JPH09173081A - ヒト第ix因子ポリペプチド前駆体をコードする人工dna - Google Patents

ヒト第ix因子ポリペプチド前駆体をコードする人工dna

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JPH09173081A
JPH09173081A JP8281135A JP28113596A JPH09173081A JP H09173081 A JPH09173081 A JP H09173081A JP 8281135 A JP8281135 A JP 8281135A JP 28113596 A JP28113596 A JP 28113596A JP H09173081 A JPH09173081 A JP H09173081A
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    • C12N9/6421Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue from mammals
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    • C12N9/644Coagulation factor IXa (3.4.21.22)
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
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    • C12Y304/00Hydrolases acting on peptide bonds, i.e. peptidases (3.4)
    • C12Y304/21Serine endopeptidases (3.4.21)
    • C12Y304/21022Coagulation factor IXa (3.4.21.22)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒト第IX因子ポリペプチドの合成用人工DN
Aの提供。 【解決手段】 組換えDNA技術によって製造され、イ
ンビボでビタミンK−依存性酵素の作用によりヒト第IX
因子ポリペプチドに変換し得るヒト第IX因子ポリペプチ
ド前駆体をコードし、かつ、下記のアミノ酸配列 【化1】 をコードするフクレオチド配列を含有する人工DNA又
はその相補体、並びにその発現用ベヒクル及び組換え細
菌宿主細胞。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト第IX因子ポリ
ペプチド前駆体コードする人工DNAに関する。本発明
はまた、クローニングベヒクル内に該人工DNAを含む
組換えDNA、および該組換えDNAで形質転換された
細菌宿主細胞に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】第IX
因子(クリスマス因子又は抗血友病B因子)は、内因性
血液凝固経路による凝血に必要なセリンタンパク分解酵
素の酵素原である(Jackson & Nemerson,Ann. R
ev. Bio-chem.,49 , 765-811, 1980)。この因子は肝
で合成され、その生合成にはビタミンKが必要である
(Di Scipio & Davie,Biochem.,18, 899-904,
1979)。
【0003】ヒトの第IX因子の精製及び特性決定は既に
行なわれているが、そのアミノ酸配列の詳細については
部分的にしか知見されていない。この因子は、分子量約
60,000の単鎖糖タンパクである(Suomela, Eur. J.
Biochem.,71, 145-154, 1976 )。他のビタミンK−依
存性血漿タンパクと同様に、ヒトの第IX因子はアミノ−
末端領域に約12個のγ−カルボキシグルタミン酸残基を
含む(Di Scipio &Davie, Biochem.,18, 899-904,
1979)。
【0004】凝血過程に於いて、Caイオンの存在下、
第IX因子は、活性化された第XI因子(XIa)の作用
を受けて内部ペプチド2個が開裂し、10,000ダルトンの
活性化糖タンパク(activationglycopeptide)を遊離す
る(Di Scipio et al., J.Clin.Invest., 61, 1
528-1538,1978)。活性化された第IX因子(IXa )は、
少なくとも1つのジスルフィド結合によって互いに保持
された2つの鎖から構成されている。第IXa 因子は次
に、活性化された第VIII因子とCa++イオンとリン脂質
との存在下で第X因子に作用することによって血液凝固
カスケ―ドの次の段階に参加する(Lindquist et al.,
J.Biol.Chem., 253, 1902-1909, 1978)。
【0005】第IX因子を欠損した個体(クリスマス病又
は血友病B)は、生涯続く出血症状を示す。出血は、自
然に又は負傷によって生じ得る。このような出血はどこ
で起こるかわからない。関節での出血が生じる場合が多
く、出血が繰返し生じると、不治の身心障害たる奇形に
至る。これは伴性的疾患であり、男性が罹患し、男性約
30,000人に1人の割合で発生する。
【0006】従来のクリスマス病診断方法では、凝血ア
ッセイと免疫化学的アッセイとを組合せて血漿中の第IX
因子の力価を測定している。病気中の出血の治療のため
には、第IX因子を補填したヒト血漿タンパク濃縮物を静
脈内に輸血して第IX因子を補充する。血漿中の第IX因子
増加は時間の掛るプロセスである。
【0007】本出願人は組換DNA技術(遺伝子工学)
によるヒト第IX因子の人工的産生を目指して多くの研究
と実験とを重ねた後に顕著な進歩を遂げることに成功し
た。即ち、ヒト第IX因子ゲノム中に見られる長い配列
(extensive sequences )と実質的に等しいDNA配列
のクローニングが達成されたのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、組換えDNA
技術によって製造され、インビボでビタミンK−依存性
酵素の作用によりヒト第IX因子ポリペプチドに変換し得
るヒト第IX因子ポリペプチド前駆体をコードし、かつ、
下記のアミノ酸配列 Asp Val Thr Cys Asn Ile Lys Asn Gly Arg Cys Clu Gln Phe Cys Lys Asn Ser Ala Asp Asn Lys Val Val Cys Ser Cys Thr Glu Gly Tyr Arg Leu Ala Glu Asn Gln Lys Ser Cys Glu Pro Ala をコードするヌクレオチド配列を含有する人工DNA、
又はその相補体を提供する。
【0009】この人工DNAは、通常、ヒト第IX因子ゲ
ノムから転写され得るヒト第IX因子メッセンジャーRN
Aに相補的である。
【0010】本発明はまた、クローニングベヒクルDN
A配列と、前記人工DNAの配列とを含む組換えDNA
を提供する。
【0011】本発明はさらに、前記組換えDNAで形質
転換された細菌宿主細胞を提供する。
【0012】宿主細胞は、好ましくは、大腸菌細胞であ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、後述する如く、基本的
なヌクレオチド又はジヌクレオチドの“構築ブロック”
を出発構造とし化学的合成と人工的生合成との難しい巧
妙な組合せによって、ヒト第IX因子ゲノムの長いDNA
配列を得ることができるという知見に基く。
【0014】本発明の重要な特徴は、クローニングベヒ
クルDNA配列と、ヒト第IX因子ゲノム中に見られる配
列と実質的に同じ外来配列(即ちベヒクルにとって外来
の配列)とを含む組換DNAにある。このような外来配
列の 11873個のヌクレオチドを含む部分が同定され、そ
のほとんどの部分はMaxam−Gilbert配列決定法によっ
て配列決定された。この配列の 129個のヌクレオチド鎖
は、特異的タンパクをコードするこの配列の明確な特性
決定を行なうに十分な長さであり、この 129−ヌクレオ
チド鎖は、クローニングベヒクルに挿入された全配列を
特性決定するときにヒト第IX因子ゲノム中に見られる配
列と同程度に有用であると考えられる。従って別のクロ
ーン化配列は、この 129−ヌクレオチド鎖部分が前記ク
ローニングベヒクル配列の1部の領域と同一であるこ
と、即ち双方の配列が同一のオーバーラップ領域を有し
ていることが決定されれば、ヒト第IX因子ゲノムに属す
ると判定され得る。
【0015】従って、本発明の別の特徴は、クローニン
グベヒクル又はベクターDNA配列と外来DNA配列と
を含んでおり、外来DNA配列が実質的に以下の 129個
のヌクレオチド配列から構成されるか又はこの配列を含
むような組換DNAを含むことである。
【0016】
【化1】
【0017】(129 個のヌクレオチドは、横1行に30
個,更に次の横1行に30個の順に読む。) この129 −ヌクレオチド配列は、ヒト第IX因子cDNA
クローン(図9)から予想されたアミノ酸配列のアミノ
酸位置85〜127 をコードしている。
【0018】本発明は特に、クローニングベヒクルDN
A配列とクローニングベヒクルに外来の配列とを含んで
おり、外来配列がヒト第IX因子ゲノムのエクソン配列の
実質的に全部を含むような組換DNAを含む。上記の 1
29−ヌクレオチドの配列は、実質的に前記の如きエクソ
ン配列に対応する。ヒト第IX因子DNAを単独で特性決
定するエクソン配列の別の例としては、実質的に次式で
示される 203−ヌクレオチド配列がある。
【0019】
【化2】
【0020】(この場合にも、ヌクレオチド配列は横1
行に30個,更に次の横1行に30個の順で読む。) この203 −ヌクレオチド配列は、ヒト第IX因子cDNA
クローン(図9)から予想されたアミノ酸配列のアミノ
