JPH09159776A - 加圧水型原子炉制御棒案内用ジルコニウム合金製シンブル管の製造方法 - Google Patents

加圧水型原子炉制御棒案内用ジルコニウム合金製シンブル管の製造方法

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JPH09159776A
JPH09159776A JP7323062A JP32306295A JPH09159776A JP H09159776 A JPH09159776 A JP H09159776A JP 7323062 A JP7323062 A JP 7323062A JP 32306295 A JP32306295 A JP 32306295A JP H09159776 A JPH09159776 A JP H09159776A
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tube
die
diameter portion
small diameter
diameter
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JP7323062A
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Hideaki Abe
秀明 阿部
Tadao Hama
忠雄 濱
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【課題】肉厚が軸長方向で同一で、軸長方向の一端部に
外径の小さい小径部を有するか、さらには前記小径部の
途中に外径が他端部の外径と同じ大径部を有する加圧水
型原子炉制御棒案内用ジルコニウム合金製シンブル管の
製造方法を提供する。 【解決手段】外径と肉厚が製品の大径部寸法とほぼ同じ
素管を冷間圧延によって得た後、その一端部に超硬合金
製のマンドレルとダイスを備えるスエージング加工機を
用いて前記小径部または途中に大径部を備えた小径部を
1工程で成形する。 【効果】寸法精度のより優れた表面性状の良好な上記の
シンブル管を、より経済的に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肉厚が軸長方向で
同一であり、軸長方向の一端部に外径の小さい小径部を
有するか、さらには前記小径部の軸長方向中間部に外径
が他端部の外径と同じ大径部を有する軸長方向で外径の
異なる加圧水型原子炉制御棒案内用ジルコニウム合金製
シンブル管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】加圧水型原子炉の核燃料を充填した制御
棒の案内管には、ジルコニウム合金(ジルカロイ−4)
製のシンブル管と称される段付き管が用いられている。
【0003】図7は、上記シンブル管の形状を示す模式
図であり、シンブル管としては、同図(a)に示すよう
に、一端部が大径で他端部が小径の一段段付き管と、同
図(b)に示すように、一端部が大径で他端部が小径で
あり、かつ小径部の軸長方向中間部に前記大径部と同一
外径の大径部を有する二段段付き管の2種類がある。
【0004】このような段付き管は、従来、次に述べる
理由から以下に示す方法によって製造されていた。すな
わち、ジルカロイ−4に代表されるジルコニウム合金
は、その結晶構造が六方晶金属で、塑性変形時にすべり
系が小さく、普通鋼や特殊鋼などのFe基合金に比べて
加工性が極めて劣り、例えば常温(冷間)状態で間欠的
な衝撃を加えると、材料表面に疵が発生し易いため、そ
の仕上げ加工は冷間圧延、冷間空引き抽伸および液圧加
工以外の加工法、具体的にはスエージング加工法を工業
的に適用することはできないと考えられていた。
【0005】このことから、上記一段段付き管について
は、外径と肉厚が製品の大径部寸法と同じ素管を管の冷
間圧延機であるコールドピルガーミルによって冷間圧延
して得た後、図8に示すように、その一端部に所定の内
径を有するダイスを用い、内面規制工具(プラグ)を使
用することなく冷間空引き抽伸加工を施して小径部を成
形することとしていた。また、二段段付き管について
は、一段段付き管の場合と同じ方法によって小径部を成
