JPH09152215A - リニアモータ式圧縮機 - Google Patents

リニアモータ式圧縮機

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JPH09152215A
JPH09152215A JP31395995A JP31395995A JPH09152215A JP H09152215 A JPH09152215 A JP H09152215A JP 31395995 A JP31395995 A JP 31395995A JP 31395995 A JP31395995 A JP 31395995A JP H09152215 A JPH09152215 A JP H09152215A
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piston
cylinder
magnet
yoke
coil
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周秀 藤山
Ryuzo Sotojima
隆造 外島
Naoshi Kamisaka
直志 神阪
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

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  • Reciprocating, Oscillating Or Vibrating Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータ効率の向上を図り、圧縮機(20)の効
率低下を抑制可能にして冷凍機の小型化を図る。 【解決手段】 シリンダ(40)にピストン(41)を往復
移動自在に挿入すると共に、シリンダ(40)の外周に連
続するヨーク(51)に永久磁石(60)を設けてエアギャ
ップGを有する磁気回路を形成する。一方、永久磁石
(60)に対面するようにエアギャップGに位置するコイ
ル(70)をピストン(41)に連結し、コイル(70)に電
流を供給してピストン(41)を往復移動させる。そし
て、コイル(70)は、ボビンレス構造で、外周及び内周
の両側面がヨーク(51)の側面及び磁石(60)に直接に
対面するように構成されている。また、永久磁石(60)
は、円筒状の一体物で形成され、半径方向の磁束を有す
るように着磁されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニアモータ式圧
縮機に関し、特に、モータ効率の向上対策に係るもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、極低温レベルの寒冷を発生させ
る小型冷凍機には、特開平3−177752号公報に開
示されているように、フリーディスプレーサ型スターリ
ング冷凍機が知られている。このスターリング冷凍機
は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐出さ
れた冷媒ガスを膨張させる膨張機とにより構成されてい
る。
【0003】上記圧縮機は、密閉状のケーシング内に設
けられたシリンダと、該シリンダ内に往復移動自在に嵌
装されると共に、ケーシングに弾性支持され、シリンダ
内に圧縮室を形成する一対のピストンと、該ピストンを
往復駆動させるリニアモータとを備えている。
【0004】該リニアモータは、シリンダの外側に環状
空間を形成するように該シリンダに連続形成されたヨー
クと、環状空間に配置された環状の永久磁石と、上記ピ
ストンに取り付けられたボビンに設けられ、永久磁石に
対面するコイルとより構成されている。
【0005】そして、上記コイルに所定周波数の交流電
流を流すと、永久磁石による磁気回路の磁界とコイルに
生じた磁界とによってコイルに電磁力が生じ、ボビンを
介してピストンがシリンダ内で直線往復移動することに
なる。このピストンの往復移動によって、圧縮室で所定
周期のガス圧を発生させ、この圧縮された冷媒ガスを膨
張機に送り込み、該膨張機において冷媒ガスを膨張させ
て寒冷を発生させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したスターリング
冷凍機を始め、冷凍機の効率は、一般的に小型化するこ
とによって低下していく。特に、圧縮機と膨張機とが分
離しているタイプの冷凍機の効率は、圧縮機の効率に大
きく依存する。したがって、上記スターリング冷凍機の
小型化を図るに当り、圧縮機の効率の低下を如何に抑制
するかが重要な問題となっていた。
【0007】そして、この圧縮機の効率は、モータ効率
に大きく依存していることから、リニアモータの効率を
