JPH09165413A - 遷移金属組成物 - Google Patents

遷移金属組成物

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JPH09165413A
JPH09165413A JP8234450A JP23445096A JPH09165413A JP H09165413 A JPH09165413 A JP H09165413A JP 8234450 A JP8234450 A JP 8234450A JP 23445096 A JP23445096 A JP 23445096A JP H09165413 A JPH09165413 A JP H09165413A
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compound
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magnesium
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JP8234450A
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Bernard John Cross
ジョン クロス バーナード
Ashley Dormar Bye
ドーマー バイ アシュレイ
Peter John Vaughan Jones
ジョン ボーン ジョーンズ ピーター
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BASF SE
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F10/00Homopolymers and copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond

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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特性の改良されたオレフィン重合触媒形成用
遷移金属組成物を与える。 【解決手段】 下式 Mg(OR)x (2-x) (上式中、Rは基R′またはCOR′であり、R′は炭
化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、そしてxは
0より大きくかつ2以下の値である)の化合物より形成
され、本質的に球形であり、かつ少なくとも15m2
gの表面積を有する粒状固体を周期表のIVA族、VA族
またはVIA族の遷移金属と反応させて得られる組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒状固体を用いた
オレフィン重合触媒成分形成用遷移金属組成物およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本質的に球状形である粒状固体は、通常
不規則な形状である粒状固体よりも良好な粉末流れ特性
を有する。最近、1つの成分が粒状固体上に担持された
遷移金属である触媒系を用いるオレフィンモノマーの重
合において進展がみられた。これらの触媒成分の多く
は、支持体として塩化マグネシウムをベースとし、本質
的に球形を有する塩化マグネシウムを製造することが多
く提案されてきた。英国特許第2024215号は、出
発点として不活性炭化水素中の塩化マグネシウムの液体
アルコラートの乳濁液を使用する粒子形成法を開示して
いる。この懸濁液を制御した方法で急冷し、塩化マグネ
シウムアルコラートの固体球状粒子を製造することがで
きる。球状の塩化マグネシウムをベースとする触媒は、
四塩化チタンおよび有機エステルによる処理により球状
アルコラートから製造することもできる。
【0003】粒子形成法の他の例は、ドイツ特許出願第
3241999号にみられ、これは、例えば四塩化チタ
ンのようなハロゲン含有化合物により2−エチルヘキサ
ノールに溶解した塩化マグネシウムのような、溶解した
マグネシウムをベースとする化合物を含む溶液から本質
的に球状形の塩化マグネシウムの制御沈殿を用いてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの案は改良され
た粒子形状を与える点で有効であったが、我々は気相重
合法で用いた場合に触媒が不利益をうけることを見い出
した。詳細には、触媒粒子はこの触媒取り扱い段階また
は重合容器内で破壊しやすい。また、この触媒粒子より
形成されたポリマー粒子は気相重合条件下で摩擦をうけ
る。さらに塩化マグネシウムアルコラートおよび制御さ
れた沈殿法により製造される球状触媒粒子は気相条件下
で一様に活性ではない。より小さい触媒粒子は大きい粒
子よりも活性が低い傾向にある。従って、触媒残留レベ
ルは、ガス相重合により製造されるポリマーの微細な画
分においてより高くなる。これはその後の生成物の取り
扱いおよび混合操作において厄介な変化を引き起す。さ
らに、この触媒から最大活性を達成するため、この触媒
を有機アルミニウム化合物と前もって接触させ、かつモ
ノマーの存在下においてこの触媒系を主重合容器に導入
する前に幾分重合を行っておく必要がある。
【0005】この問題は、改良された粒子形状の利点が
いくらか低下するという重大性を有する。我々は、塩化
マグネシウムアルコラートおよび制御された沈殿法が、
多孔度がほんのわずかである緻密ポリマービーズを製造
する緻密触媒粒子を製造することを見い出した。
【0006】我々は今や、特性のバランスが改良された
粒状固体を製造した。このように製造された構造体は、
触媒粒子サイズの範囲において、より改良された均一な
反応性を生ずる球形状の触媒凝集物のかなり連続な気泡
ネットワークより成り、触媒取り扱い段階および重合反
応器において強度が高まった。さらに、この粒状固体よ
り形成された触媒は、十分な重合活性を達成するため重
合活性を高めるような予備重合段階を必要としない。さ
らに、この触媒より製造されたポリマー粒子は、特に有
利な特性を有する。すなわち、このポリマー粒子はポリ
マー生成物のすぐれた流れ特性を損うことなく、添加剤
の混入を容易にする高い多孔度を有する。またこのポリ
マーは、このポリマーを含んでなる粒度の範囲におい
て、触媒残留物濃度の均一性がかなり改良されている。
【0007】これらのポリマー特性は、ポリマーと液体
添加剤とのマスターバッチの形成に関してこのポリマー
粒子を適当なものにする。特に、このポリマー生成物を
適当な液体添加剤のブレンドで直接処理してよく、それ
により通常プロピレンポリマーで用いられるエネルギー
の集中する混合ステップを使用する必要を避けることが
できる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明によれば、下式、 Mg(OR)x (2-x) (上式中、Rは基R′またはCOR′を表わし、R′は
炭化水素基を表わし、Xはハロゲン原子を表わし、そし
てxは0より大きくかつ2以下の値を表わす)で表わさ
れる化合物より形成され、本質的に球形でありかつ少な
くとも15m2/gの表面積を有する粒状固体と周期表
のIVA族、VA族またはVIA族の遷移金属との反応生成
物である遷移金属組成物が提出される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる粒状固体は、
下式、 Mg(OR)x (2-x) (上式中、Rは基R′またはCOR′を表わし、R′は
炭化水素基を表わし、Xはハロゲン原子を表わし、そし
てxは0〜2、好ましくは0.5〜2の値を表わす)で
表わされる化合物より形成され、この固体の粒子は、本
質的に球形でありかつ少なくとも15m2 /gの表面積
を有する。
【0010】便宜上、一般式Mg(OR)x (2-x)
表わされる化合物を簡単に「マグネシウム化合物」と呼
ぶ。このマグネシウム化合物は、xが少なくとも1であ
るものがより好ましく、特にxが2であるものが特に好
ましい。基Rは好ましくは基R′である。R′はアルキ
ル基であることが好ましく、特に少なくとも2個の炭素
原子を含むものがより好ましい。基R′は好ましくは1
8以下の炭素原子を有し、特に10以下の炭素原子を有
するものがより好ましい。基Rが基COR′である場
合、基R′はアルキル、シクロアルキルまたはアリール
基、例えばシクロヘキシルまたはフェニル基である。好
ましい粒状固体の表面積は少なくとも25m2 /gであ
り、特に少なくとも50m2 /gの表面積を有する固体
が好ましい。
【0011】本発明の好ましい実施態様において、下式 Mg(OR2)2 (上式中、R2 は少なくとも2個の炭素原子を含むアル
キル基を表わす)で表わされる化合物より形成された粒
状固体が用いられ、この固体の粒子は、本質的に球形で
ありかつ少なくとも50m2 /gの表面積を有する。こ
のマグネシウム化合物は、マグネシウムジエトキシド、
Mg(OC2 5)2であることが特に好ましい。
【0012】本発明に用いられる粒状固体は、典型的に
は次粒子(sub particle) の凝集体である。そのような
物質において、この次粒子は通常5μm以下、好ましく
は2μm以下の平均粒度を有する。この粒状固体は、典
型的には多孔性であるが、この固体の多孔度の測定は困
難である。粒子多孔度の測定の3種の国際的に認められ
た標準法、すなわち窒素収着/脱着等温式の測定による
方法、ヘリウム/水銀相対密度測定による方法、あるい
は水銀押込/押出測定による方法は本発明に用いる粒状
固体に適用した場合に不十分であることがわかった。し
かし多孔度の測定は、この固体粒子が互いに粘着しはじ
める前にこの固体が吸収する液体の量を測定することに
より行われる。吸収される液体がエタノールである場
合、この固体は典型的には、この固体1gあたり少なく
とも0.63cm3 のエタノールを吸収することができ
る。好ましい固体は、固体1gあたり少なくとも0.9
