JPH09159866A - 光結合装置用基板、光結合装置およびそれらの製造方法 - Google Patents

光結合装置用基板、光結合装置およびそれらの製造方法

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JPH09159866A
JPH09159866A JP34435895A JP34435895A JPH09159866A JP H09159866 A JPH09159866 A JP H09159866A JP 34435895 A JP34435895 A JP 34435895A JP 34435895 A JP34435895 A JP 34435895A JP H09159866 A JPH09159866 A JP H09159866A
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optical
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Si基板のV溝に光ファイバを高精度に安定
して実装できるようにする。 【構成】 Si基板1の表・裏面に、エッチング用マス
ク8、9を形成し、まず裏側を所定の深さまでエッチン
グし、その後両側から異方性エッチングを行って、(1
11)面6aを有する表側V溝6と裏側V溝7とを形成
し、両溝を連結させて貫通穴3を形成する。光ファイバ
2を表側V溝6に実装し、接着剤などにより固着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信において必
要とされる光導波路やLD・PD等の光部品と光ファイ
バとの高精度無調整結合用の実装用ガイド溝を有する基
板、該基板を用いた光結合装置およびそれらの製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光導波路やLD・PD等の光部品と光フ
ァイバの光軸無調整接続方式としては、水酸化カリウム
(KOH)などのアルカリ液を用いた異方性エッチング
によってSi基板にV溝を形成して、そのV溝によって
光ファイバを支持するSiのV溝光ファイバ用ガイドに
よる方法がある。
【0003】光ファイバ支持用のV溝をSi基板に形成
する際に、Si基板の<110>方向がV溝形成マスク
の縁方向に対して角度ずれを持っていると、形成される
V溝の幅が拡がる。この結果、V溝で支えられる光ファ
イバが下方に余分に沈み込むため、光ファイバと光導波
路などの光部品との光軸に位置ずれが生じる。これに対
して、マスクパターンを分割、あるいはマスクパターン
に凹凸を設けるることにより、角度ずれを補償する方法
が特開平7−35948号公報により提案されている。
すなわち、図9(a)に示すように、マスクパターンを
V溝形成マスク8aと細分化したり、図9(b)に示す
ように、V溝形成マスク8aの境界線に凹凸をつけるこ
とによって光ファイバ支持用の(111)面6aを不連
続にして、前記のV溝幅の拡がりによる光軸ずれを少な
く抑える方法である。
【0004】図9には、V溝の底に(100)面6cが
現れている状態が示されている。また、マスクの下には
光ファイバ支持用の(111)面6a以外の(111)
面6dも現れている。この方法でV溝が形成された基板
上に光ファイバ2を装着した状態を図10に示す。同図
において、32は、光ファイバ2と光結合される、L
D、光導波路などの光部品である。図10に示されるよ
うに、光ファイバ2は、V溝形成マスクの縁方向がSi
基板の<110>方向に対して角度ずれがある場合に
は、細分化されたV溝ブロック31の角の集合(細分化
V溝列)によって支持され、また角度ずれがない場合
(111)面6aによって支えられる。
【0005】図11は、従来の光ファイバのガイド用溝
への実装方法を示す断面図である。従来、同図に示され
るように、ガイド用のV溝6に熱硬化樹脂や紫外線硬化
樹脂などの接着剤を介して光ファイバ2を装着し、光フ
ァイバの上から荷重用ブロック(スペーサ)30などに
よって荷重をかけつつ、接着剤を硬化させて光ファイバ
をV溝に固定をしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図9に示した従来のV
溝形成方法では、以下に述べるような問題がある。一般