向上させることが、冷凍機の小型化を図るための大きな
要因となる。
【0008】しかしながら、上記モータ効率は、一般
に、モータが小型になればなるほど低下することになる
ので、圧縮機の効率低下の抑制に限度があり、この結
果、冷凍機の小型化にも限界があった。
【0009】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもの
で、モータ効率の向上を図り、圧縮機の効率低下を抑制
可能にして、冷凍機の小型化を図り得るようにすること
を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
−発明の概要− 本発明は、シリンダ(40)にピストン(41)を往復移動
自在に挿入すると共に、シリンダ(40)の外周に連続す
るヨーク(51)に永久磁石(60)を設けてエアギャップ
を有する磁気回路を形成する一方、磁石(60)に対面す
るようにエアギャップに位置するコイル(70)をピスト
ン(41)に連結し、コイル(70)に電流を供給してピス
トン(41)を往復移動させる。そして、コイル(70)
は、ボビンレス構造で、外周及び内周の両側面がヨーク
(51)の側面及び磁石(60)に直接に対面するように構
成されている。また、磁石(60)は、円筒状の一体物で
形成され、半径方向の磁束を有するように着磁されてい
る。
【0011】−発明の特定事項− 具体的に、図2に示すように、請求項1に係る発明が講
じた手段は、先ず、ケーシング(21)に収納されると共
に、該ケーシング(21)に固定されたシリンダ(40)が
設けられている。該シリンダ(40)の中空部には、シリ
ンダ(40)の中空部に圧縮室(42)を形成するピストン
(41)が往復移動自在に挿入されると共に、該ピストン
(41)がシリンダ(40)に対して往復移動するようにピ
ストン(41)をケーシング(21)に弾性支持する弾性体
(47)が設けられている。
【0012】更に、上記シリンダ(40)の外周には、一
端が開口して軸方向に延びる環状空間(55)を有するヨ
ーク(51)が形成され、該ヨーク(51)の内部にエアギ
ャップを有する磁気回路を形成する磁石(60)が環状空
間(55)の側面に位置してヨーク(51)に固着されてい
る。
【0013】その上、上記ピストン(41)に連結された
可動体(71)には、磁石(60)に対面するようにエアギ
ャップに配置されて環状空間(55)内を直線移動可能な
コイル(70)が設けられ、該コイル(70)に電流を供給
してピストン(41)を往復移動させ、圧縮室(42)で作
動流体を圧縮するリニアモータ式圧縮機を対象としてい
る。
【0014】加えて、上記コイル(70)は、導線を複数
回巻回して円筒状に形成され、基端面が可動体(71)に
固着されると共に、外周及び内周の両側面がヨーク(5
1)における環状空間(55)の側面及び磁石(60)に直
接に対面するように構成されている。
【0015】また、請求項2に係る発明が講じた手段
は、上記請求項1の発明と同様なリニアモータ式圧縮機
を対象とし、磁石(60)が、円筒状の一体物で形成さ
れ、半径方向の磁束を有するように着磁された構成とし
ている。
【0016】また、請求項3に係る発明が講じた手段
は、上記請求項1の発明と同様なリニアモータ式圧縮機
を対象とし、磁石(60)が、シリンダ(40)の軸方向に
延び且つ環状空間(55)に沿った複数個の円弧状の磁石
片(61,61,…)より構成されると共に、該複数の磁石
片(61,61,…)を円周上に配置して円筒状に構成さ
れ、各磁石片(61,61,…)が、前後両面を貫通する方
向の磁束を有するように着磁されて磁束密度の分布変動
が小さい磁石(60)を形成するように構成されたもので
ある。
【0017】また、請求項4に係る発明が講じた手段
は、上記請求項1の発明におけるコイル(70)に、請求
項2又は請求項3の発明における磁石(60)を組み合わ
せたものである。
【0018】また、請求項5に係る発明が講じた手段
は、上記請求項1又は請求項4の発明において、コイル
(70)の先端面には、コイル(70)の内径及び外径に対
応したドーナツ盤状の保護板(74)が固着された構成と
している。
【0019】−作用− 上記の発明特定事項により、請求項1及び請求項4に係
る発明では、リニアモータ(50)のコイル(70)に所定
周波数(50Hz)の交流電流を供給する一方、リニア
モータ(50)におけるヨーク(51)には、磁石(60)に
よって磁気回路が形成されているので、上記交流電流を
供給すると、コイル(70)に生じる磁界によって電磁力
が生じ、ピストン(41)がスプリング(47)のバネ力に
抗して往復移動する。
【0020】上記ピストン(41)がシリンダ(40)に対
