JPH09137184A - 油凝固剤 - Google Patents

油凝固剤

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JPH09137184A
JPH09137184A JP31581595A JP31581595A JPH09137184A JP H09137184 A JPH09137184 A JP H09137184A JP 31581595 A JP31581595 A JP 31581595A JP 31581595 A JP31581595 A JP 31581595A JP H09137184 A JPH09137184 A JP H09137184A
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JP
Japan
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oil
block copolymer
coagulant
block
polybutadiene
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JP31581595A
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English (en)
Inventor
Teruo Kato
輝雄 加藤
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II C II KK
Original Assignee
II C II KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉱油や有機溶剤などの油を常温ですみやかに
多量に吸着し、1つの塊に凝固させ、しかも、油の保持
力に優れ、短時間で完全に廃棄処理することができる油
凝固剤を提供する。 【解決手段】 この油凝固剤は、一般式 【化5】 または 【化6】 (式中Aはポリスチレンブロックを示し、Bはポリブタ
ジエンブロックを示す)で表される構造を有するブロッ
ク共重合体を含み、そのブロック共重合体のnが3以上
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は油凝固剤に関し、
特にたとえば、鉱油あるいは有機溶剤などの油を吸着
し、塊状に凝固させるための油凝固剤に関する。
【0002】
【従来の技術】鉱油あるいは有機溶剤などの油が、事故
や誤操作などにより、海上、河川、湖に流出した場合に
は、環境保全のため、回収して廃棄する必要が生じる。
また、一般製造工場、機械工場および自動車などの潤滑
油用途などで使用済みになった油についても、廃棄する
必要がある。
【0003】従来、このような油を廃棄する方法とし
て、吸収材に吸収させて廃棄する方法が知られている。
この吸収材としては、ポリエステル繊維、ポリプロピレ
ン繊維などの合成繊維や天然繊維からなる編織布や不織
布が用いられる。また、パルプや発泡プラスチックなど
が用いられる場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の吸収材は、吸着した油の保持力が十分でなかった。そ
のため、吸収材に物理的な力が加わった時には、一旦吸
着されていた油が吸収材から漏出するという欠点があっ
た。更に、これらの吸収材を使用して海上、河川、湖に
流出した油を回収する場合には、水も同時に吸収してし
まうといった欠点があった。
【0005】一方、海上、河川、湖に流出した油を乳化
分散させて処理する方法も知られている。この方法で
は、たとえば脂肪酸エステルなどの界面活性剤が使用さ
れる。しかしながら、この方法では、流出した油を広範
囲にわたって分散させ、長時間かけて自然浄化されるの
を待つため、結果的に水質を悪化させ、生態系に悪影響
をおよぼす危険があった。また、この方法では、流出油
の処理に長時間を要するという問題もあった。
【0006】また、油に凝固剤を添加して廃棄する方法
も知られている。この方法に使用される凝固剤として
は、たとえばポリノルボルネンからなるものが知られて
いる。この凝固剤は、油を凝固させるのに要する時間が
30分〜2時間でよい。しかしながら、その凝固物の強
度が弱く、プリン状であるため、これらを回収して廃棄
するには相当な時間とエネルギーが必要であり、廃棄処
理が面倒であった。また、この凝固剤は、たとえばトリ
クロロエタンやフロンなどのハロゲン系溶剤をほとんど
凝固させることができないという欠点があった。
【0007】さらに、特公昭59−47718号公報に
は、A−B−A−B、または、B−A−B−A−B(A
はスチレン重合体ブロック、Bは1,3−ブタジエンま
たはイソプレンの重合体ブロック)の一般式で表される
ブロック共重合体を使用した油ゲル状化処理法が開示さ
れている。しかしながら、このブロック共重合体は、油
