JPH09165880A - 斜め葺き外装材、斜め葺き外装構造及び斜め葺き外装の施工方法 - Google Patents

斜め葺き外装材、斜め葺き外装構造及び斜め葺き外装の施工方法

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JPH09165880A
JPH09165880A JP34710095A JP34710095A JPH09165880A JP H09165880 A JPH09165880 A JP H09165880A JP 34710095 A JP34710095 A JP 34710095A JP 34710095 A JP34710095 A JP 34710095A JP H09165880 A JPH09165880 A JP H09165880A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来にない斬新な施工面を構成することがで
き、また、雨仕舞性能の向上及び作業者の安全性といっ
た建築外装材に求められる諸性能を併せ持つ外装材、外
装構造及び外装の施工方法を提供すること。 【解決手段】 本発明の外装材は、勾配屋根又は外壁に
おける水の流れ方向に対し、傾斜状に敷設する斜め葺き
外装材とした。具体的には平面形状が略平行四辺形の斜
め葺き外装材3を成形し、略平行四辺形の一組の横対辺
の一辺、即ち略平坦状部31の一端32に形成される係
合部4は、略平坦状部31の一端32を外装材3の裏面
側に折り曲げて成形している。一方、略平坦状部31の
他端33に形成された樋部5は、略平坦状部31の他端
33を折下げた垂下部53と、該垂下部53から外側に
向けて折曲げた底部54と、該底部54から立上がる立
上り部55とから構成されている。そして樋部5の斜め
水下側に排水部51を設け、一方、斜め水上側に止水部
52を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建築物の屋根や
壁に施工される外装材にあって、斜め葺き外装材、斜め
葺き外装構造及び斜め葺き外装の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中型、大型建築物に用いる外装材
及び外装構造の葺き形式は、瓦葺きを除くと、終局的に
は縦葺き、横葺きの2つに大別することができる。この
ような葺き形式が当然とされた状態では、子細な箇所に
意匠の変化を追求することになり、例えば縦葺きにあっ
ては、桟状部分の形状や大きさを変化させたり、一方、
横葺きにあっては、屋根板の段差部分の高さや有効幅を
変化させることにより、屋根や壁等の建築物の外装の意
匠を変化させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記葺き形式
やこれらの葺き形式に用いられる基本的な形状が変化し
ない外装材の従来例では、常に新しい意匠性を求める市
場の要求への答えとはなっていない状況にある。また、
前記縦葺き、横葺きや瓦葺き等、従来の屋根の雨水の処
理は、あくまで外装面上を棟から軒方向へ流下させるも
のであるため、軒近くの屋根面上では流下水量が増加
し、強風が伴う状況においては屋根材の継ぎ目部分でオ
ーバーフローして漏水事故に至ることもある。
【0004】一方、比較的新規な意匠の屋根として、実
開昭53−40626号公報に記載されているような外
装面が略平滑な製品が提案されている。しかし、前記外
装面が略平滑な屋根には、以下のような問題がある。第
1に、屋根面に対する視点位置を変えても屋根面の意匠
性に変化がないこと、第2に、10度を越えるような勾
配屋根になると、葺上がった屋根面には何ら引っかかり
がないので、施工中や、その後のメンテナンス時に未施
工部分用の部材の滑落を招いたり、最悪の場合、作業者
の転落事故につながる可能性があること、第3に、積雪
地方においては、建築物周辺における落雪による人身及
び物損事故を防止するため、雪止め金具を取付けること
が多いが、当該略平滑な屋根においては、その取付が困
難であること、第4に、雪止め金具を取付けることがで
きても、雪止め金具が当該屋根本来の意匠性を損なって
しまうことである。なお、滑落方向に引っかかりがない
ことは、程度の差こそあれ、前記横葺きや縦葺きの屋根
材にも共通することであって、これはいうまでもなく滑
落方向が水の流れ方向に一致することに起因するもので
ある。
【0005】そこで、本発明の目的は、従来にない斬新
な施工面を構成することができ、また、雨仕舞性能の向
上及び作業者の安全性といった建築外装材に求められる
諸性能を併せ持つ外装材、外装構造及び外装の施工方法
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の外装材は、勾配屋根又は外壁における水の
流れ方向に対し、傾斜状に敷設する斜め葺き外装材とし
た。該斜め葺き外装材は、少なくとも水の流れ方向に対
して鋭角又は鈍角に交わるように形成された両縁部を備
えているもので、請求項1に記載のごとく、外装面とな
る略平坦状部の一端に係合部を、前記略平坦状部の他端
に樋部をそれぞれ形成して、係合部は水下側に、樋部は
水上側にするとともに、前記樋部は、斜め水下側を排水
部とし、斜め水上側を止水部としている。ここで係合部
は、下側に隣接する斜め葺き外装材の樋部やその他の部
材と係合する部分で、後に詳述するように、実施の形態
では種々の形状を想定することができるし、また樋部は
上側に隣接する斜め葺き外装材の降雨を受け入れるもの
であり、実施の形態では種々の形状を想定することがで
きる。
【0007】このような構成に係る斜め葺き外装材は、
勾配屋根や外壁の施工面に対し、矢羽根状の模様を作る
ことができ、新しい葺き形式に用いられる新規な外装材
として新しい意匠性を求める市場の要求に答えることが
できる。また斜め葺き外装材の略平坦状部の他端に樋部
を形成しているので、斜め葺き外装材自体が樋の機能を
備えていることになる。そして、略平坦状部の一端の係
合部を水の流れ方向の水下側に、一方、樋部を水の流れ
方向の水上側にすることにより、樋部は上段側に隣接す
る斜め葺き外装材の外装面を流下する雨水等を集める。
集まった雨水等は、水の流れ方向に対して傾斜している
樋部の斜め水下側に設けられた排水部から排水される。
この場合、樋部の斜め水上側には止水部が設けられてい
るので、雨水等は逆流することがない。即ち、本発明に
かかる斜め葺き外装材では、雨水を棟から軒方向へ外装
面上を流下させるものではないため、軒近くの屋根面上
で流下水量が増加することはなく、従って、強風が伴う
状況においても屋根材の継ぎ目部分でオーバーフローし
て漏水事故に至ることもない。
【0008】また、前記斜め葺き外装材のより具体的な
形状は、請求項2に記載したように、その平面形状が略
平行四辺形であり、前記係合部と前記樋部とで一組の対
辺をなしている。かかる形状の斜め葺き外装材において
は、平行四辺形の他の一組の対辺に相当する側縁を施工
面の水の流れ方向に対してそれぞれ平行に位置させ、か
つ、樋部と係合部を水の流れ方向に対して傾斜するよう
に配置することができる。従って、施工面の上下方向に
連続する矢羽根模様を正確に葺くことができ、かつ桁行
き方向においても、連続する矢羽根模様を正確に葺くこ
とができ、新しい外装材を用いた新しい葺き形式として
斬新な意匠性を求める市場の要求に答えることができ
る。
【0009】また、斜め葺き外装材の前記係合部は、請
求項3に記載のように、略平坦状部の一端を斜め葺き外
装材の裏面側に折曲げて形成し、一方、前記樋部は、略
平坦状部の他端を折下げた垂下部と、該垂下部から外側
に折曲げた底部と、該底部から立上げた立上り部とから
形成し、さらに樋部の斜め水上側を立ち上げて止水部を
形成している。かかる構成の斜め葺き外装材では、断面
形状が略上開きコ字状の樋部が斜め葺き外装材と一体に
成形され、かつ止水部が斜め葺き外装材と一体に成形さ
れる。従って、殆ど現場加工する必要がなく屋根面や外
壁を施工でき、極めて施工性が高いので、新しい外装材
を用いた新しい葺き形式として斬新な意匠性を求める市
場の要求に迅速、かつ的確に答えることができる。
【0010】また、前記樋部は、本来的に雨水を受け入
れて地上に排水するものであるが、請求項4に記載のよ
うに、樋部の底部に、上方に隣接する斜め葺き外装材
(上段側斜め葺き外装材)の係合部と係合する被係合部
を設けるようにしてもよい。かかる構成では、樋部と被
係合部とが一体に形成されるので、上下に隣接する斜め
葺き外装材同士を直接係合することができ、吹上強度と
水密性を高めることができる。
【0011】また、請求項5に記載のように、前記樋部
側の略平坦状部を、上り傾斜状の傾斜面とするようにし
てもよい。ここでは、上り傾斜状の傾斜面により、略平
坦状部が樋部側に向かうにしたがって上方に傾斜してい
るとともに、上段側斜め葺き外装材の係合部側の略平坦
状部との関係では、傾斜面の傾斜高による段差が形成さ
れる。さらに、樋部との関係では、前記段差を加えた深
い樋部が形成されることになる。
【0012】従って、かかる斜め葺き外装材を用いた屋
根面では、強風圧によりその外装面の下から上に進行す
る風雨に対して、その進行方向を前記傾斜面により上方
に変化させることができる。即ち、風雨が正圧として作
用する外装面において、傾斜面がスポイラーとして働く
ので、風雨圧の作用方向を上向きに変更させて、風雨を
飛散させる効果があり、これにより強風雨時の漏水可能
性を一層低減させることができる。また、前記段差が葺
上がった屋根面に引っかかりを形成するので、勾配屋根
の施工中や、その後のメンテナンス時に未施工部分用の
部材の滑落を防止することができ、また、作業者の転落
事故を防止することができる。また、積雪地方において
は、前記段差が雪止め効果を奏するので、雪止め金具を
別途取り付ける必要がなく、その結果、雪止め金具の取
付に伴う漏水の危険性もなくなる。しかも、雪止め金具
により屋根本来の意匠性を損なってしまうことがないば
かりか、屋根面に対する視線の変更に伴う意匠性の変化
が大きく、従来にない新規な意匠となる外装面をより変
化に富んだものにすることができる。さらに、段差を加
えた深い樋部を形成することができるので、より多くの
水量が受け入れられ、樋機能を向上させることができ、
この点からも軒近くの屋根面上で流下水量の増加を確実
に防ぐことができる。
【0013】次に、従来にない斬新な施工面を構成する
ことができ、また、雨仕舞性能の向上及び作業者の安全
性を図ることができる外装構造として、請求項6に記載
の斜め葺き外装構造を提供する。即ち、勾配屋根または
外壁の下地上に、水の流れ方向に沿って所定間隔で樋部
材を敷設し、中央に略平坦状部を有し、その一端に係合
部を、その他端に樋部をそれぞれ形成した外装材を、左
右どちらか一方の水下側となる側縁が前記樋部材に臨む
ように斜めに敷設する斜め葺き外装構造にあって、前記
樋部材間の略中央を中心線として外装材の取付対象下地
面を2分し、外装材の水下側側縁の樋部には排水部を、
水上側側縁の樋部には止水部を設けて、隣接する外装材
の止水部が前記中心線に沿うように敷設すると共に、そ
れぞれの外装材を固着具で直接に、又は外装材保持部材