して進退するので、圧縮室(42)の容積が増減変化し、
圧縮室(42)に所定周期の圧力波が生じる。そして、該
圧縮室(42)は、例えば、連結管を介して膨張機に連通
しているため、膨張機ではフリーディスプレーサが圧縮
室(42)の圧力波と同じ周期で往復移動する。このフリ
ーディスプレーサの往復移動によって、冷媒が膨張室で
膨張して寒冷が生じ、低温シリンダにおける先端のコー
ルドヘッドが極低温レベルに冷却されることになる。
【0021】上述したリニアモータ(50)において、コ
イル(70)がボビンレス構造で、ヨーク(51)における
環状空間(55)の側面及び磁石(60)に直接に対面し、
ヨーク(51)の内周面と永久磁石(60)との間隔を従来
に比して小さくなっているので、エアギャップの容積が
小さくなり、磁束密度が従来に比して大きくなってい
る。
【0022】更に、請求項2及び請求項4に係る発明で
は、上記磁石(60)を一体物の円筒体で構成しているの
で、磁束密度分布が全体に亘って均一になる。また、請
求項3及び請求項4に係る発明では、上記磁石(60)を
複数個の磁石片(61,61,…)で構成しているので、磁
束密度分布が全体に亘ってほぼ均一になる。この結果、
上記磁石(60)の全体の磁束密度が従来に比して大きく
なってモータ効率が向上している。
【0023】また、請求項5に係る発明では、コイル
(70)が保護板(74)によって保護され、コイル(70)
の損傷が防止されている。
【0024】
【発明の効果】従って、請求項1及び請求項4に係る発
明によれば、従来のボビンを省略してコイル(70)の両
側面がヨーク(51)及び磁石(60)に直接に近接対面す
るように配置したために、従来のボビンの厚さ分だけ、
ヨーク(51)の内周面と磁石(60)との間隔を小さくす
ることができる。この結果、磁気回路におけるエアギャ
ップの容積を小さくすることができるので、磁束密度を
従来に比して大きくすることができ、モータ効率の向上
を図ることができる。このモータ効率の向上により、圧
縮機効率が向上し、冷凍機効率を向上させることができ
る。
【0025】また、上記ヨーク(51)の内周面と磁石
(60)との間隔を小さくすることができるので、装置全
体を小型化することができる。
【0026】また、請求項2、請求項3及び請求項4に
係る発明によれば、磁石(60)を円筒状の一体物で構成
するか、又は磁石(60)を磁束密度分布が小変動になる
ように複数の磁石片(61,61,…)に分割するようにし
たために、磁束密度分布を全体に亘って均一、又はほぼ
均一にすることができる。この結果、磁束密度を従来に
比して大きくすることができ、モータ効率の向上を図る
ことができることから、より圧縮機効率が向上し、冷凍
機効率を向上させることができる。
【0027】また、請求項5に係る発明によれば、コイ
ル(70)に保護板(74)を設けるようにしたために、コ
イル(70)の損傷を確実に防止することができるので、
コイル(70)の信頼性を向上させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0029】図1に示すように、本実施形態におけるス
ターリング冷凍機(10)は、赤外線検出素子などを冷却
するための極低温の寒冷を発生させるものであって、圧
縮機(20)と膨張機(30)とを分離したタイプの冷凍機
である。
【0030】−圧縮機− 上記圧縮機(20)は、図2にも示すように、ピストン対
向型のリニアモータ式圧縮機であり、ケーシング(21)
にシリンダ(40)及びピストン(41)の他、一対のリニ
アモータ(50,50)が収納されて構成されている。該ケ
ーシング(21)は、密閉された円筒状に形成されてお
り、両端が開放されたケーシング本体(22)と、該ケー
シング本体(22)の両端開放部を閉塞する円板状の閉塞
板(23,23)とより形成されている。
【0031】上記シリンダ(40)は、純鉄で形成されて
おり、後述する両リニアモータ(50,50)のヨーク(5
1)が一体形成され、該ヨーク(51)を介してケーシン
グ(21)に固定されている。該シリンダ(40)は、両端
面が開口されており、そのシリンダ(40)の中空部に両
側から一対のピストン(41,41)が挿入されている。そ
して、上記シリンダ(40)の中空部における両ピストン
(41,41)の間が圧縮室(42)に成っている。
【0032】上記ピストン(41)は、有底円筒状のピス
トン本体(43)と、該ピストン本体(43)の外端に連続
形成された外向きのフランジ部(44)と、上記ピストン
本体(43)の内部にねじ止めされたスプリング取付け部
材(45)とより形成されている。
【0033】そして、上記ピストン本体(43)がシリン