に、Siの異方性エッチングにおいては、エッチング深
さに比例して、図12に示すように、四角形パターンの
角が異方性エッチング用マスク8の下の(nn1)面2
1などのエッチングによって面取りされていくコーナー
アンダーカット(以下、コーナーカットという)と呼ば
れる現象がある。V溝マスクの角度ずれがない場合は光
ファイバは(111)面によって支えられるが、エッチ
ングの進行とともにコーナーカット量が大きくなると、
光ファイバを支持する(111)面の光ファイバに接す
る部分が(nn1)面による侵食の結果消滅してしまう
ため、光ファイバを安定に支えることができなくなる。
【0007】また、細分化したV溝列によって光ファイ
バを実装する場合であって、V溝形成マスクがSi<1
10>方向に対して角度ずれを持つ時には、マスクパタ
ーンの大きさが極端に大きくなければ、光ファイバは図
10に示す態様にて実装されるため、軸ずれ量は主とし
てコーナーカット量に依存し、コーナーカット量ととも
に大きくなる。
【0008】上記コーナーカット量を少なくするための
手段として、例えば、図13に示すように、エッチン
グ用マスク8の角にコーナーカット補償パターン部19
を設けたり、コーナーカットの進行速度そのものを遅
くするために、例えば異方性エッチングのエッチャント
であるKOHにイソプロピルアルコール(IPA)等の
アルコールを添加する方法がある。
【0009】しかし、のコーナーカット補償パターン
の方法のみでコーナーカットを補償しようとする場合に
は、補償パターンが非常に大きくなってしまう(例えば
IPA添加の場合の5倍強程度(それぞれKOH20w
t%、80°Cのエッチャントを用いる場合))ため、
V溝幅の値などによる制約から細分化V溝形成マスクの
設計自由度が低くなるという問題がある。
【0010】よって、のアルコール添加の方法を組み
合わせる必要が出てくるが、IPA等のアルコールを添
加すると、エッチングで現れる(100)面にマイクロ
ピラミッド(微細な突起)が発生し易くなる。このマイ
クロピラミッドが残っていると光ファイバをV溝に安定
に着座させることができないため、光ファイバと光導波
路の光軸を設計通りに調芯することができなくなるとい
う問題がある。
【0011】さらに、光ファイバを装着するためのV溝
を形成していく時、細分化V溝ブロックの上部でコーナ
ーカット補償パターン部の下部のSiがちょうど消滅し
た段階(本来のマスク8のコーナー部Aにまでエッチン
グが進行したとき)でも、ブロックのコーナー下部には
コーナーカット補償パターン部マスクの痕跡の残存Si
20が残される〔図13(a)、(b)〕。この補償パ
ターン部マスクの痕跡の残存Siが大きい場合、光ファ
イバを装着する際の障害になる。よって、これを消すた
めにさらにオーバーエッチングを行う必要がある。この
結果、コーナーカット量を完全に補償することができな
く、光軸ずれの要因となる。
【0012】また、従来の光ファイバ実装方法では次の
ような問題がある。接着剤の樹脂を硬化させる間、上か
らスペーサーなどによって荷重をかけて光ファイバをV
溝に押しつける必要があるために、スペーサーの形状の
精度が悪いと、光ファイバや基板とスペーサーの間に
「ガタ」が生じるため、 ・荷重の方向や大きさによっては光ファイバがずれやす
い、 ・同時に複数の光ファイバに均等に荷重をかけにくい、
など、信頼性に問題がある。
【0013】さらに、紫外線硬化樹脂を用いて光ファイ
バをV溝に固定する場合、光ファイバに紫外線光が散乱
・吸収される分、光ファイバとV溝の接着面に対する紫
外線の照射量が減るために、樹脂の硬化に要する時間が
余計にかかる。そのため、樹脂硬化中に光ファイバと光
導波路の光軸にずれが生じる可能性が高くなる。
【0014】本願発明は、以上の従来例の問題点に鑑み
てなされたものであって、その目的は、第1に、マイク
ロピラミッドや補償マスクに起因する残存Siなどが発
生することのないようにして、光ファイバのガイドV溝
への装着が妨害されることのないようにすることであ
り、第2に、ガイドV溝への光ファイバの装着を容易に
かつ高い精度で行いうるようにすることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による光結合装置用基板は、光部品と光学的
