cDNAおよびWild type
hTSHβ鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−タ−を含むベクタ
−にサブクロ−ニングした。サブクロ−ニングしたMuta
nt-4 hTSHα cDNA およびWild type hTSHβ cDNA をア
フリカミドリザル腎細胞(COS-1) にエレクトロポレ−シ
ョン法でトランスフエクションし、培養液中のhTSHの免
疫学的活性を測定した。結果は0.1mU/リットル以下であ
った。
【0023】
【実施例6】実施例1により作製したヒト甲状腺刺激ホ
ルモン(hTSH)α鎖の30番目残基のグリシンをアスパラギ
ン酸に変異させた(Mutant-4)cDNA、およびWild type hT
SHβ鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−タ−を含むベクタ−
にサブクロ−ニングした。サブクロ−ニングしたMutant
-5 hTSHα cDNA およびWild type hTSHβ cDNA をアフ
リカミドリザル腎細胞(COS-1) にエレクトロポレ−ショ
ン法でトランスフエクションし、培養液中のhTSHの免疫
学的活性を測定した。結果は0.1mU/リットル以下であっ
た。
ルモン(hTSH)α鎖の30番目残基のグリシンをアスパラギ
ン酸に変異させた(Mutant-4)cDNA、およびWild type hT
SHβ鎖cDNAをそれぞれSV40プロモ−タ−を含むベクタ−
にサブクロ−ニングした。サブクロ−ニングしたMutant
-5 hTSHα cDNA およびWild type hTSHβ cDNA をアフ
リカミドリザル腎細胞(COS-1) にエレクトロポレ−ショ
ン法でトランスフエクションし、培養液中のhTSHの免疫
学的活性を測定した。結果は0.1mU/リットル以下であっ
た。
【0024】
【比較例1】正常ヒト甲状腺刺激ホルモン(hTSH)α鎖Wi
ld type hTSHα cDNA 、およびWildtype hTSHβ鎖cDNA
をそれぞれSV40プロモ−タ−を含むベクタ−にサブクロ
−ニングした。サブクロ−ニングしたWild type hTSHα
cDNA とWild type hTSHβ cDNA をアフリカミドリザル
腎細胞(COS-1) にエレクトロポレ−ション法でトランス
フエクションし、培養液中のhTSHの免疫学的活性を測定
した。結果は4.6 mU/リットルであった。
ld type hTSHα cDNA 、およびWildtype hTSHβ鎖cDNA
をそれぞれSV40プロモ−タ−を含むベクタ−にサブクロ
−ニングした。サブクロ−ニングしたWild type hTSHα
cDNA とWild type hTSHβ cDNA をアフリカミドリザル
腎細胞(COS-1) にエレクトロポレ−ション法でトランス
フエクションし、培養液中のhTSHの免疫学的活性を測定
した。結果は4.6 mU/リットルであった。
【0025】
【発明の効果】生物活性を反映する新規TSH-抗新規TSH
のイムノアッセイ系を用いれば、生物活性を欠く異常TS
H と正常TSH を区別することができる。また、TSH レセ
プタ−自己抗体のうち刺激性自己抗体(TSAb)と阻害性自
己抗体(TSBAb) も区別して測定することができる。更
に、新規TSH は刺激性自己抗体(TSAb)作用をブロックし
てこれを効かなくすることによって、バセドウ病の治療
薬として使用することができる。
のイムノアッセイ系を用いれば、生物活性を欠く異常TS
H と正常TSH を区別することができる。また、TSH レセ
プタ−自己抗体のうち刺激性自己抗体(TSAb)と阻害性自
己抗体(TSBAb) も区別して測定することができる。更
に、新規TSH は刺激性自己抗体(TSAb)作用をブロックし
てこれを効かなくすることによって、バセドウ病の治療
薬として使用することができる。
【図1】正常TSH-抗正常TSH イムノアッセイ系に正常TS
H または異常TSH を加えた場合の説明図。
H または異常TSH を加えた場合の説明図。
【図2】新規TSH(A)−抗新規TSH(A)抗体のイムノアッセ
イ系に正常TSH または異常TSHを加えた場合の説明図。
イ系に正常TSH または異常TSHを加えた場合の説明図。
【図3】標識正常TSH を用いたレセプタ−アッセイに刺
激性自己抗体(TSAb) または阻害性自己抗体(TSBAb) を
加えた場合の説明図。
激性自己抗体(TSAb) または阻害性自己抗体(TSBAb) を
加えた場合の説明図。
【図4】新規TSH(A)−抗新規TSH(A)抗体のイムノアッセ
イ系に刺激性自己抗体(TSAb)または阻害性自己抗体(TS
BAb) を加えた場合の説明図。
イ系に刺激性自己抗体(TSAb)または阻害性自己抗体(TS
BAb) を加えた場合の説明図。
【図5】新規TSH によるバセドウ病の治療薬の説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/00 C12R 1:91) (72)発明者 後藤 寛 大阪市北区本庄西3丁目9番3号株式会社 ニッショ−内
