JPH09138149A - 超音波流量計及び超音波送受信モジュール - Google Patents

超音波流量計及び超音波送受信モジュール

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JPH09138149A
JPH09138149A JP7298029A JP29802995A JPH09138149A JP H09138149 A JPH09138149 A JP H09138149A JP 7298029 A JP7298029 A JP 7298029A JP 29802995 A JP29802995 A JP 29802995A JP H09138149 A JPH09138149 A JP H09138149A
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淳志 渡邊
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明久 足立
Toshiharu Sato
利春 佐藤
Naoko Azuma
奈緒子 東
Masahiko Hashimoto
雅彦 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定流体が流れる流路内での流量を測定す
る超音波流量計において、高感度で安定性の高い超音波
流量計を提供することを目的とする。 【解決手段】 被測定流体が流れる流路1と、互いに平
行な平面である流路1の上壁2と下壁3と、トランスジ
ューサ4、5とを備え、流路1を上壁2と下壁3の平行
平面で限定することにより超音波ビームの高さ方向の広
がりを抑え、かつ流路1の高さHとトランスジューサ4
と5の高さhを等しくすることにより送信側のトランス
ジューサから出射した超音波の音圧を高さ方向にわたっ
て一様にし、受信側のトランスジューサの受信面全面で
受信することができる超音波流量計。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2個一組の超音波
トランスジューサを流れの上流側、下流側にそれぞれ配
置し、超音波を一方で送信、他方で受信することによ
り、被測定流体の流量を測定する超音波流量計に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】超音波を用いた流量計測は古くから良く
知られた技術であり、主にパイプ中を流れる液体の流量
を測定する工業用の超音波流量計が開発されている。代
表的な例としては、液体が流れているパイプの外側に、
パイプの長手方向に上流側と下流側に2個の超音波トラ
ンスジューサを取り付け、一方で超音波パルスを送信し
他方で受信することを交互に行い、それぞれの伝搬時間
を計測することにより液体の流速を求め、パイプ内の断
面積を乗じて流量を算出する流量計がある。
【0003】以下に、従来の超音波流量計について説明
する。図7、図8、図9は従来の超音波流量計の流路検
出部の模式図である。図7において、1は被測定流体が
流れる流路、20は流路を構成するパイプ、4、5は超
音波を送信または受信するトランスジューサ、vは流路
1を流れる液体の流速、Cは液体が静止しているときの
液体中の音速である。トランスジューサ4から送信され
た超音波は液体中を伝搬し、トランスジューサ5で受信
される。この送信から受信までの液体中の伝搬時間をt
1 とする。このとき、液体中を超音波が伝搬した距離を
L、パイプ20の長手方向と超音波の伝搬方向とのなす
角をθとすると、次式が成り立つ。
【0004】
【数1】
【0005】次にトランスジューサ5から送信された超
音波が液体中を伝搬し、トランスジューサ4で受信され
る。この液体中の伝搬時間をt2 とすると、同様に次式
が成り立つ。
【0006】
【数2】
【0007】これら2式からそれぞれ伝搬時間の逆数を
求めると、次式のようになる。
【0008】
【数3】
【0009】これら2式の差を求めると、次式のように
なる。
【0010】
【数4】
【0011】したがってこの式から流速vを求めると、
次式のようになる。
【0012】
【数5】
【0013】以上の流速vに流路1の断面積を乗じるこ
とにより、流量が求められる。この流速vの式からわか
るように、式には静止音速Cが含まれておらず、流体の
種類等による音速の差に関係なく、伝搬時間t1 とt2
を計測することにより液体の流速を求めることができ
る。
【0014】図8は、一方のトランスジューサから送信
した超音波のエネルギーができるだけもう一方のトラン
スジューサに受信されるような工夫として、トランスジ
ューサ4とパイプ20の間、トランスジューサ5とパイ
プ20の間にそれぞれ超音波伝達子21、22を挿入し
たもので、超音波の屈折による入射角の変化を考慮して
角度を設定してある。このような形式においても、流速
vと流量は図7の例と同様の方法で求めることができ、
音速には無関係となる。
【0015】図9は、パイプ20を透過させずに直接流
路1に超音波を送受信できるように、パイプ20の中に
トランスジューサ4、5を設置したものである。この形
式においても、流速vと流量は図7の例と同様の方法で
求めることができ、音速には無関係となる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、図7においては、送信側のトランスジュ
ーサから送信された超音波ビームは方向の調節ができ
ず、もし超音波の指向性が小さくビームが細ければ、も
う一方のトランスジューサには受信されないため、実際
にこの方式を用いるためにはトランスジューサはかなり
広い指向性を持っていなければならない。計測の方式
上、トランスジューサ4、5のいずれも送信側になるた
め、両方とも指向性が広くなければいけない。このよう