に結合される光ファイバが装着されるV溝が形成された
ものであって、このV溝の底部分は除去されて基板裏面
に通じる貫通穴が設けられていることを特徴としてい
る。
【0016】また、上記の目的を達成するための本発明
による光結合装置用基板の製造方法は、基板の表面上に
V溝形成用マスクを設け、該マスクを介して所定の深さ
まで異方性のエッチングを行って少なくとも光ファイバ
と接触する部分がV字形状となるように加工する工程を
有しており、前記エッチング工程の前または後もしくは
同時にに、エッチングの結果形成されるべきまたは形成
された溝の底部分を除去して貫通穴が形成されるように
する工程が付加されていることを特徴としている。
【0017】また、上記の目的を達成するための本発明
による光結合装置は、光ファイバが装着されるV溝が形
成された光結合装置用基板と、該光結合装置用基板のV
溝に装着された光ファイバと、該光ファイバと光学的に
結合された光部品とを有するものであって、前記光結合
装置用基板には前記V溝に沿って前記V溝の底部分を除
去する貫通穴が設けられていることを特徴としている。
【0018】また、上記の目的を達成するための本発明
による光結合装置の製造方法は、光ファイバが装着され
る貫通穴付V溝が形成され、表面に光部品が固着された
光結合装置用基板に光ファイバを接着する工程を有する
ものであって、前記貫通穴を介して真空吸着を行いなが
らあるいは接着剤を硬化するための紫外線を照射しなが
ら光ファイバを接着することを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】図1(a)、(b)は、本発明の
実施の形態を説明するための斜視図および断面図であ
る。本発明による光結合装置用基板を作製するには、図
1(a)に示すように、(100)面を主面とするSi
基板1の表面に、溝形成方向が<110>方向となるよ
うに、異方性エッチング用マスク8を形成する。マスク
8は、ストライプ形状のマスクとすることができるが、
図9(a)に示す細分化されたマスクや図9(b)に示
す凹凸のあるパターンとすることができる。図9
(a)、(b)に示すパターンのマスクを用いる場合、
さらに図13に示すようなコーナーカット補償パターン
部を付加することができる。
【0020】エッチングマスクの材料としては、単層も
しくは多層金属膜または合金膜、熱酸化SiO2 膜、C
VDSiO2 膜、CVDSi34 膜等を用いることが
できる。マスクを形成した後、KOHを用いてSi基板
1をエッチングする。エッチャントとしてIPAを添加
したものを用いることができる。V溝6が、光ファイバ
を(111)面で保持できる深さに形成された段階で、
エッチングを中止する。この状態ではV溝6の断面形状
は台形状であって未だは完全なV字状とはなっていな
い。ここで、基板表面側からのエッチング深さを浅く限
定しているのは、深いエッチングをすることによって、
((111)面方向の)サイドエッチングによるV溝幅
拡大や、V溝の細分化をした場合のコーナーカット量が
大きくなるのを避けるためである。
【0021】台形形状のV溝を形成した状態では、V溝
6の底面にはマイクロピラミッド18が形成されていた
り、またマスクにコーナカット補償パターン部が付加さ
れたパターンのマスクを用いた場合には、補償パターン
の痕跡を示す残存Si(図示なし)が形成される可能性
があり、光ファイバの装着が妨害される可能性がある。
そこで、本発明においては、V溝(台形状溝)の底部を
除去して、マイクロピラミッドや残存Siを除去する。
【0022】V溝の底部の除去方法としては、以下の手
段を用いることができる。 図1(a)に示す状態に加工した後、ダイシングソ
ーなどの機械的手段を用いて図1(b)に示すように貫
通穴3を形成する。図1(b)において、16が貫通穴
によるSiの除去部分である。 基板表面からのエッチングに先だって基板裏面から
エッチング後のV溝の底部が到達する深さの穴を予め開
けておく。 基板裏面にもエッチングマスクを形成し、基板裏面
側からもエッチングを行う。
【0023】図2は、基板裏面側からもエッチングを行
った場合の断面図である。図2に示す例では、基板表面
にはコーナーカット補償パターン部19を有する異方性
エッチング用マスク8形成し、また基板裏面側に異方性
エッチング用マスク9を形成してエッチングを行い、表
