JPH09155906A - ビーズ発泡プラスチックの成形方法 - Google Patents

ビーズ発泡プラスチックの成形方法

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JPH09155906A
JPH09155906A JP7346030A JP34603095A JPH09155906A JP H09155906 A JPH09155906 A JP H09155906A JP 7346030 A JP7346030 A JP 7346030A JP 34603095 A JP34603095 A JP 34603095A JP H09155906 A JPH09155906 A JP H09155906A
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molding
holes
mold
bead
molding die
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JP7346030A
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Akio Imai
秋男 今井
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ASTEC CORP KK
Astec Corp Co Ltd
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ASTEC CORP KK
Astec Corp Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 意匠性の高い成形品を得ることのできるビー
ズ発泡プラスチックの成形方法を提供し、ビーズ発泡プ
ラスチックの市場を飛躍的に拡大すること。 【解決手段】 所定の倍率に予備発泡された粒子を成形
金型内に充填し、該成形金型内に充填された予備発泡粒
子を、成形金型自体に形成された1cm2 当たり2〜30
0個の通孔であって、かつ該通孔の少なくとも金型の成
形面側に現れる孔径が100μm以下の通孔を介して導
入された水蒸気により加熱し、予備発泡粒子同士を互い
に融着させてビーズ発泡プラスチックを成形することと
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビーズ発泡プラス
チックの成形方法に関し、特に意匠性の高い成形品を得
ることのできるビーズ発泡プラスチックの成形方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ビーズ発泡プラスチックは、発泡剤を含
有したビーズ状のプラスチックを、いったん加熱して所
定の倍率に予備発泡した後、熟成し、該熟成した予備発
泡粒子を成形金型内に充填し、再度加熱することにより
予備発泡粒子同士を互いに融着させ、発泡成形品(ビー
ズ発泡プラスチック)を得るものである。
【0003】ここで、上記予備発泡粒子を充填する成形
金型には、該成形金型内に予備発泡粒子を充填する原料
フィーダの取付孔、成形品を取り出すエジェクトピンの
取付孔、更には充填された予備発泡粒子を加熱するため
の水蒸気を導入する複数の通孔が形成されている。この
成形金型の構造を、箱型の成形品を製造する成形金型を
例に挙げて図5に詳細に示す。
【0004】図5中101は、雌型の金型本体、102
は、該雌型の金型本体101と組み合わされてその間に
成形品形状の空隙Aを画成する雄型の金型本体である。
【0005】上記雌型の金型本体101の適当な箇所に
は、空隙Aに予備発泡粒子を充填する原料フィーダ10
3を取り付ける穿孔104、及び成形品を取り出すエジ
ェクトピン105を取り付ける穿孔106が各々形成さ
れていると共に、充填された予備発泡粒子を加熱するた
めの水蒸気を導入する複数のベントホール107が形成
されている。上記ベントホール107は、直径約10mm
程度の孔であって、該孔が金型の成形面に約30mmの間
隔で満遍なく形成されている。ベントホール107に
は、図6或いは図7に示したような円筒形状のベント1
08が打ち込まれ、該ベント108の上面には、水蒸気
を吹き出す0.8〜1.0mm径のキリ穴109が19個