酸位置128 〜195 をコードしている。
【0021】ヒト第IX因子ゲノムのイントロン配列はヒ
ト細胞中でmRNAが転写されるプロセス中に切除され
る。エクソン配列だけがタンパクとして翻訳される。第
IX因子をコードするDNAはヒトmRNAから調製され
た。この cDNAは部分的に配列決定され、上記と同じ
129−及び 203−ヌクレオチド配列を含むことが知見さ
れた。
【0022】本発明は更に、クローニングベヒクル配列
とクローニングベヒクル配列にとって外来のDNA配列
とを含んでおり、外来配列がヒト第IX因子mRNAに相
補的なDNA配列を含むような組換えDNAを含む。こ
のような組換えcDNAはヒト肝mRNA由来の組換c
DNAクローンライブラリーから単離され得る。即ち、
プローブとしてヒト第IX因子ゲノムDNAのエクソン
(又はその一部)を使用してライブラリーをスクリーニ
ングし、得られたクローンを単離する。
【0023】本発明は更に、外来配列がヒト第IX因子D
NAの断片、特に少なくとも50個好ましくは少なくとも
75個のヌクレオチド又は塩基対から成る長さの断片であ
るような組換えDNAを含む。本発明は、上記の 129−
又は 203−塩基対の配列の一部であるか否かに関わりな
く、前記の如き組換えDNAを含む。本発明は特にヒト
第IX因子ゲノムDNAのエクソン配列の一部又は全部を
含む。約 11kbp(11,000ヌクレオチド又はbp)までの長
さの種々の短い鎖を種々の制限エンドヌクレアーゼを用
いて調製した。組換えDNAをクローンから単離するた
めに種々の方法が公知であり、そのいくつかについては
後述する。本発明のDNAは単鎖形でもよく二本鎖形で
もよい。
【0024】本発明の組換えヒト第IX因子DNAは組換
えDNA技術の手段として有用である。即ち、人工ヒト
第IX因子産生及び診断用プローブ調製の第1段階で有用
である。
【0025】人工ヒト第IX因子の産生のためには、適当
なcDNA又はゲノムクローンを哺乳動物又は細菌系の
適当な発現ベクターに導入する方法が検討されている。
哺乳動物でテストした場合、1つのクローン内に適当に
維持されるには遺伝子が長過ぎるかも知れない。従っ
て、cDNA及びゲノムクローンの適当な部分から人工
“ミニ遺伝子”を設計構築する。ミニ遺伝子はそれ自体
のプロモーターのコントロール下にあるか、又はその代
わりに人工プロモーター例えばマウスのメタロチオネイ
ン(metallo-thioneine )Iプロモーターで置換されて
いる。得られた“ミニ遺伝子”は次に哺乳動物の組織培
養細胞、例えばヘパトームセルラインに導入され、最大
量の生物学的に活性な第IX因子を合成する細胞のクロー
ンが選択される。又は、マウス成長ホルモンで示された
ような“遺伝子育成( genetic farming)”を使用して
もよい(Palmiter et al., Nature 300, 611-615,
1982)。ミニ遺伝子を受精卵の前核に微量注入(マイク
ロインジェクション)し、次に in vivoクローニング
し、血液中に最大量のヒト第IX因子を産生する子孫を選
択する。又は、cDNAクローン又はその選択された部
分を適当な強い細菌プロモーター例えばLacもしくは
rpプロモーター又はλPR もしくはPLL に結合し、こ
れにより第IX因子ポリペプチドを得ることも検討されて
いる。
【0026】天然の第IX因子ポリペプチドは、シグナル
及びプロペプチド領域の双方を含む前駆物質として合成
される。これらの領域はいずれも確定鎖長タンパク産生
中に開裂されるのが普通である。更にこの産物も単なる
前駆物質にすぎない。この産物は生物学的には不活性で
あり、特異的ビタミンK−依存性カルボキシラーゼの作
用によって所謂“GLA”領域内の12個の特異的N−末
端グルタミン酸残基がガンマ−カルボキシル化される必
要がある。更に、分子の連結ペプチド領域に2つの炭水
化物分子が付加されるが、これらが活性に必要であるか
否かは不明である。カルボキシラーゼに対する基質は未
知であり、前駆物質たる第IX因子ポリペプチド又は確定
鎖長のタンパクのいずれかかも知れない。従って、前駆
物質領域の有無に関わりなく、種々の該当ポリペプチド
が遺伝子工学の方法を用いて細菌宿主中で“構築”され
るであろう。これらのポリペプチドは次に、部分精製さ
れたカルボキシラーゼ酵素製剤の作用下で第IX因子を不
活性から生物学的活性にinvitro変換するための基質と
してテストされるであろう。前記のカルボキシラーゼ酵
素は、肝ミクロソーム又は別の適当なソースから単離さ
れ得る。
【0027】診断のためには、組換えヒトゲノム第IX因
子DNA又は組換えヒトmRNA−由来第IX因子DNA
は広範囲に使用され得る。これらのDNAは、酵素又は
2種以上の酵素の組合せによって、DNAのより短い断
片に開裂され、この断片をクローニングベヒクル中に組
換えて“サブクローン”を産生し得る。これらのサブク
ローン自体が制限酵素によって、プローブ調製に適した
DNA分子に開裂され得る。(このように定義される)
プローブDNAは何らかの方法でラベルされ、通常は放
射性ラベルされ、普通なら第IX因子を産生するはずのヒ
トDNA中の突然変異を詳細に検査すべく使用され得
る。体内での突然変異発生が予想される患者のゲノムの
異なるいくつかの領域を検査するために、異なるいくつ
かのプローブが製造された。このようなプローブでハイ
ブリダイゼーションが起こらない場合、このことは患者
のDNA中でプローブの配列とは異なっていることを示
す。特にクリスマス病がこのような方法論によって検出
又は確認され得ることが判明した。有用なプローブは、
ゲノムDNAのイントロン及び/又はエクソン領域を含
み得るか、又はmRNA由来のcDNAを含み得る。
【0028】本発明は特に、プローブDNA、即ち所望
のプローブたる用途に適した長さのラベルされたDNA
を含む。このDNA中の少なくともヒト第IX因子DNA
プローブ配列は単鎖又は二本鎖のいずれでもよく、この
ような配列は通常、少なくとも15個のヌクレオチド好ま
しくは少なくとも19〜30個のヌクレオチドから成る長さ
を有するであろう。この程度の長さであれば、配列の固
有の特性が維持されると考えてよい。配列は、必ずしも
5kbより大きくはなく、10kbより長いことはめったにな
い。
【0029】従って、本発明はラベルの有無又はイント
ロンもしくはエクソンもしくは双方の一部の有無に関わ
りなくヒト第IX因子DNA配列の一部を含むDNA分子
を含む。本発明は更に、全てのヒト第IX因子mRNAの
一部に対応するヒトcDNAを含む。本発明は特に、本
発明によるいずれかのDNAの溶液を含む。溶液は、ゲ
ルからの電気溶出によって通常得られる形態である。
本発明は勿論、本発明の組換えDNAのいずれかによっ
て形質転換された宿主を含む。宿主は、使用されるクロ
ーニングベヒクルの性質に従って選択される細菌、例え
ば大腸菌(E.coli)の適当な菌株であり得る。有用な
宿主としては、PseudomonasBacillus subtilis
acillus stearothermophilus,他のBacilli,酵母及び
他の菌類の菌株、並びに(ヒトを含む)哺乳動物細胞が
ある。
【0030】本発明の組換えDNAで形質転換された宿
主を調製するために本発明と関連して行なわれる1つの
プロセスは以下のステップに基く。
【0031】(1) ウシ第IX因子の70〜75又は 348〜352
のアミノ酸をコードするウシ第IX因子メッセンジャー
RNAにあるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列
を有するオリゴデオキシヌクレオチドを合成し、オリゴ
デオキシヌクレオチドをラベルしてプローブを形成す
る; (2) ウシmRNAの混合物と相補的なDNAを調製す
る; (3) 相補的DNAをクローニングベクターに挿入して
組換ウシcDNAの混合物を形成する; (4) 前記組換ウシcDNAの混合物で宿主を形質転換
してクローンライブラリーを形成し、前記クローンを増
殖する; (5) ステップ1で得られた合成オリゴデオキシヌクレ
オチドプローブでクローンをプローブし、得られた組換
えウシ第IX因子cDNA含有クローンを単離する; (6) 前記クローンの組換えウシ第IX因子cDNAを1
種類以上の酵素で消化して、ウシ第IX因子DNAのより
短いが好ましくは少なくとも50bpの長さを有する配列を
含むウシ第IX因子cDNA分子を生成する;及び (1) 形質転換宿主中の組換えヒトゲノムDNAのライ
ブラリーーを、より短い配列のウシ第IX因子cDNA分
子でプローブしてヒトゲノムDNAを前記組換えウシ第
IX因子DNAにハイブリダイズし、得られた組換えDN
A−形質転換宿主を単離する。
【0032】好ましい具体例の説明 本発明の組換えDNAは、クローン化ヒトゲノムDNA
のライブラリーからプローブを用いて抽出され得る。こ
れは公知の組換えライブラリーであり、本発明は勿論、
このようなライブラリーに存在するヒトゲノム第IX因子
DNAを包含しない。使用プローブはウシ第IX因子cD
NA(ウシmRNAに相補的なDNA)であり、この調
製には、まずウシmRNA出発材料から組換えウシcD
NAを調製し、次にオリゴヌクレオチドを化学合成し、
次にこれらを使用して組換えウシcDNAをプローブし
てウシ第IX因子cDNAを抽出し、次に組換えウシ第IX
因子cDNAからより短い長さの適当なプローブを調製
するという精巧なプロセスを使用した。最初のテストプ
ローブは、不要な配列を含むと考えられたが、第2のテ
ストプローブは不要な配列を含まず、ヒトゲノム第IX因
子DNAの単一クローンを首尾良く単離させ得ることが
証明された。このクローンをラムダHIX-1と命名する。
個々のステップについては、後述の“実施例”の項に於
いてより詳細に説明する。第2のプローブは図5に示す
ウシ第IX因子cDNAの247bp のDNA配列を含む。従
