JPH09172386A - 高周波装置 - Google Patents

高周波装置

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JPH09172386A
JPH09172386A JP33000495A JP33000495A JPH09172386A JP H09172386 A JPH09172386 A JP H09172386A JP 33000495 A JP33000495 A JP 33000495A JP 33000495 A JP33000495 A JP 33000495A JP H09172386 A JPH09172386 A JP H09172386A
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昭 三島
Shigeharu Washimi
重治 鷲見
Motoyoshi Kitagawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディジタル変調された高周波信号を受信する
高周波装置において、耐振性を確保すると共に同調調整
が簡単に行え、しかもクリアな発振信号を得る。 【解決手段】 入力端子101と、この入力端子101
に入力された信号が一方の入力に供給されるとともに他
方の入力には局部発振器103の出力信号が供給される
混合器104と、この混合器104の出力信号が供給さ
れる出力端子107,108とを備え、前記局部発振器
103を構成する電圧制御発振器は、発振部と同調部を
有し、この同調部は可動導体119と、この調整後の状
態を維持させる接着剤120とを有するとともに、前記
制御ループは前記局部発振器103のノイズが、前記電
圧制御発振器のノイズにより左右されない程度の十分に
大きな高ループバンド幅としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル変調さ
れた高周波信号を受信する高周波装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】上記従来の高周波装置においては、耐振
性を高めるために電圧制御発振器の同調部のインダクタ
ンスはストリップラインだけで構成されていた。
【0003】すなわち、インダクタンスを例えばコイル
部品で構成すると、振動によりそのコイル部品が振動
し、それによりインダクタンス値が変動し、その結果と
して同調周波数がずれてしまうので、それをさけるべく
インダクタンスをストリップラインだけで構成してい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、同調部
のインダクタンスをストリップラインだけで構成すると
完成前に局部発振器を構成する電子部品の部品定数や実
装位置によるばらつきを補正する同調調整が容易に行え
ないという問題があった。
【0005】そこで本発明は、耐振性を始めとして長期
に渡る発振周波数の安定性を確保するとともに、同調調
整が簡単に行え、しかも局部発振器から混合器に位相雑
音の少ないクリアな出力信号を供給することができるよ
うにすることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そしてこの目的を達成す
るために本発明は、ディジタル変調された高周波信号が
入力される入力端子と、この入力端子に入力された信号
が一方の入力に供給されるとともに他方の入力には局部
発振器の出力信号が供給される混合器と、この混合器の
出力信号が供給される出力端子とを備え、前記局部発振
器は、電圧制御発振器と、この電圧制御発振器の制御ル
ープに介在された分周器、位相比較器、ループフィルタ
とを含み、前記電圧制御発振器は、発振部と同調部を有
し、この同調部は周波数調整部と、この周波数調整部の
調整の状態を維持させる維持手段とを有し、前記制御ル
ープは前記局部発振器のノイズが、前記電圧制御発振器
のノイズにより左右されない程度の十分に大きな高ルー
プバンド幅としたものであり、これにより耐振性を始め
として長期に渡る発振周波数の安定性を確保するととも
に、同調調整が簡単に行え、しかも局部発振器から混合
器に位相雑音の少ないクリアな出力信号を供給するとい
う所期の目的を達成することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、ディジタル変調された高周波信号が入力される入力
端子と、この入力端子に入力された信号が一方の入力に
供給されるとともに他方の入力には局部発振器の出力信
号が供給される混合器と、この混合器の出力信号が供給
される出力端子とを備え、前記局部発振器は、電圧制御
発振器と、この電圧制御発振器の制御ループに介在され
た分周器、位相比較器、ループフィルタとを含み、前記
電圧制御発振器は、発振部と同調部を有し、この同調部
は周波数調整部と、この周波数調整部の調整の状態を維
持させる維持手段とを有し、前記制御ループは前記局部
発振器のノイズが、前記電圧制御発振器のノイズにより
左右されない程度の十分に大きな高ループバンド幅とし
た高周波装置である。したがって、以上の構成とすれ
ば、電圧制御発振器の同調部として周波数調整部を設け
ているので容易に同調調整が行え、しかもこの周波数調
整部の調整の状態は維持手段によって維持されるので耐
振性等は十分に確保される。この様に耐振性を始めとし
て長期に渡る発振周波数の安定性を確保するために維持
手段を用いると、その誘電率が空気よりも大きいことか
ら浮遊容量が形成され、それによって浮遊容量の持つ誘
電損失が発生するので、発振特性が悪化するが、本発明
では電圧制御発振器の制御ループを、局部発振器のノイ
ズが電圧制御発振器のノイズにより左右されない程度に
大きな高ループバンド幅としたので、それを広い周波数
幅で矯正することができ、その結果として局部発振器か
ら混合器に出力される出力信号を位相雑音の少ないクリ
アなものとすることができる。
【0008】請求項2に記載の発明の周波数調整部は、
基板上に可動状態に設けられた導電性部材により構成さ
れ、維持手段として用いた固定部材により固定された請
求項1に記載の高周波装置であって、可動状態に設けら
れた導電性部材は固定部材で固定されるので、振動や経
年変化により調整値が変化することはない。
【0009】請求項3に記載の発明は、同調部を構成す
るインダクタンス素子としてパターンインダクタンス線
路を用い、このパターンインダクタンス線路の近傍に可
動導体を植設し、この可動導体を可動させて調整すると
ともに、維持手段として用いた固定部材で固定した請求
項1に記載の高周波装置であって、インダクタンスを一
部パターン化することで部品点数と組立て工数の合理化
が図れる一方、局部発振器の同調部を可動導体で調整す
ることができるので、たとえ電圧制御発振器を構成する
部品の値のばらつきや実装位置がばらついたとしても、
入力信号のすべてに渡って受信することができる。ま
た、可動導体が長時間の温度サイクル等によりその形状
が変化してインダクタンス値が変化しないように、可動
導体を調整するとともに、維持手段である固定部材で固
定しているので、長期的な形状変動に対して安定であ
る。
【0010】請求項4に記載の発明の可動導体は、パタ
ーンインダクタンス線路幅の略中心上方であって、この
パターンインダクタンス線路と略平行に設けられた請求
項3に記載の高周波装置であって、結合度が小さいため
調整範囲が狭く、より微妙な調整が容易にできる。
【0011】請求項5に記載の発明の可動導体は、パタ
ーンインダクタンス線路の開放端近傍に植設した請求項
3に記載の高周波装置であって、結合度が大きく変わる
ため比較的大きな発振周波数の調整範囲が得られる。
【0012】請求項6に記載の発明は、同調部を構成す
るインダクタンス素子として、空芯コイルまたは平板ラ
インを植設し、この空芯コイルまたは平板ラインを調整
するとともに、維持手段として用いた固定部材で固定し
た請求項1に記載の高周波装置であって、インダクタン
ス素子として、空芯コイルまたは平板ラインを用いてい
るので、大きなインダクタンスが取りやすいため比較的
周波数が低く小型の電圧制御発振器を得ることができ
る。
【0013】請求項7に記載の発明は、維持手段として
用いた巻芯の外周に巻き付けた導体により構成された請
求項1に記載の高周波装置であって、巻芯に導電性部材
であるコイルを巻き付けているので、たとえ外力がコイ
ルに加わったとしてもコイルが変形して、インダクタン
ス値が変わることはない。
【0014】請求項8に記載の発明の同調部を構成する
インダクタンス素子は、筒形をした絶縁体と、この絶縁
体の外周に巻き付けられた導体と、前記絶縁体内に設け
られた凹ネジと、この凹ネジに嵌合する凸ネジが外周に
設けられた可動芯とで構成された請求項1に記載の高周
波装置であって、この可動芯を回転させることによりイ
ンダクタンス値を可変できるので、調整の自動化が容易
である。また、導体は絶縁体に巻き付けられているの
で、たとえ外力が加わったとしても変形してインダクタ
ンス値が変わることはない。さらに可動芯もネジによる
摩擦力で絶縁体に固定されることになり、調整された可
動芯の位置が変わることはないので、長期間に渡ってイ
ンダクタンス値は維持される。
【0015】請求項9に記載の発明は、同調部を構成す
るインダクタンス素子として、パターンインダクタンス
線路と可動導体を直列に接続し、この可動導体を調整す
るとともに、維持手段として用いた固定部材にて固定し
た請求項1に記載の高周波装置であって、パターンイン
ダクタンス線路と直列に設けられた可動導体はインダク
タンスが共用されるので、基板占有面積も低減でき、小
型化が図れる。
【0016】請求項10に記載の発明は、同調部を構成
するインダクタンス素子として、パターンインダクタン
ス線路を用い、このパターンインダクタンス線路上に設
けられた調整部をトリミング調整するとともに、このト
リミング箇所を被覆材で被覆した請求項1に記載の高周
波装置であって、パターンインダクタンス線路のトリミ
ング調整は、2次元上での調整であり調整の自動化が容
易である。また、このトリミング箇所の吸水、酸化等に
よる化学変化を防止するため被覆材で被覆するので長期
間に渡り調整値を維持することができる。
【0017】請求項11に記載の発明は、パターンイン
ダクタンス線路と直列に可動導体を接続し、この可動導
体を調整するとともに、維持手段として用いた固定部材
で固定した請求項10に記載の高周波装置であって、パ
ターンインダクタンス線路のトリミング調整と、可動導
体の調整と2つの周波数調整部を有しているので、容易
に、しかも正確な調整ができる。
【0018】請求項12に記載の発明は、局部発振器
と、混合器とを金属製のケース内に収納するとともに、
前記局部発振器の同調部の一部を構成する基板上に敷設
されたパターンインダクタンス線路を金属製のケース、
または仕切板の近傍に設けた請求項1に記載の高周波装
置であって、パターンインダクタンス線路の近傍に安定
した電位を有する金属製のケース、または仕切板が設け
られており、外部からの信号の影響を受けないので、安
定した発振周波数が得られる。
【0019】請求項13に記載の発明は、ループフィル
タのキャパシタンスとして、フィルムコンデンサを用い
た請求項1に記載の高周波装置であって、このフィルム
コンデンサは振動によって生ずる圧力がフィルムコンデ
ンサに加わって生ずる圧電効果が少なく、振動に対して
安定した性能が得られ、高性能な電圧制御発振器が得ら
れる。
【0020】請求項14に記載の発明は、フィルムコン
デンサを基板の表面側に実装し、そのリード線を前記基
板に設けられた貫通孔に挿入するとともに、この基板裏
面側において導体パターンと半田付けし、前記貫通孔内
は非電極形成部とした請求項13に記載の高周波装置で
あって、基板裏面側において半田付けされたリード線に
半田付けが施されたとしても、リード線が貫通される貫
通孔は電極が形成されていないので、必ず基板厚以上の
非加熱距離が得られ、この非加熱距離のため溶融半田が
フィルムコンデンサのリード線のつけね迄は到達しにく
く、フィルムコンデンサが半田溶融熱で破壊されること
はない。
【0021】請求項15に記載の発明は、ループフィル
タと電圧制御発振器を仕切板で仕切るとともに、この仕
切板には前記ループフィルタと前記電圧制御発振器間を
接続する導体パターンを通すための開口を設け、この開
口の近傍にこの開口を覆うようにフィルムコンデンサを
実装した請求項13に記載の高周波装置であって、フィ
ルムコンデンサの一方の電極には、安定したアース電位
となっているので、開口がフィルムコンデンサでシール
ドされることになり、ループフィルタと電圧制御発振器
とは電気的に分離される。
【0022】請求項16に記載の発明のループフィルタ
は、2段のトランジスタで構成された請求項1に記載の
高周波装置であって、この2段のトランジスタにより、
安価で適正な増幅度が得られ、ループフィルタの広帯域
化が図れる。
【0023】請求項17に記載の発明は、同調部を構成
する可動導体と、バラクタダイオードと、パターンイン
ダクタンス線路とを順に直列接続するとともに、発振部
側に前記パターンインダクタンス線路側が接続された請
求項1に記載の高周波装置であって、発振部側には固定
されたインダクタンスを持つパターンインダクタンス線
路が設けられているので、高周波モードによる不安定な
結合は生ぜず、調整は容易である。また、バラクタダイ
オードは、可動導体とパターンインダクタンス線路の間
に設けられているので、バラクタダイオードと可動導体