を介して下地に固定した外装構造である。かかる外装構
造では、中央に略平坦状部を有し、その一端に係合部
を、その他端に樋部をそれぞれ形成した外装材を用い
て、下地上に外装材を斜めに葺く構造であり、例えば両
端が無加工の矩形状のもので、現場にて納め加工できる
ような外装材を用いる。勿論、予め加工された外装材、
例えば前記各斜め葺き外装材の何れかを用いても良い。
なお、前記外装材の係合部や樋部の意義は、前記斜め葺
き外装材のものと同じである。また、ここで下地は、木
造、鉄骨造、コンクリート造等、釘、ビス、アンカー等
の固定具が取付可能なすべての建物躯体をいい、該躯体
上に断熱その他の必要に応じて敷設する木毛セメント板
等の下地ボード類を含む。また、樋部材は前記外装材の
樋部に集められた雨水等を下方に排水するものである。
【0014】かかる外装構造が、施工面の上下方向に施
工されることにより樋部が陰影となり、取付対象下地面
の単位で矢羽根模様が形成され、さらに樋部材を矢柄と
する矢羽根模様も施工面に形成されることになる。従っ
て、施工面を正面から観た場合には、外装材の継ぎ目に
なる樋部が作る陰影により、矢羽根が連続する模様を遠
方からでも確認することができる。また、太陽高度によ
り相違はあるものの、左右どちらかの斜め方向から施工
面を観た場合には、観察方向に傾斜する継ぎ目の陰影が
強調され、反対の方向の継ぎ目の陰影は薄れるので、施
工面には強調された矢羽根模様と、弱められた矢羽根模
様が間欠的な模様として現れ、正面から観た模様とは別
異な意匠となる。従って、従来の縦葺き外装材や横葺き
屋根材による、縦線または横線という単調な意匠ではな
く、視点によって模様が変化する外装構造が得られ、新
しい葺き形式として新しい意匠性を求める市場の要求に
答えることができる。また、個々の外装材に対する降雨
は、下段の外装材の樋部に集まり、外装材の水下側側縁
の排水部から樋部材に導かれ、そして樋部材に導かれた
雨水は風の影響を受け難い樋空間を流下するので、従来
の屋根のように外装面の表面を流下する雨水の水量が下
方にきて増加することがなく、強風雨時における漏水の
可能性が極めて低くなる。
【0015】上記外装構造において、請求項7に記載の
ように、前記下地と外装材間に補助支持部材を介装固定
させるとともに、該補助支持部材に外装材を直接固定
し、または前記補助支持部材に外装材保持部材を固定す
るようにしてもよい。ここで補助支持部材は、外装材の
裏面側を支持するもので、このような補助支持部材を利
用して外装材を固定したり、或いは外装材保持部材を固
定することによって、外装材をより安定的に、かつ強固
に支持することができる。
【0016】上方に位置する外装材(上段側外装材)と
下方に位置する外装材(下段側外装材)とを接続する場
合には、請求項8に記載のように、上方に位置する外装
材の略平坦状部の下端縁と下方に位置する外装材の略平
坦状部の上端縁間は、表側に開放する樋空間が形成され
る。この樋空間は、取付対象下地面を単位として略逆V
字状の模様を形成するとともに、施工面に凹部を形成す
ることなる。かかる樋空間は、雨樋の機能を発揮すると
ともに、施工面に形成された凹部として、屋根面に引っ
かかりを形成するので、勾配屋根の施工中や、その後の
メンテナンス時に未施工部分用の部材の滑落を防止する
ことができ、また、作業者の転落事故を防止することが
できる。また、積雪地方においては、凹部が雪止め効果
を奏するので、雪止め金具を別途取り付ける必要がな
く、その結果、雪止め金具の取付に伴う漏水の危険性も
なくなる。しかも、雪止め金具により屋根本来の意匠性
を損なってしまうことがない。
【0017】本発明の斜め葺き外装構造に用いる外装材
として、請求項9に記載したような、前記樋部側の略平
坦状部を上り傾斜状の傾斜面とした外装材を用いてもよ
い。かかる外装材を用いた外装構造では、上段側外装材
の係合部側の略平坦状部との関係では傾斜面の傾斜高に
よる段差が施工面に形成され、樋部との関係では、前記
段差を加えた深い樋部が施工面に形成されることにな
る。
【0018】従って、かかる施工面では、強風圧により
その外装面の下から上に進行する風雨に対して、その進
行方向を前記傾斜面により上方に変化させることができ
る。即ち、風雨が正圧として作用する外装面において、
傾斜面がスポイラーとして働くので、風雨圧の作用方向
を上向きに変更させて、風雨を飛散させる効果があり、
これにより強風雨時の漏水可能性を一層低減させること
ができる。また、前記段差が屋根面に引っかかりを形成
するので、勾配屋根の施工中や、その後のメンテナンス
時に未施工部分用の部材の滑落を防止することができ、
また、作業者の転落事故を防止することができる。ま
た、積雪地方においては、前記段差が雪止め効果を奏す
るので、雪止め金具を別途取り付ける必要がなく、その
結果、雪止め金具の取付に伴う漏水の危険性もなくな
る。しかも、雪止め金具により屋根本来の意匠性を損な
ってしまうことがないばかりか、屋根面に対する視線の
変更に伴う意匠性の変化が大きく、従来にない新規な意
匠となる外装面をより変化に富んだものにすることがで
きる。さらに、段差を加えた深い樋部を形成することが
できるので、より多くの水量が受け入れられ、樋機能を
向上させることができ、この点からも軒近くの屋根面上
で流下水量の増加を確実に防ぐことができる。
【0019】上記「上り傾斜状の傾斜面」を備えた外装
材による斜め葺き外装構造と、略同様な作用効果を奏す
るものとして、請求項9に記載のように、外装材の係合
部と上下に隣り合う外装材の樋部にそれぞれ嵌合手段を
設け、前記樋空間を覆って、略平坦状部より上方に隆起
する凸状カバー材を、前記嵌合手段に嵌合するようにし
てもよい。ここで凸状カバー材(カバー)は前記傾斜面
と同様に作用するので、風雨が正圧として作用する外装
面においてカバーがスポイラーとして働き、風雨圧の作
用方向を上向きに変更させて、風雨を飛散させる効果が
あり、これにより強風雨時の漏水可能性を一層低減させ
ることができる。また、前記カバー材が段差となり葺上
がった屋根面に引っかかりを形成するので、勾配屋根の
施工中や、その後のメンテナンス時に未施工部分用の部
材の滑落を防止することができ、また、作業者の転落事
故を防止することができる。また、積雪地方において
は、前記カバー材が雪止め効果を奏するので、雪止め金
具を別途取り付ける必要がなく、その結果、雪止め金具
の取付に伴う漏水の危険性もなくなる。しかも雪止め金
具により屋根本来の意匠性を損なってしまうことがない
ばかりか、カバー材が略V字状の浮き上り模様を形成す
ることになるので、上述の樋部が作る陰影による矢羽根
模様とは異なる意匠となる施工面にすることができる。
また、カバー材は個々の外装材の降雨に対し、雨水をせ
き止め、かつ樋部材に導くことができる。従って雨水は
風の影響を受け難い樋空間を流下するので、従来の屋根
のように外装面の表面を流下する雨水の水量が下方にき
て増加することがなくなるので、強風雨時における漏水
の可能性が極めて低くなる。
【0020】また、上記各外装構造において、請求項1
1に記載のように、樋部材の底部または側部のどちらか
一方または両方に沿って、融雪装置を添設するようにし
てもよい。融雪装置は、熱エネルギーを放出することが
できるもので、例えば、電熱ヒーターなどの面状ヒータ
ー、温風ダクト、温水パイプなどが想定される。かかる
構成では、軒棟方向に連続する樋部材の積雪が融雪され
ることになり、外装材の前記樋部または前記凸状カバー
に沿って、積雪が緩やかに樋部材へと案内されるので、
施工面全体の積雪を円滑に融雪することができる。そし
て結果的に、積雪が一度に多量に落雪することを防ぎ、
建築物周辺における落雪による人身及び物損事故を防止
することができる。
【0021】また、上記各外装構造において、請求項1
2に記載のように、外装材の裏面側には、軒棟方向に連
続し、かつ外装材を複数箇所で支持する支持部と空間部
を有するバックアップ材が介装されるようにしてもよ
い。かかる構成ではバックアップ材の支持部が、外装材
の成形部である係合部と樋部とにそれぞれ斜めに交差す
る配置関係になる。従って、積雪荷重等の正荷重に対し
て面強度が向上する。また、軒棟方向に連続する空間部
により、軒棟方向に連通する空間が形成させるので、構
造内部の結露を防止することができる。
【0022】また、請求項13に記載のように、前記バ
ックアップ材を非透水性素材または非透水性処理した部
材より作り、その端部が樋部材の排水空間に臨むように
してもよい。ここで非透水性処理した部材は、透水性素
材よりなるバックアップ材に防水処理を施して作ること
ができる。かかる構成では、バックアップ材が非透水性
素材または非透水性処理した部材より作られるので、不
測の漏水や結露が生じても、支持部と空間部により形成
されるバックアップ材の波状表面の谷部によって、棟方
向から軒方向に向かって水を流下させることができ、ま
た樋部材の排水空間に臨んだバックアップ材の端部によ
り樋部材により排水することができ、雨仕舞性能が向上
する。
【0023】次に、従来にない斬新な施工面を構成する
ことができ、また、雨仕舞性能の向上及び作業者の安全
性を図ることができる外装の施工方法として、請求項1
4に記載の斜め葺き外装の施工方法を提供する。即ち、
勾配屋根または外壁の下地上に、水の流れ方向に沿って
所定間隔で樋部材を敷設し、前記樋部材間の略中央を中
心線として外装材の取付対象下地面を2分する第一工程
と、中央に略平坦状部を有し、その一端に係合部を、そ
の他端に樋部を、左右どちらか一方の水下側となる側縁
に排水部を、水上側の側縁に止水部を、それぞれ形成し
た外装材を、排水部が前記樋部材に臨み、かつ隣接する
外装材の止水部同士が前記中心線に沿うように斜めに敷
設する第二工程と、それぞれの外装材を固着具で直接
に、又は外装材保持部材を介して下地に固定する第三工
程により施工する外装の施工方法である。ここでの外装
材は、中央に略平坦状部を有し、その一端に係合部を、
その他端に樋部をそれぞれ形成した矩形状の外装材で、
その両端を現場にて納め加工できるようなもの、或いは
予め加工されたもの、例えば前記各斜め葺き外装材の何
れかを用いる。
【0024】かかる施工方法では、予め加工された外装
材を用いる場合はそのまま勾配屋根や壁の外装を施工で
きるので、極めて施工性が高く、一方現場加工する場合
でも樋部及び係合部が形成されているので、現場加工は
両端の納め加工や止水部の加工後に、屋根や壁の外装を
施工でき、施工性が良い。また、施工面を正面から観た
場合には、外装材の継ぎ目になる樋部が作る陰影によ
り、矢羽根が連続する模様を遠方からでも確認すること
ができる。また、太陽高度により相違はあるものの、左
右どちらかの斜め方向から施工面を観た場合には、観察
方向に傾斜する継ぎ目の陰影が強調され、反対の方向の
継ぎ目の陰影は薄れるので、施工面には強調された矢羽
根模様と、弱められた矢羽根模様が間欠的な模様として
現れ、正面から観た模様とは別異な意匠となる。従っ
て、従来の縦葺き外装材や横葺き屋根材による、縦線ま
たは横線という単調な意匠ではなく、視点によって模様
が変化する外装構造が得られ、新しい葺き形式として新
しい意匠性を求める市場の要求に答えることができる。