って、本発明は特に、クローニングベヒクル配列とクロ
ーニングベヒクルにとって外来のDNA配列とを含む組
換えDNAを提供し、この組換えDNAは図5に示すウ
シ第IX因子cDNAの247bp 配列(各末端が矢印で示さ
れている)にハイブリダイズする。
【0033】本発明で使用されるクローニングベヒクル
又はベクターは遺伝子工学技術で公知のいかなるもので
もよい(但し、宿主と適合するものが選択される)。こ
れらの例としてE.coliプラスミド、例えば pBR322,
pAT153 及びその改変形と、宿主範囲のより広いプラ
スミド、例えば別の細菌宿主に特異的なRP4プラスミ
ドと、ファージ特にラムダファージと、コスミドとがあ
る。コスミドクローニングベヒクルは、プラスミドに挿
入されたcos(接着端部位)を含むファージDNAの
断片を含む。得られる組換5DNAは環状であり、付加
的外来DNAの極めて大きい断片を収容する能力を有す
る。
【0034】ヒト第IX因子ゲノムDNAの断片は、クロ
ーン化DNAを種々の制限酵素で消化することによって
調製され得る。所望の場合、断片をクローニングベヒク
ルに再結合して別の組換5DNAを調製し、これにより
“サブクローン”を得ることができる。この具体例に関
して新規なクローニングベヒクルが調製された。これ
は、一端にBamHI制限部位、他端にHind III 制限部
位及び中間にPvuII制限部位を備えたDNA配列を有す
る2つの接着端をもつ1対の相補的オリゴヌクレオチド
に、BamHIと Hind III とで二重消化したpAT15
3 を結合することによって調製された改変pAT153 で
ある。
【0035】本文中では特にヒトゲノム第IX因子DNA
に関して本発明を説明しているが、本発明は実質的に同
じ配列を含むヒト第IX因子cDNA(ヒト第IX因子mR
NAに相補的)を含む。ヒトcDNAのライブラリーが
調製され、ヒト第IX因子ゲノムDNAでプローブされて
ライブラリーからヒト第IX因子cDNAが単離された。
このためにプローブDNAは比較的短いことが有利であ
り、少なくとも1つのエクソン配列を含むことが必要で
ある。従って、本発明はクローニングベクター配列とヒ
ト第IX因子mRNAに相補的なcDNAに含まれたヌク
レオチドの配列とを含む組換ちえDNAで形質転換され
た宿主の調製プロセスを含んでおり、該プロセスは、ヒ
ト第IX因子ゲノムのエクソン領域の一部又は全部に相補
的な配列を含むラベルDNAを含むプローブを用いてヒ
トmRNAに相補的な組換えDNAを含むクローンのラ
イブラリーをプローブする操作を含む。
【0036】
【実施例】
A.使用細菌 E.coli K-12 株MC1061(Casadaban & Cohe
n, J.Mol. Biol.,138, 179-207, 1980),E.col
i K−12株HB101 (Boyer & Roulland-Dussoi
x, J.Mol. Biol.41, 459-472, 1962)及び遺伝子
工学での使用が公知な菌株たるE.coli K−12株K80
3 。
【0037】B.ウシ第IX因子、抗−ウシ第IX因子抗体
及びウシmRNAのソースと精製 高度に精製されたウシ第IX因子とウサギ抗−ウシ第IX因
子抗血清とはDr.M.P.Esnouf から贈与された。変
性ポリアクリルアミドゲルで精製ウシ第IX因子を分析す
ると、99%より高い純度であることが判明した。Choo
et al., Biochem.,J. 199, 527-535,1981に記載の
如く、純粋ウシ第IX因子を結合しておいたSepharose-4
Bカラムに粗抗血清を通すことによって、免疫沈澱テス
ト用の特異的抗−第IX因子免疫グロブリンを精製した。
【0038】ウシ mRNAは仔ウシ肝から採取し塩酸グ
アニジン法で単離した(Chirgwinet al., Biochem.,1
8, 5294-5299, 1979)。mRNA調製物をオリゴdT
−セルロースカラム(Caton及びRobertson, Nucl.A
cids Res., 7, 1445-1456, 1979)に通し、ポリ
(A)+mRNAを単離した。Pelham 及びJackson
(Eur. J.Biochem.,67, 247-256, 1976)に記載の
如く、ポリ(A)+mRNAを35S−システインの存在
下ウサギ網状赤血球細胞不含系で翻訳した。翻訳反応終
了後、特異的抗−第IX因子免疫グロブリンを添加して第
IX因子ポリペプチドを沈澱させた。Choo et al., Bio
chem.,J. 181,285-294,1979に記載の如き免疫沈澱手
順を用いた。免疫沈澱材料を完全に洗い、二次元SDS
−ポリアクリルアミドゲルを用い(Choo et al.,Bio
chem.,J. 181, 285-294, 1979)、1つの次元の等電
点電気泳動と別の次元の電気泳動とによって分離した。
基準点として機能させるために既知分子量のいくつかの
ポリペプチドをこの手順で処理した。免疫沈澱材料は4
つの顕著なスポットを示した。これらは全て分子量50,0
00のの領域に存在し、別々に離れた等電点を有してい
た。分子量約50,000のこれら目立ったスポットは、可能
なプレペプチドシグナル配列を付加したポリペプチド単
鎖を示しており、公表データに基く推定と一致する(K
atayama et al., Proc.Natl.Acad.Sci. USA,7
6, 4990-4994, 1979)。
【0039】ラベルされていない純粋ウシ第IX因子の存
在下で免疫沈澱しない同じ材料についてゲル分析を繰返
すと、4つのスポットが弱い強度で出現した。このこと
は、翻訳産物が純粋な第IX因子によって特異的に競合す
る(compete )ことを示す。3番目には、コントロール
(対照)ウサギ抗血清、即ち第IX因子で免疫を与えない
ウサギから得た抗血清を用いて免疫沈澱を実施した。4
つのスポットは全く出現しなかった。従って、これらの
結果は、翻訳産物が第IX因子ポリペプチドであったこと
を示す。
【0040】前記の如き特異的な免疫学的/無細胞翻訳
アッセイを使用してショ糖勾配遠心分離によって第IX因
子mRNAの増加をモニターした。ショ糖勾配遠心分離
による連続的な 2回の分離によって全ポリ(A)+mR
NAを分離した。勾配から得た個々の画分を上記方法で
検定すると、サイズ20〜22 Svedberg ユニット(約2.
5kbのRNA)領域の画分でウシ第IX因子mRNAが
(約10倍に)増加していることが判明した。この濃厚画
分を次のクローニングテストに使用した。
【0041】C.特異的ウシ第IX因子デオキシオリゴヌ
クレオチド混合物の合成 ウシ第IX因子のアミノ酸配列に関する知識(Katayama
et al.,Proc.Natl.Acad.Sci. USA,76, 4990-
4994,1979)に基いて、オリゴヌクレオチドプローブの
2種の混合物の合成を設計した。これらのプローブは、
タンパクの2つの異なる領域をコードするDNA配列か
ら構成されていた。選択領域としては、類似のセリンタ
ンパク分解酵素とプロトロンビンとC因子と第VII 因子
と第X因子とに於いて異なる配列を有することがわかっ
ている領域が選択された。これらの領域は70-75 のアミ
ノ酸及び348-352 のアミノ酸にそれぞれ対応していた。
70-75 アミノ酸の領域が特に有利であった。何故なら合
成オリゴヌクレオチドの混合物、即ちオリゴN2Aとオ
リゴN2Bとの混合物が70-75 アミノ酸に対応するmR
NAの17個のヌクレオチドの領域に生じ得る16個の可能
な配列の全てを含んでいたからである。オリゴN2A−
N2B混合物を以後“オリゴN2”と略称する。
【0042】図1は、ウシ第IX因子の既知のアミノ酸配
列の2つの選択領域と、対応するmRNAと、合成オリ
ゴヌクレオチドとを示す。アミノ酸のいくつかは1つ以
上のヌクレオチドトリプレットでコードされているの
で、図示の70-75 アミノ酸のmRNA配列中には4つの
未確定部分が存在しており、従って、16個の異なる配列
が考えられる。
【0043】ヌクレオチド混合物オリゴN1及びオリゴ
N2の合成には、Duckworth et al.,Nucl.Acids R
es., 9, 1691-1706,1981の固相ホスホトリエステル法
を2つのやり方で修正したものを用いた。第1には、ホ
スホトリエステル基を形成するためにp−クロロフェニ
ル遮断基でなくo−クロロフェニル遮断基を使用し、モ
ノヌクレオチドとジヌクレオチドとの“構築ブロック”
に組込んだ。図2及び図3は(a)ジヌクレオチド及び
(b)モノヌクレオチドの“構築ブロック”を示す。D
MTは4,4−ジメトキシトリチルであり、Bは選択ヌ
クレオチド次第で6−N−ベンゾイル−アデニン−9−
イル,4−N−ベンゾイルシトシン−1−イル,2−N
−イソブチリルグアニン−9−イル又はチミン−1−イ
ルである。第2には、モノ−又はジヌクレオチド“構築
ブロック”を順次付加するための“反応セル”を小型化
し、縮合剤1−(メシチレン−2−スルホニル)−3−
ニトロ−1,2,4−トリアゾール(MSNT)との縮
合ステップを、 3.5μモルのポリジメチルアクリルアミ
ド樹脂と17.5μモルの導入ジヌクレオチド(又は35μ
モルのモノヌクレオチド)と 210μモルのMSNT
とを含む容量 0.5mlのピリジン中で行なった。
【0044】図4は、オリゴヌクレオチド合成用のマイ
クロ反応セル1とストッパー2との実寸を70%に縮小し
た立面図である。デバイスはストッパー2の入口端にガ
ラス−PTFE管状ジョイント3を有する。ストッパー
は内管4を有しており、管4の下端はスリガラス性のテ
ーパ状中空オス部材5に挿通され、焼結ガラスから成る
ストッパーの出口6に挿入されている。セル1はストッ
パーの部材5と相補的なスリガラス性メス部材7を有し
ており、部材7は反応チャンバ8に続く。チャンバ8の
下端は焼結ガラスから成る出口9で終結している。これ
は、ガラス管10と 1.2mmの“インターフロー”タップ11