ダ(40)に往復移動自在に挿入されると共に、ピストン
本体(43)の外周面にはシール材(46)が形成され、該
シール材(46)によってピストン本体(43)の外周面と
シリンダ(40)の内周面との間がシールされている。
【0034】上記ピストン(41)のスプリング取付け部
材(45)には、弾性体であるスプリング(47)の一端が
捩じ込まれて該スプリング(47)が連結されている。一
方、上記ピストン本体(43)に対向するケーシング(2
1)の閉塞板(23,23)の中央部分にはスプリング取付
け座(24)が突出形成されている。そして、上記スプリ
ング(47)の他端がスプリング取付け座(24)に捩じ込
まれ、該スプリング(47)によってピストン(41)がシ
リンダ(40)に対して往復動自在に弾性支持されてい
る。
【0035】上記リニアモータ(50)は、ピストン(4
1)を往復駆動する駆動源であって、ヨーク(51)と永
久磁石(60)とコイル(70)とより構成されている。該
ヨーク(51)は、上述したようにシリンダ(40)に一体
形成されており、外側ヨーク部(52)と内側ヨーク部
(53)と連結ヨーク部(54)とより構成されている。
【0036】該外側ヨーク部(52)は、ケーシング(2
1)の内面に固定される円筒状に形成されている。ま
た、上記連結ヨーク部(54)は、外側ヨーク部(52)の
一端をシリンダ(40)に連結し、ドーナツ盤状に形成さ
れており、両リニアモータ(50,50)における連結ヨー
ク部(54)が一体に形成されている。
【0037】上記内側ヨーク部(53)は、円筒状に形成
されてシリンダ(40)の外周面に着脱自在に嵌め込まれ
たセパレートヨークで形成されている。そして、上記内
側ヨーク部(53)の外径が上記外側ヨーク部(52)の内
周より小さく形成されて該内側ヨーク部(53)と外側ヨ
ーク部(52)との間には一端が開口してシリンダ(40)
の軸方向に延びる環状空間(55)が形成されている。
【0038】上記永久磁石(60)は、内側ヨーク部(5
3)の外周面に嵌め込まれており、この永久磁石(60)
によって外側ヨーク部(52)と内側ヨーク部(53)と連
結ヨーク部(54)との内部に磁気回路が形成されてい
る。そして、上記永久磁石(60)と外側ヨーク部(52)
との間がエアギャップGに成っている。
【0039】上記コイル(70)は、可動体(71)を介し
てピストン(41)に連結されており、上記永久磁石(6
0)と外側ヨーク部(52)との間のエアギャップGに配
置されて環状空間(55)を直線移動可能に設けられてい
る。上記可動体(71)は、円筒部(72)の一端に内向き
のフランジ部(73)が形成されてなり、該円筒部(72)
の他端に上記コイル(70)が連結固定されている。ま
た、上記フランジ部(73)は、ピストン(41)のフラン
ジ部(44)にビス固定されている。
【0040】そして、上記コイル(70)は、図示しない
が、ケーシング(21)の閉塞板(23)に設けられた端子
(11)に接続され、ピストン(41)の質量やスプリング
(47)のばね定数で決まる固有振動数に対応した所定周
波数(例えば50Hz)の交流電流が供給されている。
この交流電流によってコイル(70)に電磁力が生じ、上
記両ピストン(41,41)が固有振動数で互いに逆方向に
往復移動して、圧縮室(42)に所定周期のガス圧を発生
させている。
【0041】一方、上記連結ヨーク部(54)及びシリン
ダ(40)には、半径方向に延びるガス通路(12)が形成
され、該ガス通路(12)の内端は圧縮室(42)に開口
し、外端には連結管(13)が接続されている。そして、
該連結管(13)によって圧縮機(20)と膨張機(30)と
が接続されている。
【0042】−膨張機− 上記膨張機(30)は、図3にも示すように、圧縮機(2
0)で圧縮された冷媒ガスを膨脹させて寒冷を発生させ
るもので、低温シリンダ(31)と、該低温シリンダ(3
1)の内部に往復移動可能に収納されたフリーディスプ
レーサ(32)とを備えている。
【0043】該フリーディスプレーサ(32)は、低温シ
リンダ(31)の内部空間を膨張室(33)と作動室(34)
とに区画しており、内部には金属製の蓄冷材(35)が充
填されている。そして、上記作動室(34)には、フリー
ディスプレーサ(32)を低温シリンダ(31)に弾性支持
するコイルスプリング(36)が配設されている。
【0044】更に、上記ディスプレーサ(32)には、膨
張室側端部に冷媒ガスをディスプレーサ(32)の内部と
膨張室(33)との間で流通させる第1連通孔(37)が形
成される一方、作動室側端部には冷媒ガスをディスプレ
ーサ(32)の内部と作動室(34)との間で流通させる第
2連通孔(38)が形成されている。そして、上記作動室
