JPH091444A - 工作機械における切削負荷状態の監視方法及びその装置 - Google Patents

工作機械における切削負荷状態の監視方法及びその装置

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JPH091444A
JPH091444A JP17151195A JP17151195A JPH091444A JP H091444 A JPH091444 A JP H091444A JP 17151195 A JP17151195 A JP 17151195A JP 17151195 A JP17151195 A JP 17151195A JP H091444 A JPH091444 A JP H091444A
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cutting
cutting load
actual cutting
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JP17151195A
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Satoshi Nagashima
聡 長島
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Hitachi Seiki Co Ltd
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Hitachi Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実切削負荷が無負荷設定値より下がった場合
に、これが正常な切削によるものかチッピングなど異常
な切削状態の発生によるものかの判別をすることができ
る工作機械における切削負荷状態の監視方法及びその装
置を提供する。 【構成】 工作機械における実切削負荷が無負荷設定値
より下がった場合に、前記実切削負荷の下降経時変化率
の大小と、前記実切削負荷が無負荷設定値以下の状態に
なる無負荷検出時間とにより、正常な切削状態と異常な
切削状態とを判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、数値制御(NC)旋盤
など工作機械における切削負荷状態を監視する監視方法
及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】NC旋盤,マシニングセンタなど工作機
械の数値制御装置(以下、NC装置と記載)は、各種加
工を行うためのNCプログラムを加工プログラムメモリ
に記憶させておき、加工作業を行う場合には必要なNC
プログラムをこの加工プログラムメモリから呼び出して
加工動作を制御する。NC旋盤の主軸にチャッキングさ
れたワーク(工作物)を刃物台に取付けられた工具で切
削する加工動作中には、ワーク及び主軸を駆動する主軸
モータと、刃物台を送り軸を介して駆動する送り軸用サ
ーボモータに、それぞれ切削負荷がかかる。これらの切
削負荷をそれぞれ検出して、NC旋盤における切削負荷
状態を監視している。
【0003】切削負荷状態を監視する場合に、切削負荷
状態が無負荷の状態になっているか否かの判断の基準と
して、無負荷設定値を予め設定しておく場合がある。正
常な状態で工具がワークを常に切削し続けている時に
は、実切削負荷が無負荷設定値より下がることはない。
【0004】ところが、切削中に工具の切れ刃にチッピ
ング等が生じる場合や、ワーク又は工具の種類を間違え
て取付けたり,ワークや工具が取付けられていない等取
付けミスが生じることがある。このようなことが発生す
ると、実切削負荷が無負荷設定値より下がったり、監視
区間中に実切削負荷が無負荷設定値を越えない状態が続
くことになる。ところで、NC旋盤により鉄道車両用の
車輪等を切削する場合には、一つの車輪(ワーク)に対
して切り込み量を変えながら複数回切削するので、切り
込み量が殆ど零になる時がある。このような切削では、
正常な切削を行っているにも拘らず、実切削負荷が無負
荷設定値とほぼ等しくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、実切削負
荷が無負荷設定値より下がった場合の原因には、切り込