とに連通している。タップ11の前方で別のガラス管10が
出口のガラス−PTFE管状ジョイント12に続いてい
る。ストッパーとセルとに備えられた耳状突起対の組合
せによって、ストッパーとセルとが(図示しない)バネ
によって液密的に接合され得る。
【0045】合成と脱保護とが終了すると、高圧液体ク
ロマトグラフィー(Duckworth etal.,上記)によって
分画を行ない、正しい鎖長の産物に対応するピーク管を
検出した。このために、[γ−32P]−ATPとT4 ポ
リヌクレオチドキナーゼとを用いて画分の5'−ヒドロキ
シル端をラベルし、次に20%の7M尿素ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動にかけた。上記方法で17個及び14個の
ヌクレオチド鎖の“マーカー”オリゴヌクレオチドを別
々にラベルし、これらを同じくゲル電気泳動で処理して
17−及び14−オリゴヌクレオチドのゲルの位置を測定し
た。
【0046】D.ウシ mRNAに対するcDNA配列の
ライブラリーの調製 クローン化 cDNAライブラリーを作成するために2つ
の異なる方法を使用した。
【0047】(i)MboIライブラリー 第一鎖cDNAの合成にはショ糖勾配で濃縮したポリ
(A)+ウシmRNAを鋳型として用いた。条件として
Huddleston & Brownlee,Nucl.Acids Res.,10
1029-1030, 1981に記載の条件を使用したが、但し、2
μg のオリゴN1と20〜30μg のmRNAと10μCiの
[α−32P]−dATP(Amersham, 3,000Ci/m mo
l )と50Uの逆転写酵素とを反応容量50μl で使用し
た。図1の“dNTP”は合成に必要な4種のデオキシ
ヌクレオチドトリホスフェートの混合物を意味する。オ
リゴN1はmRNAの対応する領域にハイブリダイズし
(図1参照)、これにより転写開始用プライマーとして
作用する。これを用いて第IX因子mRNAを更に濃縮し
た。cDNA合成反応が終ると、cDNAをフェノール
で抽出し、Sephadex-G100 カラムで塩除去してからア
ルカリ( 0.1M NaOH,1mM EDTA)を用いて
60℃で30分間処理してmRNA鎖を除去した。次に第二
鎖DNAの合成は、公知の方法通りに行なった (Hud
dleston & Brownlee,Nucl.Acids Res.,10,1029
-1038,1981)。
【0048】次に、二本鎖DNAを制限酵素MboIで開
裂し、プラスミドベクターpBR322 に結合した。ベク
ター pBR322 は予めBamHIで切断し、ベクターの自
己再結合をできるだけ抑制するために仔ウシ腸アルカリ
性ホスファターゼで処理しておいた。ホスファターゼ処
理では、5μg のBamHI切断pBR322 プラスミドを
0.5μg の仔ウシ腸ホスファターゼ(Boehringer,10m
Mトリス−HClバッファ中, pH 8.0)と共に反応容
量50μl で37℃で10分間インキュベートした(Huddles
ton &Brownlee 参照,前出)。
【0049】結合したDNAを用いてE.coli株 MC
1061を形質転換した。形質転換のためには、E.coli
MC1061を、 600nmでの吸光度 0.2で示されるような早
期指数期まで増殖させ、“受容能(competent )”を与
えた。受容能を与えるには、ペレット化した細菌細胞を
初期増殖培地の1/2容量の100mM Ca Cl,15容量
/容量%グリセロール及び 10mM PIPES−NaO
H, pH 6.6,0℃で処理し、再度ペレット化し次に1
/50容量の同じ液で処理した。−70℃までのドライアイ
ス/エタノール浴で細胞を直ちに凍結した。
【0050】形質転換を行なうために、 200μl の部分
サンプルを10μl の組換えDNAと混合し、0℃で10分
間次いで37℃で5分間インキュベートした。次に、 200
μlのL−ブロス(バクトトリプトン10g,酵母抽出物
5g,塩化ナトリウム10g,1lまで脱イオン水補充)
を添加し、37℃で更に30分間インキュベートした。次に
溶液を適当な抗生物質寒天にプレートした(下記参
照)。このようにして、約7,000個のアンピシリン耐性
コロニーのライブラリーを得た。これらのコロニーは、
pBR322 のβ−ラクタマーゼ遺伝子を含むのでアンピ
シリン耐性であった。これらの約85%がテトラサイクリ
ン感受性であった。
【0051】(ii)dC/dGテイルを付けたライブラ
リー このライブラリーの調製では、第一鎖cDNAは前記ラ
イブラリーの場合と同様に合成されたが、cDNA合成
を開始させるプライマーとしてオリゴdT12-18 を使用
した。次にターミナルトランスフェラーゼを用いて cD
NAにdCTPテイルを付け、オリゴdG12-18 プライ
マーと逆転写酵素とを用いてバックコピー(逆転写)
し、Land et al., Nucl.Acids Res., 9, 2251-22
66,1981の方法をそのまま用いて二本鎖DNAを得た。
更にdCTPテイルをつないだ後、この材料をdGTP
テイルを付けた pBR322 プラスミドのPstI部位にハ
イブリダイズしてアニールした。このハイブリッドDN
AをE.coli株 MC1061の形質転換に使用した。約1
0,000個のテトラサイクリン耐性コロニーライブラリー
を得た。これらの約80%は、アンピシリン耐性遺伝子の
PstI部位にDNAが挿入されているためアンピシリン
感受性であった。
【0052】E.特異的ウシ第IX因子クローンの単離 (i)MboIライブラリーからの単離 コロニーライブラリーを無秩序に 13 Whatman 541フィ
ルターペーパーに移し、クロラムフェニコールと共に増
幅してコロニー中のプラスミドのコピー数をGergen et
al., Nucl.Acids Res., 1, 2115-2136(1979)に
記載の如く増加させた。Wallace et al.,Nucl.Acids
Res., 9, 879-894(1981)に記載の如く、6×NE
T(1×NET=0.15m NaCl,1mM EDTA,
15mMトリス−HCl, pH 7.5),5×Denhardt's,
0.5% NP40非イオン性界面活性剤及び1μg /mlの
酵母RNA中でフィルターを65℃で 4時間プレハイブリ
ダイズした。
【0053】3×105 cpm( 0.7ng/ml)のラベルオリ
ゴN2プローブを含有する同じ溶液中でハイブリダイゼ
ーションを47℃で20時間続けた。ラベル付けとしては
[γ−32P]−ATPとT4ホスホキナーゼ(Huddles
ton & Brownlee,Nucl.Acids Res.,10, 1029-10
38, 1981)とを用いてオリゴヌクレオチドを5'ヒドロキ
シル末端でリン酸化した。
【0054】ハイブリダイゼーションが終ると、フィル
ターを0〜4℃(2時間),25℃(10分),37℃(10
分)及び47℃(10分)の順序で洗った。このスクリーニ
ング後のフィルターをラジオオートグラフィーにかける
と、1つのコロニーがバックグラウンドより高いプラス
の信号を示した。このコロニーをBIX-1クローンと命名
した。
【0055】(ii)dC/dGテイルの付いたライブラ
リーからの単離 前記の如きオリゴN2プローブを使用しこのライブラリ
ーを順序正しくスクリーニングすると1つのプラスのク
ローンが同定された。これをBIX-2クローンと命名し
た。
【0056】F.ウシ第IX因子cDNAクローンの配列
特性決定 制限エンドヌクレアーゼ開裂によるBIX-1クローンの特
性決定によれば、このクローンは約430bp のDNAイン
サートを含有していた(簡略化のためデータは省略す
る)。図5に、Maxam−Gilbert法によって決定された
コード鎖のヌクレオチド配列の一部を示す。この鎖は 3
04個のヌクレオチドを含んでおり、ウシ第IX因子配列と
の一致の直接的証拠となる。従って、(アミノ酸残基52
-139に対応する) 304−ヌクレオチド配列のほぼ全部
が、既知のウシ第IX因子アミノ酸配列データ(Katayam
a et al., Proc.Natl.Acad.Sci.,76, 4990-4994,
1979)から予想されたヌクレオチド配列と一致する。こ
の領域では、コードされるアミノ酸がThrでなくAspで
あるヌクレオチド38-40 以外にはBIX-1と第IX因子の公
表データとの間の不一致は存在しない。このアミノ酸変
化は第2の独立cDNAクローンに於いても観察された
(BIX-2,下記参照)。 304−ヌクレオチド配列の残
部,即ち図5のかっこ内の部分は、Katayama の公表ウ
シ第IX因子アミノ酸データと一致しない。
【0057】図5では下線部分はオリゴN2プローブ配
列に対応する配列を示しており、*印はナンセンスコド
ンを示しており、かっこ内部分はKatayama のアミノ酸
データに一致しない配列を示しており、矢印はHinf I
制限部位を示している。Katayama のアミノ酸番号系が
使用されており、この配列はプラスミドのテトラサイク
リン耐性遺伝子の転写方向と対向方向に方向付けされて
いる。
【0058】同様の方法でBIX-2クローンは 102個のヌ
クレオチドのDNAインサートを有することが知見され
た。このインサートは図5のヌクレオチド7-108 に亘
る。この領域では、BIX-1及びBIX-2の2つのクローン
のヌクレオチド配列は等しかった。
【0059】G.ヒト第IX因子遺伝子の単離 (i)出発クローン−λHIX-1 Lawn et al., Cell,15, 1157-1174, 1978によって調
製されたクローンヒトゲノムDNAのライブラリ即ち
aeIII /AluIラムダファージCharon 4 Aライブラリ
ーを使用した。T.Maniatis et al., Cell,15, 68
7, 1978に記載のin situプラークハイブリダイゼーショ