cm3 、特に好ましくは少なくとも1.0cm3 のエタノー
ルを吸収することができる。
【0013】我々は、この粒状固体から形成された物質
中に多孔性が保たれていることを発見した。従って、粒
状固体多孔度の測定は、例えば、その成分の1つがこの
粒状固体から形成された触媒を用いて得られたプロピレ
ンポリマーにおける水銀押込/押出測定より行われる。
そのような測定は、形成されたポリマーが、かなり連続
な多孔質構造を有することを示している。
【0014】この粒状固体をベースとする触媒を用いて
形成されたポリマーの多孔度は、プロピレンポリマー粉
末の典型的なサンプルより切断された部分の走査電子顕
微鏡写真より明白に観察される。比較により、塩化マグ
ネシウムあるいは塩化マグネシウムアルコラートより製
造された触媒を用いて形成されたポリマーは、ほとんど
多孔性を有しないより緻密なポリマー構造を有すること
が示された。
【0015】この粒状固体は、典型的にはせまい粒度分
布を有する。好ましくは10重量%以下の粒子が10μ
m以下の粒度を有する。最も好ましい粒状固体は、10
重量%以下の粒子が100μm以上の粒度を有するもの
である。この粒状固体が40〜80μmの範囲の平均粒
度を有することが特に好ましい。この平均粒度、分析さ
れるサンプル中の粒子の50重量%が、この値より低い
粒度を有するような、粒度として規定される。
【0016】この粒状固体は、好ましくはマグネシウム
化合物に加えて、粒状固体を形成する次粒子の凝集を促
進するおよび/またはこの粒状固体の耐摩耗性を改良す
る物質を少量含む。便宜上、この物質を「摩耗防止剤」
と呼ぶ。この摩耗防止剤は、この粒状固体のその後の使
用において悪化するような作用、例えば活性および/ま
たは粒状固体上に担持された重合触媒成分より得られる
重合触媒の立体特異性に対する悪影響を有しないもので
あるべきである。この粒状固体を液体媒体に懸濁した場
合、この摩耗防止剤は、好ましくは、この粒状固体が懸
濁された液体媒体の存在下において、より小さな粒子へ
のこの粒状固体の分散を最小にするようなものであるべ
きである。従って、この摩耗防止剤はある種の液体に可
溶であるけれども、それは、その後の処理用に粒状固体
が懸濁されるようなあらゆる液体媒体において、好まし
くは不溶性あるいは低溶解性である。
【0017】この摩耗防止剤は、例えばポリスチレン、
ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアセテート、ア
タクチックポリプロピレンまたは例えばt−ブチルスチ
レン/スチレンのABブロックコポリマーである。有効
な結果は、摩耗防止剤としてポリスチレンおよびポリメ
チルメタクレートを用いて得られる。摩耗防止剤がポリ
スチレンまたはポリメチルメタクリレートである場合、
そのような物質は通常芳香族液体、例えばトルエンに可
溶である。従って、この粒状固体が摩耗防止剤としてポ
リスチレンまたはポリメチルメタクリレートを含む場
合、この粒子は、好ましくは芳香族液体と接触しない
で、むしろ脂肪族液体に懸濁される。摩耗防止剤の量
は、好ましくは、この粒子の総重量に対し0.5〜10
重量%であり、粒状固体の0.5〜4重量%が都合がよ
い。
【0018】本発明に用いられる好ましい粒状固体は、
機械的破壊に対し、良好な耐性を示す。この耐性は、こ
の粒状固体より誘導された物質中に保持される。従っ
て、この後でより詳細に述べるように、少なくとも1つ
の成分が本発明に用いられる粒状固体を含むような重合
触媒を用いて得られるプロピレンポリマーは、高速機械
攪拌された後、このポリマーまたは粉末の粒度変化が小
さいことから示されるように機械的破壊に対して良好な
耐性を有する。
【0019】本発明に用いられる粒状固体は、噴霧乾燥
より得られる。すなわち、不活性液体媒体中に、下式 Mg(OR)x (2-x) (上式中、R,Xおよびxは前記規定のものを表わす)
で表わされる化合物である固体を懸濁し、この懸濁液を
噴霧乾燥し、この噴霧乾燥した固体を集めることにより
この粒状固体が製造される。
【0020】この不活性媒体は、液体炭化水素または液
体ハロ炭化水素が好ましい。この不活性液体媒体は好ま
しくは摩耗防止剤を含み、特にこの不活性液体媒体は摩
耗防止剤用の溶媒であり、本質的にマグネシウム化合物
用の非溶媒である液体中の摩耗防止剤の溶液である。適
当な液体は芳香族炭化水素、例えばベンゼンおよびトル
エンである。
【0021】噴霧乾燥段階の前に、この固体物質の粒度
を低下させるような機械的作用をこの懸濁液に加えても
よい。そのような工程をこの後「微粉砕」と呼ぶ。
【0022】固体と液体媒体の混合物を微粉砕および噴
霧乾燥する方法は、欧州特許明細書第72128号に開
示されている。好ましくは微粉砕後、塩化マグネシウム
と液体媒体の混合物を噴霧乾燥する方法は、欧州特許明
細書第72129号に開示されている。欧州特許明細書
第72129号により、ルイス塩基化合物を含む噴霧乾
燥した塩化マグネシウムは、遷移金属化合物、特に四塩
化チタン、および所望によりルイス塩基化合物により後
処理され、オレフィン重合触媒の成分として用いられる
遷移金属組成物を形成する。しかし、我々はこうして得
られた噴霧乾燥した塩化マグネシウムおよびそれより得
られる誘導体が多くの点で本発明に用いる粒状固体と異
なることを発見した。従って、欧州特許明細書第721
29号に記載の噴霧乾燥した塩化マグネシウムは、典型
的には10m2 /g以下の表面積を有し、比較的多量の
微粉末を含み、多孔度および機械的攪拌に対する耐性が
低い。
【0023】マグネシウム化合物が懸濁される液体媒体
は、好ましくは噴霧乾燥により得られる粒状固体の有効
な特性または例えば遷移金属オレフィン重合触媒成分の
ような粒状固体より形成される物質に対し、悪影響を有
しないようなものである。
【0024】担持された遷移金属組成物が重合触媒の成
分として用いられる場合、噴霧乾燥した粒状固体に残っ
ている液体の残留量がこの粒状固体から形成される担持
された遷移金属組成物に対し悪影響を有しないよう与え
られる液体媒体として多種類の液体が用いられる。通
常、この液体媒体は不活性液体であることが好ましい。
従って、この液体媒体は好ましくは脂肪族炭化水素、例
えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、デセン、ドデセン
あるいはそれらの混合物または芳香族炭化水素、例えば
ベンゼン、トルエンあるいはキシレンまたはハロ炭化水
素、例えばクロロベンゼンあるいは1,2−ジクロロエ
タンである。
【0025】式、Mg(OR)x (2-x) で表わされる
固体と液体媒体の相対比は、この液体媒体中の固体物質
の可動な懸濁液が得られるようであるべきである。従っ
て、典型的には、固体の1gに対し少なくとも0.5cm
3 の割合で液体媒体を用いることが好ましく、特に、固
体1gに対し少なくとも1cm3 の液体を用いることが好
ましい。通常、液体媒体の量は、固体1gに対し20cm
3 を越える必要はなく、十分な結果は、固体1gに対し
2〜10cm3 の液体媒体を用いて達成される。
【0026】噴霧乾燥される混合物は、好ましくは不活
性液体媒体中に溶液として存在する摩耗防止剤を含む。
存在する場合、この摩耗防止剤の量は噴霧乾燥法により
得られる粒状固体の総重量に対し0.5〜10重量%、
特に0.5〜4重量%が好ましい。
【0027】液体媒体中のこの固体の懸濁液は、従来の
噴霧乾燥法を用いて噴霧乾燥される。従って、この懸濁
液を、この懸濁液の液滴の噴霧または分散液を生ずる適
当な噴霧器に入れ、熱ガスの流れをこの液滴に接触させ
液体媒体を蒸留させるようにし、分離した粒状固体を集
める。この懸濁液の液滴を形成するに適した噴霧器は、
ノズル噴霧器および回転ディスク噴霧器を含む。この液
滴と接するガスは適当なガスでよく、好ましくは噴霧乾
燥条件下でこの固体と反応しないガスである。通常、噴
霧乾燥した生成物中に望ましくない物質の存在を避ける
ため、酸素および水を含まないガス状媒体を用いること
が好ましい。しかし、この固体の噴霧乾燥は、この噴霧
乾燥に用いられる条件下で酸素とこの固体の間に反応が
おこらないよう乾燥空気あるいは乾燥酸素中で行われ
る。噴霧乾燥を行うに適したガス状媒体は高純度の窒素
であるが、他のガス状媒体を用いてもよく、特に例えば
担持された遷移金属組成物のような、粒状固体あるいは
それより形成される物質に悪影響を与えないようなもの
を用いてもよい。用いてもよいこの他のガス状物質は、
水素または不活性ガス、例えばアルゴンあるいはヘリウ
ムを含む。
【0028】酸素あるいは特に水蒸気含有物質の噴霧乾
燥装置への進入を防ぐことが望ましく、わずかに高圧、
例えば、約1.2kg/cm3 で操作することが好ましい。
噴霧乾燥装置内に存在する圧力条件下で、温度は液体媒
体の沸点以下であるが、この温度は液体媒体の十分な蒸
発を引き起し、噴霧乾燥装置の壁に達する前に少なくと
もこの液滴の外部表面を乾燥させるようであるべきであ
る。
【0029】噴霧乾燥の温度は、噴霧乾燥の生成物であ
る粒状固体の性質に不適当な作用を有しないよう与えら
れる望ましい温度である。通常、噴霧乾燥装置に導入さ
れる熱ガスの温度が約200℃を越えないことが好まし
い。また、液滴、または得られる噴霧乾燥した物質の温
度が約200℃、好ましくは約150℃を越えないこと
が好ましい。液滴において液体媒体の十分な蒸発を達成
するため、ガスの温度は少なくとも80℃であることが
好ましい。通常、この噴霧乾燥は噴霧を生ずるような周
囲温度で懸濁液を用い、この噴霧乾燥装置に導入される
熱ガスにより噴霧から液体を蒸発させることにより行わ
れる。
【0030】この熱ガスを、この混合物の液滴に対して
向流で流してもよく、またはこの混合物の液滴に対して
正流で流してもよい。正流を用いると、この噴霧器は典
型的にはこの噴霧乾燥装置の頂上にとり付けられ、熱ガ
スはこの装置の頂上に入れられ、この装置の底付近で除
去される。熱ガスをこの装置の側部から入れてもよく、
