JPH09140686A - 磁気共鳴画像撮像方法 - Google Patents

磁気共鳴画像撮像方法

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JPH09140686A
JPH09140686A JP7325210A JP32521095A JPH09140686A JP H09140686 A JPH09140686 A JP H09140686A JP 7325210 A JP7325210 A JP 7325210A JP 32521095 A JP32521095 A JP 32521095A JP H09140686 A JPH09140686 A JP H09140686A
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magnetic resonance
magnetic field
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JP7325210A
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English (en)
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Hiromichi Shimizu
博道 清水
Hiroshi Nishimura
博 西村
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】医療用の磁気共鳴診断装置のデータ処理方法に
おいて,画像の計測時間を延長せずにS/Nを向上させ
るかあるいは画素数を増大する方法を提供する。 【解決手段】被写体の予備撮像を行い,k空間データを
リードアウト方向に積分した強度に基づいて,本撮像の
EPI法の位相エンコードステップを信号強度の強いス
テップから優先的に不等間隔配置し,撮影を行う。計測
データからk空間の格子点データを内挿し,これを2D
−FFTして再構成画像を得る。本発明によればk空間
データの振幅の大きい点を優先し,振幅の小さい点を省
略して計測するため計測時間を有効に配分することがで
きるため,画像の計測時間を延長せずにS/Nを向上さ
せるかあるいは画素数を増大させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴診断装置
(MRI)に関し、特に医療用磁気共鳴診断装置の画像
撮像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年MRIは組織描出能に優れた画像診
断装置として、X線CTと並んで疾病の重要な診断手段
となっている。MRIでは人体中の水分に含まれる水素
原子核に核磁気共鳴現象を生じさせ、これにより放射さ
れる高周波(RF波)信号を計測する。水素原子核密度
の空間分布を画像情報として得るための方法には様々な
ものがあり、初期の段階においては磁場焦点法、センシ
ティブプレーン法等の信号発生領域を空間的に限定する
手法が試みられたが、現在では広い空間領域全体からの
信号を同時に得ることができ、信号の利用効率の高い2
D−FFT法(平面の場合)や3D−FFT法(立体の
場合)が商用機の主流となっている。これらのフーリエ
変換法に至る間には,X−CTと同様の原理による投影
再構成法も現れた。これは空間分解能が等方的である等
の理由により現在も使われているものの、一部の用途に
限定されている。
【0003】2D−FFT法では,空間の直交する2方
向に傾斜磁場をかけて、横磁化の位相が位置によって直
線的に変化する分布をもつようにしながら信号を計測す
る。2D−FFT法のための典型的なデータ収集法であ
るスピンエコー法(SE法)のシーケンスを図2に示し
た。同図中、横軸は時間軸を表す。
【0004】この方法では、1方向(x方向とする)に
はx傾斜磁場26をかけつつ磁気共鳴信号を連続してサ
ンプリングする(リードアウト方向)。各サンプリング
データは時間に比例した位相変化を示す。他方、同一時
刻で個々の核スピンの位相を見ると、位置に対して直線
的に変化する位相分散を持っている。すなわちx座標が
信号の位相に反映される。ただし,x方向には位相ばか
りでなく周波数も分散しており、このx方向を周波数エ
ンコードと呼ぶ。残りの1方向(y方向)に対しては、
RFパルス21による横磁化の励起から信号検出27ま
での期間に、一定期間y傾斜磁場24を印加してy方向
座標に応じて異なる一定量の位相分散を与える。このた
め、y方向を位相エンコード方向と呼ぶ。
【0005】x方向の位相情報は経時的に連続するデー
タの中に盛り込まれるが、y方向の位相は1回の横磁化
