JPH09155341A - 塩化鉄廃液処理装置 - Google Patents

塩化鉄廃液処理装置

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JPH09155341A
JPH09155341A JP34599295A JP34599295A JPH09155341A JP H09155341 A JPH09155341 A JP H09155341A JP 34599295 A JP34599295 A JP 34599295A JP 34599295 A JP34599295 A JP 34599295A JP H09155341 A JPH09155341 A JP H09155341A
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JP
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layer
exchange resin
ion exchange
resin
waste liquid
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JP34599295A
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Hidemi Niinai
英見 二井内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂ペレット層とイオン交換樹脂層との間に
生じる隙間の有無に関わらず効率良く吸着/再生処理が
行えるようにする。 【解決手段】 分離器1内の下層部に砂利層4−a、中
層部にイオン交換樹脂層5−a、上層部に樹脂ペレット
層6−aを充填すると共に、前記砂利層には塩化鉄廃液
注入用兼排出用下部スリットスクリーン2、前記樹脂ペ
レット層には塩化ニッケル排出用兼水注入用上部スリッ
トスクリーン3を設けた塩化鉄廃液処理装置において、
前記砂利層4−aと前記イオン交換樹脂層5−aとの間
又は/及びイオン交換樹脂層5−aとその上層部の樹脂
ペレット層6−aの間に、ネット11で包被された樹脂
ペレット層6−bと、該樹脂ペレット層のイオン交換樹
脂層側に、サラン材マットその他の目の細かいマット状
層11を介装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷産業等から生
じる塩化ニッケルを含有する塩化鉄廃液からニッケル成
分を分離・除去して、塩化鉄水溶液の再生及び塩化ニッ
ケル水溶液の分離回収に適用される塩化鉄廃液処理装置
のイオン交換樹脂流出防止構造に係り、特に分離器内の
下層部に砂利層、中層部にイオン交換樹脂層、上層部に
樹脂ペレット層を充填すると共に、前記砂利層には塩化
鉄廃液注入用兼排出用下部スリットスクリーン、前記樹
脂ペレット層には塩化ニッケル排出用兼水注入用上部ス
リットスクリーンを設けた塩化鉄廃液処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来は図4に示すように、円筒内1(以
後、分離器と称する)の下層部に、砂利4で形成された
砂利層4−a、その上側の中層部にイオン交換樹脂5で
形成されたイオン交換樹脂層5−a、更にその上側の上
層部に樹脂ペレット6で形成された樹脂ペレット層6−
aを夫々積層配置するとともに、前記砂利層4−a内に
塩化ニッケルを含有する塩化鉄廃液8を分離器内1の下
部より注入させる為のスリットスクリーン2を、また前
記樹脂ペレット層6−a内には前記塩化鉄廃液8中の塩
化ニッケル8−aを流出させるスリットスクリーン3を
夫々配設して構成されている。
【0003】上記のように構成された塩化鉄廃液処理装
置では、塩化ニッケル8−aを含有する塩化鉄廃液8を
注入用スリットスクリーン2から分離器1内に通液させ
ると、中層部に形成されるイオン交換樹脂層5−aのイ
オン交換樹脂5に鉄だけが選択的に吸着され、塩化ニッ