頂上において噴霧乾燥装置内に渦巻き流をおこし、それ
によりこの噴霧乾燥装置の有効な長さを増す。向流で
は、この噴霧器は典型的には噴霧乾燥装置の底に配置さ
れ、この装置の頂上に導入された熱ガスの流れに対し噴
霧を上へ向うようにする。
【0031】噴霧乾燥された固体のいくらかは、この装
置の底で集められ、そこから好ましくは連続的に、適当
な方法、例えばスターフィーダーバルブ、スクリューコ
ンベアー、または熱ガス流中により除去される。
【0032】噴霧乾燥装置を通ることにより冷却された
熱ガスをこの噴霧乾燥装置より別々に除去する。この熱
ガスをサイクロンに通して固体を除去し、このサイクロ
ン内で除去された固体を噴霧乾燥装置より別々に除去さ
れたものに加える。熱ガス中に存在する液体媒体の蒸気
を適当な容器に凝縮させることが望ましく、この凝縮さ
せた液体媒体を固体物質との混合およびその後の粉砕用
に再利用してもよい。次いでこのガスを再加熱し、噴霧
乾燥装置に再循環する。
【0033】噴霧乾燥の条件は、望む粒度を与えるよう
調節され、本質的にすべて、少なくとも90%の最終噴
霧乾燥物質の粒子が、5〜150μm、特に10〜10
0μmの範囲にあり、例えば、平均粒度約50μmを有
することが好ましい。
【0034】マグネシウム化合物は、予備処理せず噴霧
乾燥する。しかし、マグネシウム化合物の粒度および粒
度分布は、マグネシウム化合物が容易に噴霧乾燥しない
かまたは十分な粒状形を有する噴霧乾燥生成物を与えな
いようにする。マグネシウム化合物の粒状形および/ま
たはサイズは、液体媒体の非存在下でこのマグネシウム
化合物を粉砕、または微粉砕することにより改良され
る。しかし、そのような粉砕工程は粒度を低下させる
が、この微粉砕生成物は噴霧乾燥工程で用いた場合、完
全に十分ではない。従って、我々は不活性液体媒体中で
のマグネシウム化合物の懸濁液の微粉砕を行うことを好
む。
【0035】さらに、マグネシウム化合物であるまたは
マグネシウム化合物を含む固体物質を液体媒体と混合
し、この混合物を機械作用に付し、この固体物質の粒度
を低下させ、得られる物質を噴霧乾燥する。
【0036】マグネシウム化合物と液体媒体の混合物の
微粉砕は、機械的作用が固体物質の粒度を低下させるよ
うな、どんな方法を用いて行ってもよい。粒度の低下
は、ここでは機械的作用に付した後のマグネシウム化合
物の平均粒度が機械的作用に付す前のマグネシウム化合
物の平均粒度より小さいことを意味する。微粉砕段階後
のマグネシウム化合物の平均粒度は、マグネシウム化合
物の性質、最初のマグネシウム化合物の粒度並びに微粉
砕段階の時間および強さにより異なる。通常、微粉砕し
たマグネシウム化合物の平均粒度は、5μm以下であ
り、特に2μmを越えない。
【0037】本発明において用いられる微粉砕法は、マ
グネシウム化合物と液体媒体を粉砕することである。こ
の粉砕は、適当なタイプの粉砕装置、例えば回転あるい
は振動ボールミルで行われる。この後でより詳細に述べ
るように、このマグネシウム化合物を液体媒体の非存在
下で予備粉砕してよい。そのような所望の予備粉砕を行
う場合、マグネシウム化合物と液体媒体の混合物を粉砕
することによる微粉砕は、所定量の液体媒体を粉砕装置
に加え、所定の時間粉砕を続けることにより同じ装置内
で行われる。微粉砕が混合物を粉砕することにより行わ
れる場合、粉砕の時間は粉砕の強さにより異なり、この
混合物を3〜100時間、特に6〜50時間振動粉砕す
ることによりこの混合物は十分に噴霧乾燥されることを
発見した。
【0038】用いてよい他の微粉砕法は、液体媒体中の
マグネシウム化合物の懸濁液を激しく攪拌し、同時に剪
断することである。この処理は、高速回転できかつ剪断
作用する装置を含む攪拌装置を用いて行うことが都合が
よい。この装置は、少なくとも1000rpm 、都合のよ
いことには少なくとも5000rpm 、例えば10,00
0rpm の速度で回転可能であることが望ましい。剪断作
用は、攪拌シャフト上に固定したディスク上に一定の間
隔を保った同心円の突起を取り付け、およびこの攪拌シ
ャフト上の一定の間隔を保った突起の間の隙間に合う同
じ固定突起を取り付けることにより達成される。この突
起は、その中に形成された溝を有し、それにより液体媒
体は攪拌機のシャフトの回転と共にこのシステムから除
去される。回転可能な突起と固定突起の間の隙間は小さ
く、典型的には1mm以下である。固定突起に対する回転
攪拌シャフト上の突起の高速運動およびこれらの突起の
間のせまい隙間により高い剪断効果が得られ、この固体
物質の粒子を破壊する。活発な攪拌と剪断作用の組み合
せは、不混和性である液体に油を乳化するに適当な装置
を用いて達成される。この目的に適当な装置は、Janke
and Kunkel KG IKAWerke より入手可能なUltra Turrax
タイプの攪拌機またはSilverson Machines Limited of
Chesham, Buckinghamshire, 英国より入手可能な高剪断
ミキサーである。
【0039】液体媒体中のマグネシウム化合物の懸濁液
を激しく攪拌し同時に剪断を行うが、その時間は用いる
装置により異なる。その時間は、典型的には1分〜10
時間であり、30分〜5時間が都合がよい。この激しい
攪拌および剪断の間にこの攪拌および剪断の結果として
熱が発生し、この液体媒体の温度が著しく上昇するた
め、この混合物を冷却することが望ましい。この攪拌お
よび剪断を、その懸濁液が初め周囲温度である液体媒体
中のマグネシウム化合物の懸濁液を用いて行うことが都
合がよい。
【0040】前記の微粉砕法のすべてはマグネシウム化
合物の粒度を低下させるが、我々は所定の粒度の低下を
達成する最も適当な微粉砕法は粉砕によることを発見し
た。従って、本発明の態様の好ましい実施態様として、
液体媒体中のマグネシウム化合物の懸濁液を粉砕し、こ
の粉砕混合物を噴霧乾燥する。この懸濁液を振動ミル内
で粉砕する場合、6〜50時間粉砕すると約1μmの粒
度を有する固体となる。この粉砕した懸濁液を取り扱う
ため、この懸濁液の固体含量は約40重量%以下、例え
ば約25重量%であることが好ましい。
【0041】噴霧乾燥段階の間に摩耗防止剤が存在すべ
き場合、これを微粉砕懸濁液に加えてもよいが、通常微
粉砕工程の前に最初の懸濁液に摩耗防止剤を加え、この
摩耗防止剤の存在下で微粉砕を行うことが都合がよい。
【0042】前記に示したように、オレフィン重合触媒
を形成するためにこの粒状固体を用いる。多くのそのよ
うな成分は、担持された触媒成分を形成する前に担持さ
れる物質に混入される少なくとも1種のルイス塩基化合
物を含む。従って、本発明に用いる粒状固体は、所望の
摩耗防止剤に加えて少なくとも1種のルイス塩基化合物
を含んでもよい。
【0043】こうして、本発明において、下式 Mg(OR)x (2-x) (上式中、R,Xおよびxは、前記規定のものを表わ
す)で表わされる化合物より形成される粒状固体が提供
され、この固体の粒子は本質的に球形でありおよび少な
くとも15m2 /gの表面積を有し、またこの粒状固体
はルイス塩基化合物を含む。
【0044】ルイス塩基化合物を含む粒状固体は、マグ
ネシウム化合物を本発明に用いる粒状固体に形成する前
または形成した後にこのマグネシウム化合物をルイス塩
基化合物と接触させることにより得られる。
【0045】所定の接触を行う方法は、マグネシウム化
合物をルイス塩基化合物と共に粉砕することである。マ
グネシウム化合物をルイス塩基化合物と共に粉砕する場
合、そのような粉砕段階は粒状固体を形成する前に行わ
れるべきであると認識されるであろう。これとは別に、
粉砕段階を行わないでマグネシウム化合物をルイス塩基
化合物と接触させてもよい。粒状固体をルイス塩基化合
物と接触させる場合そのような方法が特に有効であると
認められるであろう。
【0046】さらに液体媒体との混合、所望の微粉砕お
よび噴霧乾燥を行う前に、マグネシウム化合物を所望の
予備段階、特に予備粉砕段階を行い、そこでマグネシウ
ム化合物は、実質的に不活性液体媒体は存在しないが、
少なくとも1種のルイス塩基化合物の存在下で粉砕され
る。「実質的に不活性液体媒体が存在しない」とは、ル
イス塩基化合物以外の存在するあらゆる液体が分離液相
を形成しないことを意味する。液体はある程度マグネシ
ウム化合物により吸収され、従って加えた液体媒体のす
べてを除去する必要はない。典型的には、液体媒体の量
は、固体物質1gあたり0.2cm3 以下、特に0.1cm
3 以下である。
【0047】改良物質として用いられるルイス塩基化合
物は、どんなルイス塩基化合物でもよく、特に従来オレ
フィン重合触媒システムに用いるよう提案された有機ル
イス塩基化合物がよい。従って、このルイス塩基化合物
は、エーテル、エステル、ケトン、アルコール、オルト
エステル、スルフィド(チオエーテル)、チオカルボン
酸のエステル(チオエステル)、チオケトン、チオー
ル、スルホン、スルホンアミド、複素環式硫黄原子を含
む縮合環化合物、例えばシランあるいはシロキサンのよ
うな有機シリコン化合物、アミド、尿素および例えばテ
トラメチル尿素、チオウレアのようなその誘導体、アル
カノールアミン、アミン(環式アミンを含む)、ジアミ
ン、またはポリアミン、例えばピリジン、キノリン、あ
るいはテトラメチルエチレンジアミン、または例えば有
機ホスフィン、有機ホスフィンオキシド、有機ホスフィ
ットあるいは有機ホスフェートのような有機燐化合物で
よい。有機ルイス塩基化合物の使用は、特に英国特許明
細書以下の各号に開示されている。803198,80
9717,880998,896509,92011
8,921954,933236,940125,96
6025,969074,971248,101336
3,1017977,1049723,112201
0,1150850,1208815,123465
7,1324173,1359328,138320
7,1387890,1423658,142365
9,1423660,1495031,152773
6,1554574及び 1559194.
