JPH09157246A - 4,4’−ジクロロジフェニルスルホンの単離方法 - Google Patents

4,4’−ジクロロジフェニルスルホンの単離方法

Info

Publication number
JPH09157246A
JPH09157246A JP7324691A JP32469195A JPH09157246A JP H09157246 A JPH09157246 A JP H09157246A JP 7324691 A JP7324691 A JP 7324691A JP 32469195 A JP32469195 A JP 32469195A JP H09157246 A JPH09157246 A JP H09157246A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic solvent
dichlorodiphenyl sulfone
mixture
sulfuric acid
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7324691A
Other languages
English (en)
Inventor
Kojiro Miyazaki
幸二郎 宮崎
Shinichi Kawahara
信一 河原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP7324691A priority Critical patent/JPH09157246A/ja
Publication of JPH09157246A publication Critical patent/JPH09157246A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】4,4’−ジクロロジフェニルスルホンと硫酸
との混合物から該4,4’−ジクロロジフェニルスルホ
ンを単離するに際し、目的物を着色がない状態で高純度
に単離でき、且つ有機溶媒相をリサイクルさせることが
できる方法を開発すること。 【解決手段】4,4’−ジクロロジフェニルスルホンと
硫酸との混合物、好ましくは4,4’−ジクロロジフェ
ニルスルホンを製造した上記組成の反応液から該4,
4’−ジクロロジフェニルスルホンを単離するに際し、
該混合物、アレーン類,ハロゲン化アリール類及びハロ
ゲン化アルカン類からなる群より選ばれる少なくとも1
種の有機溶媒、並びに水とを混合し、次いで、有機溶媒
相と水相を分液した後、該有機溶媒相を冷却して上記
4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを晶析させるこ
とを特徴とする4,4’−ジクロロジフェニルスルホン
の単離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4,4’−ジクロ
ロジフェニルスルホンの単離方法、詳しくは4,4’−
ジクロロジフェニルスルホンと硫酸との混合物から4,
4’−ジクロロジフェニルスルホンを高純度に単離する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】4,4’−ジクロロジフェニルスルホン
は芳香族ポリスルホンの原料、医薬原料、エポキシド樹
脂硬化剤原料等、として使用される重要な化合物であ
る。これらの分野では、高純度の4,4’−ジクロロジ
フェニルスルホンを使用することが要求されている。一
般に、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンは、三酸
化硫黄、硫酸ジメチルおよびクロロベンゼンとを反応さ
せることにより得られる。その際、上記反応により得ら
れる反応液は、該4,4’−ジクロロジフェニルスルホ
ンと硫酸との混合物となっている。
【0003】そうして、従来、この反応液から4,4’
−ジクロロジフェニルスルホンを単離する方法として
は、例えば、米国特許第2971985号明細書には、
上記混合物を水に注加して得られた沈澱を水洗する方法
が開示されている。この方法では、水に対して不溶の
4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを水に加えるの
で、かなりの量の硫酸が沈澱中に混入してしまう。ま
た、通常、上記反応液には、副生物として、2,4’−
或いは3,4’−ジクロロジフェニルスルホンの結合異
性体やクロロベンゼンスルホン酸等の酸性物質も含有さ
れているが、かかる方法では、こうした不純物もあまり
除去できず、これらが析出する沈澱の結晶粒間に夾雑物
として取り込まれてしまう問題が生じていた。このた
め、該沈澱中の目的物の純度は95%程度の低い値であ
