JP2014144375A - 毛髪再生用細胞移植方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】移植部の皮膚を100ミクロンから400ミクロンの分層で剥離し、その分層皮膚を薬剤処理して表皮部分と真皮部分に分離して、表皮部分のみを使用し、真皮部分は廃棄する。分離した表皮部分は、採皮部の露出した残りの真皮の上に移植するが、その際に毛乳頭細胞もしくは組織を真皮の上に移植し、その上から表皮を移植することによって、上記課題が解決された。
【選択図】なし
Description
The Journal of Investigative Dermatology 100(3):229−236(1993)Wendy C et al The Journal of Investigative Dermatology 124:867−876(2005)Ying Z et al The Journal of Investigative Dermatology 127(9):2106−2115(2007)Ehama R et al
(1) 表皮シートを含む毛髪再生剤であって、該表皮シートは、真皮部分が細胞分離剤で処理して削除されたものである、毛髪再生剤。
(2)前記細胞分離剤は、ディスパーゼ、コラゲナーゼ、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびトリプシンから選択される、項1に記載の毛髪再生剤。
(3)前記表皮シートは、皮膚を真皮部分で切り取って調製されたものである、項1または2に記載の毛髪再生剤。
(4)前記表皮シートは、皮膚を表皮部分より下で、かつ、皮下組織より上で剥離して調製されたものである、項1〜3のいずれかに記載の毛髪再生剤。
(5)前記表皮シートは、皮膚を100〜400μm剥離して調製されたものである、項1〜4のいずれかに記載の毛髪再生剤。
(6) 真皮部分が細胞分離剤で処理して削除された表皮シートと、細胞、移植組織および薬剤からなる群より選択される少なくとも1つの毛髪再生促進成分とを含む毛髪再生剤。
(7)前記細胞分離剤は、ディスパーゼ、コラゲナーゼ、トリプシンおよびEDTAから選択される、項6に記載の毛髪再生剤。
(8)前記毛髪再生促進成分は、毛包形成細胞である、項6〜7のいずれかに記載の毛髪再生剤。
(9)前記毛包形成細胞は、培養毛乳頭細胞、非培養毛乳頭細胞、培養表皮角化細胞、非培養表皮角化細胞、培養表皮基底細胞、非培養表皮基底細胞、培養表皮幹細胞、非培養表皮幹細胞、培養毛包幹細胞および非培養毛包幹細胞からなる群より選択される少なくとも1種類の細胞を含む、項8に記載の毛髪再生剤。
(10)前記毛髪再生促進成分は、移植組織である、項6〜9のいずれかに記載の毛髪再生剤。
(11)前記移植組織は、毛包組織、毛乳頭組織、および毛包形成細胞を含む毛包誘導コンストラクトからなる群より選択される少なくとも1種類の組織を含む、項10に記載の毛髪再生剤。
(12)前記組織は、足場材を含むものである、項11に記載の毛髪再生剤。
(13)前記足場材は、ポリ乳酸、コラーゲンおよびゼラチンからなる群より選択される少なくとも1つの材料を含むものである、項12に記載の毛髪再生剤。
(14)前記毛髪再生促進成分は、薬剤である、項6〜13のいずれかに記載の毛髪再生剤。
(15)前記薬剤は、骨形成たんぱく質(BMPs)、線維芽細胞増殖因子(FGFs)、上皮増殖因子(EGF)、血管上皮増殖因子(VEGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、ビタミンD(VitD)、インスリン様増殖因子(IGF)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、Wnts、トランスフォーミング増殖因子(TGFs)、表皮角化細胞培養上清、およびそれらを徐放化した製剤からなる群より選択される、項12に記載の毛髪再生剤。
(16)前記毛包形成細胞は、スフィア、懸濁またはシートの状態にあるものである項8に記載の毛髪再生剤。
(17)前記表皮シートは、皮膚を真皮部分で切り取って調製されたものである、項6〜16のいずれかに記載の毛髪再生剤。
(18)前記表皮シートは、皮膚を表皮部分より下で、かつ、皮下組織より上で剥離して調製されたものである、項6〜17のいずれかに記載の毛髪再生剤。
(19)前記表皮シートは、皮膚を100〜400μm剥離して調製されたものである、項6〜18のいずれかに記載の毛髪再生剤。
