JPH09170947A - 超音波受信ユニット及び超音波座標入力装置 - Google Patents

超音波受信ユニット及び超音波座標入力装置

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JPH09170947A
JPH09170947A JP33378895A JP33378895A JPH09170947A JP H09170947 A JPH09170947 A JP H09170947A JP 33378895 A JP33378895 A JP 33378895A JP 33378895 A JP33378895 A JP 33378895A JP H09170947 A JPH09170947 A JP H09170947A
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ultrasonic
ultrasonic wave
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JP33378895A
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Hiroshi Ishikawa
寛 石川
Nobuyasu Yamaguchi
伸康 山口
Yasuhide Iwamoto
康秀 岩本
Atsuo Iida
安津夫 飯田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信素子の近傍に構造物(受信素子を超音波
伝播体に固定するための固定部材など)を設けた場合、
超音波伝播体を伝播した正規の超音波に加えて、構造物
からの超音波の反射波も受信素子にて受信されて、超音
波の受信タイミングを正確に検出できない。 【解決手段】 伝播する超音波を受信素子5に向かう方
向とは異なる方向に反射する機能、その超音波を散乱さ
せる機能、または、その超音波及び反射波を減衰する機
能を発揮できるように、受信素子5を超音波伝播体4に
固定するための固定部材6の形状または材質を工夫する
か、または、上記機能を有する部材を固定部材6とは関
係なく独立的に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波入力ペン等
の超音波入力手段で発生した超音波の伝播を利用して、
入力した座標を特定する超音波座標入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、手書きの文字,図形などをコ
ンピュータなどの処理装置に入力する装置として、超音
波発生素子を備えた超音波入力ペンから超音波伝播体に
超音波を伝播させ、超音波伝播体に設けた複数の圧電素
子等の超音波受信素子にて伝播された超音波を検出して
超音波入力ペンの超音波伝播体上での座標を特定するよ
うにした超音波座標入力装置が公知である。
【0003】図9は、このような超音波座標入力装置の
基本構成を示す模式図、図10は、超音波座標入力装置に
おける座標検出の原理を説明するための図である。図に
おいて、21は超音波を発振する発振用圧電振動子を備え
た超音波入力ペンであり、超音波入力ペン21は、超音波
を伝播する超音波伝播体22の適宜位置にその先端部を押
し当てて使用する。超音波伝播体22の周縁部には、超音
波伝播体22を伝播した超音波の板波を受信する複数(本
例では3個)の受信素子(受信用圧電振動子)23が、導
電性の接着剤24で接着して設けられている。超音波入力
ペン21から出力された超音波が超音波伝播体22を伝播
し、各受信素子23にて受信される。プリアンプ等を含ん
だ検出回路25は、各受信素子23で受信した超音波を検出
して、その検出信号を演算回路26へ出力する。演算回路
26は、検出回路25からの検出信号に基づいて後述するよ
うな演算を行って、座標を特定する。
【0004】座標検出の原理について説明する。図10に
示すように、超音波入力ペン21から出力された超音波
が、超音波伝播体22を伝播して2個の受信素子23に受信
されるまでの伝播時間から、座標を求めることが可能で
ある。いま、超音波入力ペン21で超音波を入力した点を
P(x,y)、2個の受信素子23,23の位置をそれぞれ
A(0,0),B(L,0)とし、超音波伝播体22を伝
