JPH09164365A - 塗装面処理方法 - Google Patents

塗装面処理方法

Info

Publication number
JPH09164365A
JPH09164365A JP32915095A JP32915095A JPH09164365A JP H09164365 A JPH09164365 A JP H09164365A JP 32915095 A JP32915095 A JP 32915095A JP 32915095 A JP32915095 A JP 32915095A JP H09164365 A JPH09164365 A JP H09164365A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
coated surface
liquid
silicon compound
water repellent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP32915095A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroya Kosakata
弘也 小坂田
Sosaburo Ohara
荘三郎 大原
Shogo Shinohara
生悟 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiho Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Taiho Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiho Kogyo Co Ltd filed Critical Taiho Kogyo Co Ltd
Priority to JP32915095A priority Critical patent/JPH09164365A/ja
Publication of JPH09164365A publication Critical patent/JPH09164365A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な操作で迅速に塗装面に撥水性を付与す
ることのできる塗装面処理方法を提供すること。 【解決手段】 撥水剤液たとえばシリコン化合物含有液
を塗装面に噴霧し、拭き取りも乾燥もすることなく、水
を添加し、そのまま放置するだけの処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は塗装面処理方法に関
し、さらに詳しくは、車両等の塗装面に噴霧操作および
水添加操作をするという簡単な操作で、その塗装面に撥
水性を付与することのできる塗装面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗装面に撥水性を付与するため
に、シリコン化合物を含有する撥水剤を塗装面に塗り込
む操作、塗り込んだ塗装面を乾燥する操作、乾燥後にそ
の塗装面に残った粉状の残渣を拭き取る拭き取り操作を
必要としていた。このような三種の操作を経ることによ
り塗装面に撥水性が付与されるのであるから、(1) 操作
が煩雑で面倒であり、(2) 三種の操作を行うのであるか
ら時間がかかり、(3) 特に野外で撥水性を付与する上記
の操作を行うと、操作時間が長いから、塗装面に塵埃が
付着し易く、汚れ易いという問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、簡
単な操作で短時間で塗装面に撥水性を付与することので
きる塗装面処理方法を提供することにある。この発明の
目的は、撥水剤を塗装面に塗擦し、その後さらに拭き取
り操作を必要とすることなく塗装面に撥水性を短時間に
付与することのできる塗装面処理方法を提供することに
ある。さらに、この発明の目的は、撥水剤を塗装面に付
与した後に水を作用させるだけで簡単にかつ迅速に塗装
面に撥水性を付与することのできる塗装面処理方法を提
供することにある。この発明は、この明細書により明ら
かにされ、あるいはこの発明を実施することにより奏さ
れる技術的効果を奏することのできる塗装面撥水処理方
法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の請求項1に記載の発明は、撥水剤液を塗装面に噴霧
し、噴霧された塗装面に塗擦することなく水を添加して
撥水剤液の塗布連続相を形成し、前記塗布連続相の形成
後に自然乾燥することを特徴とする塗装面処理方法であ
る。
【0005】請求項1における水を添加するという技術
事項に着目すると、請求項2に記載の発明は、前記撥水
剤液を塗装面に噴霧してから直ちにまたは噴霧されたそ
の塗装面の乾燥前に水を噴霧する前記請求項1に記載の
塗装面処理方法であり、請求項3に記載の発明は、前記
撥水剤液の塗装面への噴霧と水の塗装面への噴霧とを交
互に行う前記請求項1に記載の塗装面処理方法であり、
請求項4に記載の発明は、前記撥水剤液を噴霧した塗装
面に水を流下する前記請求項1に記載の塗装面処理方法
であり、請求項5に記載の発明は、前記撥水剤液を噴霧
するその塗装面が予め水で濡れてなる前記請求項1〜4
のいずれかに記載の塗装面処理方法であり、請求項6に
記載の発明は、前記撥水剤液の噴霧された塗装面に添加
される水の量は、塗布連続相の形成可能な量である前記
請求項1〜5のいずれかに記載の塗装面処理方法であ
り、請求項7に記載の発明は、前記撥水剤液が親水性で
ある前記請求項1〜6のいずれかに記載の塗装面処理方
法である。
【0006】前記請求項1における撥水剤に関する技術
事項に着目すると、請求項8に記載の発明は、前記撥水
剤液がシリコン化合物含有液である前記請求項1〜7の
いずれかに記載の塗装面処理方法であり、請求項9に記
載の発明は、前記撥水剤液が極性基を有するシリコン化
合物含有液である前記請求項1〜8のいずれかに記載の
塗装面処理方法であり、請求項10に記載の発明は、前
記極性基がアミノ基、カルボキシル基、水酸基、アルコ
キシ基およびポリエーテル基よりなる群から選択される
少なくとも一種である前記請求項9に記載の塗装面処理
方法であり、請求項11に記載の発明は、前記シリコン
化合物含有液が水系溶媒をベースとする液である前記請
求項8〜10のいずれかに記載の塗装面処理方法であ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】
−撥水剤液− この発明の方法に使用される撥水剤液には、シリコン化
合物、フッ素化合物等の塗装面に吸着して撥水性を付与
する成分、またはこれらを含有する組成物を含有する液
が採用される。塗装面に吸着して撥水性を付与する成分