(34)は、連結管(13)を介して圧縮機(20)の圧縮室
(42)に連通している。
【0045】−コイル構造− 次に、本発明の特徴とするリニアモータ(50,50)のコ
イル(70)の構造について説明する。
【0046】本実施形態のコイル(70)は、いわゆるボ
ビンレス構造にしている。具体的に、図4に示すよう
に、上記可動体(71)の円筒部(72)は、軸方向長さが
短い筒状に形成されている。一方、上記コイル(70)
は、導線を複数回巻回して円筒状に形成され、基端面が
可動体(71)の円筒部(72)に接着固定されている。そ
して、上記コイル(70)の外周面は、外側ヨーク部(5
2)の内周面に直接に近接対面し、コイル(70)の内周
面は、永久磁石(60)の外周面に直接に近接対面してい
る。
【0047】尚、この図4においては、可動体(71)の
フランジ部(73)及びピストン(41)のフランジ部(4
4)は一体形成した状態で示している。また、上記コイ
ル(70)は、融着被膜などによって一体に円筒状に形成
されている。
【0048】つまり、従来、特開平3−177752号
公報に開示されているスターリング冷凍機におけるコイ
ルは、図6に示すように、ボビンaに取り付けられてお
り、このボビンaは、コ字状の周回溝bが形成され、こ
の周回溝bにコイルcを設けるようにしていた。これで
は、ボビンaの周回溝部分の厚さtが磁気回路のエアギ
ャップを大きくすることになり、モータ効率の低下を来
していた。
【0049】本発明の可動体(71)は、従来のボビンa
の周回溝部分を削除した円筒部(72)を形成するように
し、この円筒部(72)に連続してコイル(70)を直接に
接着するようにし、磁気回路のエアギャップGを小さく
するようにしている。
【0050】そこで、上記エアギャップGとモータ効率
について説明すると、一般にボイスコイルモータが発生
する推力Fは、エアギャップGの磁束密度Bと電流Iと
コイル長さLとによって次式の通り表される。 F=B×I×L …… 上記磁束密度Bは、磁気回路から決定されるパラメータ
であり、電流Iとコイル長さLとは、コイル仕様から決
定されるパラメータである。そして、このコイル仕様を
変更しないとすると、電流Iとコイル長さLは従来と同
じことになるので、上記磁束密度Bについて考察する
と、この磁束密度Bを大きくすれば、同一の電流Iで大
きな推力Fを得ることができることになり、逆に、少な
い電流Iで同じ推力Fを得ることができる。
【0051】そこで、上記エアギャップGの磁束密度B
を大きくするためには、次の3つの方法が考えられる。
(1) 強い永久磁石(60)を使用する。(2) 永久磁石(6
0)の容積を大きくする。(3) エアギャップGの容積を
小さくする(参照:“永久磁石の開発・材料設計と磁気
回路の解析・設計応用技術”株式会社 総合技術センタ
ー 発行、昭和61年12月25日 初版発行、第39
頁) 以上の理由から、本発明は、エアギャップGの容積を小
さくするようにしている。つまり、従来のボビンaを省
略することによって、ボビンaの厚さ分tだけ、外側ヨ
ーク部(52)の内周面と永久磁石(60)の外周面との間
隔を小さくするようにしている。
【0052】また、図5に示すように、上記コイル(7
0)の自由端、つまり、図5の下端には保護板(74)が
取り付けられている。該保護板(74)は、コイル(70)
の内径及び外径に対応して該コイル(70)の厚さと同じ
幅のドーナツ盤状に形成されている。この保護板(74)
を設けた理由は、次の通りである。図4に示すように、
コイル(70)を可動体(71)に取り付けたのみの場合、
リニアモータ(50)が正常に駆動している状態では、コ
イル(70)がヨーク(51)等に当接することはないが、
コイル(70)が異常な往復移動を行うと、コイル(70)
がヨーク(51)等に接することになる。そこで、上記コ
イル(70)を保護するために保護板(74)を設けるよう
にしている。
【0053】−永久磁石構造− 次に、本発明の特徴とするリニアモータ(50,50)の永
久磁石(60)の構造について説明する。
【0054】本実施形態の永久磁石(60)は、円筒状の
一体物で形成され、半径方向の磁束を有するように着磁
されている。具体的に、図7に示すように、上記永久磁
石(60)は、内側ヨーク部(53)に嵌め込まれた円筒体
に形成され、しかも、一体物に形成されると共に、磁束
Hの方向が永久磁石(60)の中心から放射状に遠心方向
に向くように着磁されている。
【0055】また、本発明の永久磁石(60)の他の実施
形態としては、図8に示すように、12分割されて12
個の磁石片(61,61,…)で構成するようにしている。
つまり、上記永久磁石(60)は、シリンダ(40)の軸方
向に延び且つ環状空間(55)に沿った12個の円弧状の