Claims (11)
- 【請求項1】 蛋白・ペプチドのアミノ酸配列 Cys-Met
-Gly-Cys-Cys領域のアミノ酸を一部置換させて得られる
新規な蛋白・ペプチド。 - 【請求項2】 糖蛋白ホルモンのα鎖のアミノ酸配列 Cys28- Met29- Gly30- Cys31- Cys32 領域のアミノ酸を一部置換させて得られる糖蛋白ホルモ
ン。 - 【請求項3】 糖蛋白ホルモンが甲状腺刺激ホルモンで
ある請求項2記載の新規な糖蛋白ホルモン。 - 【請求項4】 糖蛋白ホルモンが性腺刺激ホルモンであ
る請求項2記載の新規な糖蛋白ホルモン。 - 【請求項5】 Cys28(システィン28) をTry(チロシン)
に置換した請求項2〜4のいずれかに記載の新規な糖蛋
白ホルモン。 - 【請求項6】 Met29(メチオニン29)をArg(アルギニ
ン)に置換した請求項2〜5のいずれかに記載の新規な
糖蛋白ホルモン。 - 【請求項7】 Gly30(グリシン30) をArg(アルギニン)
に置換した請求項2〜6のいずれかに記載の新規な糖蛋
白ホルモン。 - 【請求項8】 Gly30(グリシン30) をAla(アラニン) に
置換した請求項2〜6のいずれかに記載の新規な糖蛋白
ホルモン。 - 【請求項9】 Gly30(グリシン30) をAsp(アスパラギン
酸) に置換した請求項2〜6のいずれかに記載の新規な
糖蛋白ホルモン。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の新規
な蛋白・ペプチドまたは新規な糖蛋白ホルモンを有効成
分とする甲状腺疾患の診断薬。 - 【請求項11】 請求項1〜9のいずれかに記載の新規
な蛋白・ペプチドまたは新規な糖蛋白ホルモンを有効成
分とする甲状腺疾患の治療薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7343556A JPH09176194A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 新規な蛋白・ペプチド、新規な糖蛋白ホルモンおよびそれらを有効成分とする甲状腺疾患の診断・治療薬 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7343556A JPH09176194A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 新規な蛋白・ペプチド、新規な糖蛋白ホルモンおよびそれらを有効成分とする甲状腺疾患の診断・治療薬 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09176194A true JPH09176194A (ja) | 1997-07-08 |
Family
ID=18362442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7343556A Pending JPH09176194A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 新規な蛋白・ペプチド、新規な糖蛋白ホルモンおよびそれらを有効成分とする甲状腺疾患の診断・治療薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09176194A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EA010738B1 (ru) * | 2006-06-22 | 2008-10-30 | Общество С Ограниченной Ответственностью "Сиа Пептайдс" | Средство, нормализующее функции щитовидной железы, и способ его получения |
WO2023050909A1 (zh) * | 2021-09-28 | 2023-04-06 | 中国人民解放军空军军医大学 | Cga基因作为靶点在制备用于诊断和治疗耐药实体瘤药物的应用 |
-
1995
- 1995-12-28 JP JP7343556A patent/JPH09176194A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EA010738B1 (ru) * | 2006-06-22 | 2008-10-30 | Общество С Ограниченной Ответственностью "Сиа Пептайдс" | Средство, нормализующее функции щитовидной железы, и способ его получения |
WO2023050909A1 (zh) * | 2021-09-28 | 2023-04-06 | 中国人民解放军空军军医大学 | Cga基因作为靶点在制备用于诊断和治疗耐药实体瘤药物的应用 |
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