ン手順を用いてこのライブラリーから106 個のファージ
組換体をスクリーニングした。プレハイブリダイゼーシ
ョンとハイブリダイゼーションとを50%ホルムアミド中
42℃で行なった。ハイブリダイゼーション後、フィルタ
ーを2×SSC(1×SSC= 0.15mM Na Cl, 1
5mMクエン酸ナトリウム, pH 7.2)と 0.1% SDS
とを用いて室温で洗い、次に1×SSCと 0.1% SD
Sとを用いて65℃で洗った。
【0060】BIX-1中でクローニングされた第IX因子 c
DNAから得た制限断片たる2つのDNA分子をラジオ
ラベルし、ハイブリダイゼーションのプローブとして使
用した。第1の断片は、図5の番号系のヌクレオチド−
8-317 に対応しており、BIX-1プラスミドDNAのSau
3AI消化によって単離された。ニックトランスレーシ
ョン(Rigby et al.,J.Mol. Biol., 113,237-25
1, 1977,修正,vide infra)を用いて[α−32P]−d
ATPを組込むことによって単離DNAを高特異的活性
にラベルした。このプローブを使用して10個のクローン
を単離した。これらをプラーク精製し、BIX-1クローン
から得た 247−ヌクレオチド断片とリハイブリダイズし
た。ヌクレオチド3-249 から誘導されたこの断片が図5
に示されている。この断片は、Katayama のウシ第IX因
子アミノ酸配列と一致する配列のみを含んでおり、BIX
-1プラスミドDNAのHinf I消化によって単離され
た。この 247−ヌクレオチドプローブによって唯一つの
クローンがプラスのハイブリダイゼーション信号を示し
た。このクローンを更にプラーク精製し、得られたクロ
ーンを“λHIX-1”と命名した。
【0061】(ii)以後のゲノムクローン ヒト肝mRNAから得た組換ヒト第IX因子cDNAのサ
ブクローンpATIX cVII を以下の項Lに記載の如く調
製し、Hind III 及びBamHIで消化して直線化した。
得られた 2kbのcDNA分子を1%のアガロースゲル電
気泳動で精製した。電気溶出後、このcDNA約100ng
を[α−32P]dATP(前出)でニックトランスレー
トし、これをハイブリダイゼーションプローブとして使
用し、標準的ストリンジェントハイブリダイゼーション
条件を用いて別のゲノムクローン用のHaeIII / Alu
IラムダファージCharon 4AヒトゲノムDNAライブ
ラリーをスクリーニングした。このようにして得られた
2つの更に別のヒト第IX因子ゲノムクローンをλHIX-2
及びλHIX-3と命名した。
【0062】H.ヒト第IX因子ゲノムクローンの特性決
(i)制限マップ 出発λHIX-1クローンの特性決定のために、種々の制限
エンドヌクレアーゼを用いる種々の単一消化及び二重消
化による開裂と、ウシ第IX因子cDNAプローブを用い
るSouthern ブロッティングとを実施した(簡単のため
に結果は省略する)。その後に単離されたλHIX-2及び
3クローンの特性決定にも同様のプロセスを用いたが、
但し、Southern ブロットのためにヒトcDNAプロー
ブpATIX cVII (以下の項L参照)を使用した。これ
らの結果より、λHIX-2及び3に対応する第IX因子ゲノ
ム中の配列が図6の(e)に示すλHIX-1とオーバーラ
ップすることが明らかになった。図6の(d)は、制限
酵素EcoRI(E),Hind III (H),BglII
(B),BamHI(Ba)及びPvuII(P)とを用いた
解析の結果が要約されており、これが制限酵素マップの
役割を果す。
【0063】(ii)配列決定 以下の項J(ii)に記載の制限酵素マップの知見に基い
て多数のサブクローンを単離した。これらの大部分はベ
クターpAT153 /PvuII/8に存在していた。これら
のサブクローンの例が図6の(c)に示されており、適
当な長さの多数のサブクローンをMaxam−Gilbert法
(Maxam & Gilbert, Proc.Natl.Acad.Sci.,U
SA,74,56-564, 1980)による配列解析に使用した。
【0064】まず、サブクローンpHIX-17 から得た
1.4kbのEcoRI制限断片の部分を配列解析した。以下
の項J(i)参照。 403−ヌクレオチド(塩基対)鎖を
配列解析すると、 129−ヌクレオチド鎖がエクソン領域
中に存在することが確認された。この 129−ヌクレオチ
ド鎖を上記の第IX因子DNAの決定に使用した。
【0065】続いて、遺伝子の中央部の 11873塩基領域
を配列決定した(図6の(b)参照)。図7はDNAの
一本鎖の配列を示す。ヌクレオチドは5′→3′方向で
任意に1から 11873まで番号付けされている。元来の 4
03−ヌクレオチド配列は図7のヌクレオチド4372から47
74であり、O−O′で示されている。 403−ヌクレオチ
ドの内部に存在する 129−ヌクレオチド配列は図7のヌ
クレオチド4442から4570でありJ−J′で示される。こ
れは正確に“w”エクソンに対応する。
【0066】詳細には、ヌクレオチド配列1-7830は2つ
の短いエクソン(それぞれヌクレオチド 4442-4570及び
7140-7342)を含んでおり、これらは図6( a)及び図
9でw及びx,図7でJ−′J及びJ′−J″で示され
ている。これらは、ヒト第IX因子cDNAクローン(図
9)から予想されたアミノ酸配列のアミノ酸85-127及び
128-195をそれぞれコードしている。これらの2つのエ
クソン領域に於いてゲノムクローン及び本発明のcDN
Aクローンから予想されたアミノ酸配列に違いはない。
残基7831-11873間の遺伝子の配列は完全ではなく、いく
つかのギャップを含むが、2つの“AluI反復”配列た
るヌクレオチド 7960-8155及び 9671-9938を含むので遺
伝子の特性決定に役立つ。AluI配列は多くの遺伝子中
に見られる。反復は正確ではないが、これらの配列の間
には典型的な程度の相同性が見られる。この別の特性決
定は制限酵素マップの正確度に関する有用なクロスチェ
ックとなり得る。このことは、図8の制限酵素チャート
図よりいっそう明らかである。
【0067】図8は図7の 11873−ヌクレオチド鎖の配
列の配列データのコンピュータ解析で得られたチャート
図である。図8の第1番目の縦列は図7のヌクレオチド
に付された任意のヌクレオチド番号である。第2列は全
配列を1としたきの割合で示されるヌクレオチド番号で
ある。第3列は第4列に示す種々の短いヌクレオチド配
列内でDNAを切断する制限酵素を示す。第4列の短い
配列は第1列の番号のヌクレオチドで始まる。このチャ
ート図を用いて、図6の(d)に示す制限部位の位置と
図6の(c)に示す配列のいくつかとを極めて正確に決
定し得る。例えば配列II−IVは以下の部位での制限によ
って生じる(各部位の5'端の最初のヌクレオチド番号で
示す。
【0068】 II : 3624− 4769、 III : 6380− 7378、 IV : 10589− 11868。
【0069】特に重要な部位を図8に矢印で示す。対応
するヌクレオチド番号のいくつかを図6の(c)に示
す。与えられた番号は各部位の5端のヌクレオチドの番
号である。
【0070】図6の(c)に示すサブクローンV,VI,
VII 及びVIIIの配列解析を更に進めると、第IX因子遺伝
子が少なくとも6つのイントロンで隔てられた少なくと
も7つのエクソン領域に分割されていることが判明す
る。図6の(a)でエクソンの位置は、t, u,v,w,
x,y及びzの符号を付けた実線ブロックで示されてい
る。“z”エクソンは格段に長い最長のエクソンであ
り、その3'端はmRNAの3'端と一致している。cDN
A配列に対するこれらのエクソンの相対位置に関しては
以下(項L)で検討するが、図6の(a)に示す“t”
エクソンが遺伝子の5'端のマーカーでないことは明らか
である。何故ならその配列が cDNAクローン(後述)
の末端に相当する5'端の配列と整合しないからである。
このことは、第IX因子遺伝子が5'端では図6の27kb領域
より長く少なくとも1つの別のエクソンを含むことを意
味する。
【0071】更に、 pHIX-17 DNAをEcoRIで消化
した。消化した材料を 0.8%のアガロースゲルで分離
し、電気溶出によって 1.4kbの断片を溶液中に単離し
た。これは常法で保存し得る。この 1.4kbの分子を最初
の配列決定に使用した。約 1.0kbのみが挿入DNAであ
り、残りの 0.4kbは pBR322 に属する。挿入DNAの
403−ヌクレオチドの鎖を配列決定し、図7にO−O′
として示す。また、同じ 1.4kbの断片をラベルして項M
でのプローブとして用いた。
【0072】I.ベクターpAT153 /PvuII/8の構
第IX因子ゲノムクローンのPvuII断片のサブクローニン
グを行なうため及び得られたサブクローンの特性決定を
容易にするために、プラスミドpAT153 の誘導体を調
製した(Twig &Sherratt,Nature, 283, 216-218,
1980)。部分的に相補的な2つの合成デオキシオリゴヌ
クレオチド,オリゴN3及びオリゴN4を、項Cに前出
の固相ホスホトリエステル法で合成した。各々が、“垂
れ下り(overhanging )”BamHI及び
ind III 認識配列と内部PvuII認識配列とを有する。図
10はオリゴN3とオリゴN4との構造を示す。BamHI
Hind III とはdsDNAを開裂し、付着性又は“垂れ
下り”末端を生じる。例えばHind IIIは、各鎖のアデ
ニン担持ヌクレオチド間で −AAGCTT、 −TTCGAA を開裂し、オリゴN3/N4組合せ中に存在する接着端
相補鎖 −A −TTCGA を生じる。
【0073】pAT153 をHind III とBamHIとで消
化し、 0.7%アガロースゲル電気泳動とUV光下の臭化
エチジウム螢光によって可視化された適当なバンドの電
気溶出とを順次行なって、3393−ヌクレオチド鎖の直線
