JPH09174092A - 相乗的ホスホネートスケール抑制組合せを含有する水性系 - Google Patents

相乗的ホスホネートスケール抑制組合せを含有する水性系

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JPH09174092A
JPH09174092A JP8266074A JP26607496A JPH09174092A JP H09174092 A JPH09174092 A JP H09174092A JP 8266074 A JP8266074 A JP 8266074A JP 26607496 A JP26607496 A JP 26607496A JP H09174092 A JPH09174092 A JP H09174092A
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average molecular
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JP8266074A
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Jasbir S Gill
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
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    • C23F14/02Inhibiting incrustation in apparatus for heating liquids for physical or chemical purposes by chemical means

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムスケー
ル堆積物の水性系表面への堆積を抑制するための、相乗
的組合せ(あるいは組成物)を提供する。 【解決手段】 炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムの
両方を含むスケール形成塩類を含有し、高pH及び高カ
ルサイト濃度である水性系において、(A)ポリエーテ
ルポリアミノメチレンホスホネート、(B)アクリル
酸、スルホフェノメタリルエーテル及びマレイン酸のモ
ノマー類からなるターポリマー、及び(C)ヒドロキシ
ホスホノ酢酸からなる組合せの相乗的有効量を含有する
組合せを使用して水性系でのスケール形成塩類の生成、
析出、付着を防止する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明は、ポリエーテルポリアミノメチ
レンホスホネートと、アクリル酸、スルホフェノメタリ
ルエーテル及びマレイン酸のモノマーからなるターポリ
マーと、ヒドロキシホスホノ酢酸とを含んでなる、炭酸
カルシウム及びリン酸カルシウムスケール堆積物の水性
系表面への堆積を抑制するための、相乗的組合せ(ある
いは組成物)に関する。
【0002】一般に、炭酸カルシウム及びリン酸カルシ
ウムスケール堆積物は、いくつもの原因によって搬水系
(water-carrying system )の金属或いはプラスチック
表面に集積する付着被膜である。
【0003】各種工業用及び商業用送水系は、炭酸カル
シウム及びリン酸カルシウムスケールの生成という問題
を抱えている。炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムス
ケールは、水を用いた熱交換系、例えばボイラー系や貫
流式及び開放再循環式の水冷却系に特に関係がある。冷
水塔(cooling tower )、殊に高pH及び高カルサイト
濃度といった厳しい条件下にあるものにあっては、特に
顕著に見られる。
【0004】このような系に用いられている水は通常多
種の溶存塩類を含むものであり、アルカリ土類金属カチ
オンであるカルシウムが、炭酸塩やリン酸塩などのアニ
オンとともに、そのうちの大きな割合を占めているのが
普通である。カルシウムカチオンと炭酸塩アニオン、或
いはカルシウムカチオンとリン酸塩アニオンの組合せに
よる生成物は、当該反応生成物を構成するアニオン及び
カチオンの濃度がその反応生成物自体、すなわち炭酸カ
ルシウム或いはリン酸カルシウムの溶解度を越えたとき
に、それらが含まれている水から析出してスケール堆積
物を形成する。すなわち、カルシウムイオン及び上記ア
ニオンの濃度がそれらの反応生成物の溶解度を越える
と、炭酸カルシウム及び/又はリン酸カルシウムの固相
が沈殿として生成する。こうした反応生成物の沈殿は構
成イオンの濃度が溶解度積を越えないようになるまで続
くことになる。
【0005】当該反応生成物の過飽和状態を作り出すに
は多数の因子が係わる。そのような因子には、水性系の
pHの変化、水相の蒸発、伝熱速度、溶存固形物の量、
及び系の温度或いは圧力がある。
【0006】冷却系及び同様な熱交換系例えば冷水塔に
おけるスケール形成の機構は、系の加熱面に近接した領
域において局所的に過飽和の状態になった溶液からのス
ケール形成性塩類の結晶析出によるものであろうと思わ
れる。この領域における水の粘性薄膜は、この領域外に
ある残りの溶液部分より濃縮された状態になる傾向があ
る。析出はまた、炭酸カルシウムの溶解度の逆転関係の
ため、伝熱面上に生じやすいともいえる。その結果、ス
ケール形成性炭酸カルシウム塩反応生成物はこの薄膜内
で最初に溶解度濃度を越え、加熱もしくは熱交換面上に
直接炭酸カルシウムスケールが析出する。
【0007】これに加えて、ボイラー系に普通に見られ
るスケールの原因としては、熱の影響下における重炭酸
カルシウムの炭酸カルシウムと水と二酸化炭素への分解
がある。開放再循環式冷却水系においては、冷水塔、ス
プレー池、蒸発濃縮器等が水の蒸発による熱の放散を行
っており、炭酸カルシウムスケールの形成を促進する主
要な因子は、水相の一部が繰り返し蒸発することによる
水中の溶存塩類の濃縮となっている。すなわち、貫流ベ
ースではスケール形成性でない水であっても、2回、4
回、6回と濃縮されれば通常はスケール形成性になる。
さらに、補給水のアルカリ度は何度も蒸発サイクルを重
ねるうちに系全体の水のアルカリ度の上昇をもたらすこ
ととなり、pHが8.5ないし9.5以上に達すること
も少なくない。従来のスケール防止組成物は、このよう
な過酷な条件下にある系では一般に有効ではなかった。
【0008】炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムスケ
ールの生成は、多くの面で重大な問題を惹起する。生成
したカルシウムスケールは低い熱伝導率しかもたない。
したがって、カルシウムスケール堆積物は実質的に何ら
かの熱源から系の水までの熱の移動経路中に付加された
断熱層となる。冷却系の場合には、伝熱の遅滞は冷却効
率を損なうことになる。このため、カルシウムスケール
は多くの工業用水系において、清掃及び除去のための遅
延や停止を余儀なくさせるコスト高な問題となってい
る。
【0009】本発明は主として炭酸カルシウム及びリン
酸カルシウムスケールの堆積防止又は抑制に関するもの
であるが、他の型のアルカリ土類金属スケール、特に以
下に述べるような過酷な条件下で炭酸カルシウムスケー
ルに伴って生ずるもの、の堆積の抑制にも適用できる。
例えば、多くの工業用及び商業用の水は、カルシウムや
マグネシウムといったアルカリ土類金属カチオン、及び
重炭酸塩、炭酸塩、リン酸塩等のいくつかのアニオンを
含んでいる。これらのアニオンとカチオンとの組合せが
反応生成物の溶解度を越える濃度で存在すると、それら
の生成物の濃度が溶解度を越えなくなるまで沈殿が生成
する。これらの沈殿はアルカリ土類金属スケールであ
る。すなわち、アルカリ土類金属スケールというのは、
炭酸カルシウム、リン酸カルシウム及び炭酸マグネシウ
ムを含むものであるが、これらに限定されるわけではな
い。これらのスケールはしばしば熱交換器の管内或いは
冷水塔等の他の熱交換面上に生成する。過酷な条件によ
り炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムスケールが異常
堆積するような系ないし適用分野としては、具体的には
逆浸透系、精糖用蒸発器及びある種のガススクラバーが
挙げられる。
【0010】本発明の相乗的組合せは、金属イオン封鎖
剤或いはキレート剤というより、カルシウムスケール防
止を達成するための限界防止剤としての量で(in amoun
ts as threshold inhibitors)用いられる。ただし、本
発明の組合せは分散剤としての性質をも有するため、生
成した各種スケール堆積物の付着性を著しく低減し、そ
の除去を容易にする。
【0011】スケール形成性化合物は、キレート剤又は
金属イオン封鎖剤を用いてそれらのカチオンを不活化