の吸着量が少なく、自重の3〜4倍程度の油しか吸着し
ないため、油を凝固させるためには添加量を多くする必
要があり、コスト的に高くなってしまうという問題があ
った。そのため、実際には、このブロック共重合体を使
用する油ゲル状化処理法は、ほとんど使用されるに至っ
ていない。
【0008】この発明者は、これらの問題点を解決する
ため鋭意研究を行った結果、この発明を完成するに至っ
た。すなわち、この発明の主たる目的は、鉱油や有機溶
剤などの油を常温ですみやかに多量に吸着し、1つの塊
に凝固させ、しかも、油の保持力に優れ、短時間で完全
に廃棄処理することができる油凝固剤を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、一般式
【化3】 または
【化4】 (式中Aはポリスチレンブロックを示し、Bはポリブタ
ジエンブロックを示す)で表される構造を有するブロッ
ク共重合体を含む油凝固剤であって、ブロック共重合体
のnが3以上である油凝固剤に関するものである。
【0010】すなわち、この発明にかかる油凝固剤は、
ポリスチレンブロックとポリブタジエンブロックとから
なるブロック共重合体を含む。このブロック共重合体
は、熱可塑性エラストマーである。このブロック共重合
体は、その末端ブロックの片方または両方が、ポリブタ
ジエンブロックからなる。式中のnは、ブロックの繰り
返し数(共重合度)を表す整数である。nが3以上のブ
ロック共重合体は、油の吸着量が多く、油を吸着した場
合には油の滲み出しのほとんどない硬い凝固物となる。
しかし、ブロック共重合体のnが2以下の場合は、油の
吸着量が少なく、多量の油を吸着、凝固させることがで
きない。また、nが11以上では、ブロック共重合体の
製造工程が煩雑となる。したがって、実質的には、ブロ
ック共重合体のnは3以上10以下が好ましい。
【0011】また、この発明に用いられるブロック共重
合体は、たとえばターボミルなどで機械的に粉砕するな
どして使用される。その粉末の粒径は2mm以下が好ま
しく、さらに好ましくは1mm以下が良い。なぜなら、
ブロック共重合体の粉末の粒径が大きいと、ブロック共
重合体の表面積が小さくなるため、油によるブロック共
重合体の潤滑速度が遅くなる。そのため、油を吸着し、
塊状に凝固させるまでに時間がかかり非効率的となるか
らである。
【0012】さらに、この発明の油凝固剤の、鉱油ある
いは有機溶剤などの油に対する添加量は、添加される油
の性質によって異なり、特定することはできない。しか
し、油の粘度が低いほど添加量は少なくてよく、油の粘
度が高いほど添加量は多く必要になる傾向がある。通常
は、油100重量部に対して2〜10重量部添加すれ
ば、油をすみやかに吸着し、ゴム状の1つの塊に凝固さ
せることができる。なお、この発明でいう凝固とは、多
少の物理的な力を加えても油がほとんど滲み出さない状
態をいう。
【0013】また、この発明にかかる油凝固剤は、常温
で十分実用的であるが、凝固させるべき油をあらかじめ
加温してから添加した場合は、油を吸着して凝固させる
作用をより一層高めることができる。
【0014】さらに、この油凝固剤には、使用前のブロ
ック共重合体の粉体相互間のブロッキング防止を目的と
して微粉のワックス、硬化油、炭酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、リン酸カルシウム、二酸化ケイ素などのブ
ロッキング防止剤を少量配合してもよい。また、帯電防
止または湿潤を目的に、粉末のモノグリセリド、ポリエ
チレングリコール脂肪酸エステルなどの界面活性剤を少
量配合してもさしつかえない。
【0015】また、合成繊維、天然繊維、紙、パルプ、
澱粉、蛋白、パーライトなどの表面積の大きい吸収剤を
配合してもよく、これらを併用してもよい。
【0016】さらに、この発明にかかる油凝固剤は、対
象となる油に直接投入して使用してもよいが、疎水性不
織布、たとえばポリオレフィン、ポリエステルなどの合
成樹脂繊維の不織布からなる袋に、充填した形態で使用
してもよい。この袋は、平板状、棒状、円筒状、球状な
ど用途に合わせてあらゆる形状にして用いることができ
る。
【0017】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
鉱油や有機溶剤などの油を常温ですみやかに多量に吸着
し、1つの塊に凝固させ、しかも、油の保持力に優れ、
短時間で完全に廃棄処理することができる油凝固剤を得
ることができる。すなわち、この発明にかかる油凝固剤
は、たとえば原油、灯油、軽油、ガソリン、スピンドル
油、A重油、B重油などの鉱油、あるいは芳香族炭化水
素、直鎖状炭化水素、側鎖状炭化水素、ハロゲン系炭化
水素、エーテル類などの有機溶剤に有効である。そし
て、この油凝固剤は、常温でたとえば1分〜1時間以内
という短時間で、自重の10倍〜50倍の油を吸着し凝
固させるという優れた性能を有しており、かつ油の保持
力が優れている。そのため、油を吸着した後、油の離脱