播する超音波の速度をCとし、P−A間の伝播時間をt
1 ,P−B間の伝播時間をt2 とすると、以下のように
して点Pの座標を特定できる。ここで、L及びCは既知
の値であり、t1及びt2 は計測値である。 (C・t1 2 =x2 +y2 …(1) (C・t2 2 =(L−x)2 +y2 …(2) (2)−(1)より x={C2 (t1 2 −t2 2 )+L2 }÷2L …(3) (1),(3)より y=[C2 ・t1 2 −{L2 +C2 (t1 2 −t2 2 )}2 ÷4L2 1/2 …(4)
【0005】図9に示すような超音波座標入力装置で
は、導電性の接着剤24にて受信素子23を超音波伝播体22
にて固設させているが、接着剤24だけではその固定力が
弱いという難点がある。そこで、圧着固定を利用した受
信素子23の設置手法が広く使用されている。図11はこの
圧着固定を用いた固定状態を示す模式的断面図である。
受信素子23は、導電性膜31を介して超音波伝播体22上に
設置され、圧着用バネ32を有する圧着治具33にて圧着固
定されている。
【0006】また、受信素子23を固定すると共に外部か
ら受信素子23に入り込む電磁ノイズを遮断する目的に
て、受信素子23を絶縁性部材にて封止したシールド構造
が、特開平7−168663号公報に提案されている。図12は
この構造を示す模式的断面図である。図12に示すシール
ド構造体41は、超音波伝播体22上に形成された導電性膜
42と、この導電性膜42上に絶縁性を有する接着剤43を使
用して固定される受信素子23を封止する絶縁性封止材44
と、絶縁性封止材44を覆うように設けられる導電膜45
と、受信素子23から引き出される信号線46が挿通される
導電性パイプ47とから構成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように超音波座
標入力装置では、受信素子の超音波伝播体に面する側と
反対側の面に、圧着治具またはシールド構造体のような
構造物が設けられている。受信素子23にこのような構造
物が設けられている場合、図13に示すように、超音波伝
播体22を伝播した後、超音波の一部は、受信素子23を経
てまたは受信素子23を経ることなく構造物50の端面で反
射し、位相が揃った反射波が受信素子23に受信される。
【0008】よって、図14に示すように、最初に超音波
伝播体22を伝播した正規の超音波の板波(図14(a))
と、これに少し遅れた構造物50からの反射波(図14
(b))とが、受信素子23に受信されて、受信素子23に
おける受信波はこれらの合成波(図14(c))となる。
受信素子23で受信される受信波は、正規の板波の後ろ部
分に構造物50からの反射波が重なって尾引きが長くな
る。この結果、超音波の受信タイミングを正確に検出で
きず、座標演算精度が悪くなるという問題がある。
【0009】また、このような構造物を受信素子に設け
ていない場合でも、受信素子に接触する何等かの接触物
が存在するときには、この接触物からの超音波の反射波
を受信素子にて受信し、座標演算精度が悪くなるという
虞がある。
【0010】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、構造物または接触物が存在していても、これら
の構造物または接触物からの反射波の影響を低減でき
て、超音波伝播体を伝播した正規の超音波のみを受信素
子にて受信できる超音波受信ユニットを提供することを
目的とする。
【0011】本発明の他の目的は、座標演算に必要であ
る、超音波伝播体を伝播した正規の超音波のみを受信素
子にて受信できて、座標演算精度を向上することができ
る超音波座標入力装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の超音波受信ユ
ニットは、超音波伝播体を伝播した超音波を受信する受
信素子を備えた超音波受信ユニットにおいて、前記受信
素子の背後に、前記超音波伝播体を伝播した超音波が前
記受信素子へ反射するのを抑制する手段を備えることを
特徴とする。
【0013】請求項2の超音波受信ユニットは、超音波
伝播体を伝播した超音波を受信する受信素子と、前記超
音波伝播体及び前記受信素子に接触し、前記受信素子を
前記超音波伝播体に固定する固定部材とを備えた超音波