し、それらが反応生成物の溶解度を越えないようにすれ
ば、沈殿を防止できる。一般に、キレート化は化学量論
的反応であるため、これにはカチオンの何倍ものキレー
ト剤又は金属イオン封鎖剤を必要とし、このような量は
必ずしも望ましくなくまた経済的ではない量である。し
かしながら数十年前に、ある種のポリリン酸は金属イオ
ン封鎖又はキレート化に必要な濃度よりはるかに少ない
量の添加で上記沈殿を防止することが見い出された。
【0012】沈殿防止剤がスケール形成の可能性がある
水性系に、スケール形成性カチオンの封鎖に必要な濃度
(化学量論量)より著しく低い濃度で存在するとき、そ
れは「限界 (threshold)」量で存在するという。これ
については、例えば、Hatchand Rice, Indust. Eng. Ch
em., 31, 51-53 (1939); Reitemeier and Buehrer,J. P
hys. Chem., 44(5), 535-536 (1940); Fink and Richar
dson, U.S. PatentNo. 2,358,222; and Hatch, U.S. Pa
tent No. 2,539,305 を参照されたい。
【0013】また、アニオン性及びカチオン性ポリマー
はこの技術分野において知られている方法に従い分散剤
として用いることができるが、分散を達成するのに必要
な添加レベルは処理対象となる水性系の0.5ないし
1.0重量%の範囲であり、本発明の組合せを用いる場
合の添加レベルより何桁も高い。すなわち、本発明の独
創的な局面は、本発明の相乗的組合せであれば限界抑制
剤量の使用で実質的に非付着性のスケールにすることが
できる点にある。
【0014】最近では、上記に述べたような従来の処理
では炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムのスケールを
完全に防止することができないような、過酷な条件下で
のスケール付着を防止することに関心が集まっている。
スケール防止についての現在の技術を用いれば、カルサ
イト飽和量の100倍ないし120倍まで、すなわちカ
ルサイトとしてのカルシウムの溶解度の100倍量(1
00X)のCa2+およびCO3 2- を含む水まで、CaC
3 スケールを防止することができる(カルサイトは炭
酸カルシウムの最も普通な結晶形である)。しかしなが
ら、望まれるのは100倍量(100X)以上の水で有
効な防止剤であり、その防止剤を化学量論量以下で使用
することにより、カルシウムイオンが炭酸カルシウムス
ケールとして沈殿するのを防止でき、またリン酸カルシ
ウムスケールの形成をも同様に防止できるものである。
さらに、本発明の相乗的組合せは、以下に記載されるよ
うに150倍量より高いカルサイト飽和レベルで特徴づ
けられる過酷な条件下で、炭酸カルシウム及びリン酸カ
ルシウムの両スケールの防止に特に有用である。
【0015】試料水のスケール形成傾向の強さは下記式
に従って算出される飽和指数を用いて表される。
【化3】 上記式中において、SIは炭酸カルシウムの飽和指数で
あり、[Ca2+]は遊離のカルシウムイオンの濃度であ
り、[CO3 2- ]は遊離の炭酸塩イオンの濃度であり、
spCaCO3 はCaCO3 の条件付き溶解度積定数(cond
itional solubility product constant )である。上記
式の右辺のすべての量はpH、温度及びイオン強度によ
り変わってくる。
【0016】飽和指数の計算と使用、及びそれを導くデ
ータの生成は、当業者ならばできることである。例え
ば、Critical Stability Constants, Vol. 4: "Inorgan
ic Complexes", Smith & Mantell (1976), Plenum Pres
s; and Aquatic Chemistry, Chap. 5, 2nd ed., Stumm
& Morgan (1981), Wiley & Sons を参照されたい。
【0017】本発明のスケール防止方法が特に有用であ
る過酷な条件の別の特徴は、8.5以上の高pHである
ということである。そのような過酷な条件に関連する特
徴は高アルカリ度であるということである。
【0018】本発明のスケール防止用の組合せが特に有
利である点の1つは、それが示すきわだったカルシウム
許容量である。カルシウム許容量は化合物がカルシウム
イオン[Ca2+]の存在下で溶存していられる尺度であ
る。過酷な条件下でのスケール防止に関する因子の1つ
はpHである。pHが上昇するにつれ、従来のCaCO
3 2+ 限界防止剤、例えばヒドロキシエチリデン−1,1
−ジホスホン酸(HEDP)及びアミノトリ(メチレン
ホスホン酸)(AMP)ではカルシウム許容量は急激に
低下する。これらの防止剤はアルカリ性pHではカルシ
ウムとともに沈殿し、限界スケール防止剤として働かな
くなるのである。
【0019】搬水系におけるスケール形成を低減する初
期の試みにおいては、タンニン類、変性リグニン類、ア
ルギン類といった化合物が用いられた。キレート剤ある
いは金属イオン封鎖剤もスケール形成性炭酸カルシウム
の沈殿や結晶析出を防止するために用いられてきた。炭
酸カルシウムスケールを防止する物質として精力的に探
索された別の型の剤が、限界活性防止剤(threshold ac
tive inhibitor)である。そのような物質は化学量論的
に必要な量より著しく少ない量でスケール防止剤として
有効に働く。前述したように、この量は限界量と呼ばれ
る。無機ポリリン酸はそのような限界活性防止剤として
長く用いられてきた。そのような物質の例は、Fink -
U.S. Pat. No. 2,358,222; Hatch - U.S. Pat. No. 2,5
39,305; and Ralston - U.S. Pat. No. 3,434,969を参
照されたい。アクリルアミドやアクリル酸から誘導され
た基を含むある種の水溶性ポリマーはスケール形成性炭
酸カルシウムを含む水の調整に用いられてきた。例え
ば、U.S. Pat. Nos. 2,783,200; 3,514,476; 2,980,61
0; 3,285,886; 3,463,730; 3,518,204; 3,928,196; 3,9
65,017; and 4,936,987を参照されたい。ポリアクリレ
ート、ポリ無水マレイン酸、アクリレートとスルホネー
トのコポリマー、スルホン化スチレンのポリマー等のア
ニオン性ポリ電解質は殊に用いられてきた。例えば、U.
S. Pat. Nos. 4,640,793; 4,650,793; 4,650,591; 4,45
7,847; and 4,671,888を参照されたい。しかしながら、
アルカリ土類金属スケール限界防止剤として用いられる
場合、これらのポリマーでは多量の添加が必要であり、
運転コストが増大する。
【0020】本発明の相乗的組合せの1つの要素を構成
する型のポリエーテルポリアミノメチレンホスホネート
は、pHが少なくとも8.5でありカルサイト飽和度が
カルサイトとしてのカルシウムの溶解度の少なくとも1
50倍であるような過酷な条件下におけるアルカリ土類
金属スケールの防止に用いるものとして知られているが
(U.S. Pat. Nos. 5,338,477 and 5,353,642)、本発明
の相乗的組合せを有する水性系はこれまでに示唆される
ことはなかった。さらに、下記に示すように、ポリエー
テルポリアミノメチレンホスホネートを炭酸カルシウム
及びリン酸カルシウムのようなアルカリ土類金属スケー
ルの同時防止に単独で用いる場合には、多量の添加が必
要になるため、ポリエーテルポリアミノメチレンホスホ
ネート単独での使用はコスト高になり、運転コストが許
容できないレベルに増大する。
【0021】こうした背景にも拘わらず、水性系例えば
(これに限定されないが)冷水塔におけるスケール形成
性塩類の生成、堆積又は析出、及び付着を防止する相乗
的組合せや方法に対する必要性は、実際かなりの程度に
存在するのである。
【0022】本発明は上述した必要性に合致するもので
ある。本発明は、スケール形成塩を含有する水性系又は
水システムに関し、この水性系は高いpH及び高いカル
サイト濃度で特徴づけられ、該pHは少なくとも8.5
であり、及びカルサイト飽和レベルはカルサイトとして
カルシウムの溶解限度の少なくとも100倍であり、更
に、以下から成る組合せ(あるいは組成物)の相乗的で
効果的な量を含有する:(A)以下の式のポリエーテル
ポリアミノメチレンホスホネート;
【化4】 式中、nは整数又は端数付きの整数であり、平均した場
合も含めて約2から約12の範囲にある数(両端の数を
含む)であり、Mは水素又はアルカリ金属塩のカチオン
であり、及び各々のRは同一或いは異なっており水素及
びメチルから独立に選択される;(B)アクリル酸、ス
ルホフェノメタリルエーテル及びマレイン酸のモノマー
からなるターポリマー、ここで、該ターポリマーの重量