状断片をより短い 346−ヌクレオチド鎖の断片から分離
した。項D(i)に記載の如く仔ウシ腸ホスファターゼ
により処理し、BamHI−Hind III3393 −鎖の断片を
オリゴN3とオリゴN4との当モル混合物に結合した。
この混合物はT4ポリヌクレオチドキナーゼとATPと
によって予処理されて各々の5'末端OH基がリン酸化さ
れていた。MC1061のコンピテント菌(前出)を形質転
換し、終濃度20μg /mlのアンピシリンを含むL−ブロ
スにプレートしてから、以後の解析用に11個のコロニー
を選択した。1mlのプラスミド調製物(Holmes and Q
uigley, Analytical Biochem.,114,193-197 (198
1))を11個のコロニーから単離した。次にプラスミド
DNAについて、制限酵素BamHI,Hind III 及び
vuIIによって直線化され得る能力を分析した。このアッ
セイで4つのクローンがプラスであり、プラスミドの新
しく構築された部分をMaxam−Gilbert法で配列解析す
るために1つのラベルpAT153 /PvuII/8を選択し
た。配列のこの部分を特有の制限部位に沿って図11に示
す。下線部分がプラスミド配列の新規な部分である。残
りの部分は親プラスミドpAT153 に存在している。ベ
クターを(ホスファターゼで処理後)挿入PvuII部位に
平滑端クローニングせしめる。クローン化DNAは適当
な内部制限部位を持たないと推定されるのでBamHI/
Hind III ,BamHI/ClaI又はBamHI/EcoRI
二重消化によって切除され得る。PvuII部位に隣接の部
位も32Pで末端ラベルしてMaxam−Gilbert配列決定法
によるクローン化DNAの端部の特性決定のために使用
され得る。
【0074】J.ヒト第IX因子遺伝子のサブクローニン
第IX因子遺伝子の配列決定を行なって血友病B患者のゲ
ノムDNAの解析(項M参照)用プローブとして使用す
べきDNA小断片を単離し易くするための第1ステップ
として以下のサブクローニングテストを実施した。
【0075】(i)pBR322 プラスミドへのサブクロ
ーニング λHIX-1クローン内の第IX因子DNAインサート内の約
11kbのBglII断片(図6)をpBR322 のBamHI部位
に挿入した。E.coli株 HB101 の形質転換を行なっ
た。得られた“サブクローン”を pHIX-17 (図12)と
命名した。
【0076】(ii)pAT153 /PvuII/8 へのサブク
ローニング (a)pHIX−17からプラスミドDNAを調製しPvuII
で開裂した。いずれもpHIX-17 のDNAインサートか
ら誘導されたばらばらの5つの断片を単離した。これら
の断片のサイズは、約2.3, 1.3, 1.2, 1.1及び 1.0kbで
あった。これらの断片をpAT153 /PvuII88 ベク
ターのPvuII部位に平滑端結合し、E.coli HB101
を形質転換した。2.3, 1.3, 1.2, 1.1及び 1.0kbの断片
を担う5つの組換えDNAクローンが得られた。これら
をそれぞれpATIXPvu-1, 2, 3,4 及び 5と命名し
た。図6の(c)ではpATIXPvu-2からの第IX因子D
NAがIVと略記され、pATIXPvu-5のものはIII と略
記されている。
【0077】(b)λHIX-1ゲノムクローンからのファ
ージDNAをEcoRIで消化した。いずれもファージへ
のインサートから誘導された異なる3つの断片(約5,
2.3, 0.96kb,図6)を単離し、EcoRI部位でpAT1
53 /PvuII/8に挿入し、E.coli HB101 にクロ
ーニングしてサブクローンを形成した。各断片より得ら
れた3つのクローンをそれぞれpATIXEco- 1,2及
び4と命名し、図6の(d)の制限マップに示す。pA
TIX Eco-1をEcoRIとBglIIとによって更に消化
し、DNAポリメラーゼIのKlenow 断片を用いて制限
部位の“垂れ下り端”にデオキシヌクレオシドトリホス
フェートを充填した。アガロースゲル電気泳動と電気溶
出によって得られた 1.1kbの断片を単離し、T4DNA
リガーゼを用いてpAT153 /PvuIIのPvuII部位に平
滑端結合し、E.coli MC1061を形質転換せしめた。
得られたサブクローンをpATIXBEと命名し、その第
IX因子DNA配列を図6の(c)でIIと略記する。
【0078】(c)λHIX-2からのファージDNAを
ind III とEcoRIとで消化し、特に1.8kb と2.6kb と
の断片を得た。これらの断片を別々に溶出し、上記
(b)の如く充填し、上記の如くpAT153 /PvuII/
8のPvuII部位にクローニングし、E.coli MC1061
を形質転換せしめた。得られたクローンをそれぞれpA
TIXHE-1及びpATIXEco-6と命名し、それぞれの第
IX因子DNA配列を図6の(c)にV及びVIと略記す
る。
【0079】(d)λHIX-3からのファージDNAを
coRI及びHind III で消化し、2.3kb 及び2.7kb の断
片を上記(c)と全く同様にサブクローニングした。得
られたクローンをそれぞれpATIXEH-1及びpATIX
HE-2と命名し、図6の(c)に略号VII 及びVIIIで示
す。
【0080】K.ヒト肝mRNAから得たcDNAクロ
ーンライブラリーの調製 ヒト肝からmRNAを抽出し、“翻訳アッセイ”を使用
しないこと以外は前記の項BのウシmRNAの場合と全
く同様にして20-22 Svedberg ユニットの濃縮したmR
NA画分を調製した。二本鎖DNAを構築するための第
1ステップでは、米国スタンフォード大学のP.Berg
教授の研究室より教示戴いた“Stanford プロトコル”
を使用した。これ自体はWickens, Buell & Schim
ke(J.Biol.Chem., 253, 2483-2495,1978)の修
正方法であり、以下の記載に含まれるいくつかの別の修
正は本出願に係る研究中になされたものである。
【0081】第一鎖cDNAの合成のためには、6μg
のポリ(A)+20-22 SヒトmRNAを5μl の10×バ
ッファ( 0.5Mトリス−塩化物,室温で pH 8.5, 0.4
MKCl,0.08M Mg Cl2 及び4mMジチオトレイ
トール)と20μl の各2.5mMの4種のデオキシヌクレオ
シドトリホスフェートの混合物と 0.5μl のオリゴdT
12-18 と1μl ( 0.5μCi含有)の[α−32P]−d
ATPと2μl の逆転写酵素(14ユニット/μl )と共
に、脱イオン水を加えて容量50μl にしてインキュベー
トした。42℃で1時間インキュベートし、溶液を 1.5分
間沸騰させ、次に氷で急冷した。第二鎖の合成のために
は、上記溶液に20μl の5×第二鎖バッファ( 250mM
のHepes/KOH, pH6.9 ,250mM KCl, 50mM
MgCl2 )と4μl の各2.5mMの4種のデオキシヌ
クレオシドトリホスフェートの混合物と、10μl のE.
coliDNAポリロラーゼI(6ユニット/μl )とを直
接添加し、脱イオン水を加えて溶液量を 100μl にし
た。15℃で5時間インキュベートした後、 400μl のS
1 ヌクレアーゼバッファ(0.03M酢酸ナトリウム,pH
4.4 ,0.25M NaCl,1mM Zn SO4 )と1μ
l のS1 ヌクレアーゼ( 500ユニット/μl )とを加え
てS1 ヌクレアーゼ消化を生起した。37℃で30分間イン
キュベートした後、10μl の 0.5M EDTA( pH
8.0)を加えた。等容のフェノール:クロロホルム
(1:1)混合物と共に振盪し、次に水相をエーテル抽
出し倍容のエタノールを加えてdsDNAを沈澱させるこ
とによって二本鎖DNAを脱タンパク処理した。−20℃
で16時間維持後、dsDNAを遠心分離によって回収し
た。S1 端にDNAポリメラーゼIを“充填する”ため
に、 0.02mM dNTPと6ユニットのDNAポリメラー
ゼIとを加えた25μl の 50mMトリス−塩化物, pH
7.5, 10mM Mg Cl,5mMジチオトレイトールに溶
解したサンプルを更にインキュベートした。室温で10分
間インキュベートした後、5μl のEDTA( 0.1M,
pH 7.4)と3μl の5%ドデシル硫酸ナトリウム(S
DS)とを加えた。
【0082】プロトコルの以下の部分は“Stanford プ
ロトコル”とは異なっている。サンプルを分画するため
に“ミニ”−SephacrylS400 カラムと使い捨て1mlピ
ペットと 0.2M Na Cl,10mMトリス−塩化物, p
H 7.5及び1mM EDTAとを用いた。放射能の“急
上昇”ピークの最初の70%をプールし( 0.4ml),等容
の n−ブタノール:クロロホルム(1:4)と共に振盪
して脱タンパク処理した。担体として1μg の酵母RN
A(BDH)を水相に加え、次に倍容のエタノールを加
えた。−20℃で16時間維持後、遠心分離によって二本鎖
DNAを回収し、T4DNAリガーゼを用いて(上記I
及びJ(ii)参照)、仔ウシ腸ホスファターゼ処理し
vuII切断した pAT153 /PvuII/8中に平滑端結合し
た。トライアルテストによれば、サンプルのバルクを 2
00ngのベクターDNAと共に適当なバッファ(1mM
ATP, 50mMトリス−塩酸塩, pH 7.4, 10mM M
gCl2 及び 12mMジチオトレイトール)中で10μl の
T4DNAリガーゼを使用し、総量 0.2μl でインキュ
ベートすると、その後E.coli MC1061コンピテント
菌を形質転換したときに合計で58,000のアンピシリン耐
性コロニーが得られた。これらのうちの20%までは、ベ
クター自体の再結合により誘導された“バックグラウン
ド”非組換体から誘導されたと推定された。E. coli
を37℃で更に6時間増殖させて 20-22ScDNAライブ
