JPH09150256A - 金 型 - Google Patents

金 型

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JPH09150256A
JPH09150256A JP30617595A JP30617595A JPH09150256A JP H09150256 A JPH09150256 A JP H09150256A JP 30617595 A JP30617595 A JP 30617595A JP 30617595 A JP30617595 A JP 30617595A JP H09150256 A JPH09150256 A JP H09150256A
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JP
Japan
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wire
mold
wire rod
wire rods
cavity
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Pending
Application number
JP30617595A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Kawaguchi
正敏 川口
Mitsuo Kuwabara
光雄 桑原
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Mounting, Exchange, And Manufacturing Of Dies (AREA)
  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】線材の強度、硬度が低下することがなく、製造
時間が短く、製造コストを低廉化することができ、凝固
絞や欠肉部が発生する懸念を払拭し、場合によって成形
品に焼き戻し等を施す必要がなく、耐久性が向上した金
型を提供する。 【解決手段】金型10を構成する下型12、上型14
は、枠部材18a、18bの内部に複数の線材20が隙
間なく配設され、該線材20をその軸線方向に変位させ
て当該線材20の端部が所定形状の面を形成することに
より、キャビティ22a、22bが構成される。前記線
材20の前記キャビティ22a、22bと反対の面には
易融合金または樹脂材により固定部24a、24bが形
成される。前記枠部材18a、18bは容器16a、1
6bに固着され、該容器16a、16bに画成された室
15a、15bに充填された水によって、鋳造時に前記
固定部24a、24bおよび線材20が支持されると共
に冷却効果も得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳造、プレス加工
等に用いられる金型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金型を製造する際、予めその粗形
状を得るために、鋳造や肉盛溶接、無垢の素材の切り出
し等の工程に付され、次いで、荒削り、中仕上げ、熱処
理、仕上げ、磨き等の工程を経て、完成品としての金型
を得ていた。
【0003】このような一体的な構造の金型に代えて、
特開昭59−35848号公報に開示されているよう
に、外枠の内部に隙間なく線材を配設し、該線材をその
軸線方向に変位させてその先端で所望の形状のキャビテ
ィを形成した金型が提案されている。さらにまた、特公
昭48−30530号公報に開示されているように、鋳
型の背面に線材を隙間なく配置し、溶融金属、すなわち
溶湯を導入して前記線材を融着させ、鋳造用金型とする
ものも提案されている。これらの公報に開示されている
発明によれば、前記の一体的な構造の金型に比べて、製
造時間が短く、製造コストの低廉な金型を得ることが可
能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
前者の従来技術に係る金型では、機械加工や熱処理に多
大な時間がかかり、しかも、例えば、車体成形用金型の
ような大きな金型の場合、熱処理では大がかりな設備を
必要とするため、製造に要する時間がかかり、しかも製
造コストが高騰する等の不都合が存在している。
【0005】また、この種の金型で合成樹脂の射出成形
