JPH09141011A - 流体フィルタおよびこの流体フィルタを用いたエンジンオイル濾過装置 - Google Patents

流体フィルタおよびこの流体フィルタを用いたエンジンオイル濾過装置

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JPH09141011A
JPH09141011A JP7298304A JP29830495A JPH09141011A JP H09141011 A JPH09141011 A JP H09141011A JP 7298304 A JP7298304 A JP 7298304A JP 29830495 A JP29830495 A JP 29830495A JP H09141011 A JPH09141011 A JP H09141011A
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JP
Japan
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filter
fluid
additive
engine oil
engine
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JP7298304A
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Inventor
Katsumi Wada
克己 和田
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Wako Sangyo KK
Original Assignee
Wako Sangyo KK
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Publication date
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  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Filtration Of Liquid (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 濾過精度を高くしたフィルタであっても添加
剤の減少による腐食摩耗を防止することができるオイル
フィルタ等の流体フィルタを得る。 【解決手段】 フィルタケース20内におけるフィルタ
エレメント30の下流側に添加剤容器40を配設し、こ
の添加剤容器40には添加剤流出孔を形成している。添
加剤流出孔には開閉自在な開閉弁47,47を設け、エ
ンジンの駆動を行うことによりフィルタ内を流れるエン
ジンオイルの温度が所定温度に達したときに開閉弁4
7,47の開作動を行い、添加剤容器40の内部に封入
された添加剤をフィルタエレメント30を通過すること
により濾過されたエンジンオイルに徐々に混入させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの潤滑油等の
流体の濾過を行う流体フィルタおよびこの流体フィルタ
を用いたエンジンオイル濾過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの潤滑を行うためのエンジンオ
イル(潤滑油)においては、エンジンの駆動によって発
生する金属粉やカーボン等の固形分(ゴミ)をオイルフ
ィルタによって捕捉することにより、エンジン各部の研
削摩耗(アブレシブ摩耗)を減少させることとしてい
る。
【0003】オイルフィルタとしては、エンジンに供給
されるエンジンオイルの濾過のみを行ういわゆるフルフ
ロー式のオイルフィルタがある。さらに、このフルフロ
ー式のオイルフィルタよりも濾過精度を高くした(濾過
粒子径を小さくした)バイパスフィルタを、フルフロー
式のオイルフィルタとは別の送油回路において潤滑油の
循環を行う循環回路に設けることにより微細なゴミの除
去を行い、よりアブレシブ摩耗を減少させるようにした
コンビネーション式のフィルタシステムもある。
【0004】ここで、車両用のディーゼルエンジンにお
いては、平成7年より、窒素酸化物(Nox)の他、排
気ガス中の粒状物質(パティキュレート)の低減が追加
