JPH09145643A - 液晶パネルを構成する薄膜層に分布する不純物元素の分析方法およびこの分析方法で不純物元素が規定量以下であることを確認した薄膜層を用いて構成した液晶パネル - Google Patents

液晶パネルを構成する薄膜層に分布する不純物元素の分析方法およびこの分析方法で不純物元素が規定量以下であることを確認した薄膜層を用いて構成した液晶パネル

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JPH09145643A
JPH09145643A JP7305915A JP30591595A JPH09145643A JP H09145643 A JPH09145643 A JP H09145643A JP 7305915 A JP7305915 A JP 7305915A JP 30591595 A JP30591595 A JP 30591595A JP H09145643 A JPH09145643 A JP H09145643A
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liquid crystal
crystal panel
thin film
sulfur
halogen
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JP7305915A
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English (en)
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Masayoshi Ezawa
正義 江澤
Akira Misumi
明 三角
Kiyoshige Kinugawa
清重 衣川
Toshikazu Morishita
敏和 森下
Hiromi Kawagoe
弘美 川越
Sumiko Watanabe
澄子 渡辺
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多層薄膜構造の液晶パネルの配向膜表面から深
さ方向に分布するハロゲン系元素および硫黄等の不純物
の陰イオンの残留量を確認する。 【解決手段】少なくとも一対のガラス基板1A,1B の内面
の液晶層10A と接する最上層に配向膜6A,6B を成膜した
液晶パネルを構成する多層薄膜層に分布する主としてハ
ロゲン系元素および硫黄の分析方法として、前記配向膜
6A,6B の表面に1〜50nm厚の銀薄膜を成膜し、35
0〜450°Cで5〜30分加熱した後、室温まで冷却
し、銀薄膜の形成面から薄膜層の深さ方向にイオンミリ
ングしながら元素分析により深さ方向に分布するハロゲ
ン系元素のうち塩素(Cl)、フッ素(F)、臭素(B
r)、および硫黄(S)の分布強度とその分布厚を確認
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶パネルを構成
する薄膜層に分布する不純物元素の分析方法およびこの
分析方法で不純物元素が規定量以下であることを確認し
た薄膜層を用いて構成した液晶パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の画像処理機器やテレビジョ
ン受像機のディスプレイデバイスとして液晶表示装置が
多用されている。
【0003】液晶表示装置を構成する液晶パネルにも種
々の形式のものが知られており、典型的には単純マトリ
クス型(所謂、STN等)とアクティブマトリクス型
(TFT等)が主流となっている。
【0004】図1は本発明を適用する液晶表示装置の一
例としてのSTN液晶表示装置を構成する液晶パネルの
基本構造を説明する部分断面図であって、1Aは上ガラ
ス基板、1Bは下ガラス基板、2Aは上偏光板、2Aは
上偏光板、3Aは導電ペースト、4Aは上透明電極、4
Bは下透明電極、5Aは上絶縁膜、5Bは下絶縁膜、6
Aは上配向膜、6Bは下配向膜、7Aはスペーサ、8A
は反射板、9Aはシール材、10Aは液晶層である。
【0005】同図において、上ガラス基板1Aおよび下
ガラス基板1Bには上透明電極4Aの電極パターンおよ
び下透明電極4Bの電極パターンがそれぞれ形成され、
各電極パターン上に上絶縁膜5Aおよび下絶縁膜5Bを
介して上配向膜6Aおよび下配向膜6Bがそれぞれ被覆
