JPH09145308A - 物体観察装置 - Google Patents

物体観察装置

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JPH09145308A
JPH09145308A JP7323891A JP32389195A JPH09145308A JP H09145308 A JPH09145308 A JP H09145308A JP 7323891 A JP7323891 A JP 7323891A JP 32389195 A JP32389195 A JP 32389195A JP H09145308 A JPH09145308 A JP H09145308A
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light
image
phase difference
difference
polarization
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JP7323891A
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Tsuneyuki Hagiwara
恒幸 萩原
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物体の振幅分布に不感であって、微分位相像
あるいは絶対位相像のみを観察する。 【解決手段】 照明光i00は、ポラライザ10,1/4
波長板12によって所定の位相差が与えられた直交する
2つの直線偏光成分の光は、ノマルスキープリズム14
によってシャーしコンデンサレンズ16に入射する。シ
ャーした照明光EO,OEは、物体面S上の物体を透過
し、対物レンズ18,ノマルスキープリズム20を透過
して1つの照明光に合成され、アナライザ22に入射す
る。アナライザ22を透過した可干渉な照明光i1によ
る像と、反射された可干渉な照明光i2による像から差
画像が演算される。この差画像を異なる位相差で得ると
ともに、差画像比を演算すると、物体の振幅成分を含ま
ない微分位相量のみの像が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は物体観察装置にか
かり、更に具体的には、物体からの光の位相微分を観察
する物体観察装置に関するものである。
【0002】
【背景技術と発明が解決しようとする課題】観察対象で
ある物体からの透過光あるいは反射光の位相微分を観察
する物体観察装置としては、微分干渉顕微鏡がある。こ
の微分干渉顕微鏡では、複屈折素子などを利用して複数
の可干渉光が生成される。そして、これらの光の物体か
らの透過光あるいは反射光を偏光干渉させることで、物
体の位相微分像を観察するようにしたものである。
【0003】ところで、従来の微分干渉顕微鏡では、光
の振幅と位相の両方が位置によって変化するような物体
の像を観察する場合に、振幅微分の影響によって、位相
微分成分のみを抽出した純粋な位相微分像又は絶対位相
像を観察することができない。つまり、位相微分像と振
幅微分像とが重なって観察されるため、得られた画像が
何を意味するものか必ずしも明瞭とはいえないという不
都合がある。
【0004】この発明は、以上の点に着目したもので、
物体の振幅(の絶対値)分布に不感であって、微分位相
像あるいは絶対位相像のみを簡便な構成で観察すること
ができる物体観察装置を提供することを、その目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【発明の開示】前記目的を達成するため、この発明は、
物体を照明するための光を供給する照明手段(30〜3
8);これによって供給された光のうち、直交する第1
及び第2の偏光方向の光の位相差を任意に調整するため
の位相差調整手段(10,12);これによって位相差が調
整された第1の偏光方向の光と第2の偏光方向の光の光
軸を相対的にシャーして観察対象の物体に照射する光分
離手段(14);物体を透過又は反射した前記第1の偏光
方向の光と第2の偏光方向の光を合成する光合成手段
(20);この光合成手段から供給された光による画像を
得るための撮像手段(46);前記位相差調整手段によっ
て第1,第2,第3,第4の異なる位相差を与えたとき
に前記撮像手段でそれぞれ得られた第1,第2,第3,
第4の画像を格納するための画像格納手段(64);これ
に格納された画像のうち、位相差の差がπの整数倍とな
る画像間で信号強度の差を求めて、第1及び第2の差画
像を得るための差画像生成手段(56);これによって得
られた差画像の比を算出するための差画像比算出手段
(56);これによって算出された差画像比に基づいて物
体の位相微分像を得るための位相差分算出手段(56);
を備えたことを特徴とする。
【0006】他の発明は、前記光合成手段から供給され
た光から、第3及び第4の異なる偏光方向において前記
第1,第2の偏光成分から可干渉な偏光成分をそれぞれ
得るためのフィルタ手段(22);このフィルタ手段によ
って得られた第3の方向の可干渉な偏光成分に基づいて
第1の像を得るとともに、前記第1,第2の偏光方向の
成分から第4の方向の可干渉な偏光成分に基づいて第2
の像を得るための撮像手段(46,50);この撮像手段に
よって得られた第1及び第2の像の信号強度の差を示す
差画像を得るための差画像生成手段(52);前記位相差
調整手段によって第1の位相差が与えられたときに得ら
れた第1の差画像と、第2の位相差が与えられたときに
得られた第2の差画像との信号強度の比を算出する差画
像比算出手段(56);これによって算出された差画像比
に基づいて物体の位相差分像を得るための位相差分算出
手段(56);とを備えたことを特徴とする。
【0007】更に他の発明は、前記光合成手段から供給
された光を第1及び第2の光に振幅分割する光分割手段
(100);前記第1又は第2の光のうちの一方の光をな
す、直交する偏波面の2つの直線偏光の成分の位相差に
対して、更にπの整数倍にπ/2を加えた位相差を加え
る、位相差付加手段;分割後の第1の光から、第3及び
第4の異なる偏光方向において前記第1,第2の偏光方
向の成分から可干渉な偏光成分をそれぞれ得るための第
1のフィルタ手段(22);分割後の第2の光から、第5
及び第6の異なる偏光方向において前記第1,第2の偏
光方向の成分から可干渉な偏光成分をそれぞれ得るため
の第2のフィルタ手段(102,104);これら第1及び第
2のフィルタ手段によって得られた第3,第4,第5,
第6の方向の偏光成分に基づいてそれぞれ像を得るため
の撮像手段(124,126,132,134);これらによって得ら
れた画像のうち、前記第1,第2の偏光方向の成分の位
相差の相対的な差がπの整数倍となる2対の画像間でそ
れぞれ信号強度の差を求めて、第1及び第2の差画像を
得るための差画像生成手段(136,138);これによって
得られた2つの差画像の信号強度の比を算出するための
差画像比算出手段(140);これによって算出された差
画像比に基づいて物体の位相差分像を得るための位相差
分算出手段(142);とを備えたことを特徴とする。
【0008】更に他の発明は、前記差画像生成手段によ
って生成された差画像に基づいて物体の位相微分像を得
るための位相差分算出手段;を備えたことを特徴とす
る。
【0009】更に他の発明は、回転可能なアナライザ手
段を備えるとともに、前記画像格納手段(64)に格納さ
れた画像のうち、位相差の差がπの整数倍となる画像間
で信号強度の差を求めて、第1の差画像を得るための差
画像生成手段;アナライザ手段を2つの角度に設定し、
第1,第2の明視野像を得る明視野像生成手段;これら
の1つの差画像と2つの明視野像に基づいて物体の位相
差分像を得るための位相差分算出手段;を備えたことを
特徴とする。
【0010】更に他の発明は、前記光合成手段から供給
された光から、前記第1,第2の偏光方向及び他の第3
及び第4の異なる偏光方向において偏光成分をそれぞれ
得るためのフィルタ手段;このフィルタ手段によって得
られた第3の方向の可干渉な偏光成分に基づいて第1の
像を得、第4の方向の可干渉な偏光成分に基づいて第2
の像を得、第1の方向の第3の像と第2の方向の第4の
像を得るための撮像手段;この撮像手段によって得られ
た第1及び第2の像の信号強度の差を示す差画像を得る
ための差画像生成手段;前記位相差調整手段によって第
1の位相差が与えられたときに得られた第1の差画像
と、前記第3,第4の像に基づいて物体の位相差分像を
得るための位相差分算出手段;を備えたことを特徴とす
る。
【0011】主要な態様によれば、前記位相差調整手段
は、回転可能なポラライザ及び1/4波長板を含む。ま
た、前記位相差調整手段は、電圧によって屈折率が制御
可能な液晶で構成される。更に、前記位相差調整手段
は、光軸を横切る方向に前記光分離手段及び前記光合成
手段の少なくとも一方を移動させる手段(152)で構成
される。
【0012】他の態様によれば、前記光分離手段及び光
合成手段の少なくとも一方は複屈折性プリズムで構成さ
れる。また、前記フィルタ手段は偏光ビームスプリッタ
を含む。
【0013】更に他の態様によれば、前記照明手段は、
レーザ光源(110)と、これから出力されたレーザビー
ムを走査する走査手段(116)を含む。また、前記走査
手段は物体を透過又は正反射した光の光路中に配置さ
れ、物点と共役な位置にピンホール(210,212,214,21
6)が設けられる。
【0014】この発明の態様には、以下のものもある。 (A-0)光透過性の物体を観察する物体観察装置であっ
て、第1の光を射出する光源と、該光源からの第1の光
をポラライザ角に平行な直線偏光にする、回転可能なポ
ラライザと、ポラライザを透過した第1の光を、第1の
偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏光であって、
互いに異なる方向に進行する光に分離する光分離手段
と、前記2つの直線偏光の光を集光し、光透過性の物体
内の第1の領域内を一括して透過照明するコンデンサレ
ンズと、前記光透過性の物体から透過方向に発生する光
を集光し得る対物レンズと、前記光透過性の物体を透過
し、前記対物レンズによって屈折された前記2つの直線
偏光の光を第3の偏光状態の第2の光に合成する光合成
手段と、前記第1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの
直線偏光の光の相対的な位相差量を調整する位相差調整
手段と、前記第3の偏光状態の第2の光を、第4の偏光
状態と第5の偏光状態の2つの直線偏光の光に分離する
偏光分離手段と、前記第4の偏光状態の光を光電変換す
る第1の撮像素子と、前記第5の偏光状態の光を光電変
換する第2の撮像素子と、前記第1の撮像素子と前記第
2の撮像素子の各々の光電変換信号の信号強度の差であ
る差画像信号を生成する差画像生成手段と、前記差画像
信号を読み出し可能な状態で格納する差画像格納手段
と、前記差画像格納手段から、同一物体の差画像であっ
て、前記位相差調整手段による前記第1の偏光状態と前
記第2の偏光状態の2つの直線偏光の光の相対的な位相
差量が、第1の位相差の場合の第1の差画像と第2の位
相差の場合の第2の差画像を読み出し、これらの信号強
度の比である差画像比を算出する差画像比算出手段と、
前記差画像比の逆正接を計算することで位相差分像を生
成する位相差分算出手段とを有し、前記第1の位相差は
πの整数倍にπ/2を加えた値であって、前記第2の位
相差はπの整数倍であることを特徴とする物体観察装
置。
【0015】(A-1)差画像比の代わりに、差画像の信
号強度を用いて位相差分像を生成する位相差分算出手段
を有することを特徴とする物体観察装置。
【0016】(A-2)前記偏光分離手段を回転可能とす
るとともに、差画像比の代わりに、差画像の信号強度を
用いて位相差分像を生成する位相差分算出手段を有する
ことを特徴とする物体観察装置。
【0017】(B-0)光透過性の物体を観察する物体観
察装置であって、第1の光を射出する光源と、該光源か
らの第1の光をポラライザ角に平行な直線偏光にする、
回転可能なポラライザと、ポラライザを透過した第1の
光を、第1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏
光であって、互いに異なる方向に進行する光に分離する
光分離手段と、前記2つの直線偏光の光を集光し、光透
過性の物体内の第1の領域内を一括して透過照明するコ
ンデンサレンズと、前記光透過性の物体から透過方向に
発生する光を集光し得る対物レンズと、前記光透過性の