【0048】重合触媒の製造に特に有効であるとして開
示されたルイス塩基は、エーテル、カルボン酸並びにエ
ステル、有機シリコン化合物および有機燐化合物を含
む。我々は特に、ルイス塩基化合物が酸、エステルまた
はオルガノシリコン化合物であることを含む。
【0049】酸またはエステルは、最も好ましくは芳香
族酸またはエステルであり、特に下式 R3 y Ar(COOR4)Z (上式中、Arは芳香族炭化水素基を表わし、R3 は炭
化水素基、ハロ炭化水素基、ハロゲン原子または基OR
5 を表わし、R4 は水素原子、炭化水素基またはハロ炭
化水素基を表わし、R5 は炭化水素基またはハロ炭化水
素基を表わし、yは0または整数を表わし、そしてzは
整数を表わす)で表わされる化合物である。
【0050】基R4 は典型的には、例えばベンゼンある
いはナフタレンのような芳香族炭化水素より誘導された
一価あるいは二価基である。基Arが二価基である場
合、それは、占有されていない原子価が互いにオルトあ
るいはパラ位にあるような二価ベンゼン基である。
【0051】存在する場合、基R3 は、典型的には炭化
水素基または基OR5 、特に最大10個の炭素原子を含
むアルキルあるいはアルコキシ基、例えばメチル、エチ
ル、ブチルあるいはメトキシ基のような1〜6個の炭素
原子を含むアルキルあるいはアルコキシ基である。
【0052】基R4 の少なくとも1個が炭化水素基であ
ることが好ましい。zが1より大きい場合、基R4 は同
一あるいは相異っていてもよく、例えば1個の基R4
水素原子でありかつ少なくとも1個の基R4 が炭化水素
基、特にアルキル基であってもよい。基R4 は好ましく
は10個までの炭素原子を含むアルキル基てあり、特に
このアルキル基が少なくとも4個の炭素原子を含むこと
が好ましく、例えばエチル、n−プロピルおよび特にn
−ブチル、イソブチルあるいは2−エチルヘキシル基で
ある。
【0053】zの値は少なくとも1であるが、好ましく
は2を越えない。yの値は0でもよく、通常(y+z)
の値は2を越えないことが好ましい。特に好ましいもの
は、zの値が2であり、基(COOR4)が互いにオルト
位にあるものである。下式 R3 y Ar(COOR4)z で表わされる化合物は、メチル、エチルおよびブチルベ
ンゾエート、4−メトキシ安息香酸、エチル4−メトキ
シベンゾエート、メチル4−メチルベンゾエートおよび
特にフタル酸のモノおよびジエステル、例えばジエチル
フタレート、ジ−n−プロピルフタレートおよび特にジ
−n−ブチルフタレート、ジイソブチルフタレートおよ
びジ−2−エチルヘキシルフタレートを含む。
【0054】存在してもよい有機珪素化合物は、1種以
上のSi −OR6 、Si −OCOR 6 またはSi −NR
6 結合(R6 は1種以上のハロゲン原子および/または
オキシ炭化水素基で置換してよい炭化水素基を表わす)
を含む化合物を含む。
【0055】好ましい珪素化合物は、下式 Riii ORiii AB 〔上式中、RiiまたはRiii は独立に1〜10個の炭素
原子を含むアルキル、シクロアルキルまたはアリール基
を表わし、好ましくは少なくとも1個のRiiおよびR
iii は、3〜25個の炭素原子を含む第二、第三または
分枝鎖アルキル基であり、AおよびBは独立に、式OR
ivまたはRv (式中、RivまたはRv は1〜10個の炭
素原子を含むアルキル、シクロアルキルあるいはアリー
ル基を表わす)で表わされる基を表わす〕で表わされる
化合物である。
【0056】ルイス塩基成分として存在してよい有機珪
素化合物は、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニル
ジイソブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランお
よびイソブチルトリエトキシシランを含む。
【0057】粒状固体中に存在するルイス塩基化合物の
量は、従来用いられた量でよいが、典型的にはマグネシ
ウムの1モルに対しルイス塩基化合物は1モルを越えな
い。
【0058】ルイス塩基化合物が所望の予備粉砕段階で
用いられる場合、これは粉砕の強さにより異なるが、回
転または振動ボールミルを用い、典型的には0.5〜1
00時間の時間行われる。粉砕温度は広範囲の温度、例
えば−50℃〜100℃であり、この温度は粉砕の間変
化してもよい。多くの物質に対し、0℃〜50℃の温度
が好ましい。
【0059】少なくとも1種のルイス塩基化合物の存在
下、所望の予備粉砕を行った後、不活性液体媒体をこの
粉砕したマグネシウム化合物に加え、得られる懸濁液を
予備微粉砕を行いまたは行わず噴霧乾燥する。
【0060】オレフィン重合触媒成分を得るため、この
粒状固体を用いてもよい。技術上周知のように、オレフ
ィン重合触媒は、遷移金属の化合物、特にハロゲン化チ
タンを基材とする。
【0061】従って、本発明の態様として、周期表IV
A、VAまたはVIA族の遷移金属の化合物の少なくとも
1種と前記粒状固体との反応生成物である遷移金属組成
物が提供される。
【0062】この周期表は、J. R. Partingtonの「Gene
ral and Inorganic Chemistry 」第二版、MacMillan an
d Company Limited 出版、London 1954年の裏表紙
に示されている短周期表である。
【0063】この後便宜上、「遷移金属」という語は、
周期表IVA、VAまたはVIA族の遷移金属を意味するも
のとして用いる。この遷移金属は、例えば、バナジウム
またはジルコニウムでもよく、好ましくはチタンであ
る。好ましい遷移金属化合物は、ハロゲン化物またはオ
キシハロゲン化物であり、例えば四塩化バナジウム、オ
キシ三塩化バナジウム、四塩化ジルコニウムでありおよ
び特に好ましいものはハロゲン化チタン、例えば四塩化
チタンおよび三塩化チタンである。1種以上の遷移金属
化合物、例えばハロゲン化バナジウムとハロゲン化チタ
ンの混合物、例えば四塩化バナジウムと四塩化チタンの
混合物を用いてもよいが、特に最終生成物をプロピレン
または他の高級アルファオレフィンモノマーの重合に用
いる場合、1種のみの遷移金属化合物を用いることが好
ましく、それは好ましくはハロゲン化チタンである。
【0064】微粉砕段階を用いないで遷移金属化合物を
粒状固体と反応させることにより反応生成物を得ること
が好ましい。この反応は好ましくは粒状固体を遷移金属
化合物を含む液体媒体で処理することにより行われる。
【0065】この遷移金属化合物による処理は、遷移金
属化合物であるあるいは遷移金属化合物を含む液体媒体
に、粒状固体を懸濁することにより行われることが都合
がよい。多くの遷移金属化合物は液体であり、例えば四
塩化チタンであり、そのような液体遷移金属化合物を用
い、粒状固体を未稀釈の液体遷移金属化合物に懸濁す
る。粒状固体を液体遷移金属化合物中に懸濁する場合、
この粒状固体に対し実質的過剰の遷移金属化合物が存在
する。他に、この粒状固体を適当な溶媒中の遷移金属化
合物の溶液を含む液体媒体に懸濁してもよい。粒状固体
を遷移金属化合物の溶液に懸濁する場合、粒状固体に対
する遷移金属化合物の割合は、粒状固体の1gに対し遷
移金属化合物0.1ミリモルから実質的過剰量、つま
り、モルあたり1モル以上の遷移金属化合物である。用
いられる方法は、遷移金属組成物が用いられる方法によ
り異なるが、通常我々は、遷移金属化合物の溶液中に粒
状固体を懸濁することによりこの段階を行うことが好ま
しい。
【0066】遷移金属化合物によるこの粒状固体の処理
は、好ましくは高温、特に少なくとも60℃の温度で行
われる。この処理を粒状固体が懸濁された液体媒体の沸
点までのどの温度で行ってもよく、従って200℃まで
の温度を用いてもよい。粒状固体を液体遷移金属化合物
中に懸濁する場合、この方法は液体遷移金属化合物の還
流温度までの温度で行ってよく、四塩化チタンを用いる
場合、この温度は約137℃である。しかし通常、約8
0℃〜120℃の温度が適当であり、不活性媒体中の遷
移金属化合物を用いることが好ましい。
【0067】粒状固体と接触される遷移金属化合物のあ
るものは、高温で安定性が低下する化合物である。その
ような化合物を用いる場合、粒状固体とのこの化合物の
接触は、遷移金属化合物の実質的悪化または分解がおこ
らないような低温で行うべきであることは明らかであ
る。
【0068】また、所望により、粒状固体を乾燥固体と
して遷移金属化合物の蒸気を含むガス流と接触させおよ
びそのような処理が前記の遷移金属化合物を含む液体媒
体による処理用に示された範囲の温度で行ってよいこと
も明らかである。
【0069】遷移金属化合物による粒状固体の処理は、
遷移金属化合物と粒状固体の間の所定の程度の反応を可
能とするに十分である時間行われる。通常、5分〜20
時間、典型的には1〜5時間遷移金属化合物を粒状固体
と接触したままにすることが十分である。
【0070】粒状固体を遷移金属化合物により1回以上
処理してもよく、そのような処理は同一もくしは相異な
る遷移金属化合物を用いて行ってもよい。粒状固体が同
じ遷移金属化合物により2段階で処理される方法が通常
好ましい。
【0071】この反応生成物の特に好ましい製造法は、
不活性液体媒体中の遷移金属化合物の溶液である液体媒
体に粒状固体を懸濁し、液体媒体より固体を分離し、次
いで不活性液体媒体中の遷移金属化合物の溶液あるいは
未稀釈液体遷移金属化合物のいずれかである液体媒体に
この粒状固体を懸濁することである。
【0072】遷移金属化合物による処理後、用いられた
遷移金属化合物と粒状固体の相対比により、遷移金属化
合物を液体媒体より分離してもよく、所望により少なく
とも未反応の遷移金属化合物を遷移金属組成物より除去
するため数回洗浄してもよい。この遷移金属組成物を最
後に適当な液体媒体に懸濁するか、または乾燥固体とし
て得る。
【0073】前記工程に加え、この遷移金属組成物の製
造は追加工程を含んでよい。特に、粒状固体を少なくと
も1種のルイス塩基化合物で処理してよい。このルイス
塩基化合物は、詳細に述べた前記の適当なルイス塩基化
合物のどれでもよい。ルイス塩基化合物による処理は、
遷移金属化合物による粒状固体の処理前、中あるいは後
に行ってよい。ルイス塩基化合物による粒状固体の処理
は、好ましくは微粉砕工程を用いずに行われる。ルイス
塩基化合物による処理は、とても好ましくは、遷移金属
化合物による処理前、あるいは特に処理中に行われる。
遷移金属化合物による処理が2工程またはそれ以上で行
われる場合、ルイス塩基化合物をこれらの処理工程のい
ずれかまたはすべてで用いてもよいが、好ましくは遷移
金属化合物による処理の最初の工程の間のみで用いる。
遷移金属化合物による2種の処理工程が行われる場合、
両方の工程におけるルイス塩基化合物の使用は、重合活
性の低い遷移金属組成物となるが、プロピレンの重合用
の成分として用いた場合、立体特異性が増加する。
【0074】本発明の態様に係る特に好ましい遷移金属
組成物は、ルイス塩基化合物を含むものである。遷移金
属化合物、および所望によりルイス塩基化合物による反
応は表面積および/または粒状固体の多孔度に変化をお
こすことは明らかであるが、遷移金属組成物は、遷移金
属組成物を形成するため用いられた粒子形の粒状固体を