されている。
【0006】上記一対の配向膜(上配向膜6Aと下配向
膜6B)の間には液晶層10Aが充填されてスペーサ7
Aで上下のガラス基板1Aと1Bのフャップが一様に保
持されている。
【0007】上透明電極4Aと下透明電極4Bとは導電
ペースト3Aで電気的に接続され、液晶層10Aはシー
ル材9Aで封止されている。
【0008】また、上ガラス基板1A上には上偏光板2
Aが、下ガラス基板1B上には下偏光板2Bが積層さ
れ、下偏光板2B上にはさらに反射板8Aが設けてあ
る。
【0009】上偏光板2Aと下偏光板2Bの偏光軸はそ
れぞれの電極(上透明電極4Aと下透明電極4B)に隣
接する液晶分子軸(上配向膜6Aと下配向膜6B)に対
して直交および平行となるように(ねじれ角α=90
度)配置される(例えば特公昭51−13666号公報
参照)。
【0010】このようなねじれ角αが90度の液晶パネ
ルを用いた液晶表示装置では、液晶層10Aに印加され
る電圧に対する液晶層の透過率の急峻性(γ)や視角特
性に問題があり、時分割数(走査電極の数に相当)は6
4が限界であった。
【0011】しかし、近年の液晶表示装置に対する画質
の改善と表示情報量の増大に対処するため、液晶分子の
ねじれ角(α)を180度より大きくし、かつ複屈折効
果を利用することにより時分割駆動特性を改善して時分
割数を増大させたスーパーツイステッド複屈折効果型液
晶表示装置(SBE−LCD)(アプライド フィジッ
クス レター 45,No.10,1021,1984
(Applied Physics Letter,
T.J.Ssheffer,Nehring”Ane
w,highly multiplexable li
quid crystal display”)参照)
が実用化されている。
【0012】図2は本発明を適用する液晶表示装置のさ
らに他例としてのカラーSTN液晶パネルの構成を説明
する部分断面図であって、カラーフィルタにオーバコー
ト層を有しない形式の液晶パネルである。
【0013】同図において、11Aはブラックマトリク
ス、12Rは赤フィルタ、12Gは緑フィルタ、12B
は青フィルタ、図1と同一符号は同一部分に対応する。
【0014】このカラーSTN液晶パネルは上ガラス基
板1Aの内面にブラックマトリクス11Aで区画された
3色のカラーフィルタ(赤フィルタ12R、緑フィルタ
12G、青フィルタ12B)が形成されている。その他
の構成は前記図1とほぼ同様である。
【0015】図3は本発明を適用する液晶表示装置のさ
らに他例としてのカラーSTN液晶パネルの基本構造の
他例を説明する部分断面図であって、カラーフィルタに
オーバコート層を有した形式の液晶パネルである。
【0016】このカラーSTN液晶パネルは3色のカラ
ーフィルタ(赤フィルタ12R、緑フィルタ12G、青
フィルタ12B)の上に当該カラーフィルタの保護と平
滑機能を有するオーバコート層13を形成した構成を除
いて前記図2と同一の構成である。
【0017】図4は本発明を適用する液晶表示装置のさ
らに他例としてのTFT液晶パネルの構成を説明する部
分断面図であって、14はTFT、15はSiO膜、前
記図3と同一符号は同一部分に対応する。なお、TFT
基板である下ガラス基板1BにはTFTのゲート、ドレ
イン、その他の各種電極等がパターニングされている
が、ここでは説明を省略する。
【0018】同図に示したTFT液晶パネルは、上ガラ
ス基板1Aにブラックマトリクス11Aで区画された3
色のカラーフィルタ12R、12G、12B(図示せ
ず)が形成され、下ガラス基板1Bにはアクティブ素子
である薄膜トランジスタ(TFT)14は画素毎に少な
くとも1つ宛配置されている。その他の構成はほぼ前記
図3と同様であるので、説明は省略する。
【0019】なお、上記各液晶パネルにおける配向膜は
例えばポリイミドからなる高分子樹脂膜を用い、その表
面をラビング処理して上下の配向膜のラビング方向が1
80°〜360°で交差するように配置される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上記した各種の液晶パ
ネルでは、上側ガラス基板1Aと下側ガラス基板1Bの
それぞれに、所要の電極、絶縁膜、保護膜、その他の薄
膜を成膜し、その最上層には液晶層10Aと接する上側
配向膜6A、6Bが成膜されている。
【0021】これら多層化形成された複数の薄膜は、そ
