JPH09151770A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置

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JPH09151770A
JPH09151770A JP7310426A JP31042695A JPH09151770A JP H09151770 A JPH09151770 A JP H09151770A JP 7310426 A JP7310426 A JP 7310426A JP 31042695 A JP31042695 A JP 31042695A JP H09151770 A JPH09151770 A JP H09151770A
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JP
Japan
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fuel injection
fuel
injection valve
time
amount
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Application number
JP7310426A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Miyashita
茂樹 宮下
Hiroaki Nihei
裕昭 仁平
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料噴射弁の噴口近傍にデポジット等が付着
しても、機関運転状態に応じた所望燃料量を噴射可能と
すること。 【解決手段】 燃料噴射量の異なる複数回の燃料噴射に
おける燃料噴射弁制御値と実際の燃料噴射量との関係を
把握し(ステップ210)、これに基づき所望燃料量が
噴射されるように今回の燃料噴射弁制御値を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料噴
射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料噴射弁の噴口近傍にデポジットが付
着すると、燃料噴射量が変化する問題がある。特開平4
−334738号公報は、デポジットが燃料噴射弁のニ
ードルの動きに影響を与えることを開示している。
【0003】この従来技術では、燃料噴射量の変化は、
デポジットの付着による開弁指令から実際のニードル完
全開弁時期までの開弁タイムラグと、閉弁指令から実際
のニードル完全閉弁時期までの閉弁タイムラグとの変化
によるものであるとされている。従って、現在の開弁及
び閉弁タイムラグを測定し、機関運転状態に応じた所望
燃料量を噴射することを意図して、測定された開弁及び
閉弁タイムラグに基づき、所望燃料量に対応した開弁期
間が実現されるように、開弁指令時期及び閉弁指令時期
を決定するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃料噴
射弁の噴口近傍に付着するデポジットは、噴口の大きさ
を変化させることもある。この時には、前述の従来技術
において、所望燃料量に対応した開弁時期が実現されて
も所望燃料量を噴射することはできない。
【0005】従って、本発明の目的は、燃料噴射弁の噴
口近傍にデポジット等が付着しても、機関運転状態に応
じた所望燃料量を噴射させることができる内燃機関の燃
料噴射制御装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
による内燃機関の燃料噴射制御装置は、燃料噴射量の異
なる複数回の燃料噴射における燃料噴射弁制御値と実際
の燃料噴射量との関係に基づき、機関運転状態に応じた
所望燃料量が噴射されるように今回の燃料噴射弁制御値
を補正することを特徴とする。燃料噴射量の異なる複数
回の燃料噴射における燃料噴射弁制御値と実際の燃料噴
射量との関係は、デポジット等に影響された現在におけ
る燃料噴射弁の燃料噴射能力に相当し、この燃料噴射能
力に基づき今回の燃料噴射弁制御値が補正される。
【0007】また、請求項2に記載の本発明による内燃
機関の燃料噴射制御装置は、請求項1に記載の燃料噴射