形した後、図9に示すように、小径部の軸長方向の所定
位置に液圧、具体的には油圧バルジ加工を施して大径部
を成形することとしていた。
【0006】しかし、上記いずれの場合も小径部を冷間
空引き抽伸加工によって成形するので、得られた製品の
小径部の内径寸法精度、すなわち真円度が劣り、かつ焼
き付きに起因する表面欠陥が多発するという欠点があっ
た。また、二段段付き管については、前述したように、
空引き抽伸加工により小径部を成形した後、その軸長方
向の所定位置に液圧バルジ加工により大径部を形成す
る。このため、液圧バルジ加工により成形した大径部の
肉厚が他の大径部の肉厚よりも薄くなる外、段部の外面
に筋疵が多発するという欠点に加え、その製造工程が多
く、製造コストの上昇を招くという欠点があった。
【0007】ところが、その安全性を確保することが最
優先課題であることに鑑み、上記シンブル管としては寸
法精度のより優れた表面性状の良好な製品が望まれ、こ
れをより経済的に製造する方法の開発が従来から望まれ
ていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した実
状に鑑みなされたもので、その課題は、寸法精度のより
優れた表面性状の良好な上記のシンブル管を、より経済
的に製造することのできる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】外径と肉厚とをコールド
ピルガーミルによって冷間圧延して製品の大径部寸法に
仕上げた素管の一端部に、寸法精度の優れる小径部を成
形するには、管内に内面規制工具を配して縮径加工すれ
ばよく、例えば冷間抽伸加工によって小径部を成形する
場合にはプラグを用いればよい。しかし、前述したよう
に、ジルカロイ−4に代表されるジルコニウム合金製の
管にプラグを用いて縮径加工を施すと、管の内外面の両
方が工具(ダイスとプラグ)と接触し、工具との接触面
圧が高くなって内外面に焼付疵が発生し易くなるので、
この方法は採用できない。
【0010】また、前述した従来技術では、上記シンブ
ル管のうち、二段段付き管については、小径部を一旦成
形した後、この小径部の一部に異なる加工手段を用いて
大径部を成形する。従って、大径素管の成形工程を除く
工程として最低でも2工程が必要で、製造コストが嵩む
ことは前述したとおりである。しかし、途中に大径部を
有する小径部を一つの加工手段を用いて連続的に加工で
きれば、従来2工程必要であったものが1工程ですみ、
製造コストの低減を図ることが可能になる。
【0011】そこで、本発明者らは、寸法精度のより一
層の向上および二段段付き管の場合はその製造コストの
低減と小径部途中の大径部の寸法精度の向上を図るた
め、冷間抽伸加工法とは異なり、途中に大径部を有する
小径部を1工程で加工することができ、かつ内面規制工
具(マンドレル)を用いることでその内径寸法精度を高
めることが可能な、従来にあってはその適用が不可能と
考えられていたスエージング加工法を適用すべく種々実
験を行った結果、次のことを知見した。
【0012】すなわち、超硬合金製のマンドレルとダイ
スを備えるスエージング加工機を用いる場合には、意外
にもその加工対象材料がジルコニウム合金であっても何
等の問題もなく加工でき、かつ焼き付きも殆ど発生せ
ず、表面性状の良好な製品が得られることを知見した。
この理由は、詳細には不明であるが、通常この種の加工
に際して用いられるJIS−G4404に規定のSKD
11などの工具鋼に比べてその硬さがJIS−Z224
5に規定のロックウエル硬さHRAで85〜90という
高硬度な超硬合金は、ジルコニウム合金のように表面が
活性な金属に対しても耐摩耗性が優れており、摩耗によ
って発生するジルコニウム合金または/および超硬合金
の金属粉の発生量が極めて少ないためと推定される。
【0013】以上の知見に基づく本発明の要旨は、次の
加圧水型原子炉制御棒案内用ジルコニウム合金製シンブ
ル管の製造方法にある。
【0014】肉厚が軸長方向で同一であり、軸長方向の
一端部に外径の小さい小径部を有するか、さらには前記
小径部の軸長方向中間部に外径が他端部の外径と同じ大
径部を有する加圧水型原子炉制御棒案内用ジルコニウム
合金製シンブル管の製造方法であって、外径と肉厚が製