ケル8−aはそのまま上層部の流出用スリットスクリー
ン3から流出され、図示しないニッケルタンクに貯蔵さ
れ、図示しない蒸発器、さらに分離塔等による処理工程
を経て分離塩化ニッケルとして廃液処理される。
【0004】次の再生工程では、分離器1内の上部のス
リットスクリーン3から水9が注入され、イオン交換樹
脂5に吸着した鉄は脱着され、塩化ニッケル8−aを含
有しない塩化鉄廃液9−aは分離器1内の下部スリット
スクリーン2から流出され、図示しない蒸発タンクに貯
蔵後、蒸発器等による処理工程を経て再生塩化鉄(再生
新液)として使用される。このように前記処理装置で
は、所定のタイムサイクルで吸着工程と再生工程が繰返
し、行われ所定の処理がなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記した
従来の塩化鉄廃液処理装置では以下の問題点があった。 (1)イオン交換樹脂の粒子は微小粒子であり、また該
比重は、塩化鉄廃液に比べて小さいため、該廃液を流す
とイオン交換樹脂は浮上して、樹脂ペレット層の隙間を
通ってスリットスクリーンへと移動し、該スクリーンか
ら外部へと排出される。
【0006】図4に示すように、長時間の処理工程(吸
着/再生)によって分離器1内の中層部に形成されるイ
オン交換樹脂層5−aのイオン交換樹脂5が上層部に形
成された樹脂ペレット層6−aを通り抜けて(樹脂ペレ
ット6間の隙間)、分離器1内の上部のスリットスクリ
ーン3から流出し、中層部のイオン交換樹脂層5−aと
上層部の樹脂ペレット層6−aとの間で大きな隙間7が
生じる。この状況下でさらに吸着工程を開始すると、流
れの不均一化により図5に示すようにイオン交換樹脂5
の層厚がより顕著に不均一となり、位置によっては浮上
距離(浮上時間)が長くなることからイオン交換樹脂層
5−aと砂利層4−aとの間7−aで激しい流れ10が
生じて、分離器1内の側壁部でイオン交換樹脂5が抉ら
れる。この為に、イオン交換樹脂層5−aの層高さがア
ンバランスとなり、イオン交換樹脂層5−aを通過する
速度が不均一(抉られた部分の通過速度が増す)とな
り、イオン交換樹脂5の流出量が増大し、イオン交換樹
脂層5−aと樹脂ペレット層6−aとの間の隙間7をさ
らに大きくする要因となる。また、隙間7で生じる激し
い流れ10は分離器1内の圧力損失にも影響を及ぼし圧
力変動が極めて大きくなる。
【0007】(2)上記同様に、分離器1内の中層部の
イオン交換樹脂層5−aと上層部の樹脂ペレット層6−
aとの間で大きな隙間7がある状況下で再生工程を開始
すると、図6に示すように上部スリットスクリーン3か
ら水9を注入すると、上部に浮上していたイオン交換樹
脂層5−aは直ちに沈殿を始めて、樹脂ペレット層6−
aとイオン交換樹脂層5−aとの間の隙間7−bで吸着
工程時を越える激しい流れ10−aが生じる。この激し
い流れ10−aによって樹脂ペレット層6−aの中層部
から下層部に位置する樹脂ペレット6が上下動し、樹脂
ペレット層6−aの空隙率が大きくなる。空隙率が大き
くなることは、樹脂ペレット層6−a中の詰まり具合が
緩み樹脂ペレット6間の隙間が大きくなっていることを
意味するもので有り、再生工程後の吸着工程時にイオン
交換樹脂5の流出量が増すことになる。イオン交換樹脂
は高価な樹脂ゆえ流出量が多い程コスト高となる。
【0008】(3)減量分新たにイオン交換樹脂5を分
離器1内に充填させることは分離器1に供給口を必要と
し、もしくは吸着/再生等の処理工程を一旦停止して、
樹脂ペレット6を全量抜出す等の手間作業が必要でコス
ト高となる。
【0009】(4)以上の問題を緩和するために、廃液
注入時の流量を少なくして、大きな流れを回避すること
も可能であるが、この場合には処理能力が顕著に低下
し、採算性の面で問題となる。また、スリットスクリー
ンの開孔をイオン交換樹脂の粒径より小さくして、流出
防止を行うことも考えられるが、イオン交換樹脂の粒径
が極めて微小であるために、スリットスクリーンにおけ
る圧損が過大となったり目詰まりしたりして、やはり採
算性の面で問題となる。