ラリーを増幅した。第IX因子cDNAクローンをスクリ
ーニングするまでは増幅ライブラリーの1mlの部分サン
プルを15%のグリセロールを含むL−ブロス中に−20℃
で保存した。
【0083】L.ヒト第IX因子cDNAクローンの単離
及び配列解析 増幅 20-22SヒトcDNAライブラリーの 6,000個のコ
ロニーを15cmの寒天プレート10個の各々にプレートし、
1晩増殖させてから、Whatman 541フィルターペーパー
にブロットした。上記の項E(i)と同様にして、ハイ
ブラダイゼーション用のフィルターを調製し、固定化コ
ロニーを、pATIXBEサブクローン(項J,前出)か
ら単離し[α−32P]−ニックトランスレーションした
ヒト第IX因子ゲノムDNAの1.1kb 分子にプローブし
た。第IX因子ゲノム cDNAのこの直線状1.1kb 部分
は、pATIXBEを制限酵素BamHI及びHind III で
開裂し次に 1.5%アガロースゲル電気泳動でベクターか
ら1.1kb 部分を分離することによって単離された。電気
溶出後、前記同様のニックトランスレーションを実施
し、材料を3×SSCと10× Denhardts溶液と 0.1%
SDSと50μg /mlの超音波処理変性E.coliDNAと
100μg /mlの超音波処理変性ニシン精子DNAとの中
での65℃,16時間のハイブリダイゼーション反応に使用
した。ハイブリダイゼーション後、フィルターを65℃で
3×SSC, 0.1%SDS(1/2時間ずつ2回),及
び2×SSC, 0.1%SDS(1/2時間ずつ2回)を
用いて順次洗った。ラジオオートグラフィー後、7つの
クローンがプラスで選択されたが、希釈し上記同様のハ
イブリダイゼーションによって再スクリーニングすると
5つだけがプラスであることが判明した。これらの5つ
のクローンの各々からプラスミドDNAを単離し、1%
アガロースゲル電気泳動での電気泳動度から判断した5
つのうちの最長と考えられるクローンを配列解析用に選
択し、pATIX cVII と命名した。部分的配列解析のた
めにpATIX CVII と命名された2番目に長いクローン
も選択した。
【0084】Maxam−Gilbert法で配列決定を行なっ
た。配列の2778−ヌクレオチド鎖の部分を図9に示す。
ヌクレオチド115-2002はクローンpATIX cVII の配列
決定から誘導された(このクローンは5'方向でヌクレオ
チド17まで伸びるので実際にはもっと長い。17と 111と
の間の配列は主として人為的クローニング操作の故に、
配列の残りの部分に対して逆転している)。ヌクレオチ
ド 1-130は図9のヌクレオチド1-1548から伸びるクロー
ンpATIX cVIから誘導された。配列 2002-2778は4つ
の付加的クローン即ち pATIX108.1, pATIX108.2, p
ATIX108.3 及びpATIXDBなる名称のクローンの単
離によって誘導された。最初の3つは上記の項Kと全く
同様の手順を用いるが、二本鎖DNAをサイズに従って
分画するために“Sephacryl”S-400でのクロマトグラ
フィーの代わりにショ糖濃度勾配遠心分離を用いて構築
されたcDNAクローンのミニライブラリー(名称GG
B108 )から誘導された。分子量 1kb-5kbの画分を選択
し約20%のバックグラウンド非組換えクローンを含む1
0,000個の独立クローンの増幅ライブラリーを得た。ク
ローンpATIXDBは別のcDNAライブラリー(名称
DB1)から誘導された。DB1は項Kの記載と同様に
構築されたが、出発材料として全ポリA+ヒト肝mRN
Aを使用し、DNAをサイズに従って分画するためには
ミニライブラリーGGB108 の構築の場合と同じくショ
糖濃度勾配遠心分離を使用した。このライブラリーの複
雑さ(complexity)は95,000であり、50%のバックグラ
ウンド非組換体を含むと推定された。クローン pATIX
108.1 と pATIX108.2 とは30個のハイブリダイゼーシ
ョンプラスのクローンから成るグループから選択され
た。後者のクローンはSau 3AI制限酵素断片から誘導
された32P−ニックトランスレーションしたプローブを
用いたミニライブラリーGGB108 のGrunstein−Hog
nessスクリーニングによって単離された。Sau 3AI制
限酵素断片自体は、クローン pATIX cVII のヌクレオ
チド 1796-2002から誘導された。 pATIX108.1からヌ
クレオチド 2009-2756の配列を決定した(図9)。これ
によれば、 pATIX108.2 の一部、特にヌクレオチド 1
950-2086の配列が pATIX cVII とのオーバーラップを
生じた。残りの28個のハイブリダイゼーションプラスの
クローンをスクリーニングするために、制限酵素Eco
I,BamHI及びHind III による三重消化を行ない、
消化産物から2480位の切断部から3'方向に伸びるEco
I制限断片をスクリーニングした。この方法でクローン
pATIX108.3 を選択し、ヌクレオチド 2642-2778から
配列決定した。このクローンの後に3つのAヌクレオチ
ドが続いており、その後同様の方法でクローン pATIX
DBを単離することによって、先の配列がポリAテイル
の痕跡マーカー(vestigial marke )であることが確認
された。 pATIXDBは2760-2778 から配列決定され42
個のAヌクレオチドで終結しており、従ってmRNAの
3'端をマークする。
【0085】図9は、推定アミノ酸配列が 456個のアミ
ノ酸のタンパクをコードしており、この中には確定鎖長
の第IX因子タンパクのN末端チロシン残基(Y* )に先
行する前駆体アミノ酸配列の41個の残基が含まれている
ことを示す。タンパクの前駆体部分は、塩基性アミノ酸
領域(アミノ酸−1乃至−4)と、より普通の疎水性シ
グナルペプチド領域(アミノ酸−21乃至−36)とを示
す。
【0086】確定第IX因子タンパクは、アミノ酸7,
8,15,17,20,21,26,27,30,33,36及び40に12個
の可能なγ−カルボキシグルタミン酸残基を有する 415
個のアミノ酸から成る。2つの可能なカルボハイドレー
ト付加部位は、アミノ酸残基157 及び167 にある。活性
ペプチドは残基146-180 を包含しており、これらは第IX
因子の活性化の際(発明の背景参照)R−A及びR−V
結合のペプチド開裂によって切除される。これにより、
残基1-145 に亘るL鎖と残基181-415 に亘るH鎖とが残
る。
【0087】エクソン間の境界の正確な位置(項H,前
出)とmRNA中でこれらがいかに結合されるかを図9
に示されている。エクソンはt,u,v,w,x,y,
zで示される。エクソン領域とタンパク領域とがほぼ一
致していることが理解されよう。例えば、シグナルペプ
チドのエクソンはGLA領域のエクソンとは別のもので
ある。また、活性ペプチドのエクソンはセリンタンパク
分解酵素領域から離れている。
【0088】mRNAの3'非コード領域は長く、1390個
の残基から成る(UAAUGA二重停止コドン1389-139
4 を含むが、ポリAテイルを含まない)。
【0089】第IX因子cDNAは制限酵素HaeIII によ
って開裂されて、ヌクレオチド133-1440の断片、即ち確
定第IX因子タンパク配列を完全に含むDNAの1307−ヌ
クレオチド鎖の領域を生じ得る。HaeIII により認識さ
れるヌクレオチド配列はGGCCである。この断片は、
細菌,酵母又は哺乳動物の細胞中で適当なプロモーター
から第IX因子タンパクを発現するための好適な出発材料
になるであろう。別の好適な出発材料は(疎水性シグナ
ルペプチド領域の早期部分に対応する)残基41の唯一つ
StuI部位を使用し、これを適当なプロモーターに結
合して誘導されるであろう。StuIによって認識される
ヌクレオチド配列はAGGCCTである。
【0090】M.健常DNAとクリスマス病患者DNA
とのSouthern 分析 (i)健 常 標準(Southern )ブロット法(Southern,J.Mol.
Biol., 98, 503-517, 1975)を使用した。典型的なテ
ストでは、(未培養血球又は培養リンパ球から調製され
た)10〜20μg のヒトゲノムDNAを多数の制限エンド
ヌクレアーゼの1つで消化し、単一ゲルスロットに充填
した。 0.8%アガロースゲル電気泳動にかけ、ニトロセ
ルロースに移した後、32P−ラベルプローブII又は 1.4
kbEcoRI断片(項H参照)をプローブとしてハイブリ
ダイズした。プローブをラベルするために、Rigby et
al.,前出の方法を以下の如く修正して使用し、ニックト
ランスレーションを実施した。0.05Mのトリス−HC
l, pH 7.5と0.01M MgCl2 と 0.001Mジチオト
レイトールと各々が20μl 容量中での終濃度20μMを示
すdCTP,dGTP及びdTTPとの中で、約 100ng
のプローブと40μCiの[α−32P]dATP(活性約
3,000Ci/mM,Amersham InternationalPLCか
ら入手)とを混合した。これに1μl の“溶液X”を加
えた。“溶液X”は、6ユニットのDNAポリメラーゼ
I(E.coli)と 0.6ngのスイ臓DNase I(Worthin
gton)と1μg の結晶性BSAとを、0.05Mのトリス−
HCl, pH 7.5と0.01M Mg Cl2 と 0.001Mジチ
オトレイトールとを含む50容量/容量%のグリセロール
10μl に混合して調製されたものである。混合物を15℃
で2時間インキュベートし、高分子量DNAをG-100
“Sephadex ”クロマトグラフィーで精製した。図13
は、プローブII(図6)又はラベルされた1.4kb Eco
I断片によってプローブされた健常個体から得たDNA
の主バンドを示す。使用した4つの酵素,EcoRI,
ind III ,BglII及びBclIの各々について約4.8 ,5.
