JPH09174435A - 小径回転工具 - Google Patents

小径回転工具

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JPH09174435A
JPH09174435A JP35102395A JP35102395A JPH09174435A JP H09174435 A JPH09174435 A JP H09174435A JP 35102395 A JP35102395 A JP 35102395A JP 35102395 A JP35102395 A JP 35102395A JP H09174435 A JPH09174435 A JP H09174435A
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JP
Japan
Prior art keywords
drill
small
shot peening
diameter
shot
Prior art date
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Pending
Application number
JP35102395A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Hozumi
豊 穂積
Manabu Sato
学 佐藤
Manabu Mochizuki
望月  学
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tungaloy Corp
Original Assignee
Toshiba Tungaloy Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toshiba Tungaloy Co Ltd filed Critical Toshiba Tungaloy Co Ltd
Priority to JP35102395A priority Critical patent/JPH09174435A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドリル、エンドミルなどの小径回転工具にお
いて、超硬合金からなる首部の折損を低減する。 【解決手段】 小径回転工具の少なくともシャンクとボ
デーの境界周辺に対して、比重が11〜16ある実質的
に球状の投射材を、2〜10kgf/cm2の投射圧力
で衝突させるショットピーニング処理を施す。首部の形
成材料である超硬合金の抗折力が大きくなって、折損が
起きにくくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ドリル、エンド
ミルに代表される小径回転工具に関し、特に首部からの
折損を低減したものである。
【0002】
【従来の技術】たとえばプリント配線板の穴明けに使用
されるドリルのように、ドリル直径が通常は0.3mm
程度から2mmに満たないような小径回転工具は、切削
時に曲げを受けた場合、最も大きな曲げ応力の作用する
ボデーの付け根から折損することが多い。これを防止す
るために、工具保持部の剛性を上げたり、回転振れ精度
を高めるなどの対応がとられるが、工具についても、靭
性が高くて折れにくい工具材料を開発するといった対策
がとられている。
【0003】切削工具の性能改善の手段の一つにショッ
トピーニングを応用したものがある。例えば特開平4−
331070号公報に開示されたものは、ある投射条件
のもとで工具表面に気体流とともに球状の研磨材を吹き
つけることを特徴とするもので、研磨材として、鋼球、
ステンレス球、ガラス球もしくはセラミックス球が好適
するとしている。そして、吹きつけにより工具の表面組
織が微細化、緻密化して金属疲労および高温脆性に対す
る耐久性が増加し、その結果、切れ刃の寿命が長期化す
るとしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に示された技
術は、完成工具に対する後処理として行われるものであ
って、結果的に切れ刃の硬度が上がって耐摩耗が増加す
るとしたものである。そのために、投射する研磨材も比
較的比重の小さいものを使用して、完成工具の切れ刃が
投射によって欠けたりすることのないよう配慮したもの
と思料される。
【0005】本発明もショットピーニングを応用するも
のである。しかしながら、この発明は、小径回転工具の
折損防止を主な課題とし、その解決手段として、本発明
者らの研究になる特願平7−139125号明細書に記
載のショットピーニング方法を応用したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の如き
課題に鑑みなされたもので、丸棒状をなすシャンクの一
端に連なって切れ刃の備わったボデーが形成されるとと
もに、少なくともボデーの基端側は超硬合金からなるよ
うにした小径回転工具において、少なくともシャンクと
ボデーの境界周辺に対して、比重が11〜16ある実質
的に球状の投射材を、2〜10kgf/cm2の投射圧
力で衝突させるショットピーニング処理を施したことを
特徴とする。
【0007】特に、実質的に球状の投射材は、粒径が
0.3mm以下の超硬合金であることを特徴とする。
【0008】さらに、工具製造工程において、外周研削
丸棒状の素材にショットピーニング処理を施したのちに
刃付けをし、外周面にショットピーニング処理面が残る
ようにしたことを特徴とする。
【0009】また、工具製造工程において、切屑排出溝