【0010】さらにイオン交換樹脂層をネットにより覆
ったり、マットにより上下の層と分離することも考えら
れるが、この場合には該ネットまたはマットがイオン交
換樹脂の粒径以下の網目のものとなるため、これも圧損
過大となり現実的ではない。以上のような問題点を解決
する為に、イオン交換樹脂5の系外流失の低減ならびに
系外流失を低減するための事前対策が不可欠である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、分離器内の下
層部に砂利層、中層部にイオン交換樹脂層、上層部に樹
脂ペレット層を充填すると共に、前記砂利層には塩化鉄
廃液注入用兼排出用下部スリットスクリーン、前記樹脂
ペレット層には塩化ニッケル排出用兼水注入用上部スリ
ットスクリーンを設けた塩化鉄廃液処理装置において、
前記砂利層と前記イオン交換樹脂層との間に、樹脂ペレ
ット層をネットで包被するその他の手段により、浮力若
しくは液の流れ方向にしたがって樹脂ペレット層を一体
的に上下動自在に支持する通液性支持体と、浮力若しく
は液の流れに起因して前記樹脂ペレット層と前記イオン
交換樹脂層との間に発生する隙間層を抑制する通液性隙
間吸収体とを夫々設けてなる事を特徴とするものであ
る。
【0012】即ち、前記通液性支持体と通液性隙間吸収
体(以下両者を含めて対策体という)は後記実施例に示
すように、砂利層と前記イオン交換樹脂層との間にのみ
配置される事により(効果/コスト)比が最も高く実用
的であるが、例えば前記対策体をイオン交換樹脂層をサ
ンドイッチする如く上下両側に配置しても良く、又前記
対策体をイオン交換樹脂層の下側に、通液性支持体もし
くは通液性隙間吸収体のいずれかをイオン交換樹脂層の
上側に配置し、再生工程時に、イオン交換樹脂層に直接
液が衝突する事を阻止するように構成しても良い。
【0013】従って、本発明は基本的には前記対策体を
イオン交換樹脂層の下側に配置することを基本構成とす
るものであるが、前記対策体の一部若しくは全部をイオ
ン交換樹脂層の上側に配置してサンドイッチ構造を取っ
ても良い。尚、通液性支持体は後記実施例に示すよう
に、樹脂ペレット層(このペレット層の層厚は前記上層
部に形成される樹脂ペレット層の約1/5程度が好まし
い。)全面をネットで覆う構成としなくても、層として
上下動自在に支持されていれば良いわけで、例えば図7
に示すように、通液性隙間吸収体として機能するマット
の下側に網状の袋体を設け、該袋体の中に樹脂ペレット
層を入れる構成としても良い。
【0014】さらに通液性隙間吸収体には、サラン材マ
ット、多数の連続通気孔を有する不織布、その他の目の
細かいマット状層を用いるのが良いが、これのみに限定
されず前記若しくは後記する作用を行うもの全てを含
む。
【0015】従って本発明においては、イオン交換樹脂
の系外流失量の低減対策として、例えば砂利層と前記イ
オン交換樹脂層との間に分離器内の下層部の砂利層と中
層部のイオン交換樹脂層との間に通液性支持体、具体的
にはネットにより覆いされた樹脂ペレット層と、その樹
脂ペレット層とイオン交換樹脂との間にペレットを保持
するネットよりより目の細かいマット等の通液性隙間吸
収体が設けることにより、吸着工程で塩化ニッケルを含
有する塩化鉄廃液を分離器内下部のスリットスクリーン
から通液させると、中層部のイオン交換樹脂は対策体
(通液性支持体と通液性隙間吸収体、具体的にはネット
覆いの樹脂ペレット層とサラン等のマット状層)と共に
浮上する。
【0016】イオン交換樹脂の浮上時に生じる砂利層上
部(イオン交換樹脂層と砂利層との間)の激しい流れは
直接的にイオン交換樹脂層に影響を与えない為に、イオ
ン交換樹脂層が大きく抉られるような従来現象は回避さ
れ、イオン交換樹脂層高さ、ならびに通過速度等の均一
性が保たれる。さらに前記対策体は、通液が樹脂ペレッ
ト層のペレット空隙を通過後更に目の細かいサラン等の
マット状層を通過した後、イオン交換樹脂層に到達する
構成であるために、分離器内圧力損失の変動を極めて小
さくする整流効果をも果たす。従ってこのような状況化