受信ユニットにおいて、前記超音波伝播体を伝播した後
に前記固定部材を伝播する超音波が前記受信素子へ反射
するのを抑制する形状を、前記固定部材が有することを
特徴とする。
【0014】請求項1では、超音波伝播体を伝播した超
音波が受信素子へ反射されず、反射波が受信素子に受信
されない。よって、反射波の影響を低減できる。例え
ば、この反射を抑制する手段の反射面(受信素子と反対
側の端面)を、受信素子の端面と非平行な平面にすれ
ば、超音波は受信素子へ向かう方向とは異なる方向に反
射され、反射波が受信素子に受信されない。または例え
ば、この反射を抑制する手段の受信素子と反対側の端面
の形状を曲面,鋸歯状面,凹凸面などとすれば、この端
面からの反射波は位相が揃うことなく散乱し、低レベル
の反射波しか受信素子に受信されない。
【0015】なお、請求項2に示すように、上述の圧着
治具またはシールド構造体等の固定部材がこの抑制手段
の機能を果たすように構成されていても良い。
【0016】請求項3の超音波受信ユニットは、超音波
伝播体を伝播した超音波を受信する受信素子と、前記超
音波伝播体及び前記受信素子に接触し、前記受信素子を
前記超音波伝播体に固定する固定部材とを備えた超音波
受信ユニットにおいて、前記固定部材が超音波が減衰す
るような材質にて構成されていることを特徴とする。
【0017】請求項3では、超音波伝播体を伝播した後
に固定部材を伝播する超音波は、固定部材を伝播する間
にそのレベルが減衰する。よって、受信素子に受信され
る反射波のレベルは小さくなり、反射波の影響を低減で
きる。この場合、正規の超音波受信を受信素子において
可能とする程度に十分な減衰率をこの固定部材の材質は
有する必要があり、例えば、固定部材に使用する材質と
しては、エポキシ樹脂,シリコンゴムなどが適する。
【0018】請求項4の超音波受信ユニットは、超音波
伝播体を伝播した最も速い超音波を受信する受信素子
と、前記超音波伝播体及び前記受信素子に接触し、前記
受信素子を前記超音波伝播体に固定する固定部材とを備
えた超音波受信ユニットにおいて、前記超音波伝播体を
伝播した後に前記固定部材を最も速い超音波が伝播し、
最も速い超音波の4周期分が前記超音波伝播体を伝播す
る時間よりも、前記固定部材を最も速い超音波が伝播往
復する時間が長くなるように、前記固定部材の厚さを設
定してあることを特徴とする。
【0019】最も速く伝播する超音波の受信波はおよそ
4波程度で収束する。従って、請求項4のように、その
内部を最も速い超音波が往復する時間が最も速い超音波
の4周期分が超音波伝播体を伝播する時間よりも長くな
るような厚さを有する固定部材を備えておくと、超音波
伝播体を伝播した最も速い超音波が受信素子にて収束し
た後に、固定部材の端面からの反射波が受信される。よ
って、端面からの反射波が正規の超音波に重畳されるこ
とがなく、この反射波の影響を除去できる。
【0020】請求項5記載の超音波座標入力装置は、請
求項1〜4のいずれかに記載の超音波受信ユニットを備
えることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0022】図1は、本発明の超音波座標入力装置の基
本構成を示す模式図である。図1において、1は超音波
を発振する発振用圧電振動子を備えた超音波入力ペンで
あり、超音波入力ペン1はコード2を介して発振用圧電
振動子を駆動する駆動回路3に接続されている。また、
超音波入力ペン1は、超音波を伝播する超音波伝播体4
に接触する先端部を有しており、超音波伝播体4の周縁
部には、超音波伝播体4を伝播した超音波の板波を受信
する複数(本例では4個)の受信素子(受信用圧電振動
子)5が設けられている。各受信素子5は、受信素子5
の超音波伝播体4に面する側と反対側の面に備えた固定
部材6によって超音波伝播体4に固定されている。この
固定部材6は、前述した図11に示すような構成を有する
圧着固定部材であっても良いし、前述した図12に示すよ
うなシールド構造体を有する封止固定部材であっても良
い。超音波入力ペン1から発振された超音波が超音波伝
播体4を伝播し、各受信素子5にて受信される。
【0023】検出回路7は、各受信素子5で受信された
超音波の受信波を入力し、その受信波形に基づいて各受
信波のピーク値情報と位相情報とを検出し、検出した両
