JPH09158075A - 脱墨剤及び該脱墨剤を用いたフローテーションによる脱墨方法 - Google Patents

脱墨剤及び該脱墨剤を用いたフローテーションによる脱墨方法

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JPH09158075A
JPH09158075A JP32155595A JP32155595A JPH09158075A JP H09158075 A JPH09158075 A JP H09158075A JP 32155595 A JP32155595 A JP 32155595A JP 32155595 A JP32155595 A JP 32155595A JP H09158075 A JPH09158075 A JP H09158075A
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JP
Japan
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deinking
ink
pulp
flotation
deinking agent
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JP32155595A
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English (en)
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Mitsuo Sugiyama
三男 杉山
Yuji Tai
雄二 田井
Koji Masamizu
孝二 正水
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Original Assignee
Lion Corp
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱墨処理方法において、残インキ量が特に少
ない高品質の再生パルプを得ることができ、かつ優れた
泡特性を有する脱墨剤を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(I)で表される化合物を含
有する脱墨剤。 R1 O−(PO)m−(EO)n−(XO)k−R2 (I) (式中、R1 は炭素数8〜14のアルキル基又はアルケ
ニル基、R2 は水素又は炭素数2〜24のアシル基、P
O、EO及びXOは、それぞれプロピレンオキシド単
位、エチレンオキシド単位及び炭素数が3以上のアルキ
レンオキシド単位であり、m=9〜19、n=1〜4
9、kは(XO)kの炭素数の合計が3〜147となる
数である。又、式中、PO、EOの付加形態はブロック
である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新聞紙、雑誌、上
質紙、コンピュータープリントアウト紙、コピー用紙な
どの印刷古紙から再生パルプを得る際に用いられる古紙
再生用脱墨剤とその使用方法に関するものである。さら
に詳しくは、印刷古紙をフローテーション法によって脱
墨処理を行うのに適したものであり、高白色度、低残イ
ンキなる高品質の再生パルプが得られるだけでなく、優
れた泡特性を有する脱墨剤とその使用方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】印刷古紙を再生して再び製紙原料にする
ことは古くから行われている。特に近年省資源、省エネ
ルギー、環境保護の観点から印刷古紙の再生は重要性を
増しており、それに伴って、再生パルプには、高白色
度、低残存インキといった高品質が要求されている。通
常、印刷古紙の脱墨方法には洗浄法とフローテーション
法に大別される。これらの処理方法、脱墨機構、及び、
これらの処理方法に用いられる脱墨剤の性能の差異に関
して今までに多くの文献、知見が得られている。例え
ば、Pulp & Pa-per,Nov.p59(1986),Japanese Journal o
f Paper Technology,Aug. p37(1980),米国特許第4,48
3,741号公報などが挙げられる。これらの文献及び、
いままで実操業で得られた知見・経験をまとめると、一
般に洗浄方法はパルパーで離解したパルプスラリーを希
釈、脱水を繰り返したり、スクリーンや遠心クリーナー
などの洗浄装置を用いて、剥離・分散されたインキをパ
ルプスラリーから分離する方法であり、インキの分離は
主にスクリュープレス、スクリーン、クリーナー、フィ
ルターなどの洗浄装置による機械的要因に大きく依存す