としてはシリコン化合物が、撥水性、コスト面、汎用性
等の全ての条件を良好に満たすので好ましい成分であ
る。したがって、この発明における撥水剤液としてはシ
リコン化合物含有液が好ましい。また、この発明におけ
る撥水剤液は親水性であって、水に可溶または分散する
ものであり、シリコン化合物含有液は、たとえば水系溶
媒をベースとする液であることが好ましい。
【0008】この発明の方法に使用される撥水剤液は、
後述するように噴霧(スプレイ)されるのであるから、
基本的には液状物であり、従来の固形状態、半練り状態
あるいはペースト状態の撥水剤とは異なる。この撥水剤
液は、溶液状態であっても、エマルジョン状態であって
も良い。この撥水剤液は、したがって、固形粒子となっ
た所謂コンパウンドを含有しない。
【0009】前記シリコン化合物としては、撥水性を有
するシリコン化合物を挙げることができる。このような
シリコン化合物としては、極性基を有しないシリコン化
合物と極性基を有するシリコン化合物とを挙げることが
できる。
【0010】極性基を有しないシリコン化合物の好適例
としてポリオルガノシロキサンを挙げることができる。
このポリオルガノシロキサンの中でも好適でかつ汎用的
なのはポリジメチルシロキサンである。また、このポリ
オルガノシロキサンの中でも、その25℃における粘度
が5〜300cSt、好ましくは10〜200cStで
あるのが好ましい。この粘度の範囲内にあるポリオルガ
ノシロキサンを含有するシリコン化合物含有液を使用す
ると、塗装面が湿潤していても塗装面に好適に撥水性を
付与することができる。もっとも、極性基を有しないシ
リコン化合物と極性基を有するシリコン化合物とを比較
すると、極性基を有しないシリコン化合物は極性基を有
するシリコン化合物よりも塗装面への吸着性が劣るの
で、極性基を有しないシリコン化合物を採用するときに
は、極性基を有するシリコン化合物と併用するのが好ま
しい。
【0011】極性基を有するシリコン化合物としては、
極性基を有するポリオルガノシロキサン、あるいは極性
基を有する化合物で変性してなる変性ポリオルガノシロ
キサンなどを挙げることができる。
【0012】前記極性基としては、アミノ基、カルボキ
シル基、エステル基、水酸基、アルコキシ基、およびポ
リエーテル基等を挙げることができる。この極性基は、
ポリオルガノシロキサン分子中にそれらの一種が含まれ
ていても良く、またそれらの二種以上が含まれていても
良い。
【0013】極性基を有するシリコン化合物の中でも好
ましいものの一例は、アミノ基含有ポリオルガノシロキ
サンである。
【0014】好適なアミノ基含有ポリオルガノシロキサ
ンは、その25℃における粘度が10〜20,000c
Stであり、特に好ましいのは100〜5,000cS
tであり、さらに好ましいのは200〜2,000cS
tである。粘度が前記範囲内にあると、前記ポリオルガ
ノシロキサン特にポリジメチルシロキサンと併用するこ
とにより、処理時に塗装面上に水分が存在している状態
であっても、添加された水と適度になじむことによって
塗装面に均一に拡展することができる。前記粘度が10
cSt未満であると処理被膜の撥水強度が弱くなる。前
記粘度が20,000cStより高いと、添加される水
との混和性(ナジミとも称される)が低下し、処理面上
に均一に拡展しにくくなり、塗りムラの原因となる。
【0015】この発明の方法に使用される撥水剤は、前
記シリコン化合物の外に種々の添加剤たとえば、有機
酸、界面活性剤、香料、防腐剤、光安定剤、防錆剤、紫
外線吸収剤等を含有することができる。
【0016】前記有機酸としては、特に制限はなく、例
えば、カルボン酸、スルホン酸、スルフィン酸等を好適
に使用することができる。これら各種の有機酸はその一
種を単独で使用することができるし、また二種以上を併
用することができる。併用する態様として、カルボン
酸、スルホン酸およびスルフィン酸よりなる群から選択
される二種または三種の組み合わせを挙げることができ
る。もっとも前記有機酸の中でもカルボン酸が特に好適
である。
【0017】前記カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プ
ロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、ピバリン酸、吉草
酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸、2−エチル酪酸、カプリ
ル酸、オレイン酸、ラウリン酸等の一価のカルボン酸、
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、マレイン酸、フマール酸等の二価のカルボン酸、あ
るいは、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グル
コン酸、クエン酸等のオキシカルボン酸、フタル酸、安
息香酸、サリチル酸等の芳香環例えばベンゼン環を有す
る芳香族カルボン酸等を挙げることができる。
【0018】上記各種のカルボン酸は、その中から一種
を選択して単独で使用することができるし、二種以上を
組み合わせて併用することもできる。
【0019】前記カルボン酸のうち好適なのは、RCO
OH(ただし、Rは水素原子または炭素数1〜17、好
ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜
5の飽和もしくは不飽和の、水酸基を有することのある
脂肪族基である。)で表される一価の脂肪族カルボン酸
(なお、HCOOHも脂肪族カルボン酸の一種とす
る。)、HOOCR1 COOH(ただし、R1 は炭素数
1〜8、好ましくは炭素数1〜4の飽和または不飽和の
二価の脂肪族基であり、水酸基を含有していても良
い。)で表される二価の脂肪族カルボン酸、および芳香
族カルボン酸である、と表現することもできる。
【0020】また、別の表現として、この発明において
好適に使用されることのできるカルボン酸として、飽和
脂肪族モノカルボン酸、飽和脂肪族ヒドロキシカルボン
酸、飽和脂肪族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸を挙げることができる。
【0021】更に他の表現として、この発明において好
適に使用されることのできるカルボン酸として、酢酸、
乳酸、コハク酸、およびサリチル酸を挙げることができ
る。
【0022】いずれの表現によるにしても、この発明に
おいては、有機酸として一種の有機酸たとえばカルボン
酸を単独で使用することができ、また二種以上の有機酸
たとえばカルボン酸を併用して使用することもできる。
【0023】前記界面活性剤としては、特に制限はな