に指向性を広くした場合、トランスジューサの設置位置
の精度が多少粗くても超音波の送受信が可能となる利点
はあるが、超音波ビームはパイプ20の長手方向と径方
向の両方に広がってしまうため、受信側のトランスジュ
ーサで受信される超音波は大きく広がった超音波ビーム
の一部でしかなく、非常に効率が悪くなってしまうとい
う問題点を有していた。
【0017】また、図8においては、送信側の超音波伝
達子によって超音波ビームの向きを設定することができ
るため、図7の場合とは逆に超音波の指向性を狭くして
受信側のトランスジューサに入射する超音波のエネルギ
ーを集中できるという利点はあるが、送信した超音波ビ
ームを確実に受信側のトランスジューサに入射させるた
めには、超音波伝達子の角度、トランスジューサと超音
波伝達子のパイプ20に対する長手方向の位置、周方向
の位置について、かなり正確な調節が必要となり、超音
波ビームの方向がずれると急激に受信出力が落ちてしま
うことになる。このようにいくつもの角度・位置の厳密
な調節が必要となる場合、長期間メンテナンスを行わず
に流量計を設置しておくような用途には、振動等の何ら
かの理由で位置や角度がずれて出力が急激に落ち流量検
出が不能となる可能性があるため、適切とはいえないと
いう問題点を有していた。
【0018】また、図9においては、被測定流体である
液体に対して直接超音波を送受信するため境界面での反
射等によるロスがなく効率的であるが、パイプ20の内
部に凹部ができて液体に渦が生じやすく、またパイプ2
0の形状も特殊な形状に加工しなければならないという
問題点を有していた。さらに、パイプ20の中にトラン
スジューサ4、5を設置するため、超音波ビームの出射
方向についてアラインメントしずらい上、一度設置した
後のメンテナンス等が難しく、また流量計作製時にトラ
ンスジューサの不調が起こった場合にトランスジューサ
だけでなくパイプ20を含めた全体を交換しなければな
らないため、歩留まりが悪く、コストが高くなってしま
うという問題点も有していた。
【0019】また、図7、図8、図9のいずれにおいて
も、パイプ20の外側に向かってトランスジューサ4、
5の後部が突き出るため、パイプ20の横のスペースを
あまりとれない場合には取り付けが難しいという問題を
有していた。
【0020】本発明は、上記従来の問題点を解決するも
ので、高感度・高安定性で精度が良く、コンパクトで低
コストな超音波流量計を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の超音波流量計は、被測定流体が流れる任意の
高さで配置した平行な二平面に挟まれた流路と、被測定
流体を介して超音波の送信または受信を行う任意の高さ
と同じ高さの送受信面を有する第1、第2のトランスジ
ューサとを備えた第1の構成を有している。
【0022】また、前記構成において、第1、第2のト
ランスジューサが超音波の波長に対して十分に小さい幅
を有しても良い。
【0023】また、前記構成において、第1、第2のト
ランスジューサが超音波の波長に対して十分に大きな幅
を有しても良い。
【0024】また、本発明の超音波流量計は、被測定流
体が流れる流路と、流路の外側に位置し流路の長手方向
に対してほぼ平行な方向に超音波を送信または受信する
第1、第2のトランスジューサと、第1のトランスジュ
ーサの正面に位置し第1のトランスジューサから送信さ
れた超音波を流路の内部に向かって反射する第1の反射
面と、第2のトランスジューサの正面に位置し第2のト
ランスジューサから送信された超音波を流路の内部に向
かって反射する第2の反射面とを備えた第2の構成を有
している。
【0025】また、本発明の超音波流量計は、被測定流
体が流れる流路と、被測定流体を介して超音波の送信ま
たは受信を行う第1、第2のトランスジューサと、流路
と第1のトランスジューサとの間に設置しかつ流路に対
して超音波を送信または受信する面が流路の第1のトラ
ンスジューサ側の壁面に対して凹凸を生じない形状を有
する第1の超音波伝達子と、流路と第2のトランスジュ
ーサとの間に設置しかつ流路に対して超音波を送信また
は受信する面が流路の第2のトランスジューサ側の壁面
に対して凹凸を生じない形状を有する第2の超音波伝達
子とを備えた第3の構成を有している。
【0026】また、本発明の超音波流量計は、被測定流
体を介して超音波の送信または受信を行う第1、第2の
トランスジューサを予め流量検出に最適な位置と角度に
調節して対向しかつ固定具に固定することにより超音波
送受波モジュールを作り、被測定流体が流れる流路に超
音波送受波モジュールを組み込むことにより構築される
第4の構成を有している。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、予め決められた高さを有する二つの平行な平板を備
える流路と、前記二つの平板の外側に位置し、超音波の
送受信面が前記予め決められた高さと実質的に同じ高さ
を有する二つのトランスジューサとを具備するものであ
り、送信側のトランスジューサから出射した超音波の音
圧を高さ方向にわたって一様にし、かつ受信側のトラン
スジューサの受信面全面で受信することができるため感
度を高めることができるとともに、安定した受信出力を
得ることができる。
【0028】本発明の請求項4に記載の発明は、被測定
流体が流れる流路と、前記流路の外側に位置し前記流路
の長手方向に対して実質的に平行な方向に超音波を送受
信する第1トランスジューサ及び第2のトランスジュー
サと、前記第1のトランスジューサの正面に位置して前
記第1のトランスジューサから送信された超音波を前記
流路の内部に向かって反射し、前記第2のトランスジュ
ーサから送信された超音波を前記第1のトランスジュー
サへ送信する第1の反射面と、前記第2のトランスジュ