保持することが好ましい。遷移金属化合物による処理
は、より小さな粒子への粒状固体の分解となり、これは
未稀釈液体遷移金属化合物、例えば四塩化チタンを用い
た場合、最もよくおこる。従って、不活性液体媒体、特
に、存在する場合摩耗防止剤が本質的に不溶である液体
媒体中の遷移金属化合物の溶液を用いることが好まし
い。適当な不活性液体は、脂肪族炭化水素、特に少なく
とも6個の炭素原子を含むものである。好ましくは、2
5〜85重量%の四塩化チタンを含む、脂肪族炭化水素
中の四塩化チタンの溶液を用いる。
【0075】不活性液体媒体中の遷移金属化合物の溶液
を加えた固体成分の量を、触媒製造工程の間の粒子−粒
子接触により生ずる摩擦を最小にするため制限すべきで
ある。好ましくは、脂肪族炭化水素中の四塩化チタンの
溶液に加えた噴霧乾燥した固体の量は7.5重量%を越
えるべきではない。
【0076】本発明の態様である遷移金属組成物を、重
合触媒系を得るため非遷移金属の有機化合物と共に用い
てもよい。従って、(1)前記の遷移金属組成物、およ
び(2)周期表のI〜IV族の非遷移金属の有機化合物、
を混合することにより得られる生成物である重合触媒系
が提供される。
【0077】この触媒系の成分(2)は、周期表のI
A,IIA、IIB、III BまたはIVB族の金属の有機金属
誘導体である。この有機金属化合物は、典型的にはアル
ミニウムのあるいは周期表のIIA族の金属の有機化合物
または周期表のIAあるいはIIA族の金属の有機化合物
と有機アルミニウム化合物の錯体である。従って、この
触媒システムの成分(2)は、有機マグネシウム化合
物、例えばヒドロカルビルマグネシウム化合物、ヒドロ
カルビルマグネシウムハリド化合物またはアルコキシマ
グネシウム化合物、好ましくはアルコキシ基に加えてア
ルキル基を含むものである。他に、アルミニウム化合物
とのマグネシウム化合物の錯体、例えばアルミニウムア
ルキルとのマグネシウムアルキルの錯体を用いてもよ
い。
【0078】成分(2)は、有機アルミニウム化合物、
例えばリチウムアルミニウムテトラアルキルタイプの化
合物とのIA族の金属の錯体でもよい。好ましくは、成
分(2)は、例えばアルミニウムヒドロカルビルスルフ
ェート、たまはアルミニウムヒドロカルビルヒドロカル
ビロキシである有機アルミニウム化合物であり、より好
ましくは、アルミニウムヒドロカルビルハリド、例えば
ジヒドロカルビルアルミニウムハリドまたは特に好まし
くはアルミニウムトリヒドロカルビル化合物あるいはジ
ヒドロカルビルアルミニウムヒドリドである。特に好ま
しいアルミニウム化合物は、アルミニウムトリアルキル
であり、特にアルキル基が2〜10個の炭素原子を含む
もの、例えばアルミニウムトリエチル、アルミニウムト
リイソブチルおよびアルミニウムトリオクチルである。
【0079】特に、重合されるモノマーがエチレンであ
るかまたはかなりの割合のエチレンを含む、例えば少な
くとも70重量%のエチレンを含むポリマーを与えるに
十分であるような場合、この触媒系は2種の成分のみか
らなっていてもよい。しかし、この触媒系の成分(2)
がアルミニウムトリカルビル化合物である場合、および
この触媒系が高級オレフィンモノマー、例えばプロピレ
ンを重合するため用いられる場合、この触媒系も、粒状
固体の成分または遷移金属組成物の製造においてと同じ
くらい安定なここで開示したルイス塩基化合物を含む。
【0080】この触媒系の追加成分として用いる特に好
ましいルイス塩基化合物は、エステルおよび有機シリコ
ン化合物であり、例えばエチルベンゾエート、ブチルベ
ンゾエート、メチルp−メチルベンゾエート、エチルp
−メトキシベンゾエート、およびエチルフェニルアセテ
ート、およびジアルキルフタレート並びにフェニルアル
コキシシランのような芳香族基を含むカルボン酸のエス
テルである。
【0081】触媒系の追加成分として存在するルイス塩
基化合物に加えて、またはかわりに、この触媒系中に置
換あるいは未置換ポリエンが存在してもよく、これは例
えば3−メチルヘプタトリエン(1,4,6)のような
アシルトルエン、またはシクロオクタトリエン、シクロ
オクタテトラエン、あるいはシクロヘプタトリエンのよ
うな環式ポリエン、またはそのような環式ポリエンのア
ルキルあるいはアルコキシ置換誘導体、またはトロピリ
ウム塩あるいは錯体、またはトロポロンあるいはトロポ
ンである。
【0082】この触媒系の成分(1)および(2)の割
合は、当業者に周知のように広範囲に及ぶ。特に好まし
い比は用いた物質の種類および成分の絶対濃度に依存す
るが、通常、我々はこの触媒系の成分(1)に存在する
遷移金属の原子1gに対する少なくとも1モルの成分
(2)が存在することを含む。成分(1)の遷移金属の
原子1gに対する成分(2)のモル数は1000ほどで
もよいが、500を越えない方が都合がよく、ある種の
遷移金属組成物では25以下、例えば5〜10がよい。
【0083】触媒系が追加成分としてルイス塩基成分を
含む場合、このルイス塩基化合物が成分(2)の1モル
に対し1モル以下の量存在することが好ましく、特に
0.1〜0.5モルの量存在することが好ましい。しか
し、特定の有機金属化合物およびルイス塩基化合物によ
り、ルイス塩基化合物の割合を、最適の触媒系を達成す
るため変える必要がある。
【0084】この触媒系がポリエンを含む場合、ポリエ
ンが成分(2)の1モルに対し1モル以下の量存在する
ことが好ましく、特に0.01〜0.20モルの量存在
することが好ましい。この触媒系がルイス塩基成分およ
びポリエンを含む場合、この物質の両方が共に成分
(2)の1モルに対し1モル以下の量で存在することが
好ましい。
【0085】この触媒系は不飽和モノマー、特に例えば
オレフィンモノマーのようなエチレン系不飽和炭化水素
モノマーの重合および共重合に適している。
【0086】ここで重合条件下において少なくとも1種
のエチレン系不飽和炭化水素モノマーが上記規定のよう
な重合触媒と接触するような不飽和モノマーのポリマー
またはコポリマーの製造方法が提供される。
【0087】この触媒系と接触されるモノマーは、下式 CH2 =CHR7 (上式中、R7 は水素原子または炭化水素基を表わす)
で表わされるものであることが都合がよい。従って、こ
のモノマーはエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘプ
テン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ス
チレン、1,3−ブタジエンまたは前記式を満足する他
のあらゆるモノマーである。このモノマーは、好ましく
はオレフィンモノマーであり、特に10個以下の炭素原
子を含む脂肪族モノオレフィンモノマーである。
【0088】このモノマーを単独重合してもよく、また
は共に共重合してもよい。プロピレンを共重合する場
合、エチレンと共重合することが好ましく、英国特許明
細書第970478号および第970479号に記載さ
れた逐次共重合法を用いることが都合がよい。特に、プ
ロピレンを、本質的に他のモノマーの非存在下で重合
し、次いでエチレンとプロピレンの混合物を重合し、2
〜30重量%のエチレンを含むポリマー物質を製造す
る。本発明の方法を用いてエチレンを共重合する場合、
エチレンおよび望ましいコモノマー、例えばブテン−1
あるいはヘキセン−1の混合物(このモノマーの混合物
はこの重合法を通して本質的に同じ組成を有する)を用
いて共重合を行うことが好ましい。
【0089】この触媒の成分(1)を、オレフィンモノ
マーの存在下でこの触媒の他の成分と混合してもよい。
この触媒がルイス塩基化合物を含む場合、成分(2)で
ある有機金属化合物をルイス塩基化合物と予備混合し、
次いでこの予備混合物を成分(1)である反応生成物と
混合することが好ましい。
【0090】周知のように、チーグラーナッタ触媒は、
この重合系において不純物が存在しやすい。従って、高
純度のモノマー、例えば5重量ppm 未満の水および1重
量ppm 未満の酸素を含むモノマー、および用いる場合稀
釈剤を用いて重合を行うことが望ましい。純度の高い物
質は、例えば英国特許明細書第1111493号;12
26659号および1383611号に記載されたよう
な方法により得られる。
【0091】重合は周知の方法、例えば、適当に精製し
たパラフィン系炭化水素のような不活性稀釈剤の存在下
あるいは非存在下、重合媒体として過剰の液体モノマー
を用いて液相で、または気相(これは液体媒体が実質的
に存在しないことを意味する)において行われる。
【0092】重合を気相で行う場合、モノマー、例えば
プロピレンを重合容器に液体として入れ、この液体モノ
マーが気化するような重合容器内の温度および圧力条件
下で操作することにより行われ、それにより蒸発冷却効
果が得られ、および実質的にすべての重合がガス状モノ
マーと共におこる。気相における重合を、例えば英国特
許明細書第1532445号に詳細に記載されているよ
うに、このモノマーの露点温度および圧力に近い温度お
よび部分圧力にこのモノマーがあるような条件を用いて
行ってもよい。気相における重合を、気体−固体反応を
行うに適当な方法、例えば流動層反応器システム、攪拌
層反応器システムまたはリボンブレンダータイプの反応
器を用いて行ってもよい。
【0093】本発明の触媒系を用いて、流動層反応器シ
ステムにおいてエチレンを重合しまたは例えばコモノマ
ーとしてブテン−1と共重合し、高収率のポリマーを得
る。流動ガスは、分子量を調節する連鎖移動剤として存
在するすべての水素と共に重合されるガス混合物であ
る。従って、約940kg/m3 未満の密度を有するエチ
レンコポリマーを製造するためのエチレンとブテン−1
との共重合のために、ガス組成物は典型的には50〜6
0モル%のエチレン、15〜20モル%のブテン−1、
残りは、不活性物質および不純物は別として、水素であ
る。
【0094】重合をバッチ法または連続で行ってもよ
く、および触媒成分を別々に重合容器に入れてもよくあ
るいはすべての触媒成分を重合容器に入れる前に混合し
てもよい。すべての触媒成分を予備混合する場合、この
予備混合は、好ましくはモノマーの存在下で行われ、そ
のような予備混合は、触媒系が重合容器に導入される前
にこのモノマーの重合を少なくともいくらかおこす。こ
の重合が気相で行われる場合、触媒成分を、ガスモノマ
ーまたはモノマー混合物の流れに懸濁した重合反応体に
加えてもよい。
【0095】形成される生成物の分子量を調節するた
め、この重合を連鎖移動剤、例えば水素または亜鉛ジア
ルキルの存在下で行ってよい。プロピレンの重合におい
て連鎖移動剤として水素を用いる場合、モノマーに対し
0.1〜5.0%、特に0.05〜2.0%の量で用い
ることが都合がよい。重合されるモノマーがエチレン、
またはエチレンが主要な重合性成分である混合物である
場合、用いられる水素の量は、例えばエチレンの単独重
合において多く、反応混合物は、50%モル過剰の水素
を含んでもよく、一方、エチレンが共重合される場合、
典型的には35%モルまでである水素の割合が用いられ
る。連鎖移動剤の量は、重合条件、特に50kg/cm2
越えない重合圧力における温度により異なり、この温度
は典型的には20℃〜100℃、好ましくは50℃〜8