く、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、および両性
系のいずれの界面活性剤であっても良い。これらの中で
も、カチオン系またはノニオン系の界面活性剤が好まし
く、ノニオン系界面活性剤が特に好ましい。
【0024】前記カチオン系界面活性剤としては、たと
えばオクチルトリメチルアンモニムヒドロキシド、ドデ
シルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシ
ルトリメチルアンモニムヒドロキシド、オクチルジメチ
ルベンジルアンモニウムヒドロキシド、デシルジメチル
ベンジルアンモニウムヒドロキシド、ジオクタデシルジ
メチルアンモニウムヒドロキシド、牛脂トリメチルアン
モニウムヒドロキシド、ヤシ油トリメチルアンモニウム
ヒドロキシド、オクタデシルアンモニウムヒドロキシ
ド、オクタデシルアンモニウムヒドロキシド、ポリオキ
シエチレンオクチルアンモニウムヒドロキシド等の第4
級アンモニウムヒドロキシドおよびこれらの塩酸塩、酢
酸塩等の塩を挙げることができる。これらはその一種を
単独で、あるいはそれら二種以上を併用することができ
る。
【0025】前記ノニオン系界面活性剤の具体例として
は、たとえばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチ
レンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリ
オキシアルキレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェ
ニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエ
ーテル;ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステ
ル;ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル;
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油;ソルビタン脂肪酸エステル;グリ
セリン脂肪酸エステル;ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルアミンカルボン酸
塩等を挙げることができる。これらはその一種を単独
で、あるいはそれら二種以上を併用することができる。
これらの中でも、特にポリオキシアルキレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリ
エチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルアミンカ
ルボン酸塩が好ましい。この発明においては、上記各種
の界面活性剤の一種を単独で使用しても良いし、二種以
上を組み合わせて併用しても良い。
【0026】前記香料としては、天然香料および合成香
料を挙げることができる。
【0027】前記天然香料としては、たとえば動物性香
料、植物性香料などを挙げることができる。前記動物性
香料としては、たとえばムスク、シベット、カスター、
アンバーグリスなどを挙げることができる。前記植物性
香料としては、たとえばペパーミントオイル、レモンオ
イル、ローズオイル等の精油類、ローズアブソリュー
ト、バニラアブソリュート、ペルーブラッサムアブソリ
ュート等のアブソリュート類、ベンゾインレジノイド、
オリバナムレジノイド、オークモスレジノイド等のレジ
ノイド類、バニラオレオレジン、ジンジャーオレオレジ
ン等のオレオレジン類、バニラチンキ、ムスクチンキ等
のチンキ類、ペルーバルサム、トルーバルサム等のバル
サム類、ローズコンクリート、オリスコンクリート等の
コンクリート類などを挙げることができる。
【0028】前記合成香料は、石油、石炭、天然ガス、
油脂などを反応させることにより得ることができる。こ
の合成香料としては、たとえばアセトフェノン等のフロ
ーラル系香料、エチルカプロエート、ブチルブチレート
等のパイナップル系香料、ベンジルアセテート、メチル
ジヒドロジャスモネート等のジャスミン系香料、ブチル
アセテート等のバナナ系香料、アリルアミルグリコレー
ト等のグリーン系香料、シトロネルロール、シトロネリ
ルアセテート、β−フェニルエチルアルコール等のロー
ズ系香料、エチルメチルフェニルグリシデート等のスト
ロベリー系香料、バニリン、エチルバニリン等のバニラ
系香料、γ−ウンデカラクトン等のピーチ系香料、γ−
ノナラクトン等のココナッツ系香料、イソアミルイソバ
リレート等のアップル系香料を挙げることができる。
【0029】前記防腐剤としては、たとえばp−ヒドロ
キシ安息香酸、安息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、
ギ酸、サリチル酸、ホウ酸、バニリン酸、p−またはo
−クロロ安息香酸、プロピオン酸、亜硫酸、トリクロロ
フェニル酢酸、p−ヒドロキシ安息香酸アルキル、塩化
ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルト
リメチルアンモニウム、塩化セチルピリジウム、塩化ジ
メチルジドデセニルアンモニウム、テトラメチルチウラ
ムジスルフィド、バニリン、エチルバニリン、フェノー
ルクレゾール、クロロチモール、メチルクロロチモー
ル、メチルクロロチモール、クロロブタノール、o−フ
ェニルフェノール、ジクロロフェン、p−クロロ−m−
キシレノール、p−クロロ−m−クレゾール、ジクロロ
−m−キシレノール、ペンタクロロフェノール、p−ク
ロロ−m−キシレノール、N,N−ジメチル−N’−フ
ェニル−サルファマイドなどを挙げることができる。
【0030】前記光安定剤としては、金属錯塩系、ヒン
ダードアミン系などを挙げることができる。
【0031】前記金属錯塩系としては、たとえばニッケ
ル[2,2’−チオビス(4−ターシャリオクチル)フ
ェノレート]ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチル
ジチオカルバメート、ニッケルビス[o−エチル−3,
5−(ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシベンジル)]
ホスフェート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフ
ェート、[1−フェニル−3−メチル−4−デカノニル
−ピラゾエート(5)2 ]ニッケルなどを挙げることが
できる。
【0032】前記ヒンダードアミン系としては、たとえ
ばビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−
