JPH09140377A - ヒト毛乳頭細胞由来の毛包誘導 - Google Patents

ヒト毛乳頭細胞由来の毛包誘導

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JPH09140377A
JPH09140377A JP7322439A JP32243995A JPH09140377A JP H09140377 A JPH09140377 A JP H09140377A JP 7322439 A JP7322439 A JP 7322439A JP 32243995 A JP32243995 A JP 32243995A JP H09140377 A JPH09140377 A JP H09140377A
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hair
human
foot pad
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cells
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JP7322439A
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Toshihiko Seki
利彦 世喜
Jun Suzuki
順 鈴木
Masashi Ogo
正志 尾郷
Tsutomu Soma
勤 相馬
Masahiro Tajima
正裕 田島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒト毛乳頭細胞の培養法の確立、および得ら
れる培養細胞の動物への移植による毛包の誘導法の提
供。 【解決手段】 ヒト毛乳頭細胞の培養によりスフエロイ
ドを作製し、次いでこのスフエロイドを挿入したフツト
パツド片をヌードマウスに移植して、該ヒト毛乳頭細胞
からの毛包の誘導系。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非ヒト哺乳動物に
よるヒト毛乳頭細胞に由来する毛包の誘導方法、ならび
に関連の培養細胞および動物に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトの毛髪に対して育毛作用を有する因
子をスクリーニングするための方法として、各種のイン
・ビボまたはイン・ビトロの系が提案されている。例え
ば、特公平7−32706号公報では、マウス由来の毛
母細胞を定常的に培養し得るといわれる毛母細胞培養法
が公表されている。
【0003】ところで、近年、当該技術分野で広く支持
されている説によると、毛髪の成長は周期的であり、成
長期(Anagen)、退行期(Catagen)、休止期(Teloge
n)によつてヘアサイクル(毛周期)は構成されてお
り、発毛に最も重要と考えられるのは、休止期から成長
期へかけての、新たな毛包が形成されるステージである
とされている。そして、かかるステージにおける分化に
重要な組織は毛乳頭であると考えられている。さらに、
毛乳頭細胞は、毛母細胞などの周りの上皮系の細胞へ信
号を送り、毛髪および毛包全体を形成させる、重要な役
割を担つていると考えられている(例えば、Hardy,M.
H.Trends Genet.8,55−61(1992)参
照)。
【0004】しかし、この毛乳頭、特に毛乳頭細胞がど
のような機能をもつ細胞であるかは、正確には解明され
ていないのが現状である。これらに関連する他の研究成
果としては、例えば、Jahoda らは、Nature 311,5
60−562(1984)で、ラツト、髭の培養毛乳頭
細胞を下半分が除去された毛包底に移植すると、個々の
移植毛乳頭細胞の周囲に真皮性マトリツクスを有する毛
球が形成されることを明らかにしている。Reynolds ら
は、Development 115,587−593(1992)
で、ラツトの毛皮の毛乳頭細胞がフツトパツド表皮に新
たに毛包が誘導されることを示している。
【0005】一方、ヒトの毛髪の毛乳頭細胞の培養によ
り表皮の構成要素に対する各種ホルモン類の作用が試験
できることも公表されている(Messenger A.G.Br.