を行う場合、素材が射出ゲートからキャビティに流入し
たとき、該素材の先端部の温度が低下して流動不良が発
生し、ウエルドと呼ばれる凝固絞や欠肉部が発生する懸
念があった。そこで、素材の流動性を向上させるために
素材の温度を高くすると、冷却に時間がかかり、生産効
率が低下するという問題があった。
【0006】さらに、この金型で鉄を鋳造する場合、溶
湯の温度が高いため、金型を形成する材料として熱伝導
率の高いクロム銅が多く使用されている。このため、溶
湯の温度が早く低下し、成形品の表面が硬く、脆くな
り、焼き戻し工程が必要となる難点があった。さらにま
た、高温の溶湯がランナ部等を浸食し、金型の寿命が短
くなるという不都合も指摘されている。
【0007】一方、後者の従来技術に係る金型では、金
型の形状精度を向上させるべく、線材を細くする必要が
ある。ところが、この細い線材は変形し易いため、焼き
入れにより強度と硬度を向上させようとすると、該線材
の固定の際に溶湯の熱により線材が熱応力を受け、焼鈍
の効果により強度、硬度が低下し、プレス、鋳造等の際
に変形するという問題があった。
【0008】本発明は前記の課題を解決すべくなされた
ものであって、線材の強度、硬度が低下することがな
く、製造時間が短く、製造コストを低廉化することがで
き、合成樹脂の射出成形の場合、素材の温度を高くする
ことなく、凝固絞や欠肉部が発生する懸念を払拭し、鉄
素材の鋳造の場合、成形品に焼き戻しを施す必要がな
く、且つ耐久性の高い金型を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、枠部材と、前記枠部材の内部に隙間な
く配置され、長尺状に形成された複数の線材と、前記線
材をその軸線方向に変位させて該線材の一端部が所定形
状の面を形成することにより画成されるキャビティと、
前記線材の他端部側に設けられ、該線材を固定する易融
合金または樹脂材と、前記枠部材の前記キャビティと反
対の面側に配設され、圧力流体が充填された容器と、を
備え、前記圧力流体により前記易融合金または樹脂材を
支持することを特徴とする。
【0010】本発明によれば、この金型で鋳造を行う場
合、溶湯をキャビティ内部に導入すると、該溶湯の熱で
加熱された線材は圧力流体により冷却される。また、プ
レス加工に使用した場合、加工される素材を金型の所定
位置に載置し、該金型で前記素材を押圧挟持すると、プ
レス金型面を構成する線材には大きな力が加わるが、該
線材は圧力流体によって支持され、局部への応力集中を
緩和すると共に前記素材が塑性変形するに至る。
【0011】この場合、前記線材は、冷間ダイス鋼、熱
間ダイス鋼、炭素鋼、合金鋼、超合金、銅合金のうちの
少なくとも一種の材料で形成されると好適である。
【0012】また、この場合、前記線材の横断面が正三
角形、正四角形、正六角形のいずれかの形状であると、
該線材は枠部材に隙間なく配置することができ、好適で
ある。
【0013】さらに、この場合、前記線材には複数の太
さの種類があり、この複数の太さの線材を組み合わせて
前記枠部材の内部に配置すると、強い応力が加わる箇所
には太い線材を、高い精度が必要な箇所には細い線材を
配置することができ、一層精密に金型の成形面が形成さ
れ、好適である。
【0014】さらにまた、この場合、前記圧力流体は水
または油であると廉価で且つ取り扱いが容易であるため
に、好適である。
【0015】さらにまた、この場合、前記線材は熱的性
質の異なる複数の種類の素材からなり、前記複数の種類
の線材を組み合わせて製品形状に適合させて配置する
と、この金型で合成樹脂を射出成形によって成形する場
合、素材の温度の低下を夫々の線材の熱的性質により制
御することにより、素材の流動不良を防止することがで
き、好適である。
【0016】さらにまた、この場合、前記線材中、一部
の線材は内部に加熱手段を内蔵し、一方、参与の線材の
一部は内部に冷却手段を内蔵していると、この金型で鋳
造する場合、溶湯の温度の低下を前記加熱手段と冷却手
段により制御することができ、好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係る金型について好適な
実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細
に説明する。
【0018】図1において、参照符号10は、第1の実