4−)セバケート等が挙げられる。
【0033】前記防錆剤としては、有機系防錆剤および
無機系防錆剤などを挙げることができる。
【0034】前記有機系防錆剤としては、たとえばα−
メルカプトステアリン酸、α−(2−カルボキシフェノ
オキシ)ステアリン酸などカルボン酸系、ラウリル酸亜
鉛、リシノレン酸カルシウムなど金属石鹸系、石油スル
ホネート、ジアルキルナフタレンスルホネートカルシウ
ムなどのスルホン酸系、ポリアミンナフタレート、環状
ジアミンアルキレンカルボン酸アミドなどのアミン系、
ソルビタンモノオレエート、ペンタエリスリットモノオ
レエートなどエステル系の防錆剤などが挙げられる。
【0035】前記無機系防錆剤としては、たとえばジア
ルキルジチオリン酸亜鉛などリン酸塩系、イソプロピル
アミンナイトライドなど亜硝酸塩系の防錆剤などが挙げ
られる。
【0036】前記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノ
ン系、サリチレート系、ベンゾトリアゾール系、アクリ
ロニトリル系等が挙げられる。
【0037】前記ベンゾフェノン系としては、モノオキ
シ系たとえば2−ヒドロキシベンゾフェノン、ジオキシ
系たとえば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、トリ
オキシ系たとえば2,2’,4−トリヒドロキシベンゾ
フェノン、テトラオキシ系たとえば2,2’,4,4’
−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0038】前記サリチレート系紫外線吸収剤として
は、たとえばフェニルサリチレート、2,4−ジ−t−
ブチルフェニルサリチレート等が挙げられる。
【0039】前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤と
しては、たとえば(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾ
トリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−3’
−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0040】前記アクリロニトリル系紫外線吸収剤等と
しては、たとえばエチル−2−シアノ−3,3−ジフェ
ニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−
(パラメトキシ)アクリレート等が挙げられる。
【0041】前記水系溶媒は、水および/または水溶性
有機溶媒である。
【0042】前記水溶性有機溶媒としては、たとえば、
メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の一
価または多価のアルコール;エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジ
エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエ
ーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3
−メチル−3−メトキシブタノール等のグリコールエー
テル;エチレングリコールメチルエーテルアセテート、
エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールエチルエーテルアセテート、3−メチル−3
−メトキシブチルアセテート等のアセテート;トリエタ
ノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2
−(ジエチルアミノ)エタノール等のアルカノールアミ
ン類等を挙げることができる。
【0043】さらに、水と比較的任意の割合で混合する
有機溶媒たとえばケトン類、エーテル類等も使用するこ
とができる。前記ケトン類としては、ジメチルケトン、
ジエチルケトン、メチルエチルケトン等を挙げることが
でき、前記エーテル類としては、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン等を挙げることができる。
【0044】好ましい水系溶媒は、水、炭素数が1〜5
のアルコール、グリコールエーテルおよびこれらいずれ
か二種以上の混合溶媒である。
【0045】この発明の方法に使用される撥水剤液は将
来において開発される撥水剤を包含するものであるが、
好適な一例として、以下のような組成のシリコン化合物
含有液を挙げることができる。
【0046】たとえば、シリコン化合物として極性基を
有するシリコン化合物たとえばアミノ基含有ポリオルガ
ノシロキサンと、有機酸と、シリコン化合物として極性
基を有しないシリコン化合物たとえば25℃における粘
度が5〜300cSt、好ましくは10〜20,000
cSt、特に好ましくは10〜200cStであるポリ
オルガノシロキサン特にポリジメチルシロキサンと、水
系溶媒とを含有するシリコン化合物含有液を挙げること
ができる。この例におけるシリコン化合物含有液におけ
る各成分の割合は、シリコン化合物特に前記アミノ基含
有ポリオルガノシロキサン100重量部に対して、有機
酸特にカルボン酸が1〜50重量部、好ましくは5〜2
0重量部であり、ポリオルガノシロキサン特にポリジメ
チルシロキサンが1〜500重量部、好ましくは50〜
400重量部であり、水系溶媒が1,000〜300,
000重量部、好ましくは5,000〜200,000
重量部であり、特に好ましくは5,000〜100,0
00重量部である。各成分の割合を別の表現で規定する
と、極性基含有のポリオルガノシロキサン特にアミノ基
含有ポリオルガノシロキサンは、シリコン化合物含有液
全体に対してたとえば0.03〜10重量%、好ましく
は0.1〜5重量%で配合され、有機酸特にカルボン酸
は、シリコン化合物含有液全体に対してたとえば0.0
003〜4重量%で有り、好ましくは0.0015〜
1.6重量%であり、ポリオルガノシロキサン特にポリ
ジメチルシロキサンは、シリコン化合物含有液全体に対
してたとえば0.0003〜32重量%であり、好まし
くは0.017〜26重量%であり、水系溶媒は、シリ
コン化合物含有液全体に対してたとえば、61〜99.
97重量%であり、好ましくは88.5〜99.94重
量%である。この例において、各成分は全体に対して1
00%になるように、かつ所望の特性が顕現するよう
に、前記範囲の中から適宜の含有割合の数値が選択され
る。
【0047】この発明の方法に使用される撥水剤液たと
えばシリコン化合物含有液はたとえば以下のようにして
調製されることができる。
【0048】すなわちシリコン化合物含有液は、シリコ