また、個々の外装材に対する降雨は、下段の外装材の樋
部に集まり、該樋部によって斜め水下側の排水部から樋
部材に導かれ、そして樋部材に導かれた雨水は風の影響
を受け難い樋空間を流下するので、従来の屋根のように
外装面の表面を流下する雨水の水量が下方にきて増加す
ることがなく、強風雨時における漏水の可能性が極めて
低くなる。
【0025】上記施工方法において、請求項15に記載
のように、前記第一工程において、樋部材を敷設すると
ともに、樋部材間に補助支持部材を敷設し、外装材を固
定する際に、前記補助支持部材に外装材を直接固定し、
または前記補助支持部材に外装材保持部材を介して外装
材を固定してもよい。かかる方法では、外装材をより安
定的に、かつ強固に支持することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、前記斜
め葺き外装材の実施の形態を説明する。図1は第1実施
形態に係る斜め葺き外装材単体の平面図、図2は同斜め
葺き外装材の正面方向からの斜視図、図3は図1に示し
た斜め葺き外装材のA−A矢視断面図、図4(a)は同
斜め葺き外装材の樋部の斜め水上側に設けられた止水部
の拡大平面図、図4(b)は同止水部の展開図、図5
(a)及び(b)はそれぞれ第2実施形態に係る斜め葺
き外装材の止水部を構成する止水板の斜視図、図5
(c)はそれらの止水板により構成される止水部を示し
た同斜め葺き外装材の要部平面図である。
【0027】本発明の斜め葺き外装材として、第1の実
施の形態では図1及び図2に示すように平面形状が略平
行四辺形の斜め葺き外装材3を成形し、また外装面とな
る略平坦状部31も略平行四辺形に成形している。かか
る略平行四辺形の一組の横対辺の一辺、即ち略平坦状部
31の一端32に形成される係合部4は、下側に隣接す
る斜め葺き外装材(下段側斜め葺き外装材)の樋部5や
外装材保持部材11(後述)と係合する部分で図3に示
すように略平坦状部31の一端32を斜め葺き外装材3
の裏面側に折り曲げて成形している。詳細には略平坦状
部31の一端32を略垂直に折曲て、さらにその先端を
略平坦状部31と平行に裏面側へ延出するように成形し
ている。一方、略平坦状部31の他端33に形成された
樋部5は、上側に隣接する斜め葺き外装材(上段側斜め
葺き外装材)の降雨を受け入れるもので、図3に示すよ
うに略平坦状部31の他端33を折下げた垂下部53
と、該垂下部53から外側に向けて折曲げた底部54
と、該底部54から立上がる立上り部55とから構成さ
れている。
【0028】また前記略平坦状部31の一組の縦対辺
(側縁)の一辺は、樋部材9(後述)の樋空間13に臨
む部分で、図2に示すように樋部5に受け入れられた雨
水を排水する排水部51と略平坦状部31の縦縁35を
折下げて形成された折下部36からなる。一方、他辺で
は前記樋部5の一端を立ち上げて止水部52を形成して
おり、桁行き方向に隣接する斜め葺き外装材3と隣接す
る隣接部37ともなっている。
【0029】このように構成された斜め葺き外装材3
は、係合部4を水下側に、樋部5を水上側にすることに
より、前記折下部36及び隣接部37を水の流れ方向X
と略平行に配置した場合、水の流れ方向Xに対し傾斜状
に敷設されるとともに、斜め水下側に排水部51が位置
し、斜め水上側に止水部52が位置するように構成され
ている。
【0030】前記樋部5の斜め水下側の排水部51は、
前記樋部5に受け入れられた雨水を排水するもので、前
記樋部5の断面形状に対応する上開きコ字状の水下側開
口51aと、該開口51aの底辺から垂下する開口垂下
片51bによって構成されている。
【0031】前記樋部5の斜め水上側の止水部52は、
前記樋部5に受け入れられた雨水が逆流することを防止
するもので、断面形状が上開きコ字状の樋部5の水上端
開口を閉じることによって構成されている。このような
止水部52は例えば図4(a)に示した構成のもので、
図4(b)に示す一点鎖線に従って折り曲げ加工するこ
とにより、前記樋部5の曲げ加工に合わせて斜め水上端
を立ち上げて加工されるようになっており、斜め葺き外
装材3と一体に成形される。
【0032】次に、図5(a)乃至(c)により、第2
実施形態に係る斜め葺き外装材3Aの止水部52Aの構
成を説明する。図5(a)に示すものはプレス加工によ
り成形した金属製止水板52aで、この面戸状の金属製
止水板52aは、斜め葺き外装材3Aが金属製の場合、
その素材と同一素材により成形し、溶接又は接着して斜
め葺き外装材3Aの樋部5と一体化することにより止水
部52Aを構成する(図5(c))。また、図5(b)
に示した止水板52bは、樹脂製止水板で、樹脂製外装
材と同一素材により成形し、融着または接着により斜め
葺き外装材3Aの樋部5と一体化することにより止水部
52Aを構成する(図5(c))。このように第2実施
形態に係る斜め葺き外装材3Aの止水部52Aを斜め葺
き外装材自体の加工とは別加工とすることにより、製造
コストの低減化を図ることができる。また、略平坦状部
の一端に係合部を、その他端に樋部をそれぞれ形成した
矩形状の外装材で、両端が無加工のものを現場にて加工
する場合、止水部を前記止水部52Aのように加工し
て、現場加工の効率を高めることができる。
【0033】上述のように構成された斜め葺き外装材の
材質は、表面化粧鋼板、ラミネート鋼板、メッキ鋼板、
ステンレス鋼板、アルミ合金板、チタン合金板、銅板、
真鍮板、鉛板等の公知の金属素材である。また炭素繊維
積層板、硬質樹脂板等により成形するようにしてもよ
い。そして、斜め葺き外装材は、素材が金属板の場合に
は、ロール成形またはプレス成形、或いは両者の組合せ
により成形され、また、素材が非金属の場合には主とし
て型成形により成形される。これらの素材厚は、特に限
定されるものではないが、概ね0.4乃至1.6mm程
度である。
【0034】上記各実施形態の斜め葺き外装材3,3A
では、勾配屋根1や外壁2の施工面に対し、矢羽根状の
模様を作ることができ、新規な外装材による新しい葺き
形式として新しい意匠性を求める市場の要求に答えるこ
とができる(図7参照)。また斜め葺き外装材3,3A
自体が樋の機能を備えており、その樋部5は上段側斜め
葺き外装材の外装面を流下する雨水等を集め、樋部5の
排水部51から排水するようになっており、雨水を棟か
ら軒方向へ外装面上を流下させるものではないため、軒
近くの屋根面上で流下水量が増加することはなく、従っ
て、強風が伴う状況においても屋根材の継ぎ目部分でオ
ーバーフローして漏水事故に至ることもない。
【0035】また、前記各斜め葺き外装材3,3Aの具
体的な形状は、その平面形状が略平行四辺形であるの
で、隣接部37及び折下部36を水の流れ方向Xに対し
てそれぞれ平行に位置させ、かつ、樋部5と係合部4を
水の流れ方向Xに対して傾斜するように配置することが
できる。従って、施工面の上下方向に連続する矢羽根模
様を正確に葺くことができ、かつ桁行き方向において
も、連続する矢羽根模様を正確に葺くことができ、新し
い外装材を用いた新しい葺き形式として斬新な意匠性を
求める市場の要求に答えることができる。
【0036】また、斜め葺き外装材3では、係合部4と
樋部5からなる一組の対辺が、予め斜めに形成され、か
つ樋部5と止水部52が一体に成形されているので、殆
ど現場加工する必要がなく屋根面や外壁を施工でき、極
めて施工性が高いので、新規な外装材を用いた新しい葺
き形式として斬新な意匠性を求める市場の要求に迅速、
かつ的確に答えることができる。
【0037】前記係合部4や樋部5の構成は、図1乃至
図3に示した実施の形態に限定されるものではなく、そ
れぞれの機能を発揮できるものであればよい。例えば後
に詳述する図12(a)乃至(f)にそれぞれ示す形態
や、図13(a)乃至(c)にそれぞれ示す形態を想定
できる。これらの実施形態の内、図12(c)や図13
(c)に示すものは、樋部5に係合部4と直接的に係合
する被係合部6を設けている。即ち、図12(c)は樋
部5の底部54から被係合部6を立ち上げ、その先端を
略平坦状部31側に下向きに延出して、その被係合部6
を略逆J字状に形成している。また、図13(c)は樋
部5の底部54から若干立ち上げてその先端を略平坦状
部31側に平行に延出して、被係合部6を形成してい
る。これらの構成では、樋部5と被係合部6とが一体に
形成されるので、隣接する上下側の斜め葺き外装材同士
を直接係合することができ、吹き上げ強度と水密性を高
くすることができる。
【0038】次に、図6に基づいて、前記各斜め葺き外
装材3,3Aとは別構成の斜め葺き外装材3Bを説明す
る。該斜め葺き外装材3Bは、斜め葺き外装材の略平坦
状部の樋部側に上り傾斜状の傾斜面を形成したもので、
図6に示すように、その実施の形態は樋部5側の略平坦
状部31から前記樋部5の垂下部53の上方まで、略平
坦状部31を直線状に上方へ傾斜させ、かつ垂下させて
垂下部53と面一に成形した傾斜面7となっている。
かかる構成では、強風圧により前記略平坦状部31の下
から上に沿って進行してきた風雨は傾斜面7に沿って上
向きにその進行方向を変化させるようになっており、そ
の傾斜面7がスポイラーとして機能する。しかして、傾
斜面7の頂点に達した風雨は、その頂点で飛散するの
で、強風雨時の漏水可能性をより一層低減させることが
できる。また上段側斜め葺き外装材の略平坦状部31に
対し、斜め葺き外装材3Bの略平坦状部31の樋部側
は、略直角三角形の対辺の高さで施工面に段差Dを形成
することになる。従って、施工中や施工後のメンテナン
ス時の事故等の防止に寄与するし、積雪地方において
は、前記段差Dが雪止め効果を奏するので、雪止め金具
を別途取り付ける必要がなく、その結果雪止め金具の取
付に伴う漏水の危険性もなくなる。また、積雪荷重を従
来構成のような雪止めのように局所的な荷重負担ではな
く、屋根面全面で等分に負担することができるので、下
地構造に対する局所的な負担を軽減することができる。
さらに、段差Dを加えた深い樋部5を形成することがで
きるので、より多くの水量を受け入れることができ、樋
機能を向上させることができる。
【0039】かかる傾斜面には、前記諸機能を発揮でき
る種々の実施の形態が想定され、具体的には図12
(a)乃至(f)にそれぞれ示す形態や図13(a)乃
至(c)にそれぞれ示す形態がある。例えば、図6に示
したような断面形状が略直角三角形状のものとして図1
2(a),(b),(c)及び図13(a)に示した傾
斜面7A乃至7Dがある。これらの傾斜面7A乃至7D
も前記斜め葺き外装材3の傾斜面7と同様な作用効果を
発揮するもので、外壁や勾配屋根の勾配等の施工環境と
の兼ね合いで、傾斜角を考慮し使用すべき斜め葺き外装
材が選択される。また、図12(d)に示した傾斜面7
Eは、前記樋部5の垂下部53の上方において、凸部を
設けたもの、図13(b)に示した傾斜面7Fは、断面
形状が略台形状のもので、それぞれ略直角三角形状のも
とのは異なる意匠性を発揮させることができる。また、
図13(c)に示した傾斜面7Gは、樋部5の垂下部5
3の傾斜に合わせたもので、図12(f)の傾斜面7H
は、断面形状が略正三角形状のもので、これらの傾斜面
も前記傾斜面7と同様な作用効果を発揮し、外壁や勾配
屋根の勾配等の施工環境との兼ね合いで、使用すべき斜