側V溝6と裏側V溝7とを形成しこれにより貫通穴を形
成している。表側V溝6のみを形成する場合には、V溝
6の底部には(100)面6cが現れまた底部のコーナ
ー部にはマスクの痕跡の残存Si20が形成されるが、
これらは裏面側からのエッチングにより除去される。
【0024】貫通穴によって裏面側に通じるV溝6の形
成が終了した後、図1(b)に示すように、V溝6を光
ファイバ2を搭載し接着剤(図示なし)を用いて接着す
る。この場合、マイクロピラミッド18や補償パターン
部マスクに起因する残存Siなどは最早存在していない
ので、光ファイバを安定して着座させることができる。
この接着工程において、貫通穴3を通して基板1の裏面
1b方向から吸気することができる。これによって、光
ファイバ2は表側V溝6の(111)面に押しつけら
れ、吸着される。この状態は、光ファイバを単にV溝に
載せただけの状態よりも安定であるので、この状態でV
溝に接着固定することによってより高精度に光ファイバ
を実装することが可能になる。
【0025】図3、図4は、光ファイバの他の実装方法
を示す断面図である。図3に示すように、光ファイバ固
着用の接着剤に紫外線硬化樹脂10を用い、基板裏面側
から貫通穴3を通して紫外線11を照射して光ファイバ
の固着を行うことができる。この方法によれば、基板裏
面から照射される紫外線は光ファイバに散乱または吸収
されることがないため、裏面からの紫外線照射によりあ
るいは表面からの照射を併用することによって紫外線硬
化樹脂をより短時間で硬化させることができ、作業性を
向上させることができる外、接着工程中における光ファ
イバの位置ずれの起こる可能性を低くすることができ
る。
【0026】また、図4に示すように、偏波保存光ファ
イバ12を表側V溝6に実装する場合において、基板の
貫通穴3を通して基板裏面方向からコヒーレントあるい
はインコヒーレントな照明光13を照射する。その結果
得られる偏波保存ファイバ12の透過光14の強度分布
像15を基板表面1a側において観察すると、この透過
像は偏波保存ファイバ12の光軸回りの回転変位によっ
て変化する。このため、例えば基板面に対して垂直ある
いは平行方向などの所望の偏波方向に対する透過光強度
分布を予め観察して知っておくことによって、以降の偏
波保存光ファイバ実装においては、偏波保存ファイバ導
波光パワーの測定によるモニタリングをすることなく、
透過光強度分布観察によって簡便に偏波方向を合わせる
ことができる。この方法による偏波保存光ファイバの偏
波方向の調整では、表裏を反転して基板の基板表面1a
方向から照明光を入射して裏面1b方向から観察すると
いう構成でも可能である。
【0027】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。図5、図6は、この発明の光結合装
置を光ファイバ用V溝と石英ガラス系の光導波路を同一
Si基板上に形成することによって構成する場合におい
て、V溝底面部に設ける基板の貫通穴をSi基板の両面
からの異方性エッチングによって形成する方法を用いる
場合の工程を、工程順に示したものである。まず、図5
(a)に示すように、Si基板1上に、表面1aと裏面
1bにそれぞれ異方性エッチング用マスク8、9を設け
る。裏側の異方性エッチング用マスク9の形成位置に関
しては、図5(a)のように、表面V溝に対応する基板
を挟んで反対側の部分にのみ設ければよい。すなわち、
裏面からのエッチングによってつくられる表面と反対向
きの裏側V溝7が表側V溝6とつながることによって貫
通穴ができて、光ファイバが置かれるべき部分の(10
0)面が除去され、かつV溝底部に残存するコーナーカ
ット補償パターンの痕跡の残存Siが、オーバーエッチ
ングによる深いエッチングをすることなく除去できるよ
うな位置に設ける。
【0028】このマスクは異方性エッチングにKOHな
どのアルカリ溶液をエッチャントとして用いる場合、例
えばKOHに対してエッチングされにくいタングステン
シリサイド(WSi)やAuなどを用いればよい。石英
ガラス系の光導波路を同一基板上に設けるのでない場合
には、単なる光ファイバガイド用のV溝形成のための異
方性エッチングのマスクとしてならば、Siの熱酸化膜
を用いることも可能である。なお、表側と裏側の異方性
エッチング用マスク8、9の形成する手段としては、マ