ーサの正面に位置して前記第2のトランスジューサから
送信された超音波を前記流路の内部に向かって反射し、
前記第1のトランスジューサから送信された超音波を前
記第2のトランスジューサへ送信する第2の反射面とを
具備するものであり、送信側と受信側の両方のトランス
ジューサを流路に対して平行に設置することができ、流
路に対して斜めに設置する必要がなくなるため、流量検
出部を非常にコンパクトにすることができる。
【0029】本発明の請求項5に記載の発明は、被測定
流体が流れる流路と、前記被測定流体を介して超音波の
送信または受信を行う第1、第2のトランスジューサ
と、前記流路と前記第1のトランスジューサとの間に位
置し、前記流路に対して前記超音波を送信または受信す
る面が前記流路の前記第1のトランスジューサ側の壁面
に対して凹凸を生じない形状を有する第1の超音波伝達
子と、前記流路と前記第2のトランスジューサとの間に
設置しかつ前記流路に対して前記超音波を送信または受
信する面が前記流路の前記第2のトランスジューサ側の
壁面に対して凹凸を生じない形状を有する第2の超音波
伝達子とを具備するものであり、流路の壁面に凹凸がな
くなり、被測定流体の流れを乱すことがなくなるため、
測定精度を向上することができ、かつ被測定流体に直接
超音波伝達子が接しているので、境界面での反射等によ
るロスがなくなる。
【0030】本発明の請求項6に記載の発明は、被測定
流体を介して超音波の送受信を行う第1トランスジュー
サ及び第2のトランスジューサを流量検出に最適な位置
と角度に調節して固定具で固定された超音波送受波モジ
ュールであり、トランスジューサを流量計内に設置して
から角度や位置を調節する必要がなくなるため、組立工
程の作業効率を高めることができるとともに、点検時や
不調時に超音波送受波モジュールのみの取り出しや交換
が可能となる。
【0031】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の第1の実施例について、図面
を参照しながら説明する。
【0032】図1は本発明の第1の実施例における超音
波流量計の流量検出部の概略図である。図1において、
1は速度vで被測定流体が流れる流路で、2が流路1の
上壁、3が流路1の下壁であり、上壁2と下壁3は互い
に平行な平面である。11、12は流路1の横の壁面
で、16及び17はそれぞれ壁面11とトランスジュー
サ4の隙間及び壁面12とトランスジューサ5の隙間を
埋める補助壁である。本実施例では流路1に流れる被測
定流体は空気とする。Cは無風状態での音速である。
4、5は超音波を送信または受信するトランスジューサ
であり、電気信号を音響信号へあるいは音響信号を電気
信号へ変換する素子である。このトランスジューサ4、
5は、ある時間においてはトランスジューサ4から超音
波が送信されて空気中を伝搬し、トランスジューサ5で
受信される。この送信から受信までの空気中の伝搬時間
をt1 とする。このとき、空気中を超音波が伝搬した距
離をL、流路1の長手方向と超音波の伝搬方向とのなす
角をθとする。またある時間においてはトランスジュー
サ5から送信されてトランスジューサ4で受信され、そ
の伝搬時間をt2 とする。
【0033】このような状態における流速vは、従来の
技術で示した方法と同様に、(数5)で求められる。す
なわち、この式には静止音速Cが含まれていないため、
音速の差に無関係に伝搬時間t1 とt2 を計測すること
により流速を求めることができる。
【0034】このような超音波流量計の流量検出部の製
造方法の一例を図1を用いて説明する。
【0035】まず初めに各寸法を決める。流路1の高さ
Hと、壁面11と壁面12の幅を決める。次にトランス
ジューサ4と5の高さhと幅を決める。このとき、流路
1の高さHと、トランスジューサ4と5の超音波の送受
信面の高さhは等しくする。
【0036】次に流路1を作製する。流路1は、トラン
スジューサ4、5の周辺部を除いて断面が矩形であるた
め、平板を用いて作製する。平板の材料は、流路1に流
す被測定流体に対して化学反応等を生じず、漏れること
のないように気密性のあるものを用いる。本実施例では
被測定流体は空気であるため、上記条件に合うものとし
てアクリル板を用いた。次に寸法に合わせて下壁3、壁
面11、壁面12の3枚の平板をエポキシ樹脂系の接着
剤を用いて接着し、この段階で上壁2のない矩形流路を
構成する。ただし上壁2と下壁3は、トランスジューサ
4と5の前に流路1の凹部ができるため、その部分をカ
バーできるような寸法にしておく。次にθの値を決め、
それに対応してトランスジューサ4、5が流路1の中心
に対して対称な位置にくるように、トランスジューサ4
と5の位置を決める。その位置に対応する壁面11、1
2の位置に切り込みを入れ、補助壁16、17を接着剤
で取り付けた後、上壁2を接着剤で取り付ける。この段
階で空気の入口と出口、トランスジューサ4と5の取り
付け口の4カ所の穴が開いた流路1ができる。
【0037】次にトランスジューサ4と5を取り付け
る。トランスジューサ4と5は、圧電振動子の振動等に
より超音波を送受信することができるものを用いる。ト
ランスジューサ4と5は、既に決められている取り付け
位置に、流路1を挟むように対向して取り付ける。ただ
しここではネジ等による仮止めとし、ここでトランスジ
ューサ4と5の向きをそれぞれ微調節して送受信感度が
初期設定感度となる向き(例えば感度が最大となる向
き)を見つける。向きが決まったら、その向きが固定さ
れるようにトランスジューサ4と5を接着剤で固定す
る。
【0038】最後に、気密性を完全にする。すなわち、
トランスジューサ4と5の微調節により生じた流路1の
隙間を接着剤等で塞ぐ。
【0039】以上のようにして、本実施例における超音
波流量計の流量検出部を作製することができる。
【0040】このような構成の超音波流量計の流量検出