形成された物(図6参照)、或いは0.2〜0.4mm巾
のスリット110が6本形成された物(図7参照)等が
使用されている。
【0006】一方、上記雄型の金型本体102には、原
料フィーダの取付孔、或いはエジェクトピンの取付孔は
存在しないが、充填された予備発泡粒子を加熱するため
の水蒸気を導入する複数のベントホール107が、上記
雌型の金型本体101と同様に穿設され、該ベントホー
ル107には、ベント108が打ち込まれている。
【0007】上記雌型の金型本体101、及び雄型の金
型本体102は、通常、鋳型に溶融金属(例えば、アル
ミニウム合金の溶湯)を流し込み、凝固させて肉厚8mm
程度の金型に作製し、該金型に上記原料フィーダの取付
孔104、エジェクトピンの取付孔106、及びベント
ホール107をドリル等を用いて各々穿設し、雌型の金
型本体101、及び雄型の金型本体102を製造してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらここで、
上記成形金型によってビーズ発泡プラスチックを成形す
ると、その成形面には、図8に示したように上記原料フ
ィーダ103の跡X、エジェクトピン105の跡Y、更
にはベント108の跡Zが付き、その跡が製品の美観を
著しく損ねていた。特に、水蒸気を金型内に導入するベ
ント108は、充填された予備発泡粒子同士を確実に融
着させるために、上述したように雄・雌の両金型本体1
01,102の成形面に満遍なく打ち込まれているた
め、意匠性の高い製品を要求された場合においても、該
ベント108の跡Zは、製品の表面側となる面にも確実
に現れていた。
【0009】また、水蒸気を導入する上記ベント108
の構造は、上述したように円筒形状の平らな上面にキリ
穴109、或いはスリット110を形成した構造の物で
あるため、該ベント108を打ち込む成形金型に、木目
模様、或いは木の葉模様等の浮き彫り模様を形成して
も、該ベント108の打ち込み部が連続模様とはなら
ず、成形品にベント108の跡Zが段として現れ、意匠
性の高い製品を成形することは出来なかった。
【0010】上記のようなことから、ビーズ発泡プラス
チックは、現在においては梱包材、緩衝材、或いは断熱
材と言ったあまり意匠性を要求されない用途にのみ使用
され、その新たな市場を開拓することは、ビーズ発泡プ
ラスチックの上述した美観の悪さから、非常に困難なも
のとなっていた。
【0011】本発明は、上述した従来の成形金型を使用
して成形したビーズ発泡プラスチックの現状に鑑み成さ
れたものであって、その目的は、意匠性の高い成形品を
得ることのできるビーズ発泡プラスチックの成形方法を
提供し、ビーズ発泡プラスチックの市場を飛躍的に拡大
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するため、所定の倍率に予備発泡された粒子を成
形金型内に充填し、該成形金型内に充填された予備発泡
粒子を、成形金型自体に形成された1cm2 当たり2〜3
00個の通孔であって、かつ該通孔の少なくとも金型の
成形面側に現れる孔径が100μm以下の通孔を介して
導入された水蒸気により加熱し、予備発泡粒子同士を互
いに融着させてビーズ発泡プラスチックを成形すること
とした。
【0013】上記した本発明にかかるビーズ発泡プラス
チックの成形方法は、ビーズ発泡プラスチックの成形に
あたって必須の水蒸気導入孔を、成形金型自体に形成さ
れた1cm2 当たり2〜300個の径が100μm以下の
複数の通孔としたことに最大の特徴があるものであり、
これにより、意匠性が飛躍的に向上したビーズ発泡プラ
スチックの成形品を得ることが可能となる。
【0014】すなわち、従来においては、成形金型自体
に微細な通孔を複数穿設する手間を考え、上述したよう
に成形金型には直径約10mm程度のベントホールを所定
の間隔で複数穿設し、該ベントホールに微細なキリ孔或
いはスリットが形成されたベントを打ち込むことにより
水蒸気導入孔を形成していたため、該ベントの跡が成形
品表面に確実に現れていた。しかし、本発明において
は、近年の金型製造技術の進歩、特に熱可塑性プラスチ
ックの真空成形方法等に使用される微細な通孔を複数有
する金型の製造技術の進歩(例えば、特公平2−144
34参照)に鑑み、ビーズ発泡プラスチックの成形に、