規制された(いわゆる「短期規制」)。パティキュレー
トの発生原因の内約50%は、エンジンオイルの燃焼に
よるものと言われており、これはシリンダライナやピス
トンリング部よりオイル上がりするエンジンオイルが原
因である。
【0005】エンジンオイルは、使用中に劣化して酸価
増加や粘度上昇を起こすが、特にオイル上がりに関係す
るのがカーボン等の不純物と酸化生成物である。不純物
は、リングのこう着、ピストンの焼付き、ボアポリッシ
ュ、エンジン部品の汚損、油路の閉塞等の原因となり、
酸化生成物は、リングやシリンダライナの腐食、さびの
原因となってオイル上がりを招く。
【0006】これらを防止するために、エンジンオイル
にはエンジン内で発生した不純物を分散させる添加剤
(清浄分散剤)が多く添加されるようになっている。こ
のため、近時におけるエンジンオイルのグレードは、C
C級からCD級、CE級、CF級と開発されてきてい
る。
【0007】この結果、ピストン廻りのカーボン等の不
純物の堆積は少なくなったが、エンジンオイル中の不純
物は微粒化することとなった。このため、オイルフィル
タによって捕捉することが困難なものが多くなりつつあ
るが、エンジンオイルの劣化を防止するためには、オイ
ルフィルタによって捕捉する必要があり、バイパスフィ
ルタの濾過精度をどんどん向上させているのが実情であ
る。したがって最近は、単にアブレシブ摩耗の防止がオ
イルフィルタの役目ではなくなってきている。
【0008】また、エンジンの駆動時(燃料の燃焼時)
には、燃料中の硫黄分がSO2(二酸化硫黄)に転換さ
れるが、このSO2(酸化生成物)はエンジン各部の腐
食摩耗の原因の一つであることが知られている。さら
に、近時においてはエンジン排出ガス中のNOx低減策
の一つとしてEGR(排ガス再循環)が行われているた
め、このSO2のエンジン各部の腐食摩耗に与える影響
がより大きくなる。なお、EGRは酸化物質の増加のみ
でなく、カーボン等の不純物のエンジンオイルへの侵入
も増大させる(エンジンオイルの劣化を進める)。
【0009】このため、通常エンジンオイルには、前記
の清浄分散剤に加えて酸中和能力を持つ添加剤(酸化防
止剤)を添加し、SO2等の酸化生成物の影響による腐
食摩耗を減少させることとしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】微粒化したエンジンオ
イル内の不純物を十分濾過させるためには、オイルフィ
ルタの濾過精度はなるべく高い(フィルタの目はなるべ
く細かい)方が良い。しかし、オイルフィルタの濾過精
度を高くすると、潤滑油内の粒子の細かいゴミを多く捕
捉することができるが、各添加剤も捕捉してしまう。こ
のため、アブレシブ摩耗は減少するが腐食摩耗は増加し
てしまうという問題があった。特に、コンビネーション
式のフィルタシステムにおいて用いられる濾過粒子径の
小さいバイパスフィルタでは、多くの添加剤が捕捉され
てしまうという問題があった。
【0011】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、流体フィルタの濾過精度を高くしても、
添加剤の減少による腐食摩耗の増加を防止することがで
きる流体フィルタを提供するとともに、この流体フィル
タを用いたエンジンオイル濾過装置を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
め、本発明の流体フィルタは、流体の流入孔および流出
孔を備えたフィルタケースにフィルタエレメントを保持
させている。フィルタエレメントは、フィルタケースの
流入孔から流入させた流体を通過させて濾過した後流出
孔から流出させる。フィルタケース内におけるフィルタ
エレメントの下流側には、添加剤容器が配設されてい
る。この添加剤容器には添加剤流出孔が形成され、内部
に封入された添加剤がフィルタエレメントを通過して濾
過された流体に徐々に混入するようになっている。
【0013】
【作用】このように構成された流体フィルタによれば、
濾過精度の高いフィルタエレメントを通過することによ
り、より細かい流体中のゴミ等の不純物が濾過される
が、濾過精度を高くすると流体の性能の向上を図ったり
質の劣化を防止するために添加された添加剤の多くが流
体中から除去される。しかし、フィルタエレメントを通