る。また、洗浄方法においては、水を大量に必要とする
ため、省資源、省エネルギーの観点からみると非常に欠
点の多いものである。又、洗浄方法では機械的要因が強
いため、各工程において操業性が重視される。特に起泡
性の強い薬剤特に脱墨剤を用いた場合には、各装置や工
程において泡トラブルが発生して操業性の低下と共に電
力の消費が著しくなるため、洗浄方法で用いられる薬剤
は低泡性もしくは抑泡性のものが要求される。また、剥
離されたインキは、インキの除去効率を向上させるため
細かく、かつ分散していなければならない。
【0003】一方、フローテーション方法は、剥離され
たインキを主にフローテーターにおいて発生される泡に
付着せしめインキとパルプを分離させる方法であり、洗
浄方法とは反対にインキの除去は主に化学的要因に基づ
くものであり、インキの除去機構は洗浄方法と全く異な
ったものである。通常フローテーション法を用いる脱墨
工程でも洗浄もしくは脱水工程と称される工程を有する
場合があるが、インキの除去は主にフローテーション工
程において行われるものである。又、フローテーション
方法は洗浄方法と比較して、使用する水の量が少なくて
済むため省資源という面からも有利である。さらに、フ
ローテーション法は剥離したインキを泡によって除去せ
ねばならないため、フローテーション時には、適度な気
泡性を要求される。この気泡性は洗浄法において要求さ
れる気泡力では不足であることは周知のことである。一
方、薬剤特に脱墨剤の気泡力が強すぎると特にフローテ
ーション処理で泡のかきだしが不可能になったり、各工
程での泡によるトラブルが多発して、操業中止や歩留ま
りが低下して生産能力の低下を引き起こすなど安定操業
を行うことが不可能になり、場合によっては高白色度の
高品質再生パルプを得ることができない。このように、
洗浄法とフローテーション法とはその脱墨機構が全く異
なっており、従ってそこに用いられる薬剤に要求される
性質も全く異なるものである。フローテーション法は特
に再生されたパルプが洗浄法に比べて高白色度であるこ
と、省資源、省エネルギーという観点から洗浄法より優
れていることから日本やヨーロッパにおいては主流であ
り、又、近年米国においても脱墨方法は洗浄法からフロ
ーテーション法へ移行している。
【0004】今まで、脱墨剤及びその使用方法に関し
て、多くの特許が出願されている。例えば、特開昭55
−51892号公報には、アルコール及びアルキルフェ
ノールのプロピレンオキシド付加体の末端水酸基に、エ
チレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物をある範
囲で付加させたものを用いた脱墨処理方法の記載があ
る。ここで用いる脱墨剤は末端のポリオキシアルキレン
基中のエチレンオキシドの含有量が50〜95(重量
%)と高いため、このように末端に親水基を有する脱墨
剤は起泡力が強すぎ、泡トラブル等、操業性に悪影響を
与えることが考えられる。又、親水基としての作用が強
く働くので、インキ分散性が強く、インキを効率よく捕
集することが出来ない。特公昭51−13762号公報
には、アルコールのアルキレンオキシド付加体の欠点で
あるフローテーション時のインキ捕集性を向上させる高
級脂肪酸と併用した脱墨剤の記載があるが、フローテー
ション時のインキ捕集性は向上するものの、オフセット
印刷古紙を多く含有する原料では、インキ剥離力が脂肪
酸との併用により著しく劣るため、高品質のパルプを得
ることはできない。また、特開平6−257083号公
報には、高級アルコールのプロピレンオキシド1〜8付
加体の末端にエチレンオキシドとプロピレンオキシド等
をブロック重合させた脱墨処理方法が開示されている。
この方法によると、剥離したインキが微細化され易く、
泡切れ性が強すぎて、フローテーション時に適度な泡の
大きさや発泡持続性に欠け、そのため微細化インキを系
外に排出できず、微細化残インキ数が多くなる等、改良
すべき点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、脱墨処理方
法において、残インキ量が特に少ない高品質の再生パル
プを得ることができ、かつ優れた泡特性を有する脱墨剤
を提供することを目的とする。本発明は、又、該脱墨剤
を用いたフローテーション処理による脱墨方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の構造を
有する疎水基にプロピレンオキシドとエチレンオキシド
をブロック付加させるにあたり、プロピレンオキシドの
割合を多くし、さらに得られた付加物に疎水性アルキレ
ンオキシド又はそのアシル化合物を付加させることによ
り、上記課題を有効に達成することができるとの知見に