5℃である。
【0096】例えばオレフィンモノマーのようなモノマ
ーの重合を行うため提案されたどんな圧力においても重
合を行ってよい。しかし、3000kg/cm2 までの圧力
において重合を行ってもよいが、その圧力において、重
合温度は300℃ほどであり、比較的低圧および低温で
重合を行うことが好ましい。周囲圧力で重合を行っても
よいが、わずかに高圧を用いることが好ましく、1kg/
cm2 〜50kg/cm2 、好ましくは5〜30kg/cm2 の圧
力で重合を行うことが好ましい。重合温度は好ましくは
周囲温度以上であり、典型的には100℃を越えない。
【0097】本発明の重合法により得られるポリマーは
粒子形で得られ、これは少なくともある程度まで粒状固
体の粒子形を繰り返す。
【0098】本発明の態様により、オレフィンポリマー
が得られ、その粒子は本質的に球形であり、少なくとも
1mmの平均直径を有し、少なくとも0.2cm3 /gの多
孔度を有する。本発明に係る好ましいポリマーは、少な
くとも1.2mm、特に1.5mmの平均粒子直径を有す
る。このポリマー粒子の多孔度は、水銀多孔性により決
定される。好ましいポリマーは、少なくとも0.25cm
3 /gの多孔度を有する。
【0099】本発明に用いる多孔性ポリマー粒子は、か
なりの量の液体添加物を吸収してもさらさらした粉末の
ままである。従って、本発明のポリマーは、このポリマ
ーの液体添加物との易動性粉末マスターバッチの製造に
適当である。このポリマー粒子は、この総重量の20〜
35重量%の液体添加物を吸収しても、凝集の徴候はほ
とんど示さない。
【0100】ポリマー粒子がとても緻密である場合、す
なわち多孔性が乏しい場合、より分散させて添加物を混
入することは困難である。この条件下での添加物の分離
は問題となる。多孔性ポリマー粒子はこの問題を防ぐ。
液体形状の添加物の適当なブレンドを選ぶことにより、
製造されたすべてのポリマーを処理し、現在のプロピレ
ンポリマーに通常用いられる高エネルギー配合工程を使
用する必要を避けることができる。
【0101】こうして、20〜35重量%の液体物質を
含むオレフィンポリマーの易動性粉末組成物が提供され
る。そのような組成物を、気相重合法により得られるポ
リマーを用いて形成することが都合がよい。
【0102】我々は、マグネシウム化合物がマグネシウ
ムジエトキシドである場合、粒度が大きくおよび多孔性
の高いポリマーが得られることを見い出した。他のマグ
ネシウム化合物を用いても、粒度が大きくおよび多孔性
の高いポリマー粒子は、容易に得られない。
【0103】本発明に用いる粒状固体は、噴霧乾燥法を
用いて得られる。適当な噴霧乾燥装置は、欧州特許明細
書第72,128号の第1図および2図に説明されてい
る。その他の装置および噴霧乾燥法は、当業者に明らか
であり、ここで規定される本発明の範囲を離れることな
く用いてもよい。
【0104】ここで、本発明の多くの態様が、本発明を
説明する以下の例を参考にして説明される。この例にお
いて、すべての操作は、示した以外は窒素大気下で行わ
れる。すべてのガラス装置は、少なくとも1時間120
℃のオーブン中で風乾され、使用前に窒素でパージされ
る。
【0105】
【実施例】例 1 A)マグネシウムジエトキシドとトルエンの微粉砕 約1.5dm3 の総有効体積を有し、直径25mmのステン
レスボールを180個含むSiebtechnik SM 6 Vibromi
llチャンバーを密閉し、0.3×10-3kg/cm 2 に排気
し、窒素でパージしてこのミル内を窒素大気にした。周
囲温度の水をこのミルの外被に通し、このミルを毎分1
500回、幅2mm振動させ、このミルを振動させなが
ら、本質的に無水のマグネシウムジエトキシド(Dynami
t Nobel より入手)182gをこのミルチャンバーに入
れた。マグネシウムジエトキシドを加えた後、このミル
を約15分間振動させ、次いで500cm3 のトルエンを
約5分間かけてこの振動しているミルに加えた。このミ
ルの外被に周囲温度の水を通し続けながらさらに48時
間このミルを振動させた。
【0106】48時間後、このミルをさかさにし、この
ミルを振動させ、窒素下微粉砕したマグネシウムエトキ
シド−トルエン混合物を集めた。あらかじめ除去された
懸濁液に加えられた800cm3 のトルエンでこのミルチ
ャンパーを洗った。
【0107】この微粉砕した混合物に、トルエン中のポ
リスチレン(「Styron」686/7,Dow Chemical Com
panyより入手) の10%重量/体積溶液を加え、マグネ
シウムジエトキシドに対し3重量%のポリスチレンとな
るようにした。
【0108】1晩放置後、この混合物は固体となり、こ
の固体粒子を再び懸濁するためさらにトルエンを加えか
つこの混合物を攪拌する必要がある。この稀釈した混合
物は約15重量%の固体含量を有していた。
【0109】B)マグネシウムジエトキシド−トルエン
懸濁液の噴霧乾燥 工程A)で得られた懸濁液すべてを、欧州特許明細書第
72128号の第1図に説明されているものと同じガラ
スの実験室規模噴霧乾燥装置を用いて噴霧乾燥した。こ
の噴霧乾燥装置は、直径15cmおよび長さ0.7mを有
し、円錐部3を通常半球状の底部に変え、導管12を省
略し、導管13内のバルブ14を省略し、および固体物
質が集められたキャッチポットにより提供されたサイク
ロンに導管13を直接接続した。用いた噴霧ノズルは、
米国Spraying System Coより入手の1/4 JAU Automat
ic Air Atomizingノズルであって、0.72mmの直径の
ノズルを有していた。
【0110】噴霧は窒素下、140〜150℃の温度に
予備加熱した窒素流を170〜180dm3 /min.の速度
で導管11に通すことにより行われた。1.4kg/cm2
の圧力で窒素を噴霧ノズルに入れた。工程B)で得られ
た懸濁液を貯蔵フラスコに0.25kg/cm2 の過剰窒素
圧を与えることにより、攪拌貯蔵フラスコより噴霧ノズ
ルに流した。
【0111】例 2 約50dm3 の総有効体積を有し、直径25mmのステンレ
スボールを8500個含むSiebtechnik SM50 Vibro M
ill チャンバー内で、毎分1500回、幅2mmで振動さ
せ10kgのマグネシウムジ−n−プロポキシドを23kg
の無水トルエンと共に5時間微粉砕した。噴霧乾燥する
前に、300gのポリスチレンをこのミルより取り出し
た懸濁液に溶解した。この微粉砕より得られた懸濁液す
べてを、欧州特許明細書第72128号の第1図に説明
されたものと同じガラス中規模噴霧乾燥装置を用いて噴
霧乾燥した。この噴霧乾燥装置は直径450mmおよび長
さ1.03mを有し、その他は例1で用いたものと同じ
である。用いた噴霧ノズルは、米国のSpraying systems
Co より入手の1/4 JAU Automatic Air Atomizingノ
ズルであり、エアーキャップ120に接続した液体キャ
ップ35100を有していた。
【0112】噴霧は窒素下、142℃の温度に予備加熱
した窒素流を55m3 /hrの速度で欧州特許明細書第7
2128号の第1図の装置の導管11に通すことにより
行われた。3.1kg/cm2 の圧力で窒素をノズルに入れ
た。このミルより得られた懸濁液を4.2kg/cm2 に保
ち加圧貯蔵容器から流した。
【0113】例 3 例2に記載した振動ミル中で、10kgのマグネシウムジ
−ベンゾエートを20kgの無水トルエン及び350gの
ポリスチレンと共に3時間微粉砕した。この微粉砕より
得られた懸濁液すべてを、例2に記載された噴霧乾燥装
置を用いて噴霧乾燥した。
【0114】噴霧乾燥を、窒素下124℃の温度に予備
加熱した窒素流を、55m3 /hrの速度で欧州特許明細
書第72128号の第1図の装置の導管11に通すこと
により行った。2.4kg/cm2 の圧力で窒素をノズルに
入れた。ミルより得られる懸濁液を、1.6kg/cm2
保った加圧した貯蔵容器より流した。
【0115】比較例A 例1で用いたマグネシウムジエトキシドのかわりに本質
的に無水の塩化マグネシウム(Norsk Hydro)を270g
用いて例1の方法を繰り返した。噴霧乾燥器のノズルが
たびたびつまった。ほんの少量の噴霧乾燥生成物が得ら
れた。粒度を測定すると、この塩化マグネシウムは、効
果的に噴霧乾燥するスラリーにするために十分破壊され
なかった。
【0116】比較例B 178gの本質的に無水の塩化マグネシウム(Norsk Hy
dro)および100gのジ−イソオクチルフタレート(B
DH工業グレード)を用いて、例1の方法を繰り返し
た。
【0117】比較例C 330gの無水塩化マグネシウム(Norsk Hydro)をジ−
n−ヘプチルフタレート(DnHP) の存在下、7:1の塩
化マグネシウム:DnHPのモル比で48時間微粉砕した。
トルエンを加えないで例1に記載した振動ボールミルで
微粉砕を行った。
【0118】10.5gのポリスチレンを含む800g
の無水トルエンをこのミルに加え、さらに48時間微粉
砕を続けた。このミルより取り出したスラリーを、例1
に記載した噴霧乾燥装置および条件を用いて噴霧乾燥し
た。例1〜3および比較例Cの生成物の表面積をBS
4359/1の方法を用いて測定した。結果を表1に示
す。
【0119】
【表1】
【0120】この固体粒子の多孔度を、既知量のエタノ
ールで既知量の固体を振盪し、さらにこの固体が粘着し
はじめるまでエタノールを加えることにより測定した。
結果を表2に示す。
【0121】
【表2】
【0122】例1,2および3の生成物は、15m2
g以上の表面積および固体1gあたり少なくとも0.6
cm3 のエタノールを吸収可能に相当する多孔度を有する
本質的に球状な粒子からなる。これと比較して、噴霧乾
燥した塩化マグネシウムは10m2 /g未満の表面積を
有していた。表3に、MALVERN ST−1800粒度分析
機を用いた、噴霧乾燥前後の例1の生成物および比較例
Bの生成物の粒度分布を示す。
【0123】
【表3】 例1,2並びに3、および比較例B並びにCの生成物を
四塩化チタンで処理した。
【0124】A)例4〜6 四塩化チタンとの接触 例1〜3のうち1つの生成物のサンプル(33g)を、
攪拌機をとりつけた2.0dm3 の外被ガラス容器に入れ
た。0.495dm3 の四塩化チタンおよび大気圧下18
0℃の沸点を有するペンタメチルヘプタン炭化水素画分
(今後「炭化水素画分」と呼ぶ)0.244dm3 をこの
容器に加え、攪拌機を攪拌し、外被を加熱した。温度が
100℃に達するまで加熱を続け、16.5dm3 のジ−
イソオクチルフタレートを攪拌しながらゆっくり加え、
温度を120℃に上げ、1時間攪拌を続けた。1時間の
最後に、攪拌機を止め、容器の中身を加熱し続けなが
ら、固体を沈降させた。沈降時間10分後、上澄液を沈
降した固体より吸い出した。
【0125】前記接触から残っている残留物に0.49
5dm3 の四塩化チタンを加え、得られるスラリーを12
0℃で1時間攪拌することにより、四塩化チタンとの接
触をすぐに繰り返した。1時間の最後に、攪拌を止め、
容器の中身を加熱し続けながら固体相を沈降させた。
【0126】B)洗 浄 工程Aから残っている残留物に、周囲温度で総体積1.