品の大径部寸法とほぼ同じ素管を冷間圧延によって得た
後、その一端部に超硬合金製のマンドレルとダイスを備
えるスエージング加工機を用いて前記小径部を成形する
ことを特徴とする加圧水型原子炉制御棒案内用ジルコニ
ウム合金製シンブル管の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の方法を、添付図面
を参照して詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明の方法における二段段付き
管を製造する場合の具体的な製造工程の一例を従来例と
対比して示す図である。この図1からわかるように、本
発明の方法は、途中に大径部を有する小径部をスエージ
ング加工法を用いて1工程で成形する。従って、従来法
では、その外径と肉厚を製品の大径部寸法に成形する最
終冷間圧延後の工程として9工程必要であったものが、
本発明の方法では7工程、あるいは後述するように8工
程で済み、最低でも1工程省略することができるので、
その製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0017】すなわち、従来法では、最終冷間圧延後の
管一端部に空引き抽伸加工により小径部を成形し、この
小径部の途中に液圧バルジ加工により大径部を成形する
に当たり、それぞれの塑性加工前に軟化焼鈍を施すが、
それぞれの塑性加工前段の塑性加工工程における加工度
が小さく、その加工硬化の程度が軽度であり、後段の塑
性加工(空引き抽伸加工と液圧バルジ加工)を重畳して
も耐焼付き性が劣化するなどの問題がない場合には、い
ずれか一方の軟化焼鈍(通常は最終冷間圧延後の軟化焼
鈍)を省略する場合があるが、この場合にあっても本発
明の方法は従来法に比べて1工程少なくて済む。
【0018】なお、図1中、上記従来法における最終冷
間圧延直後の軟化焼鈍以外に破線で囲んだ外面研磨工程
と内面サンドブロー工程は、冷間圧延工程で表面欠陥が
発生した場合、その欠陥を後段の塑性加工工程に持ち越
さないように除去するための工程であり、冷間圧延工程
で欠陥が発生する恐れが全くない場合には、これらの工
程は本発明法および従来法ともに省略可能である。
【0019】また、本発明法および従来法とも、上記外
面研磨を最終冷間圧延後の塑性加工に先立って行うの
は、外径と肉厚が軸長方向で同一の管を対象にする方が
その研磨量を均一にするのが容易であるためである。
【0020】また更に、内面サンドブローを、従来法で
は小径部の空引き抽伸加工に先立って行うのに対し、本
発明法では小径部のスエージング加工後に行うこととし
たのは次の理由による。すなわち、空引き加工とその次
の液圧バルジ加工では内面規制工具を用いないので、そ
の加工内表面に表面欠陥が発生する恐れは皆無といって
過言でないほど発生しないが、マンドレルを備えるスエ
ージング加工では内面欠陥が発生する場合があり、内面
欠陥が発生した場合にこれを確実に除去するために本発
明法では内面サンドブローを小径部のスエージング加工
後に行うのである。
【0021】本発明の方法において、小径部の成形は、
次に述べるようにして行われる。
【0022】図2は、二段段付きシンブル管の加工態様
を示す模式図であり、その全長を製品の大径部1a寸法
とされた素管1は、一端部を移動台車2に搭載設置され
た管回転装置3のチャック3aに把持される。この時、
素管1内には管回転装置3に基端部が固定され、外径が
製品の小径部内径と同一もしくは内面サンドブローによ
る研削代分だけ小径とされた所定長さのマンドレル6が
内挿される。また、素管1の外部には、所定の位置に固
定設置された加工ヘッド5が外嵌配置され、その他端部
はスキュー支持可能な複数の支持ローラ7(図には1つ
のみ示す)で支持される。
【0023】しかる後、管回転装置3をおよび加工ヘッ
ド5を駆動して両者を相互に逆方向または同方向に回転
させるとともに、移動台車2を白抜き矢符方向に移動さ
せると、加工ヘッド5内のダイス4が管軸心に向かって
往復移動して素管1の外径を縮小し、図2中の右側の小
径部1bが成形される。この小径部1bの長さが所定の
長さになった時点で、加工ヘッド5の回転を停止すると