では、塩化ニッケルを含有する塩化鉄廃液中の鉄はスム
ーズにイオン交換樹脂に吸着され、塩化ニッケルはその
まま分離器上部のスリットスクリーンから流出して分離
される等、効率良く吸着処理工程が行える。
【0017】次に、分離器内上部のスリットスクリーン
から水を注入してイオン交換樹脂に吸着した鉄を脱着さ
せ、下部のスリットスクリーンから塩化ニッケルを含有
しない塩化鉄を流出させる再生工程では、ネット覆いの
樹脂ペレット層の浮力が作用して、イオン交換樹脂は層
厚を一定に保ちながらサラン材等のマット状層と共にゆ
っくりと降下(沈降速度の緩和)するため、分離器内上
層部の樹脂ペレット層と中層部のイオン交換樹脂層との
間でイオン交換樹脂の沈降に伴って生じる従来のような
激しい流れは緩和されて樹脂ペレットの動きが制約(吸
着工程時の空隙率を維持)されると共に、水と塩化鉄と
の混合も少ない状態で分離器下部のスリットスクリーン
から塩化鉄を流出させることが可能となる等、効率良く
再生処理工程が行える。
【0018】この場合イオン交換樹脂層の上側にマット
状層を若しくはネット覆いの樹脂ペレット層を配置して
イオン交換樹脂の一層の抉れ防止を図っても良いが、こ
れは通液抵抗及びコストとの関係で適宜決定される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例と共に説明する。ただし、この実施形態に記載され
ている構成部品の寸法、形状、その相対的位置等は特に
特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれに
限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。図1
は本発明の1実施例を示す断面図、図2は同じく吸着工
程時のイオン交換樹脂ならびに対策用構造物(ネット覆
いの樹脂ペレット、サラン(等)マット)等の動き、そ
れにイオン交換樹脂層と砂利層との間に生じる流れ模様
を示す断面図、図3は同じく再生工程時のイオン交換樹
脂ならびに対策用構造物(ネット覆いの樹脂ペレット、
サラン(等)マット)等の動き、それにイオン交換樹脂
層と分離器上部の樹脂ペレット層との間に生じる流れ模
様を示す断面図である。
【0020】これらの図において、1は塩化鉄廃液処理
装置の分離器であり、分離器1内は、下層部に直径3m
m〜5mmの砂利4による砂利層4−a、中層部に10
0μm〜600μmのイオン交換樹脂5によるイオン交
換樹脂層5−a、上層部は直径約2.5mm、長さ約3
mmの円柱形の樹脂ペレット6による樹脂ペレット層6
−aが夫々積層配置されている。
【0021】そして吸着工程時では、塩化ニッケル8−
aを含有する塩化鉄廃液8を通液させるスリットスクリ
ーン2が分離器1内の前記下層部(砂利層4−a)に、
上層部の樹脂ペレット層6−a内には塩化ニッケル8−
aを流出させるスリットスクリーン3が夫々配設されて
いる。また、砂利層4−aとイオン交換樹脂層5−aと
の間にはイオン交換樹脂5の系外流出低減対策として、
袋状のネット11で覆われた樹脂ペレット層6−b、そ
れにサラン材からなるマット状層12を設けて構成して
いる。
【0022】尚樹脂ペレット層6−bは図1に示すよう
にそれ自体単独で袋状のネット11で包被しても良く、
又図7に示すように、マット状層7の下側に袋状ネット
を取付け、その内部に樹脂ペレット層6−bを封入する
構成にしても良い。
【0023】次に、再生工程では、分離器1内の上下に
設けられたスリットスクリーン2及び3の役目は吸着工
程時とは逆の作用となる。先ず分離器1内の上部のスリ
ットスクリーン3は、水9を分離器1内に通液させるス
リットスクリーン3−aとなり、下部のスリットスクリ
ーン2は塩化ニッケル8−aを含有しない塩化鉄9−a
を流出させるスリットスクリーン2−aとなる。これら
の作用は図示しない電動バルブによって切換えられる。
【0024】上記のように構成された塩化鉄廃液処理装
置では、吸着工程時においては、塩化ニッケル8−aを