2 ,11及び 1.7kbの単一主バンドが得られた。
【0091】これらの制限断片がクローンλHIX-1の制
限マッブで観察される断片と同じ長さを有していたこと
は、Southern ブロット法の条件が全DNA調製物中の
第IX因子遺伝子を検出し得るべく十分に正確であったこ
とを確証する。これがクリスマス病患者の血液から採取
したDNAの分析の基礎になる。
【0092】(ii)遺伝子欠失を伴うクリスマス病患者 何人かのクリスマス病患者の遺伝子変容アッセイに本発
明プローブが有効であることは、以下のテストで証明さ
れた。テストのために、第IX因子に対する抗体が増えて
いる2人の重症のクリスマス病患者を選択した。50mlの
血液から得たDNAをEcoRI,Hind III ,BglII及
BclIのそれぞれで別々に消化し、32P−ニックトラ
ンスレーションしたプローブII(図6)でプローブする
ためのSouthern ブロットを調製した。コントロール消
化物が図13のパターンを生じるような条件下ではいずれ
の患者にも特異的バンドは全く観察されなかった。ま
た、プローブIIの代りにプローブI,III 又はIV(図
6)を使用したときにも患者の特異的バンドは観察され
なかった。“マイナス”信号が生じるような何らかのミ
スが人為的実験操作中に生じる可能性があり、これをコ
ントロールするために、第IX因子遺伝子プローブ(この
場合 pATIX cVII −cDNAプローブ)をヒトA1ア
ポリポタンパク(Shoulders and Baralle,Nucl.A
cids Res.,10,4873-4882, 1982)に特異的な非対応
常染色体遺伝子プローブと混合した。この実験によれ
ば、患者1がEcoRI消化物中の12kbバンドによって特
徴付けられる正常A1アポリポタンパク遺伝子を有する
ことが証明され、同時に正常第IX因子遺伝子に特有のも
のとして pATIX cVII で観察される 5.5kbバンドが欠
如していることが確認された。結論として、患者はいず
れも第IX因子遺伝子から少なくとも18kbが欠失した配列
を有していた。同じく第IX因子に対する抗体が増えてい
た別の2人の患者、即ち患者3及び4は、本発明の第IX
因子遺伝子のプローブの或るものを用いるとSouthern
ブロットの正常位置又は異常位置にバンドを生じたが、
他のものを用いるとこのようなバンドは生じなかった。
このことは、これらの患者では遺伝子の欠失があまり広
範囲に及んでいないこと、欠失がおそらく約9kbの長さ
であることを示唆する。
【0093】これらの結果より血族中での血友病患者及
び女性異型接合体(保因者)の診断が可能になることが
予想され、このことについては目下検討中である。バン
ドが存在しないか又は異常位置にバンドが存在するかに
関わりなく、患者のDNA中に見られる変容パターンは
“疾病マーカー”の機能を果し、保因者の疑いがあると
きにこのパターンの有無を検査するとよい。胎児細胞の
DNAを羊膜穿刺で入手することができるならば、出産
前診断にも同じテストを使用し得る。“遺伝子診断法”
は胎児第IX因子タンパクレベルのアッセイに基く既存の
出産前診断法をかなり改良し、更に、妊娠のより初期に
検査実施し得るという利点を与える。対立遺伝子マーカ
ーとして第IX因子遺伝子内の天然多形性を用いる遺伝的
方法では、 100%の保因者検出が可能となり、或る程度
の確率で患者を生じる従来のやや不完全な方法を改良す
る。
【0094】寄託機関は、特許請求の範囲に示す如くN
ational Collec-tion of Industrial Bacteria,T
orry Research Sta- tion,PO Box 31, 135 A
bbeyRoad,Aberdeen AB9 8DG Scotland であ
る。また、λHIX-1b ファージの好適宿主たる上記E.
coli K−12株803 は、1982年 7月26日にNCIBに受
託番号 11752で寄託された。全ての寄託は、特許手続の
ための微生物寄託についての国際間承認に関するブダペ
スト条約の規約に基いてなされたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウシ第IX因子ポリペプチドの刊行物に記載され
ているアミノ酸配列の構造と、この配列に翻訳する際に
用いられるmRNAの推定配列と、本発明で合成される
オリゴヌクレオチド(オリゴ−N2及びN2)の構造と
を示す;
【図2】図1及び図11に示すオリゴヌクレオチドの合成
に使用される“構築ブロック”の化学式を示す。
【図3】図1及び図11に示すオリゴヌクレオチドの合成
に使用される“構築ブロック”の化学式を示す。
【図4】オリゴヌクレオチドの合成装置を示す部分断面
立面図である。
【図5】本発明で得られるウシ第IX因子cDNAの一部
の配列を示す。
【図6】約27kbの長さのヒト第IX因子ゲノムDNAの構
成(organisation)を示すマップであり、 5部に分けら
れており、(a)はエクソン領域;(b)は配列決定さ
れた11,873−ヌクレオチド鎖;(c)は種々のエンドヌ
クレアーゼを用いた制限によって得られサブクローニン
グされた後、プローブとして使用されるcDNA分子;
(d)は種々のエンドヌクレアーゼを用いた制限によっ
て得られたDNA分子;(e)はラムダファージベクタ
ー中の3つのクローンから得られたヒト第IX因子ゲノム
DNAの3つの領域をそれぞれ示す。
【図7A】図6(b)のDNAの配列とコードされてい
るタンパクの一部とを示す。
【図7B】図6(b)のDNAの配列とコードされてい
るタンパクの一部とを示す。
【図7C】図6(b)のDNAの配列とコードされてい
るタンパクの一部とを示す。
【図7D】図6(b)のDNAの配列とコードされてい
るタンパクの一部とを示す。
【図7E】図6(b)のDNAの配列とコードされてい
るタンパクの一部とを示す。
【図7F】図6(b)のDNAの配列とコードされてい
るタンパクの一部とを示す。
【図7G】図6(b)のDNAの配列とコードされてい
るタンパクの一部とを示す。
【図7H】図6(b)のDNAの配列とコードされてい
るタンパクの一部とを示す。
【図7I】図6(b)のDNAの配列とコードされてい
るタンパクの一部とを示す。
【図8A】図7Aから7Iの配列の制限酵素チャート図
を示す。
【図8B】図7Aから7Iの配列の制限酵素チャート図
を示す。
【図8C】図7Aから7Iの配列の制限酵素チャート図
を示す。
【図8D】図7Aから7Iの配列の制限酵素チャート図
を示す。
【図8E】図7Aから7Iの配列の制限酵素チャート図
を示す。
【図8F】図7Aから7Iの配列の制限酵素チャート図
を示す。
【図8G】図7Aから7Iの配列の制限酵素チャート図
を示す。
【図8H】図7Aから7Iの配列の制限酵素チャート図
を示す。
【図8I】図7Aから7Iの配列の制限酵素チャート図
を示す。
【図8J】図7Aから7Iの配列の制限酵素チャート図
を示す。
【図8K】図7Aから7Iの配列の制限酵素チャート図
を示す。
【図8L】図7Aから7Iの配列の制限酵素チャート図
を示す。
【図8M】図7Aから7Iの配列の制限酵素チャート図
を示す。
【図8N】図7Aから7Iの配列の制限酵素チャート図
を示す。
【図9A】ヒト第IX因子 cDNAとそれがコードしてい
るタンパクとの配列の一部を示す。
【図9B】ヒト第IX因子 cDNAとそれがコードしてい
るタンパクとの配列の一部を示す。
【図9C】ヒト第IX因子 cDNAとそれがコードしてい
るタンパクとの配列の一部を示す。
【図10】本発明で合成される1対の相補的オリゴヌク
レオチド(オリゴN3及びN4)の構造を示す。
【図11】pAT153 に対して相違を示す領域で本発明
ベクターpAT153 /PvuII/8のDNA配列の一部を
示す。
【図12】プローブ作製と初期配列決定とに使用される
1.4kb断片のオリジンを示す本発明のプラスミド pH第
IX17のダイヤグラムを示す。
【図13】制限酵素EcoRI(E),Hind III
(H),BglII(B)及びBclI(Bc)により切断さ
れた正常ヒトDNAの“Southern ブロット”を本発明
の組換ヒト第IX因子DNAのサブクローンでプローブす
るときの主放射能バンドの位置を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (C12N 9/64 C12R 1:19) (72)発明者 コン・ホン・チヨー アメリカ合衆国、カリフオルニア・94114、 サン・フランシスコ、ロウアー・テラス・ 127

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組換えDNA技術によって製造され、イ
    ンビボでビタミンK−依存性酵素の作用によりヒト第IX
    因子ポリペプチドに変換し得るヒト第IX因子ポリペプチ
    ド前駆体をコードし、かつ下記のアミノ酸配列 Asp Val Thr Cys Asn Ile Lys Asn Gly Arg Cys Glu Gln Phe Cys Lys Asn Ser Ala Asp Asn Lys Val Val Cys Ser Cys Thr Glu Gly Tyr Arg Leu Ala Glu Asn Gln Lys Ser Cys Glu Pro Ala をコードするヌクレオチド配列を含有する人工DNA、
    又はその相補体。
  2. 【請求項2】 ヒト第IX因子ゲノムから転写され得るヒ
    ト第IX因子メッセンジャーRNAに相補的である請求項
    1に記載の人工DNA。
  3. 【請求項3】 クローニングベヒクルDNA配列と、こ
    のクローニングベヒクルとは異種であり、組換えDNA
    技術によって製造され、インビボでビタミンK−依存性
    酵素の作用によりヒト第IX因子ポリペプチドに変換し得
    るヒト第IX因子ポリペプチド前駆体をコードし、かつ下
    記のアミノ酸配列 Asp Val Thr Cys Asn Ile Lys Asn Gly Arg Cys Glu Gln Phe Cys Lys Asn Ser Ala Asp Asn Lys Val Val Cys Ser Cys Thr Glu Gly Tyr Arg Leu Ala Glu Asn Gln Lys Ser Cys Glu Pro Ala をコードするヌクレオチド配列を含有する人工DNAの
    配列とを含む組換えDNA。
  4. 【請求項4】 クローニングベヒクルDNA配列と、こ
    のクローニングベヒクルとは異種であり、組換えDNA
    技術によって製造され、インビボでビタミンK−依存性
    酵素の作用によりヒト第IX因子ポリペプチドに変換し得
    るヒト第IX因子ポリペプチド前駆体をコードし、かつ下
    記のアミノ酸配列 Asp Val Thr Cys Asn Ile Lys Asn Gly Arg Cys Glu Gln Phe Cys Lys Asn Ser Ala Asp Asn Lys Val Val Cys Ser Cys Thr Glu Gly Tyr Arg Leu Ala Glu Asn Gln Lys Ser Cys Glu Pro Ala をコードするヌクレオチド配列を含有する人工DNAの
    配列とを含んでいる組換えDNAで形質転換された細菌
    宿主細胞。
  5. 【請求項5】 大腸菌である、請求項4に記載の宿主細
    胞。
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