JPH09155848A - コンクリートミキサー車による生コンクリート及びモルタルを製造する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 土木工事や建築工事の作業現場の所望の箇所
で生コンクリート又はモルタルを作ることにより、これ
を運搬することにより生じる不都合を無くすと共に、生
成した生コンクリート又はモルタルを直ちに打設して、
これを待機させることにより生じる不都合を無くすこと
のできる方法を開発する。 【構成】 生コンクリートの減水とスランプロスの抑
制、及び製品コンクリートの早期劣化や耐久性の改善等
を目的として使用される「コンクリート用ＡＥ減水剤」
を生コンクリート材料、及びモルタル材料に加えること
により混合物の揺変性を高めて、コンクリート材料を混
練することは出来ないため生コンクリートやモルタルを
運搬するためにだけ使用されていたコンクリートミキサ
ー車で、生コンクリート及びモルタルを作ることが出来
るようにした

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンクリートミキサー
車により生コンクリート及びモルタルを製造する方法に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】土木工事や建築工事において、コンクリ
ートを打設するときは、その作業は生コンクリート又は
モルタル製造工場で混練したレディースミックスドコン
クリート（生コンクリート又はモルタル）をコンクリー
トミキサー車により打設現場に運搬することによって行
われる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】コンクリートを打設す
るには、先ず所定量ずつの砕石（粗骨材）、川砂（細骨
材）とポルトランドセメントに水を加えて混練して生コ
ンクリートを作り、又は細骨材とポルトランドセメント
に水を加えて混練してモルタルを作り、次いでこれを打
設箇所に流し入れて静置することにより行われる。生コ
ンクリートやモルタルを作ためには、骨材やポルトラン
ドセメントを混練するための装置や設備を必要とするの
で、これを打設現場に設置することは出来ない。そのた
め、コンクリートを打設するときは、生コンクリートや
モルタル（レディースミックスドコンクリート）は生コ
ン製造工場で作り、これをコンクリートミキサー車によ
り打設現場に運搬することによって行なわざるを得な
い。この様なことから、コンクリートを打設するとき
は、その作業規模に応じた量のコンクリートミキサー車
を用意しなければならないので、それだけ作業コストが
嵩むし、作業能率が低下すると云う問題がある。しかも
多くの場合は、生コンクリートやモルタルの製造工場と
コンクリートの打設現場との間ではコンクリートミキサ
ー車の走行に長時間を要するため、作業コストの上嵩
や、作業能率の低下が一層大きくなるのである。又、生
コンクリートやモルタルは時間が経過するに従って次第
に凝結が進むので、コンクリートミキサー車はアジテー
タドラムを回転させて、これに入れられた生コンクリー
トやモルタルを運搬中攪拌し続けることにより凝結を抑
制するようになってはいるものゝ、走行に長時間がかゝ
ると凝結化がそれだけ大きくなるため、製品コンクリー
トの強度が低くなることは避けられない。本発明は、土
木工事や建築工事の作業現場の所望の箇所で生コンクリ
ート又はモルタルを作ることにより、これらを運搬する
ことにより生じる不都合を無くすと共に、生成した生コ
ンクリート又はモルタルを直ちに打設して、これらを長
時間にわたって待機させることにより生じる不都合を無
くすことのできる方法を開発することを課題としてい
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、生コンクリー
トの減水とスランプロスの抑制、及び製品コンクリート
の早期劣化や耐久性の改善等を目的として使用される
「コンクリート用ＡＥ減水剤」を生コンクリート及びモ
ルタル材料に加えることにより混合物の揺変性を高め
て、生コンクリートやモルタル材料を混練することは出
来ないため混練装置により作られる生コンクリートやモ
ルタルを運搬するためにだけ使用されていたコンクリー
トミキサー車で、生コンクリート及びモルタルを作るこ
とが出来るようにした手段により上記した課題を解決し
ている。