物体を透過し、前記対物レンズによって屈折された前記
2つの直線偏光の光を第3の偏光状態の第2の光に合成
する光合成手段と、前記第1の偏光状態と第2の偏光状
態の2つの直線偏光の光の相対的な位相差量を調整する
位相差調整手段と、前記第3の偏光状態の第2の光を第
4の偏光状態の光にするアナライザと、前記第4の偏光
状態の光を光電変換する撮像素子と、前記撮像素子の出
力する画像信号を読み出し可能な状態で格納する画像格
納手段と、前記画像格納手段から同一物体の画像であっ
て、前記位相差調整手段による前記第1の偏光状態と前
記第2の偏光状態の2つの直線偏光の光の相対的な位相
差量が、第1の位相差の場合の第1の画像と第2の位相
差の場合の第2の画像と第3の位相差の場合の第3の画
像と第4の位相差の場合の第4の画像を読み出し、第1
の画像と第2の画像の信号強度の差を表す第1の差画像
と、第3の画像と第4の画像の信号強度の差を表す第2
の差画像を算出する差画像算出手段と、前記差画像信号
を読み出し可能な状態で格納する差画像格納手段と、前
記差画像格納手段から、同一物体の第1の差画像と第2
の差画像を読みだし、これらの信号強度の比である差画
像比を算出する差画像比算出手段と、前記差画像比の逆
正接を計算することで位相差分像を生成する位相差分算
出手段を有し、任意の整数m,nに対し、前記第1の位
相差はnπ+π/2であって前記第2の位相差はnπ−
π/2であって、前記第3の位相差はmπであって前記
第4の位相差はmπ−πであることを特徴とする物体観
察装置。 (B-1)差画像比の代わりに、前記差画像の信号強度を
用いて位相差分像を生成する位相差分算出手段を有し、
第1,第2の位相差の差と第3,第4の位相差の差がπ
の整数倍,第1,第3の位相差の差がπの整数倍にπ/
2を加えた値であることを特徴とする物体観察装置。 (B-2)光透過性の物体を観察する物体観察装置であっ
て、第1の光を射出する光源と、該光源からの第1の光
をポラライザ角に平行な直線偏光にする、回転可能なポ
ラライザと、ポラライザを透過した第1の光を、第1の
偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏光であって、
互いに異なる方向に進行する光に分離する光分離手段
と、前記2つの直線偏光の光を集光し、光透過性の物体
内の第1の領域内を一括して透過照明するコンデンサレ
ンズと、前記光透過性の物体から透過方向に発生する光
を集光し得る対物レンズと、前記光透過性の物体を透過
し、前記対物レンズによって屈折された前記2つの直線
偏光の光を第3の偏光状態の第2の光に合成する光合成
手段と、前記第1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの
直線偏光の光の相対的な位相差量を調整する位相差調整
手段と、前記第3の偏光状態の第2の光を第4と前記第
1,第2の偏光状態の光にする回転可能なアナライザ
と、前記第4の偏光状態の光を光電変換する撮像素子
と、前記撮像素子の出力する画像信号を読み出し可能な
状態で格納する画像格納手段と、前記画像格納手段から
同一物体の画像であって、前記位相差調整手段による前
記第1の偏光状態と前記第2の偏光状態の2つの直線偏
光の光の相対的な位相差量が、第1の位相差の場合の第
4の偏光状態の光の像である第1の画像と、第1,第2
の偏光状態の光の像である第3,第4の画像を読み出
し、第1の画像と第2の画像の信号強度の差を表す第1
の差画像を算出する画像算出手段と、前記画像信号を読
み出し可能な状態で格納する画像格納手段と、前記画像
格納手段から、同一物体の第1の差画像と第3,第4の
画像を読み出し、これらを用いて位相差分像を生成する
位相差分算出手段を有し、第1,第2の位相差の差がπ
の整数倍であることを特徴とする物体観察装置。
【0018】(C-0)光反射性の物体を観察する物体観
察装置であって、第1の光を射出する光源と、前記光反
射性の物体から反射方向に発生する光を集光し得る光軸
に沿って配置された対物レンズと、前記第1の光をポラ
ライザ角に平行な直線偏光にする、回転可能なポラライ
ザと、前記第1の光を、前記光軸に沿って配置された前
記対物レンズに向けて反射させるハーフミラーと、この
ハーフミラーで反射された第1の光を、第1の偏光状態
と第2の偏光状態の2つの直線偏光であって、互いに異
なる方向に進行する光に分離する光分離手段を有し、前
記第1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏光で
あって、互いに異なる方向に進行する光は、前記対物レ
ンズを通過し、前記光反射性の物体に衝突し、反射さ
れ、再び該対物レンズに入射し、前記光分離手段に再び
入射し、第3の偏光状態の第2の光になって該光分離手
段を射出し、前記ハーフミラーを透過し、更に、前記第
1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏光の光の
相対的な位相差量を調整する位相差調整手段と、前記第
3の偏光状態の第2の光を、第4の偏光状態と第5の偏
光状態の2つの直線偏光の光に分離する偏光分離手段
と、前記第4の偏光状態の光を光電変換する第1の撮像
素子と、前記第5の偏光状態の光を光電変換する第2の
撮像素子と、前記第1の撮像素子と、前記第2の撮像素
子の各々の光電変換信号の信号強度の差である差画像信
号を生成する差画像生成手段と、前記差画像信号を読み
出し可能な状態で格納する差画像格納手段と、前記差画
像格納手段から、同一物体の差画像であって、前記位相
差調整手段による前記第1の偏光状態と前記第2の偏光
状態の2つの直線偏光の光の相対的な位相差量が、第1
の位相差の場合の第1の差画像と第2の位相差の場合の
第2の差画像を読み出し、これらの信号強度の比である
差画像比を算出する差画像比算出手段と、前記差画像比
の逆正接を計算することで位相差分像を生成する位相差
分算出手段を有し、前記第1の位相差はπの整数倍にπ
/2を加えた値であって、前記第2の位相差はπの整数
倍であることを特徴とする物体観察装置。
【0019】(C-1)差画像比の代わりに、差画像を用
いて位相差分像を生成する位相差分算出手段を有し、第
1,第2の位相差の差はπの整数倍であることを特徴と
する物体観察装置。
【0020】(C-2)光反射性の物体を観察する物体観
察装置であって、第1の光を射出する光源と、前記光反
射性の物体から反射方向に発生する光を集光し得る光軸
に沿って配置された対物レンズと、前記第1の光をポラ
ライザ角に平行な直線偏光にする、回転可能なポラライ
ザと、前記第1の光を、前記光軸に沿って配置された前
記対物レンズに向けて反射させるハーフミラーと、この
ハーフミラーで反射された第1の光を、第1の偏光状態
と第2の偏光状態の2つの直線偏光であって、互いに異
なる方向に進行する光に分離する光分離手段を有し、前
記第1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏光で
あって、互いに異なる方向に進行する光は、前記対物レ
ンズを通過し、前記光反射性の物体に衝突し、反射さ
れ、再び該対物レンズに入射し、前記光分離手段に再び
入射し、第3の偏光状態の第2の光になって該光分離手
段を射出し、前記ハーフミラーを透過し、更に、前記第
1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏光の光の
相対的な位相差量を調整する位相差調整手段と、前記第
3の偏光状態の第2の光を、前記第1,第2の2つの偏
光状態もしくは新たな第4の偏光状態と第5の偏光状態
の2つの直線偏光の光に分離する回転可能な偏光分離手
段と、前記第1又は第4の偏光状態の光を光電変換する
第1の撮像素子と、前記第2又は第5の偏光状態の光を
光電変換する第2の撮像素子と、前記第1の撮像素子
と、前記第2の撮像素子の各々の光電変換信号の信号強
度の差である差画像信号を生成する差画像生成手段と、
前記第1,第2の撮像素子の信号強度である第1,第2
の画像を出力する画像生成手段と、前記差画像信号と第
1,第2の画像の信号を読み出し可能な状態で格納する
画像格納手段と、前記画像格納手段から、同一物体の差
画像であって、前記位相差調整手段による前記第1の偏
光状態と前記第2の偏光状態の2つの直線偏光の光の相
対的な位相差量が、第1の位相差の場合の第1の差画像
と前記第1,第2の画像を読み出し、これらを用いて位
相差分像を生成する位相差分算出手段を有することを特
徴とする物体観察装置。
【0021】(D-0)光反射性の物体を観察する物体観
察装置であって、第1の光を射出する光源と、前記光反
射性の物体から反射方向に発生する光を集光し得る光軸
に沿って配置された対物レンズと、前記第1の光をポラ
ライザ角に平行な直線偏光にする、回転可能なポラライ
ザと、前記第1の光を、前記光軸に沿って配置された前
記対物レンズに向けて反射させるハーフミラーと、この
ハーフミラーで反射された第1の光を、第1の偏光状態
と第2の偏光状態の2つの直線偏光であって、互いに異
なる方向に進行する光に分離する光分離手段を有し、前
記第1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏光で
あって互いに異なる方向に進行する光は、前記対物レン
ズを通過し、前記光反射性の物体に衝突し、反射され、
再び該対物レンズに入射し、前記光分離手段に再び入射
し、第3の偏光状態の第2の光になって該光分離手段を
射出し、前記ハーフミラーを透過し、更に、前記第1の
偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏光の光の相対
的な位相差量を調整する位相差調整手段と、前記第3の
偏光状態の第2の光を、第4の偏光状態の光にするアナ
ライザと、前記第4の偏光状態の光を光電変換する撮像
素子と、前記撮像素子の出力する画像信号を読み出し可
能な状態で格納する画像格納手段と、前記画像格納手段
から、同一物体の画像であって、前記位相差調整手段に
よる前記第1の偏光状態と前記第2の偏光状態の2つの
直線偏光の光の相対的な位相差量が、第1の位相差の場
合の第1の画像と第2の位相差の場合の第2の画像と第
3の位相差の場合の第3の画像と第4の位相差の場合の
第4の画像を読み出し、第1の画像と第2の画像の信号
強度の差を表す第1の差画像と、第3の画像と第4の画
像の信号強度の差を表す第2の差画像を算出する差画像
算出手段と、前記差画像信号を読み出し可能な状態で格
納する差画像格納手段と、前記差画像格納手段から、同
一物体の第1の差画像と第2の差画像を読み出し、これ
らの信号強度の比である差画像比を算出する差画像比算
出手段と、前記差画像比の逆正接を計算することで位相
差分像を生成する位相差分算出手段を有し、任意の整数
m,nに対し、前記第1の位相差はnπ+π/2であっ
て、前記第2の位相差はnπ-π/2であって、前記第
3の位相差はmπであって、前記第4の位相差はmπ-
πであることを特徴とする物体観察装置。
【0022】(D-1)差画像比の代わりに前記差画像を
用いて位相差分像を生成する位相差分算出手段を有し、
第1,第2の位相差の差と第3,第4の位相差の差がπ
の整数倍であって、第1,第3の位相差の差がπの整数
倍にπ/2を加えた値であることを特徴とする物体観察
装置。
【0023】(D-2)光反射性の物体を観察する物体観
察装置であって、第1の光を射出する光源と、前記光反
射性の物体から反射方向に発生する光を集光し得る光軸
に沿って配置された対物レンズと、前記第1の光をポラ
ライザ角に平行な直線偏光にする、回転可能なポラライ
ザと、前記第1の光を、前記光軸に沿って配置された前
記対物レンズに向けて反射させるハーフミラーと、この
ハーフミラーで反射された第1の光を、第1の偏光状態
と第2の偏光状態の2つの直線偏光であって、互いに異
なる方向に進行する光に分離する光分離手段を有し、前
記第1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏光で
あって互いに異なる方向に進行する光は、前記対物レン
ズを通過し、前記光反射性の物体に衝突し、反射され、
再び該対物レンズに入射し、前記光分離手段に再び入射
し、第3の偏光状態の第2の光になって該光分離手段を
射出し、前記ハーフミラーを透過し、更に、前記第1の
偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏光の光の相対
的な位相差量を調整する位相差調整手段と、前記第3の
偏光状態の第2の光を、前記第1,第2の偏光状態もし
くは新たな第4の偏光状態の光にする回転可能なアナラ
イザと、前記第1,第2もしくは第4の偏光状態の光を