(20) 毛髪再生に使用するための表皮シートを調製する方法であって、
A)真皮層を含む剥離された皮膚を提供する工程;および
B)該皮膚を細胞分離剤で処理して真皮部分を消化する工程
を包含する、方法。
(21)前記細胞分離剤は、ディスパーゼ、コラゲナーゼ、EDTAおよびトリプシンから選択される、項20に記載の方法。
(22)前記皮膚は、表面から100〜400μmの深さの層のものである、項20〜21のいずれかに記載の方法。
(23) 毛髪再生に使用するための表皮シートを調製するためのデバイスであって、
真皮層を含む剥離された皮膚を提供することができる手段を備える、デバイス。
(24)前記皮膚は、表面から100〜400μmの深さの層のものである、項23に記載のデバイス。
(25)前記手段は、皮むき機、髭剃りまたはカンナの形状をしているものである、項23〜25のいずれかに記載のデバイス。
(26) 毛髪を再生するための方法であって、
A)真皮層を含む100〜400μmの剥離された皮膚を提供する工程;
B)該皮膚を細胞分離剤で処理して真皮部分を消化する工程;
C)毛包形成細胞を毛髪再生が所望される真皮の上に載せ、その上に消化された該皮膚を載せる工程;および
D)毛髪再生に十分な期間培養する工程
を包含する、方法。
本明細書において、「毛髪再生剤」とは、毛髪が生えていない身体の場所に毛髪を生えさせることができる組成物などの物質をいう。
layer)とよぶ。
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきでないことが理解される。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。
*上記のDPCが80%程度のコンフルエントに増殖した後、それらを300μLの0.25% Trypsin−EDTAにてDPCを分散する(37℃, 5min)。分散したDPCを低接着用丸底96wellタイタープレートに1x104個/ wellずつ播種し、50% CMにて2日間培養を行うことにより、細胞塊がsphereを形成する(P1)。
*シャーレ上のDPCを分散する。その後10cmディッシュにDPCを1x105個ずつ播種し、50%CMにて培養する(P1)。移植直前に、1000μLの0.25%
Trypsin−EDTAにてDPCを分散する(37℃, 5min)。分散したDPCを遠心チューブに集積(800g, 5min)した後、50% CMにて2×107 cells/ mLの細胞密度の細胞懸濁液に調製する。
*シャーレ上のDPCを分散する。その後6cmディッシュに6x104個ずつ播種し、DPCが積層状態に至るまで50% CMにて培養を行う(P1)。この細胞を移植直前に、セルスクレーパーを用いて物理的に細胞を剥離し、シート状のものを移植に供する。
別の局面において、本発明は、毛髪再生に使用するための表皮シートを調製する方法であって、A)真皮層を含む剥離された皮膚を提供する工程;およびB)該皮膚を細胞分離剤で処理して真皮部分を消化する工程を包含する、方法を提供する。
別の局面において、本発明は、毛髪再生に使用するための表皮シートを調製するためのデバイスであって、真皮層を含む剥離された皮膚を提供することができる手段を備える、デバイスを提供する。
別の局面において、本発明は、毛髪再生法、または毛髪再生に使用するための方法であって、A)真皮層を含む100〜400μmの剥離された皮膚を提供する工程;B)該皮膚を細胞分離剤で処理して真皮部分を消化する工程;C)毛包形成細胞を毛髪再生が所望される真皮の上に載せ、その上に消化された該皮膚を載せる工程;およびD)毛髪再生に十分な期間培養する工程を包含する、方法を提供する。
C)毛包形成細胞を毛髪再生が所望される真皮の上に載せ、その上に消化された該皮膚を載せる工程について、移植培養毛乳頭細胞が懸濁液の場合、培養細胞の漏出を防止するため、懸濁液の用量を3〜5μLとすることが好ましいが、これに限定されない。
本実施例では、毛髪再生に使用される髭毛乳頭細胞の採取を行った。
結果を図1に示す。培養開始5日後の培養細胞の写真が示されている。移植に耐える程度の生物学的活性を保っていることがわかる。
表皮シートは、以下のようにして作製する。表皮シートは、以下のように作製しすぐに移植することもでき、あるいは、別途作製し保存することもできる。
以下の1、2、3の手順が表皮シートの作製方法である。