J.Dermatol 110,685−689(1984))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヒトの
頭髪の発毛成長を検討するには、現実のヒト頭髪のヘア
サイクルにより近似した試験系を入手することが必要で
あろう。従つて、本発明の目的は、前記試験系として使
用できる手段を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒト毛乳
頭培養細胞は、それらをヌードマウスに移植した場合
に、その培養状態により毛包の誘導能に差異を確認でき
ることを見い出した。換言すれば、このような差異を利
用すれば、ヒト頭髪の発毛に重要な役割を担つている毛
乳頭細胞に対する各種環境の影響を調べることが可能に
なり、延いてはヒト頭髪の発毛や育毛に影響を及ぼす要
因を検討できる可能性がある。
【0008】従つて、本発明によれば、(A) ヒト毛
乳頭細胞を培養してスフエロイドを作製する工程、
(B) 前記スフエロイドをラツト由来のフツトパツド
の表皮と真皮との間に挿入する工程、(C) 工程
(B)で調製したフツトパツド片をヌードマウスの腎臓
とその被膜との間に移植する工程、ならびに(D) 工
程(C)による移植動物を飼育して、前記移植フツトパ
ツド片内で毛包を形成させる工程、を含んでなるヒト毛
乳頭培養細胞からの毛包の誘導方法が、提供される。
【0009】すなわち、本発明による毛包の誘導方法に
従い、各種要因が毛包の誘導能に及ぼす影響を調べるこ
とにより、それらの要因がヒト頭髪の発毛や育毛に対し
て有利に作用するか否かを推定できる。
【0010】また、別の態様の本発明としては、ヒト毛
乳頭細胞から毛包を誘導するためのヒト毛乳頭培養細胞
であつて、ヒトの頭皮に由来する単離毛乳頭を栄養培地
で培養して得ることのできる細胞またはスフエロイド
(丸い細胞塊)を形成した細胞が提供される。かかる培
養細胞は、各種環境、例えば特定の薬物等にさらした
後、上記毛包の誘導方法に供することにより、それらの
環境が毛包の誘導を促進または阻害するかを検出するの
に使用できるであろう。
【0011】さらに別の態様の本発明としては、ヒト毛
乳頭に由来する毛包を誘導することのできるヌードマウ
スが提供される。かかるマウスは、例えば各種薬物の生
体内投与等が、ヌードマウス内での前記毛包の誘導に与
える影響を検出するのに使用できるであろう。
【0012】以下、本発明をさらに具体的に説明する。
【0013】本発明で使用するヒト毛乳頭細胞は、その
生理機能に悪影響を及ぼさないような態様でヒト頭皮か
ら調製する。ヒト頭皮は、整形手術の副産物として生じ
たものを使用することが好ましい。頭皮は、本発明の目
的に照らし、成人男性由来のものを使用することが望し
い。使用する頭皮は、毛乳頭が正常な生理機能を保持し
ている限り、いずれの部位に属するものを選んでもよい
が、通常、側頭部や後頭部に由来するものを選ぶのがよ
い。
【0014】培養に供する単離毛乳頭細胞は、上記頭皮
から、それ自体既知の操作により調製することができ
る。例えば、上述の Messenger, A. G., Br. J. Dermat
ol. 110,685−689(1984)に記載の方法
に従うことができる。例えば、頭皮を5mmほどの短冊
状に切り、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)等で洗浄し
た後、必要によりタンパク質分解酵素等を用いまたは外
科的に処理し、表皮層および真皮層を除き、皮下脂肪層
のみにし、次いで毛包を物理的手段、例えばピンセツト
で単離する。毛包から毛球部を切り取り、この毛球部下
部から毛乳頭を露出させて毛乳頭(細胞)を単離する。
【0015】こうして得られる単離毛乳頭の培養は、動
物細胞の培養に用いられる市販の栄養培地をそのまま、
または変形したもので培養(初代培養および継代培養)
することができる。毛乳頭細胞の培養に使用できる代表
的な培地としては、ウシ胎児血清を含むダルベツコの変
形イーグル培地[Dulbecco′s Modefied Eagle Medium
(以下、DMEMという)、Gibco BRLより入手可]
およびチヤンの培地(Chang′s medium)[アーバイン
サイエンティフック社より入手可]が挙げられる。培地
には、さらに必要に応じて細胞増殖因子、ホルモンやそ
の他の微量栄養素を加えることができる。これらの具体
的なものとしては、トランスフエリン、インスリン、ト