平均分子量は約4000から10000の範囲である;
及び(C)ヒドロキシホスホノ酢酸。好ましくは、この
組合せは、ポリエーテルポリアミノメチレンホスホネー
トについて、Mは水素、各々のRはメチル、及びnは約
2から4であり、より好ましくは、nは約2.6の平均
値である。ここで述べる如く本発明の水性系は、(A)
ポリエーテルポリアミノメチレンホスホネート:(B)
ターポリマー:(C)ヒドロキシホスホノ酢酸の重量比
が約1:2:1から約5:2:1の範囲である。
【0023】本発明の好ましい態様において、ここで述
べる如く水性系は、約84重量平均分子量%のアクリル
酸、約8.0重量平均分子量%のスルホフェノメタリル
エーテル、及び約8.0重量平均分子量%のマレイン酸
であるターポリマー(B)を含む。
【0024】本発明の別の態様において、ここで述べる
水性系は、更にポリエーテルポリアミノメチレンホスホ
ネート(A)の分解を防ぐための安定化剤を含有する水
性系を提供する。
【0025】本発明の更なる別の態様において、ここで
述べる如く水性系は、更に腐食防止又は抑制剤を含有す
る水性系を提供する。腐食抑制剤は、限定されないが、
例えば、スチール及び/又は銅腐食抑制剤がある。
【0026】本発明の別の態様は、スケール形成塩を含
有する水性系を提供し、高いpH及び高いカルサイト濃
度で特徴づけられ、該pHは少なくとも8.5であり、
カルサイト飽和レベルはカルサイトとしてカルシウムの
溶解限度の少なくとも100倍であり、更に、以下から
成る組合せの相乗的で効果的な量を含有する:(A)以
下の式のポリエーテルポリアミノメチレンホスホネー
ト;
【化5】 式中、nは整数又は端数付きの整数であり、平均した場
合も含めて約2から約12の範囲にある数(両端の数を
含む)であり、Mは水素又はアルカリ金属塩のカチオン
であり、及び各々のRは同一或いは異なっており水素及
びメチルから独立に選択される;(B)ポリマレイン
酸、及びアクリル酸及びスルホフェノメタリルエーテル
のコポリマーの混合物から成る組成物、ここで、該コポ
リマーのアクリル酸:スルホフェノメタリルエーテルの
重量比は、約3:1から18:1であり、該組成物は約
4000から10000の範囲の重量平均分子量を有
し;及び(C)ヒドロキシホスホノ酢酸。
【0027】本発明の更なる別の態様は、pHが少なく
とも8.5であり、カルサイト飽和レベルがカルサイト
としてカルシウムの溶解限度の少なくとも100倍であ
る水性系においてスケール形成塩の生成、析出及び付着
を防止する方法を提供し、該方法は、以下の組合せの相
乗的で効果的な量を該水性系に添加することから成る;
(A)少なくとも約1.0mg/Lの濃度を与える量の以下
の式の化合物;
【化6】 式中、nは整数又は端数付きの整数であり、平均した場
合も含めて約2から約12の範囲にある数(両端の数を
含む)であり、Mは水素又はアルカリ金属塩のカチオン
であり、及び各々のRは同一或いは異なっており水素及
びメチルから独立に選択される;(B)少なくとも約
2.0mg/Lの濃度を与えるに十分な量のアクリル酸、ス
ルホフェノメタリルエーテル及びマレイン酸のモノマー
から成るターポリマー、ここで該ターポリマーは重量平
均分子量が約4000から10000の範囲である;及
び(C)少なくとも約1.0mg/Lの濃度を与えるに十分
な量のヒドロキシホスホノ酢酸。
【0028】本発明の好ましい態様において、ここで述
べる方法は水性系に安定化剤を添加することを含む。
【0029】本発明の別の好ましい態様において、ここ
で述べる方法は水性系に少なくとも一種の腐食抑制剤を
添加することを含む。
【0030】本発明の別の態様は、pHが少なくとも
8.5であり、カルサイト飽和レベルがカルサイトとし
てカルシウムの溶解限度の少なくとも100倍である水
システムにおいてスケール形成塩の生成、析出及び付着
を防止する方法を提供し、該方法は、以下の組合せの相
乗的で効果的な量を該水性系に添加することから成る;
(A)少なくとも約1.0mg/Lの濃度を与える量の以下
の式の化合物;
【化7】 式中、nは整数又は端数付きの整数であり、平均した場
合も含めて約2から約12の範囲にある数(両端の数を
含む)であり、Mは水素又はアルカリ金属塩のカチオン
であり、及び各々のRは同一或いは異なっており水素及
びメチルから独立に選択される;(B)少なくとも2.
0mg/Lの濃度を与えるに十分な量のポリマレイン酸、及
びアクリル酸及びスルホフェノメタリルエーテルのコポ
リマーの混合物から成る組成物、ここで該コポリマーの
アクリル酸:スルホフェノメタリルエーテルの重量比は
約3:1から18:1の範囲であり、該組成物は約40
00から10000の範囲の重量平均分子量を有する;
及び(C)少なくとも約1.0mg/Lの濃度を与えるに十
分な量のヒドロキシホスホノ酢酸。本発明の別の態様
は、ポリエーテルポリアミノメチレンホスホネートの分
解を防ぐために水性系に一種の安定化剤及び安定化剤及
び少なくとも一種の腐食抑制剤の両者を添加することを
更に含む方法を提供する。
【0031】本発明は、スケールを形成する塩類とここ
に記載する組合せの相乗効果量とを含む水システムに関
し、またその水システムにおけるスケール形成塩類の生
成、析出、および付着を防止する方法にも関する。
【0032】ここで使用する「沈澱の防止」および「析
出の防止」という用語は、しきい値抑制、分散、可溶
化、あるいは粒子径を小さくすることを包含する。「付
着防止」および「非付着性の増加」という用語は、単な
るすすぎ等で容易に除去できるスケール沈着物の生成を
意味する。即ち付着面にそれぼど強固にくっついていな
いので、苛酷な機械的あるいは化学的処理ではなく簡単
な物理的手段によって除去することができるスケール付
着物の生成を意味する。
【0033】ここで使用する「スケール形成塩類」と言
う用語は、スケールを形成する塩類すべてを含み、炭酸
カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、ヒド
ロキシエチリデンジホスホン酸カルシウムを含むホスホ
ン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、フッ化カルシウ
ム、硫酸バリウムおよびマグネシウム塩類などがあげら
れるがこれに限定されるものではない。
【0034】ここで使用する「水システム」あるいは
「水性系」という用語は、水を使用し、通常金属性の熱
交換表面を含んでいる商業的あるいは工業的システムを
さし、冷却水システム(特にクーリングタワー)、ボイ
ラー水システム、脱塩システム、ガススクラバーおよび
温度調節機器を含むがこれに限定されるものではない。
特に重要なのは、後に詳しく述べる高いpHや高濃度の
カルサイトの存在などの厳しい条件下で運転されるシス
テムである。これらのシステムの典型的なものとして
は、循環する冷却塔、逆浸透システム、糖精製蒸発器お
よびガススクラバーがある。
【0035】本発明が提供するのは、スケール形成塩類
を含有し高pHおよび高濃度のカルサイト含有を特徴と
する水システムであって、pHが少なくとも8.5であ
り、カルサイトの飽和レベルがカルサイトとしてのカル
シウムの溶解限度の少なくとも100倍であり、さらに (A)下記式
【化8】 (ここでnは整数または端数付きの整数で、平均した場
合も含めて約2から約12までの数(両端の数を含む)
であり、Mは水素またはアルカリ金属塩のカチオンであ
り、各Rは同一でも異なっていてもよく、水素とメチル
から独立に選択されるものである)のポリエーテルポリ
アミノメチレンホスホネート; (B)アクリル酸、スルホフェノメタリルエーテルおよ
びマレイン酸のモノマーからなるターポリマー(ここで
ターポリマーの重量平均分子量は約4000から100
00の範囲にある); (C)ヒドロキシホスホノ酢酸、からなる組合せまたは
組成物の相乗効果量を含んでいる水システムである。好
ましくは水システムには(A)としてMが水素で、Rが
メチル、nが約2から3、最も好ましくは約2.6であ
る上記式のポリエーテルポリアミノメチレンホスホネー
トが含まれている。
【0036】なかでもここに規定する苛酷な条件下での
スケール付着をハイレベルでコントロールするために
は、本発明のポリエーテルポリアミノメチレンホスホネ
ート(A)の構造にその性能を与えるのに欠かせないい
くつかの必須部分があることが見いだされた。たとえ
ば、構造中のテトラ(アミノホスホネート)部分は必須
である。これらの基がはじめホスホン酸の形態で存在す
るかあるいは酸のアルカリ金属塩または他の塩として存
在するかは分子全体の性能に関係しない。本発明の組成
物が機能するpH下では、これらの基はイオン化されて
いる、またされていなければならない。従って、”M”
が水素であるか適当なカチオンであるかは重要ではな
く、適当な塩形態を選択することは当業者の技術範囲で
ある。アルカリ金属塩に加え、アンモニア塩:NH4 +