スク形成材料層を形成した後に、例えばフォトレジスト
を塗布してから両面マスクアライナなどを用いて露光し
パターン形成を行えばよい。
【0029】石英ガラス系光導波路をSi基板上に形成
する場合には、次に、図5(b)に示すように、異方性
エッチング用マスク8、9を形成後の基板の表面1a
に、クラッド4とコア5からなる石英ガラス系の光導波
路を形成する。この光導波路は次のようにして形成する
ことができる。例えばAP−CVD法や火炎堆積法によ
って石英ガラス系材料からなる下層クラッド4bと光導
波路コア材料層を堆積し、コア材料層をフォトリソグラ
フィ法および反応性イオンエッチング(RIE)によっ
てパターンニングして光導波路コア5を形成した後、下
層クラッドと同様の方法で上層クラッド4aを堆積す
る。次に、光導波路形成用マスク40を上層クラッド4
aの上に形成する。このマスク40は、図5(c)、図
5(c′)に示すように、光ファイバガイド用のV溝を
形成する位置を避けて、光導波路上層クラッドのうち残
したい部分の上部に形成すればよい。
【0030】次に、図6(d)に示すように、裏側の異
方性エッチング用マスク9を用いて基板の裏面から適当
な深さにエッチングをする。この時、Si基板の表面1
aでは、Siが露出していないので、まだエッチングを
受けない。また、この時の裏面からの具体的なエッチン
グ深さの設定は、基板の厚さがT(μm)でかつ後工程
での両面エッチングの結果の表面からのエッチング深さ
がd(μm)である場合には、 T−2d(μm)程度 にすればよい。
【0031】その後、前記の光導波路端面形成用マスク
40を用いて、光導波路クラッド4と光導波路コア5か
らなる導波路層のエッチングを行い、図6(e)に示す
ように、光導波路部42に光導波路を形成する。光導波
路部42の端面には終端端面42aが形成される。な
お、石英ガラス系の導波路層の場合、上記のエッチング
は例えばバッファード弗酸を用いたウエットエッチング
や例えばCF系ガスを用いた反応性イオンエッチングに
よって行えばよい。この結果、基板の表面のV溝形成部
41ではSiが露出する。
【0032】更に、基板の両面から異方性エッチングを
行うことによって、図6(f)に示すように、表側V溝
6の下底部に貫通穴3が設けられる。この結果、V溝下
底部のうち光ファイバが横たわるべき部分17に(10
0)面が残っていない構造が実現される。したがって、
(100)面にマイクロピラミッドが形成されることが
あってもこれが残存することはなくなる。また、V溝を
細分化して形成した場合においても、V溝底部に残存す
べきコーナーカット補償パターン部マスクの痕跡の残存
Si20は除去される(図2参照)。
【0033】以上のようにSi基板のエッチングを2段
階で行うようにすれば、例えば基板厚さが500μmで
光ファイバ装着用の表側V溝の必要なエッチング深さが
60μmであるような場合、表面からと裏面からのエッ
チング深さを異ならせることができ、肝心の表側V溝6
のエッチングを必要以上に深くしてコーナーカットを大
きくしてしまうことは回避できる。
【0034】なお、上記の方法では、マイクロピラミッ
ドの発生する可能性のある(100)面が光ファイバの
横たわるべき部分において、かつV溝底部に残存するコ
ーナーカット補償パターン部マスクの痕跡の残存Si
が、オーバーエッチングをすることなく除去することが
できればよいのであるから、裏面からの異方性エッチン
グを行う位置について高い精度は必要ではない。
【0035】このようにして形成された光結合装置用基
板の斜視図を図7(a)に示す。次に、先に説明した方
法のうちの何れかの方法を用いて図7(b)に示すよう
にV溝に光ファイバを実装することになるが、貫通穴付
のV溝が形成された段階では、図7(a)に示されるよ
うに、、異方性エッチングによって現れるSi(11
1)面のうち、光導波路部の終端端面42aが縁となっ
ている(111)面6bが存在しているために、光ファ
イバ端を光導波路部の終端端面42aに完全に突き当て
ることができない。そこで、V溝に光ファイバを装着す
る前に、図8に示すように、V溝形成部41と光導波路
部42との間に、表側V溝よりも深い切削溝51をダイ
シングソー等で設ける。これにより、新たな光導波路部
の終端端面42bが形成される。
【0036】なお、Si基板上に形成する光導波路は石