施の形態に係る鋳造用金型を示す。この金型10は下型
12と、該下型12に対して上下動自在な上型14とを
備え、該下型12と上型14は夫々室15a、15bが
画成された容器16a、16bと、該容器16a、16
bに固着された枠部材18a、18bと、該枠部材18
a、18bの内部に隙間なく配設される複数の線材20
とで構成される。
【0019】前記線材20は、冷間ダイス鋼、熱間ダイ
ス鋼、炭素鋼、合金鋼、銅合金のうちの少なくとも一種
の材料、例えば、SKD、SKH、SC、SMC、SN
CM、クロム銅等で押出成形、あるいは引抜成形等で所
定の長さに形成され、熱処理が施されて強度、硬度を向
上させたものである。この線材20として、超合金を用
いることもできる。超合金として、ニッケル合金、コバ
ルト合金が好ましい。前記線材20は横断面正四角形状
に形成される。勿論、この場合、線材20は横断面正四
角形に限定されるものではなく、正六角形、正三角形、
長方形等、適宜の多角形状を選択するか、これらの組み
合わせであってもよい。当該線材20は、例えば、外接
円径が0.3、1、2、5、10、20mmの6種類が
用意され、夫々の外接円形の線材20を組み合わせて枠
部材18a、18bに密接的に配設される(図2参
照)。
【0020】この線材20をその軸線方向に変位させて
該線材20の一端部が所定形状の面を形成することによ
り下型12側にキャビティ22a、上型14側にキャビ
ティ22bが画成される。勿論、前記キャビティ22
a、22bが両者相俟って単一のキャビティが画成され
ることは言うまでもない。
【0021】前記線材20の前記キャビティ22a、2
2bと反対側の面には、該線材20の他端部が前記キャ
ビティ22a、22bの形状に対応して突出している。
そこで、この金型10の使用時に当該線材20がその軸
線方向に摺動して該キャビティ22a、22bの形状に
変化が生じないように、融点が50〜250℃までの
鉛、錫、ビスマス、カドミウムを主成分とする易融合
金、または、ビニル、アクリル、フェノール、ポリプロ
ピレン、エポキシ、シリコン等の如き樹脂材により曲面
状の固定部24a、24bが形成される。すなわち、前
記固定部24a、24bによって、複数の線材20の他
端部が保持される。
【0022】前記枠部材18a、18bが固着される容
器16a、16bに画成された室15a、15bには、
水が導入される導入管路26a、26bと、該水が排出
される排出管路28a、28bが連通し、該導入管路2
6a、26b、排出管路28a、28bには夫々バルブ
30a〜30dが設けられる。前記導入管路26a、2
6bは図示しない水供給源に連通し、前記排出管路28
a、28bは図示しない排水タンクに連通する。
【0023】また、上型14には、容器16bの外部か
らキャビティ22bに連通する射出ゲート32が設けら
れる。
【0024】次に、第1の実施の形態に係る金型10の
製造方法について説明する。なお、下型12と上型14
は同一の製造方法によって形成されるので、ここでは下
型12についてのみ説明し、上型14の製造方法につい
ては説明を省略する。
【0025】先ず、枠部材18aに線材20を配設する
(図3参照)。このとき、鋳造の際の応力が大きく加わ
る箇所には外接円径の大きい線材20aを配置し、キャ
ビティ22aの段部に相当する位置など、高い形状精度
が必要な箇所には外接円径の小さい線材20bを配置す
る等、線材20をその外接円径の大きさに応じて適宜配
置する。
【0026】次に、図4に示すように、前記線材20に
よって画成されるキャビティ22aとなる面にモデルと
なる木、石膏等で形成された元型34を図示しないプレ
ス機等で押圧すると、該元型34の凹凸形状に沿って線
材20は相対的に摺動して該線材20の一端部が元型3
4の雄雌形状に対応した雌雄形状を形成し、キャビティ
22aが画成される。
【0027】次いで、固定部24aを形成する。この固
定部24aは、図5に示す線材固定用金型36を使用し
て形成される。この線材固定用金型36では曲面状にキ
ャビティ38が画成され、該キャビティ38と連通して
易融合金または樹脂材が導入される溝部40が画成され
ている。この線材固定用金型36に、前記線材20が配
置され、キャビティ22aが画成された枠部材18aを
載置し、前記溝部40から加熱溶融した易融合金または
樹脂材を導入すると、前記キャビティ38に易融合金ま
