JPH09167776A - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

半導体装置の作製方法

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JPH09167776A
JPH09167776A JP7347821A JP34782195A JPH09167776A JP H09167776 A JPH09167776 A JP H09167776A JP 7347821 A JP7347821 A JP 7347821A JP 34782195 A JP34782195 A JP 34782195A JP H09167776 A JPH09167776 A JP H09167776A
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silicon film
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舜平 山崎
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潤 小山
Shoji Miyanaga
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 珪素の結晶化を助長する金属元素を利用して
結晶性珪素膜を得る技術において、金属元素の影響を低
減させる。 【構成】 非晶質珪素膜103に対してニッケル元素を
導入した後、結晶化のための第1の加熱処理を行う。そ
して結晶性珪素膜が得られた後に先の加熱処理よりも高
い温度で再度の加熱処理を行う。この第2の加熱処理に
おいて、金属元素を拡散させることができ、局所的に金
属元素が集中した領域が形成されてしまうことを防ぐこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本明細書で開示する発明は、薄膜
トランジスタに代表される半導体装置の作製方法に関す
る。特に、ガラス基板や石英基板上に形成された結晶性
を有する珪素薄膜を用いた半導体装置の作製方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、珪素膜を用いた薄膜トランジ
スタが知られている。これは、ガラス基板や石英基板上
に形成された珪素膜を用いて、薄膜トランジスタを構成
する技術である。
【0003】ガラス基板や石英基板が利用されるのは、
アクティブマトリクス型の液晶表示に上記薄膜トランジ
スタを利用するためである。従来は、非晶質珪素膜を用
いて薄膜トランジスタが形成されてきたが、より高性能
を求めるために結晶性を有する珪素膜(結晶性珪素膜と
いう)を利用して薄膜トランジスタを作製することが試
みられている。
【0004】結晶性珪素膜を用いた薄膜トランジスタ
は、非晶質珪素膜を用いたものに比較して、2桁以上の
高速動作を行わすことができる。従って、これまで外付
けのIC回路によって構成されていたアクティブマトリ
クス型の液晶表示装置の周辺駆動回路をガラス基板また
は石英基板上にアクティブマトリクス回路と同様に作り
込むことができる。
【0005】このような構成は、装置全体の小型化や作
製工程の簡略化に非常に有利なものとなる。また作製コ
ストの低減にもつながる構成となる。
【0006】一般に結晶性珪素膜は、非晶質珪素膜をプ
ラズマCVD法や減圧熱CVD法で成膜した後、加熱処
理、またはレーザー光の照射を行うことにより、結晶化
させることにより得ている。
【0007】しかし、加熱処理の場合、結晶化にむらが
できたりし、なかなか必要とするような結晶性を広い面
積にわたって得ることが困難であるのが現状である。
【0008】また、レーザー光の照射による方法も部分
的には高い結晶性を得ることができるが、広い面積にわ
たり、良好なアニール効果を得ることが困難である。特
に、良好な結晶性を得るような条件でのレーザー光の照
射は、不安定になりやすい。
【0009】一方、特開平6−232059号に記載さ
れた技術は公知である。この技術は、非晶質珪素膜に珪
素の結晶化を助長する金属元素(例えばニッケル)を導
入し、従来よりもより低い温度での加熱処理で結晶性珪
素膜を得る技術である。
【0010】本発明人らの研究によれば、この方法で得
られた結晶性珪素膜は、広い面積にわたって実用に耐え
る結晶性を有していることが判明している。
【0011】しかし、局所的に金属元素が集中して存在
してしまうため、その導入量の制御が微妙であり、再現
席や安定性(得られたデバイスの電気的な安定性)に問
題があることが明らかになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本明細書で開示する発
明は、珪素の結晶化を助長する金属元素を利用して得ら
れた結晶性珪素膜における金属の局所的集中の問題を解
決する技術を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するために手段】本明細書で開示する発明
は、非晶質珪素膜に珪素の結晶化を助長する金属元素を
意図的に導入し第1の加熱処理により前記非晶質珪素膜
を結晶化させる工程と、第2の加熱処理を行う工程と、
前記珪素膜上に酸化窒化珪素膜を形成する工程と、を有
し、前記第2の加熱処理は前記第1の加熱処置と同じま
たはそれ以上の温度で行われることを特徴とする。
【0014】上記構成において、珪素の結晶化を助長す
る金属元素としてFe、Co、Ni、Ru、Rh、P