光電変換する撮像素子と、前記撮像素子の出力する画像
信号を読み出し可能な状態で格納する画像格納手段と、
前記画像格納手段から、同一物体の画像であって、前記
位相差調整手段による前記第1の偏光状態と前記第2の
偏光状態の2つの直線偏光の光の相対的な位相差量が、
第1の位相差の場合の第4の偏光状態の像である第1の
画像と、第2の位相差の場合の第2の画像と、第1,第
2の偏光状態の光の像である第3,第4の画像を読み出
し、第1の画像と第2の画像の信号強度の差を表す第1
の差画像、を算出する画像算出手段と、前記画像信号を
読み出し可能な状態で格納する差画像格納手段と、前記
画像格納手段から、同一物体の第1の差画像と第3,第
4の画像を読み出し、これらを用いて位相差分像を生成
する位相差分算出手段を有し、第1,第2の位相差の差
がπの整数倍であることを特徴とする物体観察装置。
【0024】(E)前記光線分離手段と前記光線合成手
段のどちらか一方、または両方が複屈折性プリズムであ
ることを特徴とする、(A)〜(D)のいずれかに記載の
物体観察装置。
【0025】(F)前記位相差調整手段は、1/4波長板
と、光軸を中心として回転可能なポラライザとの組み合
わせであることを特徴とする(A)〜(E)のいずれかに
記載の物体観察装置。
【0026】(G)前記位相調整手段は前記光線分離手
段と前記光線合成手段のどちらか一方、または両方を光
軸を横切る方向に移動させることによって位相差を調整
し得ることを特徴とする、(A)〜(F)のいずれかに記
載の物体観察装置。
【0027】(H)前記偏光分離手段は、偏光ビームス
プリッタであることを特徴とする(A)〜(G)のいずれ
かに記載の物体観察装置。
【0028】(I-0)光透過性の物体を観察する物体観
察装置であって、第1の光を射出するレーザー光源と、
第1の光を、第1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの
直線偏光であって互いに異なる方向に進行する光に分離
する光分離手段と、前記2つの直線偏光の光を集光し、
光透過性の物体内の第1の領域内で2つのビームスポッ
トを形成するコンデンサレンズと、前記2つのビームス
ポットを前記第1の領域内で1次元もしくは2次元走査
する走査手段と、前記光透過性の物体から透過方向に発
生する光を集光し得る対物レンズと、前記光透過性の物
体を透過し、前記対物レンズによって屈折された前記2
つの直線偏光の光を第3の偏光状態の第2の光に合成す
る、光合成手段と、前記第2の光の第1の偏光状態と第
2の偏光状態の2つの直線偏光の光の相対的な位相差量
である第1の位相差を調整する第1の位相差調整手段
と、前記第2の光を第3の光と第4の光に振幅分割する
ハーフミラーと、前記第3の光を、第4の偏光状態と第
5の偏光状態の2つの直線偏光の光に分離する第1の偏
光分離手段と、前記第4の光を、第6の偏光状態と第7
の偏光状態の2つの直線偏光の光に分離する、第2の偏
光分離手段と、前記第4の光の成分であって、前記第1
の偏光状態に平行な直線偏光の成分と第2の偏光状態に
平行な直線偏光の成分の間の相対的な位相差量である第
2の位相差を調整する第2の位相差調整手段と、前記第
4の偏光状態の光を光電変換する第1の光電変換素子
と、前記第5の偏光状態の光を光電変換する第2の光電
変換素子と、前記第6の偏光状態の光を光電変換する第
3の光電変換素子と、前記第7の偏光状態の光を光電変
換する第4の光電変換素子と、前記第1の光電変換素子
と、前記第2の光電変換素子の各々の光電変換信号の信
号強度の差である第1の差画信号を生成する第1の差信
号生成手段と、前記第3の光電変換素子と、前記第4の
光電変換素子の各々の光電変換信号の信号強度の差であ
る第2の差信号を生成する第2の差信号生成手段と、前
記第1の差信号と前記第2の差信号の比である差信号比
を算出する割算器と、前記差信号比の逆正接を計算する
ことで位相差分像を生成する位相差分算出手段を有する
ことを特徴とする物体観察装置。
【0029】(I-1)差信号比の代わりに、前記2つの
差信号を用いて位相差分像を生成する位相差分算出手段
を有することを特徴とする物体観察装置。
【0030】(I-2)光透過性の物体を観察する物体観
察装置であって、第1の光を射出するレーザー光源と、
第1の光を、第1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの
直線偏光であって互いに異なる方向に進行する光に分離
する光分離手段と、前記2つの直線偏光の光を集光し、
光透過性の物体内の第1の領域内で2つのビームスポッ
トを形成するコンデンサレンズと、前記2つのビームス
ポットを前記第1の領域内で1次元もしくは2次元走査
する走査手段と、前記光透過性の物体から透過方向に発
生する光を集光し得る対物レンズと、前記光透過性の物
体を透過し、前記対物レンズによって屈折された前記2
つの直線偏光の光を第3の偏光状態の第2の光に合成す
る、光合成手段と、前記第2の光の第1の偏光状態と第
2の偏光状態の2つの直線偏光の光の相対的な位相差量
である第1の位相差を調整する第1の位相差調整手段
と、前記第2の光を第3の光と第4の光に振幅分割する
ハーフミラーと、前記第3の光を、第4の偏光状態と第
5の偏光状態の2つの直線偏光の光に分離する第1の偏
光分離手段と、前記第4の光を、第1の偏光状態と前記
第2の偏光状態の2つの直線偏光の光に分離する、第2
の偏光分離手段と、前記第4の偏光状態の光を光電変換
する第1の光電変換素子と、前記第5の偏光状態の光を
光電変換する第2の光電変換素子と、前記第1の偏光状
態の光を光電変換する第3の光電変換素子と、前記第2
の偏光状態の光を光電変換する第4の光電変換素子と、
前記第1の光電変換素子と、前記第2の光電変換素子の
各々の光電変換信号の信号強度の差である第1の差画信
号を生成する第1の差信号生成手段と、前記第3の光電
変換素子と、前記第4の光電変換素子の各々の光電変換
信号である第3,第4の信号を生成する信号生成手段
と、前記差信号と第3,第4の信号を用いて位相差分像
を生成する位相差分算出手段を有することを特徴とする
物体観察装置。
【0031】(J-0)光反射性の物体を観察する物体観
察装置であって、第1の光を射出するレーザー光源と、
前記光反射性の物体から反射方向に発生する光を集光し
得る光軸に沿って配置された対物レンズと、前記第1の
光を、前記光軸に沿って配置された前記対物レンズに向
けて反射させる第1のハーフミラーと、前記第1のハー
フミラーで反射された第1の光を、第1の偏光状態と第
2の偏光状態の2つの直線偏光であって互いに異なる方
向に進行する光に分離する光分離手段を有し、前記対物
レンズは前記2つの直線偏光の光を集光し、光反射性の
物体内の第1の領域内で2つのビームスポットを形成
し、前記第1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線
偏光であって互いに異なる方向に進行する光は、前記対
物レンズを通過し、前記光反射性の物体に衝突し、反射
され、再び該対物レンズに入射し、前記光分離手段に再
び入射し、第3の偏光状態の第2の光になって該光分離
手段を射出し、前記第1のハーフミラーを透過し、更
に、前記2つのビームスポットを前記第1の領域内で1
次元もしくは2次元走査する走査手段と、前記第1の偏
光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏光の光の相対的
な位相差量である第1の位相差を調整する第1の位相差
調整手段と、前記第2の光を第3の光と第4の光に振幅
分割する第2のハーフミラーと、前記第3の光を、第4
の偏光状態と第5の偏光状態の2つの直線偏光の光に分
離する第1の偏光分離手段と、前記第4の光を、第6の
偏光状態と第7の偏光状態の2つの直線偏光の光に分離
する第2の偏光分離手段と、前記第4の光の成分であっ
て、前記第1の偏光状態に平行な直線偏光の成分と第2
の偏光状態に平行な直線偏光の成分の間の相対的な位相
差量である第2の位相差を調整する第2の位相差調整手
段と、前記第4の偏光状態の光を光電変換する第1の光
電変換素子と、前記第5の偏光状態の光を光電変換する
第2の光電変換素子と、前記第6の偏光状態の光を光電
変換する第3の光電変換素子と、前記第7の偏光状態の
光を光電変換する第4の光電変換素子と、前記第1の光
電変換素子と、前記第2の光電変換素子の各々の光電変
換信号の信号強度の差である第1の差画信号を生成する
第1の差信号生成手段と、前記第3の光電変換素子と、
前記第4の光電変換素子の各々の光電変換信号の信号強
度の差である第2の差画信号を生成する第2の差信号生
成手段と、前記第1の差信号と前記第2の差信号の比で
ある差信号比を算出する割算器と、前記差信号比の逆正
接を計算することで位相差分像を生成する位相差分算出
手段を有することを特徴とする物体観察装置。
【0032】(J-1)差信号比の代わりに、前記2つの
差信号を用いて位相差分像を生成する位相差分算出手段
を有することを特徴とする物体観察装置。
【0033】(J-2)光反射性の物体を観察する物体観
察装置であって、第1の光を射出するレーザー光源と、
前記光反射性の物体から反射方向に発生する光を集光し
得る光軸に沿って配置された対物レンズと、前記第1の
光を、前記光軸に沿って配置された前記対物レンズに向
けて反射させる第1のハーフミラーと、前記第1のハー
フミラーで反射された第1の光を、第1の偏光状態と第
2の偏光状態の2つの直線偏光であって互いに異なる方
向に進行する光に分離する光分離手段を有し、前記対物
レンズは前記2つの直線偏光の光を集光し、光反射性の
物体内の第1の領域内で2つのビームスポットを形成
し、前記第1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線
偏光であって互いに異なる方向に進行する光は、前記対
物レンズを通過し、前記光反射性の物体に衝突し、反射
され、再び該対物レンズに入射し、前記光分離手段に再
び入射し、第3の偏光状態の第2の光になって該光分離
手段を射出し、前記第1のハーフミラーを透過し、更
に、前記2つのビームスポットを前記第1の領域内で1
次元もしくは2次元走査する走査手段と、前記第1の偏
光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏光の光の相対的
な位相差量である第1の位相差を調整する第1の位相差
調整手段と、前記第2の光を第3の光と第4の光に振幅
分割する第2のハーフミラーと、前記第3の光を、第4
の偏光状態と第5の偏光状態の2つの直線偏光の光に分
離する第1の偏光分離手段と、前記第4の光を、前記第
1の偏光状態と前記第2の偏光状態の2つの直線偏光の
光に分離する第2の偏光分離手段と、前記第4の偏光状
態の光を光電変換する第1の光電変換素子と、前記第5
の偏光状態の光を光電変換する第2の光電変換素子と、
前記第1の偏光状態の光を光電変換する第3の光電変換
素子と、前記第2の偏光状態の光を光電変換する第4の
光電変換素子と、前記第1の光電変換素子と、前記第2
の光電変換素子の各々の光電変換信号の信号強度の差で
ある第1の差画信号を生成する第1の差信号生成手段
と、前記第3の光電変換素子と、前記第4の光電変換素
子の各々の光電変換信号である第3,第4の信号を生成
する信号生成手段と、前記差信号と第3,第4の信号を
用いて位相差分像を生成する位相差分算出手段を有する
ことを特徴とする物体観察装置。
【0034】(K)前記第1の位相差はπの整数倍にπ/
2を加えた値であって、前記第2の位相差はπの整数倍
であることを特徴とする(I)〜(J)のいずれかに記載
の物体観察装置。
【0035】(L)前記第2の位相差はπの整数倍にπ/
2を加えた値であって、前記第1の位相差はπの整数倍
であることを特徴とする(I)〜(J)のいずれかに記載
の物体観察装置。
【0036】(M)前記光線分離手段と前記光線合成手
段のどちらか一方、又は両方が複屈折性プリズムである
ことを特徴とする(I)〜(L)のいずれかに記載の物体
観察装置。
【0037】(N)前記第1の位相差調整手段は、1/4
波長板と、光軸を中心として回転可能なポラライザとの
組み合わせであることを特徴とする(I)〜(M)のいず
れかに記載の物体観察装置。
【0038】(O)前記第2の位相差調整手段は、1/4
波長板であることを特徴とする(I)〜(M)のいずれか
に記載の物体観察装置。
【0039】(P)前記第1の位相差調整手段は、前記
光線分離手段と前記光線合成手段のどちらか一方、又は
両方を光軸を横切る方向に移動させることによって位相
差を調整し得ることを特徴とする(I)〜(O)のいずれ