情報を演算回路8に出力する。演算回路8は、入力され
た両情報に基づいて、座標を演算する2個の受信素子5
を選択する。この場合、位相が同じであって受信レベル
が大きい2個の受信素子5を選択する。また、超音波入
力ペン1から超音波が発振された時間情報が演算回路8
に入力される。演算回路8は、選択した2個の受信素子
5の受信信号と超音波入力ペン1からの発振時間情報と
に基づいて後述するような演算を行って、座標を特定す
る。
【0024】超音波入力ペン1から出力された超音波
が、超音波伝播体4を伝播して2個の受信素子5に受信
されるまでの伝播時間から、座標を求めることが可能で
ある。いま、図1に示すように、超音波入力ペン1で超
音波を入力した点をP(x,y)、選択した2個の受信
素子5,5の位置をそれぞれA(x1 ,0),B
(x2,0)とし、超音波伝播体4を伝播する超音波の
速度をCとし、P−A間の伝播時間をt1 ,P−B間の
伝播時間をt2 とすると、以下のようにして点Pの座標
を特定できる。ここで、Cは既知の値であり、t1 及び
2 は計時値である。なお、以下に示す演算手法の基本
的原理は、従来の技術で前述した演算手法の基本的原理
と同様である。 (C・t1 2 =(x−x1 2 +y2 …(5) (C・t2 2 =(x−x2 2 +y2 …(6) (6)−(5)より x={C2 (t2 2 −t1 2 )−(x2 2 −x1 2 )} ÷2(x1 −x2 ) …(7) (5),(7)より y=[C2 ・t1 2 −{C2 (t2 2 −t1 2 )/2(x1 −x2 ) +(x2 −x1 )/2}2 1/2 …(8)
【0025】本発明の特徴は、各受信素子5を超音波伝
播体4に固定するための固定部材6の形状または材質に
存在し、その固定部材6の形状または材質が従来例とは
異なっている。図11または図12に示す従来例の場合、そ
の固定部材を経由して反射した超音波が受信素子5で受
信されて、後の座標演算に必要である正確な受信波形が
得られず、座標演算の精度は低かった。本発明では、こ
の反射波が極力受信素子5にて受信されないようにす
る。
【0026】(第1の実施の形態)まず、超音波の反射
波が受信素子5にて受信されないようにその反射方向を
変えるべく、固定部材6の形状を工夫した第1の実施の
形態について説明する。この場合、固定部材6は請求項
1,3の反射部材の機能を有する。図2は、この第1の
実施の形態の一例を示す模式図である。受信素子5を超
音波伝播体4に固定する固定部材6の受信素子5と反対
側の端面がテーパ状をなしており、その端面が受信素子
5の表面と非平行になっている。
【0027】固定部材6をこのような形状にしておく
と、超音波伝播体4を伝播して更に固定部材6を伝播し
た超音波はその端面にて、図2の矢符で示すように、受
信素子5に向かう方向とは異なる方向に反射する。従っ
て、固定部材6を経由して再び受信素子5で受信される
反射波のレベルは非常に小さくなり、超音波伝播体4を
伝播した板波のみを正確に受信できる。
【0028】なお、図2に示す固定部材6の端面の形状
は一例であり、その端面が受信素子5の表面と非平行で
あれば、この限りでないことは勿論である。
【0029】(第2の実施の形態)次に、超音波の反射
波の受信素子5における受信レベルを低減するべく、反
射面にて超音波を散乱させるように固定部材6の形状を
工夫した第2の実施の形態について説明する。この場
合、固定部材6は請求項4,6の散乱部材の機能を有す
る。図3は、この第2の実施の形態の一例を示す模式図
である。受信素子5を超音波伝播体4に固定する固定部
材6の受信素子5と反対側の端面が半球状をなしてい
る。固定部材6をこのような形状にしておくと、超音波
伝播体4を伝播して更に固定部材6を伝播した超音波
は、その端面における反射方向が一定でなく種々の方向
に散乱される。この結果、受信素子5で受信される反射
波のレベルを大幅に低減でき、超音波伝播体4を伝播し
た板波のみを正確に受信できる。
【0030】なお、固定部材6の受信素子5と反対側の
端面の形状は、半球状に限定されるものではなく、曲面
であれば楕円球状など他の形状であっても同様の効果を
奏する。
【0031】図4は、第2の実施の形態の他の例を示す
模式図である。固定部材6の受信素子5と反対側の端面
が鋸歯状をなしている。固定部材6をこのような形状に