5dm3 を与えるに十分な量の炭化水素画分を加えた。こ
の混合物を攪拌し、120℃に加熱した。この温度での
攪拌を15分間続け、止めた。さらに10分後、加熱し
ながら上澄の液体を沈降した固体から吸い出した。さら
に総体積1.5dm3 となるよう沈降した固体に炭化水素
画分を加え、120℃の温度でこの洗浄をさらに2回繰
り返した。最後に、加熱しないで炭化水素画分による洗
浄を行った。最終洗浄工程から残っている冷残留物を、
最終体積0.4dm3 となるよう炭化水素画分で稀釈し、
この混合物を窒素下貯蔵容器に移した。
【0127】比較例D 工程Aにおいてジ−イソオクチルフタレートを加えるこ
とを除いて、比較例Bの生成物を用いて例4〜6の方法
を繰り返した。
【0128】比較例E A)四塩化チタンとの接触 24gの比較例Cの生成物を、攪拌機をとりつけた2.
0dm3 の外被ガラス容器に移した。0.24dm3 の四塩
化チタンおよび0.24dm3 の炭化水素画分をこの容器
に加え、攪拌機を攪拌し、容器の内容物を120℃に加
熱し、この温度に2時間保った。2時間の最後に、攪拌
機を止め、容器の内容物を加熱しながら固体を沈降させ
た。20分後、上澄液を沈降した固体より吸い出した。
【0129】B)洗 浄 工程Aから残っている残留物に、周囲温度で総体積0.
48dm3 を与えるような十分量の炭化水素画分を加え
た。この混合物を攪拌し、120℃に加熱した。120
℃での攪拌を15分間続け、止めた。さらに10分後、
上澄液を加熱しながら沈降した固体より吸い出した。さ
らに総体積0.48dm3 となるよう沈降した固体に炭化
水素画分を加え、120℃の温度でこの洗浄を2回繰り
返した。最後に60℃においてさらに3回炭化水素で洗
浄した。最後洗浄工程から残っている残留物を、最終体
積0.4dm3 となるよう炭化水素画分で稀釈し、この混
合物を窒素下貯蔵容器に移した。
【0130】例7〜9および比較例F並びにG 液体プロピレン中でプロピレンの重合を行うため、例4
〜6並びに比較例DおよびEの生成物を用いた。
【0131】重合法 冷却/加熱外被および攪拌機をとりつけた8dm3 の圧力
容器を周囲温度で排気した。わずかに大気圧の圧力以上
となるまでプロピレンガスを入れることにより、真空を
解除した。この容器が完全にパージされたことを確実に
するため、この工程を3回繰り返した。わずかに大気圧
より高くプロピレンを含むこの容器に10mmolのトリエ
チルアルミニウム、1mmolのジフェニルジメトキシシラ
ンおよび炭化水素画分中10%重量/体積スラリーとし
ての例4〜6の1つまたは比較例D並びにEの生成物5
0mgを加えた。5dm3 の液体プロピレンを加え、攪拌を
開始した。この容器の内容物を70℃に加熱し、この温
度に1.5時間保った。1.5時間の最後に、この容器
に残っている液体プロピレンをゆっくり排出した。ポリ
マー生成物を集め乾燥する前に、この容器内を窒素でパ
ージした。得られた結果を表4に示す。
【0132】
【表4】
【0133】注(b)チタン組成物の製造が記載されて
いる例の種類 (c)量は加えた懸濁液の体積である。 (d)MFIはASTMテスト法D1238/70、条
件N(190℃および10kg) で測定したメルトフロー
インデックスである。 (e)FMはGM/m3 で表わされる曲げ弾性率であ
る。曲げ弾性率は、Polymer Age,1970年3月、57
および58頁に記載されたような片持ばりビーム装置を
用いて測定された。23℃および50%相対湿度におけ
る60秒後のテスト片の1%表皮歪の変形を測定した。
約150×19×1.6mmの寸法のテスト片を以下のよ
うな方法で製造した。23gのポリマーを0.1重量%
の抗酸化剤(「Topanol 」CA)と混合し、この混合物
をBrabender Plasticiser に加え、190℃、30rpm
及び10kgの負荷でクレープにした。このクレープを型
に入れ、アルミニウムホイルの間で、250℃において
電気Tangyeプレスによりプレスした。ポリマー流がこの
型を横切るに十分な圧力、つまり約1トンの力を加え、
6分間このプレスを予備加熱した。予備加熱後、用いた
力を、5トンごとにガスを抜き(圧力放出)、5トンづ
つ増加させ15トンに上げた。2分後15トンで空気お
よび水により10分間または室温に達するまでこのプレ
スを冷却した。得られたプラックを150×19×1.
6mmの寸法のストリップに切断した。各ポリマーの2枚
のストリップを130℃のアニールオーブンに入れ、こ
の温度で2時間後、熱を止め、オーブンを15℃/hrで
室温に冷却した。この触媒からのチタン(Ti)、アル
ミニウム(Al)、塩素(Cl)およびマグネシウム
(Mg)残留物が、総ポリマー生成物(ポリマー+触媒
残留物)に対しppm 重量で得られ、乾燥ポリマーの中性
子活性分析により測定された。
【0134】(h)PDは10gのポリマー粉末を圧縮
しないで内径2cmの50cm3 の平底傾斜チューブに入れ
ることにより測定されたg/dm3 の嵩密度である。ポリ
マー粉末により占有された体積を測定した。2回測定を
行った。NDは、その特性が測定されなかったことを意
味する。このポリマー生成物を篩にかけることにより粒
度分析を行い、結果を表5に示す。
【0135】
【表5】
【0136】例10 例2に示した方法を用いて、10kgの無水マグネシウム
エトキシド(DynamitNobel)を、300gのポリスチレ
ンおよび20kgの無水トルエンと共に50dm3の振動ボ
ールミル内で8時間微粉砕した。例2に記載された方法
を用いて得られた微粉砕混合物の噴霧乾燥を行い、本質
的に球状粒子からなる粒状マグネシウムエトキシドを得
る。
【0137】この粒状マグネシウムエトキシドを以下の
ようにして遷移金属塩化物と接触させた。加熱外被をと
りつけた2dm3 の攪拌容器に、周囲温度で0.48dm3
の炭化水素画分および0.48dm3 の四塩化チタンを加
えた。攪拌を開始し、窒素下でこの液体に64gの噴霧
乾燥したマグネシウムエトキシドを加えた。温度を10
0℃に上げ、32cm3 のジイソオクチルフタレートを加
えた。温度を120℃に上げ、反応温度を120℃に1
時間保った後、攪拌を止めた。10分後、上澄液を吸い
出した。
【0138】前記接触から残っている残留物に0.48
dm3 の四塩化チタンを加えることによって四塩化チタン
との接触を繰り返し、得られるスラリーを120℃で1
時間攪拌した。1時間の最後に、固体相を沈降させ、上
澄液を吸い出した。例4〜6の方法を用い、6回の洗浄
工程を行った。最初の3回の洗浄は、120℃で行っ
た。4回目の洗浄を68℃で行い、残る2回の洗浄を周
囲温度で行った。
【0139】例11 例10の生成物を少量のプロピレン存在下、20℃でト
リエチルアルミニウムおよびジフェニルジメトキシシラ
ンと予備接触させる。得られるスラリーを、85℃およ
び32.5kg/cm2 圧力に保持した、24.5g のプロ
ピレンホモポリマーを含む攪拌した反応器に連続的に流
した。連続ガス流の形でプロピレンをこのポリマー層に
通した。この反応器に水素を加え、20のポリマー生成
物メルトフローインデックスを保ち、生成物製造速度を
18〜20kg/hrの間に保った。反応条件および重合の
結果を表6に示す。
【0140】比較により、用いられた支持体が英国特許
第2024215号に記載されたようなエタノレート粒
子を凝固させるため不混和性液体中で溶融エタノレート
の懸濁液を冷却することにより得られる粒状塩化マグネ
シウムエタノレートであったものと同じ重合条件および
触媒システムを用いて、ポリマー生成物が得られた。
【0141】このエトキシドベースポリマー生成物の強
さを、3dm3 の容積のHenschelミキサー内で15分間3
400rpm でポリマー(750g)を攪拌することによ
り、塩化マグネシウムエタノレートより誘導されたポリ
マーと比較した。得られた結果を表7に示す。
【0142】
【表6】
【0143】表6の注 (d)(e)および(f)は表4の注参照 (i)固体ポリマーのサンプル中の不動の物質に対する
可動物質の相対比を測定するため用いた核磁気共鳴法。
この方法は、ポリマーのアイソタクチック範囲が、10
ガウスの範囲以上で測定されるプロトン共鳴の広がりを
おこす最も近いプロトンの間の双極性相互作用を制限す
るに十分硬質であるという事実を当てにしている。アタ
クチック範囲において、分子の動きは、それほど制限さ
れず、双極相互作用の平均化がおこり、0.5ガウスの
範囲で測定されるライン幅の減少となる。0.5ガウス
共鳴に対する10の比は、アタクチックポリマーに対す
るアイソタクチックの相対比を表わしている。 (j)HHSは、ヘプタンによる24時間ソックスレー
抽出後ポリマーのサンプルの重量損失より測定した、沸
騰ヘプタンに可溶であるポリマーの重量比である。
【0144】
【表7】
【0145】例11のポリマー生成物の粒度分布および
平均粒度にほとんど変化はなく、一方エタノレートを用
いて得られるポリマーは、粒度分布および平均粒度の両
方において明確な変化を示すことがわかる。従って、エ
トキシドベースポリマーは、エタノレート支持体を用い
て得られるポリマーより強い。
【0146】例11で記載したようにして気相条件下で
得られるエトキシドベースポリマーについて、その凝集
しないで液体を吸収する能力を測定した。1〜2mmのサ
イズに篩分けした50gのポリマーを、70℃、5mmHg
以下の圧力で回転エバポレーター中で16.7gのビス
(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンと混合
した。熱いまま、周囲圧力に上げながら窒素をエバポレ
ーターに入れた。冷却して得られた生成物は、25重量
%のペルオキシド化合物を含む易流動性粉末であった。
多量のペルオキシド化合物を用いてこの操作を繰り返
し、30重量%のペルオキシド化合物を含む場合、この
ポリマーは易流動性を保つが、33重量%のペルオキシ
ド化合物を含む場合、ある種のポリマーは凝集がおこる
ことを発見した。これと比較して、エタノレート支持触
媒を用いて得られるポリマーは、約10重量%のペルオ
キシド化合物を含む場合凝集を始める。
【0147】例12 例10に示された微粉砕および噴霧乾燥法を用い、65
kgのマグネシウムエトキシド支持体が球形で得られた。