かに記載の物体観察装置。
【0040】(Q)前記第1,第2の少なくとも一方の
偏光分離手段は、偏光ビームスプリッタであることを特
徴とする(I)〜(P)のいずれかに記載の物体観察装
置。
【0041】(R)前記第4,第5,第6,第7の少な
くとも1つの偏光状態は、直線偏光であって、前記第1
の偏光状態の直線偏光の偏波面に対して45゜の角度をな
すことを特徴とする(I)〜(Q)のいずれかに記載の物
体観察装置。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、シャーして物体を照明
する2つの偏光光の位相差を変更して複数の画像が撮像
され、更にこれらから差画像,そして差画像比が演算さ
れ、この差画像比から微分位相像が求められる。求めら
れた微分位相像には、物体の強度もしくは振幅成分は含
まれず、微分位相のみを観察することができる。
【0043】この発明の前記及び他の目的,特徴,利点
は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態につい
て、実施例を参照しながら詳細に説明する。
【0045】
【実施例の基本的構成1】最初に、第1の基本的な構成
について図1を参照しながら説明する。同図において、
図示しない光源から出力された照明光i00の光路上に
は、 入射光から直線偏光を得るための回転可能ポラライザ
10, 直線偏光の光を透過する1/4波長板12, 偏光干渉する2つの光を生成するための第1のノマル
スキープリズム14, コンデンサレンズ16 対物レンズ18, シャーした2つの光を合成するための第2のノマルス
キープリズム20, 入射光から可干渉の光を抽出するためのアナライザ
(偏光ビームスプリッタ)22, が順に配置されている。
【0046】これらのうち、ポラライザ10,1/4波
長板12,ノマルスキープリズム14は、コンデンサレ
ンズ16の瞳位置近傍に位置しており、ノマルスキープ
リズム20は、対物レンズ18の瞳位置近傍に位置して
いる。また、2つのノマルスキープリズム14,20の
間でシャーした2つの照明光に与えられる位相差が2π
の整数倍になるように、光軸AXを横切る方向にノマル
スキープリズム14,20が位置調整されている。
【0047】各素子に対して、それぞれ直交座標(X
1,Y1)〜(X4,Y4)を、光軸AXに対して直交し、
かつ同じ方位となるように設定する。また、同様に直交
座標(X5,Y5)を、アナライザ22の光軸AXを折り
返した反射側光軸AX1に直交し、かつ直交座標(X1,
Y1)〜(X4,Y4)と同じ方位となるように設定す
る。つまり、ポラライザ10側から見たときに、各座標
軸が重なるように座標を設定する。以下、それらの方位
を単に(x,y)と表現する。
【0048】物体を照明する一定面積の照明光i00は、
まずポラライザ10に入射する。ポラライザ10は、図
2(A)に示すように、x軸に対する方位角θ1が透過す
る光の偏光方向であり、この角度θ1は、ポラライザ1
0を回転させることで変化する。1/4波長板12は光
学軸が+45゜となっており、図2(B)に示すよう
に、光学軸である早い軸neとこれに直交する遅い軸no
を有し、早い軸neの方位角はx軸に対してπ/4(4
5゜),遅い軸noの方位角はx軸に対して−π/4
(−45゜)に設定されている。入射光のうち、遅い軸
noに平行な偏波面の直線偏光成分は、早い軸neに平行
な偏波面の直線偏光成分に対して1/4波長(π/2,
90゜)の位相遅れが生じる。
【0049】例えば、ポラライザ10の方位角θ1が1
/4波長板12の早い軸neと一致しているときは、照
明光i00のうちの早い軸ne方向の偏光光がそのまま透
過してノマルスキープリズム14に入射する。ポラライ
ザ10の方位角θ1が1/4波長板12の遅い軸noと一
致しているときは、照明光i00のうちの遅い軸no方向
の偏光光が1/4波長板12による90゜位相遅れの後
にノマルスキープリズム14に入射する。
【0050】すなわち、1/4波長板12を透過した光
線の偏光状態は、図2(D)に示すように、ポラライザ
角θ1によって変化する。偏光状態は、直線偏光から,
楕円偏光,円偏光と様々に変化する。図2(C)に示す
ように、この状況を、1/4波長板12の次に入射する
ノマルスキープリズム14により分離されるん,x,y
軸に平行で同じ振幅を持つ直線偏光成分OE,EOの間
の位相差αで考えることもできる。つまり、2つの同じ
く振幅をもつ直線偏光成分OE,EOの間の位相差αと
θ1の関係は、α=2θ1−π/2となっており、ノマル
スキープリズム14に入射する際の偏光状態は位相差α
を表わしていることになる。
【0051】また、図2(D)には、アナライザの透過
軸(+45゜方向)とそれ垂直な反アナライザ透過軸
(−45゜方向)も示されている。本発明の一部の実施
例では、αをある値から180゜だけ変化させるために
アナライザ角と反アナライザ角を用いているが、これら
を透過する直線偏光成分の振幅を同図(D)で考えれ
ば、αを180゜だけ変化させたことと等価であること
が明らかとなろう。このように、1/4波長板12の出
力光に与えられる位相差αは、α=2θ1−π/2で表
わされる。
【0052】ポラライザ10,1/4波長板12による
位相変調を受けた照明光は、楔の向きが例えば0゜のノ
マルスキープリズム14に入射して微小量シャー(横ず
れ)し、コンデンサレンズ16によって照明光EO,O
Eとなる。これら照明光EO,OEは、物体面S(座標
X3,Y3上の平面)上で2δシャーしており、更に、照
明光EOはY3軸に平行な偏波面の直線偏光であり、照
明光OEはX3軸に平行な偏波面の直線偏光である。
【0053】ここで、理解を容易にするため、以下の説
明では主光束のみを用いる。実際の光学装置において
は、主光束以外の照明光も結像に必要であるが、一つの
像点に衝突する任意の1つの照明光は物体面S上で2δ
シャーした、Y3軸に平行な偏波面の直線偏光とX3軸に
平行な偏波面の直線偏光のペアに対応するので、主光束
だけの説明で全く差し支えない。
【0054】シャーした照明光EOと照明光OEの相対
的な位相差αは、ポラライザ角θ1を変化させることで
変化させることができる。物体面S上の物体を透過した
光は、対物レンズ18,ノマルスキープリズム20を透
過し、再び1つの照明光に合成されてアナライザ22に
入射する。ここで、アナライザ22のアナライザ角θ2
は45゜に設定されており、反アナライザ角θ3はアナ
ライザ角θ2に垂直な135゜に設定されている。アナ
ライザ角θ2に平行な偏波面の成分は透過されて照明光
i1となり、反アナライザ角θ3に平行な偏波面の成分は
反射されて照明光i2となる。なお図中、直交座標(X
4,Y4)及び(X5,Y5)に示した矢印は偏波面の向きを
示す。
【0055】アナライザ22を透過した可干渉な照明光
i1は、対物レンズ18の像面上で干渉像Iθ2(x,θ
1)を形成する。アナライザ22で反射された可干渉な
照明光i2は、対物レンズ18の像面上で干渉像Iθ3
(x,θ2=θ1+π/2)を形成する。このようにして
位相干渉像が観察される。しかし、本実施例では、更に
異なる位相条件で得た干渉像を用いて一定の演算が行わ
れ、差分位相量のみの像が観察される。
【0056】次に、このような演算処理について説明す
る。なお、以下の説明では、結像系のOTFの影響は考
慮しないものとする。また、観察対象の物体の段差は基
本的に1次元の構造であるので、以下の説明では光学系
を含めてすべて1次元として扱う。実際の光学系では2
次元であるが、以下の議論では1次元と仮定しても全く
差し支えない。
【0057】図1に示した微分干渉顕微鏡によって物体
の段差位置における微分干渉像の強度を求めることとす
る。微分干渉顕微鏡によって得られる座標(X4,Y
4),(X5,Y5)上の一つの像点には、シャーによる
間隔2δだけ互いに離れた、2つの物点がそれぞれ対応
する。これらをO(x+δ),O(x-δ)とし、両者の相
対的な位相差をψとすれば、次の(1)式のように表わ
される。
【0058】
【数1】
【0059】微分干渉顕微鏡によってさらに付加される
位相差をαとすれば、照明光i1に対応した像点におけ
る強度Ii1(x,α)は、CAを定数として(2)式のよう
になり、ポラライザ角度θ1とαの関係は(3)式で示す
ようになる。
【0060】
【数2】
【数3】
【0061】また、アナライザ22の透過側と反射側の
照明光i1,i2に対応した2つの像平面上での強度分布
Iθ2(x,θ1),Iθ3(x,θ1)は、それぞれ(4),
(5)式で示される。
【0062】
【数4】
【数5】
【0063】ここで、差動出力S+(x,θ1),S-(x,
θ1)を(6)式のように定義する。これに、前記
(4),(5)式を代入すると、次の(7),(8)式を得
る。
【0064】
【数6】
【数7】
【数8】
【0065】以上のようにして求められた差動出力S+
(x,θ1),S-(x,θ1)に対し、次の(9)式で与えら
れる差動出力比Srを求める。
【0066】
【数9】
【0067】この(9)式において、θ1がπの整数倍,
すなわちθ1=nπを代入すると、(10)式に示すよう
に差動出力比Srは差分位相量ψのみの関数となる。そ
して、(9)式の逆正接をとると、(11)式のように差
分位相量ψに比例した値が得られる。
【0068】
【数10】
【数11】
【0069】このように、ポラライザ角θ1を所定値と
したときの差動出力比Srは、微分位相量ψにのみ関係
し、振幅成分には関係しない。つまり、物体の透過光に
強度分布があったとしても、その影響を受けることなく
微分位相像のみが観察可能となる。また、リアルタイム
で、+π/2から−π/2までの位相微分量の観察が可
能である。
【0070】また、(9)式の左辺は、(7),(8)式
に示すように、sin,cosの成分が別々に計測され
るので、sin,cosの符号を考慮すれば−πから+
πまでの位相差分値を測定できる。一般に、tan(2
θ1−ψ)=tan(2θ1−ψ+π)で、tan(2θ
1−ψ)は−π≦2θ1−ψ≦πの間に異なる2θ1−ψ
に2つの同じ値が存在する。しかし、(9)式の値が正
のとき、0≦2θ1−ψ≦πでsin(2θ1−ψ)は正
となり、このときcos(2θ1−ψ)は正であるはず
で、−π/2≦2θ1−ψ≦π/2となり、結局0≦2
θ1−ψ≦π/2となる。この範囲では、tan(2θ1
−ψ)は1つの2θ1−ψの値に決まる。また、sin
(2θ1−ψ)が負であれば、cos(2θ1−ψ)も負
で、−π≦2θ1−ψ≦π/2となる。sin,co
s,tanの符号の関係を示すと、以下の表1のように
なる。
【0071】
【表1】
【0072】従って、tan(2θ1−ψ)の値と、s
in(2θ1−ψ),cos(2θ1−ψ)の符号が分れ
ば、−π≦2θ1−ψ≦πの間で2θ1−ψを特定でき
る。つまり、本発明の主要な実施例のように、sin
(2θ1−ψ)とcos(2θ1−ψ)の両方を計測可能
とすれば、−π〜+π,すなわち1波長分の幅で位相差
分を測定可能となる。cos(2θ1−ψ)又はsin
(2θ1−ψ)の一方だけを測定するような本発明の別
の実施例では、半波長分の幅で位相差分の測定をするこ
とができる。
【0073】なお、微分干渉顕微鏡においては、視野内
の任意のxについての差分位相量ψの分布が得られる
が、これを積分するとともに適当な初期位相量を用いれ
ば、容易に絶対位相量の分布に変換することが可能であ
る。積分の方法について説明すると、微分干渉を用いて
いるので、真の高さの関数h(x)に対して次の(20)
式の関係となる。ここで、δの絶対値が十分小さいとき
は、(21),(22)式のようになる。これら(20),
(21),(22)式から、ψ(x)は(23)式のようにな
る。
【0074】
【数20】
【数21】
【数22】
【数23】
【0075】この(23)式から、例えば基準高さがh
(x1)で既知のときのx=x2における高さh(x2)
は、次の(24)式で計算される。
【0076】
【数24】
【0077】なお、光学的なシミュレーションによれ
ば、差分位相変化量もしくは微分位相変化量よりも、段
差の絶対値は、これを積分して得られる位相分布像を用
いて求めた方が正確である。また、インコヒーレント照
明では、空間周波数特性(OTF)が平坦でなく、高周
波ほど減衰するため、測定値に誤差を生じることがあ
る。このときは、OTFがゼロとならない空間周波数領
域内の通過特性が平坦となるように、得られた光学像を
OTFの逆特性を有する電気的なフィルタを通過させ
て、高周波の減衰を補うことが望ましい。コヒーレント
照明では、空間周波数特性が平坦なため、測定値は非常
に高精度となる。