しておくと、図3に示す場合と同様に、超音波伝播体4
を伝播して更に固定部材6を伝播した超音波はその端面
にて種々の方向に散乱されるので、受信素子5で受信さ
れる反射波のレベルは大幅に低減され、超音波伝播体4
を伝播した板波のみが正確に受信される。
【0032】図5は、第2の実施の形態の更に他の例を
示す模式的断面図である。固定部材6の受信素子5と反
対側の端面が少なくとも1個以上の四角錐形状で構成さ
れている。この例でも、図3に示す場合と同様に、固定
部材6の端面にて超音波は散乱し、受信素子5で受信さ
れる反射波のレベルは非常に小さくなり、超音波伝播体
4を伝播した正規の板波のみを正確に受信できる。
【0033】図6は、第2の実施の形態の更に他の例を
示す模式的断面図である。固定部材6の受信素子5と反
対側の端面が凹凸状で構成されている。この例でも、図
3に示す場合と同様に、固定部材6の端面にて超音波は
散乱し、受信素子5で受信される超音波のレベルは非常
に小さくなり、超音波伝播体4を伝播した正規の板波の
みを正確に受信できる。
【0034】なお、図4,図5及び図6に示す固定部材
6の端面形状は一例であり、散乱効果を有する端面形状
であれば、固定部材6の端面形状は任意であって良いこ
とは勿論である。
【0035】(第3の実施の形態)次に、超音波の反射
波の受信素子5における受信レベルを低減するべく、固
定部材6の材質を工夫した第3の実施の形態について説
明する。この場合、固定部材6は請求項7,9の減衰部
材の機能を有する。固定部材6の超音波の反射面と受信
素子5の表面とが平行になっていても、固定部材6の材
料として超音波減衰材を使用すれば、反射波は受信素子
5に到達する迄に十分減衰されるので、受信素子5で受
信される反射波のレベルは非常に小さくなり、超音波伝
播体4を伝播した正規の板波のみを正確に受信できる。
【0036】例えば、反射波の受信レベルを20dBだけ
低減する場合を考える。この場合、超音波の周波数を0.
5 MHz、固定部材6の厚さを10mmとすると、減衰率
2dB/MHz・mmの超音波減衰材にて固定部材6を
構成すれば良い。超音波減衰率は、超音波周波数と材料
の厚さとに依存するので、所望の減衰量を実現するため
には、超音波周波数に応じてその固定部材6の最低限の
厚さが決定される。
【0037】この第3の実施の形態の一例は、エポキシ
樹脂を固定部材6の材料とする。エポキシ樹脂を用いる
ことにより、大きな減衰率を達成することができる。ま
た、受信素子5から検出回路7への信号線を固定するこ
とも可能である。更に、エポキシ樹脂をベース材として
これに酸化鉄粉等を混合した混合材を材料とする場合、
その粒径または混合比率によって減衰率を任意に調節す
ることができる。
【0038】この第3の実施の形態の他の例は、シリコ
ンゴムを固定部材6の材料とする。シリコンゴムはエポ
キシ樹脂より高い減衰率を実現できる。また、受信素子
5から検出回路7への信号線を固定することも可能であ
る。更に、シリコンゴムをベース材としてこれに酸化鉄
粉等を混合した混合材を材料とする場合、その粒径また
は混合比率によって減衰率を任意に調節することができ
る。
【0039】なお、使用する超音波減衰材料として、エ
ポキシ樹脂,シリコンゴムまたはそれらをベース材とし
た材料を挙げたが、超音波を減衰する作用を有する材料
であれば、使用される材料がこれら以外であっても良い
ことは言うまでもない。
【0040】(第4の実施の形態)次に、超音波の受信
波の収束性を利用して、超音波の反射波の影響を低減す
る第4の実施の形態について説明する。この場合、固定
部材6は請求項10,12の部材の機能を有する。最も速い
板波を受信対象とする場合、その反射波の影響をなくす
ためには、正規の最も速い板波が受信素子5にて十分収
束した後に反射波が到達するように、固定部材6の厚さ
を設定しておけば良い。
【0041】例えば、1周期のsin波を発振した場
合、その受信波は、図7に示すように、4周期程度で収
束する。このことに基づき、受信対象の最も速い板波が
固定部材6を往復して受信素子5に到達するまでの時間
が、その最も速い板波の4周期分の時間より長くなるよ
うに、固定部材6の厚さを設定する。このようにしてお
くと、受信素子5における受信波形は、図8に示すよう