の備わる素材にショットピーニング処理を施したのちに
逃げ面研削をし、切屑排出溝面にショットピーニング処
理面が残るようにしたことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明者らは、金属部品の疲労強度を従来以上
に向上するという求めに応じて、ショットピーニングに
おける投射速度を高速にしたり、投射面積の面あたりの
投射量を増やすなど、投射条件が過酷になる近年の傾向
に対応しつつ、被処理品の表面を荒らさず、圧縮残留応
力の最大値が非処理品の表面に生じ、疲労強度のバラツ
キや低下をもたらさず、一方ではそのための煩雑な工程
やそれに伴うコストの上昇がない、新規なショットピー
ニング方法を開発した。すなわち、特定範囲の高比重の
投射材を、特定範囲の低い投射速度で被処理品に衝突さ
せるというものであり、具体的には、小径回転工具に対
して、比重が11〜16ある実質的に球状の投射材を、
2〜10kgf/cm2の投射圧力で衝突させるショッ
トピーニング処理を施すというものである。とりわけ、
投射材として粒径が0.3mm以下の超硬合金が好適す
る。
【0011】本発明者らの研究によれば、前記高比重の
投射材を比較的低い投射速度で投射することによって、
被処理面の表面に圧縮残留応力を与え、しかもその最大
値が表面に生じるので、被処理品の疲労強度を著しく向
上させることが分った。疲労強度の大幅増加が、ボデー
とシャンクとの境界部からの折損、いわゆる首折れを防
止する。さらに、過酷な投射条件を用いないので、投射
材の損耗も少なく、高価な装置を用いる必要がなく、そ
の結果、加工コストは低い。
【0012】とはいえ、超硬合金製のボデーに超硬合金
のような高比重の投射材を噴射するという高硬度材同士
を衝突させるものであるから、投射速度や粒径を具体的
に数値で限定してある。また、シャンクとボデーの境界
周辺が丸棒のままである工具形状の場合には、丸棒部分
に投射し、鋭利な研削加工が要求される切れ刃には投射
しないようにする。一方、切屑排出溝がシャンク近くに
まで達して切れ刃が形成されているような工具形状の場
合には、少なくとも切屑排出溝または外周逃げ面のどち
らか一方に投射面が残るようにする。そして、このよう
な場合であっても疲労強度の増大は認められ、折損防止
効果は発揮される。
【0013】
【実施例】次に、この発明の一実施例について、図を参
照しながら説明する。
【0014】図1は、エポキシなどからなるプリント配
線板の穴明けに使用されるパンチ形といわれる小径ドリ
ルを示すものであって、丸棒状をなすシャンク1の一端
に連なってボデー2が形成され、ボデー2には、外径寸
法の異なるシャンク1とボデー2とを結ぶテーパ3が形
成されている。
【0015】ボデー2の先端には切れ刃部4が形成さ
れ、ボデー2から切れ刃部4とテーパ3を除いた部分が
首部5となる。パンチ形は、切れ刃部4が首部5より外
径が若干大きく形成されたものだが、切れ刃部4の直径
は、通常は0.3mm程度から2mmに満たないような
大きさである。そして、少なくとも首部5は超硬合金素
材からなる。切れ刃部4にはそのまま超硬合金が使われ
るほか、ダイヤモンド焼結体チップなどが使用されるこ
ともある。ボデー2の外周には、ドリルの先端よりテー
パ3にかけて、軸線に沿って切屑排出溝6が条設されて
いる。
【0016】以上のように構成された小径ドリルに起き
る折損事故の多くは、首部5とテーパ3との境界付近が
起点となる。ちなみに、首部5とシャンク1とにほとん
ど外径差のないストレートドリルの場合は、ドリルの把
持具の口元から折れやすい。いずれにしても、ボデー2
とシャンク1との境界周辺で折れやすいことに変わりな
い。これを防止するために、首部5からテーパ3にかけ
て、比重が11〜16ある実質的に球状の投射材を、2
〜10kgf/cm2の投射圧力で衝突させるショット
ピーニング処理を施す。代表的な投射材として超硬合金
があげられ、その粒径は0.3mm以下が好ましい。
【0017】パンチ形ドリルの首部5はドリル直径より
径小なので、当該部分は実質的に切削に関与せず、切屑
の排出がなされればよいのであるから、最終形状に成形
加工済みのドリルに対して、切れ刃部4を保護したの
ち、前記境界周辺を主対象としたショットピーニング処
理を行う。
【0018】一方、図には示されていないが、切れ刃部
4と首部5とが段差なく連続する非パンチ形のドリルの
場合には、鋭利な切れ刃7が形成できるように、工具製
造工程を次のようにする。すなわち、外周研削丸棒状の
素材にショットピーニング処理を施したのちに、切屑排
出溝6の研削による刃付けを行うようにすれば、所定の
工具形状が得られるとともに、外周面にはショットピー
ニング処理面が残るようなる。
【0019】切屑排出溝6にショットピーニング処理面
を残す方法であっても構わない。その一実施例が図2に
示されている。これは小径エンドミルであって、上記小
径ドリルと同一箇所には同符号を付してある。エンドミ
ル工具は、切屑排出溝6の外縁に、先端側から外周に亘
って切れ刃7が備わるものであるから、切屑排出溝6の
形成された素材に対して本発明になるショットピーニン
グ処理を施すようにする。その後、ねじれ溝に倣って外
周逃げ8を研削するようにすれば、所定の工具形状が得
られるとともに、切屑排出溝6にはショットピーニング
処理面が残るようなる。
【0020】本発明になるショットピーニング処理の効
果を表わすモデル試験の一つを図3に示す。これは、直
径3.2mmの丸棒を使用し、JIS B 4053に
規定する抗折力試験に準じて行ったものである。すなわ