の励起に対して1回盛り込まれるのみであるため、y傾
斜磁場24の振幅を変えて励起を反復する必要がある。
図2ではこれを24の破線で示している。3次元の計測
の場合にはもう一つの方向(z方向)が同様に位相エン
コードされ、反復のループは2重になる。核スピンを繰
り返して励起する場合には、次の励起を行う前に、縦磁
化の回復のための待ち時間が必要であり、通常の生体組
織のプロトンではこの待ち時間は1秒程度である。この
ため,画素数が256×256の2次元画像の計測には
約4分、また画素数が256×256×256の3次元
画像の計測には約18時間必要になる。
【0006】このように、2D−FFT法ではx、y傾
斜磁場の強度または印加時間を操作することにより、
x、y方向の位置に応じた位相変化量を各位置の核スピ
ンに与えつつ、核スピンの総和の信号(回転する磁気ベ
クトルが放射するRF信号)を計測する。SE法の欠点
は位相エンコード量を変化させながら、横磁化を生起す
るためのの励起を位相方向の画素数に相当する回数分反
復する必要があるため、計測時間が長くなる点である。
この点を解決した2D−FFT法の1方法にエコープラ
ナー(Echo−planar Imaging:EP
I)法がある。図3に典型的なEPI法のシーケンスを
示す。まず,90°高周波(RF)磁場パルス31とと
もにz方向の傾斜磁場パルス32を印加し、z軸と垂直
な特定のスライス面内の磁化を励起する。横磁化を生じ
させた後、傾斜磁場エコー37を位相エンコード数分発
生させるとともにブリップ35により各エコーに一定値
で増大する位相エンコードを与えることにより、1回の
磁化の励起に対して2次元の位置情報取得に必要なエン
コードを全てかけてしまう。これにより1枚の画像を5
0msないし100msの短時間の内に計測することが
可能になった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】EPI法は上述のよう
に高速であるため、ゲーティング等の技術を用いず1シ
ョットで人体の動きの速い部位を撮像できるという大き
な特徴がある。このような部位の代表例は心臓である。
また、従来、MRIは専ら画像診断に用いられてきた
が、EPI法による撮像のリアルタイム性を活かして、
低侵襲手術中のデバイスのガイドや患部のモニターへの
応用が開かれようとしている(インターベンショナルM
RI)。しかし、EPI法にも固有の欠点がある。第一
に多数の傾斜磁場エコーを短時間の内に発生させ、しか
もk空間の高周波領域までカバーする必要があるため、
傾斜磁場コイルと電源に大きな負担が生じる。例えば傾
斜磁場の典型的な例としては約25mT/mの振幅を
0.3ms程度の短時間の内に反転しなければならな
い。これに要求される電源のピーク電圧は従来の撮像シ
ーケンスのそれの数倍から十数倍に上る。第二に、傾斜
磁場強度に比例してMR信号の帯域幅が広がるため、受
信機の帯域幅をこれに応じて広く設定せねばならず、信
号のSN比が低下する。このためEPI法を実用化する
ためには、SN比を上げるためにに少なくとも1.5T
程度の超電導磁石が必要と考えられている。この他にも
傾斜磁場強度の増大に伴うコイル騒音の問題等がある。
また、上述の装置的な制限が解決されたとしても、人体
に対する磁場の時間変化(dB/dt)の生理的な影響
が無視できない大きさとなるため、傾斜磁場の振幅と切
り変え速度には限界がある。その故に信号が時定数T2
により減衰する前に計測可能なエコー数には上限があ
る。これらの点を勘案すると、128エンコード(位相
方向の画素数が128)に100ms程度を要する現状
は将来も大きくは改善されないと予想される。これは1
ショットのEPI法に於ては,通常のSE法で用いられ
てる256×256のような多数の画素は実現困難なこ
とを意味する。本発明はこの課題を解決しようとするも
のである。
【0008】さらに、近年注目を集めるようになったイ
ンターベンショナルMRIでは患者へのアクセスが容易
なオープン構造の磁石が必要とされるが、このような磁
石では構造的に高磁場を発生させるのは困難であり、全
身用の商用機では0.3〜0.5T程度が上限である。
そこで、インターベンショナルMRIにおいてEPI法
によるリアルタイム撮像を実施するためには、SN比を
向上させるため傾斜磁場強度を低く設定して信号の帯域
幅を狭くする必要がある。この場合、空間分解能(傾斜
磁場振幅の時間積分に相当する)を一定に保つためには
傾斜磁場の反転周期を延ばす必要が生じるから、信号が
減衰する前に計測できるエコー列の数は高磁場機の場合
よりも更に減少し、画素数もより少ないものとならざる
を得ないので、言い換えると高解像度で視野の小さい画