d、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種ま
たは複数種類のものが用いられる。特にニッケル元素を
用いることがその再現性の高さや効果の高さから好まし
い。
【0015】また第2の加熱処理は550℃〜1050
℃の温度で行われる。さらに好ましくは、第2の加熱処
理は600℃〜980℃の温度で行われる。
【0016】またさらに第2の加熱処理の後にさらにレ
ーザー光を照射して、3×1017cm-3以下のスピン密
度を有し、かつ実質的に結晶粒界が存在しない単結晶ま
たは実質的に単結晶と見なせる領域を形成する。
【0017】
【作用】結晶化のための加熱処理を行った後にさらにそ
れより高い温度での加熱処理を行うことで、珪素の結晶
化を助長するために意図的に導入した金属が膜中におい
て局所的に集中してしまうことを抑制することができ
る。
【0018】
【実施例】
〔実施例1〕本実施例では、ガラス基板上にニッケル元
素を利用して結晶性珪素膜を得る技術を示す。
【0019】図1に本実施例の作製工程を示す。まず、
コーニング1737ガラス基板(歪点667℃)101
上に下地膜として酸化窒化珪素膜102を3000Åの
厚さに成膜する。酸化窒化珪素膜の成膜は、原料ガスと
してシランとN2 Oガスと酸素とを用いたプラズマCV
D法またTEOSガスとN2 Oガスとを用いたプラズマ
CVD法で成膜する。
【0020】酸化窒化珪素膜は、後の工程においてガラ
ス基板からの不純物(ガラス基板中には半導体の作製レ
ベルで見て多量の不純物が含まれている)の拡散を強力
に防止する機能を有している。
【0021】なお、この機能を最大限に得るためには、
窒化珪素膜が最適であるが、窒化珪素膜が応力の関係で
ガラス基板からはがれてしまうので実用的ではない。ま
た、下地膜として酸化珪素膜を用いることもできる。し
かし、酸化珪素膜は、不純物に対するバリア効果が不十
分である。
【0022】なおこの下地膜、可能な限りなるべく高い
硬度とすることが重要なポイントとなる。これは、最終
的に得られた薄膜トランジスタの耐久試験において、下
地膜の方さが硬い方が(即ち、そのエッチングレートが
小さい方が)信頼性が高いことが判明している。
【0023】これは、下地膜の硬さがガラス基板からの
不純物の進入の防止に関係しているからである。
【0024】次に後に結晶性珪素膜となる非晶質珪素膜
103を500Åの厚さに減圧熱CVD法で成膜する。
減圧熱CVD法を用いるのは、その方が後に得られる結
晶性珪素膜の膜質が優れているからである。なお、減圧
熱CVD法以外の方法としては、プラズマCVD法を用
いることができる。この非晶質珪素膜103の膜厚は2
000Å以下とすることが好ましい。
【0025】また、非晶質珪素膜103の膜厚の下限
は、その成膜において、どれだけ薄い膜が成膜できるか
による。一般に100Å程度、実用的には200Å程度
がその下限である。
【0026】また、この段階においては、膜中に不純物
が混入しないように細心の注意を払うことが重要とな
る。こうして図1(A)に示す状態を得る。
【0027】次に10ppm(重量換算)のニッケル元
素を含んだニッケル酢酸塩溶液を非晶質珪素膜103の
表面に塗布する。即ち、図1(B)に示すようにまず非
晶質珪素膜103の表面にニッケル酢酸塩溶液の水膜1
04を形成し、それからスピンコーターを利用してよけ
いな容器を吹き飛ばす。即ち、スピンドライを行う。
【0028】このようにすることにより、ニッケル元素
が非晶質珪素膜103の表面に接して保持された状態を
得る。
【0029】なお、後の加熱工程における不純物の残留
を考慮すると、酢酸ニッケル塩溶液を用いる代わりに硫
酸ニッケルを用いることが好ましい。これは、酢酸ニッ
ケル塩溶液は炭素を含んでおり、これが後の加熱工程に
おいて炭化して膜中に残留することが懸念されるからで
ある。
【0030】ニッケル元素の導入量の調整は、溶液中に
おけるニッケル元素の濃度を調整することにいより、行
うことができる。
【0031】そして、図1(C)に示す状態において、
450℃〜650℃の温度での加熱処理を行い、非晶質
珪素膜103を結晶化させる。この加熱処理は、ハロゲ
ン元素を含んだ雰囲気中で行う。ここでは、HClが3
%含まれた窒素雰囲気中で行う。これは、結晶化と同時
にニッケル元素を塩素の作用によりゲッタングするため
である。
【0032】雰囲気中におけるHClの濃度は、1〜1
0%とすることが好ましい。この濃度以上とすると、珪
素膜の表面が荒れてしまうので注意が必要である。また
この濃度以下であるとゲッタリング効果が薄れてしま
う。
【0033】また、上記加熱処理の雰囲気中には、酸化
物が極力存在しないようにすることが重要となる。これ
は、ニッケルと酸素とが反応して、NiOX が膜の表面
や膜中に形成されてしまうからである。具体的には、酸
素の含有量がppmオーダー、好ましくは1ppm以下
であるような雰囲気とすることがよい。
【0034】また、このNiOX が形成されてしまう現
象を抑制するために上記加熱処理の雰囲気を還元雰囲気
とすることも有用である。例えば、窒素(アルゴンでも
よい)雰囲気中に3%(爆発限界を考慮する必要があ
る)の水素を混合させ、さらに1〜10%のHClの混
合させた雰囲気とすることは有効である。
【0035】また上記の加熱処理温度の下限は、その効
果および再現性から見て、450度以上とすることが好
ましい。またその上限は、使用するガラス基板の歪点以
下とすることが必要である。ここでは、歪点が667℃