【0078】次に、(2)式に戻って、差動出力S+(x,
θ1),S-(x,θ1)の位相差αを考える。前記(7),
(8)式で示される差動出力S+(x,θ1),S-(x,θ
1)においてθ1=nπの条件を代入すると、(12),
(13)式のようになる。これらによれば、必ずしもアナ
ライザ22,すなわち偏光ビームスプリッタを必要とし
なくても、ポラライザ10の角度θ1を適宜設定するこ
とで、同様の結果を得ることが可能となる。
【0079】
【数12】
【数13】
【0080】以上のように、簡便な構成と演算によっ
て、強度変化の影響を受けることなく、純粋な差分位相
像を観察することができる。以下、この基本構成に相当
する実施例について説明する。なお、図1と対応する構
成要素については、同一の符号を用いることとする。
【0081】
【実施例1】まず、図3を参照しながら実施例1につい
て説明する。同図において、光源30としては水銀ラン
プが用いられている。この光源30から射出された照明
光は干渉フィルタ32に入射し、これによって最適な波
長の光が選択される。干渉フィルタ32を透過した光
は、コレクタレンズ34,第1リレーレンズ36,第2
リレーレンズ38を順に経て、コンデンサレンズ16の
瞳位置近傍に配置されたポラライザ10に入射する。更
に、ポラライザ10,1/4波長板12によって所定の
位相差が付与された偏光光は、ノマルスキープリズム1
4により互いの偏光方向が直交する2つの直線偏光であ
って、僅かな相対角度を有する照明光に分離されて進行
する。そして更に、コンデンサレンズ16によって屈折
し、スライドガラス40上の物体42を透過照明する。
【0082】物体42を透過した照明光は、対物レンズ
18に入射して屈折し、対物レンズ18の瞳位置近傍の
ノマルスキープリズム20を透過して、アナライザに相
当する偏光ビームスプリッタ22に入射する。入射光の
うち、一部は偏光ビームスプリッタ22を透過して照明
光i1となり、残りは偏光ビームスプリッタ22で反射
されて照明光i2となる。これらのうち、照明光i1は、
偏光ビームスプリッタ22のアナライザ角θ2に平行な
偏波面の直線偏光であり、光線i2は偏光ビームスプリ
ッタ22のアナライザ角θ2に垂直な偏波面の直線偏光
である。
【0083】照明光i1は、レンズ44によって屈折し
た後、対物レンズ18の物平面に共役な像平面に干渉像
を形成する。この像平面上には、2次元撮像素子46の
光検知面が位置しており、これにより干渉像が光電変換
されて、2次元撮像素子46から映像信号が出力され
る。他方、照明光i2は、レンズ48によって屈折した
後、対物レンズ18の物平面に共役な像平面に干渉像を
形成する。この像平面上には、2次元撮像素子50の光
検知面が位置しており、これにより干渉像が光電変換さ
れて、2次元撮像素子50から映像信号が出力される。
【0084】2次元撮像素子46,50から出力された
2つの映像信号は差動増幅器52に入力され、差動増幅
器52から差動信号が出力される。この差動信号は、画
像蓄積部54に入力されて格納蓄積される。なお、対物
レンズ16の視野内の任意の位置の物点と、これと共役
な2つの像点に対応する映像信号内の位置の情報,例え
ばクロックパルスの数が完全に一致するように、2つの
2次元撮像素子42,46の光軸を横切る方向の位置や
信号の出力タイミングなどが調整されている。
【0085】ところで、ポラライザ10の方位角θ1
は、コンピュータ56の指示に基づいてアクチュエータ
58により切り換えることができるようになっている。
ポラライザ10の方位角θ1をx方向に対し、θ1=0゜
に設定すると、差動増幅器52によって前記(7)式に
示した第1の差画像S+(x,θ1)が得られる。次に、ポ
ラライザ10の方位角θ1を−45゜(−π/4)に設
定すると、差動増幅器52によって前記(8)式に示し
た第2の差画像S-(x,θ1)が得られる。
【0086】これらの差画像は、一度画像蓄積部54内
に蓄積され、その後、コンピュータ56に読み込まれて
差画像の比,つまり(9)式に示した差動出力比Srが
演算される。コンピュータ56では、続いて(10)式に
示した差動出力比Srの逆正接,すなわち物体42の微
分位相分布が演算され、演算結果がD/A変換されて画
像表示部60に出力表示される。なお、観察者は、イン
ターフェイス62を介してコンピュータ56に必要な情
報,例えば画像取り込みの指示,蓄積された画像データ
の呼出し,画像の表示,他の演算の指示などを入力ある
いは選択できる。例えば、コンピュータ56で差分位相
分布を積分する演算を行い、この結果に観察者がインタ
ーフェース62を介して入力する適当な初期位相値を加
えることで、絶対位相分布を演算することができる。演
算された結果をD/A変換して画像表示部60に出力す
ることもできる。差動増幅器52で得られた差画像を表
示するようにしてもよい。
【0087】
【実施例2】次に、図4を参照しながら実施例2につい
て説明する。この実施例は、偏光ビームスプリッタによ
る偏光分割と2つの撮像素子を用いた光電変換による差
画像の生成を行わない例であり、(12),(13)式に従
って差画像S+, S-を得るようにしたものである。
【0088】光源30からアナライザ22に至る構成部
分は、上述した実施例1と同様である。本実施例では、
2次元撮像素子46のみが設けられている。本実施例で
は、ポラライザ18のポラライザ角θ1の方位が、アク
チュエータ56によって以下のように切り換えられる。
【0089】まず、ポラライザ10の方位角を、θ1=
0(α=−π/2)及びθ1=−π/2(α=−3π/
2)にそれぞれ切り換え、2つの画像をそれぞれ得る。
これらの画像は、A/D変換の後、画像格納部64に一
度格納されるとともにコンピュータ56に読み込まれ、
第1の差画像S+(x,θ1)が(12)式に基づいて演算さ
れる。演算結果は、差画像蓄積部54に格納される。
【0090】次に、ポラライザ10の方位角θ1を、θ1
=−π/4(α=−π)及びθ1=π/4(α=0)に
それぞれ切り換え、2つの画像をそれぞれ得る。これら
の画像は、A/D変換の後、画像格納部64に一度格納
されるとともにコンピュータ56に読み込まれ、第2の
差画像S-(x,θ1)が(13)式に基づいて演算される。
演算結果は、差画像蓄積部54に格納される。
【0091】その後、これらの差画像の比、つまり差動
出力比Srがコンピュータ56で演算され、続いて(1
0)式に示す逆正接,すなわち物体の微分位相分布が演
算される。この結果は、D/A変換されて画像表示部6
0に出力表示される。このように、4つのポラライザ角
に対応してそれぞれ得られた画像から差画像が演算され
るとともに、差動出力比が演算されて差分位相像が得ら
れる。
【0092】
【実施例の基本的構成2】次に、図5を参照しながら、
他の基本的構成について説明する。上述した図1は透過
照明法に基づく装置構成であるが、この図5は落射照明
法に基づく装置構成となっている。この落射照明方法で
は、コンデンサレンズと対物レンズが共用されるととも
に、ノマルスキープリズムも一つになる。また、物体か
らの反射光はハーフミラーによって照明光学系の光軸と
別の方向に取り出される。
【0093】同図において、光軸AX0に沿って進行す
る照明光i00は、ポラライザ10,1/4波長板12を
順に通過してハーフミラー70に入射し、これにより光
軸AXに沿ってノマルスキープリズム72方向に反射さ
れる。この照明光は、ノマルスキープリズム72及び対
物レンズ74の作用により、物体面S(座標X3,Y3の
平面)上で2δシャーした照明光EO,OEになる。照
明光EOはy軸に平行な偏波面の直線偏光であり、照明
光OEはx軸に平行な偏波面の直線偏光である。前記
(3)式に示したように、これら照明光EO,OEの相
対的な位相差αは、ポラライザ角θ1を変化させること
で可変である。物体によって反射された照明光は、対物
レンズ74,ノマルスキープリズム72によって再び1
つの照明光に合成され、アナライザ22に入射する。以
後は、上述した図1の装置と同様である。
【0094】この装置構成によれば、照明光を反射する
物体に対して適用できるとともに、コンデンサレンズ及
び対物レンズ,あるいはノマルスキープリズムを共用で
きるという利点がある。以下、この基本構成に対応する
実施例を説明する。
【0095】
【実施例3】最初に、図6を参照しながら実施例3につ
いて説明する。この実施例は、図3に示した実施例1を
落射照明法で構成した例である。光源30から射出され
た照明光は、干渉フィルタ32,コレクタレンズ34,
第1リレーレンズ36,第2リレーレンズ38を順に経
て、瞳投影レンズ76の瞳面と共役な面の近傍に位置す
るポラライザ10,1/4波長板12をそれぞれ通過
し、瞳投影レンズ76による屈折の後、ハーフミラー7
0に入射する。ハーフミラー70によって光軸AXに沿
って反射された照明光は、対物レンズ74の瞳位置近傍
に位置するノマルスキープリズム72,対物レンズ74
による分離,屈折作用の後に、スライドガラス40上の
物体42を落射照明する。
【0096】物体42で反射された照明光は、対物レン
ズ74,ノマルスキープリズム72を再度通過し、合成
された照明光がハーフミラー70に入射する。そして、
ハーフミラー70を透過した照明光が偏光ビームスプリ
ッタ22に入射する。以後の動作は、実施例1と同様で
ある。
【0097】
【実施例4】次に、図7を参照しながら実施例4につい
て説明する。この実施例は、図4に示した実施例2を落
射照明法で構成した例である。光源30から偏光ビーム
スプリッタ22に至る各部の構成は、前記実施例3と同
様である。また、レンズ44からインターフェース62
に至る各部の構成は、前記実施例2と同様である。な
お、画像格納部64,差画像蓄積部54は、いずれもメ
モリであるため、本実施例では1つのブロックにまとめ
て表示されている。
【0098】
【実施例の基本的構成3】次に、第3の基本的な構成に
ついて図8を参照しながら説明する。同図の光学系は、
紙面の都合上、光軸AXを二分割して表示している。点
Aと点A’は本来連続しており、矢印は光線の進行方向
を示している。また、各光学素子近傍に表示した直交座
標も前記実施例と同様であり、光軸AXに対して直交
し、かつ同じ方位となるように設定されている。
【0099】同図において、照明用の光線i00はポララ
イザ10に入射するが、このポラライザ10からノマル
スキープリズム20までは、前記実施例と同様の構成と
なっている。ノマルスキープリズム20から射出された
光線i0は、ハーフミラー100に入射し、これによっ
て全振幅の50%は透過し、50%は反射する。透過光
線は、光軸AXに沿って進行して第1のアナライザ22
に至り、反射光線は光軸AX2に沿って進行する。そし
て、1/4波長板102を通過して、偏光ビームスプリ
ッタによって構成された第2のアナライザ104に至
る。
【0100】各光学素子の光軸AXを中心としたx軸に
対する方位角は、y軸方向を正とすると、1/4波長板
12の光軸は+45゜,1/4波長板102の光軸は0
゜,ノマルスキープリズム14,20の楔の向きは0
゜,アナライザ22のアナライザ角θ2,アナライザ1
04のアナライザ角θ4は+45゜にそれぞれ設定され
ている。また、1/4波長板102は、光学軸である早
い軸neとこれに直交する遅い軸noを有しており、遅い
軸noの方位はx軸に対して平行,早い軸neの方位はy
軸に対して平行となっている。従って、x軸に平行な偏
波面の成分には、y軸に平行な偏波面の成分に対して−
π/2の位相差が与えることとなる。
【0101】アナライザ22に達した光線のうち、x軸
に対してアナライザ角θ2=45゜の方位に平行な偏波
面の成分は、アナライザ22を透過して光線i1とな
り、光軸AXに沿って進行する。また、x軸に対して反
アナライザ角θ3=135゜の方位に平行な偏波面の成
分は、アナライザ22で反射されて光線i2となり、光
軸AX1に沿って進行する。
【0102】他方、アナライザ104に達した光線のう
ち、x軸に対してアナライザ角θ4=45゜の方位に平
行な偏波面の成分は、アナライザ104を透過して光線
i11となり、光軸AX2に沿って進行する。また、x軸
に対して反アナライザ角θ5=135゜の方位に平行な
偏波面の成分は、アナライザ104で反射されて光線i
22となり、光軸AX3に沿って進行する。なお、図中、
直交座標(X4,Y4)〜(X7,Y7)に示した矢印は偏波
面の向きを示す。このようにして得られた4つの光線i
1,i2,i11,i22の画像から前記(6)式に示す演算
を行い、更に(9),(10)式の演算を行うことで、上
述した実施例と同様に差分位相像を得ることができる。
【0103】次に、物体の段差位置における光線i1,