過した流体には、添加剤容器の添加剤流出孔から徐々に
流出した添加剤が混入されて、除去された添加剤を補
う。これにより、流体フィルタから流出する流体からは
不純物が取り除かれ、且つ、適当な量の添加剤が混入す
る。
【0014】なお、上記の流体フィルタにおいては、添
加剤流出孔に開閉自在な開閉弁を設け、この開閉弁は流
体フィルタ内を流れる流体の温度が所定温度以上に達し
たときに開放されるようにすることが望ましい。
【0015】このように構成された流体フィルタにおい
ては、フィルタ内を流れることによって流体の温度が上
昇したときにのみ、流体内に添加剤を混入させることが
できる。例えば、流体がエンジンの潤滑を行うエンジン
オイルである場合には、エンジンを駆動させることによ
ってエンジンオイルの温度が高くなったときに開閉弁が
開作動して添加剤の流出がなされるため、添加剤の無駄
な流出を防止することができる。
【0016】さらに、上記の開閉弁に替えて、あるいは
上記の開閉弁と併せて、パラフィンワックス等から製作
した蓋部材により添加剤流出孔を閉塞してもよく、この
蓋部材は、所定温度になると溶解して添加剤流出孔を開
口させる。このような構成とすることにより、未だ流体
が流体フィルタ内を流れていない状態、特に流体フィル
タを取り付ける前の段階において、添加剤容器内から添
加剤を流出させることがない。
【0017】また、上記のように構成された流体フィル
タのうちのいずれかの流体フィルタを、フルフローフィ
ルタとバイパスフィルタとからなるエンジンオイル濾過
装置におけるバイパスフィルタとして用いることが好ま
しい。ここで、フルフローフィルタは、オイルパンとエ
ンジンとの間に配設され、エンジン潤滑部に供給される
エンジンオイルの濾過を行い、バイパスフィルタは、フ
ルフロー式のフィルタよりも濾過精度が高く構成され、
循環手段により循環するオイルパン内のエンジンオイル
の濾過を行う。なお、バイパスフィルタの濾過精度は、
約0.1μm以上の粒子を捕捉することができる精度と
することが好ましい。
【0018】このように構成された流体濾過装置によれ
ば、フルフローフィルタにより濾過された潤滑油をエン
ジンへ供給することができる一方、濾過精度の高いバイ
パスフィルタにより、オイルパン内のエンジンオイルに
含まれるフルフローフィルタによって除去しきれなかっ
た、金属粉やカーボン等の細かい粒子の不純物を除去す
ることができるとともに、バイパスフィルタにおいて除
去された添加剤を常に補給することができる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の好ましい実施
例について説明する。まず、本発明に係る流体フィルタ
を用いて、流体の一例であるエンジンオイルの濾過を行
うエンジンオイル濾過装置について、図2を参照しなが
ら説明する。このシステムは、ディーゼルエンジンEの
エンジンオイルの濾過を行うものであり、エンジンオイ
ルを清浄にするためのオイルフィルタとして、全流式
(フルフロー式)の他、分流式(バイパス式)のものも
用いられるいわゆるコンビネーション式(デュアルフロ
ー式)のフィルタシステムである。これにより、エンジ
ンオイルの寿命を延ばすことができるとともにエンジン
の摩耗防止を図ることができる。
【0020】ポンプ(循環手段)Pによってオイルパン
(タンク)Tから吸い上げられたエンジンオイルはエン
ジンEの潤滑部へ供給されるが、ポンプPとエンジンE
とを繋ぐ供給油路L1にはフルフローフィルタFが設け
られており、エンジンEへ供給されるエンジンオイルは
このフルフローフィルタFによって濾過される。
【0021】供給油路L1にはオイルパンTへバイパス
するバイパス油路L2が繋がれている。バイパス油路L
2にはバイパスフィルタBが設けられ、ポンプPから吐
出されるエンジンオイルの一部がこのバイパスフィルタ
Bによって濾過された後タンクTに戻される。なお、フ
ルフローフィルタFおよびエンジンEにおいて余剰とな
ったエンジンオイルをオイルパンTへ戻すための油路L
3,L4も設けられ、各油路L3,L4にはリリーフ弁
R1,R2が配設されている。
【0022】バイパスフィルタBは、フルフローフィル
タFに設けられている濾材よりも濾過精度の高い(目が
細かい)濾材が設けられ、具体的には0.1μmm以下