のコーニング1737ガラス基板を用いているので、多
少の余裕をみてその上限を650℃とする。
【0036】従って、石英基板を用いれば、さらに90
0℃程度までさらに加熱温度を高くすることが可能であ
る。この場合、より高い結晶性を有する結晶性珪素膜を
得ることができる。またより短時間で結晶性珪素膜を得
ることができる。
【0037】またHCl以外のガスとしては、HF、H
Br、Cl2 、F2 、Br2 から選ばれた一種または複
数種類のものを用いることができる。これらのガスは、
雰囲気中での含有量(体積含有量)をHFであれば0.3
〜10%、HBrであれば1〜20%、Cl2 であれば
0.3 〜5%、F2 であれば0.1 〜3%、Br2 であれば
0.3 〜10%とすることが好ましい。
【0038】図1(C)に示す加熱処理により、結晶性
珪素膜を得たら、再度の加熱処理をハロゲン元素を含ん
だ溶液中で行う。この加熱処理は、前述の結晶化を行う
ために行った加熱処理よりも高い温度で行うことが非常
に重要である。
【0039】この工程は、結晶化のために初期の段階で
意図的に混入させたニッケル元素(そのた珪素の結晶化
を助長する金属元素)を除去するための工程である。
【0040】ニッケルに代表される珪素の結晶化を助長
する金属元素は、非晶質珪素膜の結晶化のためには非常
に有用なもので、結晶化に際しては、重要な役割を果た
す。
【0041】しかし、結晶性珪素膜が得られた後におい
ては、半導体中で準位を形成したり、不安定要素として
作用するので、極力排除することが望まれる。
【0042】そこで、ここでは、再度ハロゲン元素を含
んだ雰囲気中において、加熱処理を行う。(図1
(D))
【0043】この加熱処理は、550℃〜1050℃、
好ましくは600℃〜980℃の温度で行うことが好ま
しい。
【0044】これは、600℃以下でがその効果がえら
れず、1050℃を越えることは、石英で形成された治
具が歪んでしまったり、装置に負担がかかるからであ
る。(この意味で980℃以下が好ましい)
【0045】また、この加熱処理温度の上限は、使用す
るガラス基板の歪点以下の温度で行うことが必要であ
る。使用するガラス基板の歪点以上の温度で加熱処理を
行うと、基板が変形するので注意が必要である。
【0046】この2度目の加熱処理の雰囲気は、第1の
結晶化を行った際のものと同じでよい。この加熱処理に
おいては、加熱温度が600℃〜750℃の場合は10
時間〜48時間、代表的には24時間とする。また加熱
温度が750℃〜900℃の場合は5時間〜24時間、
代表的には12時間とする。また加熱温度が900℃〜
1050℃の場合は1時間〜12時間、代表的には6時
間とする。
【0047】この工程を経ることにより、ニッケル元素
の濃度を初期の1/10以下とすることができる。これ
は、何らハロゲン元素によるゲッタリングを行わない場
合に比較して、ニッケル元素を1/10以下のできるこ
とを意味する。この効果は、他の金属元素を用いた場合
でも同様に得られる。
【0048】この効果は、第2の加熱処理の時間を長く
するか、第2の加熱処理の温度を高くすることにより、
より高めることができる。
【0049】この2度目の加熱処理を行うことで、ニッ
ケル元素が拡散し、局所的に集中した状態が発生してし
まうことを抑制することができる。
【0050】なお、実施例1においては、その制御性の
良さ、さらに簡便性からニッケル元素の導入を溶液を用
いる例を示した。しかし、CVD法たスパッタ法によっ
て、ニッケルまたはニッケルを含む膜を成膜する方法を
利用してもよい。また、吸着法を用いて、ニッケル元素
が非晶質珪素膜の表面に接して保持される方法を用いて
もよい。
【0051】またこのことは、他の珪素の結晶化を助長
する金属元素を利用する場合でも同様にいえることがで
きる。
【0052】〔実施例2〕本実施例では、実施例1とは
異なる形態の結晶成長を行わせる例に関する。本実施例
は、珪素の結晶化を助長する金属元素を利用して、横成
長と呼ばれる基板に平行な方向に結晶成長を行わす方法
に関する。
【0053】図2に本実施例の作製工程を示す。まず、
コーニング1737ガラス基板(石英基板でもよい)上
に下地膜として酸化窒化珪素膜202を3000Åの厚
さに成膜する。
【0054】次に非晶質珪素膜203を減圧熱CVD法
でもって、500Åの厚さに成膜する。この非晶質珪素
膜の厚さは、前述したように2000Å以下とすること
が好ましい。
【0055】次に図示しない酸化珪素膜を1500Åの
厚さに成膜し、それをパターニングすることにより、2
04で示されるマスクを形成する。このマスクは205
で示される領域で開口が形成されており、その領域で下
地の非晶質珪素膜203が露呈している。
【0056】開口203は、図面の奥行及び手前方向に
長手方向を有する細長い長方形を有している。この開口
203の幅は20μm以上とすればよい。またその長手
方向の長さは任意に決めればよい。
【0057】そして実施例1で示した重量換算で10p
pmのニッケル元素を含んだ酢酸ニッケル溶液を塗布す
る。こうして、ニッケル元素が点線206で示されるよ
うに、露呈した非晶質珪素膜の表面と酸化珪素膜でなる
マスク204の表面に接して保持された状態とする。
(図2(A))
【0058】次に極力酸素を含まない窒素雰囲気中にお
いて、600℃、4時間の加熱処理を行う。すると、図
2(B)の207で示されるような基板に平行な結晶成
長が進行する。この結晶成長は、ニッケル元素が導入さ
れた開口205の領域から周囲に向かって進行する。こ