制御装置において、前記燃料噴射弁が気筒内へ直接燃料
を噴射するものであり、燃料噴射量が比較的少ない時に
おいて圧縮行程燃料噴射で前記燃料噴射弁制御値を補正
する場合には、燃料噴射終了時期を固定し燃料噴射開始
時期を早めるように前記燃料噴射弁制御値を補正するこ
とを特徴とする。燃料噴射量が比較的少ない時において
圧縮行程燃料噴射で燃料噴射弁制御値を補正する際に、
燃料噴射終了時期が固定されるために、燃料噴射終了か
ら点火までにある程度の時間が確保され、この間で噴射
された燃料は良好に気化する。
【0008】また、請求項3に記載の本発明による内燃
機関の燃料噴射制御装置は、請求項1に記載の燃料噴射
制御装置において、前記燃料噴射弁が気筒内へ直接燃料
を噴射するものであり、燃料噴射量が比較的多い時にお
いて圧縮行程燃料噴射で前記燃料噴射弁制御値を補正す
る場合には、燃料噴射開始時期を早めると共に燃料噴射
終了時期を遅らせるように燃料噴射弁制御値を補正する
ことを特徴とする。燃料噴射量が比較的多い時において
圧縮行程燃料噴射で燃料噴射弁制御値を補正する際に、
燃料噴射開始時期を早めると共に燃料噴射終了時期を遅
らせるために、大きく燃料噴射開始時期が早まり噴射さ
れた燃料が拡散することはない。
【0009】また、請求項4に記載の本発明による内燃
機関の燃料噴射制御装置は、請求項1に記載の燃料噴射
制御装置において、前記燃料噴射弁が気筒内へ直接燃料
を噴射するものであり、吸気行程と圧縮行程とに燃料が
噴射される場合には、吸気行程燃料噴射においてだけ前
記燃料噴射弁制御値を補正することを特徴とする。燃料
噴射が吸気行程と圧縮行程とに別けて行われる場合に、
吸気行程燃料噴射の燃料噴射弁制御値だけが補正され、
一方、着火性能に大きく影響を与える圧縮行程燃料噴射
は固定される。
【0010】また、請求項5に記載の本発明による内燃
機関の燃料噴射制御装置は、請求項1に記載の燃料噴射
制御装置において、前記燃料噴射弁が気筒内へ直接燃料
を噴射するものであり、吸気行程燃料噴射で前記燃料噴
射弁制御値を補正する場合には、燃料噴射開始時期を固
定し燃料噴射終了時期を遅らせるように前記燃料噴射弁
制御値を補正することを特徴とする。吸気行程燃料噴射
における燃料噴射弁制御値の補正において、燃料噴射開
始時期が固定されるために、燃料噴射開始時点における
燃料噴射弁からピストン頂面までにある程度の距離が確
保され、噴射された燃料が多量にピストン頂面に付着す
ることはない。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による燃料噴射制
御装置が取り付けられた内燃機関の概略図である。同図
において、1は燃焼室、2はピストン、3は吸気弁4を
介して燃焼室1内へ通じる吸気通路、5は排気弁6を介
して燃焼室1内へ通じる排気通路である。燃焼室1の上
部には、気筒内へ燃料を直接噴射するための燃料噴射弁
7と、点火栓8とが配置されている。吸気通路3には、
吸入空気量を検出するためのエアフローメータ21(図
示せず)が配置されている。また、排気通路5には、排
気ガス中の酸素濃度から混合気空燃比を検出するための
空燃比センサ22が配置されている。
【0012】20は、燃料噴射弁7による燃料噴射制御
を担当する電子制御装置であり、前述のエアフローメー
タ21及び空燃比センサ22、機関回転数を検出するた
めの回転センサ23と、及び機関温度としての冷却水温
を検出するための冷却水温センサ24等が接続されてい
る。
【0013】燃料噴射弁7は、通常、開弁又は閉弁指令
と同時にニードルが完全に開弁又は閉弁するわけでな
く、それぞれタイムラグが存在する。図2は、燃料噴射
弁7における制御指令とニードルのリフト量とを関係を
示すタイムチャートである。同図において、実線で示す
リフト量Aは新品の燃料噴射弁の場合であり、開弁指令
と同時にニードルは開弁を開始するが、完全開弁までに
は所定時間toを必要とし、また、閉弁指令と同時にニ
ードルは閉弁を開始するが、完全閉弁までには所定時間
tcを必要とする。
【0014】本実施形態のように、燃料噴射弁7が気筒
内に配置されている場合には、特に、燃料噴射弁7の噴
口近傍にデポジットが付着しやすい。このようにデポジ
ットが付着すると、燃料噴射弁7における制御指令に対
するニードルのリフト量は、図2に点線で示すリフト量