による適切な発振周波数範囲が得られるとともに、同調
感度の値を必要以上に上げることはないので、ループフ
ィルタへのノイズ飛び込みがあっても位相雑音が増える
のを抑えることができる。
【0024】請求項18に記載の発明は、同調部を構成
するバラクタダイオードとパターンインダクタンス線路
との直列接続間に、小容量のチップコンデンサが前記パ
ターンインダクタンス線路に近接して装着された請求項
1に記載の高周波装置であって、この小容量のチップコ
ンデンサの装着により、線路のインピーダンスを高めて
いる。これは、バラクタダイオードのリード線の長さ
が、半田付けによって実質的に変わったとしても、チッ
プコンデンサで高インピーダンスにしているのでその影
響を少なくするためである。すわわち、バラクタダイオ
ードはチップコンデンサに比べて重さが重く、リフロー
半田付けにおいてセルフアライメント効果が期待でき
ず、リード線等を含む実質的な長さがばらつき、インピ
ーダンスが一定とならない。一方、チップコンデンサは
重さが軽いので、リフロー半田付けにおいて、セルフア
ライメント効果が働き、その取付位置が一定となる。し
たがって、パターンインダクタンス線路のインダクタン
ス値は一定となる。なお、チップコンデンサとバラクタ
ダイオード間のインダクタンスは、ばらつく可能性が有
るが、チップコンデンサによって高インピーダンスと成
っているので、電圧制御発振器の発振周波数のばらつき
は少ない。
【0025】請求項19に記載の発明は、同調部を構成
するバラクタダイオードとインダクタンスとの間に第1
の小容量チップコンデンサを挿入するとともに、前記バ
ラクタダイオードと発振部との間に第2のコンデンサを
挿入し、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサ
は温度補正コンデンサを用いた請求項18に記載の高周
波装置であって、第1のコンデンサと第2のコンデンサ
と2つのコンデンサのそれぞれの温度補正特性を組み合
わせることにより、より適切な温度補正特性が得られ、
温度に対して安定した電圧制御発振器となる。
【0026】請求項20に記載の発明は、基準周波数信
号が入力される基準分周器を設け、この基準分周器の分
周比を可変できるようにした請求項1に記載の高周波装
置であって、基準周波数信号が入力される入力に可変で
きる基準分周器が設けられているので、高ループバンド
幅を維持しつつ制御ループの分周器の分周比をより小さ
くでき、応答速度を速めることができるとともに、意図
する同調周波数範囲を得ることができる。
【0027】請求項21に記載の発明の基準分周器の分
周比は、電圧制御発振器の出力周波数が高くなるほど分
周比を小さくする請求項20に記載の高周波装置であっ
て、基準分周器の分周比と制御ループの分周器の分周比
とを電圧制御発振器の出力周波数に応じて共に制御して
いるので、分周器の分周比を出力周波数に支配されるこ
となく小さくすることができ応答性が高められる。
【0028】請求項22に記載の発明は、混合器と出力
端子との間にロールオフ特性を有するとともに異なる帯
域幅を有した複数の中間周波数同調フィルタを並列に設
け、この中間周波数同調フィルタは入力端子から入力さ
れる信号の伝送レートに基づいて選択的に切り換え可能
とした請求項1に記載の高周波装置であって、入力端子
から入力される高周波信号の帯域幅の違いによって中間
周波数同調ロールオフフィルタを選択的に切り換えるこ
とができるので、伝送レートが異なる信号でも最適に受
信できるとともに、混合器以前の回路の共有化が図れ
る。
【0029】請求項23に記載の発明は、入力端子と混
合器との間に可変減衰器を設け、この可変減衰器を制御
する制御端子を設けた請求項1に記載の高周波装置であ
って、この制御端子からの信号で減衰量を制御すること
ができるので、混合器の混変調を生じさせないように最
適の制御をすることができる。
【0030】請求項24に記載の発明は、出力端子に中
間周波数同調表面波フィルタを介してI/Q検波器を接
続し、このI/Q検波器のI信号が出力される第1の出
力端子と、前記I/Q検波器のQ信号が出力される第2
の出力端子と、前記I/Q検波器に発振周波数信号を供
給する第2の発振器とを設け、前記第2の発振器の共振
部を構成する表面波共振器の基板と前記中間周波数同調
表面波フィルタの基板とは同一材質の基板を用いるとと
もに、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子から出
力される信号の周波数誤差検出器を設け、この誤差検出
器の出力に基づいて分周器のデータを増算/減算カウン
タにて制御し、中間周波数の中心と前記第2の発振器の
発振周波数を略同一にした請求項1に記載の高周波装置
であって、第2の発振器の表面波共振器に用いる基板材
質と中間周波数同調表面波フィルタの基板材質とは同一
材質を用いているので、たとえ温度変化等で中間周波数
同調表面波フィルタの周波数に変動があったとしても、
この変動と同じ方向に同じ周波数だけ第2の発振器の周
波数も変動するので全体としては変動が相殺され、あた
かも変動がなかったかのようになる。
【0031】さらに周波数誤差検出器により混合器から
の出力である中間周波数の中心周波数が第2発振器の発
振周波数に等しくなるように周波数制御データを増算/
減算カウンタにて制御することにより、中間周波数の中
心周波数と中間周波数同調表面波フィルタの中心周波数
が略同一になる。それゆえ検出誤差をなくすことができ
るとともに、安価な基板材料を使用することができるの
で、低価格化が実現できる。
【0032】請求項25記載の発明の中間周波数同調表
面波フィルタの3dBカットオフ周波数の帯域幅は、受
信信号のシンボルレートに等しい帯域幅の0%以上+5
%以内とした請求項24に記載の高周波装置であって、
この特性を実現することによって、送信側で強調された
特性を元に戻す働きも兼ね備えることとなる。したがっ
て、送信側で強調された特性を元に戻す特別なフィルタ
を付加する必要がない。
【0033】請求項26に記載の発明は、入力端子と混
合器との間に入力フィルタを挿入するとともに、局部発
振器は、その発振周波数が前記入力端子に入力される信
号の最大周波数と最小周波数の差の2分の1より大きい
中間周波数が得られる周波数を発振させ、前記入力フィ
ルタは、前記最小周波数から最大周波数までの周波数を
通過させる固定フィルタとした請求項1に記載の高周波
装置であって、局部発振器はその発振周波数が入力され
る信号の最大周波数と最小周波数の差の2分の1より大
きい中間周波数が得られる周波数を発振させるようにし
ているので、イメージ妨害周波数は必ず受信最大周波数
よりも高い周波数となる。また、入力端子に接続される
フィルタとしては受信最小周波数から受信最大周波数を
通過させる固定フィルタを用いることが可能となる。し
たがって、安価な固定フィルタを使用したとしても、イ
メージ妨害を受けないとともにその構成は非常に簡単に
なる。
【0034】請求項27に記載の発明は、混合器の出力
信号周波数を略612MHzとした請求項26に記載の
高周波装置であって、受信信号の空きチャンネル周波数
に中間周波数を設定しているので、入力端子からの妨害
を受けることはない。また、入力端子に続いて略612
MHzのトラップを挿入することもできる。
【0035】請求項28に記載の発明は、出力端子に接
続されたI/Q抽出手段と、このI/Q抽出手段のI信
号出力が接続された第1の出力端子と、前記I/Q抽出
手段のQ信号出力が接続された第2の出力端子と、前記
第1、第2の出力端子に復調器を接続するとともに、こ
の復調器は金属製のカバー外に装着された請求項1に記
載の高周波装置であって、復調器の集積回路部はカバー
によって囲まれていないため、非常に放熱性がよい。こ
のため集積回路の熱による暴走等の誤動作はない。ま
た、十分な放熱が可能となるので、集積回路の集積度が
高くでき、集積回路の小型化が可能となる。その結果と
して高周波装置の小型化が可能となる。
【0036】請求項29に記載の発明は、集積回路で構
成された復調器が表面に載置された基板と、前記復調器
下面に敷設された銅箔と、前記基板裏面に設けられた銅
箔とをスルーホールで接続した請求項28に記載の高周
波装置であって、集積回路下面の銅箔と基板裏面銅箔と
がスルーホールで接続されているため、集積回路の熱は
スルーホールを介して下面銅箔へ伝わり放熱される。
【0037】請求項30に記載の発明は、集積回路で構
成された復調器が載置される基板の前記集積回路下方
に、この集積回路内部のチップ素子より大きく、その集
積回路外周より小さい孔を設けた請求項28に記載の高
周波装置であって、集積回路の外周より小さな孔である
ため、集積回路の実装は一般のチップ実装機で容易に実
装可能であると共に、その上面、下面ともに空気が直接
接することとなり能率のよい放熱が可能となる。
【0038】請求項31に記載の発明は、基板裏面に設
けられた銅箔に、複数個の短冊状をしたレジスト不形成
部を設け、このレジスト不形成部に半田を凸型状に融着
させた請求項29に記載の高周波装置であって、下面の
銅箔が半田により凸状となっているため、空気との接触
面積は大きくなり、さらに放熱が良くなる。
【0039】請求項32に記載の発明は、入力端子と混
合器との間にフィルタを設けるとともに、出力端子に接
続された中間周波数同調フィルタと、この中間周波数同
調フィルタの出力が接続されたI/Q抽出手段と、この
I/Q抽出手段のI信号出力が接続された第1の出力端
子と、前記I/Q抽出手段のQ信号出力が接続された第
2の出力端子とを設け、これらを同一シールドケース内
に納めた請求項1に記載の高周波装置であって、広範な
周波数帯域に渡り、高周波装置内に対する外部からのデ
ィジタルロック等の妨害がシールドケースにより遮蔽さ
れることになる。
【0040】請求項33に記載の発明は、混合器とI/
Q抽出手段に用いられる発振器との間に、少なくとも1
枚以上のシールド板を配置した請求項32に記載の高周
波装置であって、混合器への前記発振器の干渉によるス
プリアスを低減することができる。
【0041】請求項34に記載の発明は、混合器とI/
Q抽出手段に用いられる発振器を、同一シールドケース
内の対角線上に配置した請求項32に記載の高周波装置
であって、同様に、混合器への前記発振器の干渉による
スプリアスを低減することができる。
【0042】請求項35に記載の発明は、略長方形をし
たシールドケースの一方の縦側面に入力端子を設け、こ
の入力端子につづいて入力フィルタと前記混合器を配置
するとともに、これらの前記入力フィルタと前記混合器
と略平行に仕切板を挟んで前記混合器に発振周波数を供
給する局部発振器とを配置した請求項32記載の高周波
装置であって、選局用のディジタル信号の入力がシール
ドケースの入力端子側の縦側面近傍に配置されかつ仕切
られるので、選局用のディジタル信号が他の区画室に悪
影響を与えることはない。
【0043】請求項36に記載の発明は、混合器に発振
周波数を供給する局部発振器とI/Q抽出手段との間に
中間周波数同調フィルタを実装する区画室を設けた請求
項33記載の高周波装置であって、混合器側とI/Q検
波器側が分離されるので、相互干渉のない良好なI/Q
検波ができる。
【0044】請求項37に記載の発明は、シールドケー
スの第1の横側板近傍に局部発振器の制御端子と、I/
Q抽出手段の出力端子を設けた請求項35記載の高周波
装置であって、各信号が基板側に同一方向に並ぶので配
線上都合が良い。
【0045】請求項38に記載の発明は、ディジタル変
調された高周波信号が入力される入力端子と、この入力
端子に入力された信号が一方の入力に供給されるととも
に他方の入力には局部発振器の出力信号が供給される混
合器と、この混合器の出力信号が供給される出力端子と
を備え、前記局部発振器は、電圧制御発振器と、この電
圧制御発振器の制御ループに介在された分周器、位相比
較器、ループフィルタとを含み、前記電圧制御発振器
は、発振部と同調部を有し、この同調部は周波数調整部
と、この周波数調整部の調整の状態を維持させる維持手
段とを有し、前記制御ループは前記局部発振器のノイズ
が、前記電圧制御発振器のノイズにより左右されない程
度の十分に大きな高ループバンド幅とするとともに、前
記位相比較器に供給される基準周波数信号は、分周器か
ら比較器に供給される比較信号に対して、その実質的な
中心周波数部分を除いて、同一周波数においてはその信
号レベルを小さくした高周波装置である。したがって、
以上の構成とすれば、電圧制御発振器の同調部として周
波数調整部を設けているので容易に同調調整が行え、し
かもこの周波数調整部の調整の状態は維持手段によって
維持されるので耐振性は十分に確保される。この様に耐
振性を確保するために維持手段を用いると、その誘電率
が空気よりも大きいことから浮遊容量が形成され、それ
によって誘電損失が発生するので、発振特性が悪化する
が、本発明では電圧制御発振器の制御ループを、局部発
振器のノイズが電圧制御発振器のノイズにより左右され
ない程度に大きな高ループバンド幅とするとともに、位
相比較器に供給される基準周波数信号は、その実質的な
中心周波数部分を除いて、分周器から比較器に供給され
る比較信号とは、同一周波数においてはその信号レベル
を小さくしているので、それを広い周波数幅で矯正する
ことができ、その結果として局部発振器から混合器に出
力される出力信号を、より位相雑音の少ないクリアなも
のとすることができる。
【0046】請求項39に記載の発明は、ディジタル変
調された高周波信号が入力される入力端子と、この入力