の基板に平行な方向への結晶成長を横成長またはラテラ
ル成長と称する。
【0059】なおこの結晶化のための第1の加熱処理を
還元雰囲気中で行うことは非常に有用である。
【0060】この横成長は、100μm以上にわたって
行わすことができる。こうして横成長した領域を有する
珪素膜208を得る。なお、開口205が形成されてい
る領域においては、珪素膜の表面から下地界面に向かっ
て縦成長とよばる垂直方向への結晶成長が進行する。
【0061】そしてニッケル元素を選択的に導入するた
めの酸化珪素膜でなるマスク204を除去し、図2
(C)に示す状態を得る。この状態では、縦成長領域、
横成長領域、結晶成長が及ばなかった領域(非晶質状態
を有している)が珪素膜208中には存在している。
【0062】そしてこの状態で、HClを3%、さらに
水素を3%含んだ窒素雰囲気中で640℃の温度で12
時間の加熱処理を行う。このようにすることで、実施例
1においても述べたように膜中におけるニッケル元素の
濃度を減少させることができる。
【0063】この第2の加熱処理を行うことで、局所的
に集中したニッケル元素を拡散させることができる。そ
して、局所的にニッケル元素が集中することによる問題
を解決することができる。即ち、高密度のトラップ準位
の形成や金属的な電気特性が表れる問題を抑制すること
ができる。
【0064】次にパターニングを行うことにより、横成
長領域でなるパターン209を形成する。ここで、パタ
ーン209には、縦成長領域と非晶質領域、さらに横成
長の先端領域が存在しないようにすることが重要であ
る。
【0065】これは、縦成長と横成長の先端領域には、
ニッケル元素が比較的高濃度に含まれているからであ
る。また、非晶質領域はその電気的な特性が劣るからで
ある。
【0066】このようにして得られた横成長領域でなる
パターン209中に残留するニッケル元素の濃度は、実
施例1で示した場合に比較してさらに低いものとするこ
とができる。
【0067】これは、横成長領域中に含まれる金属元素
の濃度がそもそも低いことにも起因する。具体的には、
横成長領域でなるパターン209中のニッケル元素の濃
度を1017cm-3のオーダーにすることが可能となる。
【0068】また横成長領域を利用して薄膜トランジス
タを形成した場合、実施例1に示したような縦成長(実
施例1の場合は全面が縦成長する)領域を領域を利用し
た場合に比較して、より高移動度を有するものを得るこ
とができる。
【0069】ニッケル濃度を低くすることができるの
で、デバイスとしてその信頼性を高いものとすることが
できる。
【0070】〔実施例3〕本実施例は、本明細書に開示
する発明を利用して、アクティブマトリクス型の液晶表
示装置やアクティブマトリクス型のEL表示装置の画素
領域に配置される薄膜トランジスタを作製する例を示
す。
【0071】図3に本実施例の作製工程を示す。まず、
実施例1または実施例2に示した工程によりガラス基板
上に結晶性珪素膜を形成する。そしてそれをパターニン
グすることにより、図3(A)に示す状態を得る。
【0072】図3(A)に示す状態において、301が
ガラス基板、302が下地膜、303が結晶性珪素膜で
構成された活性層である。ここで下地膜302は酸化窒
化珪素膜を用いることが好ましい。また酸化窒化珪素膜
中には、ハロゲン元素を含有させておくことが望まし
い。これは、ハロゲン元素による金属イオンや可動イオ
ンのゲッタリング作用が利用するためである。
【0073】図3(A)に示す状態を得たら、ゲイト絶
縁膜を構成する酸化窒化珪素膜304を1000Åの厚
さに成膜する。成膜方法は、酸素とシランとN2 Oとの
混合ガスを用いたプラズマCVD法、またはTEOSと
2 Oとの混合ガスを用いたプラズマCVD法を用い
る。
【0074】また酸化窒化珪素膜中にハロゲン元素を含
有させることは、活性層中に存在するニッケル元素(そ
の他珪素の結晶化を助長する金属元素)の影響で、ゲイ
ト絶縁膜の絶縁膜としての機能が低下してしまうことを
防ぐ意味で有用となる。
【0075】酸化窒化珪素膜とすることは、その緻密な
膜質から、ゲイト絶縁膜中に金属元素が進入しくくなる
という有意性がある。ゲイト絶縁膜中に金属元素が進入
すると、絶縁膜として機能が低下し、薄膜トランシスタ
の特性の不安定性やバラツキの原因となる。
【0076】なおゲイト絶縁膜としては、通常利用され
ている酸化珪素膜を用いることもできる。
【0077】ゲイト絶縁膜として機能する酸化窒化珪素
膜304を成膜したら、後にゲイト電極として機能する
図示しないアルミニウム膜をスパッタ法で成膜する。こ
のアルミニウム膜中には、スカンジウムを0.2 重量%含
有させる。
【0078】アルミニウム膜中にスカンジウムを含有さ
せるのは、後の工程において、ヒロックやウィスカーが
発生することを抑制するためである。ヒロックやウィス
カーは、加熱が行われることによって、アルミニウムの
異常成長が発生し、針状あるいは刺状の突起部が形成さ
れてしまうことをいう。
【0079】アルミニウム膜を成膜したら、図示しない
緻密な陽極酸化膜を形成する。この陽極酸化膜は、3%
の酒石酸を含んだエチレングルコール溶液を電解溶液と
して行う。即ち、この電解溶液中において、アルミニウ
ム膜を陽極、白金を陰極として陽極酸化を行うことで、
アルミニウム膜の表面に緻密な膜質を有する陽極酸化膜
が形成される。
【0080】この図示しない緻密な膜質を有する陽極酸
化膜の膜厚は100Å程度とする。この陽極酸化膜が後
に形成されるレジストマスクとの密着性を向上させる役
割を有している。
