JPH09166405A - 移動状態検出回路 - Google Patents

移動状態検出回路

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JPH09166405A
JPH09166405A JP33018095A JP33018095A JPH09166405A JP H09166405 A JPH09166405 A JP H09166405A JP 33018095 A JP33018095 A JP 33018095A JP 33018095 A JP33018095 A JP 33018095A JP H09166405 A JPH09166405 A JP H09166405A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】折り畳み機構を有する携帯通信機器において、
装置の小型化および生産時の素子および組立ばらつきに
も対応して折り畳み状態を安定して検出する。 【解決手段】磁気センサー2は機器本体に搭載され、磁
石1は機器本体に折り畳める折り畳み部に搭載される。
磁気センサー2は磁石1からの磁界aを検出してセンサ
ー出力bを生じる。A/Dコンバータ3はセンサー出力
bをデジタル値cに変換してCPU4に送る。CPU4
は、デジタル値cと予め生産段階でEE−PROM5に
記録してあるパラメータを使用し、演算によって折り畳
み部の機器本体への折り畳み状態を判断する。CPU4
は、また、上記パラメータをセンサー出力b対応のデジ
タル値cに従う学習効果により機器の実使用状態におい
て更新していくことで、機器の長期に渡る経年変化に対
応する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は使用時に移動可能な
機構部品等,移動部品の移動状態を検出する移動状態検
出回路に関し、特に折り畳み開閉機溝における折り畳み
状態検出に好適な移動状態検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯通信機等の携帯機器には、実
使用状態における操作・表示部の有効面積の増大を図っ
たり,あるいは音声通信時の通話性を向上する目的で、
本体や本体の一部が折り畳める折り畳み開閉機構を有す
るものがある。また折り畳み状態の検出によって、省電
力化や付加機能の実現を図っている携帯機器もある。こ
れらの携帯機器では、携帯用という特に小型化が要求さ
れる実装条件の中で、安定性・量産性にすぐれた折り畳
み機構およびその折り畳み状態の検出回路が必要とされ
る。また、使用時に移動可能な機構部品等,移動部品を
有する機器では、これら移動部品の移動の有無を検出し
て上記携帯機器と同様の機能処理実行が要求されるもの
がある。
【0003】折り畳み状態検出機構を有する無線電話機
が、特開昭64−85454号公報に開示されている。
この無線電話機では、第3図および第4図に示される通
り、折り畳み可能なキャビネットの閉じた場合と開いた
場合とが存在する。そして、キャビネットが閉じた場合
に電源を断続させ,間欠受信によってこの無線電話機の
低消費電流化を狙っている。しかし、この公報では、上
記キャビネットの折り畳み状態を「開閉検出スイッチ」
で検出することのみ記載しており、この「開閉スイッ
チ」として具体的には何を用いればよいか,またこのス
イッチがどのような状態のとき折り畳み状態の検出とな
るかは記述されていない。
【0004】特開昭64−85454号公報に開示され
た磁気ディスク装置は、小型化が要求される機器の一つ
であり、ディスク上に設けた書き込み防止用スイッチの
位置を磁石と磁気センサーとで検出している。この磁気
ディスク装置では、ディスク上の書き込み防止用スイッ
チの位置を機械が受け、その機械上に存在する磁石が物
理的に位置移動し、磁石の移動による磁場変化を別の部
品上に設けた磁気センサーであるホール素子の電圧出力
レベル変化でとらえて上記スイッチの位置を判断してい
る。位置移動する前には、スイッチが磁気ホール素子に
近づいていないため、ホール素子の出力電圧は0である
と説明している。一方、磁石がホール素子に近づくと、
磁界強度に応じた電圧がホール素子から出力されてスイ
ッチの位置が移動していることがわかると説明してい
る。
【0005】このように、磁気センサーを用いて部品の
位置移動を検出をする場合には、磁石と磁気センサーと
を別々の部品に配置し、装置の使用状態によって互いの
部品位置関係が変化することにより磁気センサーの出力