み量が小さい正常な切削によるものと、工具の切れ刃の
チッピングなど異常な切削状態の発生によるものとがあ
る。特に、NC旋盤により車輪を切削する場合には、実
切削負荷が切削監視区間内で無負荷設定値を越えない切
削があった場合に異常な切削状態の発生と判断して直ち
に無負荷のアラームを出すと、正常な切削にも拘らず機
械の停止等の事態に至る。かかる事態を防止するため
に、実切削負荷の急下降によるアラームは出力せずに、
取付けミスの場合にのみアラームを出力すれば、工具の
チッピング等の異常切削状態の発生を検出することがで
きなくなってしまう。このように、従来の切削負荷状態
の監視方法では、前記正常な切削状態とチッピングなど
異常な切削状態の発生との判別をすることができなかっ
た。
【0006】特開平3−178752号公報には、工具
負荷監視制御方式に関する技術が開示されているが、こ
のものは、切削監視区間の判別を行う技術であり、切削
負荷状態のうち無負荷状態が正常な切削状態か異常な切
削状態の発生によるものかを判別する技術とは異なるも
のである。
【0007】本発明は、斯かる課題を解決するためにな
されたもので、実切削負荷が無負荷設定値より下がった
場合に、これが正常な切削によるものかチッピングなど
異常な切削状態の発生によるものかの判別をすることが
できる工作機械における切削負荷状態の監視方法及びそ
の装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明に係る工作機械における切削負荷状態の監視
方法は、工作機械における実切削負荷が無負荷設定値よ
り下がった場合に、前記実切削負荷の下降経時変化率の
大小と、前記実切削負荷が無負荷設定値以下の状態にな
る無負荷検出時間とにより、正常な切削状態と異常な切
削状態とを判別している。
【0009】また、工作機械における実切削負荷が無負
荷設定値より小さい場合に、監視中に前記実切削負荷が
前記無負荷設定値を越えたことがあるか否かと、前記実
切削負荷の下降経時変化率の大小と、前記実切削負荷が
無負荷設定値以下の状態になる無負荷検出時間とによ
り、正常な切削状態と異常な切削状態とを判別すること
が好ましい。
【0010】なお、前記実切削負荷の下降経時変化の傾
きと、記憶部に予め記憶され且つ実切削負荷基準値に対
応する所定の基準傾きとを比較することにより、前記下
降経時変化率の大小を判断してもよい。または、これに
代えて、前記実切削負荷の下降経時変化の傾きと、前記
実切削負荷が前記無負荷設定値以下になる直前の実切削
負荷平均値に基づく下降経時変化の基準傾きとを比較す
ることにより、前記下降経時変化率の大小を判断しても
よい。
【0011】前記監視方法を実現するための本発明に係
る切削負荷状態監視装置は、工作機械における実切削負
荷を算出して読込む実切削負荷読込み部と、この実切削
負荷読込み部から出力される前記実切削負荷が所定の無
負荷設定値より小さいか否かを判定する切削負荷無負荷
大小判定部と、前記実切削負荷の下降経時変化率の大小
を判定する下降経時変化率大小判定部と、前記実切削負
荷が前記無負荷設定値以下の状態になる無負荷検出時間
が所定の設定時間より長いか否かを判定する無負荷時間
判定部と、前記3つの判定部の各判定結果に基づいて正
常な切削状態と異常な切削状態とを判別してアラーム出
力部に信号を出力する演算部とを備えている。なお、前
記切削負荷無負荷大小判定部は、監視中に前記実切削負
荷が前記無負荷設定値を越えたことがあるか否かの判定
も行うことが好ましい。
【0012】また、好ましい一態様として、前記下降経
時変化率大小判定部は、前記実切削負荷の下降経時変化
の傾きを計算する実切削負荷傾き計算部と、基準傾きを
計算する基準傾き計算部と、前記実切削負荷傾き計算部
により算出された下降経時変化の傾きと前記基準傾き計
算部により算出された前記基準傾きとを比較する傾き大
小判定部とを備えている。
【0013】
【作用】前述のように、車輪などワークに対して切り込
み量を変えて切削をする途中で切り込み量がほぼ零にな
る場合には、これは正常な切削である。このような場合
には実切削負荷は通常ゆっくりと下降するので、その下
降経時変化率は小さくなり、下降経時変化の傾きも小さ
い。
【0014】これに対して、切削途中でチッピングなど
異常が発生すると、実切削負荷は急激に下降する。その
ため、下降経時変化率は大きくなってその下降経時変化