部は以下のように動作する。まず、トランスジューサ4
を送信側、トランスジューサ5を受信側とする。超音波
流量計のトランスジューサ駆動回路から駆動信号を受け
た送信側のトランスジューサ4は、その電気信号を音響
信号に変換し、流路1に向かって超音波を送信する。駆
動信号は、一定の周波数で一定の波数の波連を発振する
バースト発振信号である。このとき、送信側のトランス
ジューサ4は、図1で斜線で示した音波放射面全面が一
様に振動して超音波を送信し、放射面の振動のムラはな
いものとする。流路1を斜めに伝搬した超音波は、対向
するもう一方の受信側のトランスジューサ5で受信さ
れ、その音響信号は電気信号に変換されて受信回路に入
射する。各波連に対応する受信信号の回数が予め規定し
た回数に達すると、送信側と受信側のトランスジューサ
が切り替えられる。すなわち、トランスジューサ5が送
信側、トランスジューサ4が受信側となる。以降の動作
は上記と同様である。このように、送信と受信のトラン
スジューサを切り替えることによってt1とt2がそれ
ぞれ求められ、前述のように(数5)を用いて流速、流
量を求めることができる。
【0041】超音波流量計においては、トランスジュー
サ4、5における送受信の感度ができるだけ高い方が測
定に有利である。しかし、一般的に開空間における遠距
離音場ではトランスジューサから送信された超音波ビー
ムは広がっていく。また開空間でなくても、トランスジ
ューサから放射された音波が広がりをもてるような空間
の場合では同様である。これは超音波ビームに指向性が
あるためで、このような場合、送信側と受信側のトラン
スジューサが同じ形状寸法であれば超音波ビームが広が
る分、送受信の効率は悪くなる。したがって、超音波の
エネルギーができるだけ受信側のトランスジューサに集
中するようにした方が感度が上がるとともに効率もよく
なる。本実施例では流路1を上壁2と下壁3の平行平面
で限定するとともに、流路1の高さHとトランスジュー
サ4、5の高さhを等しくした。このような構成にする
ことにより、送信側のトランスジューサから出射した超
音波の音圧を高さ方向にわたって一様にし、かつ受信側
のトランスジューサの受信面全面で受信することができ
る。
【0042】実際にこのような超音波流量計を構成して
実験を行った結果、開空間でトランスジューサ2個を対
向した場合よりも高い送受信感度特性が得られることが
確認できた。
【0043】また、このような高さ方向に条件づけた構
成に加えて、トランスジューサの幅方向の条件をつける
ことにより超音波ビームの指向性を調節することがで
き、ビーム幅を広くしたり、あるいは狭くしたりするこ
とができる。
【0044】例えば、送信側のトランスジューサの幅を
超音波の波長よりも小さくすると、超音波の指向性は広
くなるため、トランスジューサから出射された超音波ビ
ームは流路1内で横方向に広がる。したがってこのよう
な構成の超音波流量計では、空気の流れによって超音波
が下流方向に流されても受信側のトランスジューサの受
信レベルを一定に保つことができる。
【0045】あるいは、送信側のトランスジューサの幅
を超音波の波長よりも十分に大きくすると、超音波の指
向性は狭くなるため、トランスジューサから出射された
超音波ビームは流路1内で横方向には広がらず、空気の
流速vが小さい場合においてはほとんどの超音波エネル
ギーを受信側のトランスジューサに集中することができ
るため、高感度を実現することができる。
【0046】なお、このような高さ方向の条件づけ、横
方向の条件づけは、超音波の伝搬経路が図2、図3のよ
うな場合でも同様な効果を有する。
【0047】(実施例2)以下本発明の第2の実施例に
ついて、図面を参照しながら説明する。
【0048】図4は本発明の第2の実施例における超音
波流量計の流量検出部で、(a)は上から見た概略図で
ある。図4(a)において、1は速度vで被測定流体が
流れる流路で、図4(b)は流路1を被測定流体の入口
から見たときの概略図である。本実施例では流路1に流
れる被測定流体は空気とし、Cは無風状態での音速であ
る。2は流路1の上壁、3は流路1の下壁であり、上壁
2と下壁3は互いに平行な平面である。4、5は超音波
を送信または受信するトランスジューサであり、電気信
号を音響信号へあるいは音響信号を電気信号へ変換する
素子である。9は例えばステンレス等の金属板からな
り、トランスジューサ4から送信された超音波を反射す
る反射面、10はトランスジューサ5から送信された超
音波が反射する反射面であり、11、12は流路1の横
の壁面で、16及び17はそれぞれ反射面9とトランス
ジューサ4の隙間及び反射面10とトランスジューサ5
の隙間を埋める補助壁である。トランスジューサ4、5
は、ある時間においてはトランスジューサ4から超音波
が送信されて反射面9、10で反射しながら空気中を伝
搬し、トランスジューサ5で受信される。この送信から
受信までの空気中の伝搬時間をt1 とする。このとき、
空気中を超音波が伝搬した距離をL、流路1の長手方向
と超音波の伝搬方向とのなす角をθとする。またある時
間においてはトランスジューサ5から超音波が送信され
て反射面10、9で反射しながら空気中を伝搬し、トラ
ンスジューサ4で受信され、その伝搬時間をt2 とす
る。
【0049】このような状態における流速vは、従来の
技術で示した方法と同様に、(数5)で求められる。す
なわち、この式には静止音速Cが含まれていないため、
音速の差に無関係に伝搬時間t1 とt2 を計測すること
により流速を求めることができる。
【0050】このような超音波流量計の流量検出部の製
造方法の一例を図4を用いて説明する。
【0051】まず初めに各寸法を決める。流路1の高さ
Hと、壁面11と壁面12の幅を決める。次にトランス
ジューサ4と5の高さhと幅を決める。このとき、流路