れぞれドライプロセスまたはウエットプロセスで成膜さ
れ、その表面を清浄化処理した後、次の薄膜を順次成膜
される。
【0022】しかし、上記清浄化処理した薄膜の表面お
よび表面から成膜パターンの深さ方向には、ある程度の
フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)等のハロゲ
ン系元素の陰イオン、あるいはハロゲン以外に硫黄
(S)の陰イオン等が残留している。
【0023】これらのハロゲン系元素や硫黄等の陰イオ
ンが多層薄膜の表面および表面から深さ方向への分布量
が多いと、当該陰イオンが液晶表示特性に影響を及ぼし
て表示ムラが生じたり、あるいは時間の経過に伴って電
極パターンに腐食を招くという問題があった。
【0024】従来は、このようなハロゲン系元素や硫黄
等の不純物の陰イオンの残留を確認する手法が開発され
ていないため、製品化後の液晶表示装置に上記したよう
な問題が発生することがあった。
【0025】本発明の目的は上記従来技術の問題を解消
し、各種薄膜パターンを多層に成膜した薄膜構造の液晶
層と接する表面と表面から深さ方向に分布する上記ハロ
ゲン系元素および硫黄等の不純物の陰イオンの残留量が
規定値の範囲にあることを確認する分析方法と、この分
析方法で規定の範囲にあることを確認した上記各種薄膜
を成膜したガラス基板を用いて製作した液晶パネルを提
供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の第1の発明は、少なくとも一対の
ガラス基板の内面の液晶層と接する最上層に配向膜を成
膜した液晶パネルを構成する多層薄膜層に分布する主と
してハロゲン系元素および硫黄の分析方法として、前記
配向膜の表面に1〜50nm厚の銀薄膜を成膜し、35
0〜450°Cで5〜30分加熱した後、室温まで冷却
し、前記銀薄膜の形成面から前記薄膜層の深さ方向にイ
オンミリングしながら元素分析により前記深さ方向に分
布する前記ハロゲン系元素のうち塩素(Cl)、フッ素
(F)、臭素(Br)、および硫黄(S)の分布強度と
その分布厚を確認するようにしたことを特徴とする。
【0027】また、請求項2に記載の第2の発明は、前
記配向膜の液晶層と接する最表面から前記ガラス基板の
外側へ酸素一次イオン(16- )でミリングしながら、
前記ハロゲン系元素のうち塩素二次イオン(35
- )、フッ素二次イオン(19-)、臭素(79
- )および硫黄二次イオン(32- )の強度を質量分
析し、前記各二次イオンの分布ピーク強度が、当該各二
次イオン強度を分子とし、前記酸素一次イオンを分母と
したときの強度比が、前記液晶層と接する最表面からの
深さが1nmから600nmの領域で、 (35Cl- )/(16- )=0.3×103 〜0.2×106 19- )/(16- )=0.2×103 〜0.3×106 79Br- )/(16- )=0.2×103 〜0.3×106 32- )/(16- )=0.2×102 〜0.3×105 となるように分布していることを確認することを特徴と
する。
【0028】さらに、請求項3に記載の第3の発明は、
前記第2の発明の分析方法で確認したハロゲン系元素の
うち塩素(Cl)、フッ素(Fe)、臭素(Br)、お
よび硫黄(S)の分布を有する多層薄膜を成膜したガラ
ス基板を用いて製作した液晶パネルであることを特徴と
する。
【0029】さらにまた、請求項4に記載の第4の発明
は、第3の発明の液晶パネルにおける前記ハロゲン系元
素の二次イオンのうち塩素二次イオン(35Cl- )、フ
ッ素二次イオン(19- )、臭素(79Br- )および硫
黄二次イオン(32- )の分布ピークの分布幅が10n
m〜400nmの範囲にある多層薄膜を成膜したガラス
基板を用いたことを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】上記第1の発明の構成において、
液晶パネルを構成すガラス基板に成膜された各種の薄膜
の最上層には液晶分子の配向方向を規制する配向膜が成
膜されている。この配向膜の表面から深さ方向すなわち
ガラス基板方向に存在するハロゲン系元素の陰イオンお
よび硫黄の陰イオンが所定の値の範囲内に有るか否かを
分析するために、前記配向膜の表面に1〜50nm厚の
銀薄膜を成膜し、これを350〜450°Cで5〜30
分加熱した後、室温まで冷却する。
【0031】冷却した前記銀薄膜の形成面から前記薄膜
