JPH09163476A - 骨伝導音声利用の通話装置 - Google Patents

骨伝導音声利用の通話装置

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JPH09163476A
JPH09163476A JP31619695A JP31619695A JPH09163476A JP H09163476 A JPH09163476 A JP H09163476A JP 31619695 A JP31619695 A JP 31619695A JP 31619695 A JP31619695 A JP 31619695A JP H09163476 A JPH09163476 A JP H09163476A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受話用イヤホンの微振動が圧電素子に伝わる
のを可及的に抑制できる骨伝導音声利用の通話装置を提
供する。 【解決手段】 人の耳部に接触する状態に装着される第
1ハウジング1と、その第1ハウジング1内に収納され
て、前記耳部に伝わる骨伝導音声を検出する圧電素子1
2とが備えられた骨伝導音声ピックアップ部VPと、前
記耳部に装着される第2ハウジング6と、その第2ハウ
ジング6内に収納されて、前記耳部内方側に音声を放出
する受話用イヤホン8とが備えられたイヤホン部SPと
が設けられ、第1ハウジング1と、第2ハウジング6と
が二股状に連なる状態に構成されている骨伝導音声利用
の通話装置において、第2ハウジング6内に、その第2
ハウジング6の内面及び受話用イヤホン8における第2
ハウジング6内方側の面に密着する状態で、機械的振動
を吸収する制振部材VAが装填されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人の耳部に接触す
る状態に装着される第1ハウジングと、その第1ハウジ
ング内に収納されて、前記耳部に伝わる骨伝導音声を検
出する圧電素子とが備えられた骨伝導音声ピックアップ
部と、前記耳部に装着される第2ハウジングと、その第
2ハウジング内に収納されて、前記耳部内方側に音声を
放出する受話用イヤホンとが備えられたイヤホン部とが
設けられ、前記第1ハウジングと、前記第2ハウジング
とが二股状に連なる状態に構成されている骨伝導音声利
用の通話装置に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる骨伝導音声利用の通話装置は、人
の耳部に伝わる骨伝導音声を、圧電セラミック素子等の
圧電素子にて電気信号に変換して検出して送話に利用
し、又、受話用イヤホンを受話に利用して、他者との通
話を行うための装置である。人の音声を検出する構成と
しては、人の口もとに、例えばエレクトレットコンデン
サ型等のマイクを配置して検出するのが一般的である
が、例えばトランシーバや携帯電話としての用途のため
に屋外で使用する場合等では、外部騒音の混入のため
に、人の音声を的確に検出することができない場合が多
い。そこで、人に耳部への骨伝導音声を、伝達された振
動を圧電素子にて電気信号に変換することによって検出
し、外部騒音の影響を受けにくくした状態で音声を検出
するようにしている。又、上記圧電素子を第1ハウジン
グ内に備えた構成の骨伝導音声ピックアップ部と、受話
用イヤホンを第2にハウジング内に備えた構成のイヤホ
ン部とを連結して、一体的に耳部に装着可能として、通
話装置のコンパクト化をも図っている。
【0003】ところで、このように圧電素子を収納する
第1ハウジングと受話用イヤホンを収納する第2ハウジ
ングとを連結して構成すると、受話信号による受話用イ
ヤホンの機械的微振動が圧電素子に伝わって、通話の相
手側に送り返され、いわゆるエコーやハウリングが発生
する場合がある。このため、従来、圧電素子を収納した
第1ハウジングと受話用イヤホンを収納した第2ハウジ
ングとを二股状に連なるように構成し、受話用イヤホン
の微振動が圧電素子に伝わりにくくなるようにしてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成でも、受話用イヤホンの微振動が圧電素子に伝わ