が変化し、この出力値から装置の使用状態を判断してい
る。この位置移動検出回路は、磁気センサーが移動部品
に非接触であるため安定動作が期待できるという利点が
ある。なお、この磁気ディスク装置では、磁気センサー
の出力をどのように判断してスイッチの位置を決めてい
るか触れられていない。
【0006】特開平5−103257号公報に開示の絞
り値検出装置は、やはり小型化を求められるビデオカメ
ラ等の一部をなす装置であり、絞りを変化させると磁石
のついたマグネットロータの位置が変化する機構になっ
ている。この装置では、磁石の移動をホール素子がとら
えることによってこのホール素子の出力電圧が変化し、
この出力電圧の変化をA/Dコンバータでデジタル値に
変換してビューファインダーへの表示値等に利用する。
なお、上記デジタル値はホール素子のばらつきによって
変化するので、この装置では、量産時には生産工程にお
いてマグネットロータの位置を固定し、その時に一定の
デジタル値が得られる様にD/Aコンバータ出力でホー
ル素子の電源電圧を調整し、その時のD/Aコンバータ
への設定値をEE−PROM(不揮発性メモリ)に保存
する。即ち、この装置は、磁気センサー出力の処理方法
および量産性が考慮されており、生産時における上記デ
ジタル値のばらつきが吸収できる構成となっている。
【0007】特開平4−250780号公報に開示され
たビデオカメラ装置は、上記絞り値検出装置の変形とも
呼べるものである。即ち、絞り値検出装置ではホール素
子の出力電圧からホール素子の電源電圧の調整の為のD
/Aコンバータ設定値をどのように導き出すかについて
触れていないが、このビデオカメラ装置の従来例(第2
図)では、アイリス(絞り)の開閉検出調整時にホール
素子が出力するアナログ電気増幅信号を外部測定器に取
り出し、この外部測定器を用いてホール素子の特性を微
調整し、D/Aコンバータ設定値を導き出している。こ
のビデオカメラ装置では、また上記アナログ電気増幅信
号の測定値を自身の有するディスプレイに表示して外部
測定器を不要にすることが出来るとも説明している。
【0008】上述のビデオカメラ(装置)に見られるよ
うに、機器の量産に当たっては部品の移動状態を検出す
る素子のばらつきは無視出来ないものであり、機器の量
産性,小型化,高信頼性等を合わせ保つためにはさまざ
まな工夫が必要になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した各装置におい
ては、小型化されても移動部品の移動状態検出の信頼性
を十分高く保つ必要がある。即ち、装置を小型化する
と、磁石および磁気センサーの大きさ,これらの位置関
係についての選択の自由度が狭まり、移動状態検出回路
は微小な磁界を扱う必要が生じるからである。装置小型
化の方法によってはより小さい磁石にすることが要求さ
れ、その結果磁気センサーはより小さな磁界強度の変化
を正しく検出しなければならない。加えて装置の実装条
件が厳しくなると、部品実装位置に制約を受けるので、
磁石から最も大きな磁界強度が受けられるような最適位
置に磁気センサーを配置出来ない場合がある。磁気セン
サーに受ける磁界強度が小さいと磁気センサーの出力も
小さくなり、装置量産時において、磁石,磁気センサー
および部品配置等の素子ばらつきの影響により、移動部
品の移動状態検出の信頼度が低くなりやすいという欠点
が生じる。特に第1および第2の開示例装置では、素子
のばらつきに考慮がされていないので、そのまま小型化
しても量産性の問題が生じることになる。
【0010】次に、上記各装置においては、保守性(修
理性またはリペア性)を高めるとともに経年変化につい
ても考慮を払う必要がある。量産性を考慮して移動状態
検出のために複雑な調整機能をもたせる場合には、保守
時に特別な測定器や手順を必要としないことが望まれ
る。また、移動部品は機械要素を含むので経年変化に注
意を払う必要がある。第3および第4の開示例装置で
は、工場出荷時に複雑な手順で調整されるので初期性能
は良いと考えられるが、機械部品の摩耗による経年変化
は一般に装置性能を劣化させると考えられる。この、性
能劣化した装置の修理において、第3および第4の開示
例装置は、工場出荷時と同じ複雑な調整を行う必要があ
るという問題がある。
【0011】従って本発明の第1の目的は、小型化され
た装置においても、移動部品の移動状態検出の信頼度を
確保しつつ装置の部品実装の自由度を高め,装置小型化
および軽量化能力の向上をはかることができる移動状態