含有する塩化鉄廃液8を注入用スリットスクリーン2か
ら分離器1内に通液させると、中層部のイオン交換樹脂
はネット11覆いの樹脂ペレット層6−bとサラン材か
らなるマット状層7と共に浮上しながらイオン交換樹脂
層5−aのイオン交換樹脂5に鉄だけが選択的に吸着さ
れる。
【0025】この際イオン交換樹脂の浮上時に生じる砂
利層上部(イオン交換樹脂層と砂利層との間)の激しい
流れは直接的にイオン交換樹脂層に影響を与えない為
に、イオン交換樹脂層が大きく抉られるような従来現象
は回避され、イオン交換樹脂層高さ、ならびに通過速度
等の均一性が保たれる。その後塩化ニッケル8−aはそ
のまま上部の流出用スリットスクリーン3から流出さ
れ、図示しないニッケルタンクに貯蔵され、図示しない
蒸発器、さらに分離塔等による処理工程を経て分離塩化
ニッケルとして廃液処理される。
【0026】次の再生処理工程では、分離器1内の上部
のスリットスクリーン3−aから水9が注入されると、
ネット11覆いの樹脂ペレット層6−bの浮力が作用し
て、イオン交換樹脂5は層厚を一定に保ちながらサラン
材等のマット状層12と共にゆっくりと降下(沈降速度
の緩和)するため、分離器1内上層部の樹脂ペレット層
6−aと中層部のイオン交換樹脂層5−aとの間でイオ
ン交換樹脂5の沈降に伴って生じる従来のような激しい
流れは緩和されて樹脂ペレット層6−a内の樹脂ペレッ
ト6の動きが制約され吸着工程時の空隙率を維持すると
共に、イオン交換樹脂5に吸着した鉄は脱着され、塩化
ニッケル8−aを含有しない塩化鉄廃液9−aは水と塩
化鉄との混合も少ない状態で分離器1下部のスリットス
クリーン9−aから塩化鉄を流出され、図示しない蒸発
タンクに貯蔵後、蒸発器等による処理工程を経て再生塩
化鉄(再生新液)として使用される。このように所定の
タイムサイクルで前記した吸着工程/再生工程が繰返さ
れる。
【0027】そして上記のように構成された塩化鉄廃液
処理装置では以下の効果をもたらす。 (1)分離器1内は、上層部の樹脂ペレット層6−a、
中層部のイオン交換樹脂層5−a、そのイオン交換樹脂
層5−aと下層部の砂利層4−aとの間にネット11覆
いの樹脂ペレット層6−b、サラン材からなるマット状
層12が介在されているために、前記それぞれの層間に
隙間が介在しない状態の吸着工程では、分離器1内下部
のスリットスクリーン2から塩化ニッケルを含有する塩
化鉄廃液を通液させると、ネット11覆いの樹脂ペレッ
ト層6−b、サラン材からなるマット状層12が整流効
果を果たし、前記塩化鉄廃液がイオン交換樹脂層を通過
する際の速度が均一化されると共に、分離器11内の圧
力変動を極めて小さくする効果がある等、効率良く吸着
工程が行える。又例えば図1及び図2に示すように、分
離器1内上部の樹脂ペレット層6−aと中層部のイオン
交換樹脂層5−aとの間に大きな隙間7がある場合の吸
着工程では、分離器1内下部のスリットスクリーン2か
ら塩化ニッケルを含有する塩化鉄廃液を通液させると、
イオン交換樹脂層5−aはネット11覆いの樹脂ペレッ
ト層6−b、サラン材からなるマット状層11と共に浮
上する。浮上の際に砂利層上部のネット11覆いの樹脂
ペレット6−bと砂利層4−aとの間で激しい流れが発
生するが、その流れは前記樹脂ペレット層6−bとマッ
ト状層11に緩衝されて直接的にイオン交換樹脂層5−
aに影響を及ぼさない為に、イオン交換樹脂層5−aが
抉られるような従来現象は回避され、イオン交換樹脂層
5−a高さ、ならびに塩化鉄廃液がイオン交換樹脂層5
−aを通過する際の速度が均一化されると共に、分離器
1内の圧力変動を極めて小さくする効果がある等、効率
良く吸着工程が行える。 (2)又前記図2の状態から、分離器1内上部のスリッ
トスクリーン3−aから水を注入してイオン交換樹脂層
5−aに吸着した鉄を脱着させ、下部のスリットスクリ
ーン2−aから塩化ニッケルを含有しない塩化鉄を流出
させる再生工程では、図3に示すように、ネット11覆
いの樹脂ペレット層6−bの浮力が作用して、イオン交
換樹脂層5−aは層厚を一定に保ちながら砂利層4−a