【0081】なお、この陽極酸化膜の膜厚は、陽極酸化
時の印加電圧によって制御することができる。
【0082】次にレジストマスク306を形成する。そ
してアルミニウム膜を305で示されるパターンにパタ
ーニングする。こうして図3(B)に示す状態を得る。
【0083】ここで再度の陽極酸化を行う。ここでは、
3%のシュウ酸水溶液を電解溶液として用いる。この電
解溶液中において、アルミニウムのパターン305を陽
極とした陽極酸化を行うことにより、308で示される
多孔質状の陽極酸化膜が形成される。
【0084】この工程においては、上部に密着性の高い
レジストマスク306が存在する関係で、アルミニウム
パターンの側面に選択的に陽極酸化膜308が形成され
る。
【0085】この陽極酸化膜は、その膜厚を数μmまで
成長させることができる。ここでは、その膜厚を600
0Åとする。なお、その成長距離は、陽極酸化時間によ
って制御することができる。
【0086】そして再度の緻密な陽極酸化膜の形成を行
う。即ち、前述した3%の酒石酸を含んだエチレングル
コール溶液を電解溶液として用いた陽極酸化を再び行
う。すると、多孔質状の陽極酸化膜308中に電解溶液
が進入する関係から、309で示されるように緻密な膜
質を有する陽極酸化膜が形成される。
【0087】この緻密な陽極酸化膜309の膜厚は10
00Åとする。
【0088】ここで、露呈した酸化窒化珪素膜304を
エッチングする。このエッチングはドライエッチングを
利用するのが有用である。さらに酢酸と硝酸とリン酸と
を混合した混酸を用いて多孔質状の陽極酸化膜308を
除去する。こうして図3(D)に示す状態を得る。
【0089】図3(D)に示す状態を得たら、不純物イ
オンの注入を行う。ここでは、Nチャネル型の薄膜トラ
ンジスタを作製するためにP(リン)イオンの注入をプ
ラズマドーピング法でもって行う。
【0090】この工程においては、ヘビードープがされ
る311と315の領域とライトドープがされる312
と314の領域が形成される。これは、残存した酸化珪
素膜310の一部が半透過なマスクとして機能し、注入
されたイオンの一部がそこで遮蔽されるからである。
【0091】そしてレーザー光または強光の照射を行う
ことにより、不純物イオンが注入された領域の活性化を
行う。こうして、ソース領域311、チャネル形成領域
313、ドレイン領域315、低濃度不純物領域312
と314が自己整合的に形成される。
【0092】ここで、314で示されるのが、LDD
(ライトドープドレイン)領域と称される領域である。
(図3(D))
【0093】なお、緻密な陽極酸化膜309の膜厚を2
000Å以上というように厚くした場合、その膜厚でも
ってチャネル形成領域313の外側にオフセットゲイト
領域を形成することができる。
【0094】本実施例においてもオフットゲイト領域は
形成されているが、その寸法が小さいのでその存在によ
る寄与が小さく、また図面が煩雑になるので図中には記
載していない。
【0095】次に層間絶縁膜316として酸化珪素膜、
または窒化珪素膜、またはその積層膜を形成する。層間
絶縁膜としては、酸化珪素膜または窒化珪素膜上に樹脂
材料でなる層を形成して構成してもよい。
【0096】そしてコンタクトホールの形成を行い、ソ
ース電極317とドレイン電極318の形成を行う。こ
うして図3(E)に示す薄膜トランジスタが完成する。
【0097】〔実施例4〕本実施例は、実際例3に示す
構成において、ゲイト絶縁膜304の形成方法に関す
る。基板として石英基板や耐熱性の高いガラス基板を用
いた場合、ゲイト絶縁膜の形成方法として、熱酸化法を
用いることが好ましい。
【0098】熱酸化法で成膜されや酸化膜は、絶縁膜と
して緻密で内部に可動するような電荷が存在することが
ないので、ゲイト絶縁膜として最適なものの一つとな
る。
【0099】熱酸化膜の形成方法としては、950℃の
温度の酸化性雰囲気中において、処理を行う例を挙げる
ことができる。
【0100】この際、酸化性雰囲気中にHCl等を混合
させることは有効となる。このようにすることで、熱酸
化膜の形成と同時に活性層中に存在する金属元素を除去
することができる。
【0101】また、酸化性雰囲気中にN2 Oガスを混合
し、窒素成分を含有した熱酸化膜を形成することも有効
である。ここでN2 Oガスの混合比を最適化すれば、熱
酸化法による酸化窒化珪素膜を得ることも可能である。
【0102】ここでは熱酸化法によって、ゲイト絶縁膜
を形成する例を示した。しかし、他の方法として、熱C
VD法により、ゲイト絶縁膜を形成することもできる。
この場合もN2 Oまたはアンモニアを用いて、窒素成分
を含有させることが有効となる。
【0103】〔実施例5〕本実施例は、図3に示すのと
は異なる工程で薄膜トランジスタを作製する例を示す。
【0104】図4に本実施例の作製工程を示す。まず、
実施例1または実施例2に示した工程によりガラス基板
上に結晶性珪素膜を形成する。そしてそれをパターニン
グすることにより、図4(A)に示す状態を得る。
【0105】図4(A)に示す状態において、401が
ガラス基板、402が下地膜、403が結晶性珪素膜で
構成された活性層である。ここで下地膜402は酸化窒
化珪素膜を用いることが好ましい。
【0106】図4(A)に示す状態を得たら、ゲイト絶
縁膜を構成する酸化窒化珪素膜404を1000Åの厚
さに成膜する。成膜方法は、酸素とシランとN2 Oとの
混合ガスを用いたプラズマCVD法、またはTEOSと
2 Oとの混合ガスを用いたプラズマCVD法を用い
る。
【0107】なおゲイト絶縁膜としては、通常利用され