め葺き外装材が選択される。
【0040】次に、従来にない斬新な施工面にすること
ができる斜め葺き外装構造の実施形態を図7乃至図10
に基づいて説明する。図7は斜め葺き外装構造の実施形
態にかかる勾配屋根1(外壁2)の平面図、図8は同勾
配屋根1に対し視線位置により意匠性が変化することを
示す屋根面の斜視図、図9は図7に示した勾配屋根1
(外壁2)のA−A矢視断面図、図10は図7に示した
勾配屋根1(外壁2)のB−B矢視断面図である。
【0041】実施形態に係る斜め葺き外装構造は、図7
乃至図10に示すように、勾配屋根1または外壁2の下
地8上に、水の流れ方向Xに沿って所定間隔Wで樋部材
9を敷設し、外装材として、中央に略平坦状部31を有
し、その略平坦状部31一端に係合部4を、その略平坦
状部31他端に樋部5をそれぞれ形成した外装材3Cを
用い、左右どちらか一方の水下側となる側縁が前記樋部
材9に臨むように斜めに敷設する構造となっている。よ
り具体的には、前記樋部材9,9間の略中央を中心線C
として外装材3Cの取付対象下地面10を2分10a,
10bし、外装材3Cの水下側側縁の樋部5には排水部
51を、水上側側縁の樋部5には止水部52を設けて、
隣接する外装材3C,3Cの止水部52,52が前記中
心線Cに沿うように敷設すると共に、それぞれの外装材
3C,3Cを固着具で直接に、又は外装材保持部材11
を介して下地8に固定した構造となっている。
【0042】なお、図10において、19で示すものは
左右に隣り合う外装材3C,3Cの隣接部37,37上
に敷設されている厚手の両面粘着テープで、隣接する外
装材3C,3Cの止水部52(隣接部37)間の間隙を
覆っている。20で示すものは粘着テープ19の表面側
に取り付けられた面戸付きの水上側カバー材である。こ
の水上側カバー材20の取付をより強固にするには、下
段側外装材30Aの樋部5に臨む上段側外装材30Bの
外装下端位置でリベット等により固定する(図9参
照)。21は面戸であり、この面戸21は水上側カバー
材20とは別体で成形し、取付けにより一体化してもよ
い。また図10に示すように、面戸21と水上側カバー
材20と外装材3Cとのコーナー箇所、及び面戸21と
外装材3Cの当接箇所は、面戸21裏面側への吹き込み
を防止するためシーリング処理Sすることが好ましい。
【0043】なお、外装材3Cの裏面空間に、必要に応
じて、ポリウレタン、ポリスチレン、フェノール等の樹
脂発泡材、グラスウール、木毛等の繊維系成形材のボー
ド、金属や紙質のハニカム、段ボール構造材等を一本化
させたり、図11に示すようなバックアップ材22(第
2バックアップ材)を介装するようにしてもよい。さら
に必要に応じて、ポリエチレンフォームなどの裏貼り材
を貼ると結露の防止や、防音対策上、好ましい。
【0044】また、図10中、樋部材9に臨む外装材3
C,3Cに跨るように二点鎖線で示すものは、外装材3
C,3Cを覆う樋部材用カバー23であり、このような
カバーを付けても良い。この場合、カバー23の取付
は、水上側カバー材20のリベット固定と同様に行う。
なお、図10に示すように下地8上にアスファルトフェ
ルト等の防水シート8bを介して外装材3Cを固定して
いるが、防水シート8bは施工期間中の降雨等に配慮し
たもので、構造上必須のものではない。また、後述する
図14,図15にそれぞれ示した防水シート8bも同様
に構造上必須のものではない。
【0045】上記実施形態に係る斜め葺き外装構造を構
成する前記外装材3Cは、略平坦状部31の一端に係合
部4が形成され、一方略平坦状部31の他端に樋部5が
形成され、かつ両端が無加工の矩形状のものを現場にて
納め加工して用いる。また、前記外装材3Cとして、予
め加工された外装材、例えば前記各斜め葺き外装材3,
3A或いは3Bの何れかを用いても良い。
【0046】このような外装材3Cが敷設される前記下
地8は、木造、鉄骨造、コンクリート造等、釘、ビス、
アンカー等の固着具が取付可能なすべての建物躯体をい
い、該躯体上に断熱その他の必要に応じて敷設する木毛
セメント板等の下地ボード類を含むもので、図10に示
す実施形態では、あらかじめ樋部材9用の凹溝が形成さ
れた下地ボード8aを鉄骨躯体上の全面にわたって敷設
した構成よりなっている。
【0047】そして該下地8に樋部材9が所定間隔W、
即ち、前記外装材3C,3Cの各隣接部37,37をそ
れぞれ突き合わせたて略逆V字状にした場合にそれぞれ
の排水部51が樋部材9の樋空間13に臨むことができ
る距離をあけて、軒棟方向に敷設される。
【0048】前記樋部材9は、前記外装材3Cの樋部5
に集められた雨水等を下方に排水するもので、図10に
示すように下地ボード8aの樋部材用の凹溝に設置され
る底部94と、該底部94と共に樋空間13を形成する
両側部91,91と、外装材3Cの斜め水下側を支持す
る上面部92,92とを備えている。また該上面部9
2,92に水返し凸条93を複数形成するとともに、前
記上面部92,92のそれぞれの外側端を延出して固定
用フランジ部90を形成している。そして、該固定用フ
ランジ部90を固着具を介して下地8に固定することに
より、該樋部材9を下地8上に敷設している。このよう
な樋部材9は、軒先のスタート部材の機能を兼ねたもの
で、上面部92,92で外装材3の斜め水下側を支持す
るスタート部を形成すると、別途スタート部材を必要と
せず合理的である。
【0049】該樋部材9の材質は、基本的には外装材等
の建築用板材と同一素材により成形されるが、外装材よ
りも湿潤な環境になり易いので、より耐久性の高い素材
を選択することが好ましく、例えばアルミ押し出し型材
から構成する。
【0050】前記樋部材9に対し、図7、図10に示す
ように、樋部材9間の略中央を中心線Cとして二分した
取付対象下地面10の左側下地面10aに、外装材3C
の水下側が樋部材9の上面部92により支持され、かつ
排水部51が樋空間13に臨んでいる。一方、右側下地
面10bに、他の樋部材9の上面部92により外装材3
の水下側部が支持されつつその排水部51が他の樋部材
9の樋空間13に臨んでいる。そして、それらの外装材
3の止水部52が取付対象下地面10の中心線Cに沿っ
て隣接されている。
【0051】このように敷設される外装材3Cは固着具
により、直接前記下地8に固定したり、外装材保持部材
を介して前記下地8に固定するようになっている。例え
ば、下地8を構成する、樋部材9と鉄骨躯体間に敷設さ
れる前記下地ボード類(パネルを含む)が硬質木片セメ
ント板やALC板等、外装材3Cを保持するに十分な固
定強度を有する場合には、これらの下地に外装材保持部
材等を固定するようになっている。
【0052】前記外装材保持部材(以下、単に保持部材
ともいう)は、外装材3Cの樋部5及び係合部4、或い
は樋部5又は係合部4を保持し、或いは外装材3Cの略
平坦状部31の係合部4側裏面を支持するものである。
この保持部材を用いた斜め葺き外装構造の実施形態を図
9に基づいて説明する。図9に示す外装材保持部材11
はそれ自身を下地8、樋部材9又は補助支持部材12
(後述)等に固定するための固定片11aと樋部5の立
上り部55を抱持する抱持部11bと係合部4に係合さ
れる被係合片11cとからなっている。そして、下段側
外装材30Aの立上り部55を抱持部11bで保持し、
固定片11aを下地8や樋部材9の上面部92などに固
定し、上段側外装材30Bの係合部4を保持部材11の
被係合片11cに係合して外装材3Cを保持している。
また、保持部材11の抱持部11b上端は上段側外装材
30Bの略平坦状部31の係合部4側裏面を支持可能に
なっており、外装材3を補強できるようになっている。
【0053】次に、前記外装材保持部材11とは別構成
の保持部材を用いた斜め葺き外装構造の実施形態を図1
2(a)乃至図12(f)に基づいて説明する。図12
(a)に示した保持部材11Aは、抱持部11bを外装
材3Dの樋部5の立上り部55を抱持できる形状にし、
被係合片を省略している。そして、同図に示すように、
外装材3Dの樋部5は、その立上り部55の先端を底部
54と略平行に内側に折り曲げ、さらに斜め内側に折曲
げたのち、斜め上に折り返して上段側外装材30Bの係
合部4に係合される被係合部6を設けている。即ち、外
装材自体に被係合部6を有する構成であって、下段側外
装材30Aの被係合部6を含む成形部を保持部材11A
の抱持部11bで保持して、固定片11aを下地8など
に固定し、上段側外装材30Bの係合部4を下段側外装
材30Aの被係合部6に係合している。この実施形態に
おいても保持部材11Aの抱持部11b上端により、外
装材3Dを補強できるようになっている。
【0054】図12(b)に示した保持部材11Bは、
外装材3Eの一端を裏面側に折り返した係合部4に対応
させて、その被係合片11cを設け、かつ外装材裏面を
支持するように形成されている。そして、同図に示すよ
うに、下段側外装材30Aの立上り部55を保持部材1
1Bの抱持部11bで保持して固定片11aを下地8な
どに固定し、上段側外装材30Bの係合部4を保持部材
11Bの被係合片11cに係合している。この実施形態
においても、保持部材11Bの抱持部11b上端も、外
装材3Eを補強できるようになっている。
【0055】図12(c)に示した保持部材11Cは、
樋部5内に被係合部6を備えた外装材3Fに対応した構
成となっている。即ち、外装材3F自体に被係合部6を
備えているので、該保持部材11Cは被係合片を省略し
ている。そして同図に示すように、下段側外装材30A
の立上り部55を保持部材11Cの抱持部11bで保持
して固定片11aを下地8等に固定し、一方、上段側外
装材30Bの係合部4を下段側外装材30Aの樋部5内
に形成された被係合部6に係合している。この実施形態
においても抱持部11b上端は上段側外装材30Bの略
平坦状部31の係合部4側裏面を支持するようになって
おり、外装材3を補強できるようになっている。
【0056】図12(d)に示した外装材3Gは、樋部
5の底部54に溶接wで一体化された別部材の被係合材
6Aと係合部4とを係合させる構成であるので、該保持
部材11Dは被係合片を省略している。そして同図に示
すように、下段側外装材30Aの樋部5の立上り部55
を保持部材11Dの抱持部11bで抱持し、かつ固定片
11aを下地8等に固定し、一方、上段側外装材30B
の係合部4を被係合材6Aに係合している。この実施形
態においても保持部材11Dの抱持部11b上端は、外
装材3Gを補強できるようになっている。
【0057】また、図12(e)に示した保持部材11
Eは、外装材3Hを弾性係合させる係合受け部11dを
設けたもので、この係合受け部11dに対応するよう
に、外装材3Hの樋部5の垂下部53及び立上り部55
にそれぞれ弾性係合部53a,55aを設け、また係合
部4にも弾性係合部4aを設けている。そして、固定片
11aを介して下地8等に予め固定した保持部材11E
に、下段側外装材30Aの樋部5を弾性係合させるとと
もに、上段側外装材30Bの係合部4を弾性係合させる
ことにより葺上げた斜め葺き外装構造を示したものであ
る。このような保持部材11Eを外装材3Hの樋部5に
沿うように長尺材により成形すれば、外装構造としての
防水機能を高めることができる。