り、上記分野で要求されている高純度品を得るためには
さらに精製を行う必要があった。
【0004】一方、特開昭51−88938には、高純
度の4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを得る単離
方法として、前記反応液にパークロロエチレン、または
トリクロロエチレンのいずれかと水を加えて混合し、さ
らに、60〜70℃に加熱した後、アルカリ水溶液を加
えて中和し、有機溶媒相を分液、冷却し4,4’−ジク
ロロジフェニルスルホンを晶析させる方法が開示されて
おり、比較的高純度で目的物を得ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らが後者の技術を追試したところ、混合したあとの液
が褐色に着色し、得られた4,4’−ジクロロジフェニ
ルスルホンの結晶も着色していた。この結晶の着色の程
度は、例えば、結晶5gをアセトンで50mLに溶解さ
せた場合、該溶液は、JIS K8001の外観の項に
記載のハーゼン比色液と比色する方法に従って求めたハ
ーゼンユニット(APHA)の値が100番程度になっ
てしまう。このため、上記方法により得られる4,4’
−ジクロロジフェニルスルホンの結晶の商品的価値は、
決して満足できるものではなかった。さらに、結晶をろ
別した母液も着色しているため、母液の有機溶媒相をそ
のままリサイクルさせることができないといった問題も
あった。
【0006】従って、4,4’−ジクロロジフェニルス
ルホンと硫酸との混合物から該4,4’−ジクロロジフ
ェニルスルホンを単離するに際し、目的物を着色がない
状態で高純度に単離でき、且つ有機溶媒相をリサイクル
させることができる方法を開発することが課題であっ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために鋭意検討を続けた。その結果、前述し
た従来の技術のうち後者の技術において、中和を実施す
る前にパークロロエチレン、またはトリクロロエチレン
と反応液とを混合すると、該反応液に含まれる硫酸の上
記有機溶媒の二重結合への求電子付加反応が起こり、着
色成分が生成してこれらが前記着色の問題を引き起こす
ことがわかった。そうして、特定の有機溶媒を用いるこ
とにより、上記の課題が解決できることを見いだし本発
明を完成させるに至った。
【0008】即ち、本発明は、4,4’−ジクロロジフ
ェニルスルホンと硫酸との混合物から該4,4’−ジク
ロロジフェニルスルホンを単離するに際し、該混合物、
アレーン類,ハロゲン化アリール類及びハロゲン化アル
カン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶
媒、並びに水とを混合し、次いで、有機溶媒相と水相を
分液した後、該有機溶媒相を冷却して上記4,4’−ジ
クロロジフェニルスルホンを晶析させることを特徴とす
る4,4’−ジクロロジフェニルスルホンの単離方法で
ある。
【0009】まず、本発明において、4,4’−ジクロ
ロジフェニルスルホンと硫酸との混合物は、上記組成の
混合物であれば如何なるものを使用しても良い。一般に
は、三酸化硫黄、硫酸ジメチルおよびクロロベンゼンと
を反応させて4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを
製造させた反応液が用いられる。
【0010】 CH3OSO2OCH3+2SO3+2ClPh =ClPhSO2PhCl+2CH3OSO2OH …式1
【0011】
【数1】
【0012】この反応液には、副生するモノメチル硫酸
から平衡により生成する硫酸の他、通常、2,4’−或
いは3,4’−ジクロロジフェニルスルホンの結合異性
体やクロロベンゼンスルホン酸等の酸性物質も副生して
いる。また、本発明では、この反応液を加熱蒸留して、
上記式2の平衡反応により硫酸ジメチルを回収した残液
も良好に使用される。
【0013】ここで、上記4,4’−ジクロロジフェニ
ルスルホンと硫酸との混合物から該4,4’−ジクロロ
ジフェニルスルホンを単離するに際し、用いる有機溶媒
に求められる性質としては、抽出溶媒として求められ
る性質、再結晶溶媒として求められる性質、の他に、
耐着色性もあわせ持つことが必要である。上記、
を具体的に述べれば、水との相互溶解度が小さいこと、
溶媒に対する目的物の溶解度が温度によって差があるこ
と、および溶媒に対する目的物と結合異性体の溶解度に
差があることが挙げられる。上記について具体的に述
べれば、用いる溶媒が硫酸と反応しにくいことが挙げら
れる。
【0014】本発明では、上記の求められる性状を勘案
して、用いる有機溶媒としてアレーン類,ハロゲン化ア
リール類およびハロゲン化アルカン類からなる群より選