検出回路を提供することにある。
【0012】また本発明の第2の目的は、装置を構成す
る素子にばらつきがあっても、このばらつきを吸収する
ことができるとともに調整回路が簡略化ができ、従って
装置コストの低減および生産性向上をはかることができ
る移動状態検出回路を提供することにある。
【0013】さらに本発明の第3の目的は、保守用の回
路・装置構成を簡略化するとともに使用中の学習効果に
より長期にわたる信頼性を向上させることができる移動
状態検出回路を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による移動状態検
出回路は、第1の部品に搭載された磁石と、前記第1の
部品に対する相互位置が変化可能な第2の部品に搭載さ
れ前記磁石によって生じる磁界の強度に対応するセンサ
ー出力を生じる磁気センサーと、前記第2の部品が前記
第1の部品に対して所定相互位置より近位置にある場合
に対応する閉状態センサー値と前記第2の部品が前記第
1の部品に対して前記所定相互位置より遠位置にある場
合に対応する開状態センサー値とを記憶する不揮発性メ
モリと、前記センサー出力と前記閉状態センサー値と前
記開状態センサー値とに応答して前記第1の部品と前記
第2の部品との相互位置が前記所定相互位置に対して遠
いか近いかを判断するCPU(マイクロプロセッサ)と
を備える。
【0015】前記移動状態検出回路の一つは、前記CP
Uが、前記閉状態センサー値と前記開状態センサー値と
から前記第1の部品と前記第2の部品との相互位置判断
の境界値を演算し、この境界値と前記センサー出力とか
ら前記記第1の部品と前記第2の部品との相互位置の遠
近を判断する構成をとることができる。
【0016】該移動状態検出回路は、前記CPUが、前
記センサー出力をデジタル化した値ごとにしかも任意の
時間間隔ごとに前記不揮発性メモリに累積加算し、前記
閉状態センサー値の近傍または前記開状態センサー値の
近傍における前記累積加算値が所定値を越えると、前記
閉状態センサー値または前記開状態センサー値を前記累
積加算値が所定値を越えた前記センサー出力に置き換え
る構成をとることができる。
【0017】前記移動状態検出回路の別の一つは、前記
第1の部品および前記第2の部品のいずれか一つが、折
り畳み機構を有する携帯機器の機器本体であり、前記第
1の部品および前記第2の部品のいずれか別の一つが、
前記携帯機器の折り畳み部であり、前記相互位置の遠近
判断が、前記折り畳み部が前記機器本体に折り畳まれて
いるか否かに基づく構成をとることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して説明する。
【0019】図1は本発明による移動状態検出回路の一
実施の形態を示す構成図である。また、図2は図1の移
動状態検出回路が折り畳み機構を有する携帯通信機器に
内蔵されている場合を示す概念図であり、(a)は折り
畳み部7を機器本体6に折り畳んだ時の概念図、(b)
は折り畳み部7を機器本体6から開いた時の概念図であ
る。
【0020】図1および図2を併せ参照すると、本実施
の形態の移動状態検出回路は、折り畳み機構を有する携
帯通信機器に内蔵されている。この携帯通信機器の筐体
は、機器本体6と、ヒンジ機構等による折り畳み機構に
より機器本体6に折り畳むことができる折り畳み部7と
を含む。この携帯通信機器では、磁石1を移動部品であ
る折り畳み部7に配置し、相対的に固定部品である機器
本体6に磁気センサー2を配置している。折り畳み部7
が機器本体6に折り畳まれると(図2(a)参照)、磁
石1が磁気センサー2に接近し、磁気センサー2は磁石
1から大きな強度の磁界aを受ける。逆に、折り畳み部
7が機器本体6から開かれると(図2(b)参照)、磁
石1が磁気センサー2から遠ざかり、磁気センサー2は
磁石1から小さな強度の磁界aを受ける。なお、磁石1
が機器本体6に搭載され,磁気センサー2が折り畳み部
7に搭載されても、磁気センサー2は上述とおなじ磁界
aを受ける。図1の移動状態検出回路のCPU(マイク
ロプセッサ)4は、図2の携帯通信機器に内蔵されてい
る場合には、折り畳み部7が機器本体6に折り畳まれて
いる(閉じられている)か否かを検出する。
【0021】この移動状態検出回路の動作について説明
すると、磁気センサー2は磁石1からの磁界aの強度を
検出してアナログ電圧値であるセンサー出力bを生じ
る。このセンサー出力bはA/Dコンバータ3によって
デジタル値cに変換され、このデジタル値cはCPU4