ともに、ダイス5の孔型径を大きくした状態で移動台車
2を継続移動させ、その移動距離が所定の距離に達した
時点で、ダイス5の孔型径を元の孔径に復帰させるとと
もに、加工ヘッド5を回転再起動させると、上記と同様
にして図中の左側の小径部1bが成形される。この結
果、左右の小径部1b間には塑性加工を受けることのな
い元のままの大径部1aが残り、途中に元の大径部1a
と同一寸法を有する大径部1aを備える小径部1bが1
工程で成形さる。以上の操作は、手動操作してもよい
が、NC制御装置を用いて自動制御するのが好ましい。
【0024】なお、一段段付きシンブル管の場合には、
上記操作のうち、移動台車2の移動中における加工ヘッ
ド5の回転停止とダイス4の孔型径変更を省略すること
で、軸長方向で同一の外径と肉厚を有する小径部1bを
成形することができることはいうまでもない。
【0025】図3は、加工ヘッド5の一例を示す模式的
正面図であり、図示例の加工ヘッド5は3個のダイス4
を備えている。ダイス4は、伸縮自在な制御器5eを介
してハンマー5dに連結され、回転駆動されるインナー
レース5b内に等間隔で放射配設されており、インナー
レース5eの回転に伴ってアウタレース5aの内周面に
等間隔で配置されたローラ5cとその間隙間に位置する
ことによってその孔型中心に向かって往復作動する。ま
た、制御器5eを縮動させることで、上記したように、
その孔型径が素管の孔径よりも大きくなるようになって
いる。
【0026】ダイス4の孔型は、図4に示すように、角
度γが120°の3つに分割されており、各孔型は角度
αの領域の孔型直径R1 がスプリングバック代を考慮し
て製品の大径部外径よりも若干小さくしてある。さら
に、上記角度α領域の両側の角度1/2(β−α)領域
の直径R2 は上記直径R1 よりも大きく、その縁部を角
度θで面取りした、所謂サイドリリーフ型の孔型とされ
ており、これによって製品管の外表面に噛み出し(オー
バーフィル)が生じないようにしてある。
【0027】また、その長手方向の形状は、図5に示す
ように、3等分されされており、その中央部に前記直径
R1 および直径R2 部分が長さL2 で成形され、その両
側に製品の段部テーパ面と同一の角度ηを有する長さL
3 のテーパ面を介してその径差が2hで、素管(製品)
の大径部外径よりも大径の孔型が形成してある。
【0028】上記3分割ダイスの場合における上記角度
α、βおよびθは、それぞれ85〜105°、105〜
115°および10〜30°とするのが好ましい。これ
は、角度αが85°未満であると孔型のサイドリリーフ
が大きくなり過ぎるために製品管の楕円度が大きくり、
逆に105°を超えると孔型のサイドリリーフが小さく
なり過ぎるために製品管の外表面にオーバーフィルが発
生し易くなるからである。
【0029】また、角度βが105°未満であると孔型
のサイドリリーフが大きくなり過ぎるために製品管の楕
円度が大きくりなり、逆に115°を超えると孔型サイ
ド部のエッジがきつくなり過ぎるために製品管の外面に
筋疵が発生し易くなるからである。
【0030】さらに、角度θが10°未満であると孔型
サイド部の逃がしが大きくなり過ぎるために材料噛み出
しが発生し易くなり、逆に30°を超えると孔型サイド
部のエッジがきつくなり過ぎるために製品管の外面に筋
疵が発生し易くなるからである。
【0031】なお、上記加工ヘッド5は、ダイスが3分
割型の場合であるが、ダイスの個数は2分割または4分
割型とした加工ヘッドを用いてもよく、これらの場合の
孔型は、その分割数に応じて3分割型ダイスの場合とほ
ぼ同様の比配分の孔型とすればよい。ただし、長手方向
の形状については、3分割ダイスの場合と同一とするの
がよい。
【0032】上記スエージング加工により小径部または
途中に大径部を備える小径部を成形するに際し、本発明
においては、加工ヘッド5内に配置するダイス4および
素管1内に挿入するマンドレル6は超硬合金製のもので
なければならない。これは、前述したように、超硬合金
以外の金属製のダイスとマンドレルを用いると、加工時
にジルコニウム合金または/および工具鋼の摩耗粉が多
量に発生してこれが工具の表面に付着堆積し、これが原
因で焼付きが発生して加工を継続することが不可能にな