成形金型自体に微細な通孔が1cm2 当たり2〜300個
形成された金型を使用することとしたと共に、該金型の
成形面側に現れる前記通孔の径を、成形品の通孔跡が目
視できない程度のものとなる100μm以下としたた
め、成形されるビーズ発泡プラスチックの表面は、従来
のベント跡が無い表面と成ると共に、成形金型に木目模
様、或いは木の葉模様等の浮き彫り模様を形成した場合
にも、該模様が連続模様となり、意匠性の高い製品を成
形することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、上記した本発明にかかるビ
ーズ発泡プラスチックの成形方法の実施の形態に付き説
明する。
【0016】ビーズ発泡プラスチックには、ビーズ発泡
ポリスチレン、ビーズ発泡ポリウレタン、ビーズ発泡ポ
リエチレン、ビーズ発泡塩化ビニル等がある。これらの
ビーズ発泡プラスチックは、該プラスチックの粒子内部
に発泡剤、例えばプロパン、ブタン、ペンタン等の低沸
点の炭化水素が含浸されており、該発泡剤が加熱時に発
泡することにより発泡体を形成する。
【0017】ビーズ発泡プラスチックの成形は、予備発
泡、熟成、型内成形、及び乾燥の各工程が1つの製造プ
ロセスとなって行われている。ここで、予備発泡工程
は、ビーズ発泡プラスチックを水蒸気により加熱し、流
動性を有する発泡粒子(予備発泡粒子)にかえる工程で
ある。この際、蒸気圧力や加熱時間などを制御すること
により、目的の発泡倍率を得ることができるため、この
工程は成形品の製品設計を行う上で重要な工程の一つで
ある。上記予備発泡を終了した直後の予備発泡粒子は、
発泡剤で充満され、水蒸気で湿り、温かく柔らかい。こ
の予備発泡粒子が冷却されてくると、その内部は発泡剤
の凝縮液化などにより蒸気圧が低下した減圧状態とな
り、このままで後述する成形を行うと、型を再現するほ
どの発泡力がないために収縮や変形が起きやすくなる。
このため、発泡粒子の内部に空気を浸透させ、内圧を大
気圧まで戻す必要がある。この過程を熟成工程と称して
いる。この熟成工程は、例えば、金網などで作られたサ
イロに予備発泡粒子を保存する方式が採用されている。
上記した予備発泡、及び熟成工程は、本発明にかかるビ
ーズ発泡プラスチックの成形方法においても、同様に行
われる。
【0018】型内成形工程は、上記熟成工程を経た予備
発泡粒子を成形金型内に充填し、水蒸気により再度加熱
して、発泡粒子を軟化し発泡させ、個々の発泡粒子を型
内で互いに融着させ、続いて冷却して取り出す工程であ
る。この型内成形工程において、重要な事柄は、予備発
泡粒子のそれぞれが、水蒸気により均一に加熱されるよ
うな成形条件を採用することであり、本発明にかかるビ
ーズ発泡プラスチックの成形方法は、この水蒸気を型内
に導入する水蒸気導入孔を、成形金型自体に満遍なく形
成された1cm2 当たり2〜300個の通孔であって、か
つ該通孔の少なくとも金型の成形面側に現れる孔径が1
00μm以下の通孔としたことに最大の特徴がある。こ
こで、上記成形金型自体に満遍なく形成された通孔が、
1cm2 当たり2個に満たない通孔の量では、予備発泡粒
子同士を確実に融着できない場合(焼きムラ)が存在す
ることとなり、また逆に、1cm2 当たり300個を越え
る量が存在しても、差ほどの融着向上効果は認められな
いばかりではなく、金型自体の強度が低下する等の不都
合が生じるため好ましくない。また、少なくとも金型の
成形面側に現れる通孔の径が、100μmを越える通孔
では、成形品に現れる該通孔の跡が目視できるものとな
るため好ましくない。なお、特に好ましくは、通孔の径
は10〜80μmである。
【0019】上記ような成形金型は、例えば電鋳法によ
り成形金型を製造し、該電鋳金型の製造時に、上記した
ような複数の通孔を有する成形金型とすることが好まし
い。上記成形金型の製造方法を、以下に詳細に説明す
る。
【0020】先ず、成形金型を多孔質に形成するため
に、所望の形状に作製されたマンドレルを電解液に浸す
前に表面処理及びラッキングを行う。表面処理工程にお
いては、マンドレルは溶剤、磨き粉等の研磨剤にてその
表面が磨かれ、表面に付着した不純物が除去されるとと
もに、表面が粗面化される。表面の粗面化は電導物のな
じみをよくし、電鋳被膜の密着性を高めるためのもので