光線i2,光線i11,光線i22による各微分干渉像の強
度を求める。前記実施例と同様に、レンズのOTFの影
響は考慮しないものとし、観察対象の物体の段差や光学
系は1次元で扱うこととする。また、以下の説明では、
結像型の微分干渉顕微鏡の結像面における点像の強度を
もって説明するが、後述する実施例のようなレーザ走査
光学系の微分干渉顕微鏡によっても焦点深度が異なる以
外、結像型の微分干渉顕微鏡における照明系のσ値を適
当に設定すれば、全く同一の微分干渉像が得られる。
【0104】微分干渉顕微鏡によって得られる(X4,Y
4)〜(X7,Y7)の各座標上の一つの像点には、シャー
による間隔2δだけ互いに離れた、2つの物点がそれぞ
れ対応する。これらをO(x+δ),O(x-δ)とし、相
対的な位相差をψとすれば、前記(1)式のようにな
る。微分干渉顕微鏡によって付加される位相差をα1,
α2,α11,α22とすれば、光線i1,i2,i11,i22
に対応した像点における強度Ii1(x,α1),Ii2(x,
α2),Ii11(x,α11),Ii22(x,α22)は、CBを定
数として(14)式のようになる。なお、ポラライザ角度
θ1と位相差α1,α2,α11,α22の関係は、(15)式
で示される。
【0105】
【数14】
【数15】
【0106】(14)式のIi1(x,α1),Ii2(x,α
2),Ii11(x,α11),Ii22(x,α22)に(15)式を
代入すると、(16)式のようになる。
【0107】
【数16】
【0108】ここで、前記実施例と同様に、差動出力S
+(x,θ1),S-(x,θ1)を(17)式のように定義す
る。これに、前記(16)式を代入すると、次の(18)式
が得られる。
【0109】
【数17】
【数18】
【0110】差動出力比Srを前記実施例と同様に定義
し、これに前記(17),(18)式を代入すると、同様に
(9)式を得る。この(9)式において、特にポラライザ
角θ1がπの整数倍のときは、(10)式に示すように差
動出力比Srは微分位相量ψのみの関数となる。従っ
て、(9)式の逆正接をとれば、(11)式に示したよう
に微分位相量ψに比例した値が得られる。このようにし
て、本実施例でも前記実施例と同様の効果が得られる。
なお、前記実施例ではポラライザ10を回転したが、本
実施例では、一度に異なる位相量の4つの画像を得るこ
とができる構成となっているため、ポラライザ10は所
定の角度でよい。微分干渉顕微鏡視野内の任意のxにつ
いての差分位相量ψの分布を積分して絶対位相量の分布
を求める点も、前記実施例と同様である。以下、この基
本構成に相当する実施例について説明する。
【0111】
【実施例5】次に、図9を参照しながら実施例5につい
て説明する。同図において、レーザー光源110から射
出される光線は、例えば紙面に平行な直線偏光であると
する。この光線は、ビームエキスパンダー112によっ
て平行光となった後に反射ミラー114で反射され、X
Y走査部116に入射する。そして、このXY走査部1
16で走査されて空間的に偏向された光線は、第1リレ
ーレンズ36,第2リレーレンズ38を経て、コンデン
サーレンズ16の瞳位置近傍に位置する1/4波長板1
2,ノマルスキープリズム14を通過し、互いの偏光方
向が直交する2つの直線偏光であって僅かな相対角度を
なす光線に分離して進行する。偏光分離された光線は、
コンデンサーレンズ12による屈折の後、スライドガラ
ス40上の物体42上でビームスポットを形成する。
【0112】物体42上では、ノマルスキープリズム1
4の働きによってわずかに位置がずれた2つのスポット
が近接して形成され、これらの各スポットはXY走査部
116の働きによって物体42上を2次元走査する。物
体42を透過した光線は、対物レンズ18,ノマルスキ
ープリズム20を通過して1つの平行光束に合成され、
ハーフミラー100に入射する。
【0113】ハーフミラー100を透過した光線はアナ
ライザ22に達する。アナライザ22を透過した光線i
1は、x軸に45゜の方位の直線偏光となり、反射され
た光線i2はx軸に135゜の方位の直線偏光となる。
他方、ハーフミラー100で反射された残りの光束は、
1/4波長板102を通過し、アナライザ104に達す
る。アナライザ104透過した光線i11はx軸に45゜
の方位の直線偏光となり、反射された光線i22はx軸に
135゜の方位の直線偏光となる。
【0114】この場合において、スライドガラス40上
の2つのビーム間に位相差を生じるような物体42など
が全くないときに、2つのノマルスキープリズム14,
20の間で2つの光線に与えられる位相差の初期値が2
πの整数倍になるように、ノマルスキープリズム14を
光軸AXを横切る方向にアクチェータ152によって位
置調整している。なお、アクチェータ152は、コンピ
ュータ148によって制御されている。
【0115】光線i1,i2は、レンズ120,122に
よってそれぞれ屈折され、光電変換素子(あるいは撮像
素子)124,126によってそれぞれ光電変換され
る。一方、光線i11,i22は、レンズ128,130に
よってそれぞれ屈折され、光電変換素子132,134
によってそれぞれ光電変換される。光電変換素子12
4,126からそれぞれ出力された1組の映像信号は、
差動増幅器136に供給されて差動信号が出力される。
また、光電変換素子132,134からそれぞれ出力さ
れた1組の映像信号は、差動増幅器138に供給されて
差動信号が出力される。
【0116】これらの差動信号は除算器140に供給さ
れ、ここで差動信号の比,すなわち差動出力比Srが演
算される。続いて、差動出力比Srの逆正接,すなわち
物体の微分位相分布が逆正接演算器142で演算され、
これが同期装置144を介して画像表示部146に供給
されて差分位相分布が表示される。なお、同期装置14
4は、差画像演算,除算,や逆正接演算などの処理と、
XY走査部116とのビーム走査とが同期して行われる
ように制御するための回路で、コンピュータ148の指
示に基づいて動作している。
【0117】他方、コンピュータ148では、逆正接演
算器142の出力がD/A変換され、画像データとして
蓄積される。観察者は、インターフェース150から蓄
積された画像データの画像表示部146への表示や他の
画像演算の実行を選択できる。前記実施例と同様に、コ
ンピュータ148により、微分位相分布をシャー方向に
ついて積分し、観察者が入力する適当な初期位相値を加
えることで、絶対位相分布を演算し、その結果をD/A
変換して画像表示部146に出力するようにしてもよ
い。あるいは、差動増幅器136,138で得られた差
画像を表示するようにしてもよい。更に、観察者は、イ
ンターフェース150を介してコンピュータ148に必
要な情報,例えば画像取り込みの指示や蓄積された画像
データの呼び出しなどをインプットできる。
【0118】なお、本実施例は、微分干渉顕微鏡の光学
系を踏襲したレーザ走査顕微鏡の構成となっているた
め、光線分離手段(ノマルスキープリズム14)によっ
て生ずる物体上の2つのビームの振幅や位相情報は、光
線合成手段(ノマルスキープリズム20)における2つ
の光波の干渉によって生じる1つの光線に保存される。
このため、像平面以外の位置,例えば瞳共役平面近傍な
どに設置された光電変換素子によっても微分干渉像は得
られる。従って、光電変換素子の設置位置は、光線合成
手段以降ならばどこでもよい。以下の実施例についても
同様である。
【0119】また、本実施例では、図8の装置と比較し
て、ポラライザが存在しないが、これは、レーザ光源1
10の出力が、一定偏光方向の直線偏光となっているた
めであり、基本的な作用は前記図8の装置と同様であ
る。また、前記図1〜図7に示した実施例でも、アクチ
ュエータ118による調整作業を行うようにしてよい。
【0120】
【実施例の基本的構成4】次に、図10を参照しながら
他の基本的構成について説明する。上述した図8は透過
照明法に基づく装置構成であるが、この図10は落射照
明法に基づく装置構成となっている。この落射照明方法
では、上述したように、コンデンサレンズと対物レンズ
が共用されるとともに、ノマルスキープリズムも一つに
なる。また、物体からの反射光はハーフミラーによって
照明光学系の光軸と別の方向に取り出される。
【0121】同図において、光軸AX0に沿って進行す
る照明光i00は、ポラライザ10,1/4波長板12を
順に通過してハーフミラー200に入射し、これにより
光軸AXに沿ってノマルスキープリズム202方向に反
射される。この照明光は、ノマルスキープリズム202
及び対物レンズ204の作用により、物体面S(座標X
3,Y3の平面)上で2δシャーした照明光EO,OEに
なる。照明光EOはy軸に平行な偏波面の直線偏光であ
り、照明光OEはx軸に平行な偏波面の直線偏光であ
る。前記(3)式に示したように、これら照明光EO,
OEの相対的な位相差αは、ポラライザ角θ1を変化さ
せることで可変である。物体によって反射された照明光
は、対物レンズ204,ノマルスキープリズム202に
よって再び1つの照明光に合成され、ハーフミラー20
0を透過してハーフミラー100に入射する。以後は、
上述した図8の装置と同様である。
【0122】なお、物体が位相差のない完全な鏡面であ
る場合に、物体とノマルスキープリズム202の間で、
照明光EO,OE間に与えられる位相差が2πの整数倍
になるように、ノマルスキープリズム202が光軸AX
を横切る方向に位置調整される。
【0123】この装置構成によれば、前記実施例3,4
と同様に、照明光を反射する物体に対して適用できると
ともに、コンデンサレンズ及び対物レンズ,あるいはノ
マルスキープリズムを共用できるという利点がある。以
下、この基本構成に対応する実施例を説明する。
【0124】
【実施例6】最初に、図11を参照しながら実施例6に
ついて説明する。この実施例は、図9に示した実施例5
を落射照明法で構成した例である。レーザ光源110か
ら射出された光線は、ビームエキスパンダー112,X
Y走査部116,第1リレーレンズ36,第2リレーレ
ンズ38を順に経て、対物レンズ204の瞳面と共役な
面の近傍に位置する1/4波長板12をそれぞれ通過
し、瞳投影レンズ76による屈折の後、ハーフミラー2
00に入射する。ハーフミラー200によって光軸AX
に沿って反射された光線は、対物レンズ204の瞳位置
近傍に位置するノマルスキープリズム202,対物レン
ズ204による分離,屈折作用の後に、スライドガラス
40上の物体42を落射照明する。
【0125】物体42上ではノマルスキープリズム20
2の働きによってわずかに位置がずれた2つのスポット
が近接して形成され、これらのスポットがXY走査部1
16の働きによって物体42上を2次元走査する。物体
42で反射された光線は、対物レンズ204,ノマルス
キープリズム202を再度通過し、合成された光線がハ
ーフミラー200に入射する。そして、ハーフミラー2
00を透過した光線がハーフミラー100に入射する。
以後の動作は、実施例5と同様である。
【0126】
【実施例7】次に、図12を参照しながら実施例7につ
いて説明する。この実施例7は、上述した実施例6とほ
ぼ同様の光学構成となっている。本実施例では、XY走
査部116が物体42からの反射光がもう一度通過する
ような配置,すなわちハーフミラー200と物体42と
の間に配置されており、いわゆるコンフォーカル顕微鏡
の光学構成となっている。従って、光電変換素子12
4,126,132,134に入射する光線は、物体4
2上におけるレーザビームの2次元走査にかかわらず常
に静止するので、レンズ120,122,128,13
0によってこれらを集光し、集光点(物点と共役な点)
にピンホール210,212,214,216をそれぞ
れ設けて不必要なフレアーなどの光を減少させている。
【0127】なお、コンフォーカル顕微鏡でピンホール
のサイズを十分小さくすると、得られる光学像はインコ
ヒーレント照明によって得られる像と同一となり、レー
ザ光源を用いてもコヒーレント照明よりも解像限界を向
上させることができる。
【0128】
【他の実施例】この発明には数多くの実施の形態があ
り、以上の開示に基づいて多様に改変することが可能で
ある。例えば、次のようなものも含まれる。 (1)前記実施例では、位相差の調整手段を1/4波長
板と回転可能なポラライザによって構成したが、ノマル
スキープリズムを光軸を横切る方向に出し入れすること
でも同様の効果を達成可能であり、かかる手法を適用し
てもよい。また、)液晶などの屈折率を可変な素子を用
いることも可能である。
【0129】(2)実施例1〜4においてビーム状の照
明光を走査するようにしてもよいし、実施例5〜7にお