またはアンモニア誘導体塩:NR4 +(R=アルキルet
c.)、またはそれらの混合物を使用することができ
る。アルカリ金属塩が最も簡単で従って好ましい。
【0037】本発明の水システムまたは方法の中で有用
なポリエーテルポリアミノメチレンホスホネート(A)
の構造上の特徴で必須ではないが望ましいものとして
は、ジホスホノメチルアミノ基とポリエーテル基を架橋
するイソプロピル基がある。
【化9】 イソプロピル基はここに規定される苛酷な条件下でのス
ケール防止活性を増強する。
【0038】ポリエーテルポリアミノメチレンホスホネ
ート(A)の構造要素で次に考慮さるべきはポリエーテ
ル部分である:
【化10】 ここでRは、水素またはメチルであることができ、従っ
てポリエーテル部分はポリオキシエチレンまたはポリオ
キシプロピレンであるがポリオキシプロピレンが好まし
い。ポリエーテルポリアミノメチレンホスホネートは適
当なジアミンのホスホノメチル化により調製されるた
め、ポリエーテル部分の性質は出発アミン原料がどのよ
うにして作られるかによって変わってくる。このような
ポリエーテルジアミンを作るプロセスは当業界で知られ
ており、特に米国特許第3,236,895号を見て欲
しい。これは本発明におけるデポジット制御剤である相
乗的組合せに使用される最終ホスホネート生成物(A)
を調製するのに有用な様々なポリエーテルジアミンの製
造を開示している。
【0039】米国特許第3,236,895号に開示さ
れた方法および先行技術に記載された他の関連方法にし
たがえば、本発明の範囲内にある多くの望ましいポリエ
ーテルジアミンのどれでも調製することができる。ここ
で使用される(A)のポリエーテルポリアミノメチレン
ホスホネートの一般式において、ポリエーテル部分は単
に上記の式で表される。さらに、Rは独立して選ばれ
る、即ちエチレンオキシユニットとプロピレンオキシユ
ニットはそれぞれがブロックを形成することも含めて様
々なパターンで交互に並ぶことができるしまた全部がど
ちらか一方であることもできる。例えば以下に示すのは
対応するジアミン類のベースを形成するために調製でき
るポリエーテルセグメントのいくつかに過ぎない。これ
らは本発明の範囲内にあるホスホネート類を作るのに用
いられる。ここでEO=エチレンオキシ、PO=プロピ
レンオキシである。EO;PO;EO−EO;PO−P
O;EO−PO;EO−EO−EO;PO−PO−P
O;EO−EO−PO;EO−PO−PO;EO−PO
−EO;PO−EO−PO;EO−EO−EO−EO;
PO−PO−PO−PO;EO−PO−PO−PO;E
O−EO−PO−PO;EO−EO−EO−PO;EO
−PO−EO−PO;EO−PO−PO−EO;PO−
EO−EO−PO上記例において主式においてnは1−
4の整数となろう。nは1から12の整数であると定義
されるが、もっと数の多いポリエーテル部分も包含され
る。しかし一般に低分子ポリエーテルポリアミノメチレ
ンホスホネートが、即ちnが小さい場合が、高いpHや
高濃度カルサイトといった厳しい条件下で最大のスケー
ル防止効果を与えることが見いだされ、従って好ましい
ものである。これら好ましいホスホネートの例が下の表
に示してある。ここでZはメチレンホスホネートであ
る。
【表1】 *:nの値は平均値である。
【0040】上の表からわかるように、いくつかの例で
はnは平均値である、即ちエチレンオキシ単位あるいは
プロピレンオキシ単位の繰り返し数は異なっていてもよ
い。従って、最終生成物中のポリオキシエチレンあるい
はポリオキシプロピレンの鎖長が異なったものの混合物
を得ることは可能である。nの限界についての条件が守
られる限りこの混合物も本発明の範囲にあると考えられ
る。従って、nは単に約2から約12までの整数または
端数のついた数と定義されるがこれには2つの局面があ
る。エチレンオキシおよび/またはプロピレンオキシユ
ニットそれぞれについての繰り返し数の合計を定義す
る。もしnが例えば4であったとすると、4個のプロピ
レンオキシユニット、3個のプロピレンオキシユニット
と1個のエチレンオキシユニット、2個のプロピレンオ
キシユニットと2個のエチレンオキシユニット、等を含
む。nの値は平均した値も表すことができ、nが端数の
ついた値である場合は常にそれに当たる。この場合、エ
チレンオキシユニット及び/またはプロピレンオキシユ
ニットのそれぞれについて、ユニット混合物が存在して
平均値としてのn値をあたえる。例えば、上の表の番号
Dでは、aとbの合計が9.5であってこれがnの値で
ある。即ちすべての分子がそれぞれ1個のイソプロピル
架橋基と1個のエチレンオキシ部分を有しているがプロ
ピレンオキシユニットの繰り返しは平均で約8.5であ
るポリエーテルホスホネートの混合物を記載している。
【0041】エチレンオキシあるいはオキシプロピレン
ユニットの繰り返し数は添字nで表され、全体としての
(A)のポリエーテルポリアミノメチレンホスホネート
の分子量を決定し、従ってそのホスホネートのスケール
防止性能を決めるのに決定的な役割を果たす。厳しい使
用条件の下で本発明の相乗的組合せを用いて十分なスケ
ールコントロールを行うには、(A)のポリエーテルポ
リアミノメチレンホスホネートのnが2から12までの
整数である、または平均で約2から約12までの数であ
ることが必要である。
【0042】すでに述べたように、nに端数がつくかも
知れない理由は、ホスホノメチル化によってそれからポ
リエーテルポリアミノメチレンホスホネートが作られる
一級ジアミンが、nが2、あるいは3、4、5などのそ
れ以上の数であるポリエーテルの様々な割合の混合物で
ある場合もあるという事実による。例えば、本発明の水
システムや方法に使用するのに好ましいポリエーテルポ
リアミノメチレンホスホネートは、分子量が約632で
nが平均で約2.6のものである。従って、このタイプ
のポリエーテルホスホネートは分子量に広がり(分布)
がある、即ち様々のポリオキシプロピレンからなってお
り、この分布はnが端数のついた数である平均値で表さ
れている。しかし、nが完全な整数である(たとえば”
3”)場合も本発明の範囲にはいる。この場合は通常単
一の分子量を表し、分子量分布ではない。
【0043】本発明の水システムおよび方法の相乗的組
合せの(A)のポリエーテルポリアミノメチレンホスホ
ネートはまず、すでにポリオキシエチレンおよびポリオ
キシプロピレン部分を有している適当な1級ジアミンの
ホスホノメチル化により製造される。
【0044】このような1級アミン出発物質、およびそ
の製造方法はよく知られている。続く1級ジアミンのホ
スホノメチル化はMannich反応により行う(K. M
oedritzer and R. Irani, J. Organic. Chem. 31(5) 16
03-7、「α−アミノメチルホスホン酸の直接合成−オル
トリン酸とのMannich型反応」1966年5
月)。典型的な反応では、1級ジアミンをリン酸と水の
混合物に加え、濃塩酸を徐々に加え、それから水性ホル
ムアルデヒドを加えながら反応混合物を還流まで加熱す
る。
【0045】ここに用いた一般構造式では窒素原子は完
全にホスホノメチル化されているが、実際には本発明の
ポリエーテルポリアミノメチレンホスホネートの製造に
おいては、後で詳しく述べるように通常約80から90
%のホスホノメチル化しか起こらない。他の副産物は
H、CH3、CH2OH等によるN−置換を与える。しか
し単純に製造コストの点からいって、完全にホスホノメ
チル化された化合物を単離し精製することは実際的では
ない。なぜなら今述べた副産物はスケール沈着防止を妨
害しないからである。このような副産物は従って通常そ
のままにしておく。また以下に記載する試験結果はこの
ような副産物を含んでいる試験試料に基づいている。得
られた活性レベルは100%活性化合物を試験したとす
ればもっと高くなったであろう。
【0046】好ましい(A)ポリエーテルポリアミノメ
チレンホスホネートであるN,N,N’,N’−テトラ
メチレンホスホノポリオキシプロピレンジアミン(N,N,
N',N'-tetramethylene phosphono polyoxypropylene di
amine)の製造について下記に記載する。約230の平均
分子量を有する式H2NCH(CH3)-CH2-[-OCH2CH(CH3)-]2.6-
NH2のジアミン(56.2g)をコンデンサー、Teflon
(商標、デュポン社製)攪拌器、温度計及び滴下ロート
を備えた1リットルのレジンフラスコ中の82gの亜リ
ン酸と65gの脱イオン水の混合物中に加えた。反応混
合物中の鉄分(Fe)を出来るだけ低いレベルに保つ事
は重要な事である、そしてFeの最もそれらしい供給源
は亜リン酸である。Feは反応を幾らか妨害するので、
低Fe濃度亜リン酸が使用される。
【0047】その後、この反応混合物にゆっくりと50
mLの濃塩酸を添加する。反応混合物を続いて還流温度
(107℃)まで加熱する。温度を少なくとも95℃に