層の深さ方向にイオンミリングしながら元素分析により
前記深さ方向に分布する前記ハロゲン系元素のうち塩素
(Cl)、フッ素(F)、臭素(Br)、および硫黄
(S)の分布強度とその分布厚を確認する。
【0032】また、上記第2の発明の構成において、前
記イオンミリングを酸素一次イオン(16- )を用いて
行い、前記ハロゲン系元素のうち塩素二次イオン(35
-)、フッ素二次イオン(19- )、臭素(79
- )および硫黄二次イオン(32- )の強度を質量分
析する。
【0033】そして、前記各二次イオンの分布ピーク強
度が、当該各二次イオン強度を分子とし、前記酸素一次
イオンを分母としたときの強度比が、前記液晶層と接す
る最表面からの深さが1nmから600nmの領域でど
のようになっているかを分析する。
【0034】その結果から、塩素二次イオン(35
- )、フッ素二次イオン(19- )、臭素(79
- )および硫黄二次イオン(32- )について、 (35Cl- )/(16- )=0.3×103 〜0.2×106 19- )/(16- )=0.2×103 〜0.3×106 79Br- )/(16- )=0.2×103 〜0.3×106 32- )/(16- )=0.2×102 〜0.3×105 となるように分布していることを確認した基板を液晶パ
ネルの製作用とする。
【0035】さらに、上記第3の発明の構成において
は、前記第2の発明の分析方法で前記ハロゲン系元素の
うち塩素(Cl)、フッ素(F)、臭素(Br)、およ
び硫黄(S)の分布を有する多層薄膜を成膜したガラス
基板を良品とする。
【0036】さらにまた、請求項4に記載の第4の発明
は、第3の発明の液晶パネルにおける前記ハロゲン系元
素の二次イオンのうち塩素二次イオン(35Cl- )、フ
ッ素二次イオン(19- )、臭素(79Br- )および硫
黄二次イオン(32- )の分布ピークの分布幅が10n
m〜400nmの範囲にある多層薄膜を成膜したガラス
基板で液晶パネルを製作する。
【0037】このように、本発明によるハロゲン系元素
および硫黄等の不純物の陰イオン分析方法によって、液
晶パネルのガラス基板に形成した多層の薄膜構造の表面
から深さ方向に分布する前記陰イオンの分布量を確認す
ることが可能となり、その分布量が所定の範囲内にある
ことを確認したガラス基板をもって液晶パネルを製作す
ることで、前記したような表示ムラや電極パネルの腐食
の発生が防止される。
【0038】
【実施例】前記した各種の液晶パネルを構成するガラス
基板の表面に成膜される多層の薄膜構造の最上層である
配向膜の表面にスパッターまたは蒸着により銀(Ag)
を10nm〜50nm形成する。
【0039】これを大気中で350°〜450°、5分
〜30分間加熱後、室温まで冷却して被検元素をそれぞ
れハロゲン化銀およぼ硫化銀の化合物に固定する。
【0040】そして、上記銀薄膜形成面から深さ方向に
分布するハロゲン(Cl,F,Br)および硫黄(S)
の分析のため、液晶層と接する下側ガラス基板の内側か
らガラス基板の外側へ負(−)の酸素一次イオン(16
- )でミリングしながら深さ方向に分布する上記ハロゲ
ン元素の負(−)の二次イオン(35Cl- )、フッ素二
次イオン(19- )、臭素(79Br- )および硫黄二次
イオン(32- )等の強度を二次イオン分析計で測定
し、それらが、 (35Cl- )/(16- )=0.3×103 〜0.2×106 19- )/(16- )=0.2×103 〜0.3×106 79Br- )/(16- )=0.2×103 〜0.3×106 32- )/(16- )=0.2×102 〜0.3×105 の範囲内にあるか否かを確認する。
【0041】上記の範囲は表示ムラが発生せず、かつ長
時間動作させても電極の腐食を招かない値として実証し
たものである。
【0042】図5は本発明による液晶パネルを構成する
薄膜層に分布する不純物元素を走査型質量分析計を用い
て分析したもののうちフッ素二次イオンの分布例の説明
図であって、横軸に銀膜表面からの深さ(nm)を、縦
軸に19- イオンの16- イオンに対する相対強度(19
- 16- )を、矢印はトップピークを示す。
【0043】同図に示されたように、フッ素二次イオン
のトップピーク数が10、縦軸に19- イオンの16-
イオンに対する相対強度(19- 16- )は表面から
深さ方向に1nm〜600nmの範囲において、1.0