英系ガラス光導波路に限ることなく、例えば、フッ素化
ポリイミド等の光導波路でもよいことは明らかである。
さらに、光ファイバと結合させる光部品は、光導波路以
外のレーザダイオードやフォトダイオード等であっても
よい。また、基板材料としては、異方性エッチングによ
ってV溝を形成することができればよいので、Siに代
えGaAsやInPを用いることができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による光結
合装置用基板は、光ファイバの装着されるV溝の底部に
残るべき(100)面を除去したものであるので、マイ
クロピラミッドは原理的に発生することがなく、また、
V溝底部に残存すべきコーナーカット補償パターン部マ
スクの痕跡の残存Siはオーバーエッチングによる深い
エッチングをすることなく除去することができる。よっ
て、本発明によれば、マイクロピラミッドやコーナーカ
ット補償パターン部マスクの痕跡の残存Siに邪魔され
ることなく、光ファイバを高精度にかつ安定に支持する
ことができるので、光導波路などの光部品と光ファイバ
の無調整結合方式の光結合装置において、量産性および
信頼性を兼ね備えた高効率の結合が可能となる。
【0038】また、本発明によれば、V溝に光ファイバ
を実装する際に基板の裏面から吸気することができるの
で、光ファイバに基板表面(V溝の上側)からスペーサ
ー等で荷重をかける必要がなくなり、簡易にかつ高精度
に実装することがが可能になる。さらに、基板表面の光
ファイバの上方からだけでなく、上記の貫通穴を通して
基板裏面からも紫外線硬化樹脂に紫外線を照射すること
ができるので、より短時間で光ファイバをV溝に固定で
きる。そのため、作業性が向上する外光導波路と光ファ
イバの光軸ずれが生じる確率が小さくなる。
【0039】また、偏波保存ファイバの偏波方向を調整
実装する際に下方または上方からのコヒーレントあるい
はインコヒーレントな照明光を照射しその偏波保存光フ
ァイバ透過像を顕微鏡等で観察することによって偏波方
向を合わせることができるので、従来の偏波保存ファイ
バの導波光パワーをモニタリングする方法に比較して、
偏波保存ファイバの角度調整を簡便に行うことが可能に
なる。すなわち、本発明によれば、高精度光ファイバ無
調整実装方式の光結合装置において、光ファイバの実装
に要する時間を短縮し、信頼性および作業性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を説明するための斜視図
と断面図。
【図2】 本発明の実施の形態を説明するための断面
図。
【図3】 本発明の実施の形態を説明するための断面
図。
【図4】 本発明の実施の形態を説明するための断面
図。
【図5】 本発明の一実施例の製造方法を説明するため
の工程順断面図。
【図6】 本発明の一実施例の製造方法を説明するため
の、工程順の断面図と斜視図。
【図7】 本発明の一実施例の斜視図と断面図。
【図8】 本発明の一実施例の製造方法を説明するため
の断面図。
【図9】 従来例を説明するための平面図。
【図10】 従来例を説明するための平面図。
【図11】 従来例を説明するための断面図。
【図12】 従来例の問題点を説明するための斜視図。
【図13】 従来例の問題点を説明するための斜視図と
断面図。
【符号の説明】
1 Si基板 1a Si基板表面 1b Si基板裏面 2 光ファイバ 3 貫通穴 4 光導波路クラッド 4a 上層クラッド 4b 下層クラッド 5 光導波路コア 6 表側V溝 6a、6b、6d (111)面 6c (100)面 7 裏側V溝 8、9 異方性エッチング用マスク 8a V溝形成マスク 10 紫外線硬化樹脂 11 紫外線 12 偏波保存光ファイバ 13 照明光 14 透過光 15 強度分布像 16 貫通穴によるSi除去部分 17 光ファイバが横たわるべき部分 18 マイクロピラミッド 19 コーナーカット補償パターン部 20 コーナーカット補償パターン部マスクの痕跡の残
存Si 21 (nn1)面 30 荷重用ブロック(スペーサー) 31 細分化V溝ブロック 32 LD・光導波路等の光部品 40 導波路形成用マスク 41 V溝形成部 42 光導波路部 42a 光導波路部の終端端面 42b (切削溝形成後の)光導波路部の終端端面 51 切削溝