ン化合物と他の成分とを混合することにより調製あるい
は製造することができる。
【0049】混合は、特に制限がなく、たとえば撹拌装
置、コロイドミル、ホモミキサー、ホモジナイザー、ア
ジホモミキサー、コンビミックス、サンドグラインダー
等の装置を使用して行なうことができる。また、この混
合は、二種以上の前記装置を組み合わせて行うこともこ
ともできる。なお、この混合は、常温下で行なっても良
いし、加熱下で行なっても良い。
【0050】−操作− この発明の方法は、撥水剤液を用いて操作されるのであ
るが、説明の便宜上撥水剤液としてシリコン化合物含有
液を例にして、以下、この発明の方法について説明す
る。すなわち、塗装面にこのシリコン化合物含有液を噴
霧する。この場合、塗装面は、撥水性を要求する塗装面
であればどのような対象物の塗装面であっても良く、た
とえば、自動車、列車、航空機等の乗り物の塗装面、建
築物等の外装塗装面等が挙げられる。この発明の方法が
もっとも手軽にかつ効果的に実施されるのは自動車の塗
装面に対してである。
【0051】このシリコン化合物含有液が噴霧される塗
装面は、乾燥状態であっても良いのであるが、湿潤状
態、特に水被膜が形成された状態になっているのが好ま
しい。このような好ましい状態を実現するには、たとえ
ば乾燥した塗装面を水洗した後直ちに実施するのが良
い。この発明の方法を実施するに当たり塗装面が湿潤状
態あるいは水濡れ状態であっても良く、むしろそのよう
な状態であるのが好ましいことは、たとえば自動車の塗
装面に撥水性を付与する従来の操作(ワックス掛け)と
比較すると、この発明の方法は極めて特異であることが
強調される。
【0052】すなわち、従来の自動車の塗装面をワック
ス掛けするには、晴天下あるいは曇天下のように雨天で
はない屋外で操作するか、雨天であるときには屋内たと
えばガレージ内で操作しなければならなかったところ、
この発明の方法は、雨天下においても実施することがで
き、むしろ雨天下であれば塗装面を水濡れ状態にする操
作を省略することができて好都合である。といってこの
発明の方法は雨天下での実施に限定されるものではな
く、晴天下あるいは屋内でも実施することができる。よ
って、この発明の方法は雨天晴天を選ばず、また屋外屋
内を選ばずに実施することができるという、操作性にお
いて一つの顕著な技術的効果がある。他の技術的効果の
点から言うと、その塗装面が湿潤状態もしくは水濡れ状
態であると、噴霧された撥水剤液たとえばシリコン化合
物含有液が水被膜中に混合され、撥水成分たとえばシリ
コン化合物が水被膜中を拡展ないし展張し、塗装面に静
電的に吸着されて撥水性が塗装面に均一に直ちに付与さ
れる。また、シリコン化合物含有液中のシリコン化合物
が極性基を含有するシリコン化合物であると、水との相
溶性に優れるので、この点においても、塗装面に、シリ
コン化合物含有液の塗布連続相を迅速にかつムラなく形
成することができる。
【0053】この発明の方法では、塗装面に、撥水剤液
を噴霧する。この噴霧は、通常、噴霧装置(たとえばト
リガー式ハンドスプレイ装置)を使用して行うことがで
きる。もっとも、噴霧状態を現出することのできる装置
であれば別にスプレイ装置を使用する必要はなく、他の
適宜の噴霧装置を採用することができる。
【0054】この撥水剤液たとえばシリコン化合物含有
液は塗装面に均一に噴霧されることが望ましい。塗装面
が湿潤状態あるいは水濡れ状態であれば、この撥水剤液
たとえばシリコン化合物含有液がたとえ不均一に噴霧さ
れたとしても、塗装面上に形成されている水被膜中を、
撥水剤中の撥水成分たとえばシリコン化合物が拡展ない
し展張して遂にはその塗装面に撥水性を付与するに到る
のであるが、多少の時間がかかる。
【0055】したがって、迅速に塗装面に撥水性を付与
するには、塗装面に均一にこの撥水剤液たとえばシリコ
ン化合物含有液を噴霧するのが好ましい。
【0056】塗装面に均一にこの撥水剤液たとえばシリ
コン化合物含有液を噴霧するには、たとえば前記噴霧装
置と塗装面との間隔を、噴霧装置から噴射されたシリコ
ン化合物含有液が液滴として到達するに十分な間隔に調
整するのが良い。もっとも、この発明の方法において
は、後述する水と噴射された撥水剤液たとえばシリコン
化合物含有液とで塗布連続相が形成されるのであれば良
く、塗布連続相が形成されるのであれば、撥水剤液たと
えばシリコン化合物含有液を塗装面にかなり近接して噴
射しても良く、また、ある程度の距離をもって噴射して
も良い。
【0057】実際的には、この撥水剤液たとえばシリコ
ン化合物含有液を塗装面に噴霧する際、噴射装置と塗装
面との間隔は、たとえばトリガー式ハンドスプレイ装置
を用いて噴霧する場合には、短くても10cm程度、好
ましくは10〜50cmとするのが望ましい。
【0058】なお、撥水剤液たとえばシリコン化合物含
有液を塗装面に噴霧する際に、その撥水剤液たとえばシ
リコン化合物含有液の粘度は1〜100cSt、好まし
くは1〜30cStに調整されているのが望ましい。こ
れらの粘度が100cStを超えると、噴霧性が悪くな
り、また塗装面に付着した撥水剤液たとえばシリコン化
合物含有液の拡展性または展張性(表面上を液体が広が
る性質)が悪くなり、水を添加したとしてもムラが生
じ、また1cSt未満であると塗装面との吸着性が悪く
なり、撥水性が得られなくなる。
【0059】撥水剤液たとえばシリコン化合物含有液の
噴霧された塗装面に、次いで、水が添加される。この水
の添加により、塗装面に噴霧された撥水剤液が水中に取
り込まれて塗装表面上に撥水剤液含有の被膜層が迅速に
形成され、この被膜層中で撥水成分たとえばシリコン化
合物が拡散し、しかもこの被膜層を連続相にすることに
より撥水剤たとえばシリコン化合物を含有する塗布連続
層が形成される。この塗布連続層により、撥水効果を与
える化合物たとえばシリコン化合物の分子膜が塗装面に
形成される。このシリコン化合物の分子膜の形成と同時
に、シリコン化合物によりそれまで連続層を形成してい
た水系の被膜が破壊され、水玉が形成される。
【0060】この撥水剤液たとえばシリコン化合物含有
液を塗装面に噴霧した後、その塗装面に直ちに水を添加
しても良く、また、撥水剤液たとえばシリコン化合物含
有液を塗装面の全面に噴霧してから水をその塗装面に添
加しても良い。また、塗装面に、撥水剤液たとえばシリ
コン化合物含有液を噴射してからその噴射面に水を噴射
し、次いで他の未噴射面に撥水剤液たとえばシリコン化
合物含有液を噴射してからその噴射面に水を噴射すると
いうように、塗装面に撥水剤液たとえばシリコン化合物
含有液と水とを交互に噴射することにより塗装面全面に
撥水剤液たとえばシリコン化合物含有液と水とを添加し
ても良い。この発明の方法では、噴霧された撥水剤液た
とえばシリコン化合物含有液と水とで塗布連続相を形成