5×104 〜1.03×105 にあり、この基板はその
フッ素二次イオンが規定の範囲内にあることが確認され
た。
【0044】図6は本発明による液晶パネルを構成する
薄膜層に分布する不純物元素を走査型質量分析計を用い
て分析したもののうち塩素二次イオンの分布例の説明図
であって、横軸に銀膜表面からの深さ(nm)を、縦軸
35Cl- イオンの16- イオンに対する相対強度(35
Cl- 16- )を、矢印はトップピークを示す。
【0045】同図に示されたように、塩素二次イオンの
トップピーク数が7、縦軸に35Cl- イオンの16-
オンに対する相対強度(35Cl- 16- )は表面から
深さ方向に1nm〜600nmの範囲において、0.2
5×104 〜1×105 にあり、この基板はその塩素二
次イオンが規定の範囲内にあることが確認された。
【0046】図7は本発明による液晶パネルを構成する
薄膜層に分布する不純物元素を走査型質量分析計を用い
て分析したもののうち硫黄二次イオンの分布例の説明図
であって、横軸に銀膜表面からの深さ(nm)を、縦軸
32- イオンの16- イオンに対する相対強度(32
- 16- )を、矢印はトップピークを示す。
【0047】同図に示されたように、硫黄二次イオンの
トップピーク数が6、縦軸に32イオンの16-
オンに対する相対強度(32- 16- )は表面から深
さ方向に1nm〜600nmの範囲において、7×10
3 〜7×104 にあり、この基板はその硫黄二次イオン
が規定の範囲内にあることが確認された。
【0048】図8は本発明において用いた走査型質量分
析計の構成例の説明図であって、20はイオン銃、21
はコンデンサレンズ、22は対物絞り、23は偏向電
極、24は対物レンズ、25は試料、26は試料載置ス
テージ、27はシールド電極、28は二次イオン引き出
し電極、29はαスリット、30はセクタ電場形成電
極、31はβスリット、32はセクタ磁場形成磁極、3
3はコレクタスリット、34はイオン検出器、35は増
幅器、36は記録計、37はモニターCRT、38は走
査電源、39は光学顕微鏡、40は二次荷電粒子検出
器、41は増幅器、42はスイッチである。
【0049】この走査型質量分析計は株式会社日立製作
所製の「IMA2形」で、イオン銃20からの一次イオ
ンを二段の静電レンズ21,24で細く絞り、試料載置
ステージ26に載置した試料25を照射する。
【0050】このとき、試料25の表面で生じるスパッ
タリング現象に伴い、中性原子、二次イオン、二次電子
などが放出される。この放出粒子内の二次イオンを引き
出し電極28で加速し、セクタ電場形成電極30の電場
でエネルギーを分散した後、セクタ磁場形成磁極32の
磁極で質量分散する。
【0051】質量分散されたイオンはイオン検出器34
で検出されイオン種の解析がなされる。
【0052】なお、モニターCRT37に表示されると
共に、記録計36に記録される。このモニター時はイオ
ン流を偏向する偏向電極23と同期させて走査電源を制
御する。
【0053】また、二次荷電粒子検出器40は試料25
からの二次荷電粒子を検出して、これを増幅器41、ス
イッチ42を介してモニターCRT37に表示される。
【0054】光学顕微鏡39は試料25の載置位置の調
整、姿勢制御等を行う際に使用する。
【0055】本発明の実施例では、イオン銃20から発
射するイオン(一次イオン)として16- 、一次イオン
加速電圧12kV、試料電流0.5μA、イオンビーム
径500μmφ、二次イオン加速電圧−3kVとして分
析を行った。
【0056】図9は本発明による液晶パネルを用いて構
成した液晶表示モジュールの構造例を説明する展開斜視
図である。
【0057】この液晶表示モジュールMDLは、SHD
は上フレームである金属製のシールドケース、WDは液
晶表示モジュールの有効画面を画定する表示窓、PNL
は液晶表示素子からなる液晶表示パネル、PCB1はド
レイン側回路基板、PCB2はゲー側回路基板、PCB
3はインターフェース回路基板、PRSはプリズムシー
ト、SPSは拡散シート、GLBは導光板、RFSは反
射シート、LPはバックライトBLのランプを構成する
蛍光管、LSは反射シート、GCはゴムブッシュ、LP
Cはランプケーブル、MCAは導光板GLBを設置する
開口MOを有する下側ケース、JN1,2,3は回路基
板間を接続するジョイナ、TCP1,2はテープキャリ