たは樹脂材が充填されるに至る。次いで易融合金または
樹脂材を冷却すると、易融合金または樹脂材が固化して
線材20の一端部が固定され、溝部40で固化された易
融合金または樹脂材は機械加工により切断されて固定部
24aが形成される。
【0028】このとき、例えば、線材20がクロム銅で
形成されている場合、このクロム銅は300℃程度に加
熱され、さらに冷却すると、焼鈍の作用が働いて硬度、
強度ともに減少する。また、線材20がSKD−1、S
KD−11等で形成されている場合も夫々300℃、6
00℃程度で硬度が約半分に低下してしまい、該線材2
0の変形、物性の変化が著しく、この鋳造用金型10を
使用することができなくなる。従って、線材20の硬
度、強度が低下しない程度の低い作業温度で溶融する易
融合金、樹脂材を使用して線材20を固定する。
【0029】この枠部材18aを容器16aに固着して
下型12が製造される。
【0030】第1の実施の形態に係る鋳造用金型10は
以上のようにして製造され、次に、該鋳造用金型10の
動作について説明する。
【0031】下型12と上型14を、図1に示すよう
に、キャビティ22a、22b面を合わせて載置する。
バルブ30a、30bを開くと、図示しない水供給源か
ら容器16a、16bに画成された室15a、15bの
内部に水が充填される。容器16a、16b内部が水で
満たされたら、バルブ30a、30bを閉じる。
【0032】以上のような準備段階を経て、射出ゲート
32から溶湯を前記キャビティ22a、22bに導入す
る。このとき、溶湯は高温であるため、線材20の一端
部側が加熱され、さらに、固定部24a、24bの易融
合金または樹脂材を溶融しようとするが、容器16a、
16b内部の水が線材20の他端部側および固定部24
a、24bを冷却するため、線材20が焼鈍の作用を受
けることがなく、また、固定部24a、24bが溶けて
線材20が摺動し、キャビティ22a、22bが変形す
る懸念もない。
【0033】溶湯が冷却されて固化したら、上型14を
下型12に対して離間する方向に変位させてキャビティ
22a、22bから成形品を得る。
【0034】この鋳造用金型10が不要となった場合、
固定部24a、24bを適宜の手段を用いて加熱して易
融合金または樹脂材を溶融し、線材20を取り外せばよ
い。一方、磨耗等により損傷した線材20を交換して金
型10を前述の製造方法により製造すると、再び使用す
ることができる。
【0035】本実施の形態では、室15a、15bに導
入される圧力流体は水であったが、水の代わりに油を室
15a、15bに導入してもよい。
【0036】次に、第2の実施の形態について説明す
る。図6は、本発明の第2の実施の形態に係るプレス加
工用金型42を示す。
【0037】以下、第1の実施の形態の鋳造用金型10
と異なる箇所について詳細に説明し、図中、第1の実施
の形態と同一の構成要素については同一の参照符号を付
してその詳細な説明を省略する。
【0038】この金型42の下型12には線材20が図
の下方に摺動して雌型を構成するキャビティ44aが画
成され、上型14には線材20が前記下型12のキャビ
ティ44aの内部に進入するように摺動して雄型を構成
するキャビティ44bが形成される。
【0039】次に、以上のように構成されるプレス加工
用金型42の動作について説明する。
【0040】下型12のキャビティ44aに金属板の如
き素材を載置する。プレス加工装置を付勢すると、上型
14の下降作用下に前記素材が押圧され、この素材はキ
ャビティ44a、44bの面に沿って塑性変形する。こ
のとき、線材20にかかる圧力は該線材20を変位さ
せ、キャビティ44a、44bを変形させようとする
が、線材20は固定部24a、24bを介して容器16
a、16b内部の水によって支持され、変位は阻止され
る。
【0041】上型14を上昇させると、プレス加工が施
された成形品を得ることができる。
【0042】次に、第3の実施の形態に係る射出成形用
金型ついて説明する。
【0043】第3の実施の形態で成形される部材52
は、図7に示すように、ポリカーボネイトの如き合成樹
脂の材料で長尺の板状に形成されている。この部材52
の一端側の第1の板状部54には図において上方に湾曲
形成された湾曲部56が設けられ、また、該第1板状部
54の縁部にはテーパ部58を有する半円形の切欠部6
0が画成される。前記第1板状部54の一辺側には段部