端子に入力された信号が一方の入力に供給されるととも
に他方の入力には局部発振器の出力信号が供給される混
合器と、この混合器の出力信号が供給される出力端子と
を備え、前記局部発振器は、電圧制御発振器と、この電
圧制御発振器の制御ループに介在された分周器、位相比
較器、ループフィルタとを含み、前記電圧制御発振器
は、発振部と同調部を有し、この同調部は周波数調整部
と、この周波数調整部の調整の状態を維持させる維持手
段とを有し、前記制御ループは前記局部発振器のノイズ
が、前記電圧制御発振器のノイズにより左右されない程
度の十分に大きな高ループバンド幅とするとともに、前
記位相比較器に供給される基準周波数信号の中心周波数
付近の信号レベルは、前記局部発振器から混合器に出力
される中心周波数付近の信号レベルの周波数分布特性と
の比較において、この周波数分布特性の実質的な中心周
波数部分を除いて、中心周波数からの同一オフセット周
波数でのその信号レベルを、高ループバンド幅によりノ
イズ低減されるべき信号レベルより低くした高周波装置
である。したがって、以上の構成とすれば、電圧制御発
振器の同調部として周波数調整部を設けているので容易
に同調調整が行え、しかもこの周波数調整部の調整の状
態は維持手段によって維持されるので耐振性は十分に確
保される。この様に耐振性を確保するために維持手段を
用いると、その誘電率が空気よりも大きいことから浮遊
容量が形成され、それによって発振特性が悪化するが、
本発明では電圧制御発振器の制御ループを、局部発振器
のノイズが電圧制御発振器のノイズにより左右されない
程度に大きな高ループバンド幅とし、位相比較器に供給
される基準周波数信号は、局部発振器から混合器に出力
される信号レベルの周波数分布特性との比較において、
この周波数分布特性の実質的な中心周波数部分を除い
て、中心周波数からの同一オフセット周波数でのその信
号レベルを、高ループバンド幅によりノイズ低減される
べき信号レベルより低くしたため、基準周波数信号のノ
イズが高ループバンド幅による局部発振器のノイズ低減
効果を損なうことがなく、実使用上において広い周波数
幅で効果的に高ループバンド幅で矯正することができ
る。その結果として局部発振器は経済的に実現できると
ともに、出力される出力信号は位相雑音の少ないクリア
なものとすることができる。
【0047】(実施の形態1)以下本発明の実施の形態
1について説明する。図1において、本発明の高周波装
置は、高周波ディジタル信号が入力される入力端子10
1と、この入力端子101に接続された入力回路102
と、この入力回路102の出力が一方の入力に供給され
るとともに他方の入力には局部発振器である第1の発振
器103の出力が接続された混合器104と、この混合
器104の出力が接続されたフィルタ105と、このフ
ィルタ105の出力が接続されたI/Q検波器106
と、このI/Q検波器106のI信号が出力される第1
の出力端子107と、前記I/Q検波器のQ信号が出力
される第2の出力端子108と、前記I/Q検波器10
6に発振周波数信号が供給される第2の発振器109
と、この第2の発振器109の発振周波数を制御するA
FC制御端子110と、前記第1の発振器103の出力
が接続されたPLL部(分周器と位相比較器)111
と、このPLL部111と前記第1の発振器103の入
力との間に接続されたループフィルタ(以下低域フィル
タという)112とで構成されている。ここで、第1の
発振器103は、低域フィルタ112からの出力が、基
板115A上に敷設されたストリップ線路(パターンイ
ンダクタンス線路の一例として用いた)115を介して
発振部を形成する増幅器128の入力に接続される構成
となっており、低域フィルタ112とストリップ線路1
15の接続点は可変容量ダイオード126を介してアー
スに接続されている。そしてこの増幅器128の出力が
第1の発振器103の出力となっている。なお基板11
5Aの裏面は全面アースパターン115Bとなってい
る。また前記ストリップ線路115の近傍には周波数調
整部を構成する可動導体119を植設し、この可動導体
119を可動調整するとともに接着剤(維持手段の一例
として用いた)120で固定するようにしている。また
PLL部111は、発振器103の出力が分周器118
に接続されている。そしてこの分周器118の出力は、
位相比較器113の一方に接続され、位相比較器113
の出力は、前記低域フィルタ112に接続されている。
また基準発振器116は基準分周器117に接続され、
この基準分周器117の出力は前記位相比較器113の
他方の入力に接続されている。そして、前記分周器11
8と前記基準分周器117は、ともに制御入力端子11
4に接続されており、この制御入力端子114からの信
号によって分周比が可変されるようになっている。ここ
で、位相比較器113へ入力される基準周波数を高く設
定することにより、周波数可変ステップ量が粗くなるの
で、この周波数可変ステップ量を細かく設定するために
分周器118には、分周比が切替え可能なモジュラス型
の分周器を用いている。
【0048】以上のように構成された高周波装置につい
て、以下その動作を説明する。高周波ディジタル信号
は、入力端子101に入力され、この信号は入力回路1
02を介して混合器104へ入力される。ここで、第1
の発振器103から出力される発振周波数と混合されて
中間周波数信号を得る。この中間周波数信号をフィルタ
105に通してI/Q検波器106にて、第2の発振器
109の信号と掛け合わせることにより、I信号および
Q信号が得られる。第2の発振器109はAFC制御端
子110によりその発振周波数が制御される。
【0049】第1の発振器103において、可変容量ダ
イオード126が、可変同調回路の容量成分を構成し、
低域フィルタ112からの制御電圧により可変容量ダイ
オード126の容量値が変化して第1の発振器103の
発振周波数が制御される。その発振周波数は1430〜
2530MHzの発振周波数範囲を発振させなければな
らない。これを実現するため、同調回路を構成する電子
部品の部品定数や実装状態によるばらつき(以下、単に
ばらつきという)を吸収する調整を行うことにより、入
力端子101から入力される入力信号の全ての範囲にわ
たってカバーできるようにしている。またインダクタン
スはパターン化したストリップ線路115を用いている
ので、その部分についてはインダクタンス部品を要せ
ず、組立工数も含め合理化できる。
【0050】次に、このばらつきを吸収する同調回路の
調整について説明する。ストリップ線路115に可動導
体119を近づけたり遠ざけたりすることによりストリ
ップ線路115の等価的なインダクタンス値が変化す
る。このインダクタンス値の可変により発振器103の
可変同調回路の同調周波数が調整できるのである。すな
わち、発振器103を構成している部品定数のばらつき
や、実装部品の実装位置がばらつくことにより生ずる浮
遊容量のばらつき等を吸収するためにインダクタンス値
を可変することにより、最適値に調整しているのであ
る。
【0051】一方、可動導体119が加振や長時間の温
度サイクル等によりその形状が変化してインダクタンス
値を変化させないようにしなければならない。そのため
にばらつきを吸収する調整をするとともに、可動導体1
19に接着剤120を塗布して固定している。このよう
にして、長期的な形状変動に対しての安定を図っている
のである。
【0052】ところが、接着剤120は、空気より大き
い比誘電率により浮遊容量が増加して、より多くの誘電
損失が発生するため、発振器103の同調回路のQを低
下させる。このことは、発振器103の位相雑音が増加
することになる。位相雑音の増加は高周波装置において
大きな課題となる。そこでディジタル信号受信にビット
誤り率の不具合が発生しない程度に位相雑音を低下させ
る必要が生じる。これを解決するには、高ループバンド
幅にして、位相雑音を低下させることが必要である。従
来のアナログ変調された高周波信号受信においてループ
バンド幅は略60Hz程度であったが、ディジタル変調
された高周波信号を受信する本実施の形態ではループバ
ンド幅を略7kHz程度に設定し、位相雑音を40dB
程度改善した。なお、この場合の位相比較周波数は従来
略3kHzであったのに対し、本実施の形態では略36
0kHzとした。また、ループバンド幅を略10kHz
とする場合もあり、その際は位相比較周波数は略500
kHzとなる。
【0053】図2(a)は図1の第1の発振器103の
詳細を示した斜視図である。図2(b)はAA方向より
見た可動導体119近傍の側面図である。図2におい
て、可動導体119は逆L字型をした2本の脚部119
aと、この脚部間を結ぶ本体部119bで構成されてい
る。ストリップ線路115と電磁結合させる本体部11
9bはストリップ線路115の開放端115aあるいは
115b側に配置し、本体部119bはストリップ線路
115の幅の略中心上方で、ストリップ線路115と略
平行に配置している。このような配置にすると、100
MHz程度の発振周波数の調整範囲が得られる。すなわ
ち開放端115aあるいは115b側に本体部119b
を配置したため比較的大きな発振周波数の調整範囲が得
られている。接着剤120は可動導体119とストリッ
プ線路115の相互位置が変化しないように塗布されて
いる。これにより長時間の温度サイクル等の変動に対し
て安定化されるのである。なお、接着剤120として本
実施の形態では溶剤型ゴム系接着剤を用いた。その他、
シリコン系、エポキシ系、フェノール系等を用いてもよ
い。その場合、作業性を高めるために常温硬化するもの
が望ましい。
【0054】なお、発振周波数の調整範囲が30MHz
程度の狭い場合には、ストリップ線路115の略中央1
15cに可動導体119を植設すればよい。この場合調
整範囲が狭くなるが調整がし易いという効果がある。
【0055】図3(a)は図1の第1の発振器103の
詳細を示した他の例における斜視図である。図3(b)
はAA方向より見た可動導体149近傍の側面図であ
る。図3において、可動導体149は逆L字型をした2
本の脚部149aと、この脚部間を結ぶ本体部149b
で構成されている。基板150A上に設けたストリップ
線路150と電磁結合させる本体部149bは、ストリ
ップ線路150の開放端150aあるいは150b側に
配置し、本体部149bは、ストリップ線路150の幅
の略中心上方で、ストリップ線路150と略平行に配置
している。このような配置にすると、80MHz程度の
発振周波数の調整範囲が得られる。すなわち開放端15
0aあるいは150b側に本体部149bを配置したた
め、比較的大きな発振周波数の調整範囲が得られてい
る。また、ストリップ線路150は、L字形状を連続し
て形成している。このことにより基板150Aへの実装
面積を小さくすることができる。また、これはS字形状
にしても同じ効果がある。
【0056】発振周波数の調整範囲が20MHz程度の
狭い場合には、ストリップ線路150の略中央150c
に可動導体149を植設すればよい。この場合調整範囲
が狭いために調整がし易いという効果がある。
【0057】本例においても、可動導体149とストリ
ップ線路の相対位置が変化しないよう、接着剤120が
塗布されているのは前述の例と同じである。また基板1
50Aの裏面は全面アースパターン150Bとなってい
る。
【0058】(実施の形態2)発振周波数が低い場合な
どストリップ線路115あるいは150をインダクタン
ス素子として用いるには大型化するために不適合な場
合、たとえばVHF帯の周波数を発振させる場合には、
インダクタンス素子として空芯コイルまたは、平板ライ
ンを用いて同調部を形成することもある。発振周波数の
ばらつきに対しては、空芯コイルおよび平板ラインの形
状を変化させてインダクタンス値を調整する。そして、
これら空芯コイルまたは平板ラインが長時間の温度サイ
クル等の変動に対して安定なように、前記実施の形態と
同様に接着剤にて固定する。
【0059】実施の形態2を図4および図5に示す。図
4は図1、図2または図3における、ストリップ線路1
15,150、可動導体119,149および接着剤1
20をインダクタンス素子121に置き換えた例であ
る。図5(a)はそのインダクタンス素子121の一例
である。このインダクタンス素子121は両端に電極1
24を有した絶縁体122を芯として、この絶縁体12
2にコイル123を巻き付けた構成になっている。イン
ダクタンス素子121の値は電極124とは逆側に溝1
22aを形成し、この溝122aにピンセット等を挿入
してコイル123の巻きピッチを変化させることにより
調整している。インダクタンス素子121のコイル12
3は絶縁体122に巻き付けられているので、絶縁体1
22との摩擦力により接着剤がなくても長時間の温度サ
イクル等の変動に対しては安定である。つまりこの例で
はコイル123と絶縁体122との摩擦力が維持手段と
なっている。また、たとえ外力がコイル123に加わっ
たとしても形状は変わらない。しかし絶縁体122の持
つ誘電損失があるので前記実施例と同様に、ループバン
ド幅を高めることで、発振器103aで発生する位相雑
音を低減させている。その結果、位相比較器113の位
相比較周波数も高くなる。
【0060】位相比較周波数が高くなる結果、受信周波
数の周波数間隔が大きくなる点については、受信周波数
の粗調はPLL部111と第1の発振器103aで行
い、微調はI/Q検波器106の第2の発振器109の
AFC制御端子110で行うことで安定な高周波装置が
実現できるのである。