この物質を600dm3 の炭化水素画分中にスラリーに
し、攪拌容器内において周囲温度で975dm3 の四塩化
チタンに加えた。底にマグネシウムエトキシドが残らな
いよう触媒支持体装入容器を洗浄するため、300dm3
の炭化水素画分を用いた。得られる攪拌スラリーを95
℃に加熱し、26dm3 のジイソオクチルフタレートをゆ
っくり加えた。温度を115℃に上げ、この温度に35
分間保った。
【0148】115℃に加熱しながら、攪拌機を止め、
固体相を沈降させた。1時間後、この温度を保ちながら
さらに1時間かけて上澄液を吸い出した。次いでさらに
975dm3 の四塩化チタンを、この固体の沈降した層に
加え、攪拌を開始した。温度を再び115℃に上げ、3
5分間保った。攪拌機を止め、温度を115℃に保ちな
がら1時間かけ固体相を沈降させた。上澄液をさらに1
時間かけて吸い出した。
【0149】この沈降した固体を、1時間沈降および1
時間吸引を用い、3000dm3 の炭化水素画分で5回洗
浄した。まず115℃で2回洗浄した。第3,4および
最後の洗浄はそれぞれ100℃,80℃および60℃で
行った。最終洗浄工程から誘導される触媒スラリーを、
例11に記載されたものと同じ条件(表6の反応条件参
照)において気相連続重合反応器中で重合を行うため用
いた。
【0150】気相プロピレン単独重合より誘導されるポ
リマーを篩にかけ、残留塩素を分析した。支持体が例1
0に記載された方法により得られる粒状塩化マグネシウ
ムエタノレートであるような触媒システムより同じ重合
条件を用いて得られるポリマー生成物をも篩にかけ、塩
素イオン残留レベルについて分析した。得られた結果を
表8に示す。
【0151】
【表8】
【0152】この結果は、粒状マグネシウムエトキシド
支持体より誘導されたポリマーの場合、残留塩素レベル
が、球状ポリマー粒度の範囲全体により平坦に分布する
ことを示している。
【0153】例13〜27 無水マグネシウムエトキシド(Dynamit Nobel)、ポリス
チレンおよび無水トルエンを用いて、Siebtecnik 50
dm3 Vibratomボールミルにおいて一連の微粉砕を行っ
た。この微粉砕条件を表9に示す。
【0154】
【表9】
【0155】各微粉砕後、ミルより排出された液体スラ
リーを、例2に記載された噴霧乾燥装置を用いて、異な
る条件下で噴霧乾燥した。各々の噴霧実験からの噴霧乾
燥生成物は球形であることがわかった。各噴霧乾燥生成
物の粒度分布を、MALVERN ST−1800粒度分析機に
より、炭化水素画分中の稀釈スラリーより測定した。噴
霧乾燥条件、噴霧乾燥した生成物の平均粒度および直径
25μm以下の粒子の重量パーセントを表10に示す。
【0156】
【表10】
【0157】表10の注 (k)2850および35100は、通常吸引噴霧を行
うことにより、またはスラリーをわずかに高圧にするこ
とによりミルからスラリーが流れる流動キャップのサイ
ズのことである。70,120,1401110および
122435は、噴霧パターンが形成される前に窒素と
スラリーが混合されるエアーキャップの種類である。エ
アーキャップ70および120は、吸引またはわずかな
高圧と組み合せた完全な球形噴霧パターンを提供する。
【0158】エアーキャップ122435は、吸引また
はわずかな高圧噴霧装置より平坦噴霧パターンを提供す
る。エアーキャップ1401110は、スラリー流を実
質的に過圧する噴霧装置からの完全な球形噴霧パターン
を提供する。このコード番号は、SPRAYING SYSTEM CO I
NDUSTRIAL CATALOG 27にみられる。
【0159】平均サイズが最大であり、直径25μm以
下の物質の割合が最小である噴霧乾燥した支持体は、1
20エアーキャップと組み合せた35100流動キャッ
プからなるノズルを通し噴霧することにより得られた。
この組み合せは、完全な球形噴霧パターンを与えた。3
5100流動キャップでエアーキャップを変えると、つ
まり、1401110圧力キャップおよび122435
平坦噴霧キャップにより実質的に劣った結果が得られ
た。より小さいなノズルを用いて噴霧乾燥すると、つま
り70完全球形噴霧パターンキャップと組み合せて28
50流動キャップを用いると、平均粒度および分布が劣
った。
【0160】噴霧生成物平均粒度に対する、過圧を変え
ることにより変えられるスラリー流速の影響および窒素
噴霧機圧力の影響は、第1図よりわかる。第1図より、
スラリー流速を固定して窒素噴霧機圧力を増すと、流体
の単位体積あたりの剪断力が増し、噴霧液体粒子サイズ
が小さくなることがわかる。窒素噴霧機圧力を固定して
スラリー流速を上げると、流体の単位体積あたりの剪断
力が低下し、噴霧液体粒子サイズが大きくなる。
【0161】例28 例13〜27に記載されたスラリー生成物M4のサンプ
ルに界面活性剤ジイソオクチルフタレートを加え、マグ
ネシウムエトキシド1kgあたり0.25kgのジイソオク
チルフタレートを調製した。得られたスラリーを、35
100液体キャップおよび120エアーキャップを含ん
でなるノズルを有する例2に記載の装置を用いて噴霧乾
燥した。噴霧乾燥条件は、以下のとおりである。 乾燥窒素流速 56m3 /hr 乾燥窒素流入温度 105℃ 乾燥窒素流出温度 46℃ スラリー流圧 0.98kg/cm2 (gause) スラリー流速 6kg/hr 窒素噴霧圧 2.81kg/cm2 (gause)
【0162】噴霧乾燥した生成物は球形であった。その
平均サイズは24μmであり、53%は25μm以下で
あった。第1図および表10を参照し、噴霧乾燥機スラ
リーへのジイソオクチルフタレートの添加により、噴霧
生成物平均サイズおよび粒度分布がかなり低下する。
【0163】例29 例1の工程Aに記載された微粉砕条件下で得られるマグ
ネシウムエトキシド/トルエンスラリーのサンプルをト
ルエンで稀釈し、2つに分けた。その1つにトルエン中
10%重量/体積のポリスチレン溶液を加え、マグネシ
ウムジエトキシドに対し3重量%のポリスチレンを与え
た。両方のスラリーを、例1の工程Bに記載された装置
を用いて噴霧乾燥した。この噴霧乾燥生成物を炭化水素
画分に入れ、MALVERN ST−1800粒度分析機で粒度
を分析した。結果を表11に示す。
【0164】
【表11】
【0165】顕微鏡を用いて両方の噴霧乾燥生成物を観
察し、ポリスチレンを含む噴霧乾燥生成物は球形である
が、ポリスチレンを有しないで製造した噴霧乾燥生成物
は球形と不規則な形の粒子の混合物を含むことがわかっ
た。
【0166】例30〜35 10kgのマグネシウムエトキシド(Dynamit Nobel)を、
例2に記載された振動ボールミル内で30〜35℃の温
度において23kgの無水トルエンおよび300kgのポリ
スチレンと共に10時間微粉砕した。このミルより取り
出した液体スラリーを、すぐに例2に記載された噴霧乾
燥装置を用いて噴霧乾燥した。
【0167】140〜165℃に予備加熱した窒素流を
50〜60m3 /hrの速度で欧州特許明細書第7212
8号の第1図の装置の導管に通すことにより、噴霧を行
った。3.5kg/cm2 の圧力で窒素をノズルに入れた。
このミルより得られた懸濁液を、2.3kg/cm2 に保た
れた加圧貯蔵容器より、10.3kg/hrの速度で出し
た。例4〜6に記載された装置および方法を用いて、噴
霧乾燥した生成物を触媒に転化した。噴霧乾燥したマグ
ネシウムエトキシドを用いる触媒製造は、四塩化チタン
濃度およびスラリーの固体含量を変えて行われた。
【0168】製造された触媒を、例7〜9に記載された
ようにして液体プロピレン中で重合した。触媒製造条件
の変化を、ポリマーの特性と共に表12に示す。両方の
四塩化チタン処理工程の反応温度は95℃に保たれた。
第2の四塩化チタン処理工程の最後において、沈殿した
固体を95℃において4回炭化水素画分で洗浄した。
【0169】
【表12】
【0170】表12の注 (i)表6の注に規定 (l)HFは炭化水素画分である(cm3 ) (m)DIOPはジイソプロピルプタレートである( cm3 ) 表12より、この触媒の製造法の以下の3つの特徴が、
それより得られる触媒およびポリマーの特徴の点で明ら
かとなった。 1.固体濃度が高いと(例32)、粒子の破壊を引き起
す。 2.第1処理工程における四塩化チタンは、粒子の破壊
を引き起す(例35)。この結果は、粒子/粒子相互作
用とは関係ない(同じ固体濃度を用いる例35および3
1と比較)。 3.第2処理工程における四塩化チタンは、ポリマー形
成を低下させおよび触媒活性を高める(例34)。
【図面の簡単な説明】
【図1】噴霧乾燥生成物の平均粒度に対するスラリー流
速および窒素噴霧機の圧力の影響を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピーター ジョン ボーン ジョーンズ イギリス国,クリーブランド,ミドルズブ ラ,ウィルトン,ピーオー ボックス 90

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式 Mg(OR)x (2-x) (上式中、Rは基R′またはCOR′を表わし、R′は
    炭化水素基を表わし、Xはハロゲン原子を表わし、そし
    てxは0より大きくかつ2以下の値を表わす)で表わさ
    れる化合物より形成され、本質的に球形でありかつ少な
    くとも15m2/gの表面積を有する粒状固体と周期表
    のIVA族、VA族またはVIA族の遷移金属との反応生成
    物である遷移金属組成物。
  2. 【請求項2】 周期表のIVA族、VA族またはVIA族の
    遷移金属を、微粉砕することなく、 下式、 Mg(OR)x (2-x) (上式中、Rは基R′またはCOR′を表わし、R′は
    炭化水素基を表わし、Xはハロゲン原子を表わし、そし
    てxは0より大きくかつ2以下の値を表わす)で表わさ
    れる化合物より形成され、本質的に球形であり、かつ少
    なくとも15m 2 /gの表面積を有する粒状固体と反応
    させることからなる、遷移金属組成物の製造方法。
JP8234450A 1987-04-13 1996-09-04 遷移金属組成物 Pending JPH09165413A (ja)

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