Bのように変化する。噴口近傍に付着するデポジットは
噴口を小さくし、ニードルから噴口までに存在する燃料
の圧力がデポジット付着以前に比較して低下し難くなる
ために、ニードルより上流側の燃料圧力との差圧が小さ
くなる。
【0015】従って、ニードル自身は開弁しやすくなる
一方で、閉弁し難くなる。従って、デポジット付着以前
に比較して、開弁指令から完全開弁までの不完全開弁時
間to’は短縮され、閉弁指令から完全閉弁までの不完
全閉弁時間tc’は延長する。それにより、所定制御指
令時間(開弁指令から閉弁指令までの時間)に対するニ
ードルのリフトに関しては、デポジット付着後の方が、
早く完全開弁して遅くまで開弁している。しかし、所定
制御指令時間に対する実際の燃料噴射量は、デポジット
付着後において噴口が小さくなっているために、当然の
ごとく、デポジット付着以前の方が多くなる。
【0016】図3は、制御指令時間TAUに対する燃料
噴射量Qの関係を示すグラフであり、実線はデポジット
付着以前の燃料噴射弁の場合を示し、点線はデポジット
付着後の燃料噴射弁の場合を示している。それぞれのグ
ラフにおける無効噴射時間TAUV1,TAUV2は、
前述した不完全開弁時間to,to’及び不完全閉弁時
間tc,tc’によるものである。
【0017】本実施形態における燃料噴射量制御、すな
わち、燃料噴射弁7を開弁させるための制御指令時間の
決定は、図4に示す第1フローチャートに従って行われ
る。まず、ステップ101において、エアフローメータ
21により検出される現在の吸入空気量Gと、回転セン
サ23により検出される現在の回転数Nと、冷却水温セ
ンサ24により検出される冷却水温THWとが読み込ま
れる。
【0018】次に、ステップ102において、これらの
値により定まる機関運転状態における必要燃料量Qrが
マップ等を利用して決定される。次に、ステップ103
において、次式(1)により制御指令時間TAUが算出
される。 TAU=Qr/α+TAUV ・・・ (1) この式(1)において、αは現在の燃料噴射弁7の完全
開弁時における単位時間当たりの燃料噴射量であり、T
AUVは現在の燃料噴射弁7の無効噴射時間である。
【0019】この単位時間当たりの燃料噴射量αは、図
3に示すグラフの傾きに相当し、当初、実線で示すデポ
ジット付着以前の燃料噴射弁におけるグラフの傾きに設
定されている。また、無効燃料噴射時間TAUVも、実
線で示すデポジット付着以前の燃料噴射弁におけるグラ
フの無効噴射時間TAUV1に設定されている。それに
より、燃料噴射弁7にデポジットが付着する以前は、こ
の第1フローチャートによって算出された制御指令時間
TAUに基づき燃料噴射弁7を開弁させれば、各機関運
転状態における必要噴射量を筒内に噴射することができ
る。
【0020】しかしながら、デポジットが燃料噴射弁7
の噴口近傍に付着すると、図3に点線で示すグラフのよ
うに、同じ制御指令時間では、必要燃料量を噴射するこ
とができなくなる。従って、本実施形態においては、図
5に示す第2フローチャートに従って第1フローチャー
トのステップ103における単位時間当たりの燃料噴射
量α及び無効噴射時間TAUVを変更するようになって
いる。
【0021】まず、ステップ201において、詳しくは
後述するカウント値nが2以上であるか否かが判断さ
れ、この判断が肯定される時にはそのまま終了する。当
初、この判断は否定されてステップ202に進み、回転
センサ23により検出される回転数の変動等に基づいて
現在が定常運転状態であるか否かが判断される。この判
断が否定される時には、そのまま終了するが、肯定され
る時にはステップ203に進み、この時の回転数Nが前
回の回転数Naとほぼ等しいか否かが判断される。前回
の回転数Naは当初0にリセットされているために、こ
の判断は否定されてステップ204に進み、今回の回転
数NがNaとされ、ステップ205において、当初0に
リセットされているカウント値nは1だけ増加される。
【0022】次に、ステップ206において、エアフロ
ーメータ21により検出される現在の吸入空気量Gと、
空燃比センサ22により検出される現在の空燃比λと、
第1フローチャートにより算出された現在の制御指令時
間TAUとが読み込まれ、ステップ207において、現
在の吸入空気量Gを現在の空燃比λによって除算して燃