62を介して第2の板状部64が形成され、該第2板状
部64の縁部には半円形の切欠部66と、略四角形状の
凹部68とが画成される。さらに、前記第2板状部64
の一端側の隅角部には下方に突出した突部70a、70
bが形成される。
【0044】次に、この部材52を製造するための射出
成形用金型72について説明する。なお、図中、第1、
第2の実施の形態と同一の構成要素については同一の参
照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0045】この射出成形用金型72は、図8に示すよ
うに、第1の側型74と、該第1側型74に対して相対
的に変位可能な第2の側型76とで構成され、第1側型
74、第2側型76に配設された線材20をその軸線方
向に変位させて前記部材52の雄雌形状に対応した雌雄
形状のキャビティ78が画成される。前記キャビティ7
8の上方には前記キャビティ78に連通する通路80が
画成され、該通路80は前記第1側型74、第2側型7
6の合わせ面に設けられた射出ゲート82に連通する。
【0046】次いで、この射出成形用金型72に使用さ
れる線材20について説明する。この線材20は、クロ
ム銅、低炭素鋼、アルミニウム合金、SUS304、I
N100の如き素材で形成される。なお夫々の素材で形
成された線材を20c〜20gとし、各素材の比熱、熱
伝導率を表1に示す。このように、線材20c〜20g
を、その熱的性質に対応して枠部材18a、18bの内
部に適宣配置する。例えば、図9に示すように、通路8
0には比熱が低く、熱伝導率が高いクロム銅の線材20
cを、広い面積を有する第1板状部54に対応するキャ
ビティ78の壁部には熱伝導率の低い低炭素鋼で形成さ
れた線材20dを、前記第2板状部64に対応する壁部
にはさらに熱伝導率の低いSUS304で形成された線
材20fを配置する。また、複雑な形状の湾曲部56に
対応する壁部には比熱の高いアルミニウム合金で形成さ
れた線材20eを配置し、突部70a、70bに対応す
る壁部には最も熱伝導率の低いIN100で形成された
線材20gを配置する。なお、キャビティ78を構成し
ない線材20、すなわち、第1側型74と第2側型76
の合わせ面には、機械的強度の高いSCMで形成された
線材20hを配置する。
【0047】第3の実施の形態に係る射出成形用金型7
2は以上のようにして製造され、次に、該射出成形用金
型72の動作について説明する。
【0048】150℃で溶融したポリカーボネートの如
き素材を、射出ゲート82からキャビティ78に導入す
る(図8参照)。素材は、通路80、キャビティ78を
構成する壁部に接触しながら流動し、キャビティ78内
部に充填される。このとき、素材は通路80では、図9
に示すように、熱伝導率の大きいクロム銅で形成された
線材20cに接触しているため、温度の低下が大きい
が、一方、素材が通路80から離間するに従って熱伝導
率の小さい材料で形成された線材20d〜20gに接触
するため、素材の温度の低下が抑制される。このため、
素材は流動性を保った状態でキャビティ78の隅々まで
充填される。従って、素材をキャビティ78に導入する
際、溶融されている素材の温度を高くする必要がない。
【0049】前記の素材がキャビティ78に充填された
とき、該素材は射出ゲート82の近傍では温度が高く、
該射出ゲート82から離間するに従って温度が低くなっ
ている。このように温度にむらがある素材は線材20に
接触して冷却され、温度が低下するが、線材20c〜2
0gの熱的性質により、温度の低下する速さがその位置
によって異なる。例えば、通路80では素材の温度は高
いが、比熱が小さく熱伝導率が大きいクロム銅の線材2
0cに接しているため、早く温度が低下する。一方、突
部70a、70bに対応する位置では、素材の温度が低
いが、この突部70a、70bに対応する壁部に配設さ
れている線材20gは熱伝導率が低いIN100で形成
されているため、温度の低下が抑制される。このように
素材の温度が高い位置では冷却速度が速いため、素材が
固化するのに時間がかかることがなく、成形時間が長く
なる懸念がない。
【0050】以上のように、線材20c〜20gの熱的
性質を利用して素材の温度低下を制御しているため、流
動不良が発生する懸念がなく、品質の高い部材52を製
造することが可能となる。
【0051】
【表1】