いて一定面積の照明光を用いるようにしてもよい。
【0130】(3)前記実施例では、光を2次元走査し
たが、ライン状の光を1次元走査するようにしてもよ
い。その他、必要に応じてリレー光学系やミラーを用い
てよい。光源も、水銀ランプの他、各種のものを用いて
よい。
【0131】(4)前記実施例では、光をシャーするた
めの手段として複屈折性プリズムであるノマルスキープ
リズムを用いたが、同様の作用を奏する他の手段を用い
てもよい。 (5)以上の説明では、(18)式のθ1がゼロである場合
であるとしたが、θ1は測定可能であるので、例えば
(9)式より次の(25)式を得れば、簡単にψが算出可
能である。
【0132】
【数25】
【0133】他の方法で位相差分像を求めるようにして
もよい。前記実施例では、微分干渉像から物体の振幅分
布に起因する成分を除去することに主眼を置いている。
このことは、(9),(10),(11),(12)式を用い
ると簡単であったが、これに限るものではなく、例えば
(7)式からa(x)b(x)を除去することは別の方法
でも可能である。
【0134】図4,図5において、偏光ビームスプリッ
タ又はアナライザ22のアナライザ角を、ノマルスキー
プリズム20を出射する直線偏光の光線OEもしくはE
Oの偏光方向に平行とすれば、a2(x)に比例した像も
しくはb2(x)に比例した像が、光線i1とi2により形
成される。これらの像の強度の平方根を用いれば、a
(x),b(x)に比例した像ができ、これによりa
(x)b(x)を(7)式から消去することも可能であ
る。
【0135】他の方法として、例えば(18)式を用いれ
ば、次の(26)式から容易に求めることができる。これ
ら(18),(26)式から、(27)式が得られる。ここ
で、ASNは逆正弦関数であり、ACSNは逆余弦関数
である。この(27)式の方法を用いれば、a2(x),b
2(x)に比例した像を別々に形成する必要はなく、上述
した光学系のいずれもが使用可能である。
【0136】
【数26】
【数27】
【0137】更に、(12)式の応用の他の例としては、
θ1を色々に変化させて、そのときの段差ψを前記(2
5)式から複数求め、それら複数の測定値の平均値から
段差ψを求める方法が考えられる。例えば、θ1=0
゜,22.5゜,45゜,67.5゜,90゜に設定す
れば、段差ψの平均値ψmは、次の(28)式で示され
る。
【0138】
【数28】
【0139】このように、平均的な段差ψmを求めるこ
とで、電気的,光学的な誤差を平均化することができ
る。また、光学的な伝達関数を周波数領域で考えたと
き、伝達関数の周波数特性を平均化する作用があって望
ましい。
【0140】次に、段差位相差分量を測定したいポイン
トx=xpとすれば、その位置での段差ψpは、(25)式
の左辺がゼロとなるように、ポラライザ角θ1をθ1pに
調整し、そのときのポラライザ角からψp=2θ1pとし
てψpが求められる。(25)式をゼロとすると、逆正接
の演算を行うときの誤算の影響を回避することができ、
測定精度をより向上できる。また、(25)式から位相分
布を求める際に、2θ1=45゜とすると、物体の反射
率の分布による電気的な非線形性による測定誤差を小さ
くできる。これは、正反射光の影響が2つの差画像で同
じになり、4つの位相差の像の明るさが同等になるため
である。
【0141】(6)本発明は、上述したように位相物体
の観察に適するものであるが、例えば半導体製造などの
分野で使用されるマスクに付着した異物などを検査する
装置などの物体観察全般に適用できる。
【0142】図13は、反射式の本発明の顕微鏡をレチ
クル302上の位相シフタ300の膜厚測定に応用した
例である。図(B),(C)のように、位相差分量ψ
(x)から位相分布h(x)を算出すれば、信号強度と基
準膜厚を比較して容易に膜厚の検査を行うことができ
る。
【0143】図14は、透過式の本発明のレーザ走査式
顕微鏡によってレチクル3020上の光透過性の異物3
010を検出する例である。レチクル3020上にはク
ロム遮光パターン3000が描画されている。なお、レ
チクルは、通常光を透過させるガラス基板3021でで
きており、クロム遮光パターン上の異物は実用上問題な
く検出する必要もない。この場合も、図14の(B),
(C)のように位相差分量ψ(x)から位相分布h(x)
を算出でき、容易に異物3010を検出できる。
【0144】閾値処理は、ψ(x)を用いるときは2つ
のレベル,基準レベル1又は2を、h(x)を用いると
きは基準レベル3を、それぞれ用意する。なお、図14
(A)の位置P2,P3をレーザ光が照明しても、ψ
(x)はゼロである。 (7)図15は、本発明の実施例8であって、前記実施
例6とほぼ同じである。相違点は、1/2波長板103
が追加されたことである。1/2波長板103は、アク
チュエータ119を介してコンピュータ148により制
御され、相対的な角度調整がなされる。1/2波長板1
03の回転角度は、偏光ビームスプリッタ22のアナラ
イザ角の2倍に等しい。従って、1/2波長板103の
角度を調整することで、偏光ビームスプリッタ22のア
ナライザ角を任意に設定できる。
【0145】アナライザ角をノマルスキープリズム20
2のシャー方向と90゜に合致させれば、光電変換素子
132には図5におけるEO線の成分のみが到達し、光
電変換素子134にはOE線の成分のみが到達する。従
って、光電変換素子132は、b2(x)に比例した像を
出力し、光電変換素子134はa2(x)に比例した像を
出力する。これらの強度信号の平方根を信号処理回路1
39で計算し、信号処理回路140内で差動増幅器13
6の出力である(7)式のS+(x,θ1)からa(x)b
(x)を除去する。
【0146】そして、この逆正接を求めると、位相微分
値ψ(x)を求めることが可能である。また、同様に、
光電変換素子124又は126の出力から、a2(x),
b2(x),a(x)b(x)の3つの係数を別々に除去す
ることが可能である。 (8)図16は、本発明の実施例9であり、実施例6に
1/2波長板11とアクチュエータ153を追加した。
位相微分分布の測定方法が異なる。本実施例では、2θ
1=45゜として、位相微分値ψ(x)を測定する。この
ため、1/2波長板11を透過した直線偏光の偏波面の
角度θ1は22.5゜となる。この条件では、物体が鏡
面のとき、2つの差動出力,(6)式のS+,S-の値が
同一の強度となる。つまり、正反射光の影響がS+,S-
で同一となるため、測定精度が向上する。なお、1/2
波長板11は、アクチュエータ153を介して角度の調
整が行われる。
【0147】(9)前記実施例9において、異なる方法
で位相微分値を計測することも可能である。1/2波長
板のポラライザ角2θ1を基本構成のところで説明した
ように、複数の値に設定し、その都度(12)式等により
位相微分値ψ(X)を求め、それらの平均値を求めるこ
とで、位相微分値の測定精度の向上を図ることができ
る。
【0148】(10)図13の(A),(C)の関係から明
らかなように、位相分布像は垂直な傾きのエッジ部分で
も(段差/シャー量)の傾き(=位相微分値)として再
生される。このため、実物と差異を生じることになる。
これを緩和するには、次の2つの方法がある。
【0149】シャー量は、ノマルスキープリズムを取
り替えれば可変できる。従って、物体の傾きによって最
適なシャー量を選択する。位相差分値ψは(11)式波長
をλとすれば、(+λ/4〜−λ/4)のψ(x)(=
差分値=段差=シャー量×位相微分値)まで測定可能で
ある。従って、シャー量と測定範囲は、次の表2のよう
になる。この表2より、シャー量を小さくすれば、大き
な傾きを測定可能となる。しかし、小さな傾きのコント
ラストが悪化する。
【0150】
【表2】
【0151】シャーによる影響は1方向なので、シャ
ーの方向を物体に対して複数設定し、複数の位相差分
(微分)像を得、これを合成することも効果的である。
この場合、合成の方法としては、複数の位相差分(微
分)値の絶対値の中から最大値を採用して1つの位相差
分(微分)値のデータを作成し、これから位相分布像を
得ればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の第1の基本的な構成を示す
斜視図である。
【図2】図1の主要構成要素の基本的な作用を示す図で
ある。
【図3】この発明の実施例1を示す図である。
【図4】この発明の実施例2を示す図である。
【図5】この発明の実施例の第2の基本的な構成を示す
斜視図である。
【図6】この発明の実施例3を示す図である。
【図7】この発明の実施例4を示す図である。
【図8】この発明の実施例の第3の基本的な構成を示す
斜視図である。
【図9】この発明の実施例5を示す図である。
【図10】この発明の実施例の第4の基本的な構成を示
す斜視図である。
【図11】この発明の実施例6を示す図である。
【図12】この発明の実施例7を示す図である。
【図13】レチクル上のパターンと位相量との関係を示
す図である。
【図14】レチクル上のパターンと位相量との関係を示
す図である。
【図15】この発明の実施例8を示す図である。
【図16】この発明の実施例9を示す図である。
【符号の説明】
10…ポラライザ 12,102…1/4波長板 14,20,72,202…ノマルスキープリズム 16…コンデンサレンズ 18,74,204…対物レンズ 22,104…アナライザ(偏光ビームスプリッタ) 30…水銀ランプ 32…干渉フィルタ 34…コレクタレンズ 36,38…リレーレンズ 40…スライドガラス 42…物体 44,48,120,122,128,130…レンズ 46,50…2次元撮像素子 52,136,138…差動増幅器 54…画像蓄積部 56,148…コンピュータ 58,118,152…アクチュエータ 60,146…画像表示部 62,150…インターフェース 64…画像格納部 70,100,200…ハーフミラー 76…瞳投影レンズ 110…レーザ光源 112…ビームエキスパンダ 114…反射ミラー 116…XY走査部 124,126,132,134…光電変換素子 140…除算器 142…逆正接演算器 144…同期装置 210,212,214,216…ピンホール

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体を照明するための光を供給する照明
    手段;これによって供給された光のうち、直交する第1
    及び第2の偏光方向の光の位相差を任意に調整するため
    の位相差調整手段;これによって位相差が調整された第
    1の偏光方向の光と第2の偏光方向の光の光軸を相対的
    にシャーして観察対象の物体に照射する光分離手段;物
    体を透過又は反射した前記第1の偏光方向の光と第2の
    偏光方向の光を合成する光合成手段;この光合成手段か
    ら供給された光による画像を得るための撮像手段;前記
    位相差調整手段によって第1,第2,第3,第4の異な
    る位相差を与えたときに前記撮像手段でそれぞれ得られ
    た第1,第2,第3,第4の画像を格納するための画像
    格納手段;これに格納された画像のうち、位相差の差が
    πの整数倍となる画像間で信号強度の差を求めて、第1
    及び第2の差画像を得るための差画像生成手段;これに
    よって得られた差画像の比を算出するための差画像比算
    出手段;これによって算出された差画像比に基づいて物
    体の位相差分像を得るための位相差分算出手段;を備え
    たことを特徴とする物体観察装置。
  2. 【請求項2】 物体を照明するための光を供給する照明
    手段;これによって供給された光のうち、直交する第1
    及び第2の偏光方向の光の位相差を任意に調整するため
    の位相差調整手段;これによって位相差が調整された第
    1の偏光方向の光と第2の偏光方向の光の光軸を相対的
    にシャーして観察対象の物体に照射する光分離手段;物
    体を透過又は反射した前記第1の偏光方向の光と第2の
    偏光方向の光を合成する光合成手段;この光合成手段か
    ら供給された光から、第3及び第4の異なる偏光方向に
    おいて可干渉な偏光成分をそれぞれ得るためのフィルタ
    手段;このフィルタ手段によって得られた第3の方向の
    可干渉な偏光成分に基づいて第1の像を得るとともに、
    第4の方向の可干渉な偏光成分に基づいて第2の像を得
    るための撮像手段;この撮像手段によって得られた第1
    及び第2の像の信号強度の差を示す差画像を得るための
    差画像生成手段;前記位相差調整手段によって第1の位