料噴射弁7によって実際に噴射された燃料量Qが算出さ
れる。
【0023】次に、ステップ208において、カウント
値nが2であるか否かが判断される。現在、カウント値
nは1であるために、この判断は否定されてステップ2
09に進み、現在の制御指令時間TAU及び現在の燃料
量QがそれぞれTAUa及びQaとして記憶され終了す
る。
【0024】次回の処理において、同じ定常運転状態が
持続していれば、現在の回転数Nは前回の回転数Naと
ほぼ等しく、ステップ203における判断が肯定されて
終了する。しかし、異なる定常運転状態となっていれ
ば、ステップ203における判断が否定されてステップ
205に進み、カウント値nを1だけ増加させて2と
し、ステップ206以降の処理が行われる。今回、カウ
ント値nは2となっているために、ステップ208にお
ける判断は肯定されてステップ210に進む。
【0025】ステップ210において、前回記憶した制
御指令時間TAUa及び燃料量Qaと今回の制御指令時
間TAU及び燃料量Qとを使用して、前述の式(1)と
同様な次式(2)から、現在の燃料噴射弁量の完全開弁
時における単位時間当たりの燃料噴射量αc及び無効噴
射時間TAUVcを逆算する。 TAU=Q/αc+TAUVc ・・・ (2)
【0026】このようにして決定された単位時間当たり
の燃料噴射量αc及び無効噴射時間TAUVcを、第1
フローチャートのステップ103における式(1)の単
位時間当たりの燃料噴射量α及び無効噴射時間TAUV
と置換することにより、燃料噴射弁7にデポジットが付
着して噴射性能が変化しても、機関運転状態に応じた必
要燃料量を噴射するための燃料噴射弁の制御指令時間T
AUを正確に算出することができる。
【0027】第2フローチャートにおいて、カウント値
nが2となり、一度、単位時間当たりの燃料噴射量αc
及び無効噴射時間TAUVcが決定されると、ステップ
201における判断が肯定されてそのまま終了し、機関
停止によりカウント値nが0にリセットされるまで新た
な単位時間当たりの燃料噴射量αc及び無効噴射時間T
AUVcを算出することはない。これは、燃料噴射弁7
のデポジット付着量がそれほど急激に変化するものでは
ないためである。
【0028】本フローチャートでは、異なる二つの定常
運転状態時において、実際の制御指令時間TAUと燃料
量Qとをサンプリングするようになっている。これは、
定常運転時には、エアフローメータ21及び空燃比セン
サ22の応答遅れ等を考慮する必要がなく、出力の信頼
性が高いためである、もちろん、二回以上サンプリング
するようにしても良い。
【0029】本実施形態の内燃機関は、機関低負荷時に
おいて燃料噴射弁7によって圧縮行程末期に全ての燃料
を噴射し、点火栓8回りに着火性の良好な混合気を形成
することにより、全体としてリーンな空燃比での燃焼を
可能とする成層燃焼を実施するものである。前述したよ
うに、燃料噴射弁7にデポジットが付着すると、燃料噴
射性能の低下によって、必要燃料量を噴射するための制
御指令時間は延長される必要がある。この時間延長分
は、燃料噴射量が比較的少ない時には、図6(A)に点
線で示すように、燃料噴射終了時期を固定して燃料噴射
開始時期を早めるように制御される。それにより、燃料
噴射終了から点火までにある程度の時間が確保され、こ
の間で噴射された燃料を確実に気化させることができ、
液状の燃料が存在することによる失火及びスモーク発生
を防止することができる。
【0030】しかしながら、燃料噴射量が比較的多い時
には、このような制御では、燃料噴射開始時期がかなり
早くなり、噴射された燃料が拡散して未燃焼のまま排出
されてしまう恐れがあり、これを防止するために、この
時には、図6(B)に点線で示すように、燃料噴射開始
時期を早めると共に燃料噴射終了時期を遅らせるよう
に、制御指令時間延長が制御される。
【0031】本実施形態の内燃機関は、機関中負荷時に
おいて燃料噴射弁7によって吸気行程及び圧縮行程末期
に燃料を噴射するようになっている。この時にも、前述
の成層燃焼を実施するが、必要燃料量がかなり多くな
り、圧縮行程末期の一回噴射では点火栓8回りの混合気
が濃厚となり過ぎるために、着火に必要な量を越える燃
料は、吸気行程に噴射し希薄な均一混合気として点火栓
8回りの混合気の外側に存在させるようになっている。