リヨードチロニン、グルカゴン、繊維芽細胞増殖因子
(FGF)、ハイドロコーチゾン、テストステロン、エ
ストラジオール、プロゲステロン、セレン等が挙げられ
る。
【0016】これらの培地での単離毛乳頭細胞の培養
は、通常、培養皿を用い、5%CO2雰囲気下、37℃
のインキユベーター内に静置して行い、アウトグロース
が確認されたら、(初代培養)培地を交換してさらに培養
を続けることに(継代培養)より実施する。こうして得ら
れる培養細胞はさらに継代培養を行うことができる。飽
和状態になるまで細胞を増殖させ、細胞を剥離した後、
培地で懸濁させ、この細胞懸濁物をアガロースコート処
理した培養皿中の培地上に捲き、数日放置することによ
り細胞集合体は丸い細胞塊(スフエロイド)を形成するこ
とができる。
【0017】本発明によれば、上記スフエロイドをラツ
ト由来のフツトパツド(ラツト足の裏の皮膚片)の表皮
と真皮との間に挿入し、フツトパツド片としてヌードマ
ウスに移植する。フツトパツドは、麻酔を施したラツト
(例えば、wisterタイプ)から殺菌したフツトパツドを
切り取り、切片を消毒し、次いでPBSで洗浄した後に
使用する。このフツトパツドへのスフエロイドの挿入
は、フツトパツドから筋組織や結合組織を顕微鏡で物理
的に除去し、次いで適当な酵素処理を行つた後、その表
皮層と真皮層との間へスフエロイドを挿入することによ
り行う。
【0018】こうしてスフエロイドが挿入されたフツト
パツド片は、ヌードマウス(例えば、BALB/cA nu/nuタ
イプ)へ外科的手法により移植し、この移植動物を飼育
すると、移植されたフツトパツド片中にヒト毛乳頭細胞
由来の毛包を形成することができる。従来、ラツト髭由
来の毛乳頭培養細胞を用いてラツトで毛包の誘導を調べ
た例がある[例えば、Jahoda, C.A.B.Developmen
t 115,1103〜1109(1992);小林浩
士、バイオサイエンス研究会雑誌第1巻第1号、4−1
6(1984)]が、これらは所謂「同種間移植」によ
るもので、本発明のように異種間移植では、胸腺依存の
免疫系機能が脱落しているといわれるヌードマウスの使
用が必要である。
【0019】本発明のヒト毛乳頭培養細胞からの毛包の
誘導方法によれば、例えば、継代を重ねるに従つて毛包
誘導能が低減することが確認された。すなわち、培養細
胞の状態または置かれる環境(例えば、培養細胞を移植
する前に予備処理することを含む)に応じて毛包誘導能
が左右されることが理解できる。従つて本発明によれる
毛包誘導能を指標にすることにより、毛乳頭細胞自体ま
たはその置かれる環境の生理学的意義を検討することが
可能になるであろう。
【0020】
【実施例】以下、具体例を挙げ本発明をさらに詳細に説
明する。
【0021】(ヒト毛乳頭細胞の培養)ヒト毛乳頭細胞
の培養は、上述の Messenger の報告に基づいて行つ
た。整形手術の副産物として生じたヒト男性の側頭部の
頭皮を5mm幅ほどの短冊状に切り、表皮層、及び真皮
層を除いて皮下脂肪層のみにした。この時生じた切断面
からピンセツトを用いて引き抜くようにして毛包を単離
した。27Gの注射針の先端の刃の部分を使つて毛球部
上部を切断して、毛球部を切り離す。この毛球部下部を
注射針の先端で押し出すようにして毛乳頭を露出させ、
毛乳頭のみを採取した。
【0022】単離した毛乳頭を、10%の牛胎児血清
(FBS:Hyclone)を含む Dulbecco′s Modified Eag
le Medium(DMEM:Gibco BRL)[DMEM(+
10%FBS)]を浸してある培養皿(Falcon 300
1:Becton Dickinson)に置き、5%CO2、37℃下
のインキユベーター内に2週間ほど静置させた。この毛
乳頭からの細胞のアウトグロースが確認されたら、培地
を交換し、この後、2、3日置きに培地を交換し、初代
培養を開始してから4週間ほど経過した段階で、継代培
養を行つた。
【0023】なお、上記DME(+10%FBS)、な
らびに該培地に代えチヤンの培地(Chang′s medium)
を用いて初期培養を行つた場合、ヒト毛乳頭からのアウ
トグロース頻度(細胞数当り)は、次表Iのとおりであ
つた。