【0061】図5(b)は、図4に示すインダクタンス
素子121の他の例である。図5(b)において、17
1は筒形をした絶縁体であり、この絶縁体171の中心
の貫通孔171A壁には凹ネジ172が設けられてい
る。この場合強度確保のため貫通孔171Aの底面を封
止してもよい。173は導体であり、絶縁体171の外
周に巻き付けられている。外周は円柱形を用いているが
それに限定されることはない。174は磁性体で形成さ
れた可動芯であり、その外周には凸ネジ175が設けら
れ、この凸ネジ175は前記貫通孔171Aの凹ネジ1
72に嵌合するように設けられている。176は可動芯
174の天面に設けられたマイナス形状をした溝であ
り、この溝176にドライバー等を挿入して回すことに
より、可動芯174は絶縁体171内を図面において上
下に微小距離移動を行うことができる。177は金属製
のシールドケースであり、絶縁体171の外側を覆って
いる。178はシールドケース177の天面に設けられ
た孔であり、この孔を通して前記可動芯174を外部か
ら回転させることができる。なお、絶縁体171aの外
周面に溝179を設け、この溝179に前記導体173
を巻き付けることもできる。
【0062】そして、この可動芯174を回転させるこ
とで、インダクタンス値の調整をしている。この場合導
体173は、絶縁体171に巻き付けられているので、
外力が加わって変形することはない。また、可動芯17
4は絶縁体171とネジで嵌合し、その摩擦力(この摩
擦力が維持手段となっている)によって係止されるの
で、たとえ接着剤で固定しなくとも、長期間に渡って可
動芯174の位置を維持することができる。この構成
は、回転運動でインダクタンス値を調整するので、自動
化し易いという特徴を有する。また、図5(c)のごと
く絶縁体の外周に溝179を設け、この溝179に導体
173を巻き付けることにより、さらに振動に対してイ
ンダクタンスの安定化が図れる。
【0063】しかし絶縁体171の持つ誘電損失および
可動芯174の持つ磁気損失がある結果、同調部の発振
特性が劣化するので、前記実施例と同様にループバンド
幅を高めることで、発振器103aで発生する位相雑音
を低減させている。その結果、位相比較器113の位相
比較周波数も高くなる。
【0064】位相比較周波数が高くなる結果、受信周波
数の周波数間隔が大きくなる点については、受信周波数
の粗調はPLL部111と第1の発振器103aで行
い、微調はI/Q検波器106の第2の発振器109の
AFC制御端子110で行うことで安定な高周波装置が
実現できるのである。
【0065】(実施の形態3)実施の形態3を図6およ
び図7に示す。図7は図6の第1の発振器103bを示
した図である。図7の(a)は第1の発振器103bの
概略を示し、図7(b)はBB方向より見た可動導体1
25近傍の側面図である。インダクタンス素子を、可動
導体125とストリップ線路151にて構成し、第1の
発振器103bを構成している部品のばらつき等を前記
可動導体125を調整することでばらつきを吸収するの
である。そして接着剤120にて同様に固定し、振動や
温度サイクル等の変化に対して安定化させるのである。
この場合可動導体125をストリップ線路151に対し
て直列に配置しているので、図1の実施の形態に比較し
て、新たに可動導体をストリップ線路151の近傍に植
設する必要がなく、基板151Aでの占有面積を低減で
き、小型化に有効である。
【0066】また可動導体125を図7(c)に示す可
動導体125aの形状のものを用いることもできる。す
なわち、可動導体125aを基板151Aに貫通させな
いで、基板151A上面に面貼りして調整するととも
に、その略中央を接着剤120で固定しても良い。
【0067】(実施の形態4)実施の形態4を図8に示
す。図8(a)は第1の発振器の他の例を示す斜視図で
あり、この例では103cを付している。図8(b)は
その要部断面図である。また、図8(c)は要部斜視図
であり、図8(d)は別の例における斜視図である。
【0068】図8(a)において、152は、同調部の
インダクタンスを構成するストリップ線路である。この
ストリップ線路152の側面には調整用の凸部153が
設けられている。この凸部153はストリップ線路15
2のインダクタンスの値を調整するものであり、図8
(c)に示すように、レーザトリミングによって切断し
てインダクタンスを所定の値に調整している。この切断
面154には被覆材155を塗布する。この被覆材15
5の塗布は以下の理由によるものである。先ず、凸部1
53の切断面154を酸化から守ること。次にストリッ
プ線路152を含む調整用の凸部153上に印刷された
レジスト(図示せず)のレーザトリミングによる炭化、
或いはフェノール系の熱硬化性の樹脂基板152Aを使
用したときのレーザトリミングによる炭化の結果を生じ
た炭化物の、水分の吸収による基板の誘電率の変化を防
止することを目的としたものである。このように被覆材
155を用いることで調整されたインダクタンス値を維
持するようにしたものである。しかしながら、このよう
な被覆材155を用いると被覆材155が持つ誘電損失
により同調部のQが低下するので、制御ループのループ
バンド幅を高めることで、発振器103cで発生する位
相雑音を低減させている。
【0069】なお、調整部は図8(d)に示すように、
ストリップ線路156をレーザトリミングで凹状157
に切り込んでもよい。これらのレーザトリミングによる
切断面154は、図8(b)に示すように粗面158を
形成するので、この粗面158の凹凸を守るためにも被
覆材155の塗布は有効である。
【0070】(実施の形態5)実施の形態5では、図9
のごとく第1の発振器103dの更に他の例を示す。図
9はその斜視図である。図9において、159は基板1
59A上に設けられるとともに局部発振器の同調部を形
成するストリップ線路である。160はこのストリップ
線路159に直列に接続された可動導体である。また、
161は前記ストリップ線路159の側面に凸設された
調整部である。159Bはアースパターンである。
【0071】以上のように構成された同調部において、
以下にその調整方法を説明する。先ず図9(c)に示す
ように、前記調整部161がレーザトリミングにより、
粗く切断162され、インダクタンスの粗調整が行われ
る。次に可動導体160でインダクタンスの微調整が行
われる。そして、この調整部161は調整後、切断面の
酸化や、基板、レジストの炭化で生じた炭化物が吸水し
ないように、被覆材155を塗布する。また、可動導体
160は調整値が変わらないように接着剤120が塗布
されている。
【0072】以上のように、本実施の形態5において
は、調整部161による粗調整と、可動導体160によ
る微調整を行うので、調整が容易にできるとともに、し
かも正確な調整が可能となる。
【0073】なお実施の形態4,5において、トリミン
グはレーザについて説明したが、ドリル等の機械加工よ
り行ってもよい。その場合は設備投資を合理化できる。
【0074】(実施の形態6)図10において、201
は入力端子であり、この入力端子201にはディジタル
変調された高周波信号が入力される。この入力端子20
1にはハイパスフィルタ202、増幅器203A、可変
減衰器204、増幅器203B、同調フィルタ205が
接続され、この同調フィルタ205の出力は混合器20
6の一方の入力に供給される。この混合器206の他方
の入力には局部発振器207の電圧制御発振器208か
らの出力信号が供給され、混合器206の出力は混合器
206の出力端子209を介して増幅器210に供給さ
れる。局部発振器207の電圧制御発振器208の出力
側には分周器211、位相比較器212、ループフィル
タ213が接続され、ループフィルタ213の出力が電
圧制御発振器208の入力と同調フィルタ205に供給
されるようになっている。また位相比較器212には水
晶振動子214からの信号が分周器215で分周された
後に、基準信号として供給されるようになっている。す
なわち斜線で示す仕切板216で仕切られたブロック
A,B,C,D,Eによってチューナ部が構成され、ブ
ロックEにはチューナとしての出力端子217が設けら
れている。ブロックEの内部には前記増幅器210と中
間周波数同調フィルタ218、増幅器219、可変減衰
器220、増幅器221が設けられている。ブロックF
はI/Q検波部であり、チューナ部の出力端子217に
はI/Q検波部222が接続され、I/Q検波部222
からはI信号が出力される出力端子223、Q信号が出
力される出力端子224が引き出されている。またI/
Q検波部222には電圧制御発振器225が接続され、
それには周波数制御電圧(AFC)が供給されるように
なっている。一方ブロックGはチューナ部分に制御電圧
を供給するための利得制御回路(AGC)226が設け
られ、それにAGC信号が供給される。なお屋外に設け
られたローノイズコンバータ(LNB)に入力端子20
1を介して屋外のアンテナ部分に電圧が供給される。こ
のように、電圧供給端子とを供用された入力端子201
からは例えば1〜2GHz帯の信号が入力されるように
なっているのである。
【0075】さて本実施形態において電圧制御発振器2
08単独の出力信号の周波数分布特性は、図11のH線
のごとく希望する中心周波数I(例えば1.8GHz)
に対して大きく上下にずれた状態の分布特性を示す。そ
れをJ線の周波数分布特性のごとく矯正するのがこの電
圧制御発振器208に接続された分周器211、位相比
較器212、ループフィルタ213によって構成された
制御ループ、および位相比較器212に接続された分周
器215、水晶振動子214である。
【0076】まず本実施形態においては、応答特性を高
めるために、分周器211の分周比を小さく(例えば約
4000〜7000)している。一方、分周器215か
ら位相比較器212に供給される基準信号は高く(例え
ば360kHz)している。電圧制御発振器208単独
のノイズ成分は前記制御ループによって除去され、それ
により図11のJ線のごとくノイズ成分の少ない希望す
る周波数分布特性が得られる。
【0077】ここで、ループバンド幅の効果を説明する
ため、図12(a)を用いて説明する。その場合に前記
制御ループのループバンド幅が狭いと、図12(a)の
K線のごとくその裾野部分においては、電圧制御発振器
208単独の周波数分布特性H線が矯正されず、好まし
くない分布特性となってしまう。すなわち図12(a)
において、Lは制御ループのループバンド幅が小さい場
合を示し、例えば5kHzとなっている。この場合にお
いて中心周波数Iから5kHzまでは上下の周波数を矯
正することができるが、それ以上はH線のままであっ
て、なんら矯正はできなくなってしまうことを示してい
る。一方、Mは制御ループのループバンド幅が大きい場
合を示している。例えば、Mが7kHzであるとする
と、中心周波数Iから7kHzまで上下の周波数を矯正
でき、結果としてK線の領域もJ線のごとく中心周波数
Iに極めて集束させることができる。その結果、Lでの
ノイズ領域に比しMまでそのノイズ領域が低減される。
【0078】そこで本発明は、この制御ループのループ
バンド幅を電圧制御発振器208のノイズに左右されな
い程度に十分大きくしたものであり、図11、図12
(a)のMは約7kHzとしており、その結果としてJ
線のごとく中心周波数Iに極めて集束され、しかも電圧
制御発振器208のノイズが大きくても影響されない理
想的な出力信号が得られる。そして、これが混合器20
6に供給されることになるので、チューニングおよびI
/Q検波は適切に行われることになる。また、分周器2
11の分周比を小さくしているので、チャネル切り換え
などの応答性は極めて高くなるものである。
【0079】さらに基準周波数信号の位相雑音への影響
について図12(b)を用いて説明する。位相比較器2
12に供給される基準周波数信号の、その実質的な中心
周波数を除いての、同一周波数においてその信号レベル
が、ループバンド幅で矯正される前の電圧制御発振器2
08の信号(すなわち分周器211から位相比較器21
2に供給される比較信号)のレベルより大きかったり
(図12(b)N線)、または基準周波数信号の中心周
波数付近の信号レベルの周波数分布特性の、局部発振器
207から混合器206へ出力される中心周波数付近の
信号レベルの周波数分布特性との比較において、この周
波数分布特性の実質的な中心周波数を除いての、中心周
波数からの同一オフセット周波数でのその信号レベル
が、高ループバンド幅で矯正されるべき信号レベルより
大きかったり(図12(b)O線)したら、仮にループ
バンド幅を高くしても、比較対象たる基準周波数信号の
雑音が多いため、それを越える矯正はできない(例えば
後者の図12(b)O線に対しては、同P線による斜線
部。一方前者のN線に対しては全く矯正できない)。
【0080】逆に、少なくともループバンド幅で矯正さ
れる前の電圧制御発振器208の信号より純度がよく、
かつ高ループバンド幅の矯正効果を損なうことのないよ
うな基準周波数信号の発振源を選べば(例えば図12
(b)Q線)、高ループバンド幅の矯正効果を、より経
済的に享受できる。
【0081】なお図10の227はチャンネル切り換え
などを行うコントローラであり、その信号はマイクロコ
ンピュータ228を介して分周器211,215に供給
されるようになっている。
【0082】図13はブロックC,D部分の詳細を示し
ている。電圧制御発振器208はトランジスタ229を
中心とする発振部と、基板上に設けられたストリップ線
路203とバラクタダイオード231,231aとから