このような成層燃焼が実施される場合において、デポジ
ットの付着により燃料噴射弁7の制御指令時間を延長す
る際には、図6(C)に点線で示すように、この時間延
長分を全て吸気行程の燃料噴射に反映させる。
【0032】圧縮行程末期の燃料噴射は、前述したよう
に燃料噴射終了時期を遅らせることは好ましくない。一
方、この時には、圧縮行程末期の燃料噴射量も比較的多
く、燃料噴射開始時期を早めると、噴射された燃料が点
火栓8の回りから拡散しやすくなる。従って、制御指令
時間の延長を吸気行程の燃料噴射だけに反映させること
により、圧縮行程末期の燃料噴射開始及び終了時期は変
更されず、このような問題の発生を防止することができ
る。
【0033】吸気行程の燃料噴射に制御指令時間の延長
を反映させる際には、吸気行程初期の燃料噴射開始時期
を固定して燃料噴射終了時期を遅らせるようになってい
る。それにより、燃料噴射開始時点において、燃料噴射
弁からピストン頂面までにある程度の距離が確保され、
噴射された燃料が多量にピストン頂面に付着することは
なく、スモークの発生を防止することができる。
【0034】本実施形態の内燃機関は、機関高負荷時に
おいて燃料噴射弁7によって吸気行程に全ての燃料を噴
射して点火までに気筒内に均一混合気を形成することに
より、高出力が得られる成層燃焼を実施するものであ
る。この時においては、前述の機関中負荷時の吸気行程
燃料噴射と同様に、デポジット付着による燃料噴射弁の
制御指令時間の延長は、燃料噴射開始時期を固定して燃
料噴射終了時期を遅らせるように制御される。
【0035】本実施形態は、このように機関負荷に応じ
て色々な燃焼形態を採らせるものである。従って、第1
フローチャートのステップ102において、機関運転状
態から必要燃料量Qrを決定する際には、各燃焼形態で
気筒内全体における要求空燃比が異なるために、実施さ
せる燃焼形態をも考慮する必要がある。
【0036】排気通路5に配置された空燃比センサ22
を使用し、混合気を理論空燃比にフィードバック制御し
て機関負荷に係わらず均一燃焼を実施するような内燃機
関が存在する。このような内燃機関では、燃料噴射弁7
にデポジットが付着して噴射性能が低下した時には自動
的に燃料噴射弁の制御指令時間が延長される。しかしな
がら、このような内燃機関でも、機関冷間時に空燃比を
リッチにするために、フィードバック制御が中止される
場合があり、このような場合において本発明は有効なも
のとなる。
【0037】また、デポジットの付着量が著しく増加
し、単位時間当たりの燃料噴射量が著しく低下した場
合、燃料噴射弁制御値の補正量も増大する。このような
場合には、燃焼の悪化が考えられるため、圧縮行程燃料
噴射と、吸気行程及び圧縮行程燃料噴射と、吸気行程燃
料噴射とを切り換える機関負荷を、より低負荷側に移動
させ、燃焼悪化を防止することが好ましい。
【0038】
【発明の効果】このように、請求項1に記載の本発明に
よる内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、燃料噴射量
の異なる複数回の燃料噴射における燃料噴射弁制御値と
実際の燃料噴射量との関係、すなわち、現在における燃
料噴射弁の燃料噴射能力に基づき、今回の燃料噴射弁制
御値が補正されるために、燃料噴射弁の噴口近傍にデポ
ジット等が付着しても、常に、機関運転状態に応じた所
望燃料量を噴射させることができる。
【0039】また、請求項2に記載の本発明による内燃
機関の燃料噴射制御装置によれば、請求項1に記載の燃
料噴射制御装置と同様に所望燃料量を確実に噴射できる
ことに加えて、燃料噴射量が比較的少ない時において圧
縮行程燃料噴射で燃料噴射弁制御値を補正する際に、燃
料噴射終了時期が固定されて燃料噴射終了から点火まで
にある程度の時間が確保され、この間で噴射された燃料
は良好に気化し、点火栓近傍に液状燃料が存在すること
による失火及びスモークの発生は防止される。
【0040】また、請求項3に記載の本発明による内燃
機関の燃料噴射制御装置によれば、請求項1に記載の燃
料噴射制御装置と同様に所望燃料量を確実に噴射できる
ことに加えて、燃料噴射量が比較的多い時において圧縮
行程燃料噴射で燃料噴射弁制御値を補正する際に、燃料
噴射開始時期を早めると共に燃料噴射終了時期を遅らせ
るために、大きく燃料噴射開始時期が早まり噴射された