に供給される。一方、EE−PROM5には、折り畳み
部7が機器本体6に折り畳まれたときのセンサー出力a
nに対応する閉状態センサー値K(閉)と、折り畳み部
7が機器本体6から開かれたときのセンサー出力afに
対応する開状態センサー値K(開)とが予め記憶されて
いる。これら閉状態センサー値K(閉)と開状態センサ
ー値K(開)は、最初、携帯通信機器の生産段階で折り
畳み部7の閉状態と開状態とを作りだすことで得られ
る。
【0022】CPU4は、EE−PROM5に記憶され
ている閉状態センサー値K(閉)と開状態センサー値K
(開)とから、折り畳み部7が機器本体6に折り畳まれ
ているか否かを判断する境界値Bを計算する。境界値B
は例えば(K(閉)+K(開))/2として計算されて
よい。デジタル値cを受けると、CPU5は折り畳み部
7が機器本体6に折り畳まれているか否かを判断する。
即ち、CPU5はc〉B=(K(閉)+K(開))/2
のとき折り畳み部7が機器本体6に折り畳まれていると
判断し,c〈Bのとき折り畳み部7が機器本体6から開
かれていると判断する。
【0023】次に、この移動状態検出装置の各構成要素
について詳しく説明する。
【0024】図3は図1の移動状態検出回路に使用した
磁気センサー2の回路図である。磁気センサー部21
は、ブリッジ構成をなすとともに電源電圧VDDを印加
されている磁気抵抗素子を磁気センサーとして使用して
おり、磁石1からの磁界aを受けると各抵抗素子の抵抗
値が変化する。この抵抗値変化は、増幅部22の入力端
電圧の変化,つまり抵抗値R1の抵抗器221の入力端
と抵抗値R3の抵抗器223との間の電圧変化としてと
らえられる。増幅部22はこの電圧変化を増幅してセン
サー出力bをA/Dコンバータ3の解像度に合わせる。
増幅部22はオペアンプ225,オペアンプ225の出
力端と−入力端とを接続した抵抗値R2の抵抗器22
2,オペアンプ225の+入力端と接地電位との間に接
続した抵抗値R4の抵抗器224,オペアンプ225の
−入力端と磁気センサー部21の平衡出力端の一つとの
間に接続した抵抗器221,オペアンプ225の+入力
端と磁気センサー部21の平衡出力端の別の一つとの間
に接続した抵抗器223とからなる。増幅部22のゲイ
ンGは、R1=R3およびR2=R4とすると、G=R
2/R1となる。
【0025】磁気センサー部21は、本実施の形態で用
いた磁気抵抗素子を強磁性薄膜抵抗素子に置き換えても
ほぼ同じ効果が生じる。また、磁気センサー部21と同
様に磁石1の磁界aを検出できる磁気センサーとして、
上記以外にも、コイル,リードスイッチ,ホールIC,
ホール素子等を使用できる。しかしながら、本発明で
は、小型化に対応できること,および後述のとおりアナ
ログ値のセンサー出力bを生じさせるのが望ましいとこ
ろから、磁気センサー部21にはホール素子,磁気抵抗
素子,強磁性薄膜抵抗素子の使用が推奨される。ホール
素子は、センサー出力が電圧出力であるため、この電圧
出力をそのままA/Dコンバータ3に入力できる。
【0026】A/Dコンバータ3は、供給されたセンサ
ー出力bを、例えば8bitのデジタル値cに変換す
る。この場合にA/Dコンバータ3が出力するデジタル
値cは、最大値が255,最小値が0となる。A/Dコ
ンバータ3は、磁石1が磁気センサー2に近づいて強い
磁界aを検出すると大きな値のデジタル値cを,磁気セ
ンサー2が磁界aをほとんど検出しない状態では小さな
値のデジタル値cをそれぞれ出力する。
【0027】次に、本実施の形態の携帯通信機器の生産
段階における,EE−PROM5への閉状態センサー値
K(閉)と開状態センサー値K(開)の格納について説
明する。生産段階において調整者は、テスト装置と製造
部門と保守部門にのみ公開されているテストモードを用
いて、携帯通信機器の折り畳み部7の機器本体6からの
折り畳み状態を開・閉両様に変化させる。いま、この変
化させた折り畳み状態においてA/Dコンバータ3から
得られるデジタル値cをセンサー出力K(X)とおく。
テスト装置は、センサー出力K(X)を折り畳み状態に
応じて開状態センサー値K(開)および開状態センサー
値K(閉)に分類してEE−PROM5に格納する。テ
スト装置において、K(開)とK(閉)の値を格納する
コマンドは別に存在する。順不同であるが、テスト装置
は、折り畳み部7を開状態にしてK(開)を格納するコ
マンドを入力し、次に折り畳み部7を閉状態にしてK
(閉)を格納するコマンドを入力し、生産段階での閉状
態センサー値K(閉)と開状態センサー値K(開)のE