に、正規の板波と反射波とは重畳されることなく明瞭に
分離される。よって、反射波の影響を受けることなく正
規の板波のみを正確に受信できる。
【0042】一例として、超音波の周波数が0.5 MHz
である場合、最も速い板波の4周期分の時間は8×10-6
(=1÷(0.5×106 )×4)(秒)である。従って、固
定部材6における超音波の速度を2×106 mm/秒とし
た場合、その固定部材6の厚さを8(=(2×106 )×
(8×10-6)÷2)(mm)以上に設定する。
【0043】なお、各実施の形態における上述の例で
は、受信素子5を超音波伝播体4に固定するための固定
部材6を工夫する場合について説明したが、受信素子5
の超音波伝播体4に面する側と反対側の面に、受信素子
5を保護するための保護物体などのような固定部材6以
外の構造物体を設ける場合には、その構造物体の形状,
材質を、上述した固定部材6についてと同様に工夫する
ことにより、反射波の影響を除去して正規の板波のみを
正確に受信することが可能となる。
【0044】また、上述の例では、固定,保護などの何
等かの機能を有する構造物体に反射波の影響を低減する
機能も兼ねる場合について説明したが、上述した反射波
の影響を低減する機能のみを有する構造物体を独立的
に、受信素子5の超音波伝播体4に面する側と反対側の
面に設けるようにしても良い。このようにしておくと、
受信素子5に何等かの物体が接触した場合に、この接触
物体からの反射波の影響を回避することができる。
【0045】なお、上述した例においては、超音波入力
ペン1から発振した超音波が超音波伝播体4中を伝播し
て2個の受信素子5に受信されるまでの伝播時間t1
2を測定して座標を算出するので、伝播時間を測定す
るための基準時間として超音波入力ペン1から超音波が
発振された時間情報を演算回路7に入力する必要があ
り、超音波入力ペン1がコード2によって本体と接続さ
れている。これとは異なり、超音波入力ペンをコードレ
スとすることも可能である。この場合、コードレスとし
た超音波入力ペンは、所定の周波数のパルス状信号を発
信する発信器と超音波を発振する超音波発振器とを有し
ている。そして、位相が同じでピーク値が大きい3個の
受信素子の受信波を採用し、各受信素子相互間の受信時
間差に基づいて座標を演算する。3個の受信素子の内の
任意の2個の受信時間差を2種類求め、それぞれの受信
時間差に超音波の音速を乗算して、超音波入力ペンの入
力位置から2個の受信素子までの距離の差を2種類求め
る。座標上の2点間の距離の差が一定な点の集合は、そ
の2点を焦点とする双曲線となる。よって、受信時間差
(距離の差)を求めた2個の受信素子の設置位置を焦点
とする2つの双曲線の交点として、入力位置の座標を求
めることができる。このような超音波入力ペンをコード
レスとした手法の詳細は、本出願人により、特願平6−
143536号または特願平6−312100号にて既に提案してい
る。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明の超音波受信ユニッ
トでは、受信素子及び超音波伝播体に接触する部材の形
状,材質を、その部材からの超音波の反射波が受信素子
に受信されないように、または、受信されても超音波伝
播体からの正規の超音波の受信に影響を及ぼさないよう
に、決定するので、受信素子において超音波の反射波の
影響を大幅に低減できる。
【0047】また、このような超音波受信ユニットを備
えた超音波座標入力装置では、座標演算に寄与する正規
の板波に対する反射波の影響を大幅に低減することがで
き、この結果、座標演算精度が向上し、座標入力ミスが
無くなり、手書きの文字,図形などを滑らかに表示でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波座標入力装置の全体構成図であ
る。
【図2】本発明の超音波座標入力装置の一例の特徴部分
(受信素子近傍)を示す模式的断面図である。
【図3】本発明の超音波座標入力装置の他の例の特徴部
分(受信素子近傍)を示す模式的断面図である。
【図4】本発明の超音波座標入力装置の更に他の例の特
徴部分(受信素子近傍)を示す模式的断面図である。
【図5】本発明の超音波座標入力装置の更に他の例の特
徴部分(受信素子近傍)を示す模式的断面図及び上面図
である。