1 F344ラット(オス)、またはヌードラット(オス)を麻酔し、足裏に0.001%ボスミン液(第一製薬)を注射した後、3mmBiopsyPunch(KAImedical,BP30F)を足裏皮膚組織に軽く押し付け皮膚表面上にスリットを作製した。
2 スカルペル(KAI medical,511−A)で真皮層を残すように薄切し皮層を分離した。
3 分離した皮膚を1000PU/mLディスパーゼII(三光純薬)で37℃、20分間処理し真皮層を取り除き、表皮シートを作製した。
次に、移植に使用されるラット髭毛乳頭細胞 移植片準備を行った。
培養毛乳頭シートを皮膚切除部の真皮上に乗せ、表皮シートをもどし、縫合した。
図3は、ラットの足裏皮膚(毛および毛包組織は無い)を用いて、成獣ラット培養毛乳頭細胞移植を行ったものの結果である。図3は、移植細胞から生え出した毛の写真であり、下はHE染色写真である。図3の結果から明らかなように、移植部分から毛髪が生え出した。
本実施例では、毛髪再生に使用されるヒト毛乳頭細胞 の採取を行った。
1 ヒト後頭部から3mmBiopsyPunch (KAImedical,BP30F)でくり抜いた皮膚組織を採取し、ピンセットとハサミを用いて毛球部を取り出した後、周囲組織を取り除き毛乳頭のみを採取した。
2 採取した毛乳頭を6cmディッシュの底面に針とピンセットで張り付け、50%CM培地(ヒト表皮ケラチノサイト培養上清(FAD/10%ヒト血清 Gibco)とDMEM/10%ヒト血清(ニッスイ)を1:1で混合した培地。)をゆっくり添加後、37℃、5%CO2下で培養する。細胞数が増えるまで3日おきに培地を交換した。
結果を図4に示す。培養開始11日後の培養細胞の写真が示されている。毛乳頭細胞が十分採取されたことがわかる。
次に、移植に使用されるヒト毛乳頭細胞移植片準備を行った。
結果を図5に示す。図5には、ヌードラットの足裏皮膚(毛および毛包組織は無い)を用いて、ヒト培養毛乳頭細胞移植を行ったもの結果を示す。ヒト培養毛乳頭細胞移植の場合でも、はっきりとした毛包構造が形成されていることがわかる。
分離したラット足裏皮膚を、0.05%コラゲナーゼで4℃一晩、または50mM〜200mM EDTAで4℃一晩、または0.25%トリプシン/EDTAで37℃ 40−50分処理し表皮シートを作製する。作成した表皮シートを観察すると、ディスパーゼ処理同様に真皮層の細胞が除去されており、いずれも表皮シート作成に有効であることが分かる。
Claims (1)
- 明細書に記載の発明。
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JP2014092556A JP2014144375A (ja) | 2014-04-28 | 2014-04-28 | 毛髪再生用細胞移植方法 |
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Citations (3)
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JPH09140377A (ja) * | 1995-11-17 | 1997-06-03 | Shiseido Co Ltd | ヒト毛乳頭細胞由来の毛包誘導 |
WO2007100870A2 (en) * | 2006-02-28 | 2007-09-07 | The Trustees Of Columbia University In The City Of New York | Methods for compact aggregation of dermal cells |
JP2008306938A (ja) * | 2007-06-12 | 2008-12-25 | Shiseido Co Ltd | 毛乳頭細胞培養方法 |
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2014
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Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6013033462; 松崎貴: '毛髪の形成を支えるパピラ細胞の培養法 (新技術事業団S)' 創造科学技術推進事業 1994 創造科学技術研究報告会(東京) 第3部講演要旨集 , 1994, p.100-106 * |
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