の粒子を除去する濾過能力を有している。また、バイパ
スフィルタBは、フルフローフィルタFの約1.5倍の
容量を有して形成されている。
【0023】ここで、図1を参照しながらこのバイパス
フィルタBについて説明する。バイパスフィルタBは、
マウントボディ10、フィルタケース20、フィルタエ
レメント30、添加剤容器40によって構成されてい
る。なお、本実施例においては、マウントボディ10お
よびフィルタケース20が請求の範囲に記載のフィルタ
ケースを構成する。
【0024】マウントボディ10は、ボディ本体11と
このボディ本体11に形成された流入孔(流体流入孔)
12および流出孔(流体流出孔)13を有して構成され
ている。マウントボディ10には、固定用ボルト22に
よってフィルタケース本体21が着脱自在に構成されて
いる。フィルタケース本体21は、上側に詳細を後述す
るフィルタエレメント30を挿入させるための開口を有
する有底円筒状に形成されている。なお、フィルタケー
ス20とマウントボディ10との取付部には、エンジン
オイルの漏出を防止するためのシールリング23が備え
られている。
【0025】フィルタエレメント30は、一定の折曲幅
を有して蛇腹状に折曲された濾紙31を上部保持プレー
ト32および下部保持プレート33の間で保持すること
により断面菊花状に形成されている。ここで、環状に形
成された濾紙31の内周を形成する折曲稜線31aは、
インナーチューブ34の外周に接触するような寸法にな
っており、濾紙31の菊花形状を保持している。なお、
インナーチューブ34には、濾紙11によって濾過され
たエンジンオイルの流出が可能なように複数の貫通孔3
4aが形成されている。
【0026】インナーチューブ34の内周空間35内
(フィルタエレメント30の下流側)には、添加剤容器
40が配設されている。添加剤容器40は、パイプ材に
よって形成された外側部材41と、この外側部材よりも
細い直径で形成された内側部材42と、上側蓋部材43
と、下側蓋部材44とから構成されている。そして、こ
れらの各部材41〜44に囲まれた貯留空間46に液状
の添加剤を貯留(封入)している。
【0027】上側蓋部材43および下側蓋部材44に
は、貫通孔(添加剤流出孔)43a,44aが形成さ
れ、この貫通孔43a,44aには各々開閉弁47,4
7が配設されている。開閉弁47は、図3および図4に
示すように、円柱状に形成されて貫通孔43a,44a
内に挿入される本体47aと、この本体47aと一体に
形成された上板47bと、本体47aの下端部に取り付
けられる下板47cとから構成されている。
【0028】貫通孔43a,44aの孔径と本体47a
の外径は、常温において隙間(漏れ)が無いように同一
寸法で形成されている。そして、本体47aを貫通孔4
3a,44a内に挿入した後、下板47cを本体47a
に固着することにより、開閉弁47の取付を行う。上板
47bの下側および下板47cの上側には複数の突起4
7dが形成されており、上板47bの下面および下板4
7cの上面全面が各蓋部材43,44と当接しないよう
に(貫通孔43a,44aの上下面を覆わないように)
している。なお、開閉弁47は、上下側蓋部材43,4
4よりも熱膨張係数が小さい材質によって形成されてい
る。
【0029】また、外側部材41の外径は、上部保持プ
レート32の中心部に形成された貫通孔の径よりも小さ
い径で形成されている。これにより、フィルタエレメン
ト30を組み立てた状態(濾紙31を上部保持プレート
32および下部保持プレート33の間で保持した状態)
での、添加剤容器40の内周空間35内への着脱が可能
となっている。
【0030】このように構成された添加剤容器40にお
いては、バイパスフィルタB内を流れるエンジンオイル
の油温が所定温度に達したときに開閉弁47が開作動を
行う。 ここで、図5を加えて開閉弁47の開作動につ
いて説明する。バイパスフィルタB内を流れる油温が上
昇すると、添加剤容器40も暖められ、上下側蓋部材4
3,44が膨張することにより、貫通孔43a,44a
の孔径が大きくなる。前記のように、開閉弁47は、上
下側蓋部材43,44よりも熱膨張係数が小さいため、
本体47aの外周と貫通孔43a,44aの内周との間
に間隙を生じる。
【0031】これにより、上下板47b,47cに形成