の傾きも大きくなり、且つ実切削負荷が無負荷設定値以
下になる状態が長い時間続くことになる。そこで、前記
下降経時変化の傾きの大小と前記無負荷検出時間とによ
り、現在正常な状態で切削が行われているか異常状態が
発生したかの判別をしている。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図7を参
照して説明する。
【0016】図1は切削状態を示すワークの部分断面図
である。本実施例では、ワーク1が例えば鉄道車両用の
車輪の場合に、これをNC工作機械としてのNC旋盤に
より切削加工する場合について説明する。通常、NC旋
盤はワーク1に対して切り込み量を変えて複数回切削す
る。例えば、車輪の加工の場合には軌跡2に従って1回
目の切削をし、次いで軌跡3に従って2回目の切削をす
る。この時、加工部分4で両軌跡2,3がほぼ接してい
る場合には、この加工部分4では2回目の切削における
切り込み量は殆ど零か例えば1[mm]未満になる。した
がって、2回目の切削時に加工部分4を切削している間
は、実切削負荷が無負荷設定値とほぼ等しくなる。
【0017】図2は実切削負荷と時間との関係を示すグ
ラフである。図中、符号B,Cは、それぞれ実切削負荷
の基準値及び無負荷設定値を示している。なお、基準値
Bは、実切削負荷の値を平均することにより算出され
る。無負荷設定値Cは、無負荷状態で主軸が回転した場
合、及び刃物台,送り軸等が移動した場合の、主軸モー
タ及び送り軸用サーボモータの負荷に基づいて決められ
る。軌跡2に従う1回目の切削の実切削負荷は曲線5で
表され、軌跡3に従う2回目の切削時の実切削負荷は曲
線6により表されている。即ち、曲線5,6は正常な切
削が行われている場合を示している。曲線6で示す2回
目の切削では、加工部分4で切り込み量がほぼ零になる
無負荷部分があり、実切削負荷が無負荷設定値Cより下
がった範囲Dが加工部分4の切削にほぼ対応している。
【0018】曲線7は、基準値Bに沿って正常な切削が
行われている途中で、何らかの原因で瞬間的に実切削負
荷が無負荷設定値Cより下がったが直ちに基準値Bに回
復した場合を示しているので、この場合は正常な切削と
判断して無負荷アラームを出力しない方が望ましい。曲
線8は、切削中に工具の切れ刃にチッピングが生じて実
切削負荷が無負荷設定値Cより下がった場合を示してい
る。線9は、工具又はワークの取付けミスにより、実切
削負荷が無負荷設定値C以下の状態で続いている場合を
示している。前記取付けミスとしては、工具又はワーク
の種類を間違った場合,工具又はワークが取付けられて
いない場合,NCプログラムにプログラミングミス,選
択ミス等の間違いがある場合等がある。
【0019】図3は本発明に係る切削負荷状態監視装置
のブロック図、図4は前記切削負荷状態監視装置の概略
構成図、図5は本発明に係る切削負荷状態の監視方法を
示すフローチャートである。図3に示すように、切削負
荷状態監視装置10の制御部において、CPU(中央処
理装置)20にはバスライン21が接続されている。バ
スライン21には、切削負荷状態監視のプログラムを記
憶しているプログラムメモリ22と、演算データを記憶
するRAM23と、パラメータなどデータを記憶するパ
ラメータメモリ24と、切削に使用される工具の状態を
記憶する工具状態メモリ25と、切削負荷状態を監視す
るために演算処理する切削監視部26とが接続されてい
る。
【0020】また、キーボード27から入力されたデー
タ,及びバスライン21を介して入力されたデータを表
示するためのCRT28と、監視条件を設定してパラメ
ータメモリ24に記憶させるための監視条件設定部29
と、実切削負荷読込み部30とが、バスライン21に接
続されている。監視条件設定部29では、監視のための
測定時間,判定時間T,Tn ,所定の設定時間T0 ,実
切削負荷の基準値B,無負荷設定値Cなど監視条件が設
定される。実切削負荷読込み部30は、ワーク1が取付
けられた主軸を駆動する主軸モータ,主軸に対して主軸
軸線方向(Z軸方向)及び主軸軸線と直交する方向(X
軸方向)に相対移動する工具が取付けられた刃物台を駆
動する送り軸用サーボモータの負荷電流を検知し、これ
をA/D変換することにより実切削負荷を算出して読込
んでいる。そして、この切削負荷状態監視装置10はC
PU20により統括制御される。