るからである。
【0033】本発明で用いるダイスおよびマンドレル用
の超硬合金としては、JIS−H5501に規定される
もの、およびその相当超硬合金であればいずれの種類で
もよいが、特にCoの含有量が10重量%以上のG種3
号、またはD種3号を用いるのが好ましく、さらに好ま
しくはCoの含有量を15〜20重量%まで高めたもの
を用いるのがより望ましい。
【0034】また、管回転速度、管送り速度および加工
ヘッドの回転数は、それぞれ、0〜20rpm、200
〜2000mm/minおよび200〜700rpmと
するのが好ましい。これは、本発明者らの実験結果によ
れば、管回転の有無によって製品品質は何等の影響も受
けないが、管軸長方向の製品品質を均一化する観点から
は管回転するのが望ましく、その管回転数としては最大
20rpmでその効果が飽和し、それ以上の管回転数を
付与する意味がないためである。
【0035】一方、管送り速度が200mm/min未
満であると加工時の縮径量(ダイスの往復ストローク)
に係わらず、ダイスによる打撃回数が増え過ぎて製品の
スエージング加工部分の管表面、特に内表面に微少な疵
が発生し易くなり、逆に2000mm/minを超える
と製品管の外表面に軸長方向の著しい段差模様が発生
し、所望の表面性状を有する製品が得られなくなるから
である。
【0036】さらに、加工ヘッドの回転数が200rp
m未満であるとダイスによる打撃回数が少な過ぎて平滑
な表面が得られなくなり、逆に700rpmを超える
と、上記と同様、ダイスによる打撃回数が増え過ぎて製
品のスエージング加工部分の管表面、特に内表面に微少
な疵が発生し易くなるからである。
【0037】
【実施例】JISH4751に規定のZrTN804D
(ジルカロイ−4)製で、図6に示す形状寸法の二段段
付き管を対象に、本発明の方法と従来法および比較法で
それぞれ製造し、その製造能率、同一工具による製造可
能本数および製品寸法を調べた。
【0038】この際、途中に大径部を備える小径部成形
前の製品大径部寸法を有する素管としては、外径63.
5mm、肉厚10.9mmの熱間押出し原管にコールド
ピルガミルを用いて650℃×2hrの軟化焼鈍を介在
させながら4回の冷間圧延を施して外径12.7mm、
肉厚0.42mmに仕上げた。そして、本発明および比
較法に供するものは577℃×2.5hrの軟化焼鈍を
施し、次いで外面研磨により外径を12.5mm(肉厚
0.410mm)に調整した。また、従来法に供するも
のは軟化焼鈍を施すことなく外面研磨と内面サンドブロ
ーを施して外径を12.5mm、内径を11.67mm
(肉厚0.415mm)に調整した。
【0039】そして、本発明の方法では、JIS−H5
501に規定のD種3号の超硬合金からなり、図4およ
び図5に示す形状で、各部の寸法と角度が下記の3分割
ダイスと、外径が9.81mmのマンドレルを備えたス
エージング加工機を用い、管回転速度を10rpm、管
送り速度を600mm/min、加工ヘッド回転速度5
50rpmの条件で、小径部を成形し、その成形途中に
おいて加工ヘッドの回転を停止するとともに、ダイス孔
型径を広げて管のみを軸方向に送って大径部を残存成形
した。なお、この時用いたダイス、制御器およびハンマ
ーの1組当たりの合計自重は4kg、往復作動ストロー
クは2mmであった。
【0040】R1 =12.30mm、R2 =16mm、
α=90°、β=110°、γ=120°、θ=20
°、g=1.2mm、h=1mm、L=60mm、L1
=20mm、L2 =12mm、L3 =4mm、η=14
°02’、r=10mm。
【0041】また、比較法としては、マンドレルを備え
ないこと、およびダイスとマンドレルの材質がJIS−
G4404に規定のSKD11製であること以外は上記
本発明法と同じ条件の2方法で途中に大径部を備える小
径部を成形した。
【0042】さらに、従来方法としては、素管の一端部
に空引き抽伸加工を施して小径部を成形し、この小径部
に577℃×2.5hrの軟化焼鈍を施してからその所
定位置に内郭形状と寸法が製品の大径部形状と寸法の2
分割ダイスを用いて油圧バルジ加工を施して大径部を成
形した。
【0043】上記のようにして得られた各製品の途中に