された突起47dの間に形成された流路47eから本体
47aと貫通孔43a,44aとの間隙を通って添加剤
Sが貯留空間46内から流出する。なお、本実施例にお
いては、油温が70°Cに上昇したときに開作動がなさ
れるように、開閉弁47と上下側蓋部材43,44の材
質を選定している。
【0032】このように構成された添加剤容器40によ
れば、エンジンオイルの温度が上昇するとエンジンオイ
ルへの添加剤の添加がなされる。そして、エンジンを停
止させることにより、エンジンオイルの温度が下がると
上下側蓋部材43,44が収縮し、貫通孔43a,44
aの孔径が小さくなって、添加剤の流出がなされなくな
る。
【0033】そして、常温において少なくとも一方の開
閉弁47を取り付けて各蓋部材43,44や本体47a
の貫通孔から添加材を注入し、貯留空間46内に充填さ
せた後に他方の開閉弁47を取り付けたり、蓋47bを
取り付けたりして、添加剤容器40内に添加剤を封入さ
せればよい。これにより、バイパスフィルタBの使用前
(添加剤容器の取付前)に添加剤容器40から添加剤が
流出することがない。
【0034】このようにして添加剤容器40が配設され
たフィルタエレメント30は、フィルタケース20内に
着脱自在に保持される。下部保持プレート33の中央部
には、ゴム等の弾性材料によって形成されたゴムブッシ
ュ37が配設されている。このゴムブッシュ37の中央
部には、固定用ボルト22が挿入可能な貫通孔が形成さ
れており、この貫通孔に固定用ボルト22が挿入される
と、ゴムブッシュ37の弾性力により固定用ボルト22
に対して上下方向に摺動自在に、且つ、一定の保持力を
有して固定用ボルト22に保持される。
【0035】固定用ボルト22の外周であって、ボルト
受け24とゴムブッシュ37との間にはスプリング25
が配設されている。このスプリング25は、ゴムブッシ
ュ37を介して下部保持プレート33を上方に付勢させ
る付勢力を有している。これにより、固定用ボルト22
をマウントボディ10に螺合させたときには、フィルタ
エレメント30はマウントボディ10側に付勢され、フ
ィルタケース20内においてしっかりと保持される。
【0036】また、この保持と同時に添加剤容器40の
保持も行われる。添加剤容器40は、上側蓋部材43と
マウントボディ10との間に配設されたスプリング45
の付勢力によって、固定用ボルト22の締め付け時に添
加剤容器40が下部保持プレート33側に押し付けら
れ、内周空間35内にしっかりと保持される。なお、締
め付け時においても開閉弁47の開作動が可能なよう
に、下部保持プレート33と下側蓋部材44との間に所
定の間隔を有して形成されている。
【0037】このように構成されたバイパスフィルタB
によれば、ポンプPによって吸い上げられたエンジンオ
イルの一部は、流入孔12から流入し、破線で示すオイ
ル通路を通ってフィルタエレメント30の外周空間29
内に流れ込み、濾紙31の外側から内側に向かって流れ
る。濾紙31を通過して濾過されたエンジンオイルは、
インナーチューブ34に形成された貫通孔34aから内
周空間35内に流れ込む。
【0038】ここで、内周空間35内への潤滑油の流入
は、エンジンオイルの温度の上昇とともに始まる。すな
わち、エンジンオイルの温度が低いときには、エンジン
オイルの粘度が高く、濾過精度の高い(目の細かい)濾
紙31を通過するのは極めて少量である。したがって、
エンジンオイルの温度が低いときには、内周空間35内
へはあまり添加剤の流出を行わせる必要がないため、エ
ンジンオイルが一定の温度(約70°C)に上昇するま
で開閉弁47,47を開放(貫通孔43a,44aを開
口)させないようにしている。
【0039】即ち、添加剤容器40の周囲にオイルは流
れても、エンジンオイルが約70°Cに上昇するまで
は、開閉弁47,47と貫通孔43a,44aとの隙間
が無いため、添加剤の無駄な流出はなくなる。そして、
エンジンの駆動がある程度行われてエンジンオイルの温
度が高くなると、このエンジンオイルの熱により開閉弁
47,47が開作動を行う。このため、内周空間35内
に流れ込んだエンジンオイルに添加剤が徐々に混入さ
れ、流出孔13からタンクTに流出する。なお、外側部
材41の下端部には、内周空間35内への下側蓋部材4
4に設けられた開閉弁47からの添加剤の流出や、エン