ち、丸棒を支点間距離20mmに設定された試験機の上
に載せ、支点中央に徐々に荷重を負荷して、破断したと
きの荷重から抗折力を算出する。丸棒には、小径ドリル
に利用される超微粒子超硬合金を使用し、ショットピー
ニング処理のないものと比較した。ショットピーニング
処理を施したものは、ビッカース硬度HV1500で粒
径0.1mmの超硬合金製投射材を、投射圧力2〜6k
gf/cm2にて投射したものである。
【0021】同一投射条件のものをそれぞれ30本づつ
用意し、図3にはバラツキも含めて表示されているが、
平均値でみると、ショットピーニング処理を施したもの
の方が、明らかに抗折力が向上している。また、投射圧
力の高い方が、その効果が大きいことが分るが、実用的
には、対象となる小径回転工具のサイズや形状などに従
って適宜選択される。
【0022】さらに、正確な試験データとして得られて
いないが、ショットピーニング処理面の一部が研削など
により消失したものであっても、抗折力の高くなること
が分っている。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、少なく
ともボデーの基端側が超硬合金製の小径回転工具に対し
て、簡単な装置による簡単な処理によって疲労強度を高
めることができ、ボデーの付け根からの折損を少なくす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例になる小径ドリルの正面図で
ある。
【図2】本発明の一実施例になる小径エンドミルの正面
図である。
【図3】抗折力試験の結果を示したものである。
【符号の説明】
1 シャンク 2 ボデー 4 切れ刃部 5 首部 6 切屑排出溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 丸棒状をなすシャンクの一端に連なって
    切れ刃の備わったボデーが形成されるとともに、少なく
    ともボデーの基端側は超硬合金からなるようにした小径
    回転工具において、 少なくともシャンクとボデーの境界周辺に対して、比重
    が11〜16ある実質的に球状の投射材を、2〜10k
    gf/cm2の投射圧力で衝突させるショットピーニン
    グ処理を施したことを特徴とする小径回転工具。
  2. 【請求項2】 実質的に球状の投射材は、粒径が0.3
    mm以下の超硬合金であることを特徴とする請求項1に
    記載の小径回転工具。
  3. 【請求項3】 工具製造工程において、外周研削丸棒状
    の素材にショットピーニング処理を施したのちに刃付け
    をし、外周面にショットピーニング処理面が残るように
    したことを特徴とする請求項1および請求項2に記載の
    小径回転工具。
  4. 【請求項4】 工具製造工程において、切屑排出溝の備
    わる素材にショットピーニング処理を施したのちに逃げ
    面研削をし、切屑排出溝面にショットピーニング処理面
    が残るようにしたことを特徴とする請求項1および請求
    項2に記載の小径回転工具。
JP35102395A 1995-12-25 1995-12-25 小径回転工具 Pending JPH09174435A (ja)

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JP35102395A JPH09174435A (ja) 1995-12-25 1995-12-25 小径回転工具

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JP35102395A JPH09174435A (ja) 1995-12-25 1995-12-25 小径回転工具

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JPH09174435A true JPH09174435A (ja) 1997-07-08

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ID=18414522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35102395A Pending JPH09174435A (ja) 1995-12-25 1995-12-25 小径回転工具

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JP (1) JPH09174435A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008037387A1 (de) * 2006-09-28 2008-04-03 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verfahren zur erhöhung der bruchzähigkeit der randschicht einer hartmetallschneide eines bohrers
JP2013066953A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Osg Corp 工具の表面改質方法および工具

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Effective date: 20050818

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