【0021】図4に示すように、切削負荷状態監視装置
10は、工作機械における実切削負荷を算出して読込む
実切削負荷読込み部30と、この実切削負荷読込み部3
0から出力される実切削負荷が所定の無負荷設定値Cよ
り小さいか否かを判定する切削負荷無負荷大小判定部4
0と、実切削負荷の下降経時変化率の大小を判定する下
降経時変化率大小判定部41と、実切削負荷が無負荷設
定値C以下の状態になる無負荷検出時間が所定の設定時
間より長いか否かを判定する無負荷時間判定部42と、
前記3つの判定部40,41,42の各判定結果に基づ
いて正常な切削状態と異常な切削状態とを判別してアラ
ーム出力部43に信号を出力する演算部44とを備えて
いる。
【0022】図3,図4に示すように、判定部40,4
1,42と演算部44とアラーム出力部43は、切削監
視部26に含まれている。なお、CPU20が演算部4
4を兼ねる場合でもよい。下降経時変化率大小判定部4
1は、実切削負荷の下降経時変化の傾きを計算する実切
削負荷傾き計算部45と、基準傾きを計算する基準傾き
計算部46と、実切削負荷傾き計算部45により算出さ
れた下降経時変化の傾きと基準傾き計算部46により算
出された基準傾きとを比較する傾き大小判定部47とを
備えている。
【0023】次に、切削負荷状態を監視する方法につい
て説明する。図6及び図7は、本発明の監視方法の一実
施例及び他の実施例をそれぞれ示すグラフである。
【0024】本発明の切削負荷状態の監視方法は、工作
機械(NC旋盤)における実切削負荷が、パラメータメ
モリ24に記憶されている無負荷設定値Cより下がった
場合に、実切削負荷の下降経時変化率の大小と、実切削
負荷が無負荷設定値以下の状態になる無負荷検出時間と
により、正常な切削状態と異常な切削状態との判別を行
っている。また、切削負荷無負荷大小判定部40は、監
視中に実切削負荷が無負荷設定値Cを越えたことがある
か否かについても判断する場合がある。
【0025】具体的には、下記の条件乃至を判別
し、工具のチッピング等を検出し、無負荷アラームの出
力を行う。 実切削負荷の下降経時変化率が大。 実切削負荷が無負荷設定値以下の状態になる無負荷検
出時間が、所定の設定時間より長い。 監視区間中に実切削負荷が無負荷設定値を越えたこと
がある。
【0026】下降経時変化率大小判定部41は、図6に
示すように、実切削負荷の下降経時変化の傾きS1 ,S
1aと、記憶部であるパラメータメモリ24に予め記憶さ
れ且つ実切削負荷の基準値Bに対応する所定の基準傾き
2 とを比較することにより、下降経時変化率の大小を
判断している。下降経時変化率の大小を判定する判定時
間Tは、主軸の回転数の指令と主軸オーバーライドの指
令とにより主軸回転数を算出し、主軸の一回転に必要な
時間の算出値に、パラメータメモリ24に予め記憶され
ているパラメータデータ(係数)を乗算して求めてい
る。もちろん、主軸の一回転に必要な時間の算出値を判
定時間Tにしてもよい。
【0027】図6の傾きS1 は、曲線8(図2)に示さ
れた傾きに基づくものであり、チッピングによる異常な
切削状態の発生を示している。実切削負荷傾き計算部4
5は、実切削負荷読込み部30から入力する実切削負荷
に基づいて、傾きS1 を計算する。傾き大小判定部47
は、この傾きS1 と所定の基準傾きS2 の大小を判定す
るために、基準傾き計算部46及び実切削負荷傾き計算
部45からそれぞれ入力する信号に基づいて、基準傾き
2 を含む三角形b,c,dの面積Fと、傾きS1を含
む台形b,c,e,dの面積Gとを比較している。基準
傾き計算部46は、実切削負荷基準値Bを判定時間Tで
除した次式により、この場合の基準傾きS2 を算出す
る。 基準傾きS2 =実切削負荷基準値B/判定時間T そして、面積がG>Fであれば傾きがS1 >S2 となっ
て、実切削負荷の下降経時変化率が大きいので、傾き大
小判定部47は、実切削負荷が急下降したと判定する。
【0028】これとは逆に、曲線6(図2)に示す正常
な切削の場合には、図6の破線で示す傾きS1aを含む三
角形b,c,d1 の面積Ga と、面積Fを比較する。そ
して、面積がGa <Fの場合には傾きはS1a<S2 とな
り、下降経時変化率は小になるので、傾き大小判定部4
7は、実切削負荷がゆっくりと下降したと判定する。
【0029】図7の場合に、傾き大小判定部47は、実
切削負荷の下降経時変化の傾きS1と、実切削負荷が無