アパッケージ、INS1,2,3は絶縁シート、GCは
ゴムクッション、BATは両面粘着テープ、ILSは遮
光スペーサである。
【0058】上記の各構成材は、金属製のシールドケー
スSHDと下側ケースMCAの間に積層されて挟持固定
されて液晶表示モジュールMDLを構成する。
【0059】液晶表示パネルPNLは本発明によりその
ハロゲン系元素および硫黄等の不純物の多層薄膜構造内
での分布を分析して、それらが所定の範囲内にあること
を確認したガラス基板をを用いて構成されている。
【0060】なお、液晶表示パネルPNLの裏面には導
光板GLBに各種の光学シートを積層してなる背面照明
構造と蛍光管LPとで構成したバックライトBLが設置
され、液晶表示パネルPNLに形成された画像を照明し
て表示窓WDに表示する。
【0061】図10は本発明による液晶セルを用いた液
晶表示モジュールを組み込んで構成した電子機器の一例
を説明する携帯型パソコンの外観図である。
【0062】この携帯型パソコンは、キーボードを搭載
しホストCPUを内蔵した本体部と液晶表示モジュール
MDLを実装しインバータ電源IVを内蔵した表示部と
から構成され、両者はヒンジを連絡するケーブルにより
結合されている。
【0063】また、表示部には各種の調整ボタンCT、
TCON、CR等が設けられており、キーボードとホス
トからの信号は矢印に示したように流れて表示部に表示
される。
【0064】このように、本発明を適用して製造した液
晶表示モジュールを用いることにより、高画質の画像表
示を行う液晶表示装置を得ることができる。
【0065】なお、本発明は上記した種類のハロゲン系
元素、および硫黄に限るものではなく、その他の各種元
素の分析に応用できるものである。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液晶パネルのガラス基板に形成した多層の薄膜構造の表
面から深さ方向に分布する前記陰イオンの分布量を確認
することが可能となり、その分布量が所定の範囲内にあ
ることを確認したガラス基板をもって液晶パネルを製作
することで、前記したような表示ムラや電極パネルの腐
食の発生が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する液晶表示装置の一例としての
STN液晶表示装置を構成する液晶パネルの基本構造を
説明する部分断面図である。
【図2】本発明を適用する液晶表示装置のさらに他例と
してのカラーSTN液晶パネルの構成を説明する部分断
面図であって、カラーフィルタにオーバコート層を有し
ない形式の液晶パネルである。
【図3】本発明を適用する液晶表示装置のさらに他例と
してのカラーSTN液晶パネルの基本構造の他例を説明
する部分断面図であって、カラーフィルタにオーバコー
ト層を有した形式の液晶パネルである。
【図4】本発明を適用する液晶表示装置のさらに他例と
してのTFT液晶パネルの構成を説明する部分断面図で
ある。
【図5】本発明による液晶パネルを構成する薄膜層に分
布する不純物元素を走査型質量分析計を用いて分析した
もののうち鉄二次イオンの分布例の説明図である。
【図6】本発明による液晶パネルを構成する薄膜層に分
布する不純物元素を走査型質量分析計を用いて分析した
もののうち塩素二次イオンの分布例の説明図である。
【図7】本発明による液晶パネルを構成する薄膜層に分
布する不純物元素を走査型質量分析計を用いて分析した
もののうち硫黄二次イオンの分布例の説明図である。
【図8】本発明において用いた走査型質量分析計の構成
例の説明図である。
【図9】本発明による液晶パネルを用いて構成した液晶
表示モジュールの構造例を説明する展開斜視図である。
【図10】本発明による液晶セルを用いた液晶表示モジ
ュールを組み込んで構成した電子機器の一例を説明する
携帯型パソコンの外観図である。
【符号の説明】