【0058】また、図12(f)に示した保持部材11
Fは、抱持部を省略したもので、同図に示したように、
下段側外装材30Aの樋部5内部に、被係合片11cを
有する保持部材11Fをパッキング等の防水材Pを介し
て配置し、固定片11aを介して下地8等に固着具で貫
通固定し、上段側外装材30Bの係合部4を保持部材1
1Fの被係合片11cに係合して葺上げた斜め葺き外装
構造を示したものである。樋部5は水潤箇所なので、こ
の構造では固着具による固定に際しては、防水座金また
は防水キャップ付きの固着具を使用するか、シーリング
材による水密処理を要する。
【0059】前記保持部材は、上記各保持部材11、1
1A乃至11Fのように一つの部材で構成したり、また
複数部材から構成するようにしてもよい。例えば下部保
持部材、上部保持部材に分けて構成することはむろん、
下部保持部材、上部保持部材それぞれを複数部材に構成
してもよい。また、前記樋部材9の取付けに保持部材を
使用する場合にあっても、その構成は外装材保持部材と
同様である。なお、保持部材は図10に点線で示すよう
なピース材でもよいし、長尺材でもよいが、樋部材9の
保持部材がスタート材を兼ねる場合には、長尺材とする
のが好ましい。
【0060】前記各外装材保持部材11,11A乃至1
1Fはアルミや硬質樹脂による押出成形品、メッキ鋼
板、ステンレス鋼板等のプレス加工品及びセラミック等
よりなる。素材厚は、特に限定されるものではないが、
押出成形品の場合、概ね1.2乃至2.5mm程度であ
る。
【0061】一方、保持部材を用いず、外装材を直接、
下地に固定する斜め葺き外装構造の実施形態には図13
(a)乃至(c)に示したものがある。図13(a)で
は、外装材3Jの係合部4は、垂下部53を設けずにそ
のまま略平坦状部31の一端を裏面側に折り返して形成
され、一方、樋部5はその立上り部55に被係合部6、
外装材3Jの裏面を支持する支持部3a、外装材3Jを
下地8に固定する固定部3bを設けている。即ち、外装
材自体に被係合部6や固定部3bを有する構成であっ
て、下段側外装材30Aの固定部3bを下地8に固着具
で固定し、上段側外装材30Bの係合部4を下段側外装
材30Aの被係合部6に係合して葺上げた外装構造を示
したものである。図13(b)では、外装材3Kの樋部
5の底部54を立ち上げて略J字状の被係合部6を設け
るとともに、その被係合部6を立上り部55として樋部
5を形成するとともに、固定部3bを形成している。こ
れは、図13(a)に示した構造に共通するもので、外
装材自体に被係合部6と固定部3bを有する構成であっ
て、下段側外装材30Aの固定部3bを下地8に固着具
で固定し、上段側外装材30Bの係合部4を下段側外装
材30Aの被係合部6に係合して葺上げた外装構造を示
したものである。また、図13(c)は、外装材3Lを
用いたもので、外装材自体に固定部3bと樋部5内に被
係合部6を有し、下段側外装材30Aの固定部3bを下
地8に固着具で固定し、上段側外装材30Bの係合部4
を下段側外装材30Aの樋部5内に形成された被係合部
6に係合して葺き上げる外装構造を示したものである。
【0062】上記のように構成された斜め葺き外装構造
の外装材3Cが軒棟方向に施工されることにより、樋部
5が陰影となり、取付対象下地面10の単位で矢羽根模
様が形成され、さらに樋部材9を矢柄とする矢羽根模様
も施工面に形成されることになる。従って、図7のよう
に、施工面を正面から観た場合には、外装材の継ぎ目に
なる樋部5が作る陰影により、矢羽根が連続する模様を
遠方からでも確認することができる。また、太陽高度に
より相違はあるものの、図8に示すように、左右どちら
かの斜め方向から施工面を観た場合には、観察方向に傾
斜する樋部5の陰影が強調され、反対の方向の樋部5の
継ぎ目の陰影は薄れるので、施工面には強調された矢羽
根模様と、弱められた矢羽根模様が間欠的な模様として
現れ、正面から観た模様とは別異な意匠となる。従っ
て、従来の縦葺き外装材や横葺き屋根材による、縦線ま
たは横線という単調な意匠ではなく、新しい葺き形式と
して新しい意匠性を求める市場の要求に答えることがで
きる。また、個々の外装材3Cに対する降雨は、下段側
外装材30Aの樋部5に集まり、該樋部5によって斜め
水下側の排水部51から樋部材9に導かれ、そして樋部
材9に導かれた雨水は風の影響を受け難い樋空間13を
流下するので、従来の屋根のように外装面の表面を流下
する雨水の水量が下方にきて増加することがなく、強風
雨時における漏水の可能性が極めて低くなる。
【0063】次に、図14に基づいて前記外装材3Cを
用いた斜め葺き外装構造の別構成に係る実施の形態を説
明する。図14に示す実施の形態と上記実施の形態とが
異なる主な点は、前記下地8と外装材3C間に補助支持
部材12を配置し、固着具を介して該補助支持部材12
を下地8に固定するとともに、該補助支持部材12に外
装材3C又は外装材保持部材11を固定していることで
ある。前記補助支持部材12は、外装材3Cの裏面側を
支持するもので、断面形状が略ハット状に成形され、両
フランジ部12a,12aが前記下地8に対する固定部
となっており、頂部12bが外装材3Cや外装材保持部
材11の取付部になっていて、前記樋部材9,9間に、
その樋部材と平行に配置されている。かかる補助支持部
材12は、基本的には外装材3Cと同一素材により成形
され、例えばアルミ押し出し型材から構成されている。
そして補助支持部材12を利用して外装材3Cを固定し
たり、或いは外装材保持部材11を固定することによっ
て、外装材3Cをより安定的に、かつ強固に支持するこ
とができる。
【0064】また、この図14に示した実施の形態で
は、図10に示した樋部材9の構成と異なり、樋部材9
の下地8に対する固定用フランジ部90を底部94の両
サイドから延在させて設けている。そして樋部材9と補
助支持部材12との間、補助支持部材12間にそれぞれ
第1バックアップ材17を敷設し、断熱、遮音等を図っ
ている。この場合、補助支持部材12等に固定されない
外装材3Cや外装材保持部材11は第1バックアップ材
17を貫通する固着具を介して建築躯体を構成する母屋
や垂木等に固定される。
【0065】次に、前記下地8と外装材3C間に補助支
持部材12を介装固定した斜め葺き外装構造の第2の実
施形態を図15に基づいて説明する。この第2の実施形
態が上述した第1の実施形態と異なる主な点は、第1に
樋部材9Aの構成の点と、第2に外装材3C,3Cの隣
接部37,37の下方に補助樋部材9Bを設けた点であ
る。樋部材9Aは断面略C字状に成形され、断面略ハッ
ト形状の補助支持部材12間に配置されるとともに外装
材3Cのスタート材24によって押圧保持される。そし
てこのような構成の樋部材9Aに対して、外装材3Cの
折下部36は樋部材9Aの端縁とスタート材24の端縁
をそれぞれ、つかみ込んでいる。一方、水上側カバー部
20の下方には、外装材3Cの斜め水上側の下方に配置
した補助支持部材12間に断面略逆ハット形状の補助樋
部材9Bを嵌装した構成となっており、面戸21、粘着
テープ19、補助樋部材9Bの3段の雨仕舞を構成し、
雨仕舞の信頼性を高めている。なお、この実施形態では
樋部材9Aと補助樋部材9Bは、金属コイルまたは平板
をロールまたはベンダー加工によって成形する。
【0066】上記のように構成された各斜め葺き外装構
造では、例えば図9に示すように上段側外装材30Bの
略平坦状部31の下端縁34aと下段側外装材30Aの
略平坦状部31の上端縁32aの間は、表側に開放する
樋空間130が形成されている。この樋空間130は、
取付対象下地面10を単位として施工面に略逆V字状の
模様を形成するとともに、樋部材9に向かう凹部を形成
することなる。かかる樋空間130は、施工面に形成さ
れた凹部として、屋根面に引っかかりを形成するので、
勾配屋根1の施工中や、その後のメンテナンス時に未施
工部分用の部材の滑落を防止することができ、また、作
業者の転落事故を防止することができる。また、積雪地
方においては、凹部が雪止め効果を奏するので、雪止め
金具を別途取り付ける必要がなく、その結果、雪止め金
具の取付に伴う漏水の危険性もなくなる。しかも、雪止
め金具により屋根本来の意匠性を損なってしまうことが
ない。さらに、積雪荷重を従来構成のような雪止めのよ
うに局所的な荷重負担ではなく、屋根面全面で等分に負
担することができるので、下地構造に対する局所的な負
担を軽減することができる。
【0067】なお、上記各斜め葺き外装構造に用いられ
ている外装材3Cの略平坦状部31の樋部側に上り傾斜
状の傾斜面を形成してもよい。この傾斜面は、前記斜め
葺き外装材3Bの傾斜面7と同様に、断面形状が略直角
三角形状のものとして図12(a),(b),(c)及
び図13(a)に示した傾斜面7A乃至7D、図12
(d)に示した凸状の傾斜面7E、図13(b)に示し
た、断面形状が略台形状の傾斜面7F、図13(c)に
示した、樋部5の垂下部53の傾斜に合わせた傾斜面7
G、図12(f)に示した、断面形状が略正三角形状の
傾斜面7Hがある。これらの傾斜面も前記斜め葺き外装
材3Bの傾斜面7と同様な作用効果を発揮し、外壁や勾
配屋根の勾配等の施工環境との兼ね合いで、使用すべき
外装材が選択される。
【0068】次に図16(a)及び(b)に基づいて、
図9などに示した前記樋空間130を覆って、略平坦状
部31より上方に隆起する凸状カバー材を設けた外装構
造の実施形態を説明する。図16(a)に示すように、
凸状カバー材(以下、カバー材ともいう)の実施形態
は、断面形状が略三角形状のガバー15であって、カバ
ー底部15aから樋空間130の幅に対応してそれぞれ
取付片15b,15bが垂下して設けられ、各取付片1
5b,15bには、嵌合突起15c,15cがそれぞれ
設けられている。一方、外装材3Mの係合部4や樋部5
には前記各嵌合突起15c,15cに嵌合する嵌合手段
としての嵌合突起14a,14bを設けている。そし
て、下段側外装材30Aの立上り部55を保持部材11
Gの抱持部11bで保持して固定片11aを下地8や補
助支持部材12に固定し、一方、上段側外装材30Bの
係合部4を保持部材11Gの被係合片11cに係合した
後、各外装材3Mの嵌合突起14a,14bに凸状カバ
ー材15の嵌合突起15c,15cを嵌合させる構造に
なっている。
【0069】また図16(b)に示したカバー材15A
は、カバー材15の嵌合突起15c,15cを弾性突起
15d,15dに換え、これに対応して外装材3Nの係
合部4と樋部5には前記各弾性突起15d,15dに弾
性係合する突起15e,15eを設けている。
【0070】上記カバー材15,15Aを備えた屋根面
では、強風圧により前記外装材3M,3Nの略平坦状部
31に沿って下から上に進行してきた風雨は略三角形状
の斜辺に沿って上向きにその進行方向を変化させるよう
になっており、その斜辺がスポイラーとして機能する。
しかして、三角形の頂点に達した風雨は、その頂点で飛
散するので、強風雨時の漏水可能性をより一層低減させ
ることができる。また樋空間130の上部には、略三角
形の高さで施工面に段差Dが形成されることになる。従
って、施工中や施工後のメンテナンス時の事故等の防止
に寄与するし、積雪地方においては、前記段差Dが雪止