することが重要であるから、撥水剤液たとえばシリコン
化合物含有液を噴霧してから若干の間を置いてから、た
とえば噴霧後1秒位の時間を置いてから水を添加するほ
うが、撥水性化合物たとえばシリコン化合物の十分な展
張を行う上で好ましい。
【0061】この発明の方法においては、撥水剤液たと
えばシリコン化合物含有液とこれに添加される水との相
互作用が重要である。すなわち、この発明の方法におけ
る現象を微視的に見ると、この塗装面に噴霧された撥水
剤液たとえばシリコン化合物含有液は、その後に添加さ
れる水により形成された塗装面上の水被膜と先ず一体化
し、次いで、その水被膜中を撥水剤液たとえばシリコン
化合物含有液が均一に展張し、これによって撥水性化合
物たとえばシリコン化合物が水被膜中を均一に拡散し、
この撥水性化合物たとえばシリコン化合物含有の塗布連
続層が形成されると同時に、撥水性被膜たとえばシリコ
ン被膜が塗装面に吸着し、同時に水が凝集して水玉が形
成されることになる。換言すると、添加される水は、塗
装面に噴霧された撥水剤液たとえばシリコン化合物含有
液を展張ないし拡散させ、撥水性化合物たとえばシリコ
ン化合物を含有する塗布連続層を形成する助剤としての
作用を発揮し、撥水性化合物たとえばシリコン化合物を
含有する塗布連続層は、それまで形成された水被膜を破
壊して水被膜を水玉に変容させる作用を発揮するのであ
る。つまり、この発明の方法によると、撥水剤液たとえ
ばシリコン化合物含有液の噴霧とその後の水の添加によ
り、塗装面上で形成された水連続層が撥水性化合物たと
えばシリコン化合物を含有する連続層へ転換する層転換
が実現されるのである。したがって、この発明の方法に
おいては、撥水剤液たとえばシリコン化合物含有液を噴
霧した後に添加される水は、塗装面を洗浄する単なる洗
浄水とは全く異なり、大きく区別される。
【0062】特に、撥水剤液たとえばシリコン化合物含
有液中のシリコン化合物が極性基を有するシリコン化合
物であるときには、塗装面上で形成されたシリコン化合
物含有連続層が、極性基を介して塗装面中の極性基と静
電的に結合するので、そのシリコン化合物含有連続層は
長期間に亙って安定に撥水性を発揮する。
【0063】この発明の方法は、撥水剤液たとえばシリ
コン化合物含有液の噴霧と水の添加とが重要な要素であ
り、その結果として水被膜層と撥水性化合物たとえばシ
リコン化合物を含有する塗布連続層との層転換が実現さ
れることを本質とする。また、このことは、この発明の
方法は、撥水剤液たとえばシリコン化合物含有液を塗装
面に塗布した後は、拭き取りや乾燥等の操作を必要とす
ることなく水の添加操作だけであり、しかも水を添加し
た後はその水自体が撥水されるので、水添加後の拭き取
りあるいは乾燥を必要とすることのない、実に簡単な操
作で塗装面に撥水性を付与することができる方法なので
ある。
【0064】このような層転換を確実に行うには、水の
添加量は、噴霧された撥水剤液たとえばシリコン化合物
含有液が水により展張した塗布連続相を形成するに十分
な量であれば良い。すなわち、水を添加する態様によ
り、また塗布する撥水剤液の濃度、粘度等により、さら
に塗装面の形状や乾燥状態によっても左右されるが、た
とえば、撥水剤液と水とを交互に噴霧するという形態で
の水の添加においては、撥水剤液の量に対して水は同量
程度であれば良く(もちろん同量以上の水を噴霧しても
さしつかえない。)。また、撥水剤液を塗布面全面に塗
布してから、その塗布面に水を流下するようなときは、
多量の水、たとえば少なくとも20〜100容量倍の水
を添加しても良い。いずれにしても水を添加することに
より、撥水剤液たとえばシリコン化合物含有液が噴霧さ
れた塗装面において、均一なシリコン化合物含有の塗布
連続層を迅速に、かつ効果的に形成することができる。
なお、前記した以上の多量の水を添加したとしても、塗
装面に吸着されなかった余分の撥水剤は流出されるだけ
で、この発明の撥水処理の効果にはなんら影響はない。
【0065】この撥水性化合物たとえばシリコン化合物
を含有する塗布連続層の好適な形成は、前記水の量のみ
ならず、水を添加してから若干の時間たとえば少なくと
も1秒間そのまま放置することにより促進される。
【0066】
【実施例】以下、この発明を実施例により具体的に説明
する。なお、この実施例により、この発明は何ら限定さ
れることはない。
【0067】(実施例1〜5)各実施例について、以下
にそれぞれ示した成分を表示の割合で配合し、ホモジナ
イザーを用いて均一に混合することにより、シリコン化
合物含有液である撥水剤液を得た。得られた撥水剤液に
ついて、以下の方法に従って処理し、評価した。評価結
果を表1に示した。
【0068】<処理方法>水洗いされた後の濡れた状態
にある車両塗装基板(平成2年式トヨタカリーナEDの
ボンネット(ブラキッシュカーキメタリック))の全面
に、この撥水剤液を、トリガーポンプ(キャニヨン株式
会社製モデルT−7500)を用いて、このトリガーポ
ンプの噴射口から車両塗装基板までの距離を15cm程
になるようにして、噴霧量15cc/m2 で均一に噴霧
した。噴霧終了後、約2秒経過してから、この車両塗装
基板の表面一面に使用水量300cc/m2 で水を流下
させた。水の添加と同時に添加した水が水玉となった。
車両塗装基板上に存在する水玉は、この車両塗装基板を
傾斜すると、車両塗装基板上を容易に転動して、車両塗
装基板上から除去された。車両塗装基板を傾斜させるこ
とによって水玉を除去した後、この車両塗装基板の表面
を拭き取りもせず、自然乾燥のみでそのまま放置した。
【0069】<評価項目および評価内容> a)艶;艶の有無を目視により観察. b)ムラ;処理面内の艶の濃淡の差を目視にて観察. c)初期撥水性;水添加後に形成される水滴の形状を目
視にて観察. d)撥水持続性;所定時間(30秒、60秒、90秒)
かけて散水した後に水滴の形状を目視にて観察。
【0070】<評価基準> a)艶;〇・・・無処理と比較して艶が顕著にある. △・・・無処理と比較して艶がややある. ×・・・無処理と比較して艶が同じ程度か、劣ってい
る. b)ムラ;〇・・・均一で濃淡の差が殆どない. △・・・濃淡の差がわずかにある. ×・・・明らかに濃淡の差がある. c)初期撥水性および撥水持続性 〇・・・水滴の形状がほぼ球状である. △・・・水滴の形状が球状のものと不定形のものとが混
在する. ×・・・水滴の形状がほぼ不定形である。
【0071】<実施例1〜5の各処理剤の成分とその配
合割合>下記の成分とその配合割合の記載中「%」は
「重量%」を示し、「部」は「重量部」を示す。