【0052】次に、第4の実施の形態に係る鉄鋳造用金
型について説明する。
【0053】第4の実施の形態で成形される部材90
は、図10に示すように、直径約40mmの軸部92に
複数の円盤状の板部94a〜94eが一体的に形成され
る。前記板部94a〜94eは直径が夫々約90、6
0、70、60、70mmで、厚さが夫々20mmであ
る。前記板部94a、94c、94eの外周は堅さがH
Rc52以上、板部94b、94dの外周は堅さがHR
c27以下に形成される。また、前記軸部92の外周は
堅さがHRc27以下である。
【0054】図11に、第4の実施の形態に係る鉄鋳造
用金型100を示す。該鉄鋳造用金型100は部材90
を2個同時に成形する2個取りの金型である。この鉄鋳
造用金型100は、第1の側型102と、第1側型10
2に対して相対的に変位自在な第2の側型104とを備
える。なお、第1側型102と第2側型104とは同一
の構成であるので、ここでは第1側型102について説
明し、第2側型104についてはその詳細な説明を省略
する。
【0055】前記第1側型102の上部には下方に向け
て縮径する湯口106が設けられ、該湯口106に連通
して下方にランナ108が画成される。該ランナ108
の下端部には滓溜110が形成され、該滓溜110の近
傍から前記ランナ108と直交する方向に延在する湯道
112a、112bが画成される。前記湯道112a、
112bにはフィルタ部114a、114bが設けら
れ、該フィルタ部114a、114bは溶湯に含まれる
不純物の除去作用を有する。前記湯道112a、112
bの端部近傍から上方に向けて通路116a、116b
が画成され、該通路116a、116bは前記部材90
の雄雌形状に対応した雌雄形状に形成されたキャビティ
118a、118bに連通する。該キャビティ118
a、118bは前記部材90の板部94a〜94eの雄
雌形状に対応する雌雄形状の壁部119a〜119e
と、軸部92に対応する壁部119fで構成される。前
記キャビティ118a、118bの上方には押湯部12
0a、120bが画成され、該押湯部120a、120
bの上方から外部に連通する空気抜き孔122a、12
2bが画成される。
【0056】図12に、第4の実施の形態に係る鉄鋳造
用金型100に使用される線材124を示す。この線材
124は、クロム銅の如き材料で断面六角形状に形成さ
れ、外接円径5、10、20mmが用意される。この線
材124にはヒータ内蔵線材124a、熱電対内蔵線材
124b、水冷用線材124cがあり、夫々の線材12
4a〜124cはその長手方向に沿って孔部128が画
成され、該孔部128の一端側は開口し、他端側は前記
線材124a〜124cの端部から20mmの位置で閉
塞している。ヒータ内蔵線材124aの孔部128に
は、前記孔部128の直径より若干小さい直径の円柱状
に形成された加熱手段であるヒータ130が挿入され、
熱電対内蔵線材124bには同様に円柱状に形成された
熱電対132が挿入される。前記ヒータ130、熱電対
132には導線134が接続されている。該導線134
は図示しない制御装置に接続され、該制御装置は熱電対
132で測定された線材124の温度に応じてヒータ1
30を付勢し、線材124を所定の温度に制御する。前
記ヒータ内蔵線材124a、熱電対内蔵線材124bの
孔部128には充填材136を充填し、冷却水が浸入す
ることを防止するように構成しても良い。
【0057】これらの線材124a〜124cが前記鉄
鋳造用金型100に適宣配置される(図11、図13参
照)。部材90の板部94a、94c、94eに対応す
る壁部119a、119c、119eには水冷用線材1
24cを配置し、板部94b、94dおよび軸部92に
対応する壁部119b、119d、119fにはヒータ
内蔵線材124aと熱電対内蔵線材124bとが一定の
割合で混在して配置される。湯口106、ランナ10
8、湯道112a、112b、押湯部120a、120
b、空気抜き孔122a、122bには水冷用線材12
4cが配置される。固定部24a、24bには複数の孔
部137が画成され、前記水冷用線材124cの孔部1
28は孔部137を通して室15a、15bに連通す
る。従って、前記室15a、15b内部に充填された水
は孔部128に導入され、水冷用線材124cは該水に
よって冷却される。この場合、前記孔部128には図示
しない冷却水供給源が連通し、該冷却水供給源が付勢さ