基づいてなされたものである。すなわち、本発明は、一
般式Iで表される化合物を含有することを特徴とする脱
墨剤を提供する。
【化2】 R1 O−(PO)m−(EO)n−(XO)k−R2 (I) (式中、R1 は炭素数8〜14のアルキル基又はアルケ
ニル基、R2 は水素又は炭素数2〜24のアシル基、P
O、EO及びXOは、それぞれプロピレンオキシド単
位、エチレンオキシド単位及び炭素数が3以上のアルキ
レンオキシド単位であり、m=9〜20、n=1〜4
9、kは(XO)kの炭素数の合計が3〜147となる
数である。又、式中、PO、EOの付加形態はブロック
である)
【0007】
【発明の実施の形態】一般式Iで表されるエーテル化合
物は、炭素数8〜14の高級アルコールにまずプロピレ
ンオキシドを付加させ、その末端水酸基にエチレンオキ
シドを付加させ、さらに炭素数が3以上のアルキレンオ
キシドであるXOを付加させて製造することができる。
次いで所望により末端の水酸基に炭素数1〜24のカル
ボン酸を反応させてエステル化させてもよい。ここで、
XO単一又は重合により形成されるポリオキシアルキレ
ン基は疎水性であり、(XO)kの炭素数の合計が3〜
147である。ここで、XOとして2種以上のアルキレ
ンオキシドをブロック又はランダム付加してもよい。炭
素数が3以上のアルキレンオキシドであるXOとして
は、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ブタジエ
ンモノオキシド、ヘキシレンオキシド、スチレンオキシ
ド、α−オレフィンオキシドなどをあげることができ
る。このうち、炭素数が3〜30のアルキレンオキシド
が好ましく、特にプロピレンオキシドが好ましい。
【0008】上記一般式Iで表されるエーテル化合物に
おいて、又、(EO)n部分の分子量と(XO)k−R
2 部分の分子量の比率は0.3〜3.0とするのが好まし
く、より好ましくは0.3〜2.0である。上記構造を有す
る一般式Iで表されるエーテル化合物は、公知の高級ア
ルコール系脱墨剤と比較して、インキとの親和性が高い
ため、インキ剥離力が強く、特に剥離の難しいオフセッ
トインキに対して、インキ剥離効果が高い。又、特定の
範囲にある(EO)n部分と(XO)k−R2 部分を特
定の比率で混合し、かつ(PO)mの割合を多くしてい
るので、疎水性が強くフローテーション処理時におい
て、剥離したインキとの親和性が高く、従来難しかった
4μm以下の微細インキの捕集力に優れている。又、気
泡性に優れ、フローテーションにおいて剥離したインキ
を泡によって効率よくパルプから分離、除去することが
でき、その結果、高白色度のくすみの少ない高bの再生
パルプを得ることができる。この分子量比率が3.0を越
えると親水性が増大するためフローテーション時のイン
キ親和性とインキ捕集性が弱まる。一方分子量比率が0.
3未満である場合には、フローテーション処理において
泡立ちが低く、泡が十分かきとれない上に、フローテー
ション処理においてインキ捕集性が低下する。又、分子
量比率が0.3〜2.0である場合には、さらにインキの捕
集性が向上する。式I中、m=9〜19、n=1〜4
9、kは(XO)kの炭素数の合計が3〜147となる
数であるが、それぞれ10〜18、12〜45、15〜
120が好ましい。尚、XOがプロピレンオキシドであ
り、かつR2 が水素である場合には、kは3〜40にす
るのが好ましく、特に7〜40が好ましい。
【0009】本発明では、上記エーテル化合物を製造す
る場合、反応系中の水分を0.3%以下とし、触媒として
用いる水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど塩基性触
媒または、酸化マグネシウム−アルムニウム系個体触媒
等の添加量を、各アルキレンオキシド付加工程における
中間生成物、最終製品に対して常に0.35%以下を保つ
ように添加して、得られた製品中に含まれる副生成物ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及び
エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーなど
のポリアルキレンオキシドを0.3〜3.0重量%にするの
が好ましい。しかしながら、上記エーテル化合物を製造
後、上記範囲となるようにポリアルキレングリコールを
添加することもできる。このようにして、上記エーテル
化合物の少なくても1種99.7〜97重量%及び該副生
物約0.3〜3.0重量%からなるものをフローテーション
処理用脱墨剤として使用するのが好ましい。R1 のアル
コール残基を形成する高級アルコールは、炭素数8〜1