【0072】・実施例1 (A)成分:アミノ基含有ポリオルガノ シロキサン 0.98%( 100部) 動粘度(25℃);1000cSt (B)成分:酢酸 0.10%( 10部) (C)成分:ポリジメチルシロキサン 0.98%( 100部) 動粘度(25℃); 20cSt (D)成分:エチルアルコール 97.94%(10000部) ・実施例2 (A)成分:アミノ基含有ポリオルガノ シロキサン 0.25%( 100部) 動粘度(25℃); 300cSt (B)成分:酢酸 0.01%( 5部) (C)成分:ポリジメチルシロキサン 0.05%( 200部) 動粘度(25℃); 100cSt (D)成分:水 86.84%(35000部) ジエチレングリコールメチルエーテル 12.40%( 5000部) ・実施例3 (A)成分:アミノ基含有ポリオルガノ シロキサン 1.51%( 100部) 動粘度(25℃);1000cSt (B)成分:コハク酸 0.30%( 20部) (C)成分:ポリジメチルシロキサン 7.55%( 500部) 動粘度(25℃); 250cSt (D)成分:水 45.32%( 3000部) グリセリン 45.32%( 3000部) ・実施例4 (A)成分:アミノ基含有ポリオルガノ シロキサン 0.12%( 100部) 動粘度(25℃); 300cSt (B)成分:シュウ酸 0.04%( 30部) (C)成分:ポリジメチルシロキサン 0.37%( 300部) 動粘度(25℃); 50cSt (D)成分:2−プロパノール 99.47%(80000部) ・実施例5 (A)成分:アミノ基含有ポリオルガノ シロキサン 0.07%( 100部) 動粘度(25℃);1000cSt (B)成分:乳酸 0.04%( 40部) (C)成分:ポリジメチルシロキサン 0.28%( 400部) 動粘度(25℃); 100cSt (D)成分:水 71.15%(100000部) 2−プロパノール 28.47%( 80000部) (実施例6)前記実施例1と同様の組成を有する撥水剤
液を調製し、予め乾燥させた車両塗装基板の表面に前記
撥水剤液を均一に噴霧し、前記実施例1と同様の処理を
した。実施例1では濡れた塗装面に撥水剤液を噴霧する
に対し、この実施例6では乾燥した塗装面に撥水剤液を
噴霧する。処理後の車両塗装基板につき前記実施例1に
おけるのと同様の方法で評価した。評価結果を表1に示
した。
【0073】(実施例例7)前記実施例1と同様の組成
を有する撥水剤液を調製し、前記実施例1におけるのと
同様に車両塗装基板の表面に前記撥水剤液を均一に噴霧
し、噴霧したのと同量の水を添加し、前記実施例1と同
様の処理をした。
【0074】乾燥後の車両塗装基板につき前記実施例1
におけるのと同様の方法で評価した。なお、初期撥水性
は、拭き取り後の車両塗装基板の表面に水を散布し、そ
の表面に形成される水滴の状態を目視により評価した。
評価結果を表1に示した。
【0075】(比較例1)前記実施例1と同様の組成を
有する撥水剤液を調製し、予め乾燥させた車両塗装基板
の表面に前記塗装面処理剤を均一に噴霧し、水を添加す
ることなくその噴霧された塗装面を布で拭き取った。こ
の比較例では、塗装面処理剤を噴霧した後に水を添加し
ないという点において、この発明の方法と相違する。
【0076】拭き取り後の車両塗装基板につき前記実施
例1におけるのと同様の方法で評価した。なお、初期撥
水性は、拭き取り後の車両塗装基板の表面に水を散布
し、その表面に形成される水滴の状態を目視により評価
した。評価結果を表1に示した。
【0077】(比較例2)前記実施例1と同様の組成を
有する撥水剤液を調製し、前記実施例1におけるのと同
様に車両塗装基板の表面に前記撥水剤液を均一に噴霧
し、水を添加した後にドライヤーで乾燥空気を吹き付け
て強制的に乾燥させた。この比較例では、水を添加した
後に自然乾燥せずに強制乾燥をしたという点においてこ
の発明の方法と相違する。
【0078】乾燥後の車両塗装基板につき前記実施例1
におけるのと同様の方法で評価した。なお、初期撥水性
は、拭き取り後の車両塗装基板の表面に水を散布し、そ
の表面に形成される水滴の状態を目視により評価した。
評価結果を表1に示した。
【0079】(比較例3)前記実施例1と同様の組成を
有する撥水剤液を調製し、車両塗装基板の表面に水を流
したまま前記撥水剤液を均一に噴霧し、噴霧終了と同時
に水を流すのを停止した。この比較例では、撥水剤液を
塗装面に噴霧した後に、水を流すことを停止するという
ことで水の添加を停止したと言う点において、この発明
の方法と相違する。
【0080】処理後の車両塗装基板につき前記実施例1
におけるのと同様の方法で評価した。なお、初期撥水性
は、拭き取り後の車両塗装基板の表面に水を散布し、そ
の表面に形成される水滴の状態を目視により評価した。
評価結果を表1に示した。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】この発明によると、簡単な操作で短時間
で塗装面に撥水性を付与することのできる塗装面処理方
法を提供するができる。この発明によると、撥水剤を塗
装面に付与した後に拭き取り操作あるいは強制的な乾燥
操作を必要とすることなく単に自然乾燥するだけで塗装
面に撥水性を短時間の内に付与することのできる塗装面
処理方法を提供することができる。この発明によると煩
雑な操作をすることなく簡単な操作(噴霧操作および水
添加操作)で塗装面に撥水性を付与することができる塗
装面処理方法を提供することができる。この発明による
と、撥水剤を塗装面に付与した後に水を作用させるだけ
で簡単にかつ迅速に塗装面に撥水性を付与することので
きる塗装面処理方法を提供するができる。この発明によ
ると雨天下であっても良好に撥水性を付与することので
きる塗装面処理方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/18 104 C09K 3/18 104

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撥水剤液を塗装面に噴霧し、噴霧された
    塗装面に塗擦することなく水を添加して撥水剤液の塗布
    連続相を形成し、前記塗布連続相の形成後に自然乾燥す
    ることを特徴とする塗装面処理方法。
  2. 【請求項2】 前記撥水剤液を塗装面に噴霧してから直
    ちにまたは噴霧されたその塗装面の乾燥前に水を噴霧す
    る前記請求項1に記載の塗装面処理方法。
  3. 【請求項3】 前記撥水剤液の塗装面への噴霧と水の塗
    装面への噴霧とを交互に行う前記請求項1に記載の塗装
    面処理方法。
  4. 【請求項4】 前記撥水剤液を噴霧した塗装面に水を流
    下する前記請求項1に記載の塗装面処理方法。
  5. 【請求項5】 前記撥水剤液を噴霧するその塗装面が予
    め水で濡れてなる前記請求項1〜4のいずれかに記載の
    塗装面処理方法。