上部の隙間の存在により、マット状層11と共にゆっく
りと降下(沈降速度の緩和)するため、分離器1内上層
部の樹脂ペレット層6−aと中層部のイオン交換樹脂層
5−aとの間でイオン交換樹脂5の沈降に伴って生じる
従来のような激しい流れは緩和されて樹脂ペレット層6
−aの樹脂ペレット6の動きが制約(吸着工程時の空隙
率を維持)されると共に、水と塩化鉄との混合も少ない
状態で分離器1下部のスリットスクリーン2−aから塩
化鉄を流出させることが可能となる為、効率良く再生処
理工程が行える。
【0028】
【発明の効果】以上の記載のごとく本発明によれば、本
発明のイオン交換樹脂流出防止対策構造物を備えた塩化
鉄廃液では、樹脂ペレット層とイオン交換樹脂層との間
に生じる隙間の有無に関わらず効率良く吸着/再生等の
工程処理が行え、高価なイオン交換樹脂の流出量も従来
の1/20以下に減量する等、従来では見られない顕著
な効果を果たす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る塩化鉄廃液処理装置
のイオン交換樹脂流出防止構造の断面図
【図2】吸着工程時の流動を示す図1対応断面図
【図3】再生工程時の流動を示す図1対応断面図
【図4】従来の塩化鉄廃液処理装置を示す断面図
【図5】吸着工程時の流動を示す図4対応断面図
【図6】再生工程時の流動を示す図4対応断面図
【図7】通液性隙間吸収体として機能するマットの下側
に網状の袋体を設け、該袋体の中に樹脂ペレット層を入
れた斜視図
【符号の説明】
1 塩化鉄廃液処理装置(分離器) 2 液注入用スリットスクリーン(吸着工程) 2−a 液流出用スリットスクリーン(脱着工程) 3 液流出用スリットスクリーン(吸着工程) 3−a 液注入用スリットスクリーン(脱着工程) 4 砂利 4−a 砂利層 5 イオン交換樹脂 5−a イオン交換樹脂層 6 樹脂ペレット 6−a 上側樹脂ペレット層 6−b 下側樹脂ペレット層 7 隙間 7−a 隙間 8 塩化鉄廃液(塩化ニッケル含有) 8−a 塩化ニッケル 9 水 9−a 塩化鉄 10 吸着工程時の流れ 10−a 脱着工程時の流れ 11 ネット(通液性支持体) 12 マット状層(通液性隙間吸収体)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分離器内の下層部に砂利層、中層部にイ
    オン交換樹脂層、上層部に樹脂ペレット層を充填すると
    共に、前記砂利層には塩化鉄廃液注入用兼排出用下部ス
    リットスクリーン、前記樹脂ペレット層には塩化ニッケ
    ル排出用兼水注入用上部スリットスクリーンを設けた塩
    化鉄廃液処理装置において、 前記砂利層と前記イオン交換樹脂層との間に、 樹脂ペレット層をネットで包被するその他の手段によ
    り、浮力若しくは液の流れ方向にしたがって樹脂ペレッ
    ト層を一体的に上下動自在に支持する通液性支持体と、 浮力若しくは液の流れに起因して前記樹脂ペレット層と
    前記イオン交換樹脂層との間に発生する隙間層を抑制す
    る、通液性隙間吸収体とを夫々設けてなる事を特徴とす
    る塩化鉄廃液処理装置
  2. 【請求項2】 分離器内の下層部に砂利層、中層部にイ
    オン交換樹脂層、上層部に樹脂ペレット層を充填すると
    共に、前記砂利層には塩化鉄廃液注入用兼排出用下部ス
    リットスクリーン、前記樹脂ペレット層には塩化ニッケ
    ル排出用兼水注入用上部スリットスクリーンを設けた塩
    化鉄廃液処理装置において、 前記砂利層と前記イオン交換樹脂層との間に、 ネットで包被された樹脂ペレット層と、 該樹脂ペレット層のイオン交換樹脂層側に、サラン材マ
    ットその他の目の細かいマット状層とを夫々設けること
    により、 前記分離器内の液の流れの略均一化と前記イオン交換樹
    脂の系外流失量の低減を図ることを特徴とした塩化鉄廃
    液処理装置。
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