    相差が与えられたときに得られた第1の差画像と、第2
    の位相差が与えられたときに得られた第2の差画像との
    比を算出する差画像比算出手段;これによって算出され
    た差画像比に基づいて物体の位相差分像を得るための位
    相差分算出手段;とを備えたことを特徴とする物体観察
    装置。
  3. 【請求項3】 物体を照明するための光を供給する照明
    手段;これによって供給された光のうち、直交する第1
    及び第2の偏光方向の光の位相差を任意に調整するため
    の位相差調整手段;これによって位相差が調整された第
    1の偏光方向の光と第2の偏光方向の光の光軸を相対的
    にシャーして観察対象の物体に照射する光分離手段;物
    体を透過又は反射した前記第1の偏光方向の光と第2の
    偏光方向の光を合成する光合成手段;この光合成手段か
    ら供給された光を第1及び第2の光に振幅分割する光分
    割手段;前記第1又は第2の光のうちの一方の光をな
    す、直交する偏波面の2つの直線偏光の成分の位相差に
    対して、更にπの整数倍にπ/2を加えた位相差を加え
    る、位相差付加手段;分割後の第1の光から、第3及び
    第4の異なる偏光方向において前記第1,第2の偏光方
    向の成分から可干渉な偏光成分をそれぞれ得るための第
    1のフィルタ手段;分割後の第2の光から、第5及び第
    6の異なる偏光方向において前記第1,第2の偏光方向
    の成分から可干渉な偏光成分をそれぞれ得るための第2
    のフィルタ手段;これら第1及び第2のフィルタ手段に
    よって得られた第3,第4,第5,第6の方向の偏光成
    分に基づいてそれぞれ像を得るための撮像手段;これに
    よって得られた画像のうち、前記第1,第2の偏光方向
    の成分の位相差の相対的な差がπの整数倍となる2対の
    画像間でそれぞれ信号強度の差を求めて、第1及び第2
    の差画像を得るための差画像生成手段;これによって得
    られた差画像の信号強度の比を算出するための差画像比
    算出手段;これによって算出された差画像比に基づいて
    物体の位相差分像を得るための位相差分算出手段;とを
    備えたことを特徴とする物体観察装置。
  4. 【請求項4】 物体を照明するための光を供給する照明
    手段;これによって供給された光のうち、直交する第1
    及び第2の偏光方向の光の位相差を任意に調整するため
    の位相差調整手段;これによって位相差が調整された第
    1の偏光方向の光と第2の偏光方向の光の光軸を相対的
    にシャーして観察対象の物体に照射する光分離手段;物
    体を透過又は反射した前記第1の偏光方向の光と第2の
    偏光方向の光を合成する光合成手段;この光合成手段か
    ら供給された光による画像を得るための撮像手段;前記
    位相差調整手段によって第1,第2,第3,第4の異な
    る位相差を与えたときに前記撮像手段でそれぞれ得られ
    た第1,第2,第3,第4の画像を格納するための画像
    格納手段;これに格納された画像のうち、位相差の差が
    πの整数倍となる画像間で信号強度の差を求めて、第1
    及び第2の差画像を得るための差画像生成手段;これら
    の差画像に基づいて物体の位相差分像を得るための位相
    差分算出手段;を備えたことを特徴とする物体観察装
    置。
  5. 【請求項5】 物体を照明するための光を供給する照明
    手段;これによって供給された光のうち、直交する第1
    及び第2の偏光方向の光の位相差を任意に調整するため
    の位相差調整手段;これによって位相差が調整された第
    1の偏光方向の光と第2の偏光方向の光の光軸を相対的
    にシャーして観察対象の物体に照射する光分離手段;物
    体を透過又は反射した前記第1の偏光方向の光と第2の
    偏光方向の光を合成する光合成手段;この光合成手段か
    ら供給された光から、第3及び第4の異なる偏光方向に
    おいて可干渉な偏光成分をそれぞれ得るためのフィルタ
    手段;このフィルタ手段によって得られた第3の方向の
    可干渉な偏光成分に基づいて第1の像を得るとともに、
    第4の方向の可干渉な偏光成分に基づいて第2の像を得
    るための撮像手段;この撮像手段によって得られた第1
    及び第2の像の信号強度の差を示す差画像を得るための
    差画像生成手段;これらの差画像に基づいて物体の位相
    差分像を得るための位相差分算出手段;とを備えたこと
    を特徴とする物体観察装置。
  6. 【請求項6】 物体を照明するための光を供給する照明
    手段;これによって供給された光のうち、直交する第1
    及び第2の偏光方向の光の位相差を任意に調整するため
    の位相差調整手段;これによって位相差が調整された第
    1の偏光方向の光と第2の偏光方向の光の光軸を相対的
    にシャーして観察対象の物体に照射する光分離手段;物
    体を透過又は反射した前記第1の偏光方向の光と第2の
    偏光方向の光を合成する光合成手段;この光合成手段か
    ら供給された光を第1及び第2の光に振幅分割する光分
    割手段;前記第1又は第2の光のうちの一方の光をな
    す、直交する偏波面の2つの直線偏光の成分の位相差に
    対して、更にπの整数倍にπ/2を加えた位相差を加え
    る、位相差付加手段;分割後の第1の光から、第3及び
    第4の異なる偏光方向において前記第1,第2の偏光方
    向の成分から可干渉な偏光成分をそれぞれ得るための第
    1のフィルタ手段;分割後の第2の光から、第5及び第
    6の異なる偏光方向において前記第1,第2の偏光方向
    の成分から可干渉な偏光成分をそれぞれ得るための第2
    のフィルタ手段;これら第1及び第2のフィルタ手段に
    よって得られた第3,第4,第5,第6の方向の偏光成
    分に基づいてそれぞれ像を得るための撮像手段;これに
    よって得られた画像のうち、前記第1,第2の偏光方向
    の成分の位相差の相対的な差がπの整数倍となる2対の
    画像間でそれぞれ信号強度の差を求めて、第1及び第2
    の差画像を得るための差画像生成手段;これらの差画像
    に基づいて物体の位相差分像を得るための位相差分算出
    手段;とを備えたことを特徴とする物体観察装置。
  7. 【請求項7】 物体を照明するための光を供給する照明
    手段;これによって供給された光のうち、直交する第1
    及び第2の偏光方向の光の位相差を任意に調整するため
    の位相差調整手段;これによって位相差が調整された第
    1の偏光方向の光と第2の偏光方向の光の光軸を相対的
    にシャーして観察対象の物体に照射する光分離手段;物
    体を透過又は反射した前記第1の偏光方向の光と第2の
    偏光方向の光を合成する光合成手段;この光合成手段か
    ら供給された光による画像を得るための撮像手段;前記
    位相差調整手段によって第1,第2の異なる位相差を与
    えたときに前記撮像手段でそれぞれ得られた第1,第2
    の画像を格納するための画像格納手段;回転可能なアナ
    ライザ手段;これに格納された画像のうち、位相差の差
    がπの整数倍となる画像間で信号強度の差を求めて、第
    1の差画像を得るための差画像生成手段;アナライザ手
    段を2つの角度に設定し、第1,第2の明視野像を得る
    明視野像生成手段;これらの1つの差画像と2つの明視
    野像に基づいて物体の位相差分像を得るための位相差分
    算出手段;を備えたことを特徴とする物体観察装置。
  8. 【請求項8】 物体を照明するための光を供給する照明
    手段;これによって供給された光のうち、直交する第1
    及び第2の偏光方向の光の位相差を任意に調整するため
    の位相差調整手段;これによって位相差が調整された第
    1の偏光方向の光と第2の偏光方向の光の光軸を相対的
    にシャーして観察対象の物体に照射する光分離手段;物
    体を透過又は反射した前記第1の偏光方向の光と第2の
    偏光方向の光を合成する光合成手段;この光合成手段か
    ら供給された光から、前記第1,第2の偏光方向及び他
    の第3及び第4の異なる偏光方向において偏光成分をそ
    れぞれ得るためのフィルタ手段;このフィルタ手段によ
    って得られた第3の方向の可干渉な偏光成分に基づいて
    第1の像を得、第4の方向の可干渉な偏光成分に基づい
    て第2の像を得、第1の方向の第3の像と第2の方向の
    第4の像を得るための撮像手段;この撮像手段によって
    得られた第1及び第2の像の信号強度の差を示す差画像
    を得るための差画像生成手段;前記位相差調整手段によ
    って第1の位相差が与えられたときに得られた第1の差
    画像と、前記第3,第4の像に基づいて物体の位相差分
    像を得るための位相差分算出手段;とを備えたことを特
    徴とする物体観察装置。
  9. 【請求項9】 前記位相差調整手段が、回転可能なポラ
    ライザ及び1/4波長板を含むことを特徴とする請求項
    1,2,3,4,5,6,7,又は8記載の物体観察装
    置。
  10. 【請求項10】 前記位相差調整手段が、電圧によって
    屈折率が制御可能な液晶であることを特徴とする請求項
    1,2,3,4,5,6,7又は8記載の物体観察装
    置。
  11. 【請求項11】 前記位相差調整手段が、光軸を横切る
    方向に前記光分離手段及び前記光合成手段の少なくとも
    一方を移動させる手段であることを特徴とする請求項
    1,2,3,4,5,6,7,又は8記載の物体観察装
    置。
  12. 【請求項12】 前記光分離手段及び光合成手段の少な
    くとも一方が複屈折性プリズムであることを特徴とする
    請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10又は
    11記載の物体観察装置。
  13. 【請求項13】 前記フィルタ手段が偏光ビームスプリ
    ッタを含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,
    5,6,7,8,9,10,11又は12記載の物体観
    察装置。
  14. 【請求項14】 前記照明手段が、レーザ光源と、これ
    から出力されたレーザビームを走査する走査手段を含む
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12又は13記載の物体観察装
    置。
  15. 【請求項15】 前記走査手段を、物体を透過又は反射
    した光の光路中に配置するとともに、物点と共役な位置
    にピンホールを設けたことを特徴とする請求項14記載
    の物体観察装置。
  16. 【請求項16】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14又は15記載の
    物体観察装置であって、位相微分像,位相分布像,位相
    差分像の少なくとも1つを表示することを特徴とする物
    体観察装置。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の物体観察装置であっ
    て、複数の異なる光軸のシャー方向によって得られる複
    数の位相差分像を用いて、位相微分像,位相分布像,位
    相差分像の少なくとも1つを表示することを特徴とする
    物体観察装置。
  18. 【請求項18】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14,15,16又
    は17記載の物体観察装置であって、光軸のシャー量を
    可変としたことを特徴とする物体観察装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008111726A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Olympus Corp 3次元位相計測方法とそれに使われる微分干渉顕微鏡
CN109062018A (zh) * 2018-10-19 2018-12-21 许之敏 一种三波长反射式数字全息显微镜

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