1の高さHと、トランスジューサ4と5の高さhは等し
くする。
【0052】次に流路1を作製する。流路1は、トラン
スジューサ4、5の周辺部を除いて断面が矩形であるた
め、平板を用いて作製する。平板の材料は、流路1に流
す被測定流体に対して化学反応等を生じず、漏れること
のないように気密性のあるものを用いる。本実施例では
被測定流体は空気であるため、上記条件に合うものとし
てアクリル板を用いた。次に寸法に合わせて下壁3、壁
面11、壁面12の3枚の平板をエポキシ樹脂系の接着
剤を用いて接着し、この段階で上壁2のない矩形流路を
構成する。ただし上壁2と下壁3は、トランスジューサ
4と5の前に流路1の凹部ができるため、その部分をカ
バーできるような寸法にしておく。次にθの値を決め、
それに対応して反射面9、10が流路1の中心に対して
対称な位置にくるように反射面9と10の位置を決め、
その位置に対応する壁面11、12の位置に切り込みを
入れ、接着剤で壁面11と下壁3、壁面12と下壁3に
それぞれ取り付ける。このとき反射面9、10の向き
は、図4(a)で示されているように、流路1を伝搬し
てきた超音波が流路1の長手方向と平行な方向に反射さ
れてトランスジューサ4、5で受信されるような向きと
なるようにする。さらに、反射面9、10から一定距離
だけ離してトランスジューサ4、5の位置を決める。こ
のとき、トランスジューサ4、5から送信されて反射面
9、10で反射された超音波が、トランスジューサ4、
5にかからないようにある程度の余裕をもって位置を決
める。そして補助壁16、17を接着剤で取り付けた
後、上壁2を接着剤で取り付ける。この段階で空気の入
口と出口、トランスジューサ4と5の取り付け口の4カ
所の穴が開いた流路1ができる。
【0053】次にトランスジューサ4と5を取り付け
る。トランスジューサ4と5は、圧電振動子の振動等に
より超音波を送受信することができるものを用いる。ト
ランスジューサ4と5は、既に決められている取り付け
位置に、それぞれ反射面9、10に向けて取り付ける。
ただしここではネジ等による仮止めとし、ここでトラン
スジューサ4と5の向きをそれぞれ微調節して送受信感
度が初期設定感度となる向き(例えば感度が最大となる
向き)を見つける。向きが決まったら、その向きが固定
されるようにトランスジューサ4と5を接着剤で固定す
る。
【0054】最後に、気密性を完全にする。すなわち、
トランスジューサ4と5の微調節により生じた流路1の
隙間を接着剤等で塞ぐ。
【0055】以上のようにして、本実施例における超音
波流量計の流量検出部を作製することができる。
【0056】このような構成の超音波流量計の流量検出
部は以下のように動作する。まず、トランスジューサ4
を送信側、トランスジューサ5を受信側とする。超音波
流量計のトランスジューサ駆動回路から駆動信号を受け
た送信側のトランスジューサ4は、その電気信号を音響
信号に変換し、反射面9に向かって超音波を送信する。
駆動信号は、一定の周波数で一定の波数の波連を一定の
周期で発振するバースト発振信号である。このとき、送
信側のトランスジューサ4は、音波放射面全面が一様に
振動して超音波を送信し、放射面の振動のムラはないも
のとする。反射面9で反射された超音波は流路1を斜め
に伝搬し、対向するもう一方の反射面10で反射されて
受信側のトランスジューサ4で受信され、その音響信号
が電気信号に変換されて受信回路に入射する。各波連に
対応する受信信号の回数が予め規定した回数に達する
と、送信側と受信側のトランスジューサが切り替えられ
る。すなわち、トランスジューサ5が送信側、トランス
ジューサ4が受信側となる。以降の動作は上記と同様で
ある。このように、送信と受信のトランスジューサを切
り替えることによってt1とt2がそれぞれ求められ、前
述のように(数5)を用いて流速、流量を求めることが
できる。
【0057】通常は流路1を斜めに横切るように超音波
が伝搬しなければ測定できないため、一般的には送信側
と受信側のトランスジューサを流路1の長手方向に対し
て斜めに設置するのが普通だが、この設置方法の場合は
流路1の外側に大きなスペースが必要となる。したがっ
て本実施例では、図4のように流路1に平行して隣接す
るようにトランスジューサ4、5を設置し、反射面9、
10で超音波を斜めに反射して流路1に入射することに
より、送受信を行うことができる。このような構成の超
音波流量計においては、流路1の外側のスペースはトラ
ンスジューサ4、5の幅程度で済むため、非常にコンパ
クトな超音波流量計を実現することができる。
【0058】なお、このような反射面9、10の設置
は、超音波の伝搬経路が図2、図3のような場合でも同
様な効果を有する。
【0059】(実施例3)以下本発明の第3の実施例に
ついて、図面を参照しながら説明する。
【0060】図5は本発明の第3の実施例における超音
波流量計の流量検出部で、(a)は上から見た概略図で
ある。図5(a)において、1は速度vで被測定流体が
流れる流路で、図5(b)は流路1を被測定流体の入口
から見たときの概略図である。本実施例では流路1に流
れる被測定流体は空気とし、Cは無風状態での音速であ
る。2は流路1の上壁、3は流路1の下壁であり、上壁
2と下壁3は互いに平行な平面である。4、5は超音波
を送信または受信するトランスジューサであり、電気信
号を音響信号へあるいは音響信号を電気信号へ変換する
素子である。11、12は流路1の横の壁面で、13、
14は壁面11、12に凹部が生じないように設置され
た超音波伝達子で直接被測定流体に接している。トラン
スジューサ4、5から送信された超音波を、屈折を用い
て流路1の空気に入射できるように、かつ流路1を通過
してきた超音波を屈折を用いてトランスジューサ5、4
に入射できるようになっている。このように、トランス