ジンオイルの流入を行うための通路48が形成されてい
る。
【0040】このようなエンジンオイルの循環により、
清浄分散剤によって微粒化したカーボン等の不純物を濾
過精度の高いバイパスフィルタBによって捕捉すること
ができる。そして、不純物のみならず添加剤が除去され
ても、添加剤容器40内から添加剤が補われるため、エ
ンジンオイルに常時適量の清浄分散剤や酸化防止剤等を
含有させて、エンジンオイルを常時適切な状態に維持さ
せることができる。このため、エンジンEのアブレシブ
摩耗および腐食摩耗を効果的に防止することができるた
め、エンジンの駆動を円滑に行わせることができるとと
もに寿命を延ばすことができ、さらには、排気ガス中の
粒子状物質を減少させることができる。
【0041】上記の実施例においては、開閉弁47の膨
張係数と上下側蓋部材43,44の膨張係数とが異なる
ような構成としているが、必ずしも蓋部材43,44全
体の材質を開閉弁47の材質と変える必要はなく、少な
くとも貫通孔43a,44a近傍の材質が開閉弁47の
材質と異なっていればよい。また、外側部材41および
内側部材42を蓋部材43,44と同じ材質によって形
成してももちろんよい。
【0042】なお、上記の実施例においては、上側蓋部
材43および下側蓋部材44の貫通孔43a,44aに
所定の温度に達したときに開閉作動を行う開閉弁47,
47を設けることとしているが、本発明においては、必
ずしもこのような開閉弁47を用いる必要はない。
【0043】例えば、貫通孔43a,44aに着脱自在
な蓋部材を取り付け、バイパスフィルタBへの取付時に
この蓋部材を取り外して、濾過されたエンジンオイル中
に添加剤を徐々に混入させるように構成したり、自動車
のエンジン冷却用のラジエターに用いられるサーモスタ
ットと同様な構成としたりしてもよい。
【0044】また、図6に示すように、エンジンオイル
が約70°Cまで上昇したときに溶解することにより貫
通孔43a,44aを開口させる蓋67を貫通孔43
a,44aに配設してもよい。この蓋部材の材質として
は、厚さ1mm程度のパラフィンワックスを用いること
が好ましい。これにより、バイパスフィルタB内に装着
する前は添加剤が流出することがなく、エンジンが駆動
してバイパスフィルタB内を流れるエンジンオイルの温
度が所定温度に達したときには、パラフィンワックスが
溶解してエンジンオイル中に添加剤が徐々に混入するこ
ととなる。
【0045】さらに、開閉弁47を設けた上に貫通孔4
3a,44aを上記のパラフィンワックスにより形成さ
れた蓋で閉塞(開閉弁47を蓋で覆ったり)してもよ
い。このような構成とすることにより、未使用状態にお
ける添加剤の流出をより確実に防止することができる。
【0046】なお、上記の各実施例においては、上側蓋
部材43および下側蓋部材44にそれぞれ貫通孔43
a,44aを形成することとしているが、貫通孔は必ず
しも二箇所必要なものではない。すなわち、開閉弁4
7,47と貫通孔43a,44aとの隙間に応じ、一箇
所でもよく、また、三箇所以上設けても良い。
【0047】上記の実施例においては本発明に係る流体
フィルタをエンジンオイルの濾過を行うバイパスフィル
タとして用いた場合について説明したが、本発明は必ず
しもこのような実施例に限られるものではない。例え
ば、エンジンオイルの濾過を行う流体濾過装置に用いる
場合、フルフローフィルタとして用いてもよい。
【0048】さらに、添加剤容器40内に封入される添
加剤は、必ずしも液状の添加剤に限られるものではな
く、紛状や粒状あるいは固形の添加剤を封入し、添加剤
容器40内を流れる流体によって添加剤を溶解させ、流
体内に徐々に添加剤を混入させるように構成してもよ
い。
【0049】また、上記の実施例においては、エンジン
オイルが外側から内側に向かって流れるフィルタエレメ
ント30において、フィルタエレメント30の内側に添
加剤容器40を配設することとしているが、本発明はこ
のようなフィルタエレメントに限られるものではなく、
エンジンオイルが内側から外側に向かって流れる構成で
あってもよい。このような構成のフィルタエレメントを
用いた場合には、フィルタエレメントの外側に添加剤容
器を配設すればよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フィルタケース内におけるフィルタエレメントの下流側