ばれる少なくとも1種を採択した点に最大の特徴を有す
るものである。それにより、本発明では、前記混合物か
ら4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを硫酸から良
好に単離できる。また、単離に際して前記した着色の問
題が良好に解消され、得られる結晶は白色であり、前記
のアセトン溶液の液色をハーゼンユニットで20番以下
にすることができる。さらに、結晶をろ別したあとの母
液もほとんど着色していないため、母液をそのまま有機
溶媒としてリサイクルさせることができる。また、本発
明の処理に供する混合物が前記4,4’−ジクロロジフ
ェニルスルホンの反応液の場合には、含有される結合異
性体やクロロベンゼンスルホン酸等の酸性物質の副生物
も良好に分離できる。このため、容易に4,4’−ジク
ロロジフェニルスルホンの回収率を高めることができ
る。
【0015】なお、結晶の溶液のハーゼンユニットは、
JIS K8001の外観の項に記載のハーゼン比色液
と4,4’−ジクロロジフェニルスルホンの結晶5gを
アセトンで50mLとした溶液とを比色することにより
測定することができる。
【0016】本発明において、アレーン類、ハロゲン化
アリール類およびハロゲン化アルカン類としては、公知
のものが何等制限なく使用しうるが、具体的には、アレ
ーン類としてはベンゼン、トルエン、キシレン等を、ハ
ロゲン化アリール類としてはフルオロベンゼン、クロロ
ベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン等
を、ハロゲン化アルカン類としてはジクロロメタン、ク
ロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロ
ロプロパン等を挙げることができるが、特に、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等のアレーン類、およびフルオ
ロベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、
ブロモベンゼン等のハロゲン化アレーン類が好適であ
る。
【0017】ここで、有機溶媒として、パークロロエチ
レン等のハロゲン化アルケン類を用いると溶媒が硫酸と
反応して単離した目的物が着色するばかりでなく、結晶
をろ別したあとの母液も着色して、母液をそのままリサ
イクルすることができなくなる。また、その他の前述し
た特定の有機溶媒以外の有機溶媒を用いた場合でも、水
と相溶したり、目的物の溶解度が高温においても極めて
低かったりするために実用的でない。
【0018】本発明において、前記混合物に対する有機
溶媒の使用量は、該混合物を有機溶媒と水と混合させる
時の温度にもよるが、通常、混合物に含まれる4,4’
−ジクロロジフェニルスルホンの量に対して0.5〜1
0倍の範囲が好適である。特に、混合させる時の温度で
4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを飽和溶解させ
るに足りる量が実用的には望ましい。
【0019】本発明では、前記混合物を上記有機溶媒と
共に水と混合する。水の使用量は特に制限されるもので
はないが、水相に移行した硫酸を硫酸水として活用する
場合にはできるだけ少ない方が好ましく、通常、分液し
た後の水相の硫酸の濃度が30〜70%となるような水
の量を使用することが好ましい。この場合、後述する分
液操作のあと、水相のpHが1.0以上となるまで有機
溶媒相を水洗することが結晶中の硫酸、或いはその他の
酸性物質の含有量を特に減少させることができ好まし
い。
【0020】また、本発明において、かかる水は、アル
カリ水溶液を用いても良い。その場合、硫酸やその他の
酸性物質は中和され塩として水相に溶解する。アルカリ
水溶液の使用量は、生成した塩を完全に溶解し得る量が
望ましく、通常、混合物の容積に対し等量以上である。
この場合、アルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物
または炭酸塩が安価であるため好適である。
【0021】本発明において、4,4’−ジクロロジフ
ェニルスルホンと硫酸との混合物、有機溶媒および水の
混合は、通常、機械的攪拌下に実施するのが好ましい。
また、それぞれの混合順序は、特に制限されない。具体
的には上記混合物に水を混合したあとに有機溶媒を混合
する方法、上記混合物に有機溶媒を混合したあとに水を
混合する方法、水と有機溶媒を混合したあとに上記混合
物を混合する方法、それぞれを同時に混合する方法が挙
げられる。
【0022】混合時の温度は、前述したように4,4’
−ジクロロジフェニルスルホンを有機溶媒に飽和溶解さ