め効果を奏するので、雪止め金具を別途取り付ける必要
がなく、その結果雪止め金具の取付に伴う漏水の危険性
もなくなる。さらに、積雪荷重を従来構成のような雪止
めのように局所的な荷重負担ではなく、屋根面全面で等
分に負担することができるので、下地構造に対する局所
的な負担を軽減することができる。しかも、雪止め金具
により屋根本来の意匠性を損なってしまうことがないば
かりか、上述の樋部5が作る陰影による矢羽根模様とは
異なる意匠となる施工面とすることができる。また、カ
バー材15,15Aは個々の外装材の降雨に対し、雨水
をせき止め、かつ樋部材9に導くことができ、雨水は風
の影響を受け難い樋空間13を流下するので、従来の屋
根のように外装面の表面を流下する雨水の水量が下方に
きて増加することがなくなるので、強風雨時における漏
水の可能性が極めて低くなる。
【0071】カバー材15の形状は、他に図17(a)
に示すようにその断面形状が半円状のカバー材15B、
図17(b)に示すようにその断面形状が略正三角形状
のカバー材15C、図17(c)に示すようにその断面
形状が略翼形状のカバー材15D、図17(d)に示す
ようにその断面形状が略直角三角形状のカバー材15E
を例示することができる。なお、この図17(d)に示
すものは、水上側に補強フランジ部15fを有するもの
で、下段側外装材30Aの樋部5に臨む上段側外装材3
0Bの外装下端位置でリベット等により固定する。これ
らのカバー材15B,15C,15D,15Eは前記カ
バー材15と同様な作用効果を発揮するもので、外壁や
勾配屋根の勾配等の施工環境との兼ね合いで、使用すべ
き外装材が選択される。
【0072】前記各カバー材15,15A乃至15Eは
基本的には、外装材等の建築用板材と同一素材により成
形されるが、異種素材、異種色調のものを用いても良
い。
【0073】上記各外装構造において、図18(a)及
び(b)並びに図19に示すように、樋部材の底部また
は側部のどちらか一方または両方に沿って、電熱ヒータ
ー、温風ダクト、温水パイプ等の融雪装置を添設しても
よい。該融雪装置は、熱エネルギーを放出することがで
きるもので、図18(a)は融雪装置16として面状ヒ
ーターを前記樋部材9の底部94に添設した構成を示
し、図18(b)は樋部材9Cに中空部95を形成し
て、底部94と両側部91,91に沿って設けた融雪装
置16として温風循環用のダクト部96を示している。
また、図19に示すように、前記補助支持部材12と略
C形状の前記樋部材9A間にその樋部材9Aの底部94
と両側部91,91を包むように、融雪装置16として
面状の電熱ヒーターを介装してもよい。かかる構成で
は、軒棟方向に連続する樋部材9等の積雪が融雪される
ことになり、外装材3Cの前記樋部5または前記カバー
材15に沿って、積雪が緩やかに樋部材9等へと案内さ
れるので、施工面全体の積雪を円滑に融雪することがで
きる。そして結果的に、積雪が一度に多量に落雪するこ
とを防ぎ、建築物周辺における落雪による人身及び物損
事故を防止することができる。なお、図19中、8cで
示すものは粘着シート等の防水材であり、該防水材8
c,8cが樋部材9Aの上面フランジ部分97,97と
スタート材24,24の間に介装されており、雨仕舞性
能を高めている。
【0074】次に、図20及び図21に基づいて、軒棟
方向に連続し、かつ外装材を複数箇所で支持する支持部
と空間部を有するバックアップ材が外装材の裏面側に介
装されている外装構造の実施の形態を説明する。該バッ
クアップ材17Aは、図21に示すように、断面形状が
略波形のもので、波の山が外装材3Cを複数箇所で支持
する支持部17aとなり、波の谷と波の山の下部が空間
部17bをなしている。そして図20に示すように、一
端側の山が樋部材9Aを支持する補助支持部材12の頂
面12bに支持され、かつ固着具で固定され、その一端
17cが樋部材9Aの排水空間18に臨んでいる。ま
た、他端側の山が補助樋部材9Bを支持する補助支持部
材12の頂面12bに支持され、かつ固着具で固定さ
れ、その一端17cが補助樋部材9Bの排水空間18に
臨んでいる。かかる構成では、バックアップ材17Aの
支持部17aが外装材3Cの成形部である係合部4と樋
部5とにそれぞれ斜めに交差する配置関係になり、積雪
荷重等の正荷重に対して面強度が向上する。また、軒棟
方向に連続する空間部17bにより、軒棟方向に連通す
る空間が形成されるので、流通空気層とした場合には、
構造内部の結露を防止することができる。
【0075】前記バックアップ材17Aを使用する外装
構造では、図20に示すように樋部材9Aと補助樋部材
9Bの各上面フランジ部分97とバックアップ材17A
の間に粘着シート等の防水材8c,8cを介装して雨仕
舞性能を高めている。その他の構成は、図15に示した
外装構造と略同一なので詳細な説明は省略する。
【0076】前記バックアップ材17Aの代わりに、図
22(a)に示すような断面形状のバックアップ材17
Bを使用しても良い。前記バックアップ材17Aが金属
素材を想定しているのに対し、図22(a)に示すもの
は素材として発泡樹脂を想定した実施の形態である。こ
のバックアップ材17Bでは、発泡樹脂の表側に軒棟方
向に連続する凹凸を形成し、凸部分を支持部17aと
し、一方、凹部分を空間部17bとしている。そして、
両端部17c,17cにそれぞれ前記補助支持部材12
を跨がせる切欠き17d,17dを設けており、両端部
17c,17cが樋部材9A、補助樋部材9Bの各排水
空間18に臨むことができるようになっている。なお、
前記バックアップ材17Bはその単体を軒棟方向に接続
させる場合には、バックアップ材17Bの側面を示した
図22(b)のように、点線重合面で上段のバックアッ
プ材17Bと下段のバックアップ材17Bとを重合す
る。前記バックアップ材17Bの素材としてはポリウレ
タン、ポリスチレン、フェノール等の樹脂発泡材が好ま
しいが、高密度グラスウール、木毛等の繊維系成形材の
ボード類であってもよい。
【0077】上記各バックアップ材17A,17Bが非
透水性素材または非透水性処理した部材より作られた場
合には、不測の漏水や結露が生じても、バックアップ材
17A,17Bの波状表面の谷部によって、棟方向から
軒方向に向かって水を流下させることができ、また樋部
材9A等の排水空間18に臨んだバックアップ材17A
の端部17c,17cにより樋部材9A等により排水す
ることができ、雨仕舞性能が向上する。なお、非透水性
処理した部材の実施形態として、透水性素材よりなる前
記バックアップ材17Bの表側に防水材アスファルトフ
ェルトを貼って防水処理を施した部材がある。
【0078】その他のバックアップ材として、図23
(a)や(b)に示す形態のものを用いても良い。図2
3(a)のバックアップ材17Cは、裏面側に凹凸を設
けたもので、この凹凸によって形成される空間部17b
により、軒棟方向に連通する空間が形成され、内部の結
露を防止することができる。なお、表面17eは外装材
3Cと当接する部分で外装材3Cを支持することもでき
る。
【0079】一方、図23(b)のバックアップ材17
Dは、表裏面両面に凹凸を設けたもので、表面17eの
凸部が支持部17aとなり、表面17e及び裏面17f
の凹部により形成される空間部17bにより、軒棟方向
に連通する空間が形成され、内部の結露を防止すること
ができる。また、バックアップ材17Dを非透水性素材
より作ったり、又はその表側17eに防水材アスファル
トフェルトを貼って防水処理を施せば、表面17eの支
持部17aにより略波状に形成されているので、不測の
漏水や結露が生じた場合、棟方向から軒方向に向かって
水を流下させることができ雨仕舞性能が向上する。
【0080】次に、上記図7乃至図10を参照しつつ、
従来にない斬新な施工面にすることができる斜め葺き外
装の施工方法の実施形態を説明する。施工前に外装材を
用意するが、略平坦状部31の一端に係合部4が形成さ
れ、一方略平坦状部31の他端に樋部5が形成され、か
つ両端が無加工の矩形状の外装材3Cを用い、現場にて
排水部51,止水部52を加工してもよいし、また、予
め加工された外装材、例えば前記各斜め葺き外装材3,
3A或いは3Bの何れかを用いても良い。
【0081】まず、第一工程として、勾配屋根1または
外壁2の下地8上に、水の流れ方向Xに沿って所定間隔
Wで樋部材9を敷設し、前記樋部材9,9間の略中央を
中心線Cとして外装材3Cの取付対象下地面10を2分
し、左側下地面10aと右側下地面10bに区分する。
樋部材9間の間隔Wは、前記外装材3Cの隣接部をそれ
ぞれ突き合わせたて逆V字状にした場合にそれぞれの排
水部51が樋部材9の樋空間13に臨むことができる距
離である。次に、第二工程として左側下地面10aに配
置される前記外装材3Cの排水部51を樋部材9に臨ま
せるとともに、隣接する外装材3Cの止水部52,52
同士が前記中心線Cに沿うように外装材3Cを斜めに敷
設する。その後、第三工程として、例えば各外装材3C
の樋部5、係合部4が図9に示した構成であれば、その
外装材3Cの樋部5の立上り部55を外装材保持部材1
1で抱持し、該外装材保持部材11を樋部材9や下地8
に固定する。また、例えば各外装材3Cの樋部5、係合
部4が図13(a)に示した構成であれば、外装材3J
を固着具で直接、樋部材9や下地8に固定する。なお、
軒棟方向においては、図9に示すように上段側外装材3
0Bの係合部4を外装材保持部材11の被係合片11c
に係合させる。このような手順で、取付対象下地面10
単位毎に軒側から棟側に葺き上げたり、或いは各取付対
象下地面10,10・・・に対する葺き上げを並行して
行い、軒側から棟側に葺き上げることもできる。
【0082】このような施工方法によれば、従来の縦葺
き外装材や横葺き屋根材による、縦線または横線という
単調な意匠ではなく、新しい葺き形式として新しい意匠
性を求める市場の要求に答えることができる。また、個
々の外装材3Cに対する降雨は、下段側外装材30Aの
樋部5に集まり、該樋部5によって斜め水下側の排水部
51から樋部材9に導かれ、そして樋部材9に導かれた
雨水は風の影響を受け難い樋空間13を流下するので、
従来の屋根のように外装面の表面を流下する雨水の水量
が下方にきて増加することがなく、強風雨時における漏
水の可能性が極めて低くなる。なお、使用する外装材が
斜め葺き外装材3,3A或いは3Bであれば予め側縁が
斜め形状に成形され、かつ、排水部51及び止水部52
が形成されているので、殆ど現場加工することなく勾配
屋根や壁の外装を施工できるので、極めて施工性が高
い。
【0083】また、補助支持部材12を用いる場合に
は、樋部材9を敷設するとともに、それらの樋部材9間
に補助支持部材12を敷設する。そして外装材3を固定
する際には、前記補助支持部材12に外装材3Cを直接
固定し、または前記補助支持部材12に外装材保持部材
11を固定した後に、外装材保持部材11に外装材3C
を固定する。前記補助支持部材12を敷設した場合に
は、外装材3Cをより安定的に、かつ強固に支持するこ
とができる。なお、バックアップ材17等の敷設は、補
助支持部材12を敷設した後に行う。
【0084】なお、本発明の斜め葺き外装構造及び斜め