に配設された添加剤容器の添加剤流出孔から、内部に封
入された添加剤をフィルタエレメントを通過した流体に
徐々に混入させることができる。このため、フィルタエ
レメントを通過することによりゴミ等の不純物と一緒に
濾過されて除去された酸化防止剤等の添加剤を補うこと
ができ、濾過を行う流体を常に適切な状態に維持するこ
とができる。
【0051】なお、添加剤を流出させる添加剤流出孔
に、濾過した流体の温度が所定の温度以上に上がったと
きに開作動を行ったり溶解したりする弁を設けて構成し
てもよい。このような構成とした場合には、エンジンの
エンジンオイルの濾過を行う場合のように、フィルタに
よって濾過を行うにつれて流体の温度が上昇するような
場合、フィルタケース内に添加剤容器を装着して濾過を
開始するまでは、添加剤容器から添加剤が流出すること
がないため、流体フィルタを取り付ける前の段階におけ
る添加剤容器の取り扱いを容易に行うことができる。
【0052】また、このように構成された流体フィルタ
をバイパスフィルタとして用いることによりエンジンオ
イル濾過装置を構成してもよく、このような構成とした
場合には、併せて設けられているフルフローフィルタに
よりエンジンの潤滑部へ供給するエンジンオイルの濾過
を行わせ、これとは別個にオイルパン内のエンジンオイ
ルを循環させてバイパスフィルタによってより細かいゴ
ミを濾過させるとともに、同時に除去された添加剤を補
うことができる。これにより、エンジンの摩耗をより効
果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流体フィルタの断面図である。
【図2】上記の流体フィルタをバイパスフィルタとして
用いたフィルタシステムの構成を示す回路図である。
【図3】上記の流体フィルタに設けられた開閉弁の上面
図である。
【図4】この開閉弁の側面断面図である。
【図5】上記開閉弁の側面断面図である。
【図6】他の構成の開閉弁の側面断面図である。
【符号の説明】
10 マウントボディ 20 フィルタケース 30 フィルタエレメント 40 添加剤容器 47 開閉弁 B バイパスフィルタ E エンジン F フルフローフィルタ P ポンプ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体流入孔および流体流出孔を備えたフ
    ィルタケースと、 このフィルタケース内に保持され、前記流体流入孔から
    流入した流体を通過させて濾過し前記流体流出孔から流
    出させるフィルタエレメントと、 前記フィルタケース内において前記フィルタエレメント
    の下流側に配設され、内部に添加剤が封入され、前記フ
    ィルタエレメントを通過した流体に前記添加剤を徐々に
    混入させる添加剤流出孔が形成された添加剤容器とから
    なることを特徴とする流体フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記添加剤流出孔に開閉自在に配設さ
    れ、前記流体の温度が所定温度に達したときに開放され
    る開閉弁を有していることを特徴とする請求項1に記載
    の流体フィルタ。
  3. 【請求項3】 所定温度以上のときに溶解する蓋部材
    を、前記添加剤流出孔を閉塞して配設したことを特徴と
    する請求項1もしくは請求項2に記載の流体フィルタ。
  4. 【請求項4】 エンジンオイルが貯留されたオイルパン
    と、 エンジン潤滑部と前記オイルパンとの間に配設され、前
    記エンジン潤滑部に供給されるエンジンオイルを濾過す
    るフルフローフィルタと、 前記オイルパン内のエンジンオイルを循環させる循環手
    段と、 前記フルフローフィルタより濾過精度が高く形成され、
    前記循環手段により循環するエンジンオイルの濾過を行
    うバイパスフィルタとからなるエンジンオイル濾過装置
    であって、 前記バイパスフィルタが請求項1から請求項3のいずれ
    かに記載の流体フィルタであり、前記添加剤がエンジン
    オイル添加剤であることを特徴とするエンジンオイル濾
    過装置。
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