【0024】 表I 培養日数(日) 培 地 7 14 21 Chang′s medium 4/192(2%) 87/192(45%) 96/192(50%)DMEM(+10%FBS) 1/231(0.4%) 10/231(4%) 32/231(14%) Chang′s medium は以下の組成からなる 基礎培地 DMEM+F−12 FBS 10% FBS その他の添加物 10μg/mlトランスフエリン 40nMセレン 20μg/mlインスリン 0.2nMトリヨードチロニン 2μg/mlグルカゴン 20ng/ml FGF 2nMハイドロコーチゾン 2nMテストステロン 2nMエストラジオール 2nMプロゲステロン (初代培養では、表Iからみられるように Chang′s m
edium が、DMEM(+10%FBS)よりアウトグロ
ースの効率を高めることが理解できるが、以下の継代培
養ではDMEM(+10%FBS)を用いた。) 継代培養では、上記初代培養で得た細胞を、次のように
処理した後、細胞濃度が5×103個/cm2になるよう
に調整して培養を行つた。すなわち、細胞を0.02%
EDTAを含むPBSで洗い、0.25%トリプシン−
1mMEDTAにて37℃5分間処理した後、5倍量の
10%のFBSを含むDMEMを加えて反応を停止し、
1000回転で5分間遠心分離して細胞を回収した。細
胞を10%のFBSを含むDMEMに浮遊させて新たな
培養皿に捲き、2、3日置きに培地を交換した。以後、
細胞が飽和状態の9割ほどまで増殖したら同様の方法を
用いて順次継代培養を行つた。
【0025】(細胞倍加時間の測定)継代培養のたび
に、トリプシンで細胞を剥がした時に生ずる細胞懸濁液
中の細胞数を、血球計算板にて測定した。この値から片
対数グラフをもとに倍加数を求め、さらに1クールの継
代培養に要した時間を加味して細胞倍加時間を求めた。
結果を図1に示す。
【0026】なお、図1中のA0317−25Mは25
歳男性およびA0411−30Mは、それぞれ30歳男
性頭皮由来の毛乳頭細胞を用いた場合の結果を示す。こ
れらから、本発明の培養稽では、継代を重ねるにしたが
つて細胞倍加時間の値も徐々に増加する傾向がみられ
る。また、継代培養細胞の顕微鏡観察によると、初代培
養細胞と継代1代目の細胞とでは大きさ、形ともそれほ
ど劇的な変化はみられないが、継代を重ねて行くと、細
胞の形は丸みを帯び、継代1代目のものより大きくなる
傾向があつた。
【0027】(スフエロイド作製)毛包誘導能を調べた
い毛乳頭細胞を培養皿(Falcon 3003)に捲き、飽
和状態になるまで細胞を増殖させた。培地を5mlほど
浸した状態にして、cell scraper(住友ベークライト)
を用いて細胞を剥離させた。これを5〜10回メスピペ
ツトで懸濁させたのち、この懸濁液を2mlほどずつア
ガロースコートデイツシユに入れ、2日間放置した。こ
のとき、剥離させた細胞集合体は、丸い細胞塊を形成し
た。本発明では、これをスフエロイドと称している。
【0028】なお、上記アガロースコートデイツシユ
は、アガロース(Agarose NA:Pharmacia Biotech)
の1%水溶液を作製し、オートクレーブ処理を行い、こ
れを培養皿(Falcon 3001)に入れ、余分のアガロ
ースが重合しないうちに吸引器でアガロースを吸引除去
し、このようにしてアガロースコートさせた培養皿を一
晩放置し、十分重合させたものを用いた。
【0029】(スフエロイドのフツトパツドへの挿入)
エーテル処理したラツト(wister タイプ)から、イソ
ジンで殺菌したフツトパツドを解剖ばさみで切り出し
た。これを消毒用エタノールで2回洗い、PBSで3回
洗つた後、DMEMに浸した培養皿に取り、実体顕微鏡
下で筋組織、余分な結合組織を除いた。その後、2mm
×3mmほどの大きさに切り分けた。小さく切つたフツ
トパツド片を、DMEMに溶かした500U/mlのデ
イスパーゼ(三光純薬)溶液に37℃で3分間処理した
後に、先の尖つたピンセツトで表皮層と真皮層との間に
穴をあけ、スフエロイドを挿入した。
【0030】(フツトパツド片のヌードマウスへの移
植)一連の処理をした(毛乳頭培養細胞挿入)フツトパ
ツド片をヌードマウス(BALB/cA nu/nuタイプ)の腎臓
とその被膜との間に挿入し、このヌードマウスを約2ケ
月間飼育した後、開腹して腎臓を取り出し、フツトパツ
ド片を回収した。
【0031】(パラフイン包埋切片試料)回収したフツ
トパツド片を Lillie の緩衝ホルマリン溶液にて固定
し、水洗、70%エタノール置換した後に、密閉式自動
固定包埋装置(ETP−180B:サクラ製器)でパラ
フイン包埋し、パラフインブロツク作製装置(マイルス
三共)を用いてパラフインブロツクを作製した。光学顕