ている酸化珪素膜を用いることもできる。
【0108】ゲイト絶縁膜として機能する酸化窒化珪素
膜404を成膜したら、後にゲイト電極として機能する
図示しないアルミニウム膜をスパッタ法で成膜する。こ
のアルミニウム膜中には、スカンジウムを0.2 重量%含
有させる。
【0109】アルミニウム膜を成膜したら、図示しない
緻密な陽極酸化膜を形成する。この陽極酸化膜は、3%
の酒石酸を含んだエチレングルコール溶液を電解溶液と
して行う。即ち、この電解溶液中において、アルミニウ
ム膜を陽極、白金を陰極として陽極酸化を行うことで、
アルミニウム膜の表面に緻密な膜質を有する陽極酸化膜
が形成される。
【0110】この図示しない緻密な膜質を有する陽極酸
化膜の膜厚は100Å程度とする。この陽極酸化膜が後
に形成されるレジストマスクとの密着性を向上させる役
割を有している。
【0111】なお、この陽極酸化膜の膜厚は、陽極酸化
時の印加電圧によって制御することができる。
【0112】次にレジストマスク405を形成する。そ
してアルミニウム膜を306で示されるパターンにパタ
ーニングする。
【0113】ここで再度の陽極酸化を行う。ここでは、
3%のシュウ酸水溶液を電解溶液として用いる。この電
解溶液中において、アルミニウムのパターン406を陽
極とした陽極酸化を行うことにより、407で示される
多孔質状の陽極酸化膜が形成される。
【0114】この工程においては、上部に密着性の高い
レジストマスク405が存在する関係で、アルミニウム
パターンの側面に選択的に陽極酸化膜407が形成され
る。
【0115】この陽極酸化膜は、その膜厚を数μmまで
成長させることができる。ここでは、その膜厚を600
0Åとする。なお、その成長距離は、陽極酸化時間によ
って制御することができる。
【0116】そして再度の緻密な陽極酸化膜の形成を行
う。即ち、前述した3%の酒石酸を含んだエチレングル
コール溶液を電解溶液として用いた陽極酸化を再び行
う。すると、多孔質状の陽極酸化膜407中に電解溶液
が進入する関係から、408で示されるように緻密な膜
質を有する陽極酸化膜が形成される。
【0117】ここで、最初の不純物イオンの注入を行
う。この工程は、レジストマスク405を除去してから
行ってもよい。
【0118】この不純物イオンの注入によって、ソース
領域409とドレイン領域411が形成される。また4
10の領域には不純物イオンが注入されない。
【0119】次に酢酸と硝酸とリン酸とを混合した混酸
を用いて多孔質状の陽極酸化膜307を除去する。こう
して図4(D)に示す状態を得る。
【0120】図4(D)に示す状態を得たら、再度不純
物イオンの注入を行う。この不純物イオンは最初の不純
物イオンの注入条件よりライトドーピングの条件で行
う。
【0121】この工程において、ライトドープ領域41
2と413が形成される。そして414で示される領域
がチャネル形成領域となる。(図4(D))
【0122】そしてレーザー光または強光の照射を行う
ことにより、不純物イオンが注入された領域の活性化を
行う。こうして、ソース領域409、チャネル形成領域
414、ドレイン領域411、低濃度不純物領域412
と413が自己整合的に形成される。
【0123】ここで、413で示されるのが、LDD
(ライトドープドレイン)領域と称される領域である。
(図4(D))
【0124】次に層間絶縁膜314として酸化珪素膜、
または窒化珪素膜、またはその積層膜を形成する。層間
絶縁膜としては、酸化珪素膜または窒化珪素膜上に樹脂
材料でなる層を形成して構成してもよい。
【0125】そしてコンタクトホールの形成を行い、ソ
ース電極416とドレイン電極417の形成を行う。こ
うして図4(E)に示す薄膜トランジスタが完成する。
【0126】〔実施例6〕本実施例は、Nチャネル型の
薄膜トランジスタとPチャネル型の薄膜トランジスタと
を相補型に構成した例に関する。
【0127】本実施例に示す構成は、例えば、絶縁表面
上に集積化された各種薄膜集積回路に利用することがで
きる。また、例えばアクティブマトリクス型の液晶表示
装置の周辺駆動回路に利用することができる。
【0128】まず図5(A)に示すようにガラス基板5
01上に下地膜502として酸化珪素膜または酸化窒化
珪素膜を成膜する。好ましくは酸化窒化珪素膜を用いる
ことがよい。
【0129】さらに図示しない非晶質珪素膜をプラズマ
CVD法または減圧熱CVD法でもって成膜する。さら
に実施例1または実施例2に示した方法により、この非
晶質珪素膜を結晶性珪素膜に変成する。
【0130】そして得られた結晶性珪素膜をパターニン
グして、活性層503と504を得る。こうして図5
(A)に示す状態を得る。
【0131】なおここでは、活性層の側面を移動するキ
ャリアの影響を抑制するために、図5(A)に示した状
態において、HClを3%含んだ窒素雰囲気中にて65
0℃、10時間の加熱処理を行う。
【0132】活性層の側面に金属元素の存在によるトラ
ップ準位が存在すると、OFF電流特性の悪化を招くの
で、ここで示すような処理を行い、活性層の側面におけ
る準位の密度を低下させておくことは有用である。
【0133】さらにゲイト絶縁膜を構成する酸化窒化珪
素膜505を成膜する。ここで、基板として石英を用い
るならば、前述の熱酸化法を用いることが好ましい。
【0134】そして後にゲイト電極を構成するための図
示しないアルミニウム膜を4000Åの厚さに成膜す
る。アルミニウム膜以外には、陽極酸化可能な金属(例
えばタンタル)を利用することができる。
【0135】アルミニウム膜を形成したら、前述した方