像となる。このように低磁場でのインターベンショナル
MRIでは、画素数を多く設定できないという問題は一
層深刻なものとなる。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、各々の位相エンコードステップで得ら
れると予想される信号強度に応じて位相エンコードステ
ップを配置(画像適応型エンコード配置)することによ
り、EPI法の限られた数の位相エンコードステップを
有効に利用する磁気共鳴画像診断装置の画像撮影方法を
提供することであり、インターベンショナルMRIでの
EPI法において、画素数を多く設定できないという問
題に対して特に有効な手法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】一般に2D−FFT法を
用いる画像再構成法では、2のべき乗個の計測データが
k空間において一定の間隔を隔てた2次元直交格子点上
に配置されている必要がある。格子点上の個々の複素数
データは空間角周波数がx方向にkx、y方向にkyで
ある画像のフーリエ成分の振幅と位相を表している。と
ころで、人体の組織のような不均一な対象のフーリエ成
分は一般に片寄っているから、全てのフーリエ成分を計
測することは冗長であり、極端な場合を考えると信号の
無い(小さい)格子点は計測を省略しても良いと考えら
れる。そして、計測時間等の制約により計測可能なフー
リエ成分の総数が決められているときには、大きい成分
を優先して計測するのが合理的である。
【0011】このような観点から上記課題を解決するた
め,本発明ではまず注目するFOV(Field of
View)の予備画像を高速の撮像法、例えば通常の
EPI法でk空間の全格子点について撮像する。この画
像のk空間データの絶対値をリードアウト方向に積分
し、この積分値を位相エンコードステップ毎に評価す
る。次にこの積分値に基づいて本撮影における位相エン
コードステップを再設定する。すなわち、決められた数
の位相エンコードステップを一定間隔で設定する代わり
に、積分値の小さい領域では粗く、積分値の大きい領域
では密に配置してEPI法を実施する。計測されたデー
タはk空間において位相エンコード方向に不等間隔に並
んでいるので、内挿により格子点上のデータを作成し、
これを2次元高速フーリエ変換して実空間の画像を得
る。同一のFOVで連続してEPI撮像を行う場合に
は、予備画像を1枚撮影して上述の画像適応型の位相エ
ンコード割当てを行い、この割当てを以後の連続撮影に
共通して用いることができる。
【0012】k空間を螺旋状に操作するスパイラルEP
I法では上記位相方向の代わりに動径方向をとり、動径
方向に不等間隔に計測点を配置する。
【0013】上述の方法によれば、EPI法においてk
空間の信号強度の大きい位相エンコードステップ(特徴
的な位相エンコードステップと呼ぶことにする)に計測
を集中できる。故に全エコー時間が同一であれば画像の
SN比を向上させることができる。また位相エンコード
数を減らしても、k空間を間引いた後に最大のk値のデ
ータが残っていれば同一の解像度の画像を得ることがで
きる。また、補間により画素数を効果的に増大させるこ
とができる。
【0014】本発明は予備撮像から有効な位相エンコー
ドステップを抽出するため、FOVが撮像毎に変わる場
合には大きな効果が発揮されるとは言えないが、同一の
FOVで連続してEPI撮像を行う場合、例えば薬剤投
与後のダイナミックスタディや、固定された視野で小さ
な針の動きを追跡するインターベンショナルMRIには
特に有効である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図4は本発明の適応対象であ
る核磁気共鳴診断装置の概略構成図である。同図に於て
402は被検体内部に一様な静磁場H0を発生させるた
めの静磁場発生磁気回路で、具体的には電磁石または永
久磁石から成る。401は被検体、414aは高周波磁
場を発生する送信用の高周波コイル、414bは被検体
から生じる核磁気共鳴信号を検出する受信用の高周波コ
イル、409は直交するx、yおよびzの3方向に強度
が線形に変化する傾斜磁場Gx、Gy、Gzを発生する
傾斜磁場コイル、410は傾斜磁場に電流を供給するた
めの傾斜磁場電源である。また、408はコンピュー
タ、406は信号の処理及び記録をする信号処理記録装
置、421は操作部である。
【0016】次に本装置の動作の概要を説明する。シン
セサイザ411により発生させた高周波を変調器412
で変調し電力増幅器413で増幅し、送信用コイル41
4aに供給することにより被検体401の内部に高周波
磁場を発生させ、核スピンを励起させる。通常は1Hを
対象とするが、31P、13C等、核スピンを有する他