ジューサ4、5は、ある時間においてはトランスジュー
サ4から超音波が送信され、超音波伝達子13を通過し
て空気中を伝搬し、超音波伝達子14を通過してトラン
スジューサ5で受信される。このときの送信から受信ま
での超音波の空気中での伝搬時間をt1 とする。空気中
を超音波が伝搬した距離をL、流路1の長手方向と超音
波の伝搬方向とのなす角をθとする。またある時間にお
いてはトランスジューサ5から超音波が送信され、超音
波伝達子14を通過して空気中を伝搬し、超音波伝達子
13を通過してトランスジューサ4で受信され、そのと
きの空気中での伝搬時間をt2とする。
【0061】このような状態における流速vは、従来の
技術で示した方法と同様に、(数5)で求められる。す
なわち、この式には静止音速Cが含まれていないため、
音速の差に無関係に伝搬時間t1 とt2 を計測すること
により流速を求めることができる。
【0062】このような超音波流量計の流量検出部の製
造方法の一例を図5を用いて説明する。
【0063】まず初めに各寸法を決める。流路1の高さ
Hと、壁面11と壁面12の幅を決める。次にトランス
ジューサ4と5の高さhと幅を決める。このとき、流路
1の高さHと、トランスジューサ4と5の高さhは等し
くする。 次に流路1を作製する。流路1は、トランス
ジューサ4、5の周辺部を除いて断面が矩形であるた
め、平板を用いて作製する。平板の材料は、流路1に流
す被測定流体に対して化学反応等を生じず、漏れること
のないように気密性のあるものを用いる。本実施例では
被測定流体は空気であるため、上記条件に合うものとし
てアクリル板を用いた。次に寸法に合わせて下壁3、壁
面11、壁面12の3枚の平板をエポキシ樹脂系の接着
剤を用いて接着し、この段階で上壁2のない矩形流路を
構成する。次に超音波伝達子13、14の材料を決め
る。超音波伝達子13、14の材料は、密度とその材料
の音速との積で求まる音響インピーダンスが、トランス
ジューサ4、5の音響インピーダンスよりも小さく、か
つ空気の音響インピーダンスよりも大きなもの(例えば
アクリル樹脂等)を選ぶ。次にθの値を決め、それに対
応して決まる超音波伝達子13、14内での屈折角を求
めて超音波伝達子13、14の形状を図5(a)のよう
に加工し、トランスジューサ4、5と超音波伝達子1
3、14を図5(a)のように接着剤で接着する。この
とき、接着剤の影響を少なくするために、できるだけ接
着剤は薄くした方が良い。そしてトランスジューサ4、
5が流路1の中心に対して対称な位置にくるように、超
音波伝達子13と14がそれぞれ接着されているトラン
スジューサ4と5の位置を決め、その位置に対応する壁
面11、12の位置に切り込みを入れ、上壁2を接着剤
で取り付ける。この段階で空気の入口と出口、超音波伝
達子13と14がそれぞれ接着されたトランスジューサ
4と5の取り付け口の4カ所の穴が開いた流路1ができ
る。
【0064】次に超音波伝達子13、14が接着された
トランスジューサ4と5を取り付ける。トランスジュー
サ4と5は、圧電振動子の振動等により超音波を送受信
することができるものを用いる。超音波伝達子13、1
4が接着されたトランスジューサ4と5は、既に決めら
れている取り付け位置に、流路1を挟むように対向して
取り付ける。ただしここではネジ等による仮止めとし、
ここでトランスジューサ4と5の向きをそれぞれ微調節
して送受信感度が初期設定感度となる向き(例えば感度
が最大となる向き)を見つける。向きが決まったら、そ
の向きが固定されるように超音波伝達子13、14が接
着されたトランスジューサ4と5を接着剤で固定する。
【0065】最後に、気密性を完全にする。すなわち、
微調節により生じた流路1の隙間を接着剤等で塞ぐ。
【0066】以上のようにして、本実施例における超音
波流量計の流量検出部を作製することができる。
【0067】このような構成の超音波流量計の流量検出
部は以下のように動作する。まず、トランスジューサ4
を送信側、トランスジューサ5を受信側とする。超音波
流量計のトランスジューサ駆動回路から駆動信号を受け
た送信側のトランスジューサ4は、その電気信号を音響
信号に変換し、超音波伝達子13に超音波を送信する。
超音波伝達子13内を伝搬した超音波は、超音波伝達子
13と流路1との境界面で屈折し、流路1に超音波を入
射する。駆動信号は、一定の周波数で一定の波数の波連
を一定の周期で発振するバースト発振信号である。この
とき、送信側のトランスジューサ4は、音波放射面全面
が一様に振動して超音波を送信し、放射面の振動のムラ
はないものとする。流路1を斜めに伝搬した超音波は、
流路1と超音波伝達子14の境界面で屈折して超音波伝
達子14に入射し、受信側のトランスジューサ5で受信
され、その音響信号は電気信号に変換されて受信回路に
入射する。各波連に対応する受信信号の回数が予め規定
した回数に達すると、送信側と受信側のトランスジュー
サが切り替えられる。すなわち、トランスジューサ5が
送信側、トランスジューサ4が受信側となる。以降の動
作は上記と同様である。このように、送信と受信のトラ
ンスジューサを切り替えることによってt1とt2がそ
れぞれ求められ、前述のように(数5)を用いて流速、
流量を求めることができる。
【0068】通常、流路1の空気に直接超音波を送信す
るタイプのものは、流路1を斜めに超音波が伝搬するよ
うに、流路1の外側に斜めにトランスジューサ4、5を
取り付けるが、その際に壁面11、12には凹部ができ
てしまう。このような凹部があると、そこに空気の渦が
できてしまい、正確な流速計測ができなくなってしまう
ため、できるだけ壁面11、12には凹部ができないよ
うな構造にした方がよい。したがって本実施例では、図
5のように超音波を送信するトランスジューサ4、5と
流路1の空気との間に、流路1の入口から出口までの壁
面11、12が全体として平面となるような凹部に収ま