法により、その表面に極薄い緻密な陽極酸化膜を形成す
る。
【0136】次にアルミニウム膜上に図示しないレジス
トマスクを配置し、アルミニウム膜のパターニングを行
う。そして、得られたアルミニウムパターンを陽極とし
て陽極酸化を行い、多孔質状の陽極酸化膜508と50
9を形成する。この多孔質状の陽極酸化膜の膜厚は例え
ば5000Åとする。
【0137】さらに再度緻密な陽極酸化膜を形成する条
件で陽極酸化を行い、緻密な陽極酸化膜510と511
を形成する。ここで緻密な陽極酸化膜510と511の
膜厚は800Åとする。こうして図5(B)に示す状態
を得る。
【0138】さらに露呈した酸化珪素膜505をドライ
エッチングによって除去し、図5(C)に示す状態を得
る。
【0139】図5(C)に示す状態を得たら、酢酸と硝
酸とリン酸を混合した混酸を用いて、多孔質状の陽極酸
化膜508と509を除去する。こうして図5(D)に
示す状態を得る。
【0140】ここで、交互にレジストマスクを配置し
て、左側の薄膜トランジスタにPイオンが、右側の薄膜
トランジスタにBイオンが注入されるようにする。
【0141】この不純物イオンの注入によって、高濃度
のN型を有するソース領域514とドレイン領域517
が自己整合的に形成される。
【0142】また、低濃度にPイオンがドープされた弱
いN型を有する領域515が同時に形成される。また、
チャネル形成領域516が同時に形成される。
【0143】515で示される弱いN型を有する領域が
形成されるのは、残存したゲイト絶縁膜512が存在す
るからである。即ち、ゲイト絶縁膜512を透過したP
イオンがゲイト絶縁膜512によって一部遮蔽されるか
らである。
【0144】また同様な原理により、強いP型を有する
ソース領域521とドレイン領域518が自己整合的に
形成される。また、低濃度不純物領域520が同時に形
成される。また、チャネル形成領域519が同時に形成
される。
【0145】なお、緻密な陽極酸化膜510と511の
膜厚が2000Åというように厚い場合には、その厚さ
でチャネル形成領域に接してオフセットゲイト領域を形
成することができる。
【0146】本実施例の場合は、緻密な陽極酸化膜51
0と511の膜厚が1000Å以下と薄いので、その存
在は無視することができる。
【0147】そして、レーザー光または強光の照射を行
い、不純物イオンが注入された領域のアニールを行う。
【0148】そして図5(E)に示すように層間絶縁膜
として窒化珪素膜522と酸化珪素膜523を成膜す
る。それぞれの膜厚は1000Åとする。なお、酸化珪
素膜523は成膜しなくてもよい。
【0149】ここで、窒化珪素膜によって、薄膜トラン
ジスタが覆われることになる。窒化珪素膜は緻密であ
り、また界面特性がよいので、このような構成とするこ
とで、薄膜トランジスタの信頼性を高めることができ
る。
【0150】さらに樹脂材料でなる層間絶縁膜524を
スピンコート法を用いて形成する。ここでは、層間絶縁
膜524の厚さは1μmとする。(図5(E))
【0151】そしてコンタクトホールの形成を行い、左
側のNチャネル型の薄膜トランジスタのソース電極52
5とドレイン電極526を形成する。また同時に右側の
薄膜トランジスタのソース電極527とドレイン電極5
26を形成する。ここで、526は共通に配置されたも
のとなる。
【0152】こうして、相補型に構成されたCMOS構
造を有する薄膜トランジスタ回路を構成することができ
る。
【0153】本実施例に示す構成においては、薄膜トラ
ンジスタを窒化膜で覆い、さらに樹脂材料によって覆っ
た構成が得られる。この構成は、可動イオンや水分の侵
入しにくい耐久性の高いものとすることができる。
【0154】また、さらに多層配線を形成したような場
合に、薄膜トランジスタと配線との間に容量が形成され
てしまうことを防ぐことができる。
【0155】〔実施例7〕本実施例は、実施例1または
実施例2で得た結晶性珪素膜に対して、さらにレーザー
光の照射を行うことにより、単結晶または実質的に単結
晶と見なせる領域を形成する構成に関する。
【0156】まず実施例1に示したようにニッケル元素
の作用を利用して結晶性珪素膜を得る。そして、その膜
に対してエキシマレーザー(例えばKrFエキシマレー
ザー)を照射して、さらにその結晶性を助長させる。
【0157】このような方法で結晶化を大きく助長させ
た膜は、ESRで計測した電子スピン密度が3×1017
個cm-3以下であり、またSIMSで計測した最低値と
して当該ニッケル元素濃度を3×1017cm-3以下で有
し、さらに単結晶と見なすことができる領域を有するも
のとなる。
【0158】この領域には、実質的に結晶粒界が存在し
ておらず、単結晶珪素ウエハーに匹敵する高い電気的な
特性を得ることができる。
【0159】またこの単結晶と見なせる領域は、水素を
5原子%以下〜1×1015cm-3程度含んでいる。この
値は、SIMS(2次イオン分析方法)による計測より
明らかにされる。
【0160】このような単結晶または単結晶と見なせる
領域を利用して薄膜トランジスタを作製することで、単
結晶ウエハーを利用して作製したMOS型トランジスタ
に匹敵するものを得ることができる。
【0161】〔実施例8〕本実施例は、図3〜5で示し
たような薄膜トランジスタの作製工程において、ゲイト
絶縁膜の作製を熱CVD法で成膜した場合の例を示す。
熱CVD法でゲイト絶縁膜を形成する場合は、高温で加
熱することが必要とされるので、基板として石英を用い
ることが望ましい。
【0162】ここでは、HClを体積比率で3%含んだ