の原子核を対象とすることもある。
【0017】被検体401から放出される核磁気共鳴信
号は受信用コイル414bにより受信され、増幅器41
5を通った後、検波器416で直交位相検波され、A/
D変換器417を経てコンピュータ408へ入力され
る。コイル414は送受信両用でもよく、別々でもよ
い。コンピュータ408は信号処理後、前記核スピンの
密度分布、緩和時間分布、スペクトル分布等に対応する
画像をCRTディスプレイ428に表示する。424と
425は計算途中のデータあるいは最終データを収納す
るメモリである。傾斜磁場発生系403、送信系40
4、検出系405は全てシーケンサ407によって制御
され、このシーケンサ407はコンピュータ408によ
って制御される。コンピュータ408は操作部421か
らの指令により制御される。
【0018】このような装置で本発明の撮像方法を実施
する場合の一例を図1により説明する。同図はk空間
(空間角周波数の空間)において被写体の2次元空間角
周波数成分の分布12を模式的に示したもので、通常原
点から遠ざかるにつれて信号強度が減少する。また、方
向により異なる強度を示す。同図ではky軸方向にエネ
ルギーが集中した領域をもつ仮想的な場合を示した。こ
れは実空間で被写体がy方向に複雑な構造をもつ場合に
相当する。
【0019】本方法の手順を述べると、まず位相エンコ
ード数を128として通常のEPI法によりFOVの予
備撮像を行いk空間のデータを得る。個々のデータは複
素数値を取り、図1(a)のように格子点11上に配置
される。k空間上での計測データの位置は傾斜磁Gx、
Gyの印加の仕方により決まり、数1で与えられる。
【0020】
【数1】
【0021】ここでγは核磁気回転比、積分はGxまた
はGyの全印加時間に亘る。kiは実験パラメータによ
り制御可能なパラメータであり、通常はkiを一定間隔
で変化させながら信号を計測する。
【0022】次に、コンピュータ408により格子点上
の個々のデータの絶対値を計算し、これをリードアウト
方向(ここではkx方向)に積算し、積分曲線13(図
1(c)))を得る。次に位相方向(ky)にこの積算
曲線をたどり、積算強度の大きい位置(被写体の構造を
反映した特徴的な空間周波数に相当する)では本撮像に
おける位相エンコードステップを配置し、積算強度の小
さい位置では省略する(図1(b))。この位相エンコ
ードステップの設定はコンピュータ408で自動的に行
うか、または操作者が手動で行っても良い。図5は同じ
く積分曲線を示したもので、図5(b)はこのようにし
て位相エンコードステップ数を予備撮像(図5(a))
に対して半減した例を示す。
【0023】このようにして削減したエンコードステッ
プを用いてEPI法による本撮像を実行する。このEP
Iのシーケンスを実現するには、図6に示すようにブリ
ップ状の位相エンコードパルス61の大きさをパルス毎
に変化させるのが好適である。n番目のエコーに対する
位相エンコード量は数2で与えられる。
【0024】
【数2】
【0025】ここでGy(i)はi番目の位相エンコー
ドパルスの振幅、ΔTはパルスの幅を表す。
【0026】別の実現法として、パルス61の大きさG
y(i)を一定とし、代わりに幅ΔTを変化させても良
い。その場合はリードアウトの反転パルス36とデータ
サンプリングの時間38も連動して変化させなければな
らない。
【0027】本撮像で得られるデータはk空間の格子点
を全てカバーすることはできず、位相方向に間引かれた
ものなる(図1(b)参照)ので、間引かれた格子点の
データを位相方向の補間により作成する。その後通常の
2D−FFTにより画像を再構成する。これにより64
エコーを用いて位相方向(y方向)に実質的に128の
画素を得ることができる。一方リードアウト方向(x方
向)の画素数はリードアウト傾斜磁場の反転周期内にサ
ンプリングされるデータ数で決まるが、AD変換器のサ
ンプリング速度は通常1μs程度まで上げられるから、
単にデータのサンプリング速度を上げるのみで1000
画素程度まで拡張できる。
【0028】上記例では予備画像を128位相エンコー
ドで撮像している(図5(a))がこれは理想的な場合
であって、現実には低磁場MRI装置では実現困難であ
る。この場合は予備撮像も本撮像と同数の64エンコー
ドとし(図5(c))、積分曲線51を計算した後、強
度の大きい位置に密に、強度の小さい位置に粗になるよ
うに同数の位相エンコードステップを再配置する(図5
(b))。
【0029】低磁場の場合の別法として、k空間分割型
EPIで予備撮像を行うことにより、k空間を複数の軌
跡でインターリープし高密度に充填したものを用いて、
位相エンコードの配置を評価しても良い。