1A 上ガラス基板 1B 下ガラス基板 2A 上偏光板 2A 上偏光板 3A 導電ペースト 4A 上透明電極 4B 下透明電極 5A 上絶縁膜 5B 下絶縁膜 6A 上配向膜 6B 下配向膜 7A スペーサ 8A 反射板 9A シール材 10A 液晶層 11A ブラックマトリクス 12R 赤フィルタ 12G 緑フィルタ 12B 青フィルタ 14 TFT 15 SiO膜 20 イオン銃 21 コンデンサレンズ 22 対物絞り 23 偏向電極 24 対物レンズ 25 試料 26 試料載置ステージ 27 シールド電極 28 二次イオン引き出し電極 29 αスリット 30 セクタ電場形成電極 31 βスリット 32 セクタ磁場形成磁極 33 コレクタスリット 34 イオン検出器 35 増幅器 36 記録計 37 モニターCRT 38 走査電源 39 光学顕微鏡 40 二次荷電粒子検出器 41 増幅器 42 スイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森下 敏和 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 川越 弘美 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 渡辺 澄子 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一対のガラス基板の内面の液晶
    層と接する最上層に配向膜を成膜した液晶パネルを構成
    する多層薄膜層に分布する主としてハロゲン系元素およ
    び硫黄の分析方法において、 前記配向膜の表面に1〜50nm厚の銀薄膜を成膜し、
    350〜450°Cで5〜30分加熱した後、室温まで
    冷却し、前記銀薄膜の形成面から前記薄膜層の深さ方向
    にイオンミリングしながら元素分析により前記深さ方向
    に分布する前記ハロゲン系元素のうち塩素(Cl)、フ
    ッ素(F)、臭素(Br)、および硫黄(S)の分布強
    度とその分布厚を確認することを特徴とする不純物元素
    の分析方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記配向膜の液晶層と
    接する最表面から前記ガラス基板の外側へ酸素一次イオ
    ン(16- )でミリングしながら、前記ハロゲン系元素
    のうち塩素二次イオン(35Cl- )、フッ素二次イオン
    19- )、臭素(79Br-)および硫黄二次イオン(
    32- )の強度を質量分析し、前記各二次イオンの分布
    ピーク強度が、当該各二次イオン強度を分子とし、前記
    酸素一次イオンを分母としたときの強度比が、前記液晶
    層と接する最表面からの深さが1nmから600nmの
    領域で、 (35Cl- )/(16- )=0.3×103 〜0.2×106 19- )/(16- )=0.2×103 〜0.3×106 79Br- )/(16- )=0.2×103 〜0.3×106 32- )/(16- )=0.2×102 〜0.3×105 となるように分布していることを確認することを特徴と
    する不純物元素の分析方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の分析方法で確認したハロ
    ゲン系元素のうち塩素(Cl)、フッ素(F)、臭素
    (Br)、および硫黄(S)の分布を有する多層薄膜を
    成膜したガラス基板を用いて製作した液晶パネル。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記ハロゲン系元素の
    二次イオンのうち塩素二次イオン(35Cl- )、フッ素
    二次イオン(19- )、臭素(79Br- )および硫黄二
    次イオン(32- )の分布ピークの分布幅が10nm〜
    400nmの範囲にある多層薄膜を成膜したガラス基板
    を用いて製作した液晶パネル。
JP7305915A 1995-11-24 1995-11-24 液晶パネルを構成する薄膜層に分布する不純物元素の分析方法およびこの分析方法で不純物元素が規定量以下であることを確認した薄膜層を用いて構成した液晶パネル Pending JPH09145643A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012028377A (ja) * 2010-07-20 2012-02-09 Hitachi Displays Ltd 有機el表示装置
CN103698907A (zh) * 2013-09-18 2014-04-02 北京京东方光电科技有限公司 一种提取液晶面板中异物的方法

Cited By (3)

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