成る同調部とで構成されている。それをわかりやすく示
したのが図14(a)である。図14(a)において、
232,233,234は電圧印加用抵抗、235,2
36,237はバイアス用抵抗、238,239は温度
補正用コンデンサ、240は帰還用コンデンサ、24
1,242,243は接地用コンデンサであり、244
は出力用コンデンサである。245はインピーダンス整
合用インダクタンスであり、基板上にパターンで形成さ
れている。また、261は同調部のインダクタンス調整
用の可動導体であり、実施の形態3または5で詳述した
ものである。また、262は同様に接着剤であり、前記
可動導体261を固定してインダクタンス値を長期間に
渡って安定に保つものである。
【0083】再び、図13に戻って、ループフィルタ2
13はコンデンサ246,247、トランジスタ24
8,249等により構成されており、その詳細は図15
に示している。すなわち、位相比較器212からの信号
は、入力端子250から入力され、トランジスタ24
8,249のダーリントン接続で構成された増幅器で増
幅された後出力端子251へ向かう。その一部は抵抗2
52、コンデンサ247を介してトランジスタ248に
フィードバックされ、これによってフィルタ動作が行わ
れる。
【0084】図15において、253はコンデンサ、2
55,256,257は抵抗である。コンデンサ24
6,247としては耐振性を考慮して、フィルムコンデ
ンサを用いた。すなわち、これらのコンデンサにセラミ
ックコンデンサを用いると、振動による圧電効果によ
り、不必要な電圧を生じこれがノイズとなって位相雑音
を劣化させる。従って、そのような圧電効果が少ないリ
ード付フィルムコンデンサを用いたものである。また、
図13のコンデンサ246はフィルムコンデンサである
ので、かなり大きなものになる。そこで、このことを利
用して、このコンデンサ246とストリップ線路230
を結ぶ線路258が通るためのブロックC,D間の仕切
板216に設けた開口をブロックD側において、その開
口間近をコンデンサ246で覆うようにしたものであ
る。これは、この開口を通してブロックC,Dの雑音の
移動が少しでも小さくなる工夫である。
【0085】なお、フィルムコンデンサよりなるコンデ
ンサ246,247は、高温化することに弱く、したが
って、これらコンデンサ246,247の基板への実装
は、この基板の貫通孔にそのリード線を挿入後、この基
板の裏面側において導体パターンと半田付けするが、こ
の貫通孔内には電極を設けないことが重要である。これ
は、この貫通孔内に半田が浸入し、その熱がコンデンサ
246,247に伝わりやすくなることを防止するため
である。また、この図13に示すCの金属製ケース25
9壁面または仕切板216の近傍にストリップ線路23
0を設けたのは、このストリップ線路230にノイズが
侵入するのを少なくする工夫である。次の図13におい
て、トランジスタ260は信号増幅用のものである。
【0086】図14(a)において、ストリップ線路2
30とバラクタダイオード231aとの間には、小容量
(数ピコファラット〜数十ピコファラット)のチップコ
ンデンサ238が装着されており、線路のインピーダン
スを高めている。これは、図16(a)、および図16
(b)に示すように、バラクタダイオード231aリー
ド線等の長さが半田付け等によって実質的に変わったと
しても、チップコンデンサ238で高インピーダンスに
して影響を少なくする工夫である。すなわち、バラクタ
ダイオード231aはチップコンデンサ238に比べて
重さが重く、リフロー半田付けにおいてセルフアライメ
ント効果が期待できない。したがって、リード線の実質
的な長さがばらつきインピーダンスが一定とならない。
一方、チップコンデンサ238は重さが軽いので、リフ
ロー半田付けにおいて、セルフアライメント効果が働
き、その取付位置が一定となる。したがって、ストリッ
プ線路230のインダクタンスは一定となる。また、チ
ップコンデンサ238とバラクタダイオード231aの
間のインダクタンスは、ばらつく可能性が有るが、チッ
プコンデンサ238によって高インピーダンスと成って
いるので、この工夫により発振周波数のばらつきを少な
くしている。
【0087】さらに、図14(a)に示すように、この
チップコンデンサ238と合わせてチップコンデンサ2
39を共に温度補正コンデンサにすることにより、より
詳細な温度補正特性が実現でき、温度に対して安定な電
圧制御発振器が得られる。
【0088】図14(b)は、図14(a)におけるス
トリップ線路230周辺のばらつきを小さくするための
チップコンデンサ238を不要とし、しかも良好な同調
部が得られる実施の形態である。図14(b)におい
て、発振周波数制御電圧の入力端子263から抵抗23
2を介してバラクタダイオード231のカソード側に接
続されるとともにアノード側はアースに接続されてい
る。そして、前記抵抗232とバラクタダイオード23
1の接続点と、発振部のトランジスタ229との間に、
可動導体261と、バラクタダイオード231aと、ス
トリップ線路230とがこの順に直列接続されるととも
に、トランジスタ229側に前記ストリップ線路230
側が接続されている。ここで、可動導体261は6nH
程度のインダクタンスであり、ストリップ線路230は
長さ4〜6mm、幅略1mm程度の印刷パターンで形成され
ている。
【0089】ここで仮に、可動導体261とストリップ
線路230の両方が、バラクタダイオード231および
同231aの両カソード側の間に配置された場合を考察
してみる。バラクタダイオード231と同231aの間
に、可動導体261とストリップ線路230の両方の浮
遊容量を有するので、単にバラクタダイオード231お
よび同231aの両カソード側を接続した場合に比し、
その同調周波数範囲は前記浮遊容量の大きさに比例して
広くなる。この場合、所望の範囲まで広くする必要があ
るのはいうまでもないが、それ以上同調周波数範囲を広
げると、同調感度(バラクタダイオード231aの容量
変化に対する、同調周波数の変化の度合い)が大きくな
るため、ループフィルタ213へノイズが飛び込んだ場
合、それにより発生した電圧が電圧接続発振器の周波数
をより大きく変化させるので、位相雑音が増えるという
弊害が生ずる。よってバラクタダイオード231と同2
31aの間の浮遊容量は最適値が存在する。一方、その
最適値を得るべく、可動導体261とストリップ線路2
30の浮遊容量の値を小さくしようとすると、各々とも
その表面積が小さくなってしまう。その結果、表皮効果
により損失が増えて抵抗が増し、Q値が下がって位相雑
音が劣化する。従って各々その浮遊容量の値は一定以上
を確保する必要があり、それがために同調感度を下げる
のにも限界がある。
【0090】結局バラクタダイオード231と同231
aの間の浮遊容量は最適値を確保するには、可動導体2
61とストリップ線路230のいずれかを、バラクタダ
イオード231aと発振部のトランジスタ229との間
に移す必要があることがわかる。そして、この場合は可
動導体261ではなくストリップ線路230を移すこと
が重要である。すなわち、この構成により、発振部のト
ランジスタ229側には固定化されたインダクタンスを
もつストリップ線路230が設けられているので、高調
波モードによる不安定な結合は生ぜず、調整は容易であ
る。仮に可動導体261をトランジスタ229側に設け
たとすると、可動導体261とトランジスタ229が近
接するので、可動導体261の調整の仕方によっては、
高調波モードによる不安定な結合が発生して、安定な発
振が得られない。
【0091】以上により改めて本例に戻れば、例えば略
1pF〜15pF程度の可変容量のバラクタダイオード
231aと、ストリップ線路230と、調整用の可動導
体261の要素が有る場合において、可動導体261の
みを、バラクタダイオード231および同231aの両
カソード側の間に配置すれば、適正な同調を確保できる
範囲(1330MHz〜2700MHzの発振周波数範
囲)内で、より同調感度を下げることができる。この場
合、可動導体261もしくはストリップ線路230を分
断することなく最小限の要素でその間にバラクタダイオ
ード231aを配置するので、実装効率もよく、入力信
号の同調の確保と位相雑音の低減をバランスさせてい
る。
【0092】次に、高ループバンド幅化について説明す
る。図10において、水晶振動子214からの信号を分
周する分周器215の分周比を小さくすることにより比
較周波数を高くし、低分周にすることで高ループバンド
幅化が可能となる。しかしながら、選局のステップが粗
くなり、受信チャンネルの選局のずれが大きくなってし
まう。そこで、チャンネルによって分周器215の分周
比を1〜2割程度可変させることにより、ずれが最小に
なるように補正することができ、所望の同調を確保しつ
つ高ループバンド幅化が実現できる。
【0093】すなわち、局部発振周波数をFVCO、64
/65分周の2モジュラスタイプのメインカウンタを
N、スワローカウンタをAとし、基準信号周波数をXta
l、基準分周器の分周比をRとすると(数1)となる。
【0094】
【数1】
【0095】仮に、FVCO=1800MHz、Xtal=1
6MHz、R=32とした場合(N,A)=(56,1
6)となる。このとき、Aを繰り上げても16/32=
0.5MHzステップでしか可変できない。しかし、R
=33、(N,A)=(58,1)とすると(数2)と
なり、0.24・・MHzステップの微調整が可能とな
り、高ループバンド幅の特性を維持しつつ微調整が可能
となるのである。
【0096】
【数2】
【0097】また、電圧制御発振器208の出力周波数
が高くなるほど、電圧制御発振器208の周波数制御感
度が低くなり、高ループバンド幅による出力周波数近傍
の位相雑音改善効果が少なくなる。そこで、基準分周器
の分周比を出力周波数が高くなるほど分周比を小さくし
て、高ループバンド幅にすることで位相雑音を改善して
いる。
【0098】一例として、低い周波数FVCO1=1488
MHz、高い周波数FVCO2=2500MHzの場合、基
準分周器の分周比をそれぞれR1=45、R2=32と
して、(数1)を用いて計算すると、それぞれ(数
3)、(数4)のようになる。
【0099】
【数3】
【0100】
【数4】
【0101】上記した関係式で出力周波数設定をしてい
る。すなわち、低い周波数FVCO1の場合は16/45=
0.35MHz、高い周波数FVCO2の場合は16/32
=0.5MHzの比較周波数に設定し高ループバンド幅
を実現している。
【0102】次に、可変減衰器204,220について
説明する。図10、図13において、AGC226は、
可変減衰器204,220の両方に制御電圧をそれぞれ
供給している。前段の可変減衰器204は、混合器20
6で発生する強電界多信号時の混変調を制御するよう入
力レベルを可変している。また、全体での利得を可変減
衰器220で調整し、その動作範囲は50dB以上とし
ている。これにより、広い入力レンジを実現している。
【0103】(実施の形態7)次に、ロールオフ特性を
有した中間周波数同調フィルタについて説明する。図1
7は、図10、図13のE部の別の例を示している。3
03と304は切替スイッチであり、301,302は
ロールオフ特性を持ち、異なる帯域幅を有する中間周波
数同調フィルタである。外部からスイッチ信号305に
よって、切替スイッチ303と304が連動して切替わ
り、中間周波数信号は中間周波数同調フィルタ301か
302かを選択的に通過することになる。このことによ
り、受信する高周波信号の帯域幅が伝送レートにより異
なった場合でも最適受信を可能にしている。
【0104】(実施の形態8)以下本発明の実施の形態
8について説明する。図18において、本発明の高周波
装置は、高周波ディジタル信号が入力される入力端子4
01と、この入力端子401に接続された入力フィルタ
402と、この入力フィルタ402の出力が一方の入力
に供給されるとともに他方の入力には第1の発振器40
3の一方の出力が接続された混合器404と、この混合
器404の出力が供給される中間周波数同調表面波フィ
ルタ405と、この中間周波数同調表面波フィルタ40
5の出力が接続されたI/Q検波器406と、周波数制
御データが入力される制御端子407と、この制御端子
407に増算/減算カウンタ408を介して接続された
PLL部409と、このPLL部409は前記第1の発
振器403の他方の出力が接続されるとともに、このP
LL部409の出力と前記第1の発振器403の入力と
の間に接続されたループフィルタ(以下、低域フィルタ
という)410とを有している。また、前記I/Q検波
器406は、前記中間周波数同調表面波フィルタ405
の出力が接続された2分配器411と、この2分配器4
11の一方の出力が一方の入力に接続された第1の検波
器412と、この第1の検波器412の他方の入力には
第2の発振器413の出力が接続されるとともに、第1
の検波器412の出力であるI信号出力は第1の出力端
子414に接続されている。また、前記2分配器411
の他方の出力が一方の入力に接続された第2の検波器4
15と、この第2の検波器415の他方の入力に90度
位相器416が接続されるとともに、この90度位相器
416の入力に第2の発振器413が接続されている。
また前記第2の検波器415のQ信号出力は第2の出力
端子417に接続されている。そして第2の発振器41
3は、表面波共振器418を用いた共振素子により発振
器を構成し、前記表面波共振器418の基板と、前記中