せるに足りる温度が実用的には望ましいが、あまりに高
いと溶媒が硫酸と反応してしまう恐れがあるため、一般
には、室温〜100℃、好ましくは室温〜90℃が良好
である。
【0023】以上の混合後静置すると、混合液は水相と
有機溶媒相に相分離し、硫酸が水相に、4,4’−ジク
ロロジフェニルスルホンが有機溶媒相に移行する。ま
た、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンと硫酸との
混合物に、結合異性体やクロロベンゼンスルホン酸、モ
ノメチル硫酸等の酸性物質が含まれている場合には、該
酸性物質は水層に、他方、結合異性体は有機溶媒相に移
行する。そして、本発明では、有機溶媒相と水相とを分
液し、有機溶媒相を冷却して4,4’−ジクロロジフェ
ニルスルホンを晶析させる。この時、有機溶媒相に上記
結合異性体が含まれている場合でも、これらは上記目的
化合物に比べて溶解性がかなり大きいため、本発明では
該目的化合物を選択的に晶析させることができる。
【0024】分液操作を行う温度は、通常、室温〜10
0℃、好ましくは室温〜90℃であるが、混合の操作で
採用した温度と同一の温度以上であることが分液中結晶
が晶析しないために好ましい。
【0025】本発明において、分液後の有機溶媒相から
結晶を晶析させる方法は特に制限されず、有機溶媒相を
そのまま冷却して晶析させる方法、有機溶媒相を一定量
濃縮したあとに冷却して晶析させる方法、有機溶媒を濃
縮しながら晶析させる方法等を挙げることができる。こ
の時の冷却温度は特に制限されないが、通常、純度99
%以上の純度の結晶を得るためには、析出する結晶の量
が、有機溶媒相中の全4,4’−ジクロロジフェニルス
ルホンの量の95%以下となるように晶析させることが
好ましい。また、有機溶媒相に結合異性体が含まれてい
る場合には、該結合異性体を析出させない観点から、冷
却温度は−15〜40℃、好ましくは0〜30℃とする
のが良好である。
【0026】上記により晶析した4,4’−ジクロロジ
フェニルスルホンの結晶は、ろ別することにより母液と
簡単に分離できる。ろ別の方法は公知の方法を何等制限
なく採用することができる。
【0027】ろ別した結晶は、公知の方法で乾燥するこ
とによって、前記したハーゼンユニットが20番以下で
あり、純度99%以上で硫酸やその他の酸性物質もほと
んど含んでいない高純度4,4’−ジクロロジフェニル
スルホンを得ることができる。なお、結晶中の硫酸、或
いはその他の酸性物質の分析は、結晶をトルエン等の溶
媒に溶解し、酸性成分を水で抽出して中和滴定して遊離
酸として算出する方法により実施できる。
【0028】さらに、結晶をろ別したあとの母液にはま
だかなりの量の4,4’−ジクロロジフェニルスルホン
を含んでいるが、本発明において母液はほとんど着色し
ていないため、そのまま有機溶媒として全量または一部
をリサイクルさせることにより容易に4,4’−ジクロ
ロジフェニルスルホンの回収率を高めることができる。
母液をリサイクルさせない場合でも、母液を濃縮して晶
析することにより、着色がほとんどない2次晶を得るこ
ともでき、これを再結晶することにより容易に99%以
上の高純度4,4’−ジクロロジフェニルスルホンとす
ることができる。
【0029】本発明において、混合、分液、晶析、ろ別
の操作は、常圧、加圧、減圧のいずれでも実施可能であ
る。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、特定の有機溶媒を用い
ることで、単離した4,4’−ジクロロジフェニルスル
ホンの着色がなく、高純度の4,4’−ジクロロジフェ
ニルスルホンを得ることができる。また、結晶をろ別し
たあとの有機溶媒相の母液はほとんど着色していないた
め該母液をそのまま有機溶媒としてリサイクルさせるこ
とができ、容易に4,4’−ジクロロジフェニルスルホ
ンの回収率を高めることができる。従って、本発明は工
業的に極めて有用である。
【0031】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明するため実
施例を掲げるが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0032】実施例1 攪拌機、温度計を備えた反応器に硫酸ジメチル1387
gを仕込み、反応温度70〜75℃で安定化三酸化硫黄
1761gを30分かけて滴下し、滴下終了後、同温度
で30分間攪拌してピロ硫酸ジメチルと三酸化硫黄の混
合物を調製した。
【0033】この溶液を、反応温度50〜55℃に保持
しながらクロロベンゼン2476g中に2時間かけて滴
下し、滴下終了後、同温度で1時間攪拌した。次に、こ
の反応液から、実段数3段の蒸留塔を用い、還流比0.