維持すべきであるが、最も良い結果は反応混合物を還流
温度まで加熱したときに得られる。反応混合物が還流温
度に到達した後で、150gの37%HCHO水溶液を約4
5分間かけて滴下して添加した。最高の結果を得るため
に、HCHOの出発原料ジアミンに対する比率は、この合成
の場合のように、モル基準で少なくとも4:1、好まし
くは幾らか高め、であるべきである。
【0048】反応混合物を更に3時間加熱還流した。反
応時間は温度に依存するが、最良の結果は少なくとも
0.5時間、好ましくは2乃至3時間、加熱還流する事
で得られる。反応混合物を冷却し、回転蒸発器を使用し
て、97.2gの揮発分を50℃で除去した。全量で3
03.4gの製品を、理論収率48%で得た。31PNM
Rにより−NH基の少なくとも約85%がホスホノメチ
ル化されている事が確認された。未反応亜リン酸、ホル
ムアルデヒド、リン酸、メタノールホスホン酸、及びそ
の他の未同定燐化合物が不純物に含まれる。
【0049】本発明のポリエーテルポリアミノメチレン
ホスホネート類のスケール抑制性能は、非常にめだつ程
度ではないが、ある程度上記の反応パラメーターの変動
に依存する。最良の結果は、それ故に先に概略述べた最
適条件を採用する事で得られる。
【0050】本発明の(A)ポリエーテルポリアミノメ
チレンホスホネート類のいずれを相乗的組合せ又は組成
物で上記のように使用して水性系に於けるスケール生成
塩類の沈澱物堆積、堆積又は析出、及び付着を防止する
とき、それらは、その水性系において約1乃至100mg
/Lの濃度を与えるのに十分な量で添加すれば、有効にそ
の目的のために使用できる。好ましくは、添加する量
は、その水性系がここで記載されている少なくとも15
0×のカルサイト飽和レベルを有するとき、少なくとも
約6.0mg/Lの濃度を形成するのに十分な量である。し
かしながら、水性系に於けるアルカリ土類金属、特に、
例えば炭酸カルシウムスケール及びリン酸カルシウムス
ケールの生成、堆積又は析出、及び付着を防止する最高
量を達成するために、本発明の背景として説明されてい
るタイプの多くの要素がどんな特別の水性系に添加され
る本発明の相乗的組合せのポリエーテルポリアミノメチ
レンホスホネート組成物の実際量を決定する事が理解さ
れる。それらの量の計算は当業者の技術の範囲内のもの
である。
【0051】水性系の相乗的組合せの(B)ターポリマ
ー成分はアクリル酸、スルホフェノメタリルエーテル(s
ulfophenomethallyl ether) 及びマレイン酸のモノマー
類を含む。このターポリマーの重量平均分子量は約4,
000乃至10,000の範囲にある。
【0052】本発明の水性系の好ましい実施態様に於い
ては、ここに記載の相乗的組合せは(B)ターポリマー
が約84重量平均分子量パーセントのアクリル酸、約8
重量平均分子量パーセントのスルホフェノメタリルエー
テル及び約8重量平均分子量パーセントのマレイン酸で
ある場合を含む。
【0053】ここに記載のターポリマー(B)はここに
記載の水性系に存在して、少なくとも約2.0mg/L、好
ましくは約2.0乃至約50mg/L、の濃度を形成する。
より好ましくはターポリマー(B)はこの水性系に存在
して少なくとも約4.0mg/L、そして最も好ましくは約
4乃至25mg/L、の濃度を形成する。
【0054】ここに記載のターポリマー(B)は当業者
に既知の従来の方法で製造することが出来、そして米国
テネシー州チャッタノーガ所在のAlco Chemical 社から
商業的に「AR540」組成物として入手できる。「AR540」
はAlco Chemical 社の商標である。
【0055】例えば、ここに記載のターポリマー(B)
はアクリル酸モノマーをゆっくりとマレイン酸とスルホ
フェノメタリルエーテルを含む水性混合物に添加する事
によって製造する事が出来る。この水性混合物は更に例
えば次亜リン酸ナトリウム又は過硫酸ナトリウムのいず
れかの様な開始剤を含む事が出来る。この水性混合物を
数時間約90乃至105℃に加熱還流する。分子量を例
えばメルカプタン又はイソプロパノールの様な連鎖停止
剤を添加する事によって調節する事が出来る。その後、
例えばアンモニウム塩の様なアルカリを添加して酸を部
分的に中和する事もできる。十分な量の出発原料を使用
して、ここに記載の本発明の(B)ターポリマーを製造
する事は当業者の技術範囲内である。
【0056】ここに記載の水性系の相乗的組合せの
(C)ヒドロキシホスホノ酢酸成分は水性系に存在して
少なくとも約1.0mg/L、好ましくは約1.0乃至15
mg/L、更に好ましくは約2乃至10mg/L、の濃度を形成
する。ヒドロキシホスホノ酢酸(C)は当業者に既知の
従来の方法で製造する事ができ、そして米国ニュージャ
ーシー州プリンストン所在のFMC Corporationから商業
的に「Belcor 575」として入手できる。「Belcor 575」
はFMC Corporation の商標である。
【0057】例えば、ここに記載の(C)ヒドロキシホ
スホノ酢酸は次亜リン酸ナトリウムをグリオキシル酸又
はピルビン酸と例えば蒸留水のような水性溶媒中でそれ
ぞれ反応する事によって製造できる。反応は、例えば6
0乃至110℃に温度を上げた水性溶媒中で、加熱還流
して行われる。反応温度をこの還流温度に保ち、反応の
進行を31PNMR分析で監視する。9時間後に反応を停
止する。ここに記載の本発明のヒドロキシホスホノ酢酸
(C)を製造するための十分な量の上記出発原料を使用
する事は当業者の技術範囲内の事である。
【0058】ここに記載の本発明の水性系の好ましい実
施態様に於いては、ここに記載の組合せは(A)ポリエ
ーテルポリアミノメチレンホスホネート:(B)ターポ
リマー:(C)ヒドロキシホスホノ酢酸を約1:2:1
乃至約5:2:1の重量比で含む。
【0059】この様に、本発明の水性系の相乗的組合せ
(A)、(B)及び(C)はここに記載の厳しい条件下
で達成されるスケール抑制及び堆積抑制の量を、以前に
かねて達成されたものよりも、より経済的に増加でき
る。
【0060】ここに記載の水性系の相乗的組合せ
(A)、(B)及び(C)に加えて、その他の添加物を
さらに、ここに記載の相乗的組合せ(A)、(B)およ
び(C)の有効性を増強する組合せとして、使用する事
が出来る。この様に、1種又はそれ以上の腐食防止又は
抑制剤を、許容できる腐食率を得るために、本発明の相
乗的組合せと共に使用する事は望ましい事である。これ
ら腐食抑制剤は、ここに更に記載する様に、鋼及び/又
は銅腐食抑制剤で有り得る。許容出来る腐食率は夫々の
特定の使用環境をとりまく周囲の状況によるが、その環
境に存在する機器の寿命見込みに関連する予測に大部分
依存する。又、許容できる腐食は殆ど通常ピッチング攻
撃型の腐食のない事を前提としている。機器の材質は適
用地域により異なるが、それら機器を構成しそして腐食
を受ける金属は例えば、ステンレス鋼を含む、種々の形
態の鋼、及び銅自身又はその種々の合金、特に真鍮であ
る。これら全ての金属は、本発明の水性系及び方法の厳
しい使用条件の下では通常の条件下で経験する腐食攻撃
の程度よりもさらに厳しい腐食攻撃に曝される、そして
それ故にこれら金属に於いては本発明の相乗的組合せ
(A)、(B)及び(C)と組合せて1種又はそれ以上
の腐食抑制剤の使用が有利である。
【0061】スチ−ル及びその合金の腐食抑制又は防止
剤に関して、驚くべきことに、従来使用されていた公知
のホスホネ−トスケ−ルインヒビタ−と共にうまく作用
し、したがって、すべての腐食抑制剤(適当な保護を与
えると期待されるものを含む)が必ずしも本発明の水性
系の相乗的組合せとの使用に適当ではない、ということ
が見い出された。例えば、モリブデン酸塩及びニトリル
の類の腐食防止剤(それらは通常、腐食、特に点蝕型の
腐食、に対して良好な保護を与える)を、本発明の相乗
的組合せの(A)ポリエ−テルポリアミノメチレンホス
ホネ−トと共に使用することは適当でない。
【0062】一方、多くの適当なスチ−ル腐食防止剤が
あり、それらが適当であるか否かは当業者は容易に決定
することができる。したがって、どのスチ−ル腐食防止
剤が適当であるかの決定は当業者の通常の能力の範囲内
であり、そのようなすべての防止剤(インヒビタ−)は
本発明の一部分であると考えられる。上記の方法でテス
トを実施すると、下記のスチ−ル腐食防止剤が、本発明
の水性系の相乗的組合せと組み合わせて使用されると
き、十分な水準の腐食防止(点蝕型腐食に対する保護を
含む)を与える:ヘキサメタホスフェ−ト、オルトホス
フェ−ト、ピロホスフェ−ト、2−ホスホノブタン−
1,2,4−トリカルボンサン(PBTC)、マンガン
[Mn(II)+2]、及び亜鉛[Zn(II)+2]。
【0063】腐食に対して十分な保護を与えるために必
要なスチ−ル腐食防止剤の濃度は、処理される水性系の
水の組成、pH、及び温度に依存する。しかしながら、
一般的には、前記好適なインヒビタ−の濃度は、約0.