負荷設定値C以下になる直前の実切削負荷平均値B1
基づく下降経時変化の基準傾きS3 とを比較することに
より、下降経時変化率の大小を判断している。したがっ
て、基準傾き計算部46により計算されるこの基準傾き
3 の値は常に更新されている。この場合の基準傾きS
3 は、判定時間Tn の直前の判定時間Tn-1 ,Tn-2
おける実切削負荷の平均値B1 を判定時間Tn で除した
次式により算出される。図7中の判定時間Tn は、主軸
一回転の時間から、又は主軸一回転の時間に所定のパラ
メータデータ(係数)を乗算した時間から、求めてい
る。 基準傾きS3 =直前の実切削負荷平均値B1 /判定時間
n
【0030】そして、図6と同様にして、基準傾きS3
を含む三角形b,c,dの面積Hと、実切削負荷の下降
経時変化の傾きS1 を含む三角形b,c,eの面積Iと
を比較することにより、傾きS3 ,S1 を比較してい
る。図7に示す傾きS1 は、曲線6(図2)に示す正常
な切削に基づくものである。この場合には、面積はH>
Iなので、傾きはS1 <S3 となるので、実切削負荷の
下降経時変化率は小となり、急下降とは判定しない。図
7では直前のデータに基づいて基準傾きS3 を演算して
いるので、実切削負荷に変動がある場合に正確に監視で
きることになり好ましい。
【0031】次に、図5のフローチャートを参照して切
削負荷状態を監視する手順について説明する。切削負荷
状態監視用のプログラムはプログラムメモリ22に記憶
されており、監視条件はキーボード27から入力され
て、監視条件設定部29で設定される。
【0032】まず最初に、切削監視部26は、実切削負
荷のバッファリングを行う(ステップ101)。次に、
実切削負荷読込み部30により実切削負荷を読込んで、
実切削負荷が、監視条件設定部29で設定された無負荷
設定値Cより下がったか否かを、切削負荷無負荷大小判
定部40により判別する(ステップ102)。曲線5に
示すように、実切削負荷の方が無負荷設定値Cより常に
大きい場合には、条件,に該当しないので、正常な
切削がなされているものとしてステップ101に戻る。
一方、実切削負荷が無負荷設定値Cより小さい場合に
は、監視区間中に実切削負荷が無負荷設定値Cを越えた
ことがあるか否か,即ち条件を判断する(ステップ1
03)。一度でも越えたことがあれば、ステップ104
に移行する。次に、実切削負荷傾き計算部45は、実切
削負荷の下降経時変化の傾きS1 ,S1a(図6,図7)
を計算する(ステップ104)。
【0033】次いで、基準傾き計算部46は、実切削負
荷基準値Bに対応する所定の基準傾きS2 (図6)を計
算する。この計算結果S2 をパラメータメモリ24に一
旦記憶しておくのが好ましい。一方、基準傾き計算部4
6は、この計算に代えて、図7に示すように、実切削負
荷が無負荷設定値C以下になる直前の実切削負荷平均値
1 に基づく下降経時変化の基準傾きS3 を計算しても
よい(ステップ105)。なお、例えば同種の多数のワ
ークを切削する場合には基準値Bもほぼ一定になる。し
たがって、基準値Bや実切削負荷平均値B1 に拘らず、
そのワークに関する基準傾きS2 の値を一定値にしてパ
ラメータメモリ24に予め記憶しておいてもよく、この
場合にはステップ105の計算が省略できる。
【0034】次に、傾き大小判定部47は、実切削負荷
傾き計算部45と、基準傾き計算部46又はパラメータ
メモリ24からの出力により、実切削負荷の下降経時変
化の傾きS1 (又はS1a)と基準傾きS2 (又はS3
とを比較して、条件を判断する(ステップ106)。
傾きがS1 (又はS1a)<S2 (又はS3 )の場合には
条件に該当しないので、ステップ101に戻る。
【0035】ステップ106において傾きがS1 (又は
1a)>S2 (又はS3 )と判断された場合は、無負荷
時間判定部42は、実切削負荷読込み部30から出力さ
れる実切削負荷が無負荷設定値C以下の状態になる無負
荷検出時間T3 が、パラメータメモリ24に予め記憶さ
れた所定の設定時間T0 より長いか否か、即ち条件を
判断する(ステップ107)。時間がT3 <T0 の場合
には、曲線7に示すように、何らかの理由により瞬間的
に実切削負荷が変動して無負荷設定値Cより下がった
が、その後直ぐに正常な切削の状態に戻っている。した
がって、演算部44は、条件には該当するが条件に