【０００５】

【作用】本発明は、粗骨材、細骨材、ポルトランドセメ
ント、及び水等の生コンクリート及びモルタル材料に
0.2〜 0.9wt％程度の「コンクリート用ＡＥ減水剤」を
加えることにより混合物は揺変性が高まり、混練性が著
しく向上してコンクリートミキサー車のアジテータドラ
ムでも充分に混練されて生コンクリート又はモルタルと
なる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明に係るコンクリートミキサー車
による生コンクリート及びモルタルを製造する方法を、
気泡コンクリートを打設する方法を例にして説明する。
コンクリートミキサー車のアジテータドラムに川砂等の
骨材 1,500kg、ポルトランドセメント 480kgを投入し、
更にこれに水 250kg、及びコンクリート用ＡＥ減水剤
６〜30Kgを加えて５〜20分程度撹拌する。このとき骨材
は、最初に 1,000kg程度を投入し、次いでボルトランド
セメントを投入してから残余の骨材を加えるのがよい。
また、コンクリート用ＡＥ減水剤は、アニオン型高分子
活性剤やカルボン酸系高分子活性剤等の通常のＡＥ減水
剤（例えば、花王株式会社製 マイティ2000）であり、予め
水に溶解させておくのが望ましい。コンクリート用ＡＥ
減水剤を添加したことにより混合物は揺変性が高まり、
液状化が進んで速やかにモルタルになる。そこでこのモ
ルタルに気泡を混入して気泡コンクリートとし、これを
所定の箇所に流し込むのである。モルタルに気泡を混入
する方法については特に限定はしない。たとえば、アジ
テータドラムのモルタルに発泡剤を添加して、これを発
泡させながら撹拌する方法もあるし、アジテータドラム
のモルタルを気泡混合機に送り込むと共に、気泡発生装
置で気泡を発生させてこれを気泡混合機に送り込んで両
者を混合する方法もある。

【０００７】

【発明の効果】以上詳述したように本発明に係るコンク
リートミキサー車による生コンクリート及びモルタルを
製造する方法は、生コンクリートの減水とスランプロス
の抑制、及び製品コンクリートの早期劣化や耐久性の改
善等を目的として使用される「コンクリート用ＡＥ減水
剤」を混練補助剤として使用するもので、これを生コン
クリート及びモルタル材料に 0.2〜 0.9wt％程度を加え
ることにより混合物は揺変性が高まり、混練性が著しく
向上して、生コンクリート及びモルタル材料は、コンク
リートミキサー車のアジテータドラムを回転するだけで
充分に混練されて生コンクリート又はモルタルとなるの
である。その結果、従来は生コンクリートやモルタルの
運搬にのみ使用されていたコンクリートミキサー車が生
コンクリートやモルタルの製造装置として機能し、生コ
ンクリートやモルタルの製造プラントを必要としなくな
るだけでなく、コンクリートミキサー車の使用台数が著
しく低減し、作業能率が向上するばかりでなく、生成し
た生コンクリートやモルタルを直ちに打設する事ができ
るので、製品コンクリートは所定の強度を有するものと
なるのである。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリートミキサー車のアジテータド
   ラムに所定量の生コンクリート又はモルタル材料（粗骨
   材、細骨材、ポルトランドセメント、及び水）を投入
   し、更にそれに上記材料の 0.2〜 0.9wt％程度のコンク
   リート用ＡＥ減水剤を加えて、アジテータドラムを５〜
   ２０分程度回転させることにより内容物を撹拌すること
   を特徴とするコンクリートミキサー車による生コンクリ
   ート及びモルタルを製造する方法
2. 【請求項２】 コンクリート用ＡＥ減水剤は、予め水に
   溶解させることを特徴とする請求項１のコンクリートミ
   キサー車による生コンクリート及びモルタルを製造する
   方法
3. 【請求項３】 生成した生コンクリート又はモルタルに
   気泡を混入させることを特徴とする請求項１、又は２の
   コンクリートミキサー車による生コンクリート及びモル
   タルを製造する方法