酸素ガスを利用して、減圧熱CVD法により、ゲイト絶
縁膜を形成する例を示す。このような方法で得られたゲ
イト絶縁膜は、活性層中に存在する金属元素の進入によ
って、その電気的な特性が変化しにくいものとすること
ができる。
【0163】〔実施例9〕本実施例は、実施例1または
実施例2に示す工程において、第2の加熱処理を酸素を
主成分とする雰囲気とすることを特徴とする。例えば、
酸素雰囲気中にHClを3%含有させ、その雰囲気中に
おいて加熱処理を行うことを特徴とする。
【0164】前述したように、結晶化を行うための第1
の加熱処理においては、雰囲気中において酸素が存在し
ていることは、局所的に酸化ニッケルが形成されてしま
うので好ましくない。
【0165】しかし、第2の加熱工程においては、表面
に存在する金属元素はほとんど無いので、雰囲気を酸素
主成分としても特に問題とはならない。
【0166】一方、この第2の加熱処理において雰囲気
を酸素を主成分としたものとすると、加熱処理と同時に
珪素膜の表面に極薄い酸化膜(熱酸化膜)が形成され
る。この酸化膜は良好な界面特性を有したものであり、
後のゲイト絶縁膜の下地膜(最終的にゲイト絶縁膜と一
体化する)として有効に機能する。
【0167】また、珪素膜の保護する保護膜としても機
能する。特に、第2の加熱処理の後にさらにレーザー光
の照射を併用する場合は、この酸化膜が存在することは
非常に有用なものとなる。
【0168】即ち、レーザー光の照射による膜表面の荒
れを最小限にするために有効な保護膜となる。
【0169】〔実施例10〕本実施例は、実施例1に示
す工程において、下地膜の表面に直接ニッケル元素を導
入する例を示す。この場合、ニッケル元素は非晶質珪素
膜の下面に接して保持されることになる。
【0170】
【発明の効果】本明細書で開示する発明を利用すること
で、珪素の結晶化を助長する金属元素を利用して得られ
た結晶性珪素膜における金属の局所的集中の問題を解決
することができる。そして信頼性の高い薄膜トランジス
タを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 結晶性珪素膜を得る工程を示す図。
【図2】 結晶性珪素膜を得る工程を示す図。
【図3】 薄膜トランジスタを作製する工程を示す図。
【図4】 薄膜トランジスタを作製する工程を示す図。
【図5】 薄膜トランジスタを作製する工程を示す図。
【符号の説明】
101 ガラス基板または石英基板 102 下地膜(酸化珪素膜または酸化窒化珪素
膜) 103 非晶質珪素膜 104 ニッケルを含んだ溶液の水膜 105 結晶性珪素膜 201 ガラス基板または石英基板 202 下地膜(酸化珪素膜または酸化窒化珪素
膜) 203 非晶質珪素膜 204 酸化珪素膜でなるマスク 205 開口部 206 接して保持されたニッケル 207 基板に平行な方向への結晶成長の方向 208 珪素膜 209 パターニンされた珪素膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/786 H01L 29/78 616A 21/336 627G (72)発明者 宮永 昭治 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非晶質珪素膜に珪素の結晶化を助長する金
    属元素を意図的に導入し第1の加熱処理により前記非晶
    質珪素膜を結晶化させる工程と、 第2の加熱処理を行う工程と、 前記珪素膜上に酸化窒化珪素膜を形成する工程と、 を有し、 前記第2の加熱処理は前記第1の加熱処理と同じまたは
    それ以上の温度で行われることを特徴とする半導体装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 珪素の結晶化を助長する金属元素としてFe、Co、N
    i、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Au
    から選ばれた一種または複数種類のものが用いられるこ
    とを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、ハロゲン元素を含んだ
    雰囲気は、O2 雰囲気中にHCl、HF、HBr、Cl
    2 、F2 、Br2 から選ばれた一種または複数種類のガ
    スが添加されたものであることを特徴とする半導体装置
    の作製方法。
  4. 【請求項4】請求項1において、第2の加熱処理は55
    0℃〜1050℃の温度で行われることを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
  5. 【請求項5】請求項1において、第2の加熱処理は60
    0℃〜980℃の温度で行われることを特徴とする半導
    体装置の作製方法。
  6. 【請求項6】請求項1において、第1の加熱処理は還元
    雰囲気中で行われることを特徴とする半導体装置の作製
    方法。
  7. 【請求項7】請求項1において、第2の加熱処理の後に
    さらにレーザー光を照射して、 3×1017cm-3以下のスピン密度を有し、 かつ実質的に結晶粒界が存在しない単結晶または実質的
    に単結晶と見なせる領域を形成することを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
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