E−PROM5への格納を行う。
【0028】開状態センサー値K(開)および閉状態セ
ンサー値K(閉)は、磁石1のばらつき,磁気センサー
部21のばらつき,増幅部22の電圧オフセット等のば
らつき,A/Dコンバータ3の解像度ばらつき等のため
に、調整する携帯通信機器ごとにばらつきを示す。しか
し、本実施の形態の携帯通信機器では、回路の簡素化と
保守性を向上させるため、これらのばらつきを補正する
回路は特に設けておらず、後述するとおりEE−PRO
M5に格納された開状態センサー値K(開)および閉状
態センサー値K(閉)を機器使用時の折り畳み状態判断
のパラメータとして活用することで、上述の素子のばら
つきを吸収している。なお、センサー出力K(開)およ
びK(閉)は、EE−PROM5に格納されるので電源
を切っても保存される。
【0029】次に、携帯通信機器の実使用時におけるC
PU4の折り畳み状態検出の動作について説明する。実
使用時において、CPU4はA/Dコンバータ3からデ
ジタル値c,つまりセンサー出力K(X)を定期的に読
み出す。この読み出しを間欠的に行うのは、折り畳みの
状態変化を受けても機器が過敏に反応する必要は無いこ
と,状態変化を知るのは人間の操作速度に追従できれば
良こと,および機器の消費電流を低減するためである。
センサー出力K(X)の読み出し速度は、機器を使用し
ていない状態が長く続いている場合にはタイムインター
バルを長くし、機器を頻繁に使用する場合にはタイムイ
ンターバルを短くすることで、さらに消費電流の低減を
図る事が出来る。
【0030】CPU4は、センサー出力K(X)をEE
−PROM5に格納した開状態センサー値K(開)およ
び開状態センサー値K(閉)と比較し、折り畳み部7が
機器本体6に折り畳まれているか否かを判断する。この
折り畳み状態か否かの境界値Bは、前述のとおり(K
(閉)+K(開))/2として計算されてよい。この場
合、CPU5はB〉(K(閉)+K(開))/2のとき
折り畳み部7が機器本体6に折り畳まれていると判断
し,K(X)〈Bのとき折り畳み部7が機器本体6から
開かれていると判断する。なお、境界値Bは後述のとお
り機器の実使用状態を考慮して決定するとなおよい。
【0031】携帯通信機器の実使用時には、折り畳み部
7を閉じた場合,機器に振動が発生してセンサー出力K
(X)が振動する場合がある。また、折り畳み部7の開
閉がゆっくり行われた場合、開閉の境界点付近でCPU
4によるA/Dコンバータ3からのデジタル値c(つま
りK(X))の読み取りが安定せず、チャタリングが発
生する場合がある。これらの場合には、CPU4はセン
サー出力K(X)の読み取り判定にヒステリシスを設け
て安定動作を得るようにする。
【0032】例えば、センサー出力K(開)=5,K
(閉)=200である時、折り畳み部7が開から閉に変
化したことを検出するには境界値B=150とし、また
閉から開に変化したことを検出するには境界値B=50
とする。このように境界値Bを折り畳み開閉の遷移方向
に近づけるようにすると、例えば折り畳み部7が閉状態
のときに機械振動で読みとりセンサー出力K(X)が変
化しても、K(X)が50という小さな値まで変わらな
いと、CPU4は折り畳み部7の開を検出することがな
い。また、折り畳み部7が開状態において、折り畳み部
7に手が触れて少し角度が変わったぐらいでも、センサ
ー出力K(X)が150という大きな値にならなければ
CPU4は折り畳み部7が閉であると検出することもな
い。さらに折り畳み部7を閉から開にゆっくり変化させ
た場合でも、一度K(X)=50を検出する角度までゆ
けば、大きくK(X)=150になるような変化が無い
限り、CPU4は折り畳み状態判定にチャタリングを生
じることがない。温度変化などにより機器の回路特性が
変化する場合にも、上述のとおりに境界値Bを定めるこ
とにより、同様に折り畳み状態の判定にマージンを持た
せることができる。
【0033】上述のとおり本実施の形態の移動状態検出
回路は、微小な磁界aに対応した折り畳み状態判定機能
を有しているので、小型化された装置においても、折り
畳み部7の折り畳み状態検出の信頼度を確保しつつ部品
実装の自由度を高め,装置小型化および軽量化能力の向
上をはかることができるという効果がある。
【0034】また、この移動状態検出回路は、生産時に
設定されたセンサー出力K(X)をそのまま認めて折り
畳み状態を演算により判定できるので、装置を構成する
素子にばらつきがあっても、このばらつきを吸収するこ