5で140〜150℃に保持して真空度20〜2mmH
gで、留出物がほとんどでなくなるまで回分式減圧蒸留
を行い、硫酸ジメチルを1207g回収して原液を44
17g得た。
【0034】次いで、上記原液の401.5gを、75
℃の温度で、クロロベンゼン300mLおよび水60m
Lの混合物中に攪拌しながら加え、10分攪拌を続けて
硫酸及びその他の酸性成分を水相に抽出した。次いで、
同温度で静置したあとに水相と有機溶媒相を分液した。
次に、同温度で有機溶媒相を温水120mLを使用して
10分攪拌し、静置したあとに分液することにより水洗
を行った。この操作を再度繰り返して水洗後の水相のp
Hが1.0以上であることを確認(2回目の水洗時の水
相のpH=1.27)し、静置したあとに有機溶媒相を
分液して、攪拌しながら4℃まで冷却して晶析した。析
出した結晶をろ別し、乾燥して白色の針状結晶を21
1.1g得た(原液製造時に用いたクロロベンゼンに対
する単離収率73.5%)。なお結晶をろ別したあとの
母液に着色はほとんど認められなかった。得られた結晶
を分析したところ遊離酸は8×10-4meq/g、4,
4’−ジクロロジフェニルスルホンの純度は99.88
%、結晶のアセトン溶液のハーゼンユニットは5番であ
った(表1)。
【0035】実施例2 水洗を行わなかったこと以外は実施例2と同様に操作し
た。その結果を表1に示した。
【0036】実施例3 実施例1において、原液をクロロベンゼンに溶解したあ
とに攪拌下30%の水酸化ナトリウム水溶液390mL
を滴下して酸性成分を中和して静置した後、有機溶媒相
を分液して、水洗を行わずに攪拌下に冷却して晶析した
こと以外は実施例1と同様に操作した。その結果を表1
に示した。
【0037】実施例4 実施例1で得られた結晶をろ別したあとの母液をそのま
ま有機溶媒として用いたこと以外は実施例2と同様に行
った。その結果を表1に示した。
【0038】実施例5〜7 表1に示した種類および量の有機溶媒を用いたこと以外
は実施例2と同様に操作した。その結果を表1に示し
た。
【0039】比較例1 表1に示した種類および量の有機溶媒を用い、混合、分
液、水洗の温度を70℃としたこと以外は実施例1と同
様に操作した。その結果を表1に示した。
【0040】比較例2 表1に示した種類および量の有機溶媒を用い、混合、分
液、水洗の温度を70℃としたこと以外は実施例3と同
様に操作した。その結果を表1に示した。
【0041】比較例3 比較例1で得られた結晶をろ別したあとの母液をそのま
ま有機溶媒として用いたこと以外は比較例1と同様に行
った。その結果を表1に示した。
【0042】比較例4 実施例1で得た原液を401.5gとり、水600mL
に激しく攪拌させながら加えた。得られた沈澱をろ別し
たあと水洗液のpHが5となるまで水洗を繰り返した。
得られた結晶を乾燥して、無定型の結晶を253.0g
得た(原液製造時に用いたクロロベンゼンに対する単離
収率88.1%)。得られた結晶を分析した結果を表1
に示した。
【0043】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4,4’−ジクロロジフェニルスルホンと
    硫酸との混合物から該4,4’−ジクロロジフェニルス
    ルホンを単離するに際し、該混合物、アレーン類,ハロ
    ゲン化アリール類及びハロゲン化アルカン類からなる群
    より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒、並びに水とを
    混合し、次いで、有機溶媒相と水相を分液した後、該有
    機溶媒相を冷却して上記4,4’−ジクロロジフェニル
    スルホンを晶析させることを特徴とする4,4’−ジク
    ロロジフェニルスルホンの単離方法。
JP7324691A 1995-12-13 1995-12-13 4,4’−ジクロロジフェニルスルホンの単離方法 Pending JPH09157246A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7324691A JPH09157246A (ja) 1995-12-13 1995-12-13 4,4’−ジクロロジフェニルスルホンの単離方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7324691A JPH09157246A (ja) 1995-12-13 1995-12-13 4,4’−ジクロロジフェニルスルホンの単離方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09157246A true JPH09157246A (ja) 1997-06-17

Family

ID=18168654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7324691A Pending JPH09157246A (ja) 1995-12-13 1995-12-13 4,4’−ジクロロジフェニルスルホンの単離方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09157246A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011067649A2 (en) 2009-12-01 2011-06-09 Hemant Ratanakar Bandodkar Process for the production of a sulfone monomer