4、好ましくは炭素数12〜14の直鎖の高級アルコー
ルである。このような高級アルコールとしては、例えば
オクチルアルコール、デカノール、ラウリルアルコー
ル、ミリスチルアルコール、や動植物油脂脂肪酸由来の
アルコール、例えば椰子アルコール、パーム殻油アルコ
ールおよびこれらの硬化物などがあげられる。R2 は水
素及び炭素数2〜24、好ましくは、2〜12のアシル
基であり、特に好ましくは水素である。
【0010】上記脱墨剤の高級アルコールの炭素数が前
記範囲より短い場合、アルキル基の鎖長が短いため疎水
性が不足し、エチレンオキシドとアルキレンオキシド又
はそのアシル化合物の分子量比率が上記範囲にあっても
気泡性が不足し、又、フローテーション処理において剥
離したインキの捕集性が不足し、インキを泡に付着する
ことができず、高白色度なる高品質再生パルプを得るこ
とができない。一方、アルキル基が前記範囲より長い場
合には、脱墨剤の気泡性、特に泡切れ性や発生する泡径
が微細化せず、脱墨剤が離解時に溶解したり分散しなく
なったりするために高白色度、低残インキなる高品質な
パルプを得ることができない。エチレンオキシドとアル
キレンオキシド又はそのアシル化合物の分子量比率が前
記範囲を逸脱すると、たとえ一般式Iで表される化合物
のアルキル基の炭素数が前記の範囲であっても泡特性が
低下し、又残インキ量を少なくすることが困難となる。
本発明品は脱墨工程中、離解工程又は熟成工程を有する
場合、離解と熟成のいずれか、もしくは両工程に分割添
加して、通常用いられる脱墨処理方法にて用いることが
できる。
【0011】先に記述したように、脱墨処理工程には大
きく分けて2つある。1つは洗浄法もう一つはフローテ
ーション法である。通常、脱墨処理工程は離解、熟成、
洗浄又はフローテーションに大別されるが、離解、熟成
はインキを細かく剥離分散させる工程である。一方、洗
浄工程は前のように、インキが分散した状態で行われる
が、フローテーション工程では離解、熟成で分散したイ
ンキを凝集させる必要があり、相反したインキ状態が必
要となる。従って、フローテーション法に要求される脱
墨剤では、インキの剥離、分散と分散したインキの凝集
といった相反した性能が要求され、反対に、洗浄法で
は、離解、熟成、洗浄の3工程に要求される脱墨剤の性
質は同じである。しかしながら、本発明では一般式Iで
表される脱墨剤を用いることにより従来の問題点が解決
されたのである。離解工程、熟成工程に添加する本発明
品の添加量は古紙に対して0.1〜2%である。この範囲
より低い添加量であると高白色度、低残インキなる高品
質の再生パルプを得ることができないし、フローテーシ
ョン時にインキを除去するのに必要な起泡性が得られな
い。また、本範囲より添加量が多いとフローテーション
時の泡が多くなり過ぎて安定操業を得ることができな
い。
【0012】尚、本発明品を用いて脱墨処理を行う場
合、離解工程に本発明品のほかにアルカリ剤として水酸
化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウムや場
合に応じて過酸化水素の様な漂白剤を併用し、パルプ濃
度4〜25%、温度20〜70℃、pH=7.5〜11.
5、好ましくは8.0〜11.5で用いることが好ましい。
パルプ濃度が3%以下または20℃以下であると、離解
時にパルプ繊維間の摩擦力が少ないため未離解のパルプ
が多くなり、製紙原料として用いることができなくなっ
たり、残インキが多くなる。反対に、パルプ濃度が25
%以上、温度70℃以上であると、パルプ繊維間の摩擦
力が強すぎたり、熱によりできた再生パルプの紙力が弱
くなり高品質な再生パルプが得られなくなる。また、離
解時のpHが7.5以下であると離解時のパルプ繊維の膨
潤度が低いため未離解繊維が多くなり製紙原料として用
いることができなくなったり、残インキが多くなったり
して高品質再生パルプを得ることができない。また、p
Hが11.5以上の場合には、アルカリ焼けによりパルプ
が黄変し白色度の低下が起こったり、紙力の低下を引き
起こす。また、熟成工程は離解工程と同じ薬品条件で行
うことができる。この際パルプ濃度10〜30%、温度
30〜80℃、1時間以上で熟成を行うことが好まし
い。パルプ濃度10%以下、温度30℃以下では充分な
熟成効果を得ることができず、高品質再生パルプを得る
ことが出来ない。また、80℃以上では熱により紙力が
低下する欠点が有る。又、パルプ濃度が30%以上では
十分な湿潤状態が得られず熟成効果を得ることができな
い。
【0013】剥離したインキはパルプ濃度0.5〜1.5
%、温度20〜50℃でフローテーションを行うことに
よりパルプスラリーから効率的に除去することができ
る。さらに、本発明品は工程中に、希釈脱水、スクリー