れると冷却水が前記孔部128に導入され、線材124
を冷却するように構成してもよい。
【0058】第4の実施の形態に係る鉄鋳造用金型10
0は以上のように構成され、次に、該鉄鋳造用金型10
0の動作について説明する。
【0059】先ず、図示しない制御装置によりヒータ1
30を付勢し、ヒータ内蔵線材124aが配置されたキ
ャビティ118a、118bの壁部119b、119
d、119fを所定の温度に上昇させておく。
【0060】次に、鉄鋳造用金型100にクロム1.5
%のFC250相当を1400℃で溶融した溶湯を湯口
106から導入する。溶湯はランナ108、湯道112
a、112b、通路116a、116bを通ってキャビ
ティ118a、118bに充填され、押湯部120a、
120bに至る。そして溶湯が冷却されて固化し、部材
90が得られる。このとき、水冷用線材124cが配設
されているキャビティ118a、118bの壁部119
a、119c、119eでは容湯の表面が急激に冷却さ
れて硬度が高くなり、ヒータ内蔵線材124a、熱電対
内蔵線材124bが配設されているキャビティ118
a、118bの壁部119b、119d、119fでは
冷却速度が遅く、硬度が低くなる。鋳造された部材90
は、板部94a、94c、94eの硬度がHRc53〜
54、板部94b、94dの硬度がHRc23〜24で
あり、従来、成形後に高周波焼き戻し等を施すことによ
り得ていた板部94b、94dの硬度HRc37より大
幅に低い値を得ることが可能である。
【0061】以上のように、この鉄鋳造用金型100に
よれば、所定の位置に所望の硬度を有する成形品を得る
ことが可能である。
【0062】また、ランナ108を構成する線材124
は冷却水で冷却されているため、溶湯による浸食を防止
することができ、鉄鋳造用金型100の耐久性が著しく
向上する。
【0063】
【発明の効果】本発明に係る金型によれば、以下のよう
な効果ならびに利点が得られる。
【0064】易融合金、または樹脂材の如き固定部は低
い温度で線材を固定することができるため、焼き入れし
た線材の強度、硬度が低下することを阻止することが可
能であり、また、鋳造の際には水で固定部を冷却するた
め、溶湯の熱で易融合金、樹脂材が溶融することが防止
される。一方、プレス金型に応用した場合、プレス加工
の際には水が線材を支持するため、易融合金、または樹
脂材の強度不足を補うことができ、耐久性が高くなる。
【0065】また、金型の製造が容易で製造時間を短縮
することができ、このため、製造コストを低廉化するこ
とが可能となる。さらに、不要となった金型を再利用す
ることができるため、成形品の製造コストを一層低廉化
することができる。
【0066】さらにまた、線材を部位によってその素
材、性質、機能等を変更することが可能であるため、凝
固速度の制御等も容易となり、機能を持った金型を形成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る鋳造用金型を
示す概略縦断面図である。
【図2】図1の鋳造用金型を構成する線材を示す斜視説
明図である。
【図3】図1の鋳造用金型の製造方法を示す概略縦断面
図である。
【図4】図3の鋳造用金型の製造方法を用いて作成され
た金型を示す概略縦断面図である。
【図5】図4の鋳造用金型を構成する線材の他端部を固
定部で固定した状態を示す概略縦断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るプレス加工用
金型を示す概略縦断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る射出成形用金
型で製造される部材を示す斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る射出成形用金
型を示す概略縦断面図である。
【図9】図8の射出成形用金型を示す一部拡大斜視図で
ある。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る鉄鋳造用金
型で製造される部材の正面図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る鉄鋳造用金
型を示す正面図である。
【図12】図11の鉄鋳造用金型に使用される線材を示
し、図12Aはヒータ内蔵線材、熱電対内蔵線材を、図