るのを抑制するが効果は必ずしも十分ではなく、エコー
等を発生して通話品質を悪化させる場合があり改善が望
まれていた。本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、受話用イヤホンの微振動が圧電
素子に伝わるのを可及的に抑制する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記請求項1記載の構成
を備えることにより、第2ハウジング内に装填された制
振部材が、第2ハウジングの内面及び受話用イヤホンに
おける第2ハウジング内方側の面に密着して、受話信号
による受話用イヤホンの機械的微振動を吸収する。すな
わち、受話用イヤホンを微振動を吸収するのには、吸収
するための制振部材の体積を大きくするのが効果的であ
ること、及び、受話用イヤホンは必要な音量を確保する
ためにある程度大きいものとなり、第2ハウジングに
は、受話用イヤホンの内方側に比較大きな空間が存在す
ることに着目し、本来的に存在する空間を効率良く利用
しながら、受話用イヤホン自体の微振動及び受話用イヤ
ホンから第2ハウジングを介して伝わる微振動を効果的
に吸収することができる。従って、受話用イヤホンの微
振動が圧電素子に伝わるのを可及的に抑制でき、もっ
て、通話品質の向上を図ることができる。
【0006】又、上記請求項2記載の構成を備えること
により、制振部材は、弾性樹脂部材に比重が2以上の大
なる比重の金属粉末が混練されて形成されているので、
第2ハウジングの内面等との密着性が良好となると共
に、伝わってきた微振動により金属粉末の各粒子が振動
して熱エネルギーに変換してしまう等の作用により、単
に弾性樹脂部材のみで振動を吸収するよりも、一層効率
良く振動を吸収できる。又、上記請求項3記載の構成を
備えることにより、制振部材には、鉄の粉末が金属粉末
として弾性樹脂部材に混練されており、その鉄の粉末の
制振部材全体に対する重量比は、0.5以上で且つ0.
75以下となるようにしてある。すなわち、制振部材の
振動吸収能力は、混練する鉄の粉末の割合が大きいほど
高くなるが、過度に大きくすると制振部材が適正な形状
を維持できなくなるので、上記の如く鉄の粉末の重量比
を設定することで、適正な形状の維持と振動吸収能力の
向上との両立を図っているのである。
【0007】又、上記請求項4記載の構成を備えること
により、制振部材を第2ハウジング内に装填する際に、
制振部材における第2ハウジング内面との接触面に形成
された細溝形成箇所が姿勢変化することにより、制振部
材が第2ハウジング内に円滑に装填されるのを助長す
る。しかも、装填後においては、姿勢変化した細溝形成
箇所の元の姿勢への復元力により、制振部材の第2ハウ
イング内面に対する密着性が向上する。もって、制振部
材の第2ハウジング内への装填を容易にしながらも、制
振部材にて効率良く振動を吸収することができる。又、
上記請求項5記載の構成を備えることにより、受話用イ
ヤホンの配線は、制振部材に形成された配線挿通用の貫
通孔を挿通されて、受話用イヤホン側と骨伝導音声ピッ
クアップ部との連結側とに渡って取り回される。従っ
て、受話用イヤホンの配線が第2ハウジング外に出て、
他物に引っ掛けられる等して損傷してしまうのを防止で
き、しかも、配線挿通用の貫通孔内を挿通されるので配
線作業を容易なものとできる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の骨伝導音声利用の
通話装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。通話
装置は、図1(イ)に示すように、主に、人の耳部に伝
わる骨伝導音声を検出する骨伝導音声ピックアップ部V
Pと、通話の相手側の音声信号を音声に変換して耳部内
方側に放出するイヤホン部SPとからなっている。骨伝
導音声ピックアップ部VPには、後述のように人の耳部
に接触する状態に装着される第1ハウジング1と、その
第1ハウジング1内に収納されて、耳部に伝わる骨伝導
音声を検出する圧電素子としての圧電セラミック素子1
2とが備えられ、イヤホン部SPには、耳部に装着され