葺き外装の施工方法において、外装端部の納めの構成
は、本発明が解決しようとする課題との関連性はない
が、外装端部の納め構成を例示すれば、図24に示した
ようになる。即ち、外装端部の納めに用いられる外装材
3Cは、建物の軒端等の形状に合わせて現場で切断加工
するようになっている。
【0085】
【発明の効果】請求項1に記載の斜め葺き外装材は、勾
配屋根や外壁の施工面に対し、矢羽根状の模様を作るこ
とができ、新しい葺き形式に用いられる新規な外装材と
して新しい意匠性を求める市場の要求に答えることがで
きる。また斜め葺き外装材の略平坦状部の他端に樋部を
形成しているので、斜め葺き外装材自体が樋の機能を備
えていることになる。そして、略平坦状部の一端の係合
部を水の流れ方向の水下側に、一方、樋部を水の流れ方
向の水上側にすることにより、樋部は上段側に隣接する
斜め葺き外装材の外装面を流下する雨水等を集める。集
まった雨水等は、水の流れ方向に対して傾斜している樋
部の斜め水下側に設けられた排水部から排水される。こ
の場合、樋部の斜め水上側には止水部が設けられている
ので、雨水等は逆流することがない。即ち、本発明にか
かる斜め葺き外装材では、雨水を棟から軒方向へ外装面
上を流下させるものではないため、軒近くの屋根面上で
流下水量が増加することはなく、従って、強風が伴う状
況においても屋根材の継ぎ目部分でオーバーフローして
漏水事故に至ることもない。
【0086】請求項2に記載した斜め葺き外装材におい
ては、平行四辺形の他の一組の対辺に相当する側縁を施
工面の水の流れ方向に対してそれぞれ平行に位置させ、
かつ、樋部と係合部を水の流れ方向に対して傾斜するよ
うに配置することができる。従って、施工面の上下方向
に連続する矢羽根模様を正確に葺くことができ、かつ桁
行き方向においても、連続する矢羽根模様を正確に葺く
ことができ、新しい外装材を用いた新しい葺き形式とし
て斬新な意匠性を求める市場の要求に答えることができ
る。
【0087】請求項3に記載の斜め葺き外装材では、断
面形状が略上開きコ字状の樋部が斜め葺き外装材と一体
に成形され、かつ止水部が斜め葺き外装材と一体に成形
される。従って、殆ど現場加工する必要がなく屋根面や
外壁を施工でき、極めて施工性が高いので、新しい外装
材を用いた新しい葺き形式として斬新な意匠性を求める
市場の要求に迅速、かつ的確に答えることができる。
【0088】請求項4に記載の斜め葺き外装材では、樋
部と被係合部とが一体に形成されるので、上下に隣接す
る斜め葺き外装材同士を直接係合することができ、吹上
強度と水密性を高めることができる。
【0089】請求項5に記載の斜め葺き外装材を用いた
屋根面では、強風圧によりその外装面の下から上に進行
する風雨に対して、その進行方向を前記傾斜面により上
方に変化させることができる。即ち、風雨が正圧として
作用する外装面において、傾斜面がスポイラーとして働
くので、風雨圧の作用方向を上向きに変更させて、風雨
を飛散させる効果があり、これにより強風雨時の漏水可
能性を一層低減させることができる。また、前記段差が
葺上がった屋根面に引っかかりを形成するので、勾配屋
根の施工中や、その後のメンテナンス時に未施工部分用
の部材の滑落を防止することができ、また、作業者の転
落事故を防止することができる。また、積雪地方におい
ては、前記段差が雪止め効果を奏するので、雪止め金具
を別途取り付ける必要がなく、その結果、雪止め金具の
取付に伴う漏水の危険性もなくなる。しかも、雪止め金
具により屋根本来の意匠性を損なってしまうことがない
ばかりか、屋根面に対する視線の変更に伴う意匠性の変
化が大きく、従来にない新規な意匠となる外装面をより
変化に富んだものにすることができる。さらに、段差を
加えた深い樋部を形成することができるので、より多く
の水量が受け入れられ、樋機能を向上させることがで
き、この点からも軒近くの屋根面上で流下水量の増加を
確実に防ぐことができる。
【0090】請求項6に記載の斜め葺き外装構造では、
かかる外装構造が施工面の上下方向に施工されることに
より樋部が陰影となり、取付対象下地面の単位で矢羽根
模様が形成され、さらに樋部材を矢柄とする矢羽根模様
も施工面に形成されることになる。従って、施工面を正
面から観た場合には、外装材の継ぎ目になる樋部が作る
陰影により、矢羽根が連続する模様を遠方からでも確認
することができる。また、太陽高度により相違はあるも
のの、左右どちらかの斜め方向から施工面を観た場合に
は、観察方向に傾斜する継ぎ目の陰影が強調され、反対
の方向の継ぎ目の陰影は薄れるので、施工面には強調さ
れた矢羽根模様と、弱められた矢羽根模様が間欠的な模
様として現れ、正面から観た模様とは別異な意匠とな
る。従って、従来の縦葺き外装材や横葺き屋根材によ
る、縦線または横線という単調な意匠ではなく、視点に
よって模様が変化する外装構造が得られ、新しい葺き形
式として新しい意匠性を求める市場の要求に答えること
ができる。また、個々の外装材に対する降雨は、下段の
外装材の樋部に集まり、外装材の水下側側縁の排水部か
ら樋部材に導かれ、そして樋部材に導かれた雨水は風の
影響を受け難い樋空間を流下するので、従来の屋根のよ
うに外装面の表面を流下する雨水の水量が下方にきて増
加することがなく、強風雨時における漏水の可能性が極
めて低くなる。
【0091】請求項7に記載の補助支持部材は、外装材
の裏面側を支持するもので、このような補助支持部材を
利用して外装材を固定したり、或いは外装材保持部材を
固定することによって、外装材をより安定的に、かつ強
固に支持することができる。
【0092】請求項8に記載の斜め葺き外装構造では、
樋空間は雨樋の機能を発揮するとともに、施工面に形成
された凹部として、屋根面に引っかかりを形成するの
で、勾配屋根の施工中や、その後のメンテナンス時に未
施工部分用の部材の滑落を防止することができ、また、
作業者の転落事故を防止することができる。また、積雪
地方においては、凹部が雪止め効果を奏するので、雪止
め金具を別途取り付ける必要がなく、その結果、雪止め
金具の取付に伴う漏水の危険性もなくなる。しかも、雪
止め金具により屋根本来の意匠性を損なってしまうこと
がない。
【0093】請求項9に記載した外装材を用いた外装構
造では、上段側外装材の係合部側の略平坦状部との関係
では傾斜面の傾斜高による段差が施工面に形成され、樋
部との関係では、前記段差を加えた深い樋部が施工面に
形成されることになる。従って、かかる施工面では、強
風圧によりその外装面の下から上に進行する風雨に対し
て、その進行方向を前記傾斜面により上方に変化させる
ことができる。即ち、風雨が正圧として作用する外装面
において、傾斜面がスポイラーとして働くので、風雨圧
の作用方向を上向きに変更させて、風雨を飛散させる効
果があり、これにより強風雨時の漏水可能性を一層低減
させることができる。また、前記段差が屋根面に引っか
かりを形成するので、勾配屋根の施工中や、その後のメ
ンテナンス時に未施工部分用の部材の滑落を防止するこ
とができ、また、作業者の転落事故を防止することがで
きる。また、積雪地方においては、前記段差が雪止め効
果を奏するので、雪止め金具を別途取り付ける必要がな
く、その結果、雪止め金具の取付に伴う漏水の危険性も
なくなる。しかも、雪止め金具により屋根本来の意匠性
を損なってしまうことがないばかりか、屋根面に対する
視線の変更に伴う意匠性の変化が大きく、従来にない新
規な意匠となる外装面をより変化に富んだものにするこ
とができる。さらに、段差を加えた深い樋部を形成する
ことができるので、より多くの水量が受け入れられ、樋
機能を向上させることができ、この点からも軒近くの屋
根面上で流下水量の増加を確実に防ぐことができる。
【0094】請求項10に記載の凸状カバー材(カバ
ー)は前記傾斜面と同様に作用するので、風雨が正圧と
して作用する外装面においてカバーがスポイラーとして
働き、風雨圧の作用方向を上向きに変更させて、風雨を
飛散させる効果があり、これにより強風雨時の漏水可能
性を一層低減させることができる。また、前記カバー材
が段差となり葺上がった屋根面に引っかかりを形成する
ので、勾配屋根の施工中や、その後のメンテナンス時に
未施工部分用の部材の滑落を防止することができ、ま
た、作業者の転落事故を防止することができる。また、
積雪地方においては、前記カバー材が雪止め効果を奏す
るので、雪止め金具を別途取り付ける必要がなく、その
結果、雪止め金具の取付に伴う漏水の危険性もなくな
る。しかも、雪止め金具により屋根本来の意匠性を損な
ってしまうことがないばかりかカバー材が略V字状の浮
き上り模様を形成することになるので、上述の樋部が作
る陰影による矢羽根模様とは異なる意匠となる施工面に
することができる。また、カバー材は個々の外装材の降
雨に対し、雨水をせき止め、かつ樋部材に導くことがで
きる。従って雨水は風の影響を受け難い樋空間を流下す
るので、従来の屋根のように外装面の表面を流下する雨
水の水量が下方にきて増加することがなくなるので、強
風雨時における漏水の可能性が極めて低くなる。
【0095】請求項11に記載の斜め葺き外装構造で
は、軒棟方向に連続する樋部材の積雪が融雪されること
になり、外装材の前記樋部または前記凸状カバーに沿っ
て、積雪が緩やかに樋部材へと案内されるので、施工面
全体の積雪を円滑に融雪することができる。そして結果
的に、積雪が一度に多量に落雪することを防ぎ、建築物
周辺における落雪による人身及び物損事故を防止するこ
とができる。
【0096】請求項12に記載の斜め葺き外装構造では
バックアップ材の支持部が、外装材の成形部である係合
部と樋部とにそれぞれ斜めに交差する配置関係になる。
従って、積雪荷重等の正荷重に対して面強度が向上す
る。また、軒棟方向に連続する空間部により、軒棟方向
に連通する空間が形成させるので、構造内部の結露を防
止することができる。
【0097】請求項13に記載の斜め葺き外装構造で
は、バックアップ材が非透水性素材または非透水性処理
した部材より作られるので、不測の漏水や結露が生じて
も、支持部と空間部により形成されるバックアップ材の
波状表面の谷部によって、棟方向から軒方向に向かって
水を流下させることができ、また樋部材の排水空間に臨
んだバックアップ材の端部により樋部材により排水する
ことができ、雨仕舞性能が向上する。
【0098】請求項14に記載の斜め葺き外装の施工方
法では、施工面を正面から観た場合には、外装材の継ぎ
目になる樋部が作る陰影により、矢羽根が連続する模様
を遠方からでも確認することができる。また、太陽高度
により相違はあるものの、左右どちらかの斜め方向から
施工面を観た場合には、観察方向に傾斜する継ぎ目の陰
影が強調され、反対の方向の継ぎ目の陰影は薄れるの
で、施工面には強調された矢羽根模様と、弱められた矢
羽根模様が間欠的な模様として現れ、正面から観た模様
とは別異な意匠となる。従って、従来の縦葺き外装材や
横葺き屋根材による、縦線または横線という単調な意匠
ではなく、視点によって模様が変化する外装構造が得ら
れ、新しい葺き形式として新しい意匠性を求める市場の
要求に答えることができる。また、個々の外装材に対す
る降雨は、下段の外装材の樋部に集まり、該樋部によっ
て斜め水下側の排水部から樋部材に導かれ、そして樋部