  6. 【請求項6】 前記撥水剤液の噴霧された塗装面に添加
    される水の量は、塗布連続相の形成可能な量である前記
    請求項1〜5のいずれかに記載の塗装面処理方法。
  7. 【請求項7】 前記撥水剤液が親水性である前記請求項
    1〜6のいずれかに記載の塗装面処理方法。
  8. 【請求項8】 前記撥水剤液がシリコン化合物含有液で
    ある前記請求項1〜7のいずれかに記載の塗装面処理方
    法。
  9. 【請求項9】 前記撥水剤液が極性基を有するシリコン
    化合物含有液である前記請求項1〜8のいずれかに記載
    の塗装面処理方法。
  10. 【請求項10】 前記極性基がアミノ基、カルボキシル
    基、水酸基、アルコキシ基およびポリエーテル基よりな
    る群から選択される少なくとも一種である前記請求項9
    に記載の塗装面処理方法。
  11. 【請求項11】 前記シリコン化合物含有液が水系溶媒
    をベースとする液である前記請求項8〜10のいずれか
    に記載の塗装面処理方法。
JP32915095A 1995-12-18 1995-12-18 塗装面処理方法 Abandoned JPH09164365A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32915095A JPH09164365A (ja) 1995-12-18 1995-12-18 塗装面処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32915095A JPH09164365A (ja) 1995-12-18 1995-12-18 塗装面処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09164365A true JPH09164365A (ja) 1997-06-24

Family

ID=18218204

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32915095A Abandoned JPH09164365A (ja) 1995-12-18 1995-12-18 塗装面処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09164365A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006122757A (ja) * 2004-10-26 2006-05-18 Matsushita Electric Works Ltd シリコーン樹脂塗膜の形成方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006122757A (ja) * 2004-10-26 2006-05-18 Matsushita Electric Works Ltd シリコーン樹脂塗膜の形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5346640A (en) Cleaner compositions for removing graffiti from surfaces
JP3523950B2 (ja) 車両塗装面用処理剤
US6281189B1 (en) Soyate containing compositions
DE112012001495T5 (de) Zusammensetzungen und Verfahren zur Behandlung von Automobiloberflächen
EP2240561B1 (en) Rinse aid compositions with improved characteristics
US6221833B1 (en) Cleaning and surface treatment compositions containing silcone oils
US6838492B2 (en) Scented paints, paint scenting additive mixtures and processes for producing scented paints
TW201038501A (en) Scratch masking coating for glass containers
US5913969A (en) Water based paint protectant
DE60129804T2 (de) Hydrophobierende mikro-emulsionen
JPH06506496A (ja) 低揮発性有機化合物の洗浄組成物及び方法
JP2003206478A (ja) 水性硬表面用撥水コート剤
JP4158125B2 (ja) 織物柔軟化剤組成物中での選択されたポリジオルガノシロキサン類の使用
JPH09164365A (ja) 塗装面処理方法
JP3686125B2 (ja) 自動車のウインドガラス用撥水剤およびウインドガラスの撥水方法
JP4334260B2 (ja) 光沢撥水付与組成物、その製造方法及び自動塗布方法
US5073407A (en) Method of treating a surface
JP6809837B2 (ja) 車両コーティング剤の塗布方法及び塗布装置
CN109825381A (zh) 一种汽车干洗清洁养护剂组合物及其制备方法
JP2005028337A (ja) 車輌用撥水剤の塗布方法
JP2826099B2 (ja) 硬質表面用液体洗浄剤組成物及び硬質表面の清浄方法
JP5300617B2 (ja) カーポリッシュ
JP2006328158A (ja) タイヤの水性艶出し組成物
RU2068865C1 (ru) Состав для чистки и полировки лакокрасочных покрытий
JP4010605B2 (ja) ガラス表面処理剤及びそのガラス表面処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050812

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050926

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060317

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A762 Written abandonment of application

Effective date: 20060515

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762