ある。このあと、マンドレルは水で洗われて表面の研磨
剤が除去され、さらにジェットエアーにて乾燥されて表
面処理工程が終了する。ラッキング工程においては、マ
ンドレルにスプレー液が噴射されて導電性が与えられ
る。このスプレー液は、例えばペースト状銀ラッカーと
酢酸ブチル溶液とを1:1の比率で配合したのち、この
配合液の全体量に対し30%以下の割合にて塩化ビニル
ラッカー液を混入することにより作られる。このスプレ
ー液をマンドレルの表面が完全な金属色を呈するまで噴
射し、マンドレルの表面に約15μm以上の導電層を形
成する。この導電層をミクロ的にみると、導電層中に点
在する塩化ビニルラッカーによって微細な非導電部が形
成されているため、該微細な非導電部には、後述する電
鋳の初期において電鋳材料が電着せず、微細な非電着部
の発生に大きく寄与する。上記スプレー液中における塩
化ビニルラッカー液の混入度を加減することにより、上
記導電層中に点在する非電着部の大きさや分布を変化さ
せることが可能である。ラッキング工程が終わったの
ち、マンドレルには再度水洗いがなされて、表面の異物
が取り除かれ、マンドレルの前処理は終了する。
【0021】続いて、マンドレルは電鋳材料とともに電
解液層内の電解液中に浸され、マンドレルの面積100
cm2 当たり、例えば3Aの電流を電鋳材料とマンドレル
の導電層との間に流すと、電鋳材料が電解されてマンド
レルの導電層上に被覆され、電鋳層が形成される。この
際、微細な非電着部を発生し易くするために、電解液の
循環、及びマンドレルの移動を停止した状態とする。こ
の電鋳の初期においては、前述したように導電層中に点
在した塩化ビニルラッカーによる微小な非導電部には電
鋳材料が電着せず、この非導電部を基点として微小な非
電着部が発生し、電鋳の進行とともにこの微小な非電着
部は成長して貫通した通孔となる。そして、マンドレル
の所望面全体に電鋳層が被覆され、さらに該電鋳層に多
数の通孔が形成されたことを確認したのちに、電流をマ
ンドレルの面積100cm2当たり、例えば1〜2A程度
に落とすとともに、電解液を循環させ、さらにマンドレ
ルを移動させることによりカソード電流密度を均一化
し、電鋳層の厚みを均一にする。
【0022】上記のようにしてマンドレルの表面に肉厚
2mm程度の均一な電鋳層が形成されたら、電解液からマ
ンドレルを取り出してこれを乾燥させる。この後、マン
ドレルから電鋳層を剥離する。マンドレルから取り外さ
れた電鋳層は、微細な複数の通孔を満遍なく有する成形
金型となる。
【0023】上記した製造方法により作製した成形金型
の内、意匠性を要求されない裏面側を成形することとな
る雌型或いは雄型のいずれか一方の成形金型に、原料フ
ィーダの取付孔及びエジェクトピンの取付孔を各々ドリ
ル等を用いて穿設し、雌型の成形金型及び雄型の成形金
型を製造し、該成形金型をビーズ発泡プラスチックの自
動成形機に搭載する。
【0024】自動成形機に搭載された上記成形金型内
に、熟成した予備発泡粒子を充填し、該成形金型自体に
満遍なく形成された複数の通孔を介して0.6〜1.2
kg/cm2の水蒸気を吹き込み、充填された予備発泡粒子同
士を融着させて成形する。続いて水冷、離型を経て、意
匠性の良好な製品が取り出される。
【0025】以上、本発明にかかるビーズ発泡プラスチ
ックの成形方法の実施の一形態につき説明したが、本発
明は、既述の実施の形態に限定されず、本発明にかかる
技術的思想に基づいて、各種の変形及び変更が可能であ
る。例えば、上記実施の形態においては、1cm2 当たり
2〜300個の径が100μm以下の複数の通孔をそれ
自体に有する成形金型を、電鋳法により製造した電鋳金
型としたが、上記の通孔を、公知の種々の方法で製造し
た成形金型にキリ或いはレーザー光線等を用いて直接穿
設した成形金型としてもよい。また、上記実施の形態に
おいては、雄・雌の両成形金型とも、1cm2 当たり2〜
300個の径が100μm以下の複数の通孔をそれ自体
に有する成形金型としたが、意匠性を要求される面側を
成形する雌型、或いは雄型のいずれか一方の成形金型の
みを、上記通孔を有する成形金型とし、他方は、従来と
同様に、成形金型に30mm間隔程度でベントホールを穿
設し、該ベントホールにその上面に0.8mm径程度のキ
リ孔が形成されたベントを打ち込み、水蒸気導入孔とし