1mg/L〜約100mg/L、好ましくは約1mg/L〜約25mg
/L、最も好ましくは約1mg/L〜約10mg/Lの範囲であ
る。
【0064】銅及びその合金の腐食防止に関して、当業
者はまた、どの銅腐食防止剤が適当であるかを容易に決
定することができる。例えば、下記のものが、本発明の
ここに記載される水性系と共に使用するために好適な銅
腐食防止剤である:ベンゾトリアゾ−ル、トリルトリア
ゾ−ル、2−メルカプトベンゾチアゾ−ル、USP N
o.4,675,158に記載されているトリルトリア
ゾ−ルとメルカプトベンゾチアゾ−ルとの組合せ、EP
−A−0 397 454に記載されている型の高級ア
ルキルベンゾチアゾ−ル類、及びEP−A−0 462
809に記載されているそれらの組合せ、 EP−A
−0 478 247に記載されているアルコキシベン
ゾトリアゾ−ル類及びそれらの組合せ、及びEP−A−
0 462 666に記載されているフェニルメルカプ
トテトラゾ−ル及びその組合せ。
【0065】使用されるべき所望の銅腐食防止剤の濃度
は、インヒビタ−それ自体だけでなく、黄色金属表面積
及び全水性系の体積、溶解され懸濁された銅の濃度、p
H、溶解された固体、及び温度のようなファクタ−にも
依存する。しかしながら、一般的には、好適な銅腐食防
止剤の濃度は、約0.1〜約100mg/L、好ましくは約
0.5〜約20mg/L、最も好ましくは約1〜約5mg/Lの
範囲である。
【0066】更に、水性系の相乗的組合せへ他の添加
剤、例えば、本発明の水性系の相乗的組合せの成分
(A)ポリエ−テルポリアミノメチレンホスホネ−トの
分解を防止するための安定化剤、を添加することができ
るということを当業者は理解する。析出物抑制剤の分解
は、例えば、塩素、臭素またはそれらの混合物等を含む
殺生物剤の存在において生じ得るということを当業者は
知っている。また、当業者は、水性系が通常、生物学的
抑制のために殺生物剤組成物を含んでいることも知って
いる。本発明の水性系へ添加することができる適当な安
定化剤の例にはモノエタノ−ルアミン及び下記式の化合
物からなる有機スルホンアミドがあるが、それらに限定
されない:
【化11】 式中、Zは水素;及びアルカリ及びアルカリ土類金属塩
を形成するイオンから選択される、Rは実質的に下記の
基よりなる群から選択される: a)C1-4アルコキシ基:−OC1-4アルキル; b)アミノ基、またはモノ(C1-4アルキル)アミノま
たはジ(C1-4アルキル)アミノ基 :−N(R1)R
2(式中、R1及びR2は上記で定義したとおりであ
る); c)ホルミルアミノ基:−NHC(O)H; d)(C1-4アルキル)カルボニルアミノ基:−NH−
C(O)C1-4アルキル; e)(C1-4アルコキシ)カルボニルアミノ基:−NH
−C(O)OC1-4アルキル; f)C2ー6アルケニル基; g)C2ー6アルキニル基; h)C3ー7シクロアルキル基; i)実質的に下記の基よりなる群から選択されるアリ−
ルまたはヘテロアリ−ル:フェニル、ナフチル、ピリジ
ル、ピリミジル、ピラジル、ピリダジル、ピロリル、イ
ミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリ
ル、ここで、前記アリ−ル及びヘテロアリ−ルの炭素原
子は任意に、下記の基よりなる群から選択される三個ま
での基で置換されていることができる:C1-4アルキ
ル、C1-4アルコキシ、C1-4アルコキシカルボニル;ハ
ロ;ニトロ;ニトリロ;カルボキシ;C1-4アルキルス
ルホニル基(−S(O)n1- 4アルキル 、式中、n=
2);及び窒素において一つまたは二つのC1-4アルキ
ルによって置換されているかまたは置換されていないス
ルファモイル基(−SO2N(R1)R2、式中、R1及び
2は上記で定義したとおりである);そして、ヘテロ
アリ−ルの窒素原子は任意に、C1-4アルキルスルホニ
ル基(−S(O)n1-4アルキル 、式中、n=2)の
1-4アルキルによって置換されていることができる; j)C1-4アルキル;及び k)上記の置換基a)〜i)の一つによってモノ置換さ
れているC1-4アルキル。
【0067】本発明において使用される好ましい有機ス
ルホンアミド安定化剤は、上記の化合物において、Rが
下記の基である化合物である:C1-4アルコキシ基:−
OC1-4アルキル;アミノ基、またはモノ(C1-4アルキ
ル)アミノまたはジ(C1-4アルキル)アミノ基 :−N
(R1)R2(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、H
またはC1 -4アルキルである);C1-4アルキル、C1-4
アルコキシ、または−SO2N(R1)R2(式中、R1
びR2は上記で定義したとおりである)によってモノ置
換されているフェニル;C1-4アルキル基;または直ぐ
上で記載した置換基の一つによってモノ置換されている
1-4アルキル。
【0068】本発明において有用な有機スルホンアミド
類の中で特に好ましいものはRがC1-4アルキルによっ
てもの置換されている化合物であり、更に好ましくは、
メチルによってパラ置換されている化合物である。
【0069】上記の有機スルホンアミド類のほとんどは
当業界において公知であり、それらの製造方法もよく知
られている。これらの化合物の製造で満足な一つの方法
は、三酸化硫黄(SO3)による適当なアミンのスルホ
ン化である。本発明の有機スルホンアミド安定化剤を製
造するために使用することができるもう一つの方法は、
アンモニア、第一アミン、または第二アミンをある塩基
の存在において塩化スルホニルで処理する方法である。
これら及び他の方法は、総括有機化学:有機化合物の合
成及び反応、第3巻、345乃至346頁、デレク バ
−トン及びW.デイビット オリス、版、パ−ガモン
プレス 1979(Comprehensive Organic Chemistry
:the Synthesis and Reaction of Organic Compound
s, Vol. 3,pp. 345-346, Derek Barton and W. David,
eds., Pergamon Press 1979) 及びそこに挙げられた参
考文献に記載されている。
【0070】全部の量、及び特に、本発明の水性系及び
方法において本発明の相乗的組合せの(A)ポリエ−テ
ルポリアミノメチレンホスホネ−トの分解を防止するた
めに使用しなければならない有機スルホンアミド安定化
剤の濃度は、多くのファクタ−(それらには特に、p
H、塩素及び/または臭素殺生物剤の濃度、及び温度が
ある)及び被処理水性系を構成する水の有機及び無機成
分に依存する。塩素及び/または臭素殺生物剤の濃度に
対する有機スルホンアミド類安定化剤の濃度の等量比
(スルホンアミド:ハロゲン)は、望ましくは約0.5
〜2.0、好ましくは約0.75〜1.25、より好ま
しくは約1.0である。一般的には、本発明の相乗的組
合せ(A)、(B)及び(C)によって処理される水性
系中の有機スルホンアミドの濃度は、0.1〜100p
pm、好ましくは0.5〜25ppm、より好ましくは
1〜10ppm、である。例えば、本発明の有機スルホ
ンアミドは、0.5ppmと25ppmとの間の濃度で
水性系へ添加され、このとき水性系は6〜10のpH、
10℃〜80℃の温度であり、約0.1ppmと約50
ppmとの間、通常は約0.1ppmと約10ppmと
の間の塩素及び/または臭素殺生物剤の濃度を有してい
る。
【0071】本発明のもう1つの実施態様においては、
pHが少なくとも8.5であり、そしてカルサイトとし
てのカルシウムの溶解限度の少なくとも100倍のカル
サイト飽和レベルを有している水性系に、 (A)下記式
【化12】 〔式中、nは整数又は端数付きの整数であり、平均した
場合も含めて約2から約12(2と12とを含む)の数
であり;Mは水素またはアルカリ金属塩のカチオンであ
り;各Rは同種または異種であって、水素およびメチル
から独立的に選択される〕のポリエーテルポリアミノメ
チレンホスホネートの少なくとも約1.0mg/Lの濃度を
確保する量と; (B)アクリル酸、スルホフェノメタリルエーテルおよ
びマレイン酸のモノマーからのターポリマー(該ターポ
リマーは約4,000乃至10,000の範囲の重量平
均分子量を有する)の少なくとも約2.0mg/Lの濃度を
確保するのに十分な量と; (C)ヒドロキシホスホノ酢酸の少なくとも約1.0mg
/Lの濃度を確保するのに十分な量との組合せの有効量
を、前記の水性系に添加することを包含する、該水性系
におけるスケール形成塩の生成、析出および付着を防止
する方法が提供される。好ましくは、この方法は、前記
のポリエーテルポリアミノメチレンホスホネートにおい
てMが水素であり、各Rがメチルであり、nが約2乃至
4より好ましくは約2.6である場合を含む。
【0072】本発明のもう1つの実施態様においては、
ターポリマー(B)は、アクリル酸約84重量平均分子
量パーセント、スルホフェノメタリルエーテル約8重量
平均分子量パーセント及びマレイン酸約8重量平均分子
量パーセントである方法が提供される。
【0073】好ましくは、ここに記述されている本発明
の方法は、水性系の相乗的組合せの(A):(B):
(C)の比が約1:2:1乃至約5:2:1の範囲にあ
る場合を含む。
【0074】ここに記述されている本発明の方法の最も
好ましい実施態様においては、(A),(B)および
(C)の相乗的組合せを、カルサイトとしてのカルシウ