とができるとともに調整回路が簡略化ができ、従って装
置コストの低減および生産性向上をはかることができる
という効果がある。
【0035】折り畳み状態の判定をソフトウェア演算で
行うという上記と同様の理由により、この移動状態検出
回路は上記判定のヒステリシス幅を変化させたり,懸念
される経年変化を装置条件に合わせて演算するなど多様
な設計が可能になるという効果もある。
【0036】さらに、この移動状態検出回路は、生産時
および保守時の折り畳み状態判定あるいは調整では、折
り畳み部7の折り畳み状態を変化させた場合に開状態セ
ンサー値K(開)と閉状態センサー値K(閉)を記録さ
せる治具しか必要ないので、生産および保守が簡単であ
るという効果がある。
【0037】なお、本実施の形態の移動状態検出回路
は、携帯通信危機に適用した例について説明している
が、例えば従来の技術の項で説明した磁気ディスク装
置,ビデオカメラ装置等,第1の部品に搭載された磁石
1と第2の部品に搭載された磁気センサー2との相互位
置の遠近が検出されるべき装置であれば、どのような装
置にも適用できることは勿論である。
【0038】本実施の形態による移動状態検出回路は、
また、EE−PROM5に格納した開状態センサー値K
(開)および開状態センサー値K(閉)の更新機能を有
する。即ち、携帯通信機器の使用状態において、CPU
4は予め定めたタイムインターバルごとに得たA/Dコ
ンバータ3からのデジタル値c,つまりセンサー出力K
(X)をEE−PROM5に累積値として格納する。そ
して、CPU4はセンサー出力K(X)の累積情報を基
に特定の条件が満たされた場合に、開状態センサー値K
(開)と閉状態センサー値K(閉)の格納値を更新して
いく。
【0039】まず、センサー出力K(X)の累積方法に
ついて説明すると、CPU4はセンサー出力K(X)の
値をA/Dコンバータ3から特定のタイムインターバル
で読み取ってEE−PROM5に記録にする。EE−P
ROM5は記録テーブルに各値のセンサー出力K(X)
の累積値を記録しており、CPU4は例えばK(X)=
200を読み取るとK(X)=200のテーブルの累積
値を1増加させる。過去のK(X)=200の累積値が
100であれば、K(X)=200のテーブル値は10
1となる。ただし、CPU4は、全てのセンサー出力K
(X)の累積値を記録するのではなく、K(X)が開状
態センサー値K(開)の近傍の場合および閉状態セサー
値K(閉)の近傍の場合のみK(X)の累積値を記録す
る。
【0040】いま、K(開)=5,K(閉)=200,
近傍の範囲を±3内に設定すると、K(開)の近傍が2
から8までの間,K(閉)の近傍が197から203ま
での間になる。ただし、上記近傍の範囲として異常な範
囲が設定されると折り畳み部7の開閉が正常であるとは
認め難くなるので、開状態センサー値K(開)が更新さ
れてもK(開)の近傍の範囲は50を越えないといった
様に、範囲指定の上限と下限を定めておく必要がある。
上の例では説明を容易にするために近傍の範囲±3内と
かなり小さくとっているが、普通に使用した場合にセン
サー出力K(X)が近傍にあるように近傍範囲を設定す
る。センサー出力K(X)が先に設定されたK(開)ま
たはK(閉)の近傍にある時、センサー出力K(X)が
累積範囲に入っていると見なして累積値の加算を行う。
この加算を続けると、K(開)およびK(閉)の近傍で
K(X)の累積値の大きな山ができてくる。
【0041】図4はEE−PROM5に累積するセンサ
ー出力K(X)の累積値を示す図であり、(a)は開状
態センサー値K(開)に対応するK(X)の累積値が上
限に達した場合の累積分布例、(b)は新しい開状態セ
ンサー値K(開)を選んだ直後のK(X)の累積分布例
である。
【0042】この図は、EE−PROM5に累積するセ
ンサー出力K(X)の各各の累積値の上限を、K(開)
更新用およびK(閉)更新用とも所定値255に設定す
る場合を示している。センサー出力K(X)の任意の一
つが予め定めた所定の累積値255に達すると、CPU
4は累積値255に達したK(X)に対応する開状態セ
ンサー値K(開)または閉状態センサー値K(閉)を累
積値255に達したK(X)に更新する。
【0043】図3(a)では、K(開)=5の近傍にあ
るK(X)=6の累積値が累積値の上限255に達して
いる。すると、CPU4は開状態センサー値K(開)の
見直しを行ってK(開)=6と更新する。CPU4は、
また、累積値テーブルも新しいK(開)の近傍を再設定
する。この場合は新しいK(開)=6に対し±3の範囲