該当しないので正常な切削と判断して、無負荷アラーム
を出さないでステップ101に戻る。
【0036】ステップ107で時間がT3 >T0 の場合
には、条件,,に該当する曲線8に示すようなチ
ッピング等が生じたと推定される。したがって、この場
合には、演算部44は、切削状態に異常が発生したと判
断して、アラーム出力部43に無負荷アラームを出力し
て、CRT28にその旨表示するとともに、NC装置4
8を介してNC旋盤の送り軸サーボモータに続いて主軸
モータを停止させる(ステップ108)。
【0037】ステップ103において、切削負荷無負荷
大小判定部40が、監視区間中に実切削負荷が無負荷設
定値Cを越えたことがないと判断した場合にはステップ
109に移行し、切削監視区間が終了したか否かを判断
する。切削監視区間が終了していた場合には、図2の線
9に示したような工具又はワークの取付けミス,NCプ
ログラムのプログラミングミス,選択ミス等が生じたと
推定できる。即ち、この場合にも、演算部44はアラー
ム出力部43を介して無負荷アラームを出力し(ステッ
プ110)、CRT28に表示するとともに、NC装置
48により工作機械をアラーム状態にし停止させる。こ
れにより、切削負荷状態を監視する手順を終了するが、
この一連の手順を、例えば100[msec]毎に実行する
のが好ましい。
【0038】実切削負荷が無負荷設定値Cより下がった
場合に常に無負荷アラームを出力すれば、通常の切削を
示す曲線5以外の曲線の場合にはすべてアラームが出力
されてしまう。すると、曲線6,7のように正常な切削
を行っている場合に不都合であるとともに、曲線8,線
9に示すような異常の発生の区別が付かない。
【0039】これに対して、本発明では、実切削負荷の
下降経時変化率の大小と無負荷検出時間とにより、正常
な切削状態と異常な切削状態との区別を確実に行うこと
ができる。また、実切削負荷が無負荷設定値Cより小さ
い場合に、監視区間中に実切削負荷が無負荷設定値Cを
越えたことがあるか否かを判断することにより、線9に
示すような取付けミスの場合を確実に判別できる。
【0040】従来は、線9に示す如く監視区間全域で実
切削負荷が無負荷設定値C以下の状態が続く場合にのみ
無負荷アラームを出力していた。そのため、チッピング
など異常が発生した場合の検出ができなかった。これに
対して、本発明によれば、切削加工開始後、実切削負荷
が無負荷設定値より下がった場合に、これが正常な切削
によるものか異常な切削状態の発生によるものかの判別
を行うことができ、無負荷検知を確実に行うことができ
る。
【0041】前述の車輪の切削のように、殆ど無負荷状
態にほぼ等しい切削状態が途中に存在するようなワーク
の加工では、正常な切削による切り込み量ほぼ零の時の
実切削負荷の変動はゆっくりと生じるのに対して、切削
の途中でチッピングが生じると実切削負荷は急激に下降
する。本発明では、このような、切削の途中で実切削負
荷が殆ど零になるように変化する加工を行う場合に、実
切削負荷の変動の差を下降経時変化率の大小により判別
した。したがって、実切削負荷が無負荷設定値より下が
ったのが正常な切削によるものか異常な切削状態の発生
によるものかの判別を確実且つ正確に行うことができ
る。
【0042】このように、切削負荷状態の正確な監視が
できるので、工場が自動化されて昼夜間の無人運転がな
される場合でも対応できる。この実施例では、刃物台が
X軸方向,Z軸方向に移動するNC旋盤で説明を行って
いるが、どちらか一方又は両方の軸方向主軸台が移動す
るNC旋盤であってもよい。また、刃物台に回転工具主
軸を有する場合には、回転主軸モータの負荷状態を監視
してもよい。さらに、NC旋盤の他に、マシニングセン
タ,ターニングセンタ等の工作機械であってもよい。な
お、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0043】
【発明の効果】本発明は、上述のように構成したので、
実切削負荷が無負荷設定値より下がった場合に、これが
正常な切削によるものかチッピングなど異常な切削状態
の発生によるものかの判別をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1乃至図7は本発明を説明するための図で、
図1は切削状態を示すワークの部分断面図である。
【図2】実切削負荷と時間との関係を示すグラフであ
る。