磁石片(61,61,…)より構成されると共に、該各磁石
片(61,61,…)を円周上に配置して円筒状に構成され
ている。更に、上記各磁石片(61,61,…)は、前後両
面を貫通する方向の磁束Hを有するように着磁され、且
つ磁束Hの半径方向成分がほぼ等しくなるように着磁さ
れている。
【0056】そこで、上述したように永久磁石(60)を
一体物、又は12分割した理由について説明する。従
来、スターリング冷凍機は、ヨークの端部に永久磁石が
取り付けられていた(日経メカニカル 1987.1
0.19 第85頁 参照)。具体的に、例えば、図1
0に示すように、従来のスターリング冷凍機は、ピスト
ンdが挿入されたシリンダeの外側に、永久磁石fがヨ
ークgによって固定されており、このヨークgとシリン
ダeとの間にコイルhを有するボビンiが配置されて構
成されていた。
【0057】上述した従来のものでは、永久磁石fがシ
リンダeの上部に配置されているので、磁気回路は、図
10の一点鎖線Eで示すようになる。したがって、上記
永久磁石fは、磁束の方向が半径方向に直交する軸方向
(図10では上下方向)に成るように着磁されることに
なる。
【0058】しかしながら、本発明のように、永久磁石
(60)の磁力を有効に利用するため、コイル(70)に近
接するように永久磁石(60)を環状空間(55)の側面に
配置するようにすると、永久磁石(60)の磁束方向が放
射状に成るようにする必要がある。
【0059】その際、放射状に着磁した永久磁石(60)
を容易に構成するために、単に永久磁石(60)を分割構
造にすると、リニアモータ(50)の効率が悪いという問
題がある。具体的に、図9に示すように、例えば、永久
磁石(60)を4分割して4つの磁石片(61,61,…)よ
り永久磁石(60)を構成するようにすると、該磁石片
(61,61,…)は、磁束方向が前後両面に亘る方向に着
磁することになる。
【0060】つまり、磁石片(61,61,…)を形成する
に辺り、2つの電極間に磁石片(61,61,…)を設置す
ることになるので、磁束Hの方向は、中央部では半径方
向になるが、両側部では、半径方向成分Hnと接線方向
成分Htとによって構成されることになる。そして、磁
気回路を構成する磁束Hは、半径方向成分Hnのみであ
るので、磁束密度分布は、図9のDに示すように、磁石
片(61,61,…)の中央部で磁束密度が大きく、両端部
にいくにしたがって磁束密度が小さくなる。この結果、
上記永久磁石(60)の全体の磁束は、磁石片(61,61)
の連続部分で弱くなり、周回方向に強弱が存在する分布
となる。そして、上記永久磁石(60)の全体の磁束密度
は平均磁束密度となるので、図9に示す磁石片(61,6
1,…)では、モータ効率が小さいことになる。
【0061】そこで、図8に示す実施形態では、永久磁
石(60)を12分割して周回方向の磁束の強弱分布が小
さくなるようにし、磁束密度分布Dが全体に亘ってほぼ
均一になるようにしている。
【0062】また、図7に示す実施形態では、永久磁石
(60)を一体物の円筒体にすることにより、磁束密度分
布Dが全体に亘って均一になるようにしている。
【0063】−冷凍動作− 次に、上述したスターリング冷凍機(10)の冷凍動作に
ついて説明する。
【0064】先ず、圧縮機(20)における両リニアモー
タ(50,50)のコイル(70)に所定周波数(50Hz)
の交流電流を供給する。一方、各リニアモータ(50,5
0)における永久磁石(60)及びヨーク(51)には、磁
気回路が形成されているので、上記交流電流を供給する
と、コイル(70)に生じる磁界によって電磁力が生じ、
ピストン(41,41)がスプリング(47)のバネ力に抗し
て往復移動する。
【0065】上記両ピストン(41)がシリンダ(40)に
対して互いに同期して進退するので、圧縮室(42)の容
積が増減変化し、圧縮室(42)に所定周期の圧力波が生
じる。そして、該圧縮室(42)は、連結管(13)を介し
て膨張機(30)に連通しているため、膨張機(30)では
フリーディスプレーサ(32)が圧縮室(42)の圧力波と
同じ周期で往復移動する。
【0066】このフリーディスプレーサ(32)の往復移
動によって、冷媒が膨張室(33)で膨張して寒冷が生
じ、フリーディスプレーサ(32)の往復移動の繰り返し
により低温シリンダ(31)における先端のコールドヘッ
ドが極低温レベルに冷却されることになる。
【0067】上述した冷凍動作時におけるリニアモータ
(50,50)において、コイル(70)がボビンレス構造
で、ヨーク(51)における環状空間(55)の側面及び永
久磁石(60)に直接に対面し、ヨーク(51)の内周面と
永久磁石(60)との間隔を従来に比して小さくなってい