ということで、K(開)に対応するK(X)の累積範囲
を、従前のK(X)=(2〜8)から新たにK(X)=
(3〜9)に設定する。
【0044】図−3(b)は図3(a)の累積値テーブ
ルに従って新しいK(開)を選んだ直後のK(X)の累
積分布例である。新しいK(開)の値を選択すると、C
PU4は新たな近傍の範囲からもれた累積値テーブルの
データ,この例ではK(X)=2を捨て、新しく近傍の
範囲に入ったK(X)には0を設定する。CPU4はま
た従来からあるK(X)の累積値を所定数で除算して減
少させる。上述の更新動作によって、本実施の形態の携
帯通信機器では、実使用状態を続けるに従って開状態セ
ンサー値K(開)および閉状態センサー値が校正されて
いくとともに、折り畳み機構のガタや素子の経年特性な
ども、故障などの急激な変化がない限り補正されてい
く。
【0045】上述したEE−PROM5の累積値テーブ
ルは、機器の実使用状態の中でセンサー出力K(X)に
対応してゆっくりと更新,つまり学習していけば良いの
で、累積テーブルへの書き込みタイムインターバルは長
く取る。例えば、CPU4が30分に1回,K(X)の
累積カウントを行う様にすれば、機器の電源を一日八時
間ONしているという条件でK(X)の累積値は最短約
16日で0から255に変化し、K(開)またはK
(閉)の最初の更新が行われることになる。以後、K
(開)またはK(閉)の更新時にK(X)の累積値を1
/2にする設定の場合には、次の更新を最短7日で行う
ことになる。機器の回路構成上の制限によりEE−PR
OM5のメモリ容量が不足する場合には累積値テーブル
の間隔を荒くしても良い。例えば、K(開)に対応する
K(X)=3とK(X)=4を同じ累積値テーブルに書
き込み、更新時にはK(開)を2単位で動かすこともで
きる。
【0046】また、この携帯通信機器の経年変化が特定
の傾向を持つ,例えば折り畳み部7の閉の経年変化は、
機械的ガタで折り畳み部7のしまりが悪くなり,機器本
体6から浮く方向が一般的であり、K(開)に対応する
センサー出力K(X)は減る方向になるので、近傍の範
囲を上記例のように、±3と均分散する形ではなく、K
(開)+1とK(開)−4の範囲に設定することが有効
となる。
【0047】さらに、開状態センサー値K(開)および
閉状態センサー値K(閉)の2状態に限らず,折り畳み
状態としてさらに多数の基準値および境界値をEE−P
ROM5のテーブルに格納することにより、この携帯通
信機器はさらに多くのサービスを行うことが可能にな
る。
【0048】なお、本実施の形態では、センサー出力K
(X),開状態センサー値K(開)および閉状態センサ
ー値K(閉)をEE−PROM5に格納しているが、こ
れらのパラメータは電源バックアップされたSRAM
や、フラッシュメモリなど電源を切ってもメモリの内容
が着えない不揮発性の記録媒体であればよいのは勿論で
ある。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、第1の部
品に搭載された磁石と、前記第1の部品に対する相互位
置が変化可能な第2の部品に搭載され前記磁石によって
生じる磁界の強度に対応するセンサー出力を生じる磁気
センサーと、前記第2の部品が前記第1の部品に対して
所定相互位置より近位置にある場合に対応する閉状態セ
ンサー値と前記第2の部品が前記第1の部品に対して前
記所定相互位置より遠位置にある場合に対応する開状態
センサー値とを記憶する不揮発性メモリと、前記センサ
ー出力と前記閉状態センサー値と前記開状態センサー値
とに応答して前記第1の部品と前記第2の部品との相互
位置が前記所定相互位置に対して遠いか近いかを判断す
るCPUとを備えるので、以下に述べる効果を有する。
【0050】第1の効果は移動検出の信頼性向上であ
る。即ち、移動状態の検出が単純な2値判定でなく、工
場生産時に設定されたセンサー出力に基づいて演算によ
り判定されていることにより、構造上微少な磁界強度を
扱う場合でも、量産でのばらつきも含めて最適化された
判定値で二つの部品相互間の移動状態を検出可能であ
る。また、センサー出力に対する学習効果を持つため、
経年劣化が発生しても劣化の判定値を変えるので長期に
おける信頼性も確保されている。
【0051】第2の効果はこの移動状態検出回路および
この回路を用いる装置の保守性にすぐれていることであ
る。即ち、検出回路の調整では装置の使用状態を変え
て、その時得られるセンサー出力を記録するという単純
な手順をとるため、装置の移動状態を変えた場合に開状