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光部品と光学的に結合される光ファイバ
    が装着されるV溝が形成された光結合装置用基板であっ
    て、前記V溝の底部分は除去されて基板裏面に通じる貫
    通穴がV溝に沿って設けられていることを特徴とする光
    結合装置用基板。
  2. 【請求項2】 基板の表面上にV溝形成用マスクを設
    け、該マスクを介して所定の深さまで異方性のエッチン
    グを行って少なくとも光ファイバと接触する部分がV字
    形状となるように加工する工程を有する光結合装置用基
    板の製造方法であって、前記エッチング工程の前または
    後に、エッチングの結果形成されるべきまたは形成され
    た溝の底部分を除去して貫通穴が形成されるようにする
    工程が付加されていることを特徴とする光結合装置用基
    板の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板の表面上および裏面上にV溝形成用
    マスクを設け、各マスクを介して基板の表裏面から所定
    の深さまで異方性のエッチングを行って、少なくとも表
    面側に形成される溝の光ファイバと接触する部分がV字
    形状となるように加工するとともに、表面側から形成さ
    れる溝と裏面側から形成される溝とが連結されて貫通穴
    が形成されるようにすることを特徴とする光結合装置用
    基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 基板裏面側から所定の深さまでエッチン
    グを行い、その後、基板表・裏面から同時にエッチング
    を行うことを特徴とする請求項3記載の光結合装置用基
    板の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板表面からのエッチング量は、形成さ
    れる溝の断面が台形形状となる量であり、かつ、該台形
    形状の水平部分は基板表面からのエッチング以外の手段
    で除去されることを特徴とする請求項2または3記載の
    光結合装置用基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 光ファイバが装着されるV溝が形成され
    た光結合装置用基板と、該光結合装置用基板のV溝に装
    着された光ファイバと、該光ファイバと光学的に結合さ
    れた光部品とを有する光結合装置において、前記光結合
    装置用基板には前記V溝に沿って前記V溝の底部分を除
    去する貫通穴が設けられていることを特徴とする光結合
    装置。
  7. 【請求項7】 光ファイバが装着される貫通穴付V溝が
    形成され、表面に光部品が固着された光結合装置用基板
    に光ファイバを接着する工程を有する光結合装置の製造
    方法であって、前記貫通穴を介して真空吸着を行いなが
    ら光ファイバを接着することを特徴とする光結合装置の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 光ファイバが装着される貫通穴付V溝が
    形成され、表面に光部品が固着された光結合装置用基板
    に光ファイバを接着する工程を有する光結合装置の製造
    方法であって、紫外線硬化型の接着剤を用い少なくとも
    基板裏面から前記貫通穴を介して紫外線を照射して前記
    接着剤を硬化させることを特徴とする光結合装置の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 光ファイバが装着される貫通穴付V溝が
    形成され、表面に光部品が固着された光結合装置用基板
    に偏波保存光ファイバを接着する工程を有する光結合装
    置の製造方法であって、基板裏面から前記貫通穴を通し
    て光を照射しその透過光強度分布を観察して、あるい
    は、基板表面から光を照射し貫通穴を通してその透過光
    強度分布を観察して、偏波保存光ファイバの偏波方向を
    調整することを特徴とする光結合装置の製造方法。
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