【0030】本撮像データには、位相エンコードの再配
置に応じたリサンプル処理が必要である。この場合リサ
ンプル後のk空間のデータ間隔を通常の撮影法と同じに
設定(図5(c)からリサンプルにより図5(b)を作
成)すれば、解像度と画素数は同一となるが、計測信号
が大きいためSN比は本法の方が大きくなる。
【0031】以上では位相方向のみに注目してきたが、
計測データがk空間でリードアウト方向に不等間隔で配
列されている場合、例えば傾斜磁場を正弦波駆動するE
PIに対しても本方法は適応可能である。また、ブリッ
プの代わりに直流的な傾斜磁場で位相エンコードを行う
斜行型のEPI法でも、直流に位相エンコードの飛び越
しのためのブリップを重畳すれば本方法を適用できる。
【0032】本方法は位相方向の計測データ点数が8な
いし64点程度と少ない場合、例えば低磁場でのEPI
やT2*が小さく信号減衰の速い部位のEPIに対して
より有効である。
【0033】本方法の別の実施例では螺旋走査型のEP
Iに対して本方法を用いる。螺旋走査型のEPIでは図
7に示すように、k空間において中心から一定の速度で
遠ざかる螺旋軌跡71を描きながら、一定の時間間隔で
データをサンプリングして行く。ここでも先ず予備撮像
を行い、k空間で計測データを評価する。一例としてデ
ータの絶対値を螺旋に添って1周毎に積算し、積分曲線
を動径の関数として得る。これは図5の積分曲線51に
相当する。被写体の前記特徴的な周波数成分を含む領域
は図7の72のような帯状領域を形成する。次に動径方
向で積分値の大きい位置では計測を密にし、積分値の小
さい位置では計測を粗にするように本撮像のシーケンス
を設定する。シーケンスの例を図8に示す。同図では
x、y傾斜磁場を数3のように振幅が次第に増加する正
弦関数、余弦関数を基にして変化させているが、動径の
増加速度を一定とせず、動径が特徴的な格子点を含む帯
状領域を通過する期間では遅くすることにより同領域の
データサンプリング密度を大きくしている。
【0034】
【数3】
【0035】さて、本方法はEPI法に限定されるもの
ではなく、一般のSE法やGFE(Gradient
Field Echo)法に応用することも可能であ
る。これらに於ては予備撮像で特徴的な位相エンコード
ステップを評価した後、本撮像において位相エンコード
傾斜磁場強度の増加分を通常のように一定とせず、可変
とすれば良い。
【0036】また本発明はK−hole法と組み合わせ
ることもできる。K−hole法ではまず基準画像にお
いてk空間の全域を計測し、以後の画像はk空間の中心
部(key−hole)のみデータを計測し周辺部は基
準画像のデータを充てることにより、空間分解能の劣化
を低減し、かつ画像コントラストの時間分解を向上させ
る。ここでは画像のコントラストは画像の低周波数成分
で概ね決定されるという一般的な特徴を利用している。
ここでk空間の低周波の一定領域のエンコードステップ
を更新する代わりに、前記特徴的な位相エンコードステ
ップを更新すれば、コントラストの変化をより忠実にた
どることができる。
【0037】別の実施例ではインターベンショナルMR
Iで、一方向に挿入される生検針や細管を本方法により
追跡する。この場合視野の大部分は静止しており、その
中で微小物体が平行移動する。実空間での平行移動はk
空間では信号位相の直線的な回転を与える。(実空間で
の回転はk空間で同じ角度の回転を与える)従ってk空
間で信号の絶対値をとると平行移動による変化は除去さ
れるから、積分曲線(図1中の13)は平行移動の前後
で不変である。故に予備撮像により得た最適な位相エン
コードステップの配置を以後の本計測で共通に用いるこ
とができる。複数の本画像に対して予備画像は1枚で済
むため、効率的に針や細管を追跡できる。
【0038】本方法ではリードアウト方向と位相エンコ
ード方向との取り扱いに顕著な非対称性が生じるから、
撮影対象に大きな異方性がある場合、例えば生検針や内
視鏡等をガイドする場合には特徴的な周波数がより顕著
に現れる方向を位相エンコード方向に選ぶべきである。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、E
PI法における画素数を効果的に増大させることができ
る。一方、画素数を一定とした場合には画像のSN比を
向上させることができるという効果がある。特に低磁場
の開放型磁石を用いたインターベンショナルMRIにお
いて、EPI法を高画質で実施する上で有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念を示す図
【図2】SE法のシーケンスを示す図
【図3】EPI法のシーケンスを示す図
【図4】本発明の適用対象である磁気共鳴画像診断装置