CN106588719A (zh) * 2016-12-20 2017-04-26 江西金海新能源科技有限公司 制备高纯度4,4′–二氯二苯砜的方法
US10745348B2 (en) 2015-06-09 2020-08-18 Vertellus Holdings Llc Process for making diaryl sulfones
CN114206833A (zh) * 2019-08-27 2022-03-18 巴斯夫欧洲公司 纯化粗制4,4’-二氯二苯砜的方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011067649A2 (en) 2009-12-01 2011-06-09 Hemant Ratanakar Bandodkar Process for the production of a sulfone monomer
DE112010004627T5 (de) 2009-12-01 2013-01-17 Ratanakar Hemant Bandodkar Verfahren zur Herstellung eines Sulfonmonomers
US10745348B2 (en) 2015-06-09 2020-08-18 Vertellus Holdings Llc Process for making diaryl sulfones
CN106588719A (zh) * 2016-12-20 2017-04-26 江西金海新能源科技有限公司 制备高纯度4,4′–二氯二苯砜的方法
CN114206833A (zh) * 2019-08-27 2022-03-18 巴斯夫欧洲公司 纯化粗制4,4’-二氯二苯砜的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4408087A (en) Purification of bisphenol-A
JPS6340775B2 (ja)
EP0524634B1 (en) Process for the preparation of 1,2-naphtho-quinonediazido-5-sulfonyl chloride
US4772754A (en) Process for the isolation of p-hydroxybenzaldehyde
US4192955A (en) Process for the recovery of 2,2-bis(4-hydroxyphenyl) propane
US3627846A (en) Process for obtaining particularly pure 2,2-bis-(phenylol)-propane
JPH09157246A (ja) 4,4’−ジクロロジフェニルスルホンの単離方法
US20030070928A1 (en) Process for preparing salts of methallylsulfonic acid
US4507509A (en) Purification of bisphenol-A
US4300000A (en) Process for the recovery of 2,2-bis(4-hydroxyphenyl)propane
US4145349A (en) Process for the production of saccharine
US6972344B2 (en) Method of producing pure 1,1-bis-(4-hydroxyphenyl)-3,3,5-trimethylcyclohexane
JP3003287B2 (ja) N−アルキルアミノエタンスルホン酸ナトリウムの製法
JP4124319B2 (ja) 2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの製造方法
JPS62138443A (ja) ビスクレゾ−ルの製造方法
JPH10158206A (ja) 1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンの精製法
JP2917495B2 (ja) 光学活性1,2―プロパンジアミンの製造法
JPH0597782A (ja) 塩酸ベバントロールの製造方法
JP4226258B2 (ja) 2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの製造方法
JP2887300B2 (ja) 高品位ビスフェノールaの製造方法
US5399783A (en) Preparation of 6,6'-dihydroxy-3,3,3',3'-tetramethyl-1,1'-spirobiindane
US2708198A (en) Pentaerythrite-dichlorhydrine monosulfurous acid esters
JPH021458A (ja) 4,4’―ジヒドロキシジフェニルスルホンの製造法
JPH0210131B2 (ja)
JP2770512B2 (ja) アミノエチルスルホン酸アルカリ金属塩類の精製方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924