ン、ディスパーザー、ニーダー処理工程など通常脱墨処
理工程に用いられている工程を有しても、再生パルプの
品質や操業性には、なんら影響を与えないし、上記離
解、熟成工程以外に、インキを剥離する工程例えば、ニ
ーダー、リファイナー、ディスパーザー等に本脱墨剤を
添加してもよい。本脱墨剤を、洗浄法による脱墨処理工
程に添加した場合には、通常の方法または公知の特許公
報に記載されている高級アルコールのエチレンオキシド
とプロピレンオキシドとの付加物を使用した場合と比較
して、泡トラブルの無い安定した操業性が得られるとと
もに、高白色度、残インキの少ない高品質な再生パルプ
を得ることができる。また、本脱墨剤はポリオキアルキ
レンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸またはそ
の塩、アルキルフェノールアルキレンオキシド付加体、
脂肪酸アルキレンオキシド付加体、油脂アルキレンオキ
シド付加体、脂肪酸とトリエタノールアミンとのエステ
ル化物のアルキレンオキシド付加体、トリエタノールア
ミンに脂肪酸とアルキレンオキシド付加体への四級化
物、ロジン酸のアルキレンオキシド付加体、アルキルフ
ェノールのホルマリン縮合物のアルキレンオキシド付加
体、モノステアリルグリセライドアルキレンオキシド付
加体、トリグリセライドアルキレンオキシド付加体、ペ
ンタエリスリトールジ脂肪酸エステルのアルキレンオキ
シド付加体と併用することもできる。
【0014】
【発明の効果】本発明は、新聞紙、雑誌、上質紙、コン
ピュータープリントアウト紙、コピー用紙等の印刷古紙
のパルプ繊維に付着しているインキの剥離性、インキの
捕集性に優れ、特に、フローテーション法に用いること
により、脱墨特性が良好で、高白色度、インキ残量が特
に少ない高品質の再生パルプを得ることができるばかり
でなく脱墨工程での泡トラブルの無い安定した操業が得
られる。次に実施例により本発明をさらに詳しく説明す
るが、本発明はこれら実施例になんら限定されるもので
ない。
【実施例】
製造例 ラウリルアルコール(1モル)と触媒のKOHをオート
クレーブに仕込み反応系内を十分窒素置換した後、減圧
下で脱水を行い、系内の水分を0.13%とし、プロピレ
ンオキシド(12モル)を125℃、3.0Kg/m2
下で導入付加し、熟成してPO付加体を得た。引き続い
て、エチレンオキシド30モルを160℃、3.0Kg/
2 以下で導入付加し、熟成してPO−EO付加体を得
た。更に、プロピレンオキシド25モルを125℃、3.
0Kg/m2 以下で付加し、熟成してPO−EO−PO
付加体を得た(脱墨剤No.1)。脱墨剤No.2〜9は第1
表記載の条件以外は製造例と同様に調製した。
【0015】
【表1】 第1表 R1 O−(PO)m−(EO)n−(XO)k−R2 脱墨剤No. R1 m n (XO)k−R2 1 /M2 の合計炭素数 1 C12 12 30 75 0.91 2 C12 9 24 45 1.21 3 C12 10 22 30 1.67 4 C12 18 32 66 1.10 5 C12 12 36 59 1.35 6 C14 14 36 14 1.95 7 C8 19 28 45 1.42 8 C12/14(7/3) 10 43 30 2.97 9 ヤシアルコール 12 14 102 0.31 * M1 は、(EO)nの分子量 M2 は、(XO)k−R2 の分子量 XOはプロピレンオキシド(No. 5以外)又はブチレンオキシド(No. 5)で あり、R2 は水素(No. 5以外)又はメチルエステル基(No. 5)である。
【0016】
【表2】 第2表 脱墨剤No. 化学構造 10 C1633O(PO)10(EO)15(PO)30 11 C1225O(PO)10〔(EO)30/(PO)12〕H *〔 〕内はランダム付加
【0017】実施例1 原料の印刷古紙(オフセット印刷新聞/雑誌=7/3重
量比)を3×3cmに切断後、パルプ離解機(熊谷理機
工業製)に入れ、温水を用いて50℃、15%パルプ濃
度に調製した後、苛性ソーダとケイ酸ソーダによってp
H10.7に調整した。続いて第1表記載の脱墨剤を0.1
5%添加した後、10分間離解処理を行った。得られた
パルプスラリーを80メッシュ濾布を用いて遠心脱水を
行いパルプ濃度24%に調製した後、苛性ソーダとケイ
酸ソーダを用いて、pH11.2に調整した。引き続いて
過酸化水素1.5%、脱墨剤0.15%加え、恒温槽中で5
0℃、2時間熟成を行った。熟成終了後、ニーダー(山
本百馬製)にて2回通過させて処理した。再び水により
パルプ濃度を1%に調製した後、デンバー型フローテー
ター(極東振興社製)にて、40℃、12分間フローテ