るので、エアギャップGの容積が小さく、磁束密度が従
来に比して大きくなっている。
【0068】更に、図8に示す永久磁石(60)では、1
2個の磁石片(61,61,…)で構成しているので、磁束
密度分布Dが全体に亘ってほぼ均一に成り、また、図7
に示す永久磁石(60)では、一体物の円筒体であるの
で、磁束密度分布Dが全体に亘って均一になる。この結
果、上記永久磁石(60)の全体の磁束密度が従来に比し
て大きくなってモータ効率が向上している。
【0069】−本実施形態の効果− 以上のように、本実施形態によれば、従来のボビンを省
略してコイル(70)の両側面がヨーク(51)及び永久磁
石(60)に直接に近接対面するように配置したために、
従来のボビンの厚さ分tだけ、外側ヨーク部(52)の内
周面と永久磁石(60)の外周面との間隔を小さくするこ
とができる。この結果、磁気回路におけるエアギャップ
Gの容積を小さくすることができるので、磁束密度を従
来に比して大きくすることができ、モータ効率の向上を
図ることができる。このモータ効率の向上によって、圧
縮機効率が向上し、冷凍機効率を向上させることができ
る。
【0070】また、上記外側ヨーク部(52)の内周面と
永久磁石(60)の外周面との間隔を小さくすることがで
きるので、装置全体を小型化することができる。
【0071】また、上記コイル(70)に保護板(74)を
設けるようにしたために、コイル(70)の損傷を確実に
防止することができるので、コイル(70)の信頼性を向
上させることができる。
【0072】また、上記永久磁石(60)を円筒状の一体
物で構成するか、又は永久磁石(60)を磁束密度分布が
小変動になるように複数の磁石片(61,61,…)に分割
するようにしたために、磁束密度分布を全体に亘って均
一、又はほぼ均一にすることができる。この結果、磁束
密度を従来に比して大きくすることができ、モータ効率
の向上を図ることができることから、より圧縮機効率が
向上し、冷凍機効率を向上させることができる。
【0073】
【発明の他の実施の形態】本実施形態においては、ボビ
ンレス構造にすると同時に、永久磁石(60)を一体物又
は12分割構造にしたが、請求項1に係る発明では、永
久磁石(60)は一体物等でなくともよく、また逆に、請
求項3及び請求項4に係る発明では、コイル(70)はボ
ビンに設けるようにしてもよい。
【0074】また、本発明の圧縮機(20)は、スターリ
ング冷凍機(10)に限られず、各種のリニアモータ式圧
縮機(20)に適用することができるものである。
【0075】また、永久磁石(60)の配置位置は、内側
ヨーク部(53)の他、外側ヨーク部(52)であってもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】スターリング冷凍機の縦断面図である。
【図2】リニアモータ式圧縮機の縦断面図である。
【図3】膨張機の縦断面図である。
【図4】コイル及びピストンの縦断面図である。
【図5】他の実施形態を示すコイル及びピストンの縦断
面図である。
【図6】従来のコイル及びピストンの縦断面図である。
【図7】永久磁石及び内側ヨーク部の横断面図である。
【図8】他の実施形態を示す永久磁石及び内側ヨーク部
の横断面図である。
【図9】磁石片の磁束方向を示す磁石片の拡大横断面図
である。
【図10】従来のスターリング冷凍機を示す縦断面図で
ある。
【符号の説明】
10 スターリング冷凍機 20 リニアモータ式圧縮機 30 膨張機 31 低温シリンダ 32 フリーディスプレーサ 40 シリンダ 41 ピストン 42 圧縮室 47 スプリング(弾性体) 50 リニアモータ 51 ヨーク 55 環状空間 60 永久磁石 61 磁石片 70 コイル 71 可動体 74 保護板 G エアギャップ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング(21)に収納されると共に、
    該ケーシング(21)に固定されたシリンダ(40)と、 該シリンダ(40)の中空部に往復移動自在に挿入され、
    シリンダ(40)の中空部に圧縮室(42)を形成するピス
    トン(41)と、 該ピストン(41)がシリンダ(40)に対して往復移動す
    るようにピストン(41)をケーシング(21)に弾性支持
    する弾性体(47)と、 上記シリンダ(40)の外周に形成され、一端が開口して
    軸方向に延びる環状空間(55)を有するヨーク(51)
    と、 上記環状空間(55)の側面に位置してヨーク(51)に固
    着され、該ヨーク(51)の内部にエアギャップを有する
    磁気回路を形成する磁石(60)と、 上記ピストン(41)に連結された可動体(71)に設けら