たものを使用してもよい。
【0026】
【実施例】以下、上記した本発明にかかるビーズ発泡プ
ラスチックの成形方法の実施例につき説明する。
【0027】−実施例1− 原料ビーズ(積水化成品工業株式会社製:エスレンビー
ズ)を予備発泡機(株式会社積水工機製:SKK−11
0)により発泡させ、50倍の予備発泡粒子を製造し
た。その後、上記予備発泡粒子をサイロ内に入れ、12
時間熟成し、予備発泡粒子内の内圧を大気圧まで高め
た。
【0028】熟成が完了した上記予備発泡粒子を、後記
の成形金型が搭載された自動成形機(株式会社ダイセン
工業製:VS−300)にて、後記の条件で成形した。
【0029】〔成形金型〕図1に示したような、成形品
形状が肉厚10mm、縦,横,高さが各々215mm,17
5mm,30mmの木目の浮き彫り模様を表面側に有する箱
体Xを、4個成形できる成形金型とし、該成形金型の
内、箱体Xの裏面側X1 を成形することとなる雄型は、
従来と同様に、鋳型に溶融金属(アルミニウム合金)を
流し込み、凝固させて肉厚8mm程度の金型に作製し、該
金型1に、図2に示したように原料フィーダの取付孔
2、エジェクトピンの取付孔3、及び30mm間隔でベン
トホール4を各々ドリル等を用いて穿設し、該ベントホ
ール4には、その上面に0.8mm径のキリ穴5が19個
形成された直径10mmのベント6を打ち込み、水蒸気導
入孔としたものを使用した。一方、箱体Xの表面側X2
を成形することとなる雌型は、電鋳法により製造した肉
厚2mm程度の江南特殊産業株式会社製の電鋳金型を使用
し、該電鋳金型7は、その製造時にマンドレルの表面に
設けた複数の微細な非導電部に発生する非電着部を成長
させて形成した1cm2 当たり3,4個の平均径が30μ
m、最大径が80μm程度の複数の通孔8を図3に示し
たように満遍なく有し、かつ、マンドレルの表面に形成
した木目の浮き彫り模様を転写した浮き彫り模様9をそ
の表面に有する成形金型とした。上記雄型1、及び雌型
7の成形金型は、図4に示したように組み合わされ、そ
の両者の間隙に成形品形状の空隙Aを画成する。
【0030】 〔成形条件〕 原料充填時間 : 3sec 水蒸気の圧力 : 固定側(雄型側)0.7kg/cm2 移動側(雌型側)0.8kg/cm2 水蒸気の温度 : 88〜99℃ 水蒸気による加熱時間 : 8sec 冷却水の温度 : 36℃ 冷却水による冷却時間 : 4sec
【0031】上記成形金型が搭載された自動成形機によ
って、上記成形条件で得られた箱型の成形品は、その表
面側は、水蒸気導入孔の跡が見られない、美しい木目の
浮き彫り模様を有する成形品であった。但し、裏面側
は、従来と同様に、原料フィーダの跡、エジェクトピン
の跡、更にはベントの跡が付き、美観の悪いものであっ
た。
【0032】−実施例2− 原料ビーズ(積水化成品工業株式会社製:エスレンビー
ズ)を予備発泡機(株式会社積水工機製:SKK−11
0)により発泡させ、50倍の予備発泡粒子を製造し
た。その後、上記予備発泡粒子をサイロ内に入れ、12
時間熟成し、予備発泡粒子内の内圧を大気圧まで高め
た。
【0033】熟成が完了した上記予備発泡粒子を、後記
の成形金型が搭載された自動成形機(株式会社ダイセン
工業製:VS−300)にて、後記の条件で成形した。
【0034】〔成形金型〕成形品形状が肉厚10mm、
縦,横,高さが各々215mm,175mm,30mmの糸目
の浮き彫り模様を表面側に有する箱体を4個成形できる
成形金型とし、該成形金型の内、箱体の裏面側を成形す
ることとなる雄型は、実施例1と同様の金型を使用し、
箱体の表面側を成形することとなる雌型は、電鋳法によ
り製造した肉厚2mm程度の江南特殊産業株式会社製の電
鋳金型を使用した。この電鋳金型は、その製造時にマン
ドレルの表面に設けた複数の微細な非導電部に発生する
非電着部を成長させて形成した1cm2 当たり3,4個の
平均径が30μm、最大径が80μm程度の複数の通孔
を満遍なく有し、かつ、マンドレルの表面に形成した糸
目の浮き彫り模様を転写した浮き彫り模様をその表面に
有する成形金型とした。
【0035】 〔成形条件〕 原料充填時間 : 3sec 水蒸気の圧力 : 固定側(雄型側)0.7kg/cm2 移動側(雌型側)0.8kg/cm2 水蒸気の温度 : 88〜99℃ 水蒸気による加熱時間 : 8sec 冷却水の温度 : 36℃ 冷却水による冷却時間 : 4sec