間周波数同調表面波フィルタ405の基板とは同一材質
の基板を用いたものである。さらにI信号出力とQ信号
出力とが接続された周波数誤差検出器419が、増算/
減算カウンタ408に接続されている。
【0105】以上のように構成された高周波ディジタル
信号受信装置について、以下その動作を説明する。前記
制御端子407に最初に入力された制御データにより第
1の発振器403はその発振周波数が決定される。これ
により得られた中間周波数信号456を図19に示して
いる。ここで、中間周波数信号456はfoを中心とし
ている。
【0106】外部の温度変化等により中間周波数同調表
面波フィルタ405の中心周波数foおよび前記第2の
発振周波数foは、同一基板材質を用いているので、と
もにfo+αほど変化する。中間周波数信号が456の
ままであると、中間周波数同調表面波フィルタ405の
中心周波数が外部の温度変化等によりfo+αほど変化
するので、I信号出力のベースバンド信号457とQ信
号出力のベースバンド信号458との対称性がくずれ
る。この場合特にQ信号出力のベースバンド信号帯域が
狭くなって検波誤差を生じる。そこでこのようなベース
バンド信号の周波数誤差に応じて前記増算/減算カウン
タにより中間周波数信号が459のようにfo+αにな
るよう、前記第1の発振器403を制御する。その結
果、I信号出力のベースバンド信号460と信号出力の
ベースバンド信号461とは、ともにバランスするので
検波誤差は生じない。
【0107】なお、中間周波数同調表面波フィルタ40
5の3dBカットオフ周波数の帯域幅を、受信信号のシ
ンボルレートに等しい周波数帯域幅の−0%以上+5%
以内にした場合には、第1の出力端子414および第2
の出力端子417の次段に必要なロールオフフィルタが
不要となる。すなわち、中間周波数同調表面波フィルタ
405にロールオフフィルタの機能もあわせて持たせる
ことができる。
【0108】すなわち、図19(b)に示すように、中
間周波数同調表面波フィルタ405の帯域特性の3dB
ダウンする周波数の帯域幅を受信信号のシンボルレート
に等しい帯域幅の−0%以上+5%以内にする。そうす
ると、I信号出力のベースバンド信号460とQ信号出
力のベースバンド信号461の3dBカットオフ周波数
は、それぞれシンボルレートの1/2の帯域幅の−0%
以上+5%以内となる。すなわち、ロールオフフィルタ
の機能は中間周波数同調表面波フィルタ405で−0%
以上+5%以内の精度で実現できる。それゆえに第1の
出力端子414および第2の出力端子417の次段に、
ロールオフフィルタを新たに追加する必要がない。よっ
て本実施の形態によれば、ロールオフフィルタの機能を
新たに追加する必要がなくなるので低価格な高周波装置
が実現できる。
【0109】(実施の形態9)以下本発明の実施の形態
9について説明する。図20は、本発明の実施の形態9
における高周波装置のブロック図である。
【0110】図20において、501は、入力端子であ
り、この入力端子501に接続された固定入力フィルタ
502と、この固定入力フィルタ502の出力側に接続
された第1の利得制御増幅器504と、この第1の利得
制御増幅器504の利得制御入力に接続された利得制御
端子503と、前記第1の利得制御増幅器504の出力
が一方の入力に接続された混合器505と、この混合器
505の他方の入力に一方の出力が供給された第1の発
振器506と、この第1の発振器506の他方の出力が
接続されたPLL制御部508と、このPLL制御部5
08の出力と前記第1の発振器506の入力との間に接
続されたループフィルタ(以下、低域フィルタという)
509と、前記PLL制御部508の周波数データ入力
端子に接続された制御端子507と、前記混合器505
の出力が接続された第2の利得制御増幅器510と、こ
の第2の利得制御増幅器510の利得制御入力は前記利
得制御端子503に接続されるとともにこの第2の利得
制御増幅器510の出力が接続された中間周波数同調フ
ィルタ511と、この中間周波数同調フィルタ511の
出力が接続されたI/Q検波器519と、このI/Q検
波器519のQ信号出力が接続された第1の出力端子5
17と、前記I/Q検波器519のI信号出力が接続さ
れた第2の出力端子518で構成されている。
【0111】このI/Q検波器519の構成は次のよう
になっている。すなわち、前記中間周波数同調表面波フ
ィルタ511の出力が接続された2分配器512と、こ
の2分配器512の一方の出力が一方の入力に接続され
た第1の検波器513と、この第1の検波器513の他
方の入力に接続された90度位相器514と、この90
度位相器514の入力に接続された第2の発振器515
と、前記2分配器512の他方の出力が一方の入力に接
続された第2の検波器516と、この第2の検波器51
6の他方の入力には前記第2の発振器515が接続され
るとともにその出力は第2の出力端子518に接続され
ている。また前記第1の検波器513の出力は第1の出
力端子517に接続されている。そして前記第1の発振
器506の周波数は、前記同調フィルタ511に入力さ
れる中間周波数が前記入力端子501に入力される信号
の最大周波数と最小周波数の差の2分の1より大きくし
たものである。
【0112】以上のように構成された高周波装置につい
て、以下その動作を説明する。今仮に、中間周波数をI
F、前記入力端子に入力される最大周波数をRFma
x、最小周波数をRFminとする。さらに上側へテロ
ダイン方式のイメージ妨害周波数をImとしてIm>R
Fmaxなる関係であればイメージ妨害周波数が高周波
装置の入力端子501に入力されないことになる。
【0113】一方Im=RF+2*IFであることか
ら、Imが最小周波数になる時の周波数は、RFmin
+2*IFである。すなわち RFmin+2*IF>RFmax、 この式を変形して、 IF>(RFmax−RFmin)/2 となる。したがって、第1の発振器506はその発振周
波数が前記入力端子501に入力される信号の最大周波
数RFmaxと、最小周波数RFminの差の2分の1
より大きい中間周波数IFが得られるようにすれば、た
とえイメージ妨害周波数IFが前記入力端子501に入
力されたとしても、RFmaxより大きいので前記固定
入力フィルタ502により前記中間周波数同調フィルタ
511を通過することはできないことになる。
【0114】本実施の形態では、RFmax=550M
Hz、RFmin=50MHzであるので(550−5
0)/2=250MHz以上に中間周波数IFを設定す
ることで、イメージ妨害周波数Imが前記入力端子50
1に入力されたとしても、前記固定入力フィルタ502
により前記中間周波数同調フィルタ511からは出力さ
れない。
【0115】現在、多くのCATV下り信号において、
612MHz帯は信号伝送に使用されていない空きチャ
ンネルとなっている。そこで本実施の形態の1つの例で
は、前記612MHz帯を高周波装置の中間周波数に設
定している。
【0116】また、別の実施の形態として、612MH
z帯に対する直接妨害がある場合には、これを防ぐため
に前記固定入力フィルタ502に612MHz帯の減衰
用のトラップを付加することとした。
【0117】ゆえに、入力端子501に入力される信号
の最大周波数RFmaxと最小周波数RFminの差の
2分の1より大きい中間周波数IFが得られるようにす
ることによりイメージ妨害周波数Imを除去するフィル
タが不要になる。すなわち前記入力端子501に入力さ
れる周波数(RFmax〜RFmin)のみを通過させ
る簡単な固定入力フィルタ502を配置するだけでよ
い。
【0118】また、前記固定入力フィルタ502は、最
小周波数RFmin以下の周波数を通過させないので、
CATVの上り信号からの妨害を受けない。よって簡単
な制御方式で高周波装置が提供できる。
【0119】なお、同一シールドケース内に実施の形態
5の高周波装置を収めることにより、本高周波装置に対
するロック妨害を防ぐことができる。
【0120】(実施の形態10)図21において、60
1は直方体をした金属製のケースであり、いわゆるチュ
ーナ部を構成する。この金属製のケース601の一方の
側面においては入力端子602が設けられており、他方
の側面には出力端子603が設けられている。そして、
このケース601内には前記入力端子602に入力され
た信号が供給されるとともに、他方の入力には局部発振
器の出力が供給される混合器と、この混合器と前記出力
端子603との間に設けられたI/Q抽出手段とが実装
されている。604はケース601を親基板に装着する
ための脚である。また、605はケース601の最大面
積を有する平面の長手方向に設けられた入出力端子群で
あり、混合器、局部発振器、I/Q抽出手段等に接続さ
れている。ここで、I/Q抽出手段とはI/Q検波器ま
たはA/D変換器の少なくとも一方を含む概念である。
【0121】606は基板であり、この基板606の表
面には集積回路で構成された復調部を構成する復調器6
07が載置されている。そして、この復調器607の入
力は基板606の入力端子608に接続されており、前
記出力端子603とコネクタで接続される。609は基
板606に設けられた入出力端子群であり、復調器60
7に接続されるとともに、基板606の長手方向に設け
られている。
【0122】610は基板606の入力端子608側に
設けられた連結部材であり、この連結部材610で前記
ケース601の出力端子603側の側面に連結される。
ここで、基板606はケースで覆われていない。すなわ
ち、この基板606上に載置された復調器607は直接
外気に触れるようになっている。これは、この復調器6
07が2W程度の大電力を消費することにより生ずる熱
を放熱させるためである。
【0123】なお、本実施の形態では入力端子群60
5,609を最大面積側に設けることにより、親基板に
はいわゆる伏型装着が可能となり、親基板の厚みを小さ
くし薄型が実現できる。これとは別に、図22に示すよ
うに、前記最大面積側に隣接する長手方向の側面に入出
力端子群605,609を設けて、いわゆる縦型実装し
て親基板への実装面積を小さくすることも可能である。
【0124】また、図23に示すように、ケース601
内の基板と復調器607が載置された基板619とを一
枚の基板上に構成することもできる。
【0125】図24(a)は、復調器607が載置され
た基板606の要部断面図である。基板606表面の復
調器607の下部には銅箔611が敷設され、前記復調
器607の下面に当接している。また、基板606の裏
面にも銅箔612が敷設されており、前記銅箔611と
は複数個のスルーホール613で接続されている。この
ことにより、復調器607で発生する熱は銅箔611に
伝えられるとともにスルーホール613を介して基板6
06の裏面側の銅箔612から放熱される。
【0126】図24(b)は、基板606の裏面から見
た要部平面図である。図24(b)において、銅箔61
2上にはレジスト印刷614により、複数の短冊状のレ
ジスト印刷614の不形成部615が設けられている。
このレジスト不形成部615には、半田付けにより凸形
状の半田616が付着し、この半田616によりさらに
効率の良い放熱が可能となる。前記スルーホール613
は、レジスト印刷614上に設けられている。このスル
ーホール613をレジスト印刷614上に設けるのは、
半田616が復調器607側に浸入してショート等を生
じさせないためである。また、この複数個設けられた半
田616の第1の半田と第2の半田間のレジスト印刷6
14の幅は略等しくしている。本実施の形態ではこの幅
を1mmとしている。また、スルーホール613の径は
0.5mmであり、復調器607の下面中心部に集中し
て15個設けている。
【0127】図25は、スルーホールを設ける代わり
に、復調器607を載置する基板617の前記復調器6
07の下面に孔618を設けたものである。この孔61
8は、復調器607のチップサイズより大きく、その外
形より小さいものである。この孔618は角孔でも丸孔
でも良いが、復調器607の外形より0.5mm小さい
範囲内において、できるだけ大きい孔618とした方が
放熱上好ましい。上記0.5mmとしたのは、たとえ復
調器607の実装位置が多少ずれたとしても実装できる
ための配慮である。
【0128】図26は、高周波装置を実装するケース6
20内に、第1の基板621と、第2の基板622を平
行に配設したものである。そして、第1の基板621に
はチューナ部が実装され、第2の基板622には復調部
が実装されている。このように実装することにより、チ
ューナ部と復調部とを最適の部品実装場所で、かつ最短
距離で接続することができるので、高周波装置の小型化
が図れる。
【0129】(実施の形態11)図27は、本発明の実
施の形態11における高周波装置の各ブロックのレイア
ウトを示したブロック図である。
【0130】図27において、701は入力端子であ
り、この入力端子701に接続された固定入力フィルタ
702と、この固定入力フィルタ702の出力側に接続
された第1の利得制御増幅器704と、この第1の利得
制御増幅器704の利得制御入力に接続された利得制御
端子703と、前記第1の利得制御増幅器704の出力
に一方の入力が接続された混合器705と、この混合器
705の他方の入力に一方の出力が接続された第1の発
振器706と、この第1の発振器706の他方の出力が
接続されたPLL制御部708と、このPLL制御部7
08の出力と前記第1の発振器706の入力との間に接
続されたループフィルタ(以下、低域フィルタという)
709と、前記PLL制御部708の周波数データ入力