燃料が点火栓回りから拡散することはなく、燃料拡散に
よる未燃燃料の排出は防止される。
【0041】また、請求項4に記載の本発明による内燃
機関の燃料噴射制御装置によれば、請求項1に記載の燃
料噴射制御装置と同様に所望燃料量を確実に噴射できる
ことに加えて、燃料噴射が吸気行程と圧縮行程とに別け
て行われる場合に、吸気行程燃料噴射の燃料噴射弁制御
値だけが補正され、一方、着火性能に大きく影響を与え
る圧縮行程燃料噴射は固定されるために、着火性能を良
好に維持することができる。
【0042】また、請求項5に記載の本発明による内燃
機関の燃料噴射制御装置によれば、請求項1に記載の燃
料噴射制御装置と同様に所望燃料量を確実に噴射できる
ことに加えて、吸気行程燃料噴射における燃料噴射弁制
御値の補正において、燃料噴射開始時期が固定されるた
めに、燃料噴射開始時点における燃料噴射弁からピスト
ン頂面までにある程度の距離が確保され、噴射された燃
料が多量にピストン頂面に付着して点火までに気化でき
ずにスモークを発生することは防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃料噴射制御装置が取り付けられ
た内燃機関の概略図である。
【図2】燃料噴射弁における制御指令とニードルのリフ
ト量との関係を示すタイムチャートである。
【図3】制御指令時間と燃料噴射量との関係を示すグラ
フである。
【図4】燃料噴射弁の制御指令時間を算出するための第
1フローチャートである。
【図5】第1フローチャートにおける単位時間当たりの
燃料噴射量及び無効噴射時間を変更するための第2フロ
ーチャートである。
【図6】制御指令時間の補正方法を説明するための図で
あり、(A)は機関低負荷時の燃料噴射量が比較的少な
い場合、(B)は機関低負荷時の燃料噴射量が比較的多
い場合、(C)は機関中負荷時の場合、(D)は機関高
負荷時の場合である。
【符号の説明】
1…燃焼室 2…ピストン 3…吸気通路 5…排気通路 7…燃料噴射弁 8…点火栓 20…制御装置 22…空燃比センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料噴射量の異なる複数回の燃料噴射に
    おける燃料噴射弁制御値と実際の燃料噴射量との関係に
    基づき、機関運転状態に応じた所望燃料量が噴射される
    ように今回の燃料噴射弁制御値を補正することを特徴と
    する内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 前記燃料噴射弁が気筒内へ直接燃料を噴
    射するものであり、燃料噴射量が比較的少ない時におい
    て圧縮行程燃料噴射で前記燃料噴射弁制御値を補正する
    場合には、燃料噴射終了時期を固定し燃料噴射開始時期
    を早めるように前記燃料噴射弁制御値を補正することを
    特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 前記燃料噴射弁が気筒内へ直接燃料を噴
    射するものであり、燃料噴射量が比較的多い時において
    圧縮行程燃料噴射で前記燃料噴射弁制御値を補正する場
    合には、燃料噴射開始時期を早めると共に燃料噴射終了
    時期を遅らせるように燃料噴射弁制御値を補正すること
    を特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 【請求項4】 前記燃料噴射弁が気筒内へ直接燃料を噴
    射するものであり、吸気行程と圧縮行程とに燃料が噴射
    される場合には、吸気行程燃料噴射においてだけ前記燃
    料噴射弁制御値を補正することを特徴とする請求項1に
    記載の燃料噴射制御装置。
  5. 【請求項5】 前記燃料噴射弁が気筒内へ直接燃料を噴
    射するものであり、吸気行程燃料噴射で前記燃料噴射弁
    制御値を補正する場合には、燃料噴射開始時期を固定し
    燃料噴射終了時期を遅らせるように前記燃料噴射弁制御
    値を補正することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴
    射制御装置。
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