る形状を有する超音波伝達子13、14を設置した。超
音波伝達子13、14の寸法と角度は、超音波の屈折に
よる空気への入射角を考慮して設定した。このような構
成の超音波流量計においては、流路1の壁面に凹部がな
く、流れる空気に渦ができないため、精度の高い流速計
測を行うことができる。
【0069】なお、このような超音波伝達子13、14
の設置は、超音波の伝搬経路が図2、図3のような場合
でも同様な効果を有する。
【0070】(実施例4)以下本発明の第4の実施例に
ついて、図面を参照しながら説明する。
【0071】図6は本発明の第4の実施例における超音
波流量計の超音波送受波モジュールの概略図である。図
6において、4、5は超音波を送信または受信するトラ
ンスジューサであり、圧電振動子の振動等により超音波
を送受信できるもので、電気信号を音響信号へあるいは
音響信号を電気信号へ変換する素子である。15はトラ
ンスジューサ4、5の相対的な位置と角度を決定し固定
するための固定具で、材料としては、流路に流す被測定
流体に対して化学反応等を生じず、漏れることのないよ
うに気密性のあるものを用いる。実際には超音波流量計
の流路の材料と同じものを用いるのがよい。本実施例で
は4本の棒状体でトランスジューサ4、5を固定してい
るが、固定の方法はそれ以外でもよく、例えばトランス
ジューサ4、5の上面、下面に平行な板を用いて固定す
る方法などもある。このような超音波送受波モジュール
を用いた超音波流量計の製造方法の一例を図6を用いて
説明する。
【0072】まずトランスジューサ4と5の相対的な向
きを決める。すなわち、予め流量検出に最適な状態を決
めておき、それに合うように設定する。例えば、トラン
スジューサ4、5からお互いに超音波を送受信して、出
力感度が最大となるところで接着剤で固定する。接着剤
も被測定流体に対して化学反応等を生じず、漏れること
がないように気密性があるものがよい。あるいは、被測
定流体の流れによって超音波が下流方向に流されること
を考慮し、感度が最大となる角度よりもやや上流側に向
けた角度で接着剤で固定するといった方法もある。トラ
ンスジューサ4と5の距離は、超音波送受波モジュール
を取り付ける超音波流量計の流路の寸法と、設置する位
置によって必然的に決まる。また、トランスジューサ
4、5と固定具15の固定の方法は、接着剤による固定
のほか、ネジ止めによる固定等、いずれでも良い。
【0073】以上のように、超音波流量計組立の前に予
めこのような超音波送受波モジュールを作製しておく。
そして超音波流量計全体を組み立てる際に、流路に固定
具15がはまるように上壁・下壁の対応する位置に溝を
入れておき、この超音波送受波モジュールを組み込めば
よい。
【0074】通常、流路内にトランスジューサ4、5を
設置する場合には、超音波流量計全体を組み立てる工程
の中で、流路内でのトランスジューサ4、5の位置・角
度調節を行うためアラインメントが難しく、また流量計
全体の組立工程中で、アラインメントがうまくいかな
い、トランスジューサ4または5に不調が生じた、等の
何らかの問題が生じた場合には、流路を含めた流量検出
部全体、あるいは超音波流量計全体として不良となるた
め、歩留まりが悪く、コストが高くなってしまう。した
がって本実施例では、予め図6のような超音波送受波モ
ジュールを作製しておき、超音波流量計全体を組み立て
る工程の中でその超音波送受波モジュールを組み込むこ
とにより超音波流量計を作製した。このような手順によ
り作製した超音波流量計においては、トランスジューサ
4、5を流量計内に設置してから角度や位置を調節する
必要がなくなるため、組立工程の作業効率を高めること
ができるとともに、点検時や不調時に超音波送受波モジ
ュールのみの取り出しや交換が可能となり、歩留まりを
向上し、コストを低減することができる。
【0075】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の超音波流量
計は、被測定流体が流れる任意の高さで配置した平行な
二平面に挟まれた流路と、被測定流体を介して超音波の
送信または受信を行う任意の高さと同じ高さの送受信面
を有する第1、第2のトランスジューサとを設けること
により、送信側のトランスジューサから出射した超音波
の音圧を高さ方向にわたって一様にし、かつ受信側のト
ランスジューサの受信面全面で受信することができるた
め、非常に高感度で安定性が高く、かつ高効率のため低
消費電力である、優れた超音波流量計を実現できるもの
である。本発明の第2の超音波流量計は、被測定流体が
流れる流路と、流路の外側に位置し流路の長手方向に対
してほぼ平行な方向に超音波を送信または受信する第
1、第2のトランスジューサと、第1のトランスジュー
サの正面に位置し第1のトランスジューサから送信され
た超音波を流路の内部に向かって反射する第1の反射面
と、第2のトランスジューサの正面に位置し第2のトラ
ンスジューサから送信された超音波を流路の内部に向か
って反射する第2の反射面とを設けることにより、送信
側と受信側の両方のトランスジューサを流路に対して平
行に設置することができ、流路に対して斜めに設置する
必要がなくなるため、流量検出部が非常にコンパクトな
超音波流量計を実現できるものである。
【0076】本発明の第3の超音波流量計は、被測定流
体が流れる流路と、被測定流体を介して超音波の送信ま
たは受信を行う第1、第2のトランスジューサと、流路
と第1のトランスジューサとの間に設置しかつ流路に対
して超音波を送信または受信する面が流路の第1のトラ
ンスジューサ側の壁面に対して凹凸を生じない形状を有
する第1の超音波伝達子と、流路と第2のトランスジュ
ーサとの間に設置しかつ流路に対して超音波を送信また
は受信する面が流路の第2のトランスジューサ側の壁面