微鏡用ミクロトーム(JungRM2055:Leica)を用
いて8μm厚の連続切片を作製した。60℃で1晩放置
した後に、自動HE染色装置(サクラ精器)でヘマトキ
シリン・エオジン染色を行い、試料を顕微鏡観察した。
【0032】(凍結切片試料)連続切片作製の別法とし
て、回収したフットパッド片をOCT COMPOUN
D(Milus社より入手可)に入れ、凍結固定し、クリオ
スタットを用いて8μm厚の連続切片を作製してもよ
い。
【0033】これらの染色試料は、それぞれ Sham Oper
ation (フツトパツドに穴をあけただけでヒト毛乳頭培
養細胞を挿入していないもの:対照)、ならびに Early
Passage(継代培養初期:継代3代目)を使用して移植
したものおよび Late Passage(継代培養後期:継代9
代目)を使用して移植したもの由来である。これらの顕
微鏡観察の結果、Sham Operation および Late Passage
では、ラツトのフツトパツド組織切片と同様の像が見
られるだけであつた。一方、Early Passage のものは、
移植片に毛包様構造物が見られる(図2)。
【0034】このような構造物が観察されたものをフツ
トパツドブロツクごとにカウントし、頻度を調べた結果
を、次の表IIに示す。
【0035】 表II:各試料の毛包様組織が形成された頻度 毛乳頭細胞 Early Passage Late Passage Sham Operation Z0725−25M 2/9 0/6 A0317−25M 1/7 合計 3/16(19%) 0/6(0%) 0/2(0%) 表中:分数の分母は移植実験に用いたフツトパツド片の
数であり、分子はフツトパツド片の中に毛包様構造物が
確認されたフツトパツド片の数である。EarlyPassage
は継代3代目、Late Passage は継代9代目*の培養毛
乳頭細胞を意味する。Z0725−25M、A0317
−25Mはそれぞれ別の25歳男性の頭皮由来の培養毛
乳頭細胞。合計における括弧内の数字は本実験における
毛包様組織が形成された頻度を百分率で表わしたもので
ある。(*増殖が止まつてしまつた継代6代目以降も継
代を続けた。)
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、ヒトの頭髪の発毛また
は育毛試験に利用可能な、ヒト毛乳頭培養細胞からの毛
包の誘導方法、かかる毛包の誘導に用いるための前記培
養細胞およびヒト毛乳頭に由来する毛包を誘導すること
のできるヌードマウスが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】細胞継代数と細胞倍加時間の関係を表すグラフ
である。
【図2】毛包様構造物が誘導されたフツトパツド片(生
物の形態)を表す図面に代る顕微鏡写真である。寸法の
基準を示すバーは、200μmであり、(B)は(A)
を拡大したものでる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相馬 勤 神奈川県横浜市金沢区福浦2−12−1 株 式会社資生堂第二リサーチセンター内 (72)発明者 田島 正裕 神奈川県横浜市金沢区福浦2−12−1 株 式会社資生堂第二リサーチセンター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) ヒト毛乳頭細胞を培養してスフ
    エロイドを作製する工程、 (B) 前記スフエロイドをラツト由来のフツトパツド
    の表皮と真皮との間に挿入する工程、 (C) 工程(B)で調製したフツトパツド片をヌード
    マウスの腎臓とその被膜との間に移植する工程、ならび
    に (D) 工程(C)による移植動物を飼育して、前記移
    植フツトパツド片内で毛包を形成させる工程、を含んで
    なるヒト毛乳頭培養細胞からの毛包の誘導方法。
  2. 【請求項2】 ヒト毛乳頭細胞から毛包を誘導するため
    のヒト毛乳頭培養細胞であつて、ヒトの頭皮に由来する
    単離毛乳頭を栄養培地で培養して得ることのできる細
    胞。
  3. 【請求項3】 ヒト毛乳頭に由来する毛包を誘導するこ
    とのできるヌードマウス。
JP7322439A 1995-11-17 1995-11-17 ヒト毛乳頭細胞由来の毛包誘導 Withdrawn JPH09140377A (ja)

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