ーション処理を行った。次いで、パルプスラリーを80
メッシュ濾布を用いて10%に濃縮した後、水で1%に
希釈してTAPPIシートマシンにてパルプシートを作
成した。得られたパルプシートの白色度とb値を、JI
S P−8123の方法に準じて測色色差計(日本電色
工業製)で測定して求め、残インキ量は画像解析装置
(ニレコ社製、ルーゼックス)を用いて4μm以下のイ
ンキ個数を求めた。又、泡量及び泡径は、以下の方法に
より求めた(以下同じ)。泡量 フローテーション時に掻き出される泡を容器に受けて、
その総重量を泡量とした。泡径 フローテーション時の泡表面にノギスを用い、泡径を直
接測定した。数回測定した平均値を下記の基準で評価し
た。 結果を第3表に示す。尚、b値とは、ハンター色差式の
Lab表色系でのb値をいい、微細インキ量が少ないと
高b値を示し、微細インキの指標となる値である。
【0018】
【表3】 第3表 実験No. 脱墨剤No. 白色度 4μm 以下 b 値 泡量 泡径 残インキ 個数 (g) 1 No.1 57.8 88 9.4 1230 小 2 No.2 56.9 128 9.0 1410 小 3 No.5 57.1 118 9.1 1120 小 4 No.6 57.4 92 9.3 1250 小 5 No.8 57.1 116 9.1 1330 小 6 No.10 54.0 712 5.0 580 中 実験No.1〜5は本発明、実験No.6は比較例である。
【0019】実施例2 原料の印刷古紙(オフセット印刷新聞/雑誌=7/3重
量比)を3×3cmに切断後、パルプ離解機(熊谷理機
工業製)に入れ、温水を用いて50℃、5%パルプ濃度
に調製した後、苛性ソーダとケイ酸ソーダによってpH
10.4に調整した。続いて第1表及び第2表記載の脱墨
剤を0.2%添加した後、15分間離解処理を行った。得
られたパルプスラリーを80メッシュ濾布を用いて遠心
脱水を行いパルプ濃度30%に調製した後、苛性ソーダ
とケイ酸ソーダを用いて、pH11.2に調整した。引き
続いて過酸化水素1.5%、脱墨剤0.15%加え、恒温槽
中で50℃、2時間熟成を行った。熟成終了後、ニーダ
ー(山本百馬製)にて2回通過させて処理した。再び水
によりパルプ濃度を1%に調製した後、デンバー型フロ
ーテーター(極東振興社製)にて、35℃、12分間フ
ローテーション処理を行った。次いで、パルプスラリー
を80メッシュ濾布を用いて10%に濃縮した後、水で
1%に希釈してTAPPIシートマシンにてパルプシー
トを作成した。得られたパルプシートの白色度とb値
を、JIS P−8123の方法に準じて測色色差計
(日本電色工業製)で測定して求め、残インキ量は画像
解析装置(ニレコ社製、ルーゼックス)を用いて4μm
以下のインキ個数を求めた。結果を第4表に示す。なお
b値とは、ハンター色差式のLab表色系でのb値をい
い、微細インキ量が少ないと高b値を示し、微細インキ
の指標となる値である。
【0020】
【表4】 第4表 実験No. 脱墨剤No. 白色度 4μm 以下 b 値 泡量 泡径 残インキ 個数 (g) 1 No.3 57.3 101 9.2 1270 小 2 No.4 57.4 98 9.2 1220 小 3 No.7 56.9 132 8.9 1320 小 4 No.9 57.1 108 9.2 1170 小 5 No.11 53.8 813 4.1 1790 大 実験No.1〜4は本発明、実験No.5は比較例である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表される化合物を含有す
    ることを特徴とする脱墨剤。 【化1】 R1 O−(PO)m−(EO)n−(XO)k−R2 (I) (式中、R1 は炭素数8〜14のアルキル基又はアルケ
    ニル基、R2 は水素又は炭素数2〜24のアシル基、P
    O、EO及びXOは、それぞれプロピレンオキシド単
    位、エチレンオキシド単位及び炭素数が3以上のアルキ
    レンオキシド単位であり、m=9〜19、n=1〜4
    9、kは(XO)kの炭素数の合計が3〜147となる
    数である。又、式中、PO、EOの付加形態はブロック
    である)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の脱墨剤を用いることを
    特徴とするフローテーションによる脱墨方法。
JP32155595A 1995-12-11 1995-12-11 脱墨剤及び該脱墨剤を用いたフローテーションによる脱墨方法 Pending JPH09158075A (ja)

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