材に導かれた雨水は風の影響を受け難い樋空間を流下す
るので、従来の屋根のように外装面の表面を流下する雨
水の水量が下方にきて増加することがなく、強風雨時に
おける漏水の可能性が極めて低くなる。なお、使用する
外装材が前記斜め葺き外装材であれば予め側縁が斜め形
状に成形され、かつ、止水部及び排水部が形成されてい
るので、殆ど現場加工することなく勾配屋根や壁の外装
を施工できるので、極めて施工性が高い。一方現場加工
する場合でも樋部及び係合部が形成されているので、現
場加工は両端の納め加工や止水部の加工後に屋根や壁の
外装を施工でき、施工性が良い。
【0099】請求項15に記載の施工方法では、外装材
をより安定的に、かつ強固に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の実施の形態に係る斜め葺き外装材単体
の平面図、
【図2】 同外装材の正面方向からの斜視図、
【図3】 図1に示した同外装材のA−A矢視断面図、
【図4】 (a)は、樋部の水上端開口を閉じた状態の
止水部の拡大平面図であり、(b)は図4(a)で示し
た止水部の展開図である。
【図5】 (a)はプレス加工により成形した金属製止
水板の斜視図、(b)は樹脂製止水板の斜視図、(c)
はこれらの止水板を前記樋部の水上端のコ字状開口に固
定することにより形成された止水部を示した同外装材の
要部平面図である。
【図6】 他の実施形態に係る斜め葺き外装材を正面方
向から見た斜視図、
【図7】 外装材を用いて葺いた勾配屋根(外壁)の平
面図、
【図8】 同勾配屋根に対し視線位置により意匠性が変
化することを示す屋根面の斜視図、
【図9】 図7に示した外装のA−A矢視断面図、
【図10】 図7に示した外装のB−B矢視断面図、
【図11】 バックアップ材(第2バックアップ材)の
斜視図、
【図12】 (a)乃至(f)は図9の外装材保持部材
とは別構成の保持部材を用いた各斜め葺き外装構造の形
態を示した各断面図、
【図13】 (a)乃至(c)は外装材保持部材を用い
ない各斜め葺き外装構造の形態を示した各断面図、
【図14】 図10とは別構成の斜め葺き外装構造の断
面図、
【図15】 図10とは別構成の斜め葺き外装構造の断
面図、
【図16】 (a)及び(b)は凸状カバー材の実施形
態を示す各断面図、
【図17】 (a)ないし(d)は凸状カバー材の他の
実施形態を示す各断面図、
【図18】 (a)及び(b)は融雪装置を添設した樋
部材の各断面図、
【図19】 融雪装置を添設した樋部材の断面図、
【図20】 バックアップ材を備えた斜め葺き外装構造
の断面図、
【図21】 第1バックアップ材の断面図、
【図22】 (a)は他の実施形態の第1バックアップ
材の断面図、(b)は(a)に示した単体としての第1
バックアップ材の接続状態を示す側面図、
【図23】 (a)及び(b)は他の実施形態の第1バ
ックアップ材の各断面図、
【図24】 外装の端部納めを示す外装面の要部平面
図。
【符号の説明】
1・・・勾配屋根、 2・・・外壁、3,3
A,3B・・・斜め葺き外装材、3C,3D,3E,3
F,3G,3H,3I,3J,3K,3L,3M,3N
・・・外装材 3a・・・支持部、 3b・・・固定部、3
0A・・・下段側外装材、 30B・・・上段側外装
材、31・・・略平坦状部、 32・・・一端、
33・・・他端、 32a・・・上端縁、
34a・・・下端縁、 35・・・縦縁 36・・・折下部、 37・・・隣接部、4
・・・係合部、 4a・・・弾性係合部、
5・・・樋部、 51・・・排水部、5
2,52A・・・止水部、 52a,52b・・・止
水板、53・・・垂下部、 53a・・・弾
性係合部、54・・・底部、 55・・立
上り部、55a・・・弾性係合部、 51a・・・
開口、51b・・・開口垂下片、6・・・被係合部、
6A・・・被係合材、7,7A,7B,7
C,7D,7E,7F,7G,7H,7I・・・傾斜
面、8・・・下地、 8a・・・下地ボ
ード、8b・・・防水シート、 8c・・・防水
材、9,9A,9C・・・樋部材、 9B・・・補助樋
部材、90・・・固定用フランジ部、 91・・・側
部、92・・・上面部、 93・・・水返し
凸状、94・・・底部、 95・・・中空
部、96・・・ダクト部、 97・・・上面フ
ランジ部分、10,10a,10b・・・取付対象下地
面、11,11A,11B,11C,11D,11E,
11F,11G,11H,・・・外装材保持部材、11
a・・・固定片、 11b・・・抱持部、11
c・・・被係合片、 11d・・・係合受け部、
12・・・補助支持部材、 12a,12a・・・
両フランジ部 12b・・・頂部、13,130・・・樋空間、14
a,14b・・・嵌合手段、15,15A,15B,1
5C,15D・・・凸状カバー材、15a・・・底部、
15b・・・取付片、15c・・・嵌合突
起、 15d・・・弾性突起、15e・・・突
起、 15f・・・フランジ16・・・融雪
装置、 17,17A,17B,17C,17D ・・
・第1バックアップ材、17a・・・支持部、
17b・・・空間部、17c・・・端部、 1
7d・・・切り欠き 17e・・・表面、 17f・・・裏面、18
・・・排水空間、19・・・粘着テープ、20・・・水
上側カバー材、21・・・面戸、22・・・第2バック
アップ材 23・・・樋部材用カバー、24・・・スタート材、C
・・・中心線、D・・・段差、X ・・・水の流れ方向
(軒棟方向)、W・・・所定間隔、w・・・溶接。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04F 13/12 101 8913−2E E04F 13/12 101P

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 勾配屋根又は外壁における水の流れ方向
    に対し、傾斜状に敷設する斜め葺き外装材にあって、 外装面となる略平坦状部の一端に係合部を、前記略平坦
    状部の他端に樋部をそれぞれ形成して、係合部は水下側
    に、樋部は水上側にするとともに、 前記樋部は、斜め水下側を排水部とし、斜め水上側を止
    水部としたことを特徴とする斜め葺き外装材。
  2. 【請求項2】 前記斜め葺き外装材は、その平面形状が
    略平行四辺形であり、前記係合部と前記樋部とで一組の
    対辺をなしていることを特徴とする請求項1に記載の斜
    め葺き外装材。
  3. 【請求項3】 前記係合部は、略平坦状部の一端を外装
    材の裏面側に折曲げて形成し、一方、前記樋部は、略平
    坦状部の他端を折下げた垂下部と、該垂下部から外側に
    折曲げた底部と、該底部から立上げた立上り部とから形
    成するとともに、樋部の斜め水上側を立ち上げて止水部
    を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の斜め葺き外装材。
  4. 【請求項4】 上方に隣接する外装材の係合部と係合す
    る被係合部を前記樋部の底部に設けたことを特徴とする
    請求項3に記載の斜め葺き外装材。
  5. 【請求項5】 前記樋部側の略平坦状部を、上り傾斜状
    の傾斜面としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4
    に記載の斜め葺き外装材。
  6. 【請求項6】 勾配屋根または外壁の下地上に、水の流
    れ方向に沿って所定間隔で樋部材を敷設し、 中央に略平坦状部を有し、その一端に係合部を、その他
    端に樋部をそれぞれ形成した外装材を、左右どちらか一
    方の水下側となる側縁が前記樋部材に臨むように斜めに
    敷設する斜め葺き外装構造にあって、 前記樋部材間の略中央を中心線として外装材の取付対象
    下地面を2分し、 外装材の水下側側縁の樋部には排水部を、水上側側縁の
    樋部には止水部を設けて、隣接する外装材の止水部が前
    記中心線に沿うように敷設すると共に、 それぞれの外装材を固着具で直接に、又は外装材保持部
    材を介して下地に固定したことを特徴とする斜め葺き外
    装構造。
  7. 【請求項7】 前記下地と外装材間に補助支持部材を介
    装固定させるとともに、該補助支持部材に外装材を直接
    固定し、または前記補助支持部材に外装材保持部材を固
    定したことを特徴とする請求項6に記載の斜め葺き外装
    構造。
  8. 【請求項8】 上方に位置する外装材の略平坦状部の下
    端縁と下方に位置する外装材の略平坦状部の上端縁間
    は、表側に開放する樋空間が形成されることを特徴とす
    る請求項6及び請求項7に記載の斜め葺き外装構造。
  9. 【請求項9】 前記樋部側の略平坦状部を、上り傾斜状
    の傾斜面とした外装材を用いたことを特徴とする請求項
    6乃至請求項8に記載の斜め葺き外装構造。
  10. 【請求項10】 外装材の係合部と上下に隣り合う外装
    材の樋部にそれぞれ嵌合手段を設け、前記樋空間を覆っ
    て、略平坦状部より上方に隆起する凸状カバー材を、前
    記嵌合手段に嵌合したことを特徴とする請求項8に記載
    の斜め葺き外装構造。
  11. 【請求項11】 樋部材の底部または側部のどちらか一
    方または両方に沿って、融雪装置を添設したことを特徴
    とする請求項6乃至請求項10に記載の斜め葺き外装構
    造。
  12. 【請求項12】 外装材の裏面側には、軒棟方向に連続
    し、かつ外装材を複数箇所で支持する支持部と空間部を
    有するバックアップ材が介装されていることを特徴とす
    る請求項6乃至請求項11に記載の斜め葺き外装構造。
  13. 【請求項13】 前記バックアップ材は、非透水性素材
    または非透水性処理した部材よりなり、その端部が樋部
    材の排水空間に臨むことを特徴とする請求項12に記載
    の斜め葺き外装構造。
  14. 【請求項14】 勾配屋根または外壁の下地上に、水の
    流れ方向に沿って所定間隔で樋部材を敷設し、前記樋部
    材間の略中央を中心線として外装材の取付対象下地面を
    2分する第一工程と、 中央に略平坦状部を有し、その一端に係合部を、その他
    端に樋部を、左右どちらか一方の水下側となる側縁に排
    水部を、水上側の側縁に止水部を、それぞれ形成した外
    装材を、排水部が前記樋部材に臨み、かつ隣接する外装
    材の止水部同士が前記中心線に沿うように斜めに敷設す
    る第二工程と、 それぞれの外装材を固着具で直接に、又は外装材保持部
    材を介して下地に固定する第三工程により施工すること
    を特徴とする斜め葺き外装の施工方法。
  15. 【請求項15】 前記第一工程において、樋部材を敷設
    するとともに、樋部材間に補助支持部材を敷設し、 外装材を固定する際に、前記補助支持部材に外装材を直
    接固定し、または前記補助支持部材に外装材保持部材を
    介して外装材を固定したことを特徴とする請求項14に
    記載の斜め葺き外装の施工方法。
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