る第2ハウジング6と、その第2ハウジング6内に収納
されて、耳部内方側に音声を放出する受話用イヤホン8
とが備えられ、第1ハウジング1と第2ハウジング6と
は、二股状に連なる状態に構成されている。この通話装
置は、図4に斜線を付して示す、人の耳部の耳甲介腔部
Yに装着される。装着された状態は、図3に示す断面図
のようになり、第1ハウジング1が耳甲介腔部Yの底部
に接触して、人の耳部への骨伝導音声をそれの内部に収
納されている圧電セラミック素子12に伝える。
【0009】第1ハウジング1は、ウレタン樹脂や塩化
ビニル等で成形され、その第1ハウジング1内には、図
1(イ)及び図1(イ)のP−P断面図である図1
(ロ)に示すように、圧電セラミック素子12の他に、
電界効果型トランジスタ13と、その電界効果型トラン
ジスタ13を搭載するとともに、短冊状に形成した圧電
セラミック素子12の長手方向一端部を固定保持する基
板10とが備えられ、圧電セラミック素子12は、耳甲
介腔部Yの底面に沿う姿勢で、且つ、第1ハウジング1
内で振動自在に支持されている。第1ハウジング1内の
圧電セラミック素子12及び電界効果型トランジスタ1
3等は、シールドケース11に覆われており、外来ノイ
ズの回路への混入を防止している。圧電セラミック素子
12の存在箇所の周りの第1ハウジング1の形状も、そ
のような圧電セラミック素子12の姿勢に沿わせた形状
としてある。これにより、圧電セラミック素子12近傍
の第1ハウジング1と耳甲介腔部Yの底部B及び側部S
との接触面積を大きくすることができ、骨伝導音声の振
動を効果的に圧電セラミック素子12に伝えることがで
きる。
【0010】第2ハウジング6も、第1ハウジング1と
同様にウレタン樹脂や塩化ビニル等で成形され、その第
2ハウジング6内には、上記の受話用イヤホン8の他
に、制振部材VAが装填されて備えられている。制振部
材VAは、図5に示す形状に形成されており、図1
(イ)に示すように、第2ハウジング6の内面及び受話
用イヤホン8における第2ハウジング6内方側の面に密
着する状態で装填されている。制振部材VAには、図5
に示すように、第2ハウジング6の内面に接触する周面
に複数本の細溝30が形成され、又、制振部材VAの略
中央部分を貫通する状態で貫通孔31が形成されてい
る。細溝30は、細溝30の近傍箇所の弾性変形によ
り、制振部材VAを第2ハウジング6内への装填を容易
にし、且つ、装填後において制振部材VAと第2ハウジ
ング6の内面との密着性を向上させるものであり、貫通
孔31は、受話用イヤホン8への図示しない通信機器等
からの配線9を挿通させるためのものである。制振部材
VAの材質は、弾性樹脂部材であるシリコンゴムに金属
粉末が混練されたものであり、本実施の形態では、この
金属粉末として粉末状態での比重が略2.4の鉄の粉末
を用いており、制振部材VAの全重量に対する鉄の粉末
の重量比が0.5以上で且つ0.75以下の範囲に入る
ように混練してある。尚、弾性樹脂部材に混練する金属
粉末としては、鉄の粉末以外の金属粉末でも良いが、十
分な振動吸収効果を得るためには、粉末状態での比重が
2以上のものが望ましい。
【0011】圧電セラミック素子12を収納する第1ハ
ウジング1には圧電セラミック素子12収納側と反対側
の端部に縦方向の貫通孔が形成されており、その貫通孔
に第2ハウジング6の延長部6aが挿通して、嵌合状態
となっている。これにより、ハウジング1は、延長部6
aにほぼ縦軸芯周りに揺動自在に支持されて、上記の如
く二股状となっている。尚、この嵌合部の存在により、
受話用イヤホン8から、ハウジング1における耳甲介腔
部Yの底部に接触する先端部に収納される圧電セラミッ
ク素子12への振動伝達が抑制され、通話状態を良好に
維持するのに寄与する。第1ハウジング1の揺動幅は、
図1(ロ)に示すように、延長部6aに形成したストッ
パ面21と、ハウジング1の基端側外側面22との間隔
によって規定され、図1(ロ)に示す姿勢を中心にし
て、約±20°の揺動を可能としてある。尚、第1ハウ
ジング1の揺動軸芯となる延長部6a内の空間は、圧電
セラミック素子12への配線7及び受話用イヤホン8へ
の配線9の通路となっている。