態センサー値K(開)と閉状態センサー値K(閉)を記
録させる治具以外に特別な治具や測定器を必要としない
ことである。
【0052】第3の効果は移動状態判定の設定の自由度
が高い点である。即ち、微少な磁界強度に対応可能なた
め磁気部品の選択および配置をいろいろ選ぶことができ
る。また、移動状態の判定基準がソフトウェア化されて
いるため、判定のヒステリシス幅を大小させたり,懸念
される経年劣化を装置の条件に合わせて演算するなどの
多様な設計が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による移動状態検出回路の一実施の形態
を示す構成図である。
【図2】図1の移動状態検出回路が折り畳み機構を有す
る携帯通信機器に内蔵されている場合を示す概念図であ
り、(a)は折り畳み部7を機器本体6に折り畳んだ時
の概念図、(b)は折り畳み部7を機器本体6から開い
た時の概念図である。
【図3】図1の移動状態検出回路に使用した磁気センサ
ー2の回路図である。
【図4】図1のEE−PROM5に累積するセンサー出
力K(X)の累積値を示す図であり、(a)は開状態セ
ンサー値K(開)に対応するK(X)の累積値が上限に
達した場合の累積分布例、(b)は新しい開状態センサ
ー値K(開)を選んだ直後のK(X)の累積分布例であ
る。
【符号の説明】
1 磁石 2 磁気センサー 3 A/Dコンバータ 4 CPU(マイクロプロセッサ) 5 EE−PROM 6 機器本体 7 折り畳み部 21 磁気センサー部 22 増幅部 221〜224 抵抗器 225 オペアンプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の部品に搭載された磁石と、前記第
    1の部品に対する相互位置が変化可能な第2の部品に搭
    載され前記磁石によって生じる磁界の強度に対応するセ
    ンサー出力を生じる磁気センサーと、前記第2の部品が
    前記第1の部品に対して所定相互位置より近位置にある
    場合に対応する閉状態センサー値と前記第2の部品が前
    記第1の部品に対して前記所定相互位置より遠位置にあ
    る場合に対応する開状態センサー値とを記憶する不揮発
    性メモリと、前記センサー出力と前記閉状態センサー値
    と前記開状態センサー値とに応答して前記第1の部品と
    前記第2の部品との相互位置が前記所定相互位置に対し
    て遠いか近いかを判断するCPUとを備えることを特徴
    とする移動状態検出回路。
  2. 【請求項2】 前記CPUが、前記閉状態センサー値と
    前記開状態センサー値とから前記第1の部品と前記第2
    の部品との相互位置判断の境界値を演算し、この境界値
    と前記センサー出力とから前記記第1の部品と前記第2
    の部品との相互位置の遠近を判断することを特徴とする
    請求項1記載の移動状態検出回路。
  3. 【請求項3】 前記CPUが、前記検出センサー出力を
    デジタル化した値ごとにしかも任意の時間間隔ごとに前
    記不揮発性メモリに累積加算し、前記閉状態センサー値
    の近傍または前記開状態センサー値の近傍における前記
    累積加算値が所定値を越えると、前記閉状態センサー値
    または前記開状態センサー値を前記累積加算値が所定値
    を超えた前記センサー出力に置き換えることを特徴とす
    る請求項1記載の移動状態検出回路。
  4. 【請求項4】 前記第1の部品および前記第2の部品の
    いずれか一つが、折り畳み機構を有する携帯機器の機器
    本体であり、 前記第1の部品および前記第2の部品のいずれか別の一
    つが、前記携帯機器の折り畳み部であり、 前記相互位置の遠近判断が、前記折り畳み部が前記機器
    本体に折り畳まれているか否かに基づくことを特徴とす
    る請求項2記載の移動状態検出回路。
  5. 【請求項5】 前記第1の部品および前記第2の部品の
    いずれか一つが、折り畳み機構を有する携帯機器の機器
    本体であり、 前記第1の部品および前記第2の部品のいずれか別の一
    つが、前記携帯機器の折り畳み部であり、 前記相互位置の遠近判断が、前記折り畳み部が前記機器
    本体に折り畳まれているか否かに基づくことを特徴とす
    る請求項4記載の移動状態検出回路。
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