に対して凹凸を生じない形状を有する第2の超音波伝達
子とを設けることにより、流路の壁面に凹凸がなくなる
ので被測定流体の流れを乱すことがなくなり、かつ超音
波伝達子が直接被測定流体に接しているため境界面にお
ける反射等のロスがなくなるため、測定精度の高い優れ
た超音波流量計を実現できるものである。
【0077】本発明の第4の超音波流量計は、被測定流
体を介して超音波の送信または受信を行う第1、第2の
トランスジューサを予め流量検出に最適な位置と角度に
調節して対向しかつ固定具に固定することにより超音波
送受波モジュールを作り、被測定流体が流れる流路に超
音波送受波モジュールを組み込むという構築方法を用い
ることにより、トランスジューサを流量計内に設置して
から角度や位置を調節する必要がなくなるため、組立工
程の作業効率を高めることができるとともに、点検時や
不調時に超音波送受波モジュールのみの取り出しや交換
が可能となるため、歩留まりが良く、低コストな超音波
流量計を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における超音波流量計の流量検出
部の概略を示した図
【図2】第1の実施例における超音波流量計の流量検出
部の概略を示した図
【図3】第1の実施例における超音波流量計の流量検出
部の概略を示した図
【図4】第2の実施例における超音波流量計の流量検出
部を上から見た概略を示した図
【図5】第3の実施例における超音波流量計の流量検出
部を上から見た概略を示した図
【図6】第4の実施例における超音波流量計の超音波送
受波モジュールの概略を示した図
【図7】従来の超音波流量計の流路検出部の概略を示し
た図
【図8】従来の超音波流量計の流路検出部の概略を示し
た図
【図9】従来の超音波流量計の流路検出部の概略を示し
た図
【符号の説明】
1 流路 2 上壁 3 下壁 4 トランスジューサ 5 トランスジューサ 6 反射面 7 反射面 8 反射面 9 反射面 10 反射面 11 壁面 12 壁面 13 超音波伝達子 14 超音波伝達子 15 固定具 16 補助壁 17 補助壁 20 パイプ 21 超音波伝達子 22 超音波伝達子
フロントページの続き (72)発明者 東 奈緒子 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内 (72)発明者 橋本 雅彦 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め決められた高さを有する二つの平行
    な平板を備える流路と、前記二つの平板の外側に位置
    し、超音波の送受信面が前記予め決められた高さと実質
    的に同じ高さを有する二つのトランスジューサとを具備
    する超音波流量計。
  2. 【請求項2】 二つのトランスジューサが送受信する超
    音波の波長に対して、前記二つのトランスジューサの送
    受信面の幅が十分に小さいことを特徴とする請求項1記
    載の超音波流量計。
  3. 【請求項3】 二つのトランスジューサが送受信する超
    音波の波長に対して、前記二つのトランスジューサの送
    受信面の幅が十分に大きいことを特徴とする請求項1記
    載の超音波流量計。
  4. 【請求項4】 被測定流体が流れる流路と、前記流路の
    外側に位置し前記流路の長手方向に対して実質的に平行
    な方向に超音波を送受信する第1トランスジューサ及び
    第2のトランスジューサと、前記第1のトランスジュー
    サの正面に位置して前記第1のトランスジューサから送
    信された超音波を前記流路の内部に向かって反射し、前
    記第2のトランスジューサから送信された超音波を前記
    第1のトランスジューサへ送信する第1の反射面と、前
    記第2のトランスジューサの正面に位置して前記第2の
    トランスジューサから送信された超音波を前記流路の内
    部に向かって反射し、前記第1のトランスジューサから
    送信された超音波を前記第2のトランスジューサへ送信
    する第2の反射面とを具備する超音波流量計。
  5. 【請求項5】 被測定流体が流れる流路と、前記被測定
    流体を介して超音波の送信または受信を行う第1、第2
    のトランスジューサと、前記流路と前記第1のトランス
    ジューサとの間に位置し、前記流路に対して前記超音波
    を送信または受信する面が前記流路の前記第1のトラン
    スジューサ側の壁面に対して凹凸を生じない形状を有す
    る第1の超音波伝達子と、前記流路と前記第2のトラン
    スジューサとの間に設置しかつ前記流路に対して前記超
    音波を送信または受信する面が前記流路の前記第2のト
    ランスジューサ側の壁面に対して凹凸を生じない形状を
    有する第2の超音波伝達子とを具備する超音波流量計。
  6. 【請求項6】 被測定流体を介して超音波の送受信を行
    う第1トランスジューサ及び第2のトランスジューサを
    流量検出に最適な位置と角度に調節して固定具で固定さ
    れた超音波送受信モジュール。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003307444A (ja) * 2002-04-16 2003-10-31 Yokogawa Electric Corp 超音波伝播装置
JP2009168829A (ja) * 2009-05-07 2009-07-30 Panasonic Corp 流量計測装置
CN109341794A (zh) * 2018-12-24 2019-02-15 南京光声超构材料研究院有限公司 超声流量计及调节换能器的方法

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