【0012】この通話装置の回路構成は、図2に示すよ
うに、圧電セラミック素子12の出力電圧を、電界効果
型トランジスタ13にてインピーダンス変換及び増幅し
た後に出力する構成であり、又、圧電セラミック素子1
2への配線7と受話用イヤホンへの配線9とで一つの線
を共通線としてある。上記構成の通話装置を図3に示す
ように耳に装着した状態で、使用者が会話をすると、そ
の音声による振動が骨伝導音声として耳部に伝わり、そ
の振動によって圧電セラミック素子12が振動して、音
声信号に対応した電気信号に変換される。その電気信号
は、配線7及び図示しない通信機器を経由して、会話の
相手側に伝わり、その相手側が発した会話は、図示しな
い通信機器及び配線9を経由して受話用イヤホン8にて
音声に変換され、両者の間で外部騒音の影響を低減した
状態での会話を行える。
【0013】〔別実施形態〕以下、別実施形態を列記す
る。 上記実施の形態では、弾性樹脂部材としてシリコン
ゴムを採用しているが、ウレタンゴム等の種々の弾性樹
脂部材を用いても良い。 上記実施の形態では、圧電セラミック素子12を収
納する第1ハウジング1と、受話用イヤホン8を収納す
る第2ハウジング6とが、揺動可能な嵌合状態で二股状
となるように形成してあるが、第1ハウジング1と第2
ハウジング6とを一体成形し、固定連結した状態で二股
状に形成しても良い。
【0014】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる通話装置の構成図
【図2】本発明の実施の形態にかかる回路構成図
【図3】本発明の実施の形態にかかる装着状態の説明図
【図4】本発明の実施の形態にかかる耳の説明図
【図5】本発明の実施の形態にかかる制振部材の斜視図
【符号の説明】
1 第1ハウジング 6 第2ハウジング 8 受話用イヤホン 12 圧電素子 30 細溝 31 貫通孔 SP イヤホン部 VP 骨伝導音声ピックアップ部 VA 制振部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人の耳部に接触する状態に装着される第
    1ハウジング(1)と、その第1ハウジング(1)内に
    収納されて、前記耳部に伝わる骨伝導音声を検出する圧
    電素子(12)とが備えられた骨伝導音声ピックアップ
    部(VP)と、 前記耳部に装着される第2ハウジング(6)と、その第
    2ハウジング(6)内に収納されて、前記耳部内方側に
    音声を放出する受話用イヤホン(8)とが備えられたイ
    ヤホン部(SP)とが設けられ、 前記第1ハウジング(1)と、前記第2ハウジング
    (6)とが二股状に連なる状態に構成されている骨伝導
    音声利用の通話装置であって、 前記第2ハウジング(6)内に、その第2ハウジング
    (6)の内面及び前記受話用イヤホン(8)における前
    記第2ハウジング(6)内方側の面に密着する状態で、
    機械的振動を吸収する制振部材(VA)が装填されてい
    る骨伝導音声利用の通話装置。
  2. 【請求項2】 前記制振部材(VA)は、粉末状態での
    比重が2以上の金属粉末を混練した弾性樹脂部材にて構
    成されている請求項1記載の骨伝導音声利用の通話装
    置。
  3. 【請求項3】 前記金属粉末が鉄の粉末であり、前記制
    振部材(VA)に対する混練した前記金属粉末の重量比
    が0.5以上で且つ0.75以下である請求項2記載の
    骨伝導音声利用の通話装置。
  4. 【請求項4】 前記制振部材(VA)における前記第2
    ハウジング(6)の内面との接触面に細溝(30)が形
    成されている請求項1、2又は3記載の骨伝導音声利用
    の通話装置。
  5. 【請求項5】 前記制振部材(VA)に、前記受話用イ
    ヤホン(8)の存在側と、前記骨伝導音声ピックアップ
    部(VP)との連結側とを連通する配線挿通用の貫通孔
    (31)が形成されている請求項1、2、3又は4記載
    の骨伝導音声利用の通話装置。
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