の全体の構成を示す図
【図5】k空間でリードアウト方向に信号を積分した曲
線とエンコードステップとを示す図
【図6】本方法を適用したEPI法のシーケンスを示す
【図7】本方法の螺旋走査型EPI法への適用を示す概
念図
【図8】2本方法を適用した螺旋走査型EPI法のシー
ケンスを示す図
【符号の説明】
11 k空間の計測点 12 k空間データのリードアウト方向積分 13 特徴的なエンコードステップ 21 90°RFパルス 22 スライス選択傾斜磁場パルス 23 リフォーカス180°RFパルス 24 y座標位相エンコード傾斜磁場パルス 26 リードアウト傾斜磁場パルス 27 NMR信号 35 y座標位相エンコードブリップ傾斜磁場パルス 36 矩形波駆動リードアウト傾斜磁場パルス 37 NMR信号 38 信号計測区間 408 コンピュータ 409 傾斜磁場コイル 414 高周波コイル 416 直交位相検波器 417 A−D変換器 51 k空間データのリードアウト方向積分 52 位相エンコードステップ 61 y座標位相エンコードブリップ傾斜磁場パルス 71 螺旋型k空間軌跡 72 特徴領域 81振動y傾斜磁場 82 振動x傾斜磁場 83 特徴領域

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静磁場、傾斜磁場、RF(高周波)磁場、
    磁気共鳴信号検出手段および画像再構成手段を備えた磁
    気共鳴画像診断装置において、被写体を予備撮像し該予
    備画像データのk空間における信号強度を評価し、これ
    に基づき該信号強度が大きいk空間の点のみを計測し、
    信号強度が小さい点は省略するように本撮像の計測点を
    設定し本撮像データを得、該本撮像データを補間して直
    交格子点上のデータを作成した後画像再構成処理を行う
    ことを特徴とする磁気共鳴画像撮像方法。
  2. 【請求項2】1ショット型エコープラナー法またはk空
    間分割型エコープラナー法で被写体を予備撮像し、該予
    備画像のk空間データをリードアウト方向に積算し、該
    積算値の位相エンコード方向の分布を評価し、該積算値
    が大きい位相エンコードステップを選択的し、積算値が
    小さい位相エンコードステップは省略するように、1シ
    ョット型エコープラナー法またはk空間分割型エコープ
    ラナー法による本撮像の位相エンコード配置を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴画像撮像方
    法。
  3. 【請求項3】上記k空間で省略した位相エンコードステ
    ップのデータを近傍の位相エンコードステップの計測デ
    ータを用いて内挿した後、画像再構成処理を施すことを
    特徴とする請求項1又は2に記載の磁気共鳴画像撮像方
    法。
  4. 【請求項4】スパイラル走査型のエコープラナー法にお
    いて、被写体を予備撮像し、該予備画像のk空間におけ
    る動径方向の信号強度を評価し、該信号強度が大きい動
    径位置のデータを選択的に計測し信号強度が小さい動径
    位置の計測は省略するように、本撮像のk空間軌跡を設
    定することを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴画像
    撮像方法。
  5. 【請求項5】注目する領域の予備画像をスパイラル走査
    型のエコープラナー法により取得し、同方法によるk空
    間データを動径毎に方位角方向に積分し、該積分値が大
    きい動径を残し、該積分値が小さい動径位置の計測を省
    いて本撮像を実施し計測データを得、該データに動径方
    向の内挿を施してデータを補間した後再構成を行うこと
    を特徴とする請求項4に記載の磁気共鳴画像撮像方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007071607A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Kyushu Univ 電子スピン共鳴装置及び電子スピン共鳴装置における画像作成方法
CN101256226A (zh) * 2007-02-26 2008-09-03 西门子公司 用于产生高时间分辨率的磁共振图像的方法
JP2016214917A (ja) * 2010-10-06 2016-12-22 アスペクト イメージング リミテッド Mri走査アセンブリ及びターゲットのmri画像を向上させる方法

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