12Bは冷却用線材を示す概略断面図である。
【図13】図11の鉄鋳造用金型を示す一部拡大断面図
である。
【符号の説明】
10…鋳造用金型 16a、16b…容
器 18a、18b…枠部材 20、20a〜20g、124、124a〜124c…
線材 22a、22b、44a、44b、78、118a、1
18b…キャビティ 24a、24b…固定部 36…線材固定用金
型 42…プレス加工用金型 72…射出成形用金
型 74…第1側型 76…第2側型 100…鉄鋳造用金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B21D 37/16 B21D 37/16 B22C 9/06 B22C 9/06 E Q B B29C 33/02 9543−4F B29C 33/02 33/38 9543−4F 33/38 45/26 9268−4F 45/26 45/73 7639−4F 45/73

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】枠部材と、 前記枠部材の内部に隙間なく配置され、長尺状に形成さ
    れた複数の線材と、 前記線材をその軸線方向に変位させて該線材の一端部が
    所定形状の面を形成することにより画成されるキャビテ
    ィと、 前記線材の他端部側に設けられ、該線材を固定する易融
    合金または樹脂材と、 前記枠部材の前記キャビティと反対の面側に配設され、
    圧力流体が充填された容器と、 を備え、前記圧力流体により前記易融合金または樹脂材
    を支持することを特徴とする金型。
  2. 【請求項2】請求項1記載の金型において、 前記線材は、冷間ダイス鋼、熱間ダイス鋼、炭素鋼、合
    金鋼、超合金、銅合金のうちの少なくとも一種の材料で
    形成されることを特徴とする金型。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の金型において、 前記線材の横断面が正三角形、正四角形、正六角形のい
    ずれかの形状であることを特徴とする金型。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項に記載の金
    型において、 前記線材には複数の太さの種類があり、この複数の太さ
    の線材を組み合わせて前記枠部材の内部に配置されるこ
    とを特徴とする金型。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれか1項に記載の金
    型において、 前記圧力流体は水または油であることを特徴とする金
    型。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項に記載の金
    型において、 前記線材は熱的性質の異なる複数の種類の素材からな
    り、前記複数の種類の線材を組み合わせて製品形状に適
    合させて配置することを特徴とする金型。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれか1項に記載の金
    型において、 前記線材中、一部の線材は内部に加熱手段を内蔵し、一
    方、残余の線材の一部は内部に冷却手段を内蔵している
    ことをことを特徴とする金型。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008526523A (ja) * 2005-01-18 2008-07-24 フラッドクーリング テクノロジーズ,エル.エル.シー. 改善した冷却特性を有するツール及び改善した冷却特性を有するツールを製造する方法
JP2013256101A (ja) * 2012-06-13 2013-12-26 Gnst Co Ltd 冷却及び加熱通路を有する射出金型

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008526523A (ja) * 2005-01-18 2008-07-24 フラッドクーリング テクノロジーズ,エル.エル.シー. 改善した冷却特性を有するツール及び改善した冷却特性を有するツールを製造する方法
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