【0036】上記成形金型が搭載された自動成形機によ
って、上記成形条件で得られた箱型の成形品は、その表
面側は、水蒸気導入孔の跡が見られない、美しい糸目の
浮き彫り模様を有する成形品であった。但し、裏面側
は、従来と同様に、原料フィーダの跡、エジェクトピン
の跡、更にはベントの跡が付き、美観の悪いものであっ
た。
【0037】
【発明の効果】以上、説明した本発明にかかるビーズ発
泡プラスチックの成形方法は、ビーズ発泡プラスチック
の成形にあたって必須の水蒸気導入孔を、成形金型自体
に形成された1cm2 当たり2〜300個の通孔であっ
て、かつ該通孔の少なくとも金型の成形面側に現れる孔
径が100μm以下の通孔としたことに最大の特徴があ
るものであり、これにより、意匠性が飛躍的に向上した
ビーズ発泡プラスチックの成形品を得ることが可能とな
り、該ビーズ発泡プラスチックの成形品を、そのまま化
粧箱、或いは天井の装飾板として使用することも可能と
なることから、ビーズ発泡プラスチックの市場を飛躍的
に拡大できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるビーズ発泡プラスチックの成形
方法により成形した箱体の一部切り欠き斜視図である。
【図2】本発明にかかるビーズ発泡プラスチックの成形
方法に使用した雄型の成形金型の斜視図である。
【図3】本発明にかかるビーズ発泡プラスチックの成形
方法に使用した雌型の成形金型の斜視図である。
【図4】本発明にかかるビーズ発泡プラスチックの成形
方法に使用した雄・雌の両成形金型を組み合わせた状態
を示した縦断面図である。
【図5】従来のビーズ発泡プラスチックの成形方法にお
いて使用していた雄・雌の両成形金型を組み合わせた状
態を示した縦断面図である。
【図6】従来のビーズ発泡プラスチックの成形方法にお
いて使用していた成形金型に打ち込むベントの一部切り
欠き斜視図である。
【図7】従来のビーズ発泡プラスチックの成形方法にお
いて使用していた成形金型に打ち込むベントの一部切り
欠き斜視図である。
【図8】従来のビーズ発泡プラスチックの成形方法によ
り成形した箱体の一部切り欠き斜視図である。
【符号の説明】
1 雄型の成形金型 2 原料フィーダの取付孔 3 エジェクトピンの取付孔 4 ベントホール 5 キリ穴 6 ベント 7 雌型の成形金型 8 通孔 9 浮き彫り模様 X 箱体(成形品) X1 箱体の裏面側 X2 箱体の表面側 A 成形品形状の空隙

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の倍率に予備発泡された粒子を成形
    金型内に充填し、該成形金型内に充填された予備発泡粒
    子を、成形金型自体に形成された1cm2 当たり2〜30
    0個の通孔であって、かつ該通孔の少なくとも金型の成
    形面側に現れる孔径が100μm以下の通孔を介して導
    入された水蒸気により加熱し、予備発泡粒子同士を互い
    に融着させてビーズ発泡プラスチックを成形することを
    特徴とする、ビーズ発泡プラスチックの成形方法。
  2. 【請求項2】 上記成形金型が、電鋳法により製造され
    た電鋳金型であって、該電鋳金型には、その製造時にマ
    ンドレルの表面に設けた複数の微細な非導電部に発生す
    る非電着部を成長させて形成した1cm2 当たり2〜30
    0個の通孔であって、かつ該通孔の少なくとも金型の成
    形面側に現れる孔径が100μm以下の通孔が形成され
    ていることを特徴とする、請求項1記載のビーズ発泡プ
    ラスチックの成形方法。
  3. 【請求項3】 上記1cm2 当たり2〜300個の通孔で
    あって、かつ該通孔の少なくとも金型の成形面側に現れ
    る孔径が100μm以下の通孔がそれ自体に形成された
    成形金型が、意匠性を要求される面側を成形する雌型、
    或いは雄型のいずれか一方の成形金型として使用されて
    いることを特徴とする、請求項1又は2記載のビーズ発
    泡プラスチックの成形方法。
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