がなく、物理的な力による油の滲み出しもほとんどな
い、さらに、油が吸着されて凝固した凝固体の表面は、
時間とともに油特有のねばつきがなくなり、他物体に付
着しにくくなるので環境衛生上非常に有利となる。しか
も、この凝固体は、弾性ゴム状の1つの塊に凝固するの
で極めて簡単に廃棄処理することができる。
【0018】この発明の上述の目的、その他の目的、特
徴及び利点は、以下の発明の実施形態の詳細な説明から
一層明らかとなろう。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施例1 スチレンとブタジエンとをリビング重合法を用いて重合
させることにより、表1に示す4種類のブロック共重合
体を作成した。このブロック共重合体は、ポリスチレン
ブロックとポリブタジエンブロックとが直鎖(リニア)
状に配列された構造を有する。次に、このブロック共重
合体をターボミルを用いて粉砕し、18メッシュ(開口
径1mm)のふるいに通して、試料(1)〜試料(4)
を得た。これらを1号スピンドル油(日本石油株式会社
製)100重量部に常温において添加し、凝固状態をみ
た。その結果を表1にあわせて示す。なお、表1中、A
はポリスチレンブロック、Bはポリブタジエンブロック
をあらわす。また、表1中の凝固とは、指で押しても油
がほとんど滲み出さない状態をいう。以下の表2〜5も
同様である。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2 スチレンとブタジエンとを逐次モノマー法を用いて重合
させることにより、表2に示す3種類のブロック共重合
体を作成した。次に、このブロック共重合体を凍結粉砕
機を用いて粉砕し、32メッシュ(開口径0.5mm)
のふるいに通して試料(5)〜試料(7)を得た。これ
らをn−ヘキサン100重量部に常温において添加し、
凝固状態を見た。その結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】実施例3 前記実施例1で使用した試料(1)を各種の鉱油および
有機溶剤100重量部に添加し、凝固状態をみた。その
結果を表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】表1、表2、および表3に示す結果から明
らかなように、試料(1)〜試料(7)は、各種の鉱油
や有機溶剤を常温ですみやかに吸着し、凝固させること
がわかった。しかも、これらは油の保持力にも優れてい
た。
【0026】比較例1 スチレンとブタジエンとを逐次モノマー法を用いて重合
させることにより、表4に示す構造を有するブロック共
重合体を作成した。このブロック共重合体を凍結粉砕機
を用いて粉砕し、ふるいにかけて試料(8)〜試料(1
1)を得た。これらを、前記実施例1と同様に、1号ス
ピンドル油(日本石油株式会社製)100重量部に常温
において添加し、凝固状態を見た。その結果を表4に合
わせて示す。
【0027】
【表4】
【0028】比較例2 ポリプロピレン繊維からなる油凝固剤(試料12)、お
よびポリノルボルネンからなる油凝固剤(試料13)に
ついて実施例2と同様に、n−ヘキサンに添加して凝固
状態をみた。その結果を表5に示す。
【0029】
【表5】
【0030】表4、表5から明らかなように、試料
(8)〜試料(13)は、油凝固剤として満足できるも
のではなかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 または 【化2】 (式中Aはポリスチレンブロックを示し、Bはポリブタ
    ジエンブロックを示す)で表される構造を有するブロッ
    ク共重合体を含む油凝固剤であって、 前記ブロック共重合体のnが3以上である油凝固剤。
  2. 【請求項2】 ブロック共重合体は、ポリスチレンブロ
    ックとポリブタジエンブロックとが直鎖の状態で配列さ
    れる請求項1記載の油凝固剤。
  3. 【請求項3】 ブロック共重合体は、粒径が2mm以下
    の粉末である請求項1または請求項2記載の油凝固剤。
JP31581595A 1995-11-10 1995-11-10 油凝固剤 Pending JPH09137184A (ja)

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JP31581595A JPH09137184A (ja) 1995-11-10 1995-11-10 油凝固剤

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6055061B1 (ja) * 2015-10-13 2016-12-27 実男 山崎 粉末油凝固剤及び流動型油凝固剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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