端子に接続された制御端子707と、前記混合器705
の出力が接続された第2の利得制御増幅器710と、こ
の第2の利得制御増幅器710の利得制御入力は前記利
得制御端子703に接続されるとともに、この第2の利
得制御増幅器710の出力が接続された中間周波数同調
フィルタ711と、この中間周波数同調フィルタ711
の出力が接続されたI/Q検波器719と、このI/Q
検波器719のQ信号出力が接続された第1の出力端子
717と、前記I/Q検波器719のI信号出力が接続
された第2の出力端子718で構成されている。
【0131】また、このI/Q検波器719の構成は次
のようになっている。すなわち、前記中間周波数同調フ
ィルタ711の出力が接続された2分配器712と、こ
の2分配器712の一方の出力が一方の入力に接続され
た第1の検波器713と、この第1の検波器713の他
方の入力に接続された90度位相器714と、この90
度位相器714の入力に接続された第2の発振器715
と、前記2分配器712の他方の出力が一方の入力に接
続された第2の検波器716と、この第2の検波器71
6の他方の入力には前記第2の発振器715が接続され
るとともにその出力は第2の出力端子718に接続され
ている。また前記第1の検波器713の出力は第1の出
力端子717に接続されている。そしてこれらの部品
は、同一シールドケース740内に収められている。
【0132】以下、この金属製のシールドケース740
内に収納された各々の部品配置について説明する。シー
ルドケース740は、第1の横側板741と、この第1
の横側板741と平行に設けられた第2の横側板742
と、この横側板741,742と垂直に設けられた第1
の縦側板743と第2の縦側板744からなる平行四辺
形をしている。そして縦側板743,744と平行に金
属製の仕切板が第1の縦側板743側から順に第1の仕
切板745、第2の仕切板746、第3の仕切板747
が設けられている。
【0133】また第1の縦側板743から第1の仕切板
745を貫通して第2の仕切板746まで第4の仕切板
748が第1の横側板741と平行に設けられて各々の
区画室を形成している。
【0134】仕切板745と仕切板748と横側板74
2で仕切られる区画室749には、縦側板743に設け
られた入力端子701と、固定入力フィルタ702と、
第1の利得制御増幅器704が設けられている。仕切板
745と仕切板746と仕切板748と横側板742で
仕切られる区画室750には、混合器705が実装され
ている。仕切板745と仕切板746と横側板741で
仕切られる区画室751には発振器706が実装されて
いる。仕切板748と仕切板745と横側板741で仕
切られる区画室752には、PLL制御部708とと、
低域フィルタ709が実装されるとともに、横側板74
1には利得制御端子703と制御端子707とが装着さ
れている。仕切板746と仕切板747で仕切られる区
画室753には、横側板742側に第2の利得制御増幅
器710、横側板741側に中間周波数同調フィルタ7
11が実装されている。
【0135】また、仕切板747と横側板741,74
2、縦側板744で仕切られる区画室754にはI/Q
検波器719が実装されるとともに縦側板744には第
1の出力端子717と第2の出力端子718とが装着さ
れている。これは第1の検波器713から第1の出力端
子717までの長さと、第2の検波器716から第2の
出力端子718までの長さを等しくして、I/Q検波出
力の対称性を保つようにするためである。
【0136】なお、I/Q検波出力の対称性を保ちなが
ら、第1の出力端子717と第2の出力端子718を横
側板741に設けてもよい。この場合は横側板741側
を下にして親基板にシールドケース740を植設する
と、信号が親基板側に同一方向に並ぶので配線上の都合
がよい。また、第2の利得制御増幅器710に接続され
る利得制御端子703は区画室753の横側板741側
に設けてもよい。この場合利得制御端子703の数は多
くなるが区画室749や区画室750内のノイズを拾う
ことはない。また、シールドケース740を伏せ型とし
て親基板に装着すると振動に対して安定になるので、特
に振動に対して本高周波装置が安定である必要がある場
合には、伏せ型として親基板に装着することが好まし
い。
【0137】いずれにしても、このように扱う周波数、
機能により区画室に分割して本実施例のように収納する
ことが重要である。特に仕切板746と仕切板747は
場合によっては2重にして仕切を完全にすることが好ま
しい。
【0138】ここで各区画室の機能と周波数を説明す
る。区画室749は、50MHz〜550MHzの入力
信号のフィルタ702、第1の利得制御増幅器704で
あり、外部からの妨害信号を受けないようにすることが
重要である。区画室750は、入力周波数を612MH
z帯の中間周波数に変換する混合器であり、外部にこの
信号が漏れないようにすることが重要である。この中間
周波数を612MHz帯にする理由については、実施の
形態9に詳述している。区画室751は、約662MH
z〜1162MHzの可変周波数であり、外部へ信号が
漏れないようにすることが重要である。区画室752
は、選局のためのディジタル信号であり、このディジタ
ル信号が外部や区画室749に漏れないように配慮する
ことが重要である。区画室753は中間周波数である6
12MHz帯を精度よく増幅する所であり、外部からの
妨害信号の侵入を極力小さくする必要がある。すなわち
仕切板746、仕切板747はより完全に装着する必要
がある。区画室754は、I/Q検波器であり612M
Hz帯から検波出力信号周波数帯域を扱っている。ここ
では、外部からの信号の侵入を防ぎ、誤りの少ない検波
を行う必要がある。このように各区画室を配置すること
により、前記第1の発振器706と、前記第2の発振器
715は、仕切板746および仕切板747により分離
され、かつ対角線上に配置されている。
【0139】以上のように構成された高周波装置につい
て以下にその動作を説明する。入力端子701に入力さ
れた50MHz〜550MHzの高周波ディジタル信号
は固定入力フィルタ702で50MHz〜550MHz
以外の不要な信号を除去する。その後第1の利得制御増
幅器704で増幅された後、発振器706から与えられ
る周波数は混合器705で混合されて612MHz帯の
中間周波数を得る。この中間周波数は、第2の利得制御
増幅器710で増幅された後、中間周波数同調フィルタ
711で中間周波数である612MHz帯のみが得られ
る。その後I/Q検波器719で検波されてI信号出力
は第2の出力端子718から出力されるとともに、Q信
号出力は第1の出力端子717から出力される。そして
このI信号出力、Q信号出力はその後ディジタルクロッ
クを保有しているディジタル信号復調器で処理されるの
である。
【0140】以上のように本実施の形態によれば、前記
同一シールドケース740内に本実施の形態の高周波装
置を収めることにより、そのシールドケース740が備
えている遮蔽効果により本高周波装置に対するディジタ
ルクロック妨害を防ぐことができる。
【0141】また別の効果として、前記第1の発振器7
06と、前記第2の発振器715の相互干渉によるスプ
リアス妨害を低減するために、仕切板746および仕切
板747により、前記第1の発振器706と、前記第2
の発振器715を分離し、かつ対角線上に配置すること
で前記第1の発振器706と、前記第2の発振器715
の相互干渉によるスプリアス妨害を低減できるという効
果もある。
【0142】また別の効果として、区画室752を分離
することにより、選局用のディジタル信号が他の区画室
に妨害を与えないという効果もある。
【0143】また別の効果として、区画室753を設け
ることにより、前記第1の発振器706と、前記第2の
発振器715を分離できるので前記第1の発振器706
と、前記第2の発振器715の相互干渉によるスプリア
ス妨害を低減できるという効果もある。
【0144】また別の効果として、I/Q検波出力の対
称性を保ちながら第1の出力端子717と第2の出力端
子718を横側板741に設けることで、横側板741
側を下にして親基板にシールドケース740を植設する
と信号が親基板側に同一方向に並ぶので配線上の都合が
よいという効果もある。
【0145】
【発明の効果】以上のように本発明によればディジタル
変調された高周波信号が入力される入力端子と、この入
力端子に入力された信号が一方の入力に供給されるとと
もに他方の入力には局部発振器の出力信号が供給される
混合器と、この混合器の出力信号が供給される出力端子
とを備え、前記局部発振器は、圧電制御発振器と、この
電圧制御発振器の制御ループに介在された分周器、位相
比較器、ループフィルタとを含み、前記電圧制御発振器
は、発振部と同調部を有し、この同調部は周波数調整部
と、この周波数調整部の調整後の状態を維持させる維持
手段とを有するとともに、前記制御ループは前記局部発
振器のノイズが、前記電圧制御発振器のノイズにより左
右されない程度の十分に大きな高ループバンド幅とした
高周波装置である。したがって、上記の構成とすれば、
電圧制御発振器の同調部として周波数調整部を設けてい
るので容易に同調調整が行え、しかもこの周波数調整部
の調整後の状態は維持手段によって維持されるので耐振
性を始めとする長期に渡る発振周波数の安定性は十分に
確保される。この様に耐振性等を確保するために維持手
段を用いると、その誘電率が空気よりも大きいことから
浮遊容量が形成され、それによって誘電損失が発生する
ので、発振特性が悪化するが、本発明では電圧制御発振
器の制御ループを、局部発振器のノイズが電圧制御発振
器のノイズにより左右されない程度に大きな高ループバ
ンド幅としたので、それを広い周波数幅で矯正すること
ができ、その結果として局部発振器から混合器に出力さ
れる出力信号を位相雑音の少ないクリアなものとするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による高周波装置のブロ
ック図
【図2】(a)は、同、高周波装置の局部発振器の斜視
図 (b)は、同、要部側面図
【図3】(a)は、同、高周波装置の他の例による局部
発振器の斜視図 (b)は、同、要部側面図
【図4】本発明の実施の形態2による高周波装置のブロ
ック図
【図5】(a)は、同、高周波装置の局部発振器の同調
部に使用する第1の例によるインダクタンスの正面図 (b)は、同、高周波装置の局部発振器の同調部に使用
する第2の例によるインダクタンスの組立て斜視図 (c)は、同、第3の例のインダクタンスの斜視図
【図6】本発明の実施の形態3による高周波装置のブロ
ック図
【図7】(a)は、同、高周波装置の局部発振器の斜視
図 (b)は、同、局部発振器の調整部の要部側面図 (c)は、同、第2の例による調整部の要部側面図
【図8】(a)は、本発明の実施の形態4による局部発
振器の斜視図 (b)は、同、局部発振器の調整部の要部側面図 (c)は、同、局部発振器の調整部の要部斜視図 (d)は、同、第2の例による調整部の要部斜視図
【図9】(a)は、本発明の実施の形態5による局部発
振器の斜視図 (b)は、同、局部発振器の可動導体の要部側面図 (c)は、同、局部発振器のパターンインダクタンスに
形成された調整部の要部平面図
【図10】本発明の実施の形態6による高周波装置のブ
ロック図
【図11】同、高周波装置の局部発振器の特性を説明す
るための第1の周波数特性図
【図12】(a)は、同、高周波装置の局部発振器の特
性を説明するための第2の周波数特性図 (b)は、同、高周波装置の局部発振器の特性を説明す
るための第3の周波数特性図
【図13】同、高周波装置の詳細ブロック図
【図14】(a)は、同、高周波装置の電圧制御発振器
の第1の例を示す回路図 (b)は、同、高周波装置の電圧制御発振器の第2の例
を示す回路図
【図15】同、高周波装置の局部発振器のループフィル
タの回路図
【図16】(a)は、同、高周波装置の電圧制御発振器
の要部平面図 (b)は、同、高周波装置の電圧制御発振器の要部側面
【図17】本発明の実施の形態7による高周波装置のブ
ロック図
【図18】本発明の実施の形態8による高周波装置のブ
ロック図
【図19】(a)〜(d)は、同、高周波装置の要部波
形図
【図20】本発明の実施の形態9による高周波装置のブ
ロック図
【図21】本発明の実施の形態10による高周波装置の
第1の例による斜視図
【図22】同、高周波装置の第2の例による斜視図
【図23】同、高周波装置の第3の例による斜視図
【図24】(a)は、同、高周波装置の復調器の要部断
面図 (b)は、同、復調器の基板裏面から見た要部平面図
【図25】同、高周波装置の復調器の第2の例による斜
視図
【図26】同、高周波装置の第4の例による部分破砕側
面図
【図27】本発明の実施の形態11による高周波装置の
ブロック図
【符号の説明】
101 入力端子 103 第1の発振器 104 混合器 107 第1の出力端子 108 第2の出力端子 111 PLL部 112 低域フィルタ 113 位相比較器 118 分周器 119 可動導体 120 接着剤

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル変調された高周波信号が入力
    される入力端子と、この入力端子に入力された信号が一
    方の入力に供給されるとともに他方の入力には局部発振
    器の出力信号が供給される混合器と、この混合器の出力
    信号が供給される出力端子とを備え、前記局部発振器