ムの溶解限度の少なくとも150倍のカルサイト飽和レ
ベルを有する水性系に加える方法が提供され、そこにお
いて(A)ポリエーテルポリアミノメチレンホスホネー
トは少なくとも約6.0mg/Lの濃度において存在し、
(B)ターポリマーは少なくとも約4.0mg/Lの濃度に
おいて存在し、そして(C)ヒドロキシホスホノ酢酸は
少なくとも約2.5mg/Lの濃度において存在する。
【0075】ここに記述されている本発明のもう1つの
実施態様は、先に記述した如く、相乗的組合せの分解を
防ぐために、より詳しくはポリエーテルポリアミノメチ
レンホスホネート(A)の分解を防ぐために、水性系に
安定剤を加えることを、さらに包含する方法をも包含す
る。
【0076】ここに記述されている本発明のもう1つの
実施態様は、先に記述した如く、少なくとも1つの腐食
抑制剤(又は防止剤)を加えることを、さらに包含する
方法を提供する。より好ましくは、この方法は、該腐食
抑制剤が銅腐食抑制剤であり、そして最も好ましくは該
銅腐食抑制剤がトリルトリアゾールである腐食抑制剤を
添加することを包含する。
【0077】ここに記述した如き相乗的組合せ、および
その他の添加剤例えば銅腐食抑制剤、銅腐食抑制剤およ
び/または安定剤の各成分の、本発明の水性系への添加
方法は、本技術の熟練者には簡単であろう。相乗的組合
せの各成分を単独的に添加することもできるし、または
互いに任意の組合せで添加することもできる。本発明の
水性系への相乗的組合せの(A)、(B)および(C)
の添加順序は重要でない。同様に、本発明の水性系への
腐食抑制剤(単数または複数)および/または安定剤
(単数または複数)の添加も、単独的に行うこともでき
るし、または互いに組合せて行うこともできる。そして
添加の順序は、本発明の相乗的組合せ(A)、(B)お
よび(C)の成分に関して臨界的でない。それ故、前述
の相乗的組合せ(A)、(B)および(C)の成分、お
よび前述の添加物の添加が、(A)、(B)、(C)、
腐食抑制剤(単数または複数)または安定剤(単数また
は複数)のそれぞれを、水性系へ単一添加物として個々
に加えることによって、または(A)、(B)、
(C)、腐食抑制剤または安定剤の2つ以上の任意の組
合せで加えることによって成し遂げられ、それによっ
て、本発明によって教示されている相乗効果を確保する
ために、ここに記述されている、(A)、(B)および
(C)を少なくとも含有している本発明の水性系に到達
することは、当技術に熟練している者に理解されるであ
ろう。
【0078】さらに、本発明の成分(A)、(B)およ
び(C)、および/または安定剤(単数または複数)、
および/または腐食抑制剤(単数または複数)の添加方
法は、本技術の熟練者には簡単である。各成分は、既知
のデザインの機械的ディスペンサーによって液体の形態
で加えることもできる。これらはまた、希薄液体の形態
で加えることもできる。上記に述べた如く、例えば、2
つ以上の成分を、水性系に調合又は調剤(dispense)する
ために組合せることもできる;そして組合せにおけるこ
れらは、液体の形態で調合することもできる。
【0079】実施例 以下の各実施例は本発明を更に詳細に説明するものであ
る。これら実施例は本発明の範囲をなんら限定するもの
ではない。各実施例においては以下の製品を用いた:T
RCは、ポリエーテルポリアミノメチレンホスホネート
であり、前述した式により表せば、式中両Rはメチルで
あり、Mは水素であり、nは平均して2.6であり、ま
た結果として得られる重量平均分子量は約600であ
る。TRCは本明細書中で説明したように、アメリカ合
衆国、ペンシルバニア、ピッツバーグのカルゴンコーポ
レーションから、水性系に使用するものとして商業的に
入手し得る。ベルコー(Belcor)575は、ヒドロキシホ
スホノ酢酸であり、アメリカ合衆国、ニュージャージ
ー、プリンストンのFMCコーポレーションから商業的
に入手し得る。AR540は、約84重量平均分子量パ
ーセントのアクリル酸、約8重量平均分子量パーセント
のスルホフェノメタリルエーテル、及び約8重量平均分
子量パーセントのマレイン酸からなるターポリマーであ
る。AR540はアメリカ合衆国、テネシー、チャッタ
ヌーガのアルコケミカルから商業的に入手し得る。
【0080】実施例1−14 実施例1−14においては、種々の処方物について、p
H8.5、且つカルサイトとしてのカルシウムの溶解限
度の約100倍のカルサイト飽和における炭酸カルシウ
ム(CaCO3)及びリン酸カルシウム(CaPO4)の
生成、析出並びに付着の防止の向上におけるそれら処方
物の有効性を試験した。本発明の水性系の改良されたス
ケール抑制性能を実証するために下記の操作を用いた:
約100Xのカルサイト飽和を達成すべく約8.5のp
H及び60℃において150mg/LのCa+2及び600mg
/Lの炭酸カルシウムとしてのアルカリ度及び約2mg/Lの
オルトホスフェートを含むスケール水を用いて24時間
に亘って各試験溶液(実施例1−14)のスケール抑制
性能を評価した。各試験溶液を分析するため、試験溶液
10グラムを採り、0.2ミクロンのフィルターを通し
て適当な容器に加え、シュワルツェンバッハ法でカルシ
ウムを、当業者に既知の分光測光法を用いてPO4 3-
それぞれ滴定し、さらに当業者に既知の方法でパーセン
ト抑制を計算した。各実施例の試験溶液の処方を表1に
記した。表1はまた、上記の24時間に亘るスケール抑
制活性評価の結果をも示しており、同表中において炭酸
カルシウム(CaCO3)及びリン酸カルシウム(Ca
PO4)のパーセント(%)抑制は各実施例について2
4時間で計算したものである。
【表2】
【0081】表1において実施例1乃至3は、本発明の
水性系の相乗的(共同作用性)組合せの各成分は、上述
したような約8.5のpHにおいて150mg/LのCa+2
及び600mg/Lの炭酸カルシウムとしてのアルカリ度及
び約2mg/Lのオルトホスフェートを含むスケール水を有
する水性系で個別に用いた場合は、カルサイトとしての
カルシウムの溶解限度の約100倍(100X)のカル
サイト飽和における炭酸カルシウムスケール及びリン酸
カルシウムスケールの十分な抑制を達成し得ないことを
示している。実施例4乃至6は、本発明の相乗的組合せ
のいずれか2成分の組合せを用いた場合は、炭酸カルシ
ウム及びリン酸カルシウムの両者を共に抑制することは
できないことを示している。実施例7は、本発明の相乗
的組合せのうち、1mg/LのTRC(上述した式を有する
ポリエーテルポリアミノメチレンホスホネート
(A))、1mg/Lのベルコー−575(ヒドロキシホス
ホノ酢酸)、及び2mg/LのAR540(上述したターポ
リマー)の組合せは炭酸カルシウムスケール及びリン酸
カルシウムスケール双方の形成を効果的に100%抑制
することを示している。実施例8、10及び11は、本
発明の相乗的組合せの各成分を単独で用いた場合は、そ
の濃度を増大させても炭酸カルシウムスケール及びリン
酸カルシウムスケール双方の形成を共に十分に抑制する
ことはできないことを示している。実施例9は、TRC
を単独で25mg/Lの濃度で用いた場合は、炭酸カルシウ
ムスケール及びリン酸カルシウムスケール双方の形成を
100%抑制することを示している。しかし、TRCの
少なくとも25mg/L濃度を達成することは不経済であ
り、TRCを単独で有する水性系を用いるプロセスの操
業コストを改善する上での障害となる。実施例12は、
4mg/LのAR540及び6mg/LのTRCという濃度を用
いると、炭酸カルシウムスケール及びリン酸カルシウム
スケールの形成を効果的に100%抑制することを示し
ている。実施例12に記載の相乗的組合せはスケール形
成を効果的に抑制するものの、本発明の水性系を有する
プロセスにおいて用いることは実施例7で述べた本発明
の相乗的組合せに比べると経済性に劣る。実施例13及
び14は、AR540とベルコー−575との組合せ又
はベルコー−575とTRCとの組合せのいずれかを用
いた場合は、その濃度を増大させても水性系における炭
酸カルシウムスケール及びリン酸カルシウムスケール双
方の形成を共に十分に抑制することはできないことを示
している。
【0082】実施例15−22 実施例15乃至22においては、種々の処方物につい
て、炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムの生成、析出
並びに付着の防止の向上における有効性を試験した。本
発明の水性系での改良されたスケール抑制性能を実証す
るために下記の操作を用いた:約150Xのカルサイト
飽和を達成すべく約8.8のpH及び60℃において1
50mg/LのCa+2及び600mg/Lの炭酸カルシウムとし
てのアルカリ度及び約2mg/Lのオルトホスフェートを含
むスケール水を用いて24時間に亘って各試験溶液(実
施例15−22)のスケール抑制性能を評価した。各試
験溶液を分析するため、試験溶液10グラムを採り、
0.2ミクロンのフィルターを通して適当な容器に加
え、シュワルツェンバッハ法でカルシウムを、当業者に
既知の分光測光法を用いてPO4 3- をそれぞれ滴定し、
さらに当業者に既知の方法でパーセント抑制を計算し
た。各実施例(実施例15−22)の試験溶液の処方を
表2に記した。表2はまた、上記の24時間に亘るスケ
ール抑制活性評価の結果をも示しており、同表中におい
て炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムのパーセント
(%)抑制は各実施例について24時間で計算したもの
である。
【表3】
【0083】表2は、少なくとも約8.5のpH及びカ
ルサイトとしてのカルシウムの溶解限度の少なくとも1
50倍(150X)のカルサイト飽和を有する水性系に
おける、種々の処方物の炭酸カルシウムスケール及びリ
ン酸カルシウムスケール形成抑制能力について得られた
結果を示している。表2の実施例15−17及び実施例
18−20は、150Xのカルサイト飽和を有する水性
系において、本発明の水性系の相乗的組合せの一つの成
分を単独で用いた場合、或いは本発明の相乗的組合せの
いずれか2成分の組合せを用いた場合、炭酸カルシウム
スケール及びリン酸カルシウムスケールの両者を共に有
効に抑制することはできないことを示している。表2
中、実施例21及び22は、少なくとも150Xのカル
サイト飽和を有する水性系において炭酸カルシウムスケ
ール及びリン酸カルシウムスケール双方を100%抑制
するためには、本発明の水性系の相乗的組合せの少なく
とも4mg/LのAR540、2.5mg/Lのベルコー−57
5、及び6mg/LのTRCの濃度が必要とされることを示
している。
【0084】実施例23〜24 実施例23及び24において、炭酸カルシウム及びリン
酸カルシウムの両方に対する100%析出物制御を与え
ることと、カルサイトとしてのカルシウムの溶解限度の
約240倍でカルサイト飽和を達成する、pH約8.5
及び60℃でのCa2+の200mg/L 及びオルトリン酸
塩の約4mg/Lを含むスケール水中の腐食に対する保護
を与えることにおける有効性を試験した。実施例1〜1
4において記載した分析方法に従った。実施例23に関
する配合物の組成は約8mg/L TRCを含んでおり、本
発明の相乗的組合せの例である実施例24に関する配合
物の組成は、約8mg/L TRC、本発明の成分(B)の
6mg/L 、本発明の成分(C)の4mg/L 、安定化剤モノ
エタノールアミンの5mg/L 、及び銅腐食抑制剤トリル
トリアゾールの2mg/L を含んでいた。
【0085】腐食試験操作は、温度制御器、試験装置に
水を循環するポンプ、好ましいpHを維持するpH監視
器及び制御器、及び空気飽和状態を確実にすること及び
pH制御に要求される二酸化炭素ガスの導入の両方を行
う通気装置を備えた8リットル(L)容器中で行った。
試験用鋼試験片は1010炭素鋼(UNS名称G101
00)からなり、これらを試験装置の水中に浸した。年
当たりのミル(1 mil=0.0254mm)の単位(mp
y)として腐食浸透速度を、標準ASTM−G1−88
方法により7日後に重量分析的に測定した。試験装置に
使用した水の組成は、次の通りであった。
【表4】
【0086】表3は、24時間の期間にわたるスケール
析出物の進行の結果を示す。ここでは、炭酸カルシウム
及びリン酸カルシウムのパーセント(%)抑制を各試料
に対して24時間の期間にわたってで計算した。
【表5】
【0087】表3のデータが、本発明により開示された
相乗的組合せを含む水性系は従来知られていた処理より
も腐食速度において劇的な改良を与えていると示してい
ることは、当業者に認識される。上記のデータから、前
述の(A)ポリエーテルポリアミノメチレンホスホネー
ト、前述の(B)ターポリマー、及び前述の(C)ヒド
ロキシホスホノ酢酸の相乗的組合せからなる本発明の方
法及び水性系は、従来既知の組成物よりも、カルサイト
としてのカルシウムの溶解限度の少なくとも100倍の
カルサイト飽和水準を有する水性系中の炭酸カルシウム
及びリン酸カルシウムの両方の抑制をかなり改良してい
ることが認識される。さらに、本発明は、以前は不可能
であった、水性系中の炭酸カルシウム及びリン酸カルシ
ウムの両方のスケール形成の100%を抑制する問題を
経済的に解決している。
【0088】本発明の特別の実施態様は説明のために記
載されたものであり、本発明の多くの変形及び詳細が、
添付された特許請求の範囲に定義された本発明から逸脱
することなくなされても良いことは、当業者に明らかで
ある。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スケール形成塩類を含有し、そして高p
    H及び高カルサイト濃度を有することを特徴とする水性
    系であって、該pHが少なくとも8.5であり、該カル
    サイト飽和レベルがカルサイトとしてのカルシウムの溶
    解限度の少なくとも100倍であり、更に (A)次の式: 【化1】 (式中、nは整数又は端数付きの整数であり、平均した
    場合も含めて約2から約12の範囲にある数(2及び1
    2を含む)を表すものであり;Mは水素又はアルカリ金
    属塩の陽イオンであり、Rの各々は同一又は異なってい
    てもよく、独立して水素及びメチルから選択されるもの
    である)を有するポリエーテルポリアミノメチレンホス
    ホネート、(B)アクリル酸、スルホフェノメタリルエ
    ーテル及びマレイン酸のモノマーからなり、重量平均分
    子量が約4000から10000の範囲にあるターポリ
    マー、及び(C)ヒドロキシホスホノ酢酸、からなる組
    合せを相乗的有効量含有することを特徴とする水性系。
  2. 【請求項2】 該ポリエーテルポリアミノメチレンホス
    ホネートについて、Mが水素であり、Rの各々がメチル
    であり、nが約2ないし4である請求項1記載の水性
    系。
  3. 【請求項3】 nが約2.6である請求項2記載の水性
    系。
  4. 【請求項4】 該ターポリマーが約84重量平均分子量
    パーセントのアクリル酸、約8重量平均分子量パーセン
    トのスルホフェノメタリルエーテル、及び約8重量平均
    分子量パーセントのマレイン酸である請求項1記載の水
    性系。
  5. 【請求項5】 A:B:Cの重量比が約1:2:1ない
    し約5:2:1の範囲である請求項1記載の水性系。
  6. 【請求項6】 該ポリエーテルポリアミノメチレンホス
    ホネートが分解するのを防止する安定剤を更に包含する
    請求項1記載の水性系。
  7. 【請求項7】 少なくとも一つの腐食抑制剤を更に包含
    する請求項1記載の水性系。
  8. 【請求項8】 少なくとも8.5のpHを有し、カルサ
    イト飽和レベルがカルサイトとしてのカルシウムの溶解
    限度の少なくとも100倍である水性系において、スケ
    ール形成塩類の生成、析出及び付着を防止する方法であ
    って、該水性系に、 (A)少なくとも約1.0mg/Lの濃度を与える量の、次
    の式: 【化2】 (式中、nは整数又は端数付きの整数であり、平均した
    場合も含めて約2から約12の範囲にある数(2及び1
    2を含む)を表すものであり;Mは水素又はアルカリ金
    属塩の陽イオンであり、Rの各々は同一又は異なってい
    てもよく、独立して水素及びメチルから選択されるもの
    である)を有するポリエーテルポリアミノメチレンホス
    ホネート; (B)少なくとも約2.0mg/Lの濃度を与えるに十分な
    量の、アクリル酸、スルホフェノメタリルエーテル及び
    マレイン酸のモノマーからなり、重量平均分子量が約4
    000から10000の範囲にあるターポリマー、及び (C)少なくとも約1.0mg/Lの濃度を与えるに十分な
    量の、ヒドロキシホスホノ酢酸、からなる組合せの相乗
    的有効量を添加することを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 該(A)ポリエーテルポリアミノメチレ
    ンホスホネートについて、Mが水素であり、Rの各々が
    メチルであり、nが約2ないし4である請求項8記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 nが約2.6である請求項8記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 該(B)ターポリマーが約84重量平
    均分子量パーセントのアクリル酸、約8重量平均分子量
    パーセントのスルホフェノメタリルエーテル、及び約8
    重量平均分子量パーセントのマレイン酸である請求項8
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 (A):(B):(C)の重量比が約
    1:2:1ないし約5:2:1の範囲にある請求項8記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 該(A)ポリエーテルポリアミノメチ
    レンホスホネートが分解するのを防止するために安定剤
    を該水性系に添加することを更に包含する請求項8記載
    の方法。
  14. 【請求項14】 少なくとも一つの腐食抑制剤を添加す
    ることを更に包含する請求項8記載の方法。
  15. 【請求項15】 該ポリエーテルポリアミノメチレンホ
    スホネートについて、Mが水素であり、Rの各々がメチ
    ルであり、nが約2.6であり、そして更に該水性系へ
    安定剤を添加し、また該水性系へ腐食抑制剤を添加する
    ことを包含する請求項8記載の方法。
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