【図6】本発明の超音波座標入力装置の更に他の例の特
徴部分(受信素子近傍)を示す模式的断面図である。
【図7】最も速い板波の受信波の波形図である。
【図8】本発明の超音波座標入力装置の受信素子におけ
る受信波の波形図である。
【図9】超音波座標入力装置の基本構成を示す模式図で
ある。
【図10】超音波座標入力装置における座標検出原理を
説明するための図である。
【図11】従来の超音波座標入力装置における受信素子
の固定状態を示す模式的断面図である。
【図12】従来の超音波座標入力装置における受信素子
の固定状態を示す模式的断面図である。
【図13】従来例の問題点を説明するための受信素子近
傍の模式的断面図である。
【図14】従来の超音波座標入力装置の受信素子におけ
る受信波の波形図である。
【符号の説明】
1 超音波入力ペン 4 超音波伝播体 5 受信素子 6 固定部材 7 検出回路 8 演算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩本 康秀 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 飯田 安津夫 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波伝播体を伝播した超音波を受信す
    る受信素子を備えた超音波受信ユニットにおいて、前記
    受信素子の背後に、前記超音波伝播体を伝播した超音波
    が前記受信素子へ反射するのを抑制する手段を備えるこ
    とを特徴とする超音波受信ユニット。
  2. 【請求項2】 超音波伝播体を伝播した超音波を受信す
    る受信素子と、前記超音波伝播体及び前記受信素子に接
    触し、前記受信素子を前記超音波伝播体に固定する固定
    部材とを備えた超音波受信ユニットにおいて、前記超音
    波伝播体を伝播した後に前記固定部材を伝播する超音波
    が前記受信素子へ反射するのを抑制する形状を、前記固
    定部材が有することを特徴とする超音波受信ユニット。
  3. 【請求項3】 超音波伝播体を伝播した超音波を受信す
    る受信素子と、前記超音波伝播体及び前記受信素子に接
    触し、前記受信素子を前記超音波伝播体に固定する固定
    部材とを備えた超音波受信ユニットにおいて、前記固定
    部材が超音波が減衰するような材質にて構成されている
    ことを特徴とする超音波受信ユニット。
  4. 【請求項4】 超音波伝播体を伝播した最も速い超音波
    を受信する受信素子と、前記超音波伝播体及び前記受信
    素子に接触し、前記受信素子を前記超音波伝播体に固定
    する固定部材とを備えた超音波受信ユニットにおいて、
    前記超音波伝播体を伝播した後に前記固定部材を最も速
    い超音波が伝播し、最も速い超音波の4周期分が前記超
    音波伝播体を伝播する時間よりも、前記固定部材を最も
    速い超音波が伝播往復する時間が長くなるように、前記
    固定部材の厚さを設定してあることを特徴とする超音波
    受信ユニット。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の超音波
    受信ユニットを備えることを特徴とする超音波座標入力
    装置。
JP33378895A 1995-12-21 1995-12-21 超音波受信ユニット及び超音波座標入力装置 Withdrawn JPH09170947A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002044882A1 (fr) * 2000-12-01 2002-06-06 Seiko Instruments Inc. Panneau tactile ultrasonore
WO2012113335A1 (zh) * 2011-02-25 2012-08-30 深圳易方数码科技股份有限公司 一种超声波接收窗及超声波输入装置
US9880671B2 (en) 2013-10-08 2018-01-30 Sentons Inc. Damping vibrational wave reflections

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