【図3】切削負荷状態監視装置のブロック図である。
【図4】切削負荷状態監視装置の概略構成図である。
【図5】本発明に係る切削負荷状態の監視方法を示すフ
ローチャートである。
【図6】本発明の監視方法の一実施例を示すグラフであ
る。
【図7】本発明の監視方法の他の実施例を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
24 パラメータメモリ(記憶部) 30 実切削負荷読込み部 40 切削負荷無負荷大小判定部 41 下降経時変化率大小判定部 42 無負荷時間判定部 43 アラーム出力部 44 演算部 45 実切削負荷傾き計算部 46 基準傾き計算部 47 傾き大小判定部 B 実切削負荷基準値 B1 直前の実切削負荷平均値 C 無負荷設定値 S1 ,S1a 下降経時変化の傾き S2 所定の基準傾き S3 基準傾き T0 所定の設定時間 T3 無負荷検出時間

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作機械における実切削負荷が無負荷設
    定値より下がった場合に、前記実切削負荷の下降経時変
    化率の大小と、前記実切削負荷が無負荷設定値以下の状
    態になる無負荷検出時間とにより、正常な切削状態と異
    常な切削状態とを判別することを特徴とする工作機械に
    おける切削負荷状態の監視方法。
  2. 【請求項2】 工作機械における実切削負荷が無負荷設
    定値より小さい場合に、監視中に前記実切削負荷が前記
    無負荷設定値を越えたことがあるか否かと、前記実切削
    負荷の下降経時変化率の大小と、前記実切削負荷が無負
    荷設定値以下の状態になる無負荷検出時間とにより、正
    常な切削状態と異常な切削状態とを判別することを特徴
    とする工作機械における切削負荷状態の監視方法。
  3. 【請求項3】 前記実切削負荷の下降経時変化の傾き
    と、記憶部に予め記憶され且つ実切削負荷基準値に対応
    する所定の基準傾きとを比較することにより、前記下降
    経時変化率の大小を判断することを特徴とする請求項1
    又は2に記載の工作機械における切削負荷状態の監視方
    法。
  4. 【請求項4】 前記実切削負荷の下降経時変化の傾き
    と、前記実切削負荷が前記無負荷設定値以下になる直前
    の実切削負荷平均値に基づく下降経時変化の基準傾きと
    を比較することにより、前記下降経時変化率の大小を判
    断することを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機
    械における切削負荷状態の監視方法。
  5. 【請求項5】 工作機械における実切削負荷を算出して
    読込む実切削負荷読込み部と、 この実切削負荷読込み部から出力される前記実切削負荷
    が所定の無負荷設定値より小さいか否かを判定する切削
    負荷無負荷大小判定部と、 前記実切削負荷の下降経時変化率の大小を判定する下降
    経時変化率大小判定部と、 前記実切削負荷が前記無負荷設定値以下の状態になる無
    負荷検出時間が所定の設定時間より長いか否かを判定す
    る無負荷時間判定部と、 前記3つの判定部の各判定結果に基づいて正常な切削状
    態と異常な切削状態とを判別してアラーム出力部に信号
    を出力する演算部とを備えたことを特徴とする工作機械
    における切削負荷状態監視装置。
  6. 【請求項6】 前記切削負荷無負荷大小判定部は、監視
    中に前記実切削負荷が前記無負荷設定値を越えたことが
    あるか否かの判定も行うことを特徴とする請求項5に記
    載の工作機械における切削負荷状態監視装置。
  7. 【請求項7】 前記下降経時変化率大小判定部は、 前記実切削負荷の下降経時変化の傾きを計算する実切削
    負荷傾き計算部と、 基準傾きを計算する基準傾き計算部と、 前記実切削負荷傾き計算部により算出された下降経時変
    化の傾きと前記基準傾き計算部により算出された前記基
    準傾きとを比較する傾き大小判定部とを備えたことを特
    徴とする請求項5又は6に記載の工作機械における切削
    負荷状態監視装置。
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