大径部を有する小径部の各部の寸法を加工直後にマイク
ロメータを用いて測定し、真円度[管一断面の(最大径
−最小径)値]および周方向の平均肉厚値を求める一
方、スエージング加工部である小径部の表面疵の発生状
況を調べて評価した。その結果を、製造能率(管1本当
たりの製造所要日数)、同一工具での製造可能本数とと
もに、表1に示した。なお、製造能率および同一工具で
の製造可能本数については、いずれも従来法を1として
指数対比して示した。
【0044】
【表1】
【0045】表1に示す結果から明らかなように、従来
法によって製造した製品の小径部の内径真円度は50〜
60μmで、その肉厚は0.415mmであり、その途
中に成形した大径部の肉厚は0.410mmであった。
また、比較法のうち、マンドレルを用いないで製造した
製品の小径部の内径真円度は50〜80μmで、その肉
厚は0.430mmであり、従来法の場合とほぼ同じで
あり、製品の内表面に疵が多発した。さらに、SKD1
1製のダイスとマンドレルを用いた比較法で製造した製
品の小径部の内径真円度は20〜50μmで、その肉厚
は0.410mmであったが、外表面に焼付疵が発生し
た。また、これら比較法によった場合の製造能率と同一
工具により製造可能本数は、それぞれ1.2倍、1.2
倍および1.1倍、0.9倍であった。
【0046】これに対し、本発明の方法で製造した製品
の小径部の内径真円度は10〜30μmで、その肉厚は
0.410mmであり、その途中に成形した大径部の内
径真円度および肉厚はそれぞれ20〜30μm、0.4
10mmで従来法および比較法で製造したものに比べて
著しく向上しており、目標値を満足していた。また、本
発明法によった場合の製造能率および製造可能本数は、
それぞれ従来法の1.3倍、1.2倍であった。
【0047】
【発明の効果】本発明の方法によれば、寸法精度の優れ
た小径部を有する一段段付き、または途中に大径部を備
える小径部を有する二段段付きのシンブル管を提供する
ことができ、その安全性の確保に寄与するところ極めて
大である。また、二段段付き管のシンブル管については
その製造能率が大幅に向上する結果、製品コストの低減
が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造工程の一例を従来法工程と対比し
て示す図である。
【図2】本発明における二段段付きシンブル管の加工態
様を示す図である。
【図3】加工ヘッドの一例を示す正面図である。
【図4】本発明で用いるダイスの一例を示す正面図であ
る。
【図5】図5のI−I線矢視断面図である。
【図6】本発明の実施例で製造対象とした二段段付きシ
ンブル管の形状と寸法を示す図である。
【図7】シンブル管を説明する図で、同図(a)は一段
段付き管、同図(b)は二段段付き管を示す図である。
【図8】一段段付き管の従来の製造方法を説明するため
の図である。
【図9】二段段付き管の従来の製造方法を説明するため
の図である。
【符号の説明】
1:素管、 1a:大径部、1b:小径部、
2:移動台車、3:管回転装置、 3
a:チャック、4:ダイス、 5:加工ヘッ
ド、5a:アウターレース、 5b:インナーレース、
5c:ローラ、 5d:ハンマー、5e:制御
器、 6:マンドレル、7:支持ローラ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】肉厚が軸長方向で同一であり、軸長方向の
    一端部に外径の小さい小径部を有するか、さらには前記
    小径部の軸長方向中間部に外径が他端部の外径と同じ大
    径部を有する加圧水型原子炉制御棒案内用ジルコニウム
    合金製シンブル管の製造方法であって、外径と肉厚が製
    品の大径部寸法とほぼ同じ素管を冷間圧延によって得た
    後、その一端部に超硬合金製のマンドレルとダイスを備
    えるスエージング加工機を用いて前記小径部を成形する
    ことを特徴とする加圧水型原子炉制御棒案内用ジルコニ
    ウム合金製シンブル管の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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