    は、電圧制御発振器と、この電圧制御発振器の制御ルー
    プに介在された分周器、位相比較器、ループフィルタと
    を含み、前記電圧制御発振器は、発振部と同調部を有
    し、この同調部は周波数調整部と、この周波数調整部の
    調整の状態を維持させる維持手段とを有し、前記制御ル
    ープは前記局部発振器のノイズが、前記電圧制御発振器
    のノイズにより左右されない程度の十分に大きな高ルー
    プバンド幅とした高周波装置。
  2. 【請求項2】 周波数調整部は、基板上に可動状態に設
    けられた導電性部材により構成され、維持手段として用
    いた固定部材により固定された請求項1に記載の高周波
    装置。
  3. 【請求項3】 同調部を構成するインダクタンス素子と
    してパターンインダクタンス線路を用い、このパターン
    インダクタンス線路の近傍に可動導体を植設し、この可
    動導体を可動させて調整するとともに、維持手段として
    用いた固定部材で固定した請求項1に記載の高周波装
    置。
  4. 【請求項4】 可動導体は、パターンインダクタンス線
    路の幅中心上方であって、このパターンインダクタンス
    線路と略平行に設けられた請求項3に記載の高周波装
    置。
  5. 【請求項5】 可動導体は、パターンインダクタンス線
    路の開放端近傍に植設した請求項3に記載の高周波装
    置。
  6. 【請求項6】 同調部を構成するインダクタンス素子と
    して、空芯コイルまたは平板ラインを植設し、この空芯
    コイルまたは平板ラインを調整するとともに、維持手段
    として用いた固定部材で固定した請求項1に記載の高周
    波装置。
  7. 【請求項7】 周波数調整部は、維持手段として用いた
    巻芯の外周に巻き付けた導体により構成された請求項1
    に記載の高周波装置。
  8. 【請求項8】 同調部を構成するインダクタンス素子
    は、筒形をした絶縁体と、この絶縁体の外周に巻き付け
    られた導体と、前記絶縁体内に設けられた凹ネジと、こ
    の凹ネジに嵌合する凸ネジが外周に設けられた可動芯と
    で構成された請求項1に記載の高周波装置。
  9. 【請求項9】 同調部を構成するインダクタンス素子と
    して、パターンインダクタンス線路と可動導体を直列に
    接続し、この可動導体を調整するとともに、維持手段と
    して用いた固定部材で固定した請求項1に記載の高周波
    装置。
  10. 【請求項10】 同調部を構成するインダクタンス素子
    として、パターンインダクタンス線路を用い、このパタ
    ーンインダクタンス線路上に設けられた調整部をトリミ
    ング調整するとともに、このトリミング箇所を被覆材で
    被覆した請求項1に記載の高周波装置。
  11. 【請求項11】 パターンインダクタンス線路と直列に
    可動導体を接続し、この可動導体を調整するとともに、
    維持手段として用いた固定部材で固定した請求項10に
    記載の高周波装置。
  12. 【請求項12】 局部発振器と、混合器を金属製のケー
    ス内に収納するとともに、前記局部発振器の同調部の一
    部を構成する基板上に敷設されたパターンインダクタン
    ス線路を金属製のケース、または仕切板の近傍に設けた
    請求項1に記載の高周波装置。
  13. 【請求項13】 ループフィルタのキャパシタンスとし
    て、フィルムコンデンサを用いた請求項1に記載の高周
    波装置。
  14. 【請求項14】 フィルムコンデンサを基板の表面側に
    実装し、そのリード線を前記基板に設けられた貫通孔に
    挿入するとともに、この基板裏面側において導体パター
    ンと半田付けし、前記貫通孔内は非電極形成部とした請
    求項13に記載の高周波装置。
  15. 【請求項15】 ループフィルタと局部発振器を仕切板
    で仕切るとともに、この仕切り板には前記ループフィル
    タと前記局部発振器間を接続する導体パターンを通すた
    めの開口を設け、この開口の近傍に、この開口を覆うよ
    うにフィルムコンデンサを実装した請求項13に記載の
    高周波装置。
  16. 【請求項16】 ループフィルタは、2段のトランジス
    タで構成された請求項1に記載の高周波装置。
  17. 【請求項17】 同調部を構成する可動導体と、バラク
    タダイオードと、パターンインダクタンス線路とを順に
    直列接続するとともに、発振部側に前記パターンインダ
    クタンス線路側が接続された請求項1に記載の高周波装
    置。
  18. 【請求項18】 同調部を構成するバラクタダイオード
    とパターンインダクタンス線路との直列接続間に、小容
    量のチップコンデンサが前記パターンインダクタンス線
    路に近接して装着された請求項1に記載の高周波装置。
  19. 【請求項19】 同調部を構成するバラクタダイオード
    とインダクタンスとの間に、小容量のチップコンデンサ
    を第1のコンデンサとして挿入するとともに、前記バラ
    クタダイオードと発振部との間に第2のコンデンサを挿
    入し、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサは
    温度補正コンデンサを用いた請求項18に記載の高周波
    装置。
  20. 【請求項20】 基準周波数信号が入力される位相比較
    器に基準分周器を設け、この基準分周器の分周比を可変
    できるようにした請求項1に記載の高周波装置。
  21. 【請求項21】 基準分周器の分周比は、電圧制御発振
    器の出力周波数が高くなるほど分周比を小さくする請求
    項20に記載の高周波装置。
  22. 【請求項22】 混合器と出力端子との間に、ロールオ
    フ特性を有するとともに異なる帯域幅を有した複数の中
    間周波数同調フィルタを並列に設け、この中間周波数同
    調フィルタは入力端子から入力される信号の伝送レート
    に基づいて選択的に切り替え可能とした請求項1に記載
    の高周波装置。
  23. 【請求項23】 入力端子と混合器との間に可変減衰器
    を設け、この可変減衰器を制御する制御端子を設けた請
    求項1に記載の高周波装置。
  24. 【請求項24】 出力端子に中間周波数同調表面波フィ
    ルタを介してI/Q検波器を接続し、このI/Q検波器
    のI信号が出力される第1の出力端子と、前記I/Q検
    波器のQ信号が出力される第2の出力端子と、前記I/
    Q検波器に発振周波数信号を供給する第2の発振器とを
    設け、前記第2の発振器の共振部を構成する表面波共振
    器の基板と前記中間周波数同調表面波フィルタの基板と
    は同一材質の基板を用いるとともに、前記第1の出力端
    子と前記第2の出力端子から出力される信号の周波数誤
    差検出器を設け、この誤差検出器の出力に基づいて分周
    器のデータを増算/減算カウンタにて制御し、中間周波
    数の中心と前記第2の発振器の発振周波数を略同一にし
    た請求項1に記載の高周波装置。
  25. 【請求項25】 中間周波数同調表面波フィルタの3d
    Bカットオフ周波数の帯域幅は、受信信号のシンボルレ
    ートに等しい帯域幅の0%以上+5%以内とした請求項
    24に記載の高周波装置。
  26. 【請求項26】 入力端子と混合器との間に入力フィル
    タを挿入するとともに、局部発振器は、その発振周波数
    が前記入力端子に入力される信号の最大周波数と最小周
    波数の差の2分の1より大きい中間周波数が得られる周
    波数を発振させ、前記入力フィルタは、前記最小周波数
    から最大周波数までの周波数を通過させる固定フィルタ
    とした請求項1に記載の高周波装置。
  27. 【請求項27】 混合器の出力信号周波数を略612M
    Hzとした請求項26に記載の高周波装置。
  28. 【請求項28】 出力端子に接続されたI/Q抽出手段
    と、このI/Q抽出手段のI信号出力が接続された第1
    の出力端子と、前記I/Q抽出手段のQ信号出力が接続
    された第2の出力端子と、前記第1、第2の出力端子に
    復調器を接続するとともに、この復調器は金属製のカバ
    ー外に装着された請求項1に記載の高周波装置。
  29. 【請求項29】 集積回路で構成された復調器が表面に
    載置された基板と、前記復調器下面に敷設された銅箔
    と、前記基板裏面に設けられた銅箔とをスルーホールで
    接続した請求項28に記載の高周波装置。
  30. 【請求項30】 集積回路で構成された復調器が載置さ
    れる基板の前記集積回路下方に、この集積回路内部のチ
    ップ素子より大きく、その集積回路外周より小さい孔を
    設けた請求項28に記載の高周波装置。
  31. 【請求項31】 基板裏面に設けられた銅箔に、複数個
    の短冊状をしたレジスト不形成部を設け、このレジスト
    不形成部に半田を凸型状に融着させた請求項29に記載
    の高周波装置。
  32. 【請求項32】 入力端子と混合器との間に入力フィル
    タを設けるとともに、出力端子に接続された中間周波数
    同調フィルタと、この中間周波数同調フィルタの出力が
    接続されたI/Q抽出手段と、このI/Q抽出手段のI
    信号出力が接続された第1の出力端子と、前記I/Q抽
    出手段のQ信号出力が接続された第2の出力端子とを設
    け、これらを同一シールドケース内に納めた請求項1に
    記載の高周波装置。
  33. 【請求項33】 混合器とI/Q抽出手段に用いられる
    発振器との間に少なくとも1枚以上のシールド板を配置
    した請求項32に記載の高周波装置。
  34. 【請求項34】 混合器とI/Q抽出手段に用いられる
    発振器を同一シールドケース内の対角線上に配置した請
    求項32に記載の高周波装置。
  35. 【請求項35】 略長方形をしたシールドケースの一方
    の縦側面に入力端子を設け、この入力端子につづいて入
    力フィルタと前記混合器を配置するとともに、これらの
    前記入力フィルタと前記混合器と略平行に仕切板を挟ん
    で前記混合器に発振周波数を供給する局部発振器を配置
    した請求項32に記載の高周波装置。
  36. 【請求項36】 混合器に発振周波数を供給する局部発
    振器とI/Q抽出手段との間に中間周波数同調フィルタ
    を実装する区画室を設けた請求項33に記載の高周波装
    置。
  37. 【請求項37】 シールドケースの第1の横側板近傍に
    局部発振器の制御端子と、I/Q抽出手段の出力端子を
    設けた請求項35に記載の高周波装置。
  38. 【請求項38】 ディジタル変調された高周波信号が入
    力される入力端子と、この入力端子に入力された信号が
    一方の入力に供給されるとともに他方の入力には局部発
    振器の出力信号が供給される混合器と、この混合器の出
    力信号が供給される出力端子とを備え、前記局部発振器
    は、電圧制御発振器と、この電圧制御発振器の制御ルー
    プに介在された分周器、位相比較器、ループフィルタと
    を含み、前記電圧制御発振器は、発振部と同調部を有
    し、この同調部は周波数調整部と、この周波数調整部の
    調整の状態を維持させる維持手段とを有し、前記制御ル
    ープは前記局部発振器のノイズが、前記電圧制御発振器
    のノイズにより左右されない程度の十分に大きな高ルー
    プバンド幅とするとともに、前記位相比較器に供給され
    る基準周波数信号は、分周器から比較器に供給される比
    較信号に対して、その実質的な中心周波数部分を除い
    て、同一周波数においてはその信号レベルを小さくした
    高周波装置。
  39. 【請求項39】 ディジタル変調された高周波信号が入
    力される入力端子と、この入力端子に入力された信号が
    一方の入力に供給されるとともに他方の入力には局部発
    振器の出力信号が供給される混合器と、この混合器の出
    力信号が供給される出力端子とを備え、前記局部発振器
    は、電圧制御発振器と、この電圧制御発振器の制御ルー
    プに介在された分周器、位相比較器、ループフィルタと
    を含み、前記電圧制御発振器は、発振部と同調部を有
    し、この同調部は周波数調整部と、この周波数調整部の
    調整の状態を維持させる維持手段とを有し、前記制御ル
    ープは前記局部発振器のノイズが、前記電圧制御発振器
    のノイズにより左右されない程度の十分に大きな高ルー
    プバンド幅とするとともに、前記位相比較器に供給され
    る基準周波数信号の中心周波数付近の信号レベルの周波
    数分布特性は、前記局部発振器から混合器に出力される
    中心周波数付近の信号レベルの周波数分布特性との比較
    において、この周波数分布特性の実質的な中心周波数部
    分を除いて、中心周波数からの同一オフセット周波数で
    のその信号レベルを、高ループバンド幅によりノイズ低
    減されるべき信号レベルより低くした高周波装置。
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