    れると共に、磁石(60)に対面するようにエアギャップ
    に配置され、環状空間(55)内を直線移動可能なコイル
    (70)とを備え、 上記コイル(70)に電流を供給してピストン(41)を往
    復移動させ、圧縮室(42)で作動流体を圧縮するリニア
    モータ式圧縮機であって、 上記コイル(70)は、導線を複数回巻回して円筒状に形
    成され、基端面が可動体(71)に固着されると共に、外
    周及び内周の両側面がヨーク(51)における環状空間
    (55)の側面及び磁石(60)に直接に対面するように構
    成されていることを特徴とするリニアモータ式圧縮機。
  2. 【請求項2】 ケーシング(21)に収納されると共に、
    該ケーシング(21)に固定されたシリンダ(40)と、 該シリンダ(40)の中空部に往復移動自在に挿入され、
    シリンダ(40)の中空部に圧縮室(42)を形成するピス
    トン(41)と、 該ピストン(41)がシリンダ(40)に対して往復移動す
    るようにピストン(41)をケーシング(21)に弾性支持
    する弾性体(47)と、 上記シリンダ(40)の外周に形成され、一端が開口して
    軸方向に延びる環状空間(55)を有するヨーク(51)
    と、 上記環状空間(55)の側面に位置してヨーク(51)に固
    着され、該ヨーク(51)の内部にエアギャップを有する
    磁気回路を形成する磁石(60)と、 上記ピストン(41)に連結された可動体(71)に設けら
    れると共に、磁石(60)に対面するようにエアギャップ
    に配置され、環状空間(55)内を直線移動可能なコイル
    (70)とを備え、 上記コイル(70)に電流を供給してピストン(41)を往
    復移動させ、圧縮室(42)で作動流体を圧縮するリニア
    モータ式圧縮機であって、 上記磁石(60)は、円筒状の一体物で形成され、半径方
    向の磁束を有するように着磁されていることを特徴とす
    るリニアモータ式圧縮機。
  3. 【請求項3】 ケーシング(21)に収納されると共に、
    該ケーシング(21)に固定されたシリンダ(40)と、 該シリンダ(40)の中空部に往復移動自在に挿入され、
    シリンダ(40)の中空部に圧縮室(42)を形成するピス
    トン(41)と、 該ピストン(41)がシリンダ(40)に対して往復移動す
    るようにピストン(41)をケーシング(21)に弾性支持
    する弾性体(47)と、 上記シリンダ(40)の外周に形成され、一端が開口して
    軸方向に延びる環状空間(55)を有するヨーク(51)
    と、 上記環状空間(55)の側面に位置してヨーク(51)に固
    着され、該ヨーク(51)の内部にエアギャップを有する
    磁気回路を形成する磁石(60)と、 上記ピストン(41)に連結された可動体(71)に設けら
    れると共に、磁石(60)に対面するようにエアギャップ
    に配置され、環状空間(55)内を直線移動可能なコイル
    (70)とを備え、 上記コイル(70)に電流を供給してピストン(41)を往
    復移動させ、圧縮室(42)で作動流体を圧縮するリニア
    モータ式圧縮機であって、 上記磁石(60)は、シリンダ(40)の軸方向に延び且つ
    環状空間(55)に沿った複数個の円弧状の磁石片(61,
    61,…)より構成されると共に、該複数の磁石片(61,
    61,…)を円周上に配置して円筒状に構成され、 上記各磁石片(61,61,…)は、前後両面を貫通する方
    向の磁束を有するように着磁されて磁束密度の分布変動
    が小さい磁石(60)を形成するように構成されているこ
    とを特徴とするリニアモータ式圧縮機。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載のリニアモータ式圧
    縮機において、 コイル(70)は、導線を複数回巻回して円筒状に形成さ
    れ、基端面が可動体(71)に固着されると共に、外周及
    び内周の両側面がヨーク(51)における環状空間(55)
    の側面及び磁石(60)に直接に対面するように構成され
    ていることを特徴とするリニアモータ式圧縮機。
  5. 【請求項5】 請求項1又は4記載のリニアモータ式圧
    縮機において、 コイル(70)の先端面には、コイル(70)の内径及び外
    径に対応したドーナツ盤状の保護板(74)が